説明

フレキシブルコンテナ内の液体の重量測定

使い捨て可能な袋体のバイオリアクタ内の液体の重量の測定のための物品及び方法が示される。特定の実施形態において、本明細書中に記載のバイオリアクタシステムは、支持されたコンテナ(例:再利用可能なハウジング内のフレキシブルバッグ)を含み、このコンテナは液体、及び少なくとも2つの圧力表示センサを収容する。この圧力表示センサはコンテナに動作可能に結合している。第1の圧力表示センサはコンテナ底部付近に配されることができ、コンテナ内の下向きの力の全てを測定する。この下向きの力はコンテナ内の液頭及び液体上部のガス圧を含む。第2の圧力表示センサはコンテナ上部付近に配されることができ、液体の上部又は上方の圧力のみを測定する。圧力表示センサからの信号は制御システムへ向けられる。この制御システムは信号を受信すると共に信号間の差を計算する。この差を用い、コンテナ内の液体の体積又は重量を決定することができる。有利に、システムが稼働中、リアルタイムの重量測定値を得ることが可能であり、連続した流量処理を観察することができる。さらに、いくつかの実施形態において、圧力表示センサはコンテナ内のいかなる流体(例:液体)とも接触しないので、したがって、反応物の各バッチ処理の後洗浄を必要としない。圧力表示センサとの接触による処理流体の混入もまた防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にフレキシブルコンテナに関し、より詳細には、再利用可能な支持構造体に支持された使い捨て可能なバッグ等の、フレキシブルコンテナ内に収容される液体の重量を測定するためのシステム及び方法に関する。フレキシブルコンテナは、その内部にある化学的及び/又は生物学的反応を実行するためのバイオリアクタとして利用されることができる。
【背景技術】
【0002】
再利用可能な支持構造体内に収容される使い捨て可能なバッグ等のフレキシブルコンテナを含むバイオリアクタ内に収容される液体の重量及び/又は体積を決定するためのシステム及び技術は、バイオリアクタ内の液体の重量及び/又は体積を測定するための圧力表示センサを含むよう設計されていることが知られている。このようなシステム及び技術は、処理液体と流体連通するよう構成された床はかり或いは単一の圧力又は力変換器を含む。従前のシステムは煩わしく、大きく、しばしば費用のかかるはかりであって、振動及び衝撃の影響を受けやすいものであった。その後のシステムは、フレキシブルコンテナ内に存在する気相が気圧よりも高い応用性への不正確さ、及び処理液体に汚染を招く潜在性を有することを欠点として持つ。使い捨て可能なバッグ等のフレキシブルコンテナ/ライナを含まない剛性の反応用容器との関連で、システムは反応器内の液体の重量及び/又は体積を測定するための圧力表示センサを備えるよう設計されている。したがって、システムにおいて圧力表示センサが使用後洗浄されることなく再利用可能であって、重量及び/又は体積を決定する上記の典型的な従来のシステムの不利益の少なくともいくつかが削減或いは回避される。このように、バイオリアクタシステムのフレキシブルコンテナ内の液体の重量及び体積の測定を容易にする1以上の圧力及び力表示センサシステムは有益である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バイオリアクタ支持構造体内にある使い捨て可能なバッグ等のフレキシブルコンテナに収容される液体の重量を示す1以上のパラメータを決定するためのシステム及び方法が説明される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のある態様において、一連のバイオリアクタシステムがもたらされる。ある実施形態において、バイオリアクタシステムはコンテナ内に液体を収容するためのフレキシブルコンテナと、フレキシブルコンテナを取り囲むと共に収容する再利用可能な支持構造体を備える。バイオリアクタシステムはまた、フレキシブルコンテナと動作可能に結合するが、フレキシブルコンテナ内のいかなる流体とも接触せず、フレキシブルコンテナ内の第1の圧力を示すパラメータを測定するよう構成される第1の圧力又は力表示センサを有する。バイオリアクタシステムはまた、フレキシブルコンテナと動作可能に結合し、フレキシブルコンテナ内の第2の圧力を示すパラメータを測定するよう構成される第2の圧力又は力表示センサを有する。制御システムは、第1及び第2の圧力を示す第1及び第2の圧力又は力表示センサからデータを受信すると共に、第1及び第2の圧力間の差を計算するよう構成されることができる。
【0005】
他の実施形態において、バイオリアクタシステムはまた、フレキシブルコンテナと動作可能に結合すると共にフレキシブルコンテナ内の第1の圧力を示すパラメータを測定するよう構成された第1の圧力又は力表示センサと、フレキシブルコンテナと動作可能に結合すると共にフレキシブルコンテナ内の第2の圧力を示すパラメータを測定するよう構成された第2の圧力又は力表示センサを有することができる。バイオリアクタシステムはまた、第1及び第2の圧力を示す第1及び第2の圧力又は力表示センサからデータを受信すると共に第1及び第2の圧力間の差を計算するよう構成された制御システムを有することができる。
【0006】
他の実施形態において、バイオリアクタシステムは、コンテナ内に液体を収容するためのフレキシブルコンテナと、フレキシブルコンテナと動作可能に結合するが、フレキシブルコンテナ内のいかなる流体とも接触せず、フレキシブルコンテナ内の圧力を示すパラメータを測定するよう構成される1以上の圧力又は力表示センサを備える。バイオリアクタシステムはまた、圧力を示す前記1以上の圧力又は力表示センサからデータを受信すると共に、データからフレキシブルコンテナ内の液体の体積又は重量を決定するよう構成された制御システムを有することができる。
【0007】
本発明の他の利点及び新規的特性は、付随する図面と関連して考察する際に本発明の様々な非制限的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになる。本明細書及び参照することにより組み込まれた文書が相反する及び/又は一貫性のない開示を含んでいる場合、本明細書が効力を持つものとする。参照することにより組み込まれた2以上の文書が相反する及び/又は一貫性のない開示を互いに関連して含んでいる場合、後の発行日を有する文書が効力を持つものとする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態によるフレキシブルコンテナの概略図であって、再利用可能な支持構造体に包囲された使い捨て可能なバッグを備えると共に圧力表示伝達装置を有している。
【図2】本発明の一実施形態による圧力表示伝達装置を示す図であって、フレキシブルコンテナにぴったりくっついて配されている。
【図3】本発明の一実施形態による圧力表示伝達装置を示す図であって、再利用可能な支持構造体の底部に配されている。
【図4】本発明の一実施形態による圧力表示伝達装置を示す図であって、一体的に成型された取り付けダイヤフラムを備えたゲージガードを有している。
【図5】本発明の一実施形態によるゲージガードを有する圧力表示伝達装置の断面図であって、密閉されたダイヤフラムを備えている。
【図6】本発明の一実施形態による使い捨て可能なバイオリアクタバッグ及び再利用可能な支持構造体を備えるバイオリアクタシステムを示す図であって、バッグ内部の化学的及び/又は生物学的反応を実行するための様々な部材に関連している。
【図7】本明細書記載の圧力表示伝達装置を用いてフレキシブルコンテナ内の圧力の測定を示した図表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の非制限的な実施形態は、添付の図を参照しつつ一例として説明される。図は概略図であり、縮尺を意図して描かれたものではない。図において、図示されている理想的な又はほぼ理想的な部材の各々は一般的には一つの数字で表されている。明確化するために、全ての部材が数字で表示されているわけではなく、図示された本発明の各実施形態の全ての部材も数字で表示されているわけでもない。実際に、当業者が本発明を理解するために図解は必ずしも必要なわけではない。
【0010】
本発明は一般にバイオリアクタに関し、より詳細には、バイオリアクタのフレキシブルコンテナ内の液体の重量を測定するための物品及び方法に関する。本明細書中で用いる「フレキシブルコンテナ」又は「フレキシブルバッグ」は、内圧(例えば、コンテナ/バッグ内で収容される液体及び/又はガスの重量及び/又は静水圧に起因する)にさらされた場合、コンテナ/バッグがその形状及び/又は構造的完全性を維持することが不可能であることを示す。この内圧は、分離した支持構造体の恩恵を受けることのない操作の間に生じることが予期される。フレキシブルコンテナは本質的に可塑性を有する材料から作られることができ、或いは通常剛性を有する材料であると考えられるもの(例:ガラス又はある種の金属)から作られることができる。しかし、コンテナに与える厚み及び/又は物理的特性は概して、分離した支持構造体の恩恵を受けることのない操作の間に予期される内圧にさらされた場合、その形状及び/又は構造的完全性を維持することが不可能である。
【0011】
本明細書に記載のほとんどが、バイオリアクタ(及び/又は生化学的及び化学的反応システム)に関連する本発明の例示的な利用を包含するが、本発明及びその使用はそれほど限定されるものではない。本発明はまた他の設定における液体(及び/又はフレキシブルコンテナ内部の液体又はガスの圧力)の重量及び/又は体積を測定するのに用いられてもよい。このような設定は例えば、ブロー成型、バッグの製造、及びフレキシブルコンテナ及び/又はフレキシブルコンテナの液体の内容物の膨張を含む他の過程を含むことができる。
【0012】
ある実施形態において、本明細書に記載のバイオリアクタシステムは使い捨て可能なコンテナ(例:可塑性を有する、使い捨て可能なバッグであって、使用前に滅菌されていると共に単一使用のために設計されることができる)を有する。このコンテナは液体と少なくとも2つの圧力又は力表示センサを収容する。この表示センサは例えば、圧力/力変換器、圧力/力伝達装置、圧力/力ゲージ、又はその他の圧力/力測定装置等であって、動作可能にコンテナと(例えばホース又はチューブ等によって機械的、電気的又は流体的に)結合している。圧力表示センサはコンテナと動作可能に結合することができる。これは例えば、フレキシブルコンテナに(例えばフレキシブルコンテナの壁部に)直接接続されることによって、或いは(例えばフレキシブルコンテナに接続されたホース又はチューブを介して)フレキシブルコンテナの部材に流体的に接続されることによってなされる。接着は可逆的又は不可逆的であることができる。ある実施形態において、圧力表示センサは、フレキシブルコンテナに接続又は接着されることなく、ただフレキシブルコンテナに隣接すると共に接するだけで動作可能に結合することができる。通常、本明細書にて用いられるように、1以上の他の部材と「動作可能に結合している」発明のシステムの部材は、このような部材は互いに直接接続し、互いに接続又は接着せずに互いに直接物理的に接触し、或いは直接互いに接続して又は互いに接触していないということを示すが、しかし機械的、電気的(空間を介して送信される電磁信号を介することを含む)、又は流体的に相互接続しているので部材を十分に関連させる又は関連することができ、意図した機能が実行可能になる。したがって、圧力表示センサは、フレキシブルコンテナに隣接して配されると共に適所に任意の適切な方法(例:重力、接着剤の利用等)で保持されることにより動作可能にコンテナに接続される。これにより、圧力表示センサはその機能を発揮することができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1の圧力表示センサはフレキシブルコンテナの底部或いはその付近に配されることができ、コンテナ内部の全ての下向きの力/圧力を測定する。このような測定はコンテナ内の液体の重量、及び液体上部に存在する任意のガス圧力にも起因する力/圧力を含む。第2の圧力又は力表示センサはコンテナの上部又はその付近に配されることができ、例えば液体上部のガスを含有したヘッドスペース内といった、コンテナ上部の圧力/力のみを測定する。例えば圧力表示センサからの電気的又は電磁信号の形状の情報又はデータは、制御システムへと方向付けられる。制御システムは例えば情報を受信するコンピュータ実装システム等で、信号間の差を計算するものである。この差はフレキシブルコンテナ内の液体の体積又は重量を示すと共に、またその差を用いてその計算に利用できる。これについては後に述べる。有利に、連続した重量の測定は、システムが操作中の間維持され、連続した流れ工程は監視可能である。ある実施形態において、このような制御システムはまた、他のシステムの測定及び/又は制御タスクを実行可能である。他のシステムの測定及び/又は制御タスクとは、第1のベントフィルタが部分的或いは完全にブロックされた場合の、第1のベントフィルタから他のフィルタへの排気流の自動切換え等である。さらに、いくつかの実施形態において、圧力表示センサはフレキシブルコンテナ内のいかなる流体(例:液体)とも接触していないので、したがって、反応の各バッチ処理後に洗浄を必要としないと共に、処理流体の汚染を引き起こす能力を有さない。
【0014】
可塑性を有し、再利用可能なコンテナ内の液体の重量を測定するための圧力表示センサを有するバイオリアクタシステムの例は図1に概略的に示される。図1に示す実施形態に示されるように、バイオリアクタシステム(10)は再利用可能な支持構造体(14)(例:ステンレス鋼タンク)を有し、この支持構造体はフレキシブルコンテナ(18)を包囲すると共に収容する。いくつかの実施形態において、フレキシブルコンテナはバッグ(例:ポリマバッグ)として構成される。さらに或いは別の方法として、フレキシブルバッグまたはその他のフレキシブルコンテナの全体或いは一部は、硬質ポリマ、金属、及び/又はガラス等の略剛性の材料を備える。フレキシブルコンテナは使い捨て可能であると共に支持構造体から容易に取り外し可能に構成される。いくつかの実施形態において、フレキシブルコンテナは支持構造体に非一体的に接続されている。本明細書において用いられるように、「一体的に接続される」という用語は2つ以上の物体を言及する際、2つ以上の物体の分離により少なくとも物体の1つ(又は物体の部材)に損傷を与えてしまうということを意味し、例えば、破壊又は剥離(例:接着剤や道具等でしっかりと共に固定された部材の分離)を言う。
【0015】
フレキシブルコンテナ(18)は液体(22)を収容するために構築されるとともに配される。フレキシブルコンテナ(18)は、化学的及び/又は生物学的な反応を実行するために必要な反応物、培地、及び/又は他の部材を収容する。フレキシブルコンテナ(18)は、使用中に液体(22)がフレキシブルバッグとのみ略接触すると共に、再利用可能な支持構造体(14)とは接触しないままである。このような実施形態において、コンテナは使い捨て可能であると共に一度の反応又は単一の一連の反応に用いられることができ、反応後、使い捨て可能なコンテナは処分される。使い捨て可能なコンテナ内の液体が支持構造体と接触できないので、支持構造体は洗浄せずに再利用可能である。すなわち、コンテナ(18)で反応が起きた後に、コンテナは支持構造体から切り離され、第2の使い捨て可能なコンテナと交換可能である。使い捨て可能なコンテナ又は再利用可能な支持構造体を洗浄する必要なく、第2の反応は第2の使い捨て可能なコンテナ内で実行可能である。
【0016】
フレキシブルコンテナ内の液体の重量及び/又は体積を測定するために、第1及び第2の圧力表示伝達装置(26)及び(30)夫々が、コンテナ及び/又はタンクと動作可能に接続されることができる。この接続は、例えば機械的又は電気的手段により、互いに接続又は接着されることなく互いに直接物理的接触することにより、或いはチューブ等によってコンテナ及び/又はタンクに流体的に接続されることにより行われる。ある実施形態における圧力表示伝達装置は、圧力又は力を検知する測定セル(例:圧電センサ)及び電気回路を備えることができ、測定セルからの信号を処理したり、また制御システム(34)へ情報を送信する。したがって、第1及び第2の圧力表示伝達装置は、フレキシブルコンテナ内の第1及び第2の圧力と、コンテナ内の液体の体積又は重量を示す或いはコンテナ内の液体の体積又は重量を決定するのに有効な差を測定するように構成されることができる。さらに、いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2の圧力表示伝達装置は、コンテナ内のいかなる液体とも液体接触していない。例えば、図1に説明される実施形態に示されるとおり、第1の圧力表示伝達装置(26)は(例えば、コンテナと支持構造体の間に配される圧力及び力測定部材を有する)コンテナ底部又はその付近に配される。これにより、コンテナが液体で満たされると、コンテナ内の液体の下向きの力及び圧力は、圧力表示伝達装置に対し加えられる(液体が測定セルと接触することはない)。力/圧力の大きさは、フレキシブルコンテナ内の液体の量及びコンテナ内で液体がさらされる静水圧に反映する。第1の圧力表示伝達装置に対する力/圧力はまた、コンテナ内の液体(22)の液位より上にある部分(38)内のガス圧の量にも依存する。ガス圧単体は第2の圧力表示伝達装置(30)によって測定可能である。この第2の圧力表示伝達装置(30)はコンテナ上部或いはその付近に配されることができる。上述の通り、第1及び第2の圧力表示伝達装置は制御システム(34)へ信号を送信するよう構成されることができる。この制御システム(34)は、第2の圧力表示伝達装置によって測定される圧力を、第1の圧力表示伝達装置によって測定される圧力から引くことができる。この結果、コンテナの液頭のみによって加えられた圧力を測定することになる。当業者にとって明らかなことであるが、この値はコンテナの容積と同様、液体の質量及び密度に関連する公式を通じて重量及び/又は体積に変換可能である。
【0017】
第2の圧力又は力表示伝達装置はホース(36)を介してフレキシブルコンテナに接続されることができ、また、動作可能にゲージガード(37)を介して接続されることができる。ゲージガード(37)は、圧力表示伝達装置の正確な操作を可能にする一方で、コンテナ(18)の内容物から圧力表示伝達装置を分離させる。他の実施形態において、圧力表示伝達装置(30)はコンテナ(18)に直接又は流体接触して接続可能である。ホースに接続された排出フィルタ(40)は、コンテナ(18)から排気流を放出するために用いられることができる。
【0018】
また、図1に追加の流入口(42)及び追加の排出口(46)が示される。この流入口(42)及び排出口(46)はフレキシブルコンテナ内及び/又は再利用可能な支持構造体内で形成されると共に、コンテナからの液体及び/又はガスのより簡便な導入及び除去を促進することができる。チューブは流入口及び/又は排出口に接続されることができ、供給及び回収ラインの夫々を形成し、コンテナから液体を導入及び除去する。任意で、コンテナ及び/又は支持構造体はユーティリティタワー(50)を有することができる。このユーティリティタワーは1又はそれ以上の装置の相互接続を促進するためにもたらされることができる。1又はそれ以上の装置は、1又はそれ以上のポンプ、制御装置、及び/又は電子機器(例:センサ電子機器、電子インターフェース、及び圧縮ガス制御装置)又はその他の装置と共に、コンテナ及び/又は支持構造体の内部にある。支持構造体及び/又はフレキシブルコンテナはまた、1又はそれ以上の孔(54)を有することもできる。孔(54)は試料採取、分析(例:液体内のpH及び/又は液溶性ガスの量の決定)、或いは他の目的のために用いられる。支持構造体は、フレキシブルコンテナ内の液体の液位を調べるための1以上のサイトウィンドウ(60)も備える。1以上の接続部(64)がコンテナの上部付近、又は他の適切な位置に配される。接続部(64)はコンテナから液体、ガス等を出し入れするための開口部、チューブ、及び/又はバルブを備えることができ、各々は流量センサ及び/又はフィルタ(図示せず)を任意で備えることができる。支持構造体は複数の脚部(66)を備えることができ、バイオリアクタシステムの運搬を容易にするために任意でキャスタ(68)を有することができる。
【0019】
図1で示された全ての特性が本発明の全ての実施形態に表す必要はなく、及び図示された部材は異なって配され又は構成されることができる。また、他の実施形態において、追加の部材が示されることができる。
【0020】
第1の圧力表示伝達装置(26)は任意の好適な位置に配されることができるので、フレキシブルコンテナ内部の液体により加えられた力又は圧力の正確な読み取りがなされる。ある実施形態において、第1の圧力表示伝達装置はコンテナの底部又はその付近、例えば上述されると共に図2及び3で概略的に示されるように配される。圧力表示伝達装置は、例えば使い捨て可能なコンテナの底部を横切るように略水平に配置される。したがって、圧力表示伝達装置の有効な検知面は、支持構造体の底壁と基本的に同一平面上にある。圧力表示伝達装置は、図3に示されるように、支持構造体の底壁に又は底壁に隣接して据え付けられることができるか、或いは、再利用可能な構造体の耐荷重性壁内に嵌め込まれることができる。これにより、図2に示す通り、圧力表示伝達装置はフレキシブルコンテナに対してぴったりくっついて配されている。様々な表示センサは、Rosemount/Emerson Process Management(例:Rosemount 3051 圧力伝達装置)によってもたらされるようなこのような構造を含む構造において用いられることができるが、これらに限定されることはない。フレキシブルコンテナが液体を含む場合、ダイヤフラム(80)等の圧力表示伝達装置の検知部材は、ダイヤフラム上の液体により加えられる下向きの力(84)によって偏向される。この力はコンテナ材料を介して圧力表示伝達装置に送信される。特定の実施形態において、力は電圧を生み出すことができ、この電圧はケーブル(86)を介して制御システムへ送られる。制御システムは、プログラムされたアルゴリズムを用いて、この電圧を液柱高さに変換することができる。そして変換されたものは次に、コンテナ内部の液体の重量及び/又は体積の測定値に変換される。この変換は例えば、コンテナの周知の形状及び大きさを考慮するプログラムアルゴリズムを例えば利用することによってなされる。
【0021】
他の実施形態において、圧力表示伝達装置(26)はフレキシブルコンテナの側壁又はその付近に配されることができる。これによりフレキシブルコンテナは圧力表示伝達装置に対して横向きの力を加える。圧力表示センサはコンテナに関連する別の場所に配されることができる。また、圧力表示伝達装置に対して加えられた液体の力は、コンテナ底部に関連する縦向きの位置が、コンテナ内部の液体の重量及び/又は体積を示すことを説明するよう調整されることができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、フレキシブルコンテナは略閉じた状態である。例えば、コンテナはコンテナ外部の環境から略遮断されているが、但し特定の実施形態における、コンテナから内容物を添加及び/又は除去することができる1又はそれ以上の流入口及び/又は排出口は除外されている。フレキシブルコンテナは液体で満たされる前に略収縮することができると共に、液体で満たされると膨張を開始することができる。コンテナが加圧を開始すると、液位上部のガス圧は、充填の間に排出されなければ、コンテナ内の液体に力を及ぼし、またガス圧及び液頭の結合された力は第1の圧力表示伝達装置によって測定される。ガス圧はまたコンテナ内で起こる反応によるガス放出(例えば細胞呼吸、発酵、ガス生成化学反応等によって生み出されるもの)によって、及び/又は、操作中のコンテナへのガスの導入(例えば空気又は酸素を導入し、呼吸又は二酸化炭素を促進して光合成を促進すること)を介してもたらされる。ガス圧はまた第2の圧力表示センサによって測定可能であって、これは液位より上に有利に配されている。図4に示す実施形態において示される通り、第2の圧力表示伝達装置(30)はフレキシブルコンテナと動作可能に結合することができ、例えば、ホース(36)及びゲージガード(37)を介してコンテナに流体的に相互接続されている。ゲージガードはコンテナ内の液体を圧力表示伝達装置との接触から分離することができ、その一方で圧力表示伝達装置がコンテナ内部のガス圧を測定することを可能にする。ケージガード(37)は従来的な設計の市販の物品であることができると共に、任意の好適な材料で形成されることができる。ある場合によっては、ゲージガード(37)はシリコン等の可塑性を有する材料で形成されることができるので、コンフォーマル性を有する密閉をもたらし、圧力における変化に反応して偏向する。図4に示す実施形態に示されるように、ゲージガードは一体成型接続金具の形状であることができる。しかしながら、他の構造もまた可能である。圧力表示伝達装置により測定される信号は、ケーブル(88)を介して制御システムに送信されることができる。
【0023】
図5は圧力表示伝達装置を示すと共にゲージガード(37)の断面図を示す。この実例となる実施形態に示される通り、ゲージガード(37)は第1のダイヤフラム(90)と共に第2のダイヤフラム(92)を有する。第1のダイヤフラム(90)はウェルデット(weldet)(96)(例:成型されたシリコンウェルデットの一片)に結合されると共に密閉され、バッグの滅菌境界が維持されることを可能にする。このような実施形態において、コンテナ内の液体上部のガス圧は、圧力表示伝達装置に圧力を送信するダイヤフラムに対して矢印(98)の方向に力を加えることができる。これにより、圧力信号を検知できると共に制御システムへ測定した圧力を示す信号を送信することができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2の圧力表示伝達装置(26)及び(30)は、圧電センサであって、機械的応力(力又は圧力)が加えられることに反応して電圧を生み出す。特定の実施形態において、本明細書に記載のフレキシブルコンテナに結合する圧力表示伝達装置/センサ(いくつかの実施形態においてはフレキシブルコンテナ内部のいかなる流体とも接触しない)は、Rosemount/Emerson Process Management(例:Rosemount 3051 圧力伝達装置)によりもたらされるものである。第1及び第2の圧力表示伝達装置はまた、バイオリアクタの滅菌境界内に配されるセンサも備える。いくつかの実施形態において、センサは貫流する設計であると共に、センサの部分に貫流する或いはセンサの部分に隣接する液体又はガスの圧力を測定するのに用いられることができる。例えば、センサはガスの供給及び回収ライン内に配されることが可能であり、これは液位上部のガス圧及びバッグの底部に加えられた液体の力の夫々を測定するのに用いられることができる。しかしながら、他のタイプの圧力センサを用い(単体又はその他のセンサ又は装置と組み合わせて)、液体の重量及び/又は体積を示すフレキシブルコンテナ内部の液体の特性を測定することができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、1又はそれ以上の圧力表示伝達装置/センサは使い捨て可能である。使い捨て可能な圧力表示伝達装置/センサは、フレキシブルコンテナと結合することができる。例えば、本明細書で説明されるように、使い捨て可能なセンサは、非一体的及び可逆的にチューブ(例えば液位上部のガス圧及び/又はバッグ底部に加えられた液体の力を測定するために)に接続されることができ、及び/又はフレキシブルコンテナ及び再利用可能な支持指示構造体の間に配されている。フレキシブルコンテナと共に用いられることができる使い捨て可能な圧力表示伝達装置/センサの例は、PendoTECH及びUtah Medicalから入手可能なものである(例:Deltran DPT-100変換器)。使い捨て可能な圧力表示伝達装置/センサは、例えば圧力表示伝達装置/センサ及びフレキシブルコンテナ内の流体との間の流体接触を含む特定の実施形態において、有益であるといえる。このフレキシブルコンテナ内において、圧力表示伝達装置/センサの無菌性及び混入がないことは重要である。
【0026】
上述の通り、第1及び/又は第2の圧力表示伝達装置(26)及び(30)は、フレキシブルコンテナ内の内容物から流体的に分離されることができる。他の実施形態において、第1及び/又は第2の圧力表示伝達装置はまた、フレキシブルコンテナ内部に存在するいかなるガス(例:蒸気)から流体的に分離されることもできる。したがって、このような実施形態において、第1及び/又は第2の圧力表示伝達装置は、連続する反応の間、洗浄を必要とせずに再利用可能であると共に、使用中にフレキシブルコンテナの内容物のいかなる混入も防止することが可能である。
【0027】
特定の実施形態における圧力表示伝達装置(26)及び(30)の使用は、システムが稼動している間及びフレキシブルコンテナが陽圧下にある間、フレキシブルコンテナ内部の内容物の重量(及び/又は体積)のリアルタイム追跡(例:時間関数と共に)を可能にする。このような実施形態において、圧力表示伝達装置は圧力制御装置を始動させるのに用いることができ、所望の圧力レベルを維持して様々なバイオリアクタ処理の要求に適合する。さらに、使い捨て可能なバイオリアクタの処理中に目詰まりするベントフィルタは好ましくない余分な加圧を引き起こし、フレキシブルコンテナに問題がもたらされる結果になる。そのため、コンテナ内部の圧力の測定は、このような出来事が起こる前に操作者又は自動制御システムにベントフィルタの状態を知らせるのに役立つ。例えば、圧力の情報(例:フレキシブルコンテナと動作可能に結合する2つの圧力表示センサによって測定された第1及び第2の圧力間の差)は、フィルタ(40)が目詰まり状態になった場合、一方のフィルタ(40)から他方のフィルタへ排気流の自動的な切り替えを行うのに用いられることができる。これは、手動のフィルタバイパス操作を実行することにより使い捨て可能なコンテナの一体性を脅かすことなく行われることができ、或いはシステムは、過度の圧力を検知するとこのようなバイパス操作を自動的に実行することができる。
【0028】
バイオリアクタシステム(10)の特定の実施形態における重量測定及び背圧監視機能はまた、潅流処理等の一定の流量処理の実行を促進することができる。いくつかの潅流処理において、バイオリアクタシステムは細胞マトリックスのための成長環境をもたらし、新鮮な成長培地の流入量は、回収した物質(例:タンパク質、酵素、抗生物質、成長ホルモン、微生物細胞、ビタミン、アミノ酸及び他の有機酸)の流出量によって平衡が保たれている。流量のこの均衡は、しばしば細胞培養の重量と相互に関連する。この細胞培養の重量は、本発明の特定の実施形態の圧力表示伝達装置により測定されるものである。特定の実施形態において、細胞培養の重量及び/又は体積は、発明のシステムによって決定された重量/体積に従って新鮮な成長培地及び生成物の流入及び流出量を調節することにより、一定に保たれることができる。他の実施形態において、圧力表示伝達装置は流加培養又は他の種類の処理法を制限するのに用いられることができる。
【0029】
クローズドバイオリアクタシステムはすでに本明細書に記載されており、当業者にとっては容易に明らかで理解されうることであるが、他の実施形態において、本発明の態様はオープンバイオリアクタシステムにも適用可能である。例えば、フレキシブルコンテナは再利用可能な支持構造体によって支持されることができ、その両方は大気にさらされている。このような実施形態において、(例えば使い捨て可能なコンテナの底部又はその付近に配されている)単一の圧力表示伝達装置のみが、コンテナ内部の液体の重量及び/又は体積を測定するのに必要とされることができる。
【0030】
図6に示す例示的な実施形態において示される通り、図1に示したフレキシブルコンテナ及び再利用可能な支持構造体は、バイオリアクタシステム(100)全体の一部として様々な部材と動作可能に結合可能である。したがって、フレキシブルコンテナ及び/又は再利用可能な支持構造体は様々な接続金具を有することにより、フィルタ、センサ、及びミキサ等の機能性部材への接続と同時に、液体培地、ガス等の試薬を供給するラインへの接続を促進する。フレキシブルコンテナ及び接続金具は使用前に滅菌され「無菌エンベロープ」がもたらされる。これは、コンテナ内部の内容物を外部の気中浮遊汚染物質から保護するものである。いくつかの実施形態において、コンテナ内部の内容物は使い捨て可能な支持構造体と接触しない。したがって、再利用可能な支持構造体は特定の化学的及び/又は生物学的反応を実行した後、滅菌されることなく再利用可能である。一方でフレキシブルコンテナ及び/又は使い捨て可能なコンテナに接続された接続金具は廃棄可能である。他の実施形態において、フレキシブルコンテナ、接続金具、及び/又は再利用可能な支持構造体は(例えば洗浄及び滅菌後に)再利用することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、フレキシブルコンテナは使い捨て可能なバッグであって、好適な可塑性を有する材料から形成される。いくつかの実施形態において、可塑性を有する材料は、USPのVI級と認定されたものであり、例えば、シリコン、ポリカーボネート、ポリエチレン及びポリプロピレンである。可塑性を有する材料の非制限的な例はポリマを含む。ポリマは、ポリエチレン(例:低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、シリコンゴム、他の合成ゴム、及び/又はプラスチックである。上述の通り、フレキシブルコンテナの一部は、硬質ポリマ(例:高密度ポリエチレン)、金属、及び/又はガラス等の略剛性を有する材料を(例えば接続金具を支持する領域に)備えることができる。他の実施形態において、コンテナは略剛性を備える材料から形成される。コンテナの全部又は一部は光学的に透明であるので、コンテナ内部の内容物を見ることができる。
【0032】
フレキシブルコンテナは、液体を収容するための好適な厚みを有すると共に、操作中又は取り扱い中の穿刺に対する一定の耐性を有するように設計される。例えば、フレキシブルコンテナは、全体の厚みが50ミル以下、25ミル以下、15ミル以下、又は10ミル以下であることができる。いくつかの実施形態において、フレキシブルコンテナは1層以上の物質層を有する。この物質層はともに薄層にされるか或いは互いに接着され、一定の特性をフレキシブルコンテナに与える。例えば、ある層は酸素が略浸透しない物質で形成される。他の層は力をフレキシブルコンテナにもたらす物質で形成される。さらに他の層を有して、フレキシブルコンテナ内に収容されることができる流体に化学的耐性を与えることができる。フレキシブルコンテナは、任意の好適な層の組み合わせから形成されてもよく、本発明はこの点において制限されない。例えばフレキシブルコンテナは、1層、3層以上、5層以上の層を有してもよい。各層は例えば、25ミル以下、15ミル以下、10ミル以下、5ミル以下、又は3ミル以下の厚みを有することができる。
【0033】
フレキシブルコンテナは、化学的及び/又は生物学的反応を実行するために任意の好適な大きさであってよい。例えば、コンテナは1−100L、100−200L、200−300L、300−500L、500−750L、750−1000L、1000−2000L、又は2000−5000Lの容積であってよい。5000L以上の容積もまた可能である。
【0034】
再利用可能な支持構造体は略剛性を有する材料から形成されることができる。再利用可能な支持構造体を形成するのに使用可能な材料の非制限的な例として、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、樹脂含浸処理されたファイバグラス又はカーボンファイバ、ポリマ(例:高密度ポリエチレン、ポリアクリル酸塩、ポリカーボネート、ポリスチレン、ナイロン又は他のポリアミド、ポリエステル、フェノール性ポリマ)、及びこれらの組み合わせを含む。材料は、用いられる環境においてその使用が保証される。例えば、最小の微粒子の発生が必要となる環境において、脱粒することのない材料が用いられることができる。
【0035】
再利用可能な支持構造体は、標準のステンレス鋼のバイオリアクタと同様の高さ及び直径を有するように設計されることができる。その設計は、容積の小さな卓上バイオリアクタシステムの大きさに縮小可能である。したがって、再利用可能な支持構造体は、所望の化学的及び/又は生物学的反応を行う任意の適切な容積を有することができる。多くの例において、再利用可能な支持構造体は、フレキシブルコンテナと略同一の容積を有する。例えば、単一の再利用可能な支持構造体は、ほぼ同様の容積を有する単一のフレキシブルコンテナを支持すると共に収容するために用いられることができる。しかしながら、他の場合では、再利用可能な支持構造体は、1以上のコンテナを収容するために用いられる。再利用可能な支持構造体は、例えば、1−100L、100−200L、200−300L、300−500L、500−750L、750−1000L、1000−2000L、又は2000−5000Lの容積を有することができる。5000L以上の容積もまた可能である。
【0036】
図6に示す実施形態に示す通り、フレキシブルコンテナは、温度制御装置(106)と動作可能に結合することができる。温度制御装置(106)は例えば、熱交換器、閉ループ式のウォータージャケット、電気毛布、又はペルチェヒータである。コンテナ内部の液体を熱するための他のヒータは当業者に周知であると共に、フレキシブルコンテナ(18)と組み合わせて用いられることも可能である。ヒータはまた、コンテナ(102)内部の内容物の温度を感知する熱電対及び/又は測温抵抗体(RTD)をさらに備える。熱電対は、温度制御装置に動作可能に接続されることができ、コンテナ内の内容物の温度を制御する。任意で、熱伝導物質がフレキシブルコンテナの表面に埋め込まれて伝熱面がもたらされることができる。これにより、コンテナの他の部分を形成するために用いられた材料の絶縁効果が克服される。
【0037】
冷却は、閉ループ式のウォータージャケット冷却システム、バイオリアクタに取り付けられた冷却システム、又は再利用可能な支持構造体上のカバー/ジャケットを介した標準的な熱交換によって行うことができる。(例:電気毛布及び加熱と冷却を行うパッケージ化された複式ユニットは、加熱/冷却両方のために構成された装置の部材を含むことも可能であるが、冷却ジャケットから分離することもできる。)冷却はペルチェ冷却器によってもたらされることもできる。例えば、ペルチェ冷却器は排気管に適用されることができ、排出ガス中のガスを液化して排気フィルタが濡れるのを防ぐ。
【0038】
コンテナ(18)はまた、使い捨て可能なコンテナの内部の1又は1以上の処理パラメータを制御及び/又は監視するための様々なセンサ及び/又はプローブを備えることもできる。処理パラメータは例えば、温度、圧力、pH、溶存酸素(DO)、溶存二酸化炭素(DCO)、混合率、及びガス流量のことをいう。いくつかの実施形態において、工程制御は、使い捨て可能なコンテナによって固定された滅菌バリアを傷つけない方法で実施されることができる。例えばガス流は、流入エアフィルタの上流でロータメータ又はマスフローメータによって監視及び/又は制御されることができる。他の実施形態では、使い捨て可能な光学プローブは、指標染料を有する物質の「パッチ」を用いるよう設計されることができる。指標染料は、使い捨てコンテナの内表面に据え付け可能であるとともに、再利用可能な支持構造体内のウィンドウを介して使い捨て可能な壁部を読み取り可能である。例えば、溶存酸素、pH、及び/又はCOの各々は、光学パッチ及びセンサによって監視されると共に制御される。光学パッチ及びセンサは例えば、ガンマ線を照射可能な生体適合性のあるポリマ上に取り付けられる。ポリマはコンテナ(18)の表面に固定されたり、埋め込まれたり、或いは取り付けられたりすることが可能である。
【0039】
いくつかの実施形態において、センサ及び/又はプローブはセンサ電子回路モジュール(132)に接続されることができ、その出力は端子盤(130)及び/又は継電器箱(128)へ送信可能である。検知操作の結果はコンピュータによって実行される制御システム(115)(例:コンピュータ)に入力され、様々なパラメータ(本発明によりもたらされた温度及び重量/体積の測定)の計算及び制御を行うと共にその表示やユーザ干渉を行う。このような制御システムは、熱、空気、及び/又は液体を制御するための電気的、機械的、及び/又は空気圧システムの組み合わせを備える。熱、空気、及び/又は液体は、必要に応じて、使い捨て可能なコンテナへ供給されるか、或いは使い捨て可能なコンテナから回収される。この例としてバルブが挙げられる。このバルブは、バッグ圧力センサが高圧状態を示す場合には、流量を新たなベントフィルタへ切り替えるよう制御できる。制御システムは他の機能を実行してもよく、本発明は任意の特定の機能又は一連の機能を有することに限定されない。
【0040】
1又は1以上の制御システムは多くの手法で実行可能である。この手法には専用のハードウェア及び/又はファームウェアを用いたり、マイクロコードやソフトウェアを使用して上記に列挙した機能や又は前述の任意の適切な組み合わせを実行するようプログラム処理されたプロセッサを用いたりするものがある。制御システムは、生物学的、生化学的、又は化学的な反応のための単一のバイオリアクタの1又は1以上の操作、或いは複数の(別々の又は相互接続された)バイオリアクタの1又は1以上の操作を制御する。
【0041】
本発明記載の図6に示したシステムの各々及びそれらの部材は、ソフトウェア(例:C、C#、C++、Java、又はそれらの組み合わせ)、ハードウェア(例:1又は1以上のアプリケーション特有の集積回路)、ファームウェア(例:電気的にプログラムされたメモリ)、又はそれらの任意の組み合わせを備える様々な技術を用いて実行されることができる。
【0042】
本発明にしたがって様々な実施形態が1以上のコンピュータシステムで実行される。これらのコンピュータシステムは例えば、Intel のPENTIUM-type及びXScale-typeのプロセッサ、MotorolaのPower PC、MotorolaのDragonBall、IBMのHPC、SunのUltraSPARC、Hewlett-PackardのPA-RISCプロセッサ、Advanced Micro Devices(AMD)から入手可能な任意の様々なプロセッサ、又は任意の他の種類のプロセッサに基づいた汎用コンピュータである。1以上の任意の種類のコンピュータシステムが本発明の様々な実施形態を実行するために用いられることができる。コンピュータシステムは特別にプログラムされた、特定の目的を有するハードウェア、例えば、アプリケーション特有の集積回路(ASIC)を備えることができる。本発明の態様はソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実行される。さらに、上記の方法、行為、システム、システムの要素及びこれらの部材は、記載されたコンピュータシステムの一部として又は独立した部材として実行される。
【0043】
フレキシブルコンテナ(18)はまた、1またはそれ以上のガスの供給源(118)及び(124)に接続可能である。ガスは、空気、酸素、及び/又は二酸化炭素である(圧縮及び膨張している)。このようなガスを用いることにより、コンテナ内部での生成物の生成に好適な成長条件及び/又は反応条件がもたらされる。また、ガスを用いて、例えば混合の目的で、コンテナ内部の内容物に散布することも可能である。例えば、スパージャを用いる特定の実施形態において、泡の大きさ及び分配は、流入口のガス流がコンテナに加えられるよりも先に浸透性の高い表面を通過することにより制御可能となる。さらに、散布表面は細胞分離装置として用いられることもある。これは、多孔性表面の外部表面上で加圧と減圧(或いは真空を適用する)を交互に行うこと或いは任意の他の適切な方法によってなされる。流入ガスは、フィルタ(120)及び/又はフローメータ及び/又はバルブ(122)を任意で通過することができる。これはコンテナに進入する前に制御システム(115)により制御されることができる。バルブ(122)は空気圧式アクチュエータ(例えば、圧縮空気/二酸化炭素又は他のガス(124))であってよく、電磁バルブ(126)によって制御されることができる。これら電磁バルブは端子盤(130)に接続された継電器(128)によって制御されることができる。端子盤は制御システム(115)に接続されている。端子盤は例えばPCI端子盤、又はUSB/パラレル、又は接続部のファイアポート用端子盤を備える。
【0044】
フレキシブルコンテナはまた混合システム(110)も有し、コンテナ内部の内容物を混合することができる。流体を混合させる様々な方法がコンテナ内で行われる。例えば、磁性作動、スパージング、及びエアリフトに基づいたミキサが用いられることができる。ある特定の実施形態において、米国公開公報第2005/0272146号(出願人Hodge, et al.、発明の名称「Disposable Bioreactor Systems and Methods」(参照することにより本発明に組み込まれることとする)に開示されたような混合システムは記載された実施形態とともに用いられる。例えば、混合システムはモータ(112)を備え、例えばこのモータはコンテナ内部に配された羽根車(又は混合に用いられる他の部材)、電力調整器(114)、及び/又はモータ制御装置(116)を駆動させる。
【0045】
いくつかの実施形態において、混合システム、フレキシブルバッグ、支持構造体、又は他の要素及び/又はシステムは、以下に示す文献に記載されており、本明細書に記載の実施形態と組み合わせられるものである。米国仮特許出願第60/903,977号(出願日:2007年2月28日、発明の名称:「Weight Measurements of Liquids in Flexible Containers」出願人P.A. Mitchell, et al)、米国特許第11/147,124号(出願日:2005年6月6日、発明の名称:「Disposable Bioreactor Systems and Methods」出願人 G. Hodge, et al., 2005年12月8日に米国特許公報第2005/0272146号として公開)、国際特許出願PCT/US2005/020083(出願日:2005年6月6日、発明の名称:「Disposable Bioreactor Systems and Methods」出願人 G. Hodge, et al., 2005年12月15日にWO2005/118771として公開)、国際特許出願PCT/US2005/002985(出願日:2005年2月3日、発明の名称:「System and Method for Manufacturing」出願人 G. Hodge, et al., 2005年8月18日にWO2005/076093として公開)、米国特許出願第11/818,901号(出願日:2007年6月15日、発明の名称「Gas Delivery Configurations, Foam Control Systems and Bag Molding Methods and Articles for Collapsible Bag Vessels and Bioreactors」)、米国特許出願第11/879,033号(出願日:2007年7月13日、発明の名称「Environmental Containment Systems」)、米国特許出願第60/962,671号(出願日:2007年7月30日、発明の名称「Continuous Perfusion Bioreactor System」)、米国特許出願第60/903,977号(出願日:2007年2月28日、発明の名称「Weight Measurements of Liquids in Flexible Containers」)、米国特許出願第12/011,492号(出願日:2008年1月25日、発明の名称「Information Acquisition and Management Systems and Methods in Bioreactor Systems and Manufacturing Facilities」)、及び米国特許出願第12/011,493号(出願日2008年1月25日、発明の名称「Bag Wrinkle Remover, Leak Detection Systems, and Electromagnetic Agitation for Liquid Containment Systems」)これらの文献の夫々は参照することによりその全体を全ての目的において組み込むこととする。
【0046】
<実施例1>
本実施例は使い捨て可能な、フレキシブルコンテナを有するバイオリアクタの構成を説明するものである。フレキシブルコンテナはコンテナ内の流体の重量及び/又は体積を決定するために用いることができる圧力表示センサを備えている。
可塑性を有する、使い捨て可能なバッグは、圧力表示センサと共に使い捨て可能な支持構造体に据え付けられた。この圧力表示センサは、散布給気ライン内部(例えばフレキシブルコンテナの上部)、及び回収ライン(例えばフレキシブルコンテナの底部の排出口に接続されたチューブ)の内部に据え付けられた。使い捨て可能な、フレキシブルバッグは設計された構造内で共に溶接されたプラスチックシートで形成されることにより、密閉型のバッグの設計をもたらした。ホースバーブの孔はバッグ上に溶接され、ホースはこれらのホースバーブの孔に据え付けられた。用いられた孔の数は、特定のバイオリアクタ処理を操作するために必要なバッグの構造に依存した。センサは貫流設計を有し、センサ(例:Deltran DPT-100変換器又は他の好適なセンサ)を介して液体及びガス流動の圧力を測定した。
圧力センサは電圧励起を必要とすると共にセンサ上に加えられた圧力/力に基づく復帰電圧をもたらした。圧力センサは制御システムを介して励起され、帰還信号は処理のため制御システムへ接続された。センサから受信した信号は処理されて制御システムスクリーンに表示された。試験された圧力ユニットはゲージ圧(psig)で測定されたが、重量及び/又は体積測定値に変換されることができる。
ある実験において、使い捨て可能な圧力センサは、フレキシブルバッグの上部にある散布給気ラインに結合された。そして、当初は収縮していたバッグは、0.1psigの増加で0から2psig膨張した。圧力センサを用いて増加するごとにバッグ内部の圧力を測定した。参考として用いられた標準的なセンサ(NIST(米国標準技術局)認定の圧力キャリブレータ装置)は、同じ散布給気ラインに結合され、個別に圧力を測定した。図7は実験結果を表す。図表はフレキシブルコンテナが膨張するにつれ圧力センサで測定された圧力を示す。結果は、使い捨て可能なセンサからの反応はNIST認定の圧力キャリブレータ装置からの反応と同じであったことを示す。
使い捨て可能な圧力センサはバッグから取り除かれたと共にガンマ線を照射して、ガンマ線照射に対するセンサの耐久性を試験した。そしてセンサはバッグに再接続され、上記の圧力試験の複製がなされた。最初の実験の測定値と同じ測定値が得られ、このことは圧力センサの操作は照射によって影響されなかったということを示した。両方の実験の正確さは、0.01psigまで測定された。同様の試験が、回収ラインにおけるバイオリアクタバッグの底部に据え付けられたセンサを用いて、上記の方法で行われた。
【0047】
<実施例2>
この予言的な実施例により、第1の圧力表示センサ及び第2の圧力表示センサを備えた、使い捨て可能な、フレキシブルコンテナを有するバイオリアクタの構造を説明する。第1の圧力表示センサは、フレキシブルコンテナ内のいかなる流体とも流体接触していないフレキシブルコンテナの底部付近に配されている。第2の圧力表示センサは、フレキシブルコンテナの上部付近に配されると共に、散布給気ラインを介してコンテナに動作可能に結合する。圧力表示センサはコンテナ内の重量及び/又は体積を決定するのに用いられる。
生物学的及び/又は化学的反応を実行するための使い捨て可能な、フレキシブルコンテナは、再利用可能な支持構造体によって支持されている。第1の非貫流の圧力表示センサは、図2及び/又は図3に示す通り、フレキシブルコンテナの底部及び再利用可能な支持構造体の壁部の間に配されている(例えば、圧力表示センサは回収ラインには結合されていない)。圧力表示センサはフレキシブルコンテナの底部にぴったりと据え付けられることができると共に、コンテナ内の下向きの力/圧力の全てを測定するのに用いられることができる。この下向きの力/圧力は、コンテナ内の液体の重量及び液体上部に存在する任意のガス圧も含む。この底部の圧力表示センサは使い捨て可能ではなく、これは底部の圧力表示センサがフレキシブルコンテナ内の流体と流体接触していないからである。様々な圧力表示センサ(例:Deltran DPT-100変換器又は他の好適なセンサ)が、散布給気ライン内の使い捨て可能な、フレキシブルコンテナの上部に配されており、コンテナ内の液体上部のガス圧を測定する。第1及び第2の圧力表示センサは制御システムに接続される。この制御システムはセンサからの信号を受信及び処理し、そしてフレキシブルコンテナ内の液体の重量及び/又は体積が決定される(実施例1及び発明を実施するための形態において説明した通りである)。
フレキシブルコンテナは、生物学的及び/又は化学的反応を実施するための試薬を含む液体で満たされる。反応が進むと、圧力表示センサは制御システムを介して励起され、帰還信号は処理のため制御システムに接続される。センサから受信された信号は、液体の質量及び密度及びフレキシブルコンテナの容積に関連する公式を用いて処理され、コンテナ内の液体の重量及び/又は体積を得ることができる。同様の測定値が時間関数として得られ、また反応から得られた生成物がフレキシブルコンテナから取り除かれると、及び/又は追加の試薬がコンテナに導入される。ある場合において、測定値は連続的に得られる。
【0048】
<実施例3>
この予言的な実施例により、第1の圧力表示センサ及び第2の圧力表示センサを備えた、使い捨て可能な、フレキシブルコンテナを有するバイオリアクタの構造を説明する。第1の圧力表示センサは、フレキシブルコンテナの上部付近に配されると共に、散布給気ラインを介してコンテナに動作可能に結合する。第2の圧力表示センサは、フレキシブルコンテナ内のいかなる流体とも流体接触していないフレキシブルコンテナの底部付近に配されている。圧力表示センサはコンテナ内の重量及び/又は体積を決定するのに用いられる。
圧力表示センサは使い捨て可能な、フレキシブルコンテナに実施例1において説明した方法で相互接続されている。第1の圧力表示センサは回収ライン内の使い捨て可能な、フレキシブルコンテナの底部に配されていると共に、コンテナ内の下向きの力/圧力の全てを測定するのに用いられることができる。この下向きの力/圧力は、コンテナ内の液体の重量及び液体上部に存在する任意のガス圧も含む。第1及び第2の圧力センサは貫流設計を有すると共に、フレキシブルコンテナ内の流体と接触している。したがって、圧力表示センサは使い捨て可能なセンサ(例:Deltran DPT-100変換器又は他の好適なセンサ)であることができる。使い捨て可能ではないセンサもまた使用可能である。2つの圧力表示センサはセンサからの信号を受信し処理する制御システムに接続されており、そしてフレキシブルコンテナ内の重量及び/又は体積は、上述の通り決定される。
【0049】
<実施例4>
この予言的な実施例は、フレキシブルコンテナ内の液体の重量及び/又は体積の計算の方法の1つを説明する。この計算は、フレキシブルコンテナの底部に配された第1の底部の圧力表示センサ及びフレキシブルコンテナの上部に配された第2の上部の圧力表示センサを用いる(実施例2で説明した通りである)。本実施例におけるフレキシブルコンテナは円形シリンダ内に収容されると共に、略同一の形状及び容積を有している。この円形シリンダは再利用可能な支持構造体の形をしている。
制御装置のスクリーン上に、使用者は培養物の特定の重量を入力する(周知の重量測定が望まれる場合)。制御システムは第1及び第2の圧力表示センサから未加工の信号を受信する。この制御システム(又はセンサ自身)は、未加工の電圧信号を各センサから例えば圧力検出に、例えばミリメートル水銀柱、ミリメートル水柱、又はpsigの単位で、各センサに同じ単位を用いて変換する。そして制御システムは、低いセンサ値から高いセンサ値を引く。次に制御システムはこの差をフレキシブルコンテナ内に収容される液体の質量及び/又は体積に変換する。この変換は、コンテナの形状(大きさ及び形)及び液体の特定の重力を考慮に入れることによりなされる。例えば、以下の計算は特定の測定データ点のため実行される。
圧力の差が水柱インチの単位で測定されるシステムにおいて、第1の低圧力変換器の測定値は33.84水柱インチである。上部の変換器は、液体上部のフレキシブルコンテナ内のヘッドスペース内の空気の圧力を測定する。この上部の変換器は13.84水柱インチのヘッドスペース内の圧力を測定する。フレキシブルコンテナ内の液体の重量から直接もたらされる圧力を得るため、制御システムは13.84水柱インチを33.84水柱インチから差し引いて、20水柱インチを得ることができる。
【0050】
体積及び重量を変換するため、再利用可能な支持構造体(及び使い捨て可能なコンテナ)の内径が用いられる。25.5625インチの直径を有する200Lの再利用可能な支持構造体に関して、体積は、再利用可能な支持構造体の各高さ(インチ)において、1in(π(12.781in)2x0.0164リットル/立方in、又は8.41リットルである。圧力における測定された20水柱インチに関して、これは水等量において20x8.41=168.20リットルの体積に変換する。処理流体の総重量は、この体積を水の密度(1kg/リットル)で乗算することにより求められ、すなわち168.20リットル(1kg/リットル)=168.20kgである。実際の処理流体の体積を求めるには、水等量体積の値が処理流体の特定の重力によって割られることができる。制御システムは、センサの反応であると仮定した場合、出力の大きさに合わせたり、或いは正確な体積を表示することが可能である。このシステムはまた、培養液中のオンラインの光学密度(OD)センサと結合されることもできる。このセンサは、流体のオンラインの光学密度を決定するために用いられることができる。この機能により、光学密度センサからの連続的な特定の重力の入力が可能になり、重量の計算に用いられて力学的な細胞培養処理においてさらに正確な重量測定が可能となる。
【0051】
本発明のいくつかの実施例が説明及び描写される一方で、通常の技術を有する当業者は、機能を実行すること、及び/又は結果及び/又は本明細書に記載の1又は1以上の効果を得るための他の手段及び/又は構造を容易に想到することができる。またこのような変形及び/又は修正は、本発明の範囲内であるとみなされる。さらに通常は、当業者は本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料及び形態が模範とされること、及び実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は形態は、特定の適用或いは本発明の教示が用いられる応用に基づいていることを認識している。当業者は、通常の実験、本明細書に説明される特定の実施例の多くの同等物だけを用いずとも理解し、或いは解明することが可能である。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示される。また添付の請求の範囲及びその同等物の範囲内において、本発明は、特に説明及び請求の範囲に記載された以外の別の方法で実施されることができる。本発明は、本明細書に記載の各個別の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を対象とするものである。さらに、このような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を2つ以上組み合わせることも本発明の範囲内に含まれる。それは、特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾したものでない場合に限る。
本明細書中で定義され用いられる全ての定義は当然、辞書の定義、参照することにより本明細書に組み込まれる文献中の定義、及び/又は用語の普通の意味を使い分ける。
本発明の明細書及び請求の範囲において用いられる不定冠詞「a」や「an」は、はっきりと提示されない限り、当然「少なくとも1つ」という意味である。
また、はっきりと提示されない限り、本明細書中に主張される本方法の1以上の段階或いは作用、又は本方法の段階或いは作用の順番は、必ずしも限定される必要はない。
上記の明細書と同様に請求の範囲において、全ての移行句は非限定的に用いられるものである。移行句とは例えば、「構成する(comprising)」「備える(including)」「運ぶ(carrying)」「有する(having)」「含む(containing)」「包含する(involving)」「保持する(holding)」「〜なる(composed of)」などである。非限定的とはすなわち、それを含むがそれに限定されることはないということを意味する。「〜からなる(consisting of)」及び「不可欠に〜からなる(consisting essentially of)」という移行句のみが、それぞれ限定的或いは半限定的な移行句である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内に液体を収容するためのフレキシブルコンテナと、
前記フレキシブルコンテナを取り囲むと共に収容する再利用可能な支持構造体と、
前記フレキシブルコンテナと動作可能に結合するが、前記フレキシブルコンテナ内のいかなる流体とも接触せず、前記フレキシブルコンテナ内の第1の圧力を示すパラメータを測定するよう構成される第1の圧力又は力表示センサと、
前記フレキシブルコンテナと動作可能に結合し、前記フレキシブルコンテナ内の第2の圧力を示すパラメータを測定するよう構成される第2の圧力又は力表示センサと、
前記第1及び第2の圧力を示す前記第1及び第2の圧力又は力表示センサからデータを受信すると共に、前記第1及び第2の圧力間の差を計算するよう構成された制御システムを備えることを特徴とするバイオリアクタシステム。
【請求項2】
前記フレキシブルコンテナ内の液体の体積或いは重量が、前記第1及び第2の圧力間の差を利用することにより決定されることをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタ。
【請求項3】
前記フレキシブルコンテナが前記再利用可能な支持構造体から取り外し可能に構成されることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項4】
前記フレキシブルコンテナが使い捨て可能なバッグの形状であることを特徴とする請求項3記載のバイオリアクタシステム。
【請求項5】
前記使い捨て可能なバッグが使用前に無菌であることを特徴とする請求項4記載のバイオリアクタシステム。
【請求項6】
前記フレキシブルコンテナが1以上の流入口及び1以上の排出口を有することを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項7】
前記制御システムが前記第1及び第2の圧力又は力表示センサから信号を受信するよう構成され、前記信号は前記第1及び第2の圧力を示すデータを備えることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項8】
前記第1及び/又は第2の圧力又は力表示センサが、力又は圧力を検知するための測定セル及び前記測定セルからの信号を処理するための電気回路を備えることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項9】
前記第1及び/又は第2の圧力又は力表示センサが圧電センサを備えることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項10】
前記第1の圧力又は力表示センサが、前記フレキシブルコンテナ内の液体によって前記フレキシブルコンテナに加えられた力を検知することを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項11】
前記第1の圧力又は力表示センサが前記フレキシブルコンテナの底部に配されていることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項12】
前記第1の圧力又は力表示センサが前記再利用可能な支持構造体の内表面に配され、前記内表面が前記フレキシブルコンテナと接触していることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項13】
前記第1の圧力又は力表示センサが前記再利用可能な支持構造体の底面において埋め込み型であることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項14】
前記第1及び/又は第2の圧力又は力表示センサが前記フレキシブルコンテナ内の液体と接触しないことを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項15】
前記第1及び/又は第2の圧力又は力表示センサが前記フレキシブルコンテナ内のガスと接触しないことを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項16】
前記フレキシブルコンテナがクローズドシステムを形成することを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項17】
前記フレキシブルコンテナがオープンシステムを形成することを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項18】
前記使い捨て可能なバッグが、液体で満たされる前に略収縮することを特徴とする請求項4記載のバイオリアクタシステム。
【請求項19】
前記第2の圧力又は力表示センサと前記フレキシブルコンテナとの間に配されたゲージガードをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項20】
ミキサをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のバイオリアクタシステム。
【請求項21】
前記ミキサが前記フレキシブルコンテナ内部に配された羽根車を備えることを特徴とする請求項20記載のバイオリアクタシステム。
【請求項22】
請求項1の前記フレキシブルコンテナ内の液体の重量及び/又は体積を決定することを備える方法。
【請求項23】
請求項Aの前記バイオリアクタシステムと動作可能に結合するベントフィルタの状態を、前記第1及び/又は第2の圧力又は力表示センサからの1以上の測定を用いて決定することをさらに含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
コンテナ内に液体を収容するためのフレキシブルコンテナと、
前記フレキシブルコンテナを取り囲むと共に収容する再利用可能な支持構造体と、
前記フレキシブルコンテナと動作可能に結合すると共に前記フレキシブルコンテナ内の第1の圧力を示すパラメータを測定するよう構成された第1の圧力又は力表示センサと、
前記フレキシブルコンテナと動作可能に結合すると共に前記フレキシブルコンテナ内の第2の圧力を示すパラメータを測定するよう構成された第2の圧力又は力表示センサと、
前記第1及び第2の圧力を示す前記第1及び第2の圧力又は力表示センサからデータを受信すると共に前記第1及び第2の圧力間の差を計算するよう構成された制御システムを備えることを特徴とするバイオリアクタシステム。
【請求項25】
前記フレキシブルコンテナ内の液体の体積或いは重量が、前記第1及び第2の圧力間の差を利用することにより決定されることをさらに備えることを特徴とする請求項24記載のバイオリアクタ。
【請求項26】
コンテナ内に液体を収容するためのフレキシブルコンテナと、
前記フレキシブルコンテナと動作可能に結合するが、前記フレキシブルコンテナ内のいかなる流体とも接触せず、前記フレキシブルコンテナ内の圧力を示すパラメータを測定するよう構成される1以上の圧力又は力表示センサと、
前記圧力を示す前記1以上の圧力又は力表示センサからデータを受信すると共に、前記データから前記フレキシブルコンテナ内の液体の体積又は重量を決定するよう構成された制御システムを備えることを特徴とするバイオリアクタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−520127(P2010−520127A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551725(P2009−551725)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/002639
【国際公開番号】WO2008/106193
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(508230743)エクセレレックス インク. (11)
【Fターム(参考)】