説明

フレキシブルな材料ウエブを積層するための方法並びに装置

フレキシブルな材料ウエブを積層するための方法および装置が記載されている。この場合、材料ウエブ(2)は、供給装置(1)に導入され、この供給装置(1)から積層位置(3)に積層される。課題は、僅かな重量しかない材料ウエブであっても、良好な積層質のままで、より速い製造速度を獲得するということである。この課題は、材料ウエブ(2)が、供給装置(1)からの進出後に、積層工程をサポートするために送風装置(4,5)によって圧縮空気で負荷されることにより解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルな材料ウエブを積層するための方法および装置に関する。この場合、材料ウエブは供給装置に導入され、この供給装置から積層位置に積層される。特に、材料ウエブの積層位置の積層長さにわたるジグザグ状の積層である。
【0002】
フレキシブルな材料ウエブは、産業上の加工の多くの領域で利用される。材料ウエブは、織物、編物、フリース素材といった繊維面状形成体の形式、もしくは紙製品、天産物、プラスチック製品、または金属製品、平坦な複合材料もしくはこれらからの合成物の形式で提供することができる。発泡したおよび/または被覆されたおよび/または繊維状の製品も、フレキシブルな材料ウエブとして考慮される。この材料ウエブは後に後続処理される。
【0003】
材料ウエブは一般的にローラに巻き上げるには狭幅なので、材料ウエブのジグザグ状の積層は、収容容器またはプラットフォーム等の積層個所に多層に行われる。この場合、ローラへの巻上げにおいてよりも実施的に長い材料の走行メートルを収容することができる。
【0004】
材料ウエブのジグザグ状の積層の方法は、「懸垂式(Festooning)」と呼ばれ、そのための装置は「懸垂器(Festooner)」と呼ばれ、たとえばUS−PS5087140から公知である。そこで材料ウエブは供給装置によってプラットフォームに積層される。この供給装置は横方向で往復運動する。供給装置は、供給アームにより形成され、この供給アームは長手方向で前後に旋回する。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許第19644383号明細書から、供給装置である旋回アームも明らかになる。この旋回アームは運動しながら、旋回アームの幅にわたって材料ウエブを搬送することができる。ここでは材料ウエブは、搬送ベルトの間を積層位置に案内される。搬送ベルトはローラを中心に回転する。
【0006】
US−PS3735554は、ベルト材料を移動させるための装置を開示している。この場合、ボールバカの上方に配置された供給装置は、長手方向移動可能なフレームに配置されている。供給装置は2つのドラムからのみ成っている。供給装置のドラムの間から進出する材料は、ガイドされずにボール箱の上方のスペースにおいて自由に運動する。このことは正確な敷きつめを考慮すると欠点である。
【0007】
供給装置の別の形式は、ドイツ連邦共和国特許第10125452号明細書およびドイツ連邦共和国実用新案第9116502号明細書から公知であるように、ドラムに関するものである。前記明細書の供給ドラムは可逆に配向されるので移動可能な供給キャリッジの構成要素である。供給ドラムの間で材料ウエブは積層位置に搬送される。材料ウエブは供給ドラムもしくはキャリッジと共に規定の積層長さにわたって移動する。この積層長さは、たとえばパレットの幅に相当している。
【0008】
これら全ての公知の供給装置は、当然ながら正常に機能してはいるが、材料ウエブおよび/または供給装置の運動により発生する風が、特に僅かな重量しかない材料ウエブの積層工程を妨げる場合には問題が生じる。具体的には、材料ウエブが積層位置の縁部に到達せず、そうなると押さえまたはグリッパによって把持されないということが起こることがある。積層位置におけるスペースが最適に利用されない一方で、しわ形成、ひいては損なわれた積層特性および積層形成に繋がることがある。別の欠点は、特に僅かな重量しかない材料ウエブを積層できるように、運動速度は比較的遅いものでなければならないという結果をもたらす。材料ウエブおよび/または供給装置の速度が速ければ、それだけ一層、空気乱流は強烈である。この空気乱流は、やはり材料ウエブの積層の非正確性に繋がる。空気影響は、多様で種々異なる。
【0009】
不都合な工程として、旋回アームの配向交番の時点の例が特に明らかである。材料ウエブは、旋回アームから進出し、材料ウエブは積層位置に向かって下方に運動し、旋回アームが旋回し、こうして確実に空気抵抗が発生する。この場合、積層は縁部領域において中断され、そこに留まるために設けられた材料ウエブ区分は、材料ウエブが軽ければそれだけ、押しとどめられ、押さえまたはグリッパによってはもはや把持することはできない。旋回アームのために記載された工程は、根本的に供給ドラムを備えた供給キャリッジにも当てはまる。
【0010】
静電作用を考慮すると、別の困難がある。静電作用は旋回アームの搬送ベルトと材料ウエブとの間、および押さえと材料ウエブとの間にたいてい材料内のプラスチック割合に基づき存在する。進出する材料ウエブは搬送ベルトによって引き寄せられる一方で、既に積層された材料ウエブは、押さえによって引き付けられる。特に僅かな重量の材料ウエブは引力に影響を受け、積層の際に問題となる。供給ドラムで材料ウエブを積層する際の同じような作用も広く知られている。
【0011】
従って、フレキシブルな材料ウエブを積層するための公知の装置は、特に僅かな重量しかなく、速い速度における材料ウエブの積層に関して改良可能である。
【0012】
先行技術から出発して、本発明の課題は、前記の方法および装置を改良して、僅かな重量しかない材料ウエブであっても、良好な供給質、つまり積層質でありながら、より速い生産速度を達成することである。
【0013】
前記課題は、請求項1記載の特徴による方法に基づき解決される。これにより、前記方法は、材料ウエブを、供給装置からの進出後に積層工程のサポートのために圧縮空気で負荷するように構成され、改良される。
【0014】
本発明によれば、まず、空気乱流と静電作用とが互いに反作用すると、僅かな重量しかない材料ウエブであっても、良好な積層質のままで速い生産速度を得ることができるということが分かった。さらに、材料ウエブが圧縮空気で負荷されると、材料ウエブと供給装置の運動プロセスにより発生した空気乱流と静電作用とが互いに反作用することができるということがわかった。たとえばこの場合、供給装置の配向交番が行われ、供給装置は逆方向に運動し始めて、縁部領域のために設けられた材料ウエブ区分が、いわば「引きさらわれ」ると、圧縮空気により対抗処理される。圧縮空気は、積層しようとする材料ウエブによる、既に存在する材料ウエブの最上部の層と押さえとの間に存在する静電引力も克服する。従って、積層された材料ウエブの最上位の層の誤った配向は防がれる。
【0015】
本発明に係る方法は、フレキシブルな材料ウエブを積層するための方法であって、材料ウエブを、供給装置に導入し、該供給装置から積層位置に、殊にジグザグ状に積層する形式のものにおいて、材料ウエブを、供給装置からの進出後に積層工程をサポートするために圧縮空気で負荷することを特徴とする。
【0016】
しかし、配向交番の臨界点においてだけでなく、積層長さにわたる積層全体の間にも、圧縮空気負荷による空気抵抗の作用、または空気流による吸引作用、および静電引力をもたらすこともできる。供給装置から出てくる材料ウエブは、供給装置の運動方向に向かって常に圧縮空気で材料ウエブの積層場所に押圧され、引き続き、ずれ、しわ形成、縮れから守られるようになっている。材料負荷への圧縮空気負荷により、供給装置もしくはその搬送手段によってもたらされる引力も克服される。
【0017】
それどころかこうして、僅か50g/mより薄い厚さと、35mmの幅とを有する材料ウエブを、150m/min以上の速い速度で積層もしくは旋回アーム方法においては積層することができ、別の積層方法においては、ゆうに200m/min以上の速い速度で積層することができ、約150g/mの厚さと、70mmの幅とを有する材料ウエブを、積層・旋回アーム方法においては約200m/min、または別の積層方法においては300m/minの速い速度で積層することができる。冒頭で述べた公知供給装置では、この速度はいずれにしても達成することはできない。
【0018】
材料ウエブは、積層中に継続して補充され、積層位置もしくは材料ウエブスタックに運動させられる。今や所望の作用を圧縮空気で達成するために、有利には圧縮空気は、材料ウエブスタックの最上位の層の上面を形成しようとしている材料ウエブの面に衝突するように配向されている。さらに、圧縮空気は材料ウエブおよび/または供給装置の運動方向で配向されている必要がある。圧縮空気は、材料ウエブの上面に衝突することが望まれるので、圧縮空気は、供給装置または材料ウエブの運動方向に対して完全に平行に配向されているのではなく、材料ウエブに衝突するまで下方に曲げられている。
【0019】
特に大きな利点は、材料ウエブがジグザグ積層時のリターンポイントにある場合に、圧縮空気を加えることである。この場合、圧縮空気は、材料ウエブが、押さえの領域に達して、そこで必要な場合に一時的に位置固定されるためにサポートをする。
【0020】
ジグザグ積層工程に応じて、圧縮空気負荷は、材料ウエブおよび/または供給装置の配向交番に対応して交互に起こるようになっている。このために互いに向かい合う2つの送風装置が設けられていてよい。2つの送風装置は、それぞれ逆方向で作動する。材料ウエブがより軽いおよび/またはより狭幅であれば、それだけ一層早く、送風装置による材料ウエブへの圧縮空気負荷を行うことができる。一方の送風装置による可能な限り早期の圧縮空気負荷は、材料ウエブの配向交番が行われ、前記送風装置に相対する送風装置の圧縮空気負荷が終了してから行われる。この事例では、圧縮空気負荷は連続的に交互に行われる。
【0021】
材料ウエブがより重いおよび/またはより広幅であれば、それだけ一層遅くれて、送風工程は始まることになっている。たとえば、圧縮空気負荷が、逆方向で行われる場合には、一方の送風装置による圧縮空気負荷と、材料ウエブの配向交番とは、既に終了しているようになっている。この事例では、圧縮空気負荷は非連続的に交互に行われる。材料に問題があれば、それだけ一層連続的に圧縮空気負荷は行われる。この圧縮空気負荷は装置ではなく、材料に関連している。
【0022】
本発明に係る方法は、有利には、圧縮空気を、材料ウエブの、材料ウエブスタックの最上位の層をまさに形成する上面に衝突させる。
【0023】
本発明に係る方法は、有利には、圧縮空気を、材料ウエブが、一時的に位置固定されるために押さえまたはグリッパの領域に到達することに貢献させる。
【0024】
本発明に係る方法は、有利には、圧縮空気負荷を、材料ウエブおよび/または供給装置の配向交番に応じて交互に行う。
【0025】
本発明に係る方法は、有利には、圧縮空気を、材料ウエブおよび/または供給装置の運動方向にほぼ対応して配向する。
【0026】
本発明に係る方法は、有利には、互いに向かい合う2つの送風装置が設けられており、該2つの送風装置が、それぞれ逆方向で作動し、一方の送風装置による材料ウエブへの圧縮空気負荷を、材料ウエブおよび/または供給装置の配向交番を行い、前記一方の送風装置に相対する送風装置による材料ウエブへの圧縮空気負荷を終了させてから、可能な限り早期に行う。
【0027】
本発明に係る方法は、有利には、一方の送風装置を、材料ウエブの特性に関連して時間的にずらして、前記一方の送風装置に相対する送風装置の圧縮空気負荷の最後に、新たな圧縮空気負荷で別の方向に始動させる。
【0028】
さらに本発明の対象は、請求項8の特徴部により前記課題を解決する装置である。請求項8に基づき、材料ウエブを少なくとも1つの積層位置に供給するための供給装置を備えた、フレキシブルな材料ウエブを積層するための装置が、本発明によれば、載置装置が、少なくとも1つの送風装置を有していることにより改良される。この送風装置は、進出する材料ウエブを積層工程のサポートのために圧縮空気で負荷する。
【0029】
本発明に係る装置は、フレキシブルな材料ウエブを積層するための装置、殊に請求項1から7までのいずれか一項記載の方法を実行するための装置であって、材料ウエブを少なくとも1つの積層位置に供給するための装置が設けられている形式のものにおいて、供給装置が、少なくとも1つの送風装置を有しており、該送風装置が、進出する材料ウエブを、積層工程をサポートするために圧縮空気で負荷することを特徴とする。
【0030】
当該方法および当該装置に基づき、材料ウエブへの有利な圧縮空気負荷は、材料ウエブ自体の運動または供給装置の運動により生じる空気影響を抑えることができ、これにより、僅かな重量しかない材料ウエブでも、速い速度で精確な積層が達成可能である。
【0031】
旋回アームまたは積層キャリッジまたは供給ドラムのどの形式の供給装置かに応じて、材料ウエブは、ローラまたはドラムまたはベルトの形式の搬送手段の間から積層位置に送られる。供給装置の搬送手段に対する直接の接触は、積層長さの端部で終了するか、もしくは材料ウエブが材料ウエブ進出位置に達した際に終了する。
【0032】
択一的には、本発明による装置は、供給装置に関連して使用することもできる。この場合、材料ウエブは、互いに間隔を置いて配置された吸引装置、もしくは空気室によって積層位置に搬送され、吸引装置もしくは空気室の間を部分的に自由に揺れる。ここでの搬送手段は、環状のベルトであってもよい。このベルトは空気室をシールし、ベルトのパーフォレーションを介して同時に材料ウエブを吸引する。
【0033】
これらの種々異なる、たいてい対偶形式で存在する各搬送手段には、送風装置が対応配置されていてよい。材料ウエブの搬送が阻害されないように、送風装置は、それぞれ材料ウエブの反対側を向いた、搬送手段の外周面に対して僅かな間隔をもって配置されていてよい。材料ウエブの交互運動には、互いに向かい合って配置されているノズル開口を有する2つの送風装置が必要である。ノズル開口は、搬送手段の下方の所定の領域に、具体的には材料ウエブ進出位置の領域に開放していてよい。これによって、直接的な作用が可能になる。さらに有利には、ノズル開口は、材料ウエブに向かって配向されていてよい。なぜならば空気噴射は材料ウエブに衝突することが望まれているからである。
【0034】
送風装置は、SPS制御によって制御可能であり、圧縮空気で適切に負荷可能であってよい。一方の送風装置の圧送空気負荷は、配向交番が積層時に行われ、他方の送風装置の圧縮空気負荷が終了してから行われるようになっている。しかしここでは材料ウエブの特性に関連して、材料ウエブへの非連続的な圧縮空気負荷も考慮可能である。まさに積層された材料ウエブの上面は圧縮空気負荷により引き張られ、平滑に保持され、材料ウエブの「過剰供給」が積層位置の縁部領域において行われるということが重要である。これによって、材料ウエブは、押さえの下にまたはグリッパに到達し、その際に、押さえと材料ウエブスタックの予めあった最上位の層との間の静電引力、および運動プロセスによる空気抵抗を克服する。
【0035】
送風装置の交互圧縮空気負荷が制御されて行われるだけではなく、ノズル開口またはそれぞれの空気流も、材料ウエブのそれぞれの幅および/または材料ウエブの、たとえば重量、表面性質といった物理的な特性に応じて調整可能である。
【0036】
有利な構成によれば、ノズル開口の幅は、供給装置の搬送手段の幅に対応している。従って、全材料ウエブ幅はカバーされる。材料ウエブが比較的狭幅な材料ウエブ幅を有していると、ノズル開口または空気流をそれに応じて調節することができる。空気流を調節するために、送風装置の内部に、流れ横断面を変更する機械的なスライダ等を設けることができる。根本的にノズル開口は、材料ウエブ幅よりも小さくてもよい。このことにより当然、効果はいくらか狭められることになる。
【0037】
本発明による装置の有利な別の構成に関しては、本発明による方法の共通の記載が参照される。とりわけそこには、装置にとっても重要な特徴が説明されている。
【0038】
本発明に係る装置は、有利には、供給装置が、ベルト、ローラ、ドラムの形をした搬送手段を有しており、ベルト、ローラ、ドラムに沿って材料ウエブが、進出位置に到達する。
【0039】
本発明に係る装置は、有利には、好ましくは対偶形式で使用される搬送手段に、それぞれ1つの送風装置が対応配置されている。
【0040】
本発明に係る装置は、有利には、送風装置が、それぞれ材料ウエブとは反対側を向いた、搬送手段の外周面に対して僅かな間隔をもって配置されている。
【0041】
本発明に係る装置は、有利には、送風装置のノズル開口が、互いに向かい合って配置されており、搬送手段の下側の領域に開放しており、それぞれ進出する材料ウエブの方向で配向されている。
【0042】
本発明に係る装置は、有利には、送風装置が、SPS制御により制御可能であり、圧縮空気で適切に負荷可能である。
【0043】
本発明に係る装置は、有利には、一方の送風装置の圧縮空気負荷が、材料ウエブおよび/または供給装置の配向交番が行われ、前記送風装置に相対する送風装置の圧縮空気負荷が終了すると行われる。
【0044】
本発明に係る装置は、有利には、ノズル開口の幅が、少なくとも材料ウエブの幅、好ましくは供給装置の搬送手段の幅に相当する。
【0045】
本発明に係る装置は、有利には、供給装置の搬送手段の幅にノズル開口の幅が相当している場合、圧縮空気が、適切に材料ウエブの幅に合わせて調整可能である。
【0046】
今や、有利には、本発明の教示を構成し改良する種々異なる可能性もある。このためには、請求項1に従属する請求項を参照することができ、その一方で、以下の、図面に基づく本発明の実施例の説明を参照することができる。本発明で引用した実施例の説明に関連して、一般的に、教示の有利な構成および改良形も説明される。
【0047】
図3には、フレキシブルな材料ウエブを積層するための本発明による装置が概略的に示してある。当該装置は本発明による方法を実施するのに適しており、材料ウエブ2を積層位置3に供給するための供給装置1を有している。
【0048】
本発明によれば、材料ウエブ2は供給装置1からの進出後、積層過程をサポートするために向かい合って配置された2つの送風装置4,5によって圧縮空気で負荷される。
【0049】
図3b)、ただし図3a)および図3c)にも、送風方向を明示する矢印Aによれば、圧縮空気が、まさに将来的な材料ウエブスタック(図示せず)を形成しようとする材料ウエブ2の面に衝突しているのが示されている。その際には、表面の平滑化および引張が達成される。
【0050】
積層位置3の端部に、本実施例の場合には、押さえ6,7が設けられている。図3a)および図3c)には、材料ウエブ2が、一時的に位置固定されるために過剰供給により各押さえ6,7の領域に到達することに圧縮空気が貢献していることが明示されている。供給装置1は構成上の理由からその都度、端部個所にしか到達していなかったが、積層キャリッジである本例の供給装置1が到達しない所には、押さえ6,7が材料ウエブ2を捕らえることができるように圧縮空気が材料ウエブ2に衝突する。
【0051】
圧縮空気は、矢印Aによれば常に、材料ウエブ2の供給装置1の運動方向Bおよび材料ウエブ2の上面に主に向けられている。
【0052】
図1および図3から、相対している2つの送風装置4,5が設けられていることが明らかである。供給装置の運動方向Bの配向に応じて、送風装置4,5は適切な送風方向Aで作動する。
【0053】
本実施例では、図3b)に示してあるように、送風装置5による圧縮空気負荷は、積層位置3の積層長さLの中央で始まる。押さえ7に向かう運動方向Bは、ほぼ送風方向Aに対応している。送風方向Aは付加的に材料ウエブ2の上面に対して僅かに下方に方向付けられている。両押さえ6,7は、保持個所に設けられている。
【0054】
押さえ7に接近するにつれて、押さえ7は運動方向Cで上方に運動する。図3c)に示されているように、供給装置1が端部位置に達すると、材料ウエブ2の「過剰供給」または「膨らみ形成」が行われる。材料ウエブ2は、圧縮負荷により送風方向Aでサポートされる。
【0055】
押さえ6の方向に戻る積層経路において、同じ工程が、当然、逆の配向においても行われる。図3a)の押さえ6が開放個所にある間は、押さえ7は保持個所に位置している。送風装置5は、配向交番の前に圧縮空気負荷を停止し、供給装置1が積層位置3の積層長さLのほぼ中央に位置すると、送風装置4は送風工程を始める。ここでは材料ウエブ2の品質のために、圧縮空気の一定の負荷は必要ではない。
【0056】
図1および図3に示された供給装置1は、ここでは図面を見やすくするために図示されていない搬送ベルトを回転させるために、ローラ9,10の形をした搬送手段8を有している。
【0057】
各ローラ9,10には送風装置4,5が、材料ウエブ2とは反対を向いているローラ9,10の外周面に対して僅かな間隔をもって対応配置されている。図1および図2に示されている送風装置4,5のノズル開口11,12は、互いに向かい合って配置されていて、それぞれローラ9,10の下側の領域に送風方向Aで開放しているので、圧縮空気は積層したい材料ウエブ2の上面に衝突することができる。
【0058】
送風装置4,5は、SPS制御により制御可能であり、圧縮空気で適切に負荷可能である。圧縮空気管路のために接続部13が設けられている。
【0059】
図1に2つの保持プレートが符号14で示されている。2つの保持プレート14の間にはローラ9,10と送風装置4,5とが配置されていて、これらの保持プレート14にローラ9,10と送風装置4,5とが取り付けられてもいる。取付けは、貫通開口(図示せず)による螺合によってもたらされる。ローラ9,10は、アルミニウム管15と、球軸受17と、保持プレート14に位置固定するための端面側の孔を備えた軸18とから成っている。ここに示された供給装置は、図3に示されているように積層キャリッジにも旋回アームにも使用することができる。
【0060】
ノズル開口11,12の幅Dは、本実施例では供給装置1の搬送手段8,9,10の幅Eに対応している。この場合、圧縮空気は適切に材料ウエブ2の幅に合わせて調整可能である。
【0061】
図面にはさらに示されていない特徴に関しては、明細書全体が参照される。
【0062】
最終的に、本発明による教示は、前記実施例に限られない。むしろ、送風装置と、供給装置と、搬送機構の種々異なる構成と、ノズル開口の種々異なる構成と、制御コンセプトとが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による装置の実施例の概略的な斜視図である。
【図2】図1の対象物の細部の概略的な縮小斜視図である。
【図3】図1および図2の対象物に関して、材料ウエブの不連続な交代圧縮空気負荷の間の方法手順に対する極めて簡略化された原理を示す概略図であり、図3a)は、積層位置の一方の側での供給装置の端部個所における圧縮空気負荷の最終段階における図であり、図3b)は、反対方向への圧縮空気負荷の始動における図であり、図3c)は、積層位置の他方の側での供給装置の端部個所における圧縮空気負荷の最終段階における図である。
【符号の説明】
【0064】
1 供給装置、 2 材料ウエブ、 3 積層位置、 4,5 送風装置、 6,7 押さえ、 8 搬送手段、 9,10 ローラ、 11,12 ノズル開口、 13 ドラム対偶、 14 保持プレート、 15 アルミニウム管、 16 球軸受、 17 孔付き軸、 A 送風方向、 B 供給装置の運動方向、 L 積層長さ、 C 押さえの運動方向、 D ノズル開口の幅、 E 搬送手段およびローラの幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルな材料ウエブを積層するための方法であって、材料ウエブを、供給装置(1)に導入し、該供給装置(1)から積層位置(3)に、殊にジグザグ状に積層する形式のものにおいて、
材料ウエブ(2)を、供給装置(1)からの進出後に積層工程をサポートするために圧縮空気で負荷することを特徴とする、フレキシブルな材料ウエブを積層するための方法。
【請求項2】
圧縮空気を、材料ウエブ(2)の、材料ウエブスタックの最上位の層をまさに形成する上面に衝突させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
圧縮空気を、材料ウエブ(2)が、一時的に位置固定されるために押さえ(6,7)またはグリッパの領域に到達することに貢献させる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
圧縮空気負荷を、材料ウエブ(2)および/または供給装置(1)の配向交番に応じて交互に行う、請求項1から3までのいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
圧縮空気を、材料ウエブ(2)および/または供給装置(1)の運動方向(B)にほぼ対応して配向する、請求項1から4までのいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
互いに向かい合う2つの送風装置(4,5)が設けられており、該2つの送風装置(4,5)が、それぞれ逆方向(A)で作動し、一方の送風装置(4)による材料ウエブ(2)への圧縮空気負荷を、材料ウエブ(2)および/または供給装置(1)の配向交番が行われ、前記一方の送風装置(4)に相対する送風装置(5)による材料ウエブ(2)への圧縮空気負荷を終了させてから、可能な限り早期に行う、請求項1から5までのいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
一方の送風装置(4)を、材料ウエブ(2)の特性に関連して時間的にずらして、前記一方の送風装置(4)に相対する送風装置(5)の圧縮空気負荷の最後に、新たな圧縮空気負荷で別の方向(A)に始動させる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
フレキシブルな材料ウエブを積層するための装置、殊に請求項1から7までのいずれか一項記載の方法を実行するための装置であって、材料ウエブ(2)を少なくとも1つの積層位置(3)に供給するための装置が設けられている形式のものにおいて、
供給装置(1)が、少なくとも1つの送風装置(4,5)を有しており、該送風装置(4,5)が、進出する材料ウエブ(2)を、積層工程をサポートするために圧縮空気で負荷することを特徴とする、フレキシブルな材料ウエブを積層するための装置。
【請求項9】
供給装置(1)が、ベルト、ローラ(9,10)、ドラムの形をした搬送手段(8)を有しており、ベルト、ローラ(9,10)、ドラムに沿って材料ウエブ(2)が、進出位置に到達する、請求項8記載の装置。
【請求項10】
好ましくは対偶形式で使用される搬送手段(8)に、それぞれ1つの送風装置(4,5)が対応配置されている、請求項9記載の装置。
【請求項11】
送風装置(4,5)が、それぞれ材料ウエブ(2)とは反対側を向いた、搬送手段(8)の外周面に対して僅かな間隔をもって配置されている、請求項10記載の装置。
【請求項12】
送風装置(4,5)のノズル開口(11,12)が、互いに向かい合って配置されており、搬送手段(8)の下側の領域に開放しており、それぞれ進出する材料ウエブ(2)の方向で配向されている、請求項10または11記載の装置。
【請求項13】
送風装置(4,5)が、SPS制御により制御可能であり、圧縮空気で適切に負荷可能である、請求項8から12までのいずれか一項記載の装置。
【請求項14】
一方の送風装置の圧縮空気負荷が、材料ウエブおよび/または供給装置の配向交番が行われ、前記一方の送風装置に相対する送風装置の圧縮空気負荷が終了すると行われる、請求項13記載の装置。
【請求項15】
ノズル開口(11,12)の幅(D)が、少なくとも材料ウエブ(2)の幅、好ましくは供給装置(1)の搬送手段(8)の幅(E)に相当する、請求項9から14までのいずれか一項記載の装置。
【請求項16】
供給装置(1)の搬送手段(8)の幅(E)に、ノズル開口(11,12)の幅(D)が対応している場合、圧縮空気が、適切に材料ウエブ(2)の幅に合わせて調整可能である、請求項15記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−535698(P2008−535698A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505725(P2008−505725)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000522
【国際公開番号】WO2006/108377
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(307031976)エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (105)
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH&CO.KG
【住所又は居所原語表記】Landgrafen Str.45,D−41069 Moenchengladbach,Germany
【Fターム(参考)】