説明

フレキシブル取水口付き液体移送装置

【課題】液体の取水箇所を自由に選べることで、厨芥や砂、汚泥、夾雑物による目詰まりを起こさず、また、移送する液体で満たされた槽の中で設置スペースを必要としない液体移送装置を提供する。
【解決手段】液体を取水する際、液体を取水する液体取水口6と液体を容器2内に取り込む液体取込口5の間に着脱自由で自由自在に動かせることのできるフレキシブルホース7を取り付けた構造とすることで、液体取水口6に厨芥や砂、汚泥、夾雑物が付着し目詰まりを起こすことを回避するために、液体取水口6は厨芥や砂、汚泥、夾雑物の少ない箇所を選ぶことができ、目詰まりを起こすことなく取水することが可能となった。また、移送する液体で満たされた槽の中でこの液体移送装置を設置するスペースが確保できない場合、液体を取水する液体取水口6のみを移送する液体で満たされた槽の中に設置し、この液体移送装置の液体取水口6以外を槽の外に設置することが可能となり、この移送する液体を移送することが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらゆる液体の移送に用いられるが、主として、浄化槽などの水処理設備における液体の移送や池・ダムなどの水を移送する際に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液体移送装置は、自由な箇所での取水ができず、厨芥や砂、汚泥、夾雑物などが多く存在する液体が貯留する槽の中に設置する場合、液体取水口は目詰まりを起こしていた。また、移送する液体で満たされた槽の中に液体移送装置を設置しなければ、この液体を移送することができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の液体移送装置は、液体を容器内に取り込む液体取込口と液体を取水する液体取水口が一体で、自由な箇所での取水ができず、厨芥や砂、汚泥、夾雑物が多く存在する液体が貯留する槽の中に設置する場合でも取水しなければならず、液体取水口は目詰まりを起こしていた。また、移送する液体で満たされた槽の中に液体移送装置を設置しなければ、この液体を移送することができず、液体移送装置を設置するためのスペースが必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するための手段は次の通りである。
液体を取水する液体取水口の目詰まりを起こさなくするために、自由な箇所での取水を可能にし、また、移送する液体で満たされた槽の中に液体移送装置を設置するスペースが確保できない場合にも、この液体を取水し移送するために、この液体移送装置の液体を取水する液体取水口のみを移送する液体で満たされた槽の中に設置し、この液体移送装置の液体取水口以外を槽の外に設置する。これらのために、上記液体移送装置の液体を取水する液体取水口と液体を容器内に取り込む液体取込口の間に着脱自在で自由自在に動かせることのできるフレキシブルホースを取り付けた構造にする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の液体移送装置は、液体を取水する液体取水口を自由に移動できることにより、厨芥や砂、汚泥、夾雑物が多く存在する液体が貯留する槽の中に設置する場合でも、厨芥や砂、汚泥、夾雑物が少ない箇所を選び、取水することが可能となり、目詰まりを起こすことがなくなった。また、移送する液体で満たされている槽の中にこの液体移送装置を設置するスペースが確保できない場合でも、液体取水口のみを移送する液体で満たされた槽の中に設置し、この液体移送装置の液体取水口以外を槽の外に設置することが可能となり、この移送する液体の移送が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、主として浄化槽などの水処理設備における循環水の移送や放流水の移送、池の水を循環させる循環水の移送に用いる液体移送装置として実施する。
【0007】
図1に、本発明の液体移送装置1を示しており、図2に、移送する液体で満たされた槽9の中に、この液体移送装置1を設置し、ゴミなどの堆積物がある箇所を避け、フレキシブルホース7の柔軟性により、液体取水口6をこの堆積物がない場所に配置し、目詰まりが起こらないように、液体を取水していることを示している。
【0008】
図3に、移送する液体で満たされた上部開口が小さい槽11の中に液体移送装置1を設置することができないので、フレキシブルホース7の柔軟性により、液体取水口6のみを移送する液体で満たされた上部開口が小さい槽11の中に配置し、液体移送装置1の液体取水口6以外の部分を移送する液体で満たされた上部開口が小さい槽11の外に設置することで、液体の移送が可能であることを示している。
【0009】
図4に、本発明の液体移送装置を設置した代表的な合併処理浄化槽の概略図を示している。この合併処理浄化槽は、嫌気第一槽14、嫌気第二槽15、接触ばっ気槽16、消毒槽17から構成され、嫌気第二槽15の中に設置してある液体移送装置(汚水移送用)12は、嫌気第二槽15の中の汚水を接触ばっ気槽16に移送し、接触ばっ気槽16の中に設置している液体移送装置(汚水循環用)13は、接触ばっ気槽16の中の汚水を嫌気第一槽14に循環移送することを示している。
【0010】
図5に、本発明の液体移送装置を設置した代表的な単独処理浄化槽の合併処理浄化槽化の際の単独処理浄化槽からの処理水移送の概略図を示している。この単独処理浄化槽は、分離沈殿槽19、接触ばっ気槽20、消毒槽21から構成され、消毒槽21の中の処理水を移送するために、液体移送装置(処理水移送用)18を消毒槽21の中に設置する必要があるが、消毒槽21に液体移送装置(処理水移送用)18を設置するスペースがないため、液体移送装置(処理水移送用)18の液体取水口6のみを消毒槽21の中に設置し、液体移送装置(処理水移送用)18の液体取水口6以外の部分を接触ばっ気槽20の中に設置することで、消毒槽21の中の処理水の移送が可能であることを示している。
【0011】
図6に、本発明の液体移送装置を設置した代表的な池の水の循環システムを示している。池24の景観を考えると、池24の中に液体移送装置(池水循環用)22を設置できないので、池24の外に設置する必要がある。液体移送装置(池水循環用)22の液体取水口6のみを池24の中に設置し、液体移送装置(池水循環用)22の液体取水口6以外の部分を設置した液体移送装置設置箱23を池24の外に設置し、池24の水を循環することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による液体移送装置。
【図2】移送する液体で満たされた槽内に設置した液体移送装置の実施例。
【図3】移送する液体で満たされた槽の開口部が小さいために槽内に設置できず、槽外に設置した液体移送装置の実施例。
【図4】合併浄化槽などの水処理設備での液体移送装置の実施例。
【図5】単独処理浄化槽の合併処理浄化槽化の際の単独浄化槽からの処理水を移送する液体移送装置の実施例。
【図6】池の水を循環する液体移送装置の実施例。
【符号の説明】
【0013】
1:液体移送装置
2:容器
3:空気取込口
4:液体移送口
5:液体取込口
6:液体取水口
7:フレキシブルホース
8:空気供給装置
9:液体槽
10:ゴミなどの堆積物
11:上部開口が小さい液体槽
12:液体移送装置(汚水移送用)
13:液体移送装置(汚水循環用)
14:嫌気第一槽
15:嫌気第二槽
16:接触ばっ気槽
17:消毒槽
18:液体移送装置(処理水移送用)
19:分離沈殿槽
20:接触ばっ気槽
21:消毒槽
22:液体移送装置(池水循環用)
23:液体移送装置設置箱
24:池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を内部に取り込む容器と、空気を供給する装置によって送られた空気を容器内に取り込む空気取込口と、この空気によって容器内部の液体を移送するための液体移送口と、移送すべき液体を取水する液体取水口と、取水した液体を容器内に取り込む液体取込口と、この液体取水口と液体取込口の間に着脱自由で自由自在に動かせることのできるフレキシブルホースを取り付けた液体移送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−298063(P2008−298063A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169734(P2007−169734)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(591254729)関西化工株式会社 (13)
【Fターム(参考)】