フレキシブル基板アセンブリを準備する方法およびその方法により準備されたフレキシブル基板アセンブリ
いくつかの実施例は、フレキシブル基板アセンブリを準備する方法を教示する。本方法は、(a)キャリア基板を提供する段階、(b)架橋型接着剤を提供する段階、(c)プラスチック基板を提供する段階、および、(d)架橋型接着剤を使用してキャリア基板をプラスチック基板に結合する段階を含む。本願では他の実施例も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、フレキシブル基板アセンブリの加工処理に関し、より詳しくは、フレキシブル基板アセンブリの歪みを減少させる方法、および、その方法により準備されたフレキシブル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願に対するクロスリファレンス
本願は、2008年12月2日に出願された米国仮出願番号61/119,217、2009年5月29日に出願された米国仮出願番号61/182,464、および、2009年7月30日に出願された米国仮出願番号61/230,051に基づく利益を主張する。米国仮出願番号61/119,217、61/182,464、および、61/230,051は、参照としてここに組み込まれる。
【0003】
連邦政府が後援する研究または開発に関するステートメント
合衆国政府は、本発明について無償実施権(paid−up license)を有すると共に、陸軍研究所(Army Research Lab)による許可/契約番号W911NF−04−2−0005の条件によって提供されるような合理的な条件に基づいて他人に実施権を設定することを、限られた状況下で特許権者に要求する権利を有する。
【0004】
電子産業において、フレキシブル基板は、電子回路用のベースとして急速に普及しつつある。フレキシブル基板は、多種多様の材料を含み、例えば無数にあるプラスチックのいずれかを含む。一旦、所望の電子コンポーネントまたは回路がフレキシブル基板の表面上に形成されると、そのフレキシブル基板は、最終製品に装着されるか、あるいは、さらなる構造内に組み込まれる。このような製品または構造の代表的な例としては、フラットパネル・ディスプレイ、小売店において様々な商品に付されるRFID(無線周波数識別)タグ、様々なセンサ等がある。
【0005】
しかしながら、ここで大きな問題となるのが、加工中におけるフレキシブル基板の安定性である。例えば、フレキシブル基板上に薄膜、薄膜トランジスタ(TFT)、または薄膜トランジスタ回路(TFT回路)を形成する工程では、フレキシブル基板がいくつもの機械、オーブン、クリーニング・ステップなどを通って移動する間に、多数の加工段階が実行される。このような工程中フレキシブル基板を移動させるために、フレキシブル基板は、一般に、何らかのタイプのキャリア基板に一時的に搭載され、それによってフレキシブル基板の加工段階間の移動が可能になる。
【0006】
しかしながら、フレキシブル基板は、典型的なキャリア基板と比較して熱膨張率(CTE)が比較的高いので、TFTまたはTFT回路の処理における温度の異常上昇(エクスカーション)中に、大きく異なるCTEによって応力の不一致が誘発される。この現象によって、フレキシブル基板に著しい歪みが生じたり、また、ハンドリング・エラー、フォトリソグラフィック・アライメント・エラー、および、ライン/層の欠損などを引き起こしたりするおそれがある。
【0007】
したがって、上記の限界を解決するために、フレキシブル基板をキャリア基板に結合するための斬新な構成および方法を開発することは、当技術において必要である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例に関する記述をより解り易くするために、以下の図面が提供される。
【0009】
【図1】第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリを準備する方法のフローチャートを示す。
【0010】
【図2】第1の実施例に従って、フレキシブル基板を準備する手順を示すフローチャートである。
【0011】
【図3】第1の実施例に従って、フレキシブル基板の平面図を示す。
【0012】
【図4】第1の実施例に従って、図3のフレキシブル基板を保護テンプレートに取り付けた後のフレキシブル基板アセンブリの部分断面図を示す。
【0013】
【図5】第1の実施例に従って、キャリア基板をフレキシブル基板アセンブリに結合した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの部分断面図を示す。
【0014】
【図6】第1の実施例に従って、図4のフレキシブル基板アセンブリを加工処理する手順を示すフローチャートである。
【0015】
【図7】第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリをカットした後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0016】
【図8】第1の実施例に従って、アライメント・タブを除去した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0017】
【図9】第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリから保護材を除去した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0018】
【図10】第1の実施例に従って、フレキシブル基板上に1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0019】
【図11】第1の実施例に従って、キャリア基板からプラスチック基板を除去した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0020】
実施例を単純かつ明瞭にするために、図面は一般的な構築方法を示し、また、周知の特徴および技術に関する記述および詳細は、本発明を必要以上に不明瞭にしないために省略される場合がある。さらに、図面中の要素は、必ずしも同一寸法で描かれていない。例えば、本発明の実施例をよりよく理解できるように、図中のいくつかの要素の寸法は、他の要素に比べて誇張される場合がある。異なる図中の同一の参照番号は、同一の要素を示す。
【0021】
明細書および請求項において、用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」および同種の用語が、類似する要素を識別するために使用される場合があるが、これらは、必ずしも特定の連続する順序または時系列を示すものではない。当該用語は、適切な状況下で置換可能であり、したがって、ここに記述された実施例は、例えば、ここに図示され、または記述された以外の順序で動作可能であると解される。さらに、用語「含む」、「有する」およびそれらのあらゆるバリエーションは、排他的ではない包含を含むと解され、したがって、列挙されたエレメントを構成する工程、方法、システム、物品、装置、または機器は、必ずしもそれらの要素に制限されないが、このような工程、方法、システム、物品、装置、または機器について明白には列挙されず、あるいは固有でない他の要素が含まれる場合がある。
【0022】
明細書および請求項において、用語「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「底」、「上方」、「下方」および同種の用語が、永久的な相対的地位について記述するためではなく、記述的な目的のために使用される場合がある。このように使用される用語は、適切な状況下で置換可能であり、したがって、ここに記述された本発明の実施例は、例えば、これらの図示または記述された方向以外の方向でも動作可能であると理解される。
【0023】
用語「結合」、「結合された」、「結合する」、「結合している」および同種の用語は広く解釈されるべきであり、2またはそれ以上の要素または信号が、電気的、機械的、および/またはそれ以外によって接続することを意味する。すわなち、2またはそれ以上の電気要素が、電気的に結合されるが機械的に結合されない場合、2またはそれ以上の機械要素が、機械的に結合されるが電気的に連結されない場合、2またはそれ以上の電気要素が、機械的に結合されるが電気的に連結されない場合がある。結合(単に機械的であるか、単に電気的であるか等を問わず)している時間は、例えば永久的または瞬間的のような、あらゆる時間の長さを含む。
【0024】
用語「結合された」および同種の用語の近くに、用語「除去可能に」およびの同種の用語が無い場合であっても、当該結合等が、除去可能であること、あるいは、除去不可能であることを意味するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
いくつかの実施例は、フレキシブル基板アセンブリを準備する方法を含む。この方法は、(a)キャリア基板を提供する段階、(b)架橋型接着剤(cross-linking adhesive)を提供する段階、(c)プラスチック基板を提供する段階、および、(d)架橋型接着剤を用いてキャリア基板をプラスチック基板に結合する段階を含む。
【0026】
他の実施例では、フレキシブル基板アセンブリは、(a)第1表面を有するキャリア基板、(b)架橋型接着剤、および、(c)第1表面および第1表面の反対側の第2表面を有するプラスチック基板を含む。キャリア基板の第1表面は、架橋型接着剤を用いて、プラスチック基板の第1表面に除去可能に接合される。
【0027】
他の実施例は、フレキシブル・プラスチック基板上に半導体装置を製作する方法を含む。この方法は、(a)第1表面および第1表面の反対側の第2表面を有するフレキシブル・プラスチック基板を提供する段階、(b)フレキシブル・プラスチック基板の第1表面に保護材を付加する段階、(c)第1表面および第1表面の反対側の研磨された第2表面を有するサポート基板を提供する段階、(d)架橋型アクリル系接着剤(cross-linking acrylic adhesive)を提供する段階、(e)サポート基板の第1表面上に架橋型アクリル系接着剤をスピン・コーティングする段階、(f)架橋型アクリル系接着剤を用いて、サポート基板の第1表面をフレキシブル・プラスチック基板の第2表面に除去可能に結合する段階、および、(g)サポート基板とフレキシブル・プラスチック基板との間の架橋型アクリル系接着剤を使用して、サポート基板およびフレキシブル・プラスチック基板をラミネートする段階を含む。
【0028】
ここで使用される用語「反り(bowing)」とは、基板の上面および底面に対して平行な中心面または主表面の周りの基板の湾曲を意味する。ここで使用される用語「ワーピング(warping)」とは、基板の上面および底面に対して垂直なZ軸または主表面に関する基板表面の線形の変位を意味する。ここに使用される用語「歪み(distortion)」とは、基板の水平面(すなわち、基板の上面および底面に対して平行なx−y面または主表面)の湾曲または応力を意味する。例えば、歪みには、基板のx−y面における収縮および/または基板のx−y面における拡張が含まれる。
【0029】
ここで使用される用語「CTE適合材料(CTE matched material)」とは、参照材料の熱膨張率(CTE)との相違が約20%未満であるCTEを有する材料を意味する。CTEの相違は、約10%未満、約5%未満、約3%未満、または約1%未満であることが好ましい。ここで使用される用語「研磨する(polish)」とは、表面をラッピングおよびポリシングすること、または、表面をラッピングすることのみを意味する。
【0030】
図面に移って、図1は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリを準備するための実施例に関する方法100を示す。同一または異なる実施例において、方法100またはその一部は、フレキシブル・プラスチック基板上に半導体装置を製作する方法であるとみなすことができる。方法100は単なる典型例であり、ここに示された実施例に制限されない。方法100は、ここには特に記載されていない、あるいは、記載されている多くの異なる実施例または実例において用いることができる。
【0031】
方法100は、フレキシブル基板を提供する手順111を含む。ここで使用される用語「フレキシブル基板」とは、その形状を容易に順応させることができる可撓性材料を含む独立した基板を意味する。いくつかの実施例では、手順111は、低い弾性係数を有するフレキシブル基板を供給する段階を含む。例えば、低い弾性係数は、約5ギガパスカル(GPa)未満の弾性係数であると考えられる。
【0032】
多くの例において、フレキシブル基板はプラスチック基板である。例えば、フレキシブル基板は、ポリエチレン・ナフサレート(PEN)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、環状オレフィン・コポリマ、または液晶ポリマを含む。
【0033】
多くの例において、フレキシブル基板は、フレキシブル基板の1またはそれ以上の面におけるコーティングを含む。コーティングは、フレキシブル基板の引掻抵抗を改善し、および/または、アウトガス、フレキシブル基板の表面上のオリゴマー結晶、および/または、フレキシブル基板からの他の化学物質の漏れを防止する。さらに、コーティングによって、それが施されたフレキシブル基板の面を平坦化することができる。さらに、コーティングによって、歪みが減少する。いくつかの例では、コーティングは、電気的装置が製作されるフレキシブル基板の面にのみ施される。他の例では、コーティングは、フレキシブル基板の両面に施される。様々な実施例では、フレキシブル基板は、予め平坦化されて提供される。例えば、フレキシブル基板は、日本国東京の帝人デュポンフィルム社から商品名「planarized Teonex(登録商標)Q65」で販売されているPEN基板がある。他の実施例では、フレキシブル基板は提供された後に平坦化される。
【0034】
プラスチック基板の厚さは、約25マイクロメートルから約300マイクロメートルの範囲内である。同一または異なる実施例では、プラスチック基板の厚さは、約100マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲内である。
【0035】
いくつかの例では、フレキシブル基板は、ペーパーカッタまたはセラミックはさみを使用して、プラスチック材料のロールからプラスチック基板のシートをカットすることにより提供される。様々な例では、プラスチック基板をカットした後、カットされたシートは窒素ガン(nitrogen gun)でブロー・クリーニングされる。方法100のいくつかの実施例では、カット工程またはブロー工程の一方または両方は、手順111の一部として行われる代わりに、下記の手順112の一部として行われる。
【0036】
図1の方法100は、フレキシブル基板を準備する手順112に続く。図2は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板を準備する手順112のフローチャートを示す。
【0037】
図2の手順112は、フレキシブル基板をベーキングする工程230を含む。フレキシブル基板をベーキングすることにより、方法100(図1)において後に浸出する可能性のある、フレキシブル基板中のオリゴマーおよび他の化学物質の放出を促すことができる。
【0038】
いくつかの例では、フレキシブル基板は、真空ベーキング工程を用いてベーキングが行われる。例えば、フレキシブル基板が収容されたオーブン内の温度は、約2〜3時間以上かけて摂氏約160度(°C)から約200°Cに上げられる。フレキシブル基板は、約160°Cから約200°Cの温度、および、約1〜約10ミリトル(milliTorr)の圧力で1時間ベーキングが行われる。その後、オーブン内の温度は、約90°Cから約115°Cの間に下げられ、フレキシブル基板はさらに約8時間ベーキングが行われる。他のベーキング工程が使用されてもよい。ベーキング工程が完了した後、プラスチック基板は、燃焼されたあらゆる残留物または化学物質が拭きとられクリーンにされる。
【0039】
続いて、図2の手順112は、保護テンプレートを提供する工程231を含む。保護テンプレートは、フレキシブル基板を配置するためのガイドとしての役割、および、フレキシブル基板とローラおよび/または様々な加工機器の操作機構と間の保護層としての役割の両方を果たす。いくつかの例では、保護テンプレートは、1枚のマイラ(Mylar(登録商標))または任意の安価なプラスチックである。
【0040】
保護テンプレートは、5mm(ミリメートル)から15mmの厚さであり、約0.5m(メートル)から約1.5mの長さにカットされる。他の実施例では、保護テンプレートは、50マイクロメートルから15mmの厚さであり、約0.5m(メートル)から約1.5mの長さにカットされる。様々な実施例では、工程231の一部として、保護テンプレートは半分に折り畳まれ、折り目を固定するためにローラ(例えば、ホット・ロール・ラミネータ)に通される。キャリア基板のライン・トレースも、工程231の一部として保護シートの裏面に形成することができる。さらに、保護テンプレートは、保護テンプレートをフラットにするために、約90°Cから約110°Cで約5分から約10分間ベーキングされる。
【0041】
図2の手順112は、フレキシブル基板の第1表面の少なくとも一部分に保護材を貼付する工程232に続く。いくつかの実施例では、保護材は、フレキシブル基板の平坦化された表面の少なくとも一部分上に貼付される。いくつかの例では、保護材は、フレキシブル基板の一部分に貼付されない。
【0042】
保護材は、スクラッチを防止すると共に、接着剤がフレキシブル基板の平坦化された表面を覆うのを防止するので、その結果、欠陥が減少する。いくつかの例では、保護材として、ブルー・ロー・タック・テープ(例えば、Semiconduntor Equipment Corporation製、部品番号18133−7.50)またはマイラが使用される。保護材は、約25マイクロメートルから約100マイクロメートルの厚さである。例えば、保護材は、約70マイクロメートルの厚さである。いくつかの例では、保護材は、保護材とフレキシブル基板との間の気泡を除去するために、フレキシブル基板の平坦化された表面上に保護材をローリングさせることによって貼付される。
【0043】
続いて、図2の手順112は、フレキシブル基板および保護材をウエハの形状にカットする過程233を含む。パンチ・カット・テンプレートが、ウエハの形状をフレキシブル基板(もし平坦化された面があれば、それを上にして)および/または保護材にプレスするために使用されてもよい。一実施例では、パンチ・カット・テンプレートは、保護材およびフレキシブル基板内に、一時的または永久的なインプレッションを同時に作成するために使用される。
【0044】
もし、パンチ・カット・テンプレートのプレスによってフレキシブル基板が完全に切り離されると、プレス・カットによってフレキシブル基板上のコーティング内にクラックが生じ、それがフレキシブル基板の全体に広がるので、そのフレキシブル基板は廃棄物となってしまう。そこで、プレスを使用してフレキシブル基板および/または保護材にウエハの形状の輪郭が描かれた後、フレキシブル基板および保護材が一緒に同時にカットされる。いくつかの例では、フレキシブル基板および保護材は、パンチ・カット・テンプレートによって形成されたインプレッションから約1ミリメートル外側を、セラミックはさみを用いてカットされる。
【0045】
いくつかの例では、フレキシブル基板は、フレキシブル基板および保護材内にウエハの形状から伸びるタブを含む。タブは、図1の手順117において、フレキシブル基板がラミネータを通って移動するときに、フレキシブル基板をキャリア基板に整合させるために使用される。図3は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板350の平面図を示す。フレキシブル基板350は、ボディ352およびタブ351を含む。多くの例では、ボディ352は、円形である。図3には示されないが、保護材は、フレキシブル基板350の上に位置し、同様の形状をしたタブを含む。一実施例では、タブは、パンチ・カット・テンプレートの一部として存在せず、フレキシブル基板および保護材からフリーハンドまたはフリースタイルでカットされる。
【0046】
図2を参照して、図2の手順112は、フレキシブル基板をクリーニングする工程234に続く。いくつかの例では、フレキシブル基板の第2面または平坦化されていない面(すなわち保護材の無い面)は、あらゆるオリゴマー、他の化学物質、またはパーティクルを除去するためにカラ拭きされる。その後、保護材を有するフレキシブル基板の平坦化された面は、窒素ガンでブロー・クリーニングされる。他の例では、両面がカラ拭きおよび/またはブロー・クリーニングされる。
【0047】
次に、図2の手順112は、フレキシブル基板を保護テンプレートに整合させる工程235を含む。いくつかの例において、タブを具備したウエハの形状を有するフレキシブル基板は、工程231において保護テンプレート上に描写または形成されたキャリア基板のライン・トレースに整合される。キャリア基板のライン・トレースは、一般に、フレキシブル基板のウエハの形状よりもわずかに大きい。
【0048】
続いて、図2の手順112は、フレキシブル基板を保護テンプレートに結合する工程236を含む。いくつかの実施例では、フレキシブル基板は、フレキシブル基板のタブの部分を保護テンプレートに付着させることにより、保護テンプレートに付着する。例えば、1片の両面テープによって、フレキシブル基板のタブが保護テンプレートに結合される。いくつかの例では、保護材の一部が剥離されてタブから除去され、そして、両面テープが、フレキシブル基板のタブの露出した部分に結合される。いくつかの例では、保護材の一部はピンセットを使用して剥離され、さらにセラミックはさみを使用して保護テンプレートからカットされる。他の例では、図2の工程232において、保護材は、両面テープが接着されるタブの部分に貼付されないので、保護材の一部を剥離または除去する必要はない。
【0049】
フレキシブル基板を保護テンプレートに結合した後、保護テンプレートがフレキシブル基板の上で折り畳まれる。図4は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板350を保護テンプレート455に付着させた後のフレキシブル基板アセンブリ440の部分断面図を示す。この例では、テープ456が、フレキシブル基板350および保護テンプレート455に結合される。前述したように、保護材453はフレキシブル基板350に結合される。
【0050】
いくつかの例では、フレキシブル基板の1つの面のみが保護テンプレートに付着する。他の例において、フレキシブル基板の両側が保護テンプレートに付着する。
【0051】
次に、図2の手順112は、フレキシブル基板、保護材、および保護テンプレートをラミネートする工程237を含む。フレキシブル基板および保護材は、半分に折られて2枚になった保護テンプレートの間に位置する。フレキシブル基板、保護材、および保護テンプレートは、保護材と保護テンプレートとの間、および、保護材とフレキシブル基板との間の気泡を除去するために、ホット・ロール・ラミネータを使用してラミネートされる。いくつかの例では、フレキシブル基板および保護テンプレートは、ガイド・シート(例えば、Lexan(登録商標)ガイド・シート)上に載置され、ホット・ロール・ラミネータに送り込まれる。例えば、フレキシブル基板および保護材のタブが、最初にラミネータに送り込まれる。フレキシブル基板および保護テンプレートは、120kPa(キロパスカル)から約160kPaの圧力、および、約90°Cから約110°Cの温度でラミネートされる。ラミネート速度は、毎分約1メートルから約2メートルである。
【0052】
フレキシブル基板および保護テンプレートをラミネートした後、手順112は完了する。図1を参照して、図1の方法100は、キャリア基板を提供する手順113を含む。多くの実施例では、キャリア基板は、6,8,12,または18インチのウエハまたはパネルである。いくつかの実施例では、キャリア基板は、370mm×470mmのパネルである。
【0053】
キャリア基板は、第1表面、および第1表面の反対側の第2表面を含む。いくつかの例では、第1表面および第2表面の少なくとも1つが研磨される。フレキシブル基板と連続して結合されていない表面を研磨することによって、キャリア基板をハンドリングするための真空またはエア・チャックの能力を向上させることができる。さらに、フレキシブル基板と連続して結合されている表面を研磨することによって、フレキシブル基板と結合された後にZ軸方向内のフレキシブル基板アセンブリの荒れを引き起こすおそれがあるキャリア基板の表面の位相的特徴(topological feature)を除去する。
【0054】
様々な実施例では、キャリア基板は、アルミナ(Al2O3)、シリコン、低CTEガラス、鋼、サファイア、バリウム硼珪酸塩、ソーダ石灰珪酸塩、アルカリ珪酸塩、または、CTEがフレキシブル基板と適合する他の材料のうちの少なくとも1つを含む。キャリア基板のCTEは、フレキシブル基板のCTEに適合させるべきである。CTEが適合しない場合は、キャリア基板とフレキシブル基板との間に応力が発生する。
【0055】
キャリア基板は、例えば、約0.7mmと約1.1mmの間の厚さを有するサファイアを含む。また、キャリア基板は、約0.7mmと約1.1mmの間の厚さを有する96%アルミナを含む。異なる実施例では、96%アルミナの厚さは、約2.0mmである。他の例では、キャリア基板は、約0.65mmの厚さを有する単結晶シリコン・ウエハである。さらに、他の実施例では、キャリア基板は、約0.5mmの厚さを有するステンレス鋼を含む。いくつかの例において、キャリア基板はフレキシブル基板よりもわずかに大きい。
【0056】
次に、図1の方法100は、架橋型接着剤を提供する手順114を含む。いくつかの例において、架橋型接着剤は、毎秒約2×10−4トルリットル未満の速度でアウトガスを行なう。いくつかの例では、架橋型接着剤は、熱硬化性および/またはUV(紫外線)硬化性を有する。
【0057】
様々な実施例では、架橋型接着剤は、架橋型アクリル系接着剤である。同一または異なる実施例では、架橋型接着剤は、架橋型アクリル系感圧接着剤または架橋型粘弾性ポリマである。いくつかの例では、接着剤のCTEは、フレキシブル基板およびキャリア基板のCTEと比較して非常に大きい。しかしながら、接着剤の層は、フレキシブル基板およびキャリア基板の厚さと比較して非常に薄いので、接着剤はフレキシブル基板とキャリア基板のと間に応力(すなわち粘弾性)を生成せず、したがって、接着剤のCTEは重要ではない。
【0058】
続いて、図1の方法100は、キャリア基板の第1表面上に架橋型接着剤を堆積させる手順115を含む。多くの実施例では、キャリア基板の第1表面上への架橋型接着剤の堆積は、スピン・コーティング、スプレー・コーティング、押出しコーティング、プレフォーム・ラミネーション、スロット・ダイ・コーティング、スクリーン・ラミネーション、またはスクリーン印刷のうちの少なくとも1つの方法を用いて行なわれる。
【0059】
例えば、キャリア基板は、架橋型接着剤でコーティングされる。キャリア基板および架橋型接着剤は、キャリア基板の第1表面上に架橋型接着剤を塗布するためにスピンされる。いくつかの実施例では、架橋型接着剤は、約900rpm(回転/分)から1100rpmで約20秒から約30秒間架橋型接着剤を有するキャリア基板をスピンし、次に、約3400rpmから約3600rpmで約10秒から30秒間架橋型接着剤を有するキャリア基板をスピンすることにより、キャリア基板上にスピン・コーティングされる。異なる実施例では、架橋型接着剤を有するキャリア基板は、キャリア基板の表面をコーティングするために約600rpmから約700rpmでスピンされ、次に、架橋型接着剤の厚さをコントロールするために約3400rpmから約3600rpmでスピンされる。
【0060】
架橋型接着剤は、スピン・コーティングに先立って、キャリア基板の幾何学的中心上に施与される。異なる実施例では、架橋型接着剤は、キャリア基板がスピンしている間に、キャリア基板上に塗布される。
【0061】
堆積する手順後のキャリア基板上の架橋型接着剤の厚さは、約5マイクロメートルと約15マイクロメートルとの間である。他の実施例では、堆積する手順後のキャリア基板上の架橋型接着剤の厚さは、約3マイクロメートルと約15マイクロメートルとの間である。同一または異なる実施例では、堆積する手順後のキャリア基板上の架橋型接着剤の厚さは、約10マイクロメートルと約12マイクロメートルとの間である。
【0062】
図1の方法100は、架橋型接着剤をベーキングする手順116に続く。いくつかの実施例では、架橋型接着剤は、溶剤を除去するためにベーキングされる。例えば、架橋型接着剤は、80°Cで30分間ベーキングされ、次に、130°Cで15分間ベーキングされる。
【0063】
他の例では、架橋型接着剤はベーキングされない。例えば、架橋型接着剤が溶剤を含まない場合、ベーキングは不要である。さらに、架橋型接着剤の粘性が非常に高い場合は、粘性を減少させるために、手順115において接着剤が堆積される前に、溶剤が架橋型接着剤に添加される。
【0064】
その後、キャリア基板が保護テンプレート上に載置される。図5に示されるように、フレキシブル基板は保護テンプレートの一部分(または半分)に既に結合されており、架橋型接着剤を有するキャリア基板は、保護テンプレートの他の部分(または半分)に載置される。いくつかの例において、架橋型接着剤は、この時点ではまだ液体である。したがって、架橋型接着剤でコーティングされたキャリア基板は、フレキシブル基板に結合される前に約8から約12時間水平状態で保管される。
【0065】
次に、図1の方法100は、フレキシブル基板およびキャリア基板が、半分に折られた保護テンプレート間に位置する間に、架橋型接着剤を使用して両者を結合する手順117を含む。フレキシブル基板の第2表面は、フレキシブル基板の第2表面とキャリア基板の第1表面との間に位置する接着剤を用いてキャリア基板の第1表面上に載置される。
【0066】
いくつかの例において、キャリア基板は、キャリア基板とフレキシブル基板との間の気泡を除去するために、半分に折られた保護テンプレートの間にフレキシブル基板アセンブリをラミネートすることにより、架橋型接着剤を使用してフレキシブル基板に結合される。フレキシブル基板をラミネートする工程には、最初にキャリア基板をフレキシブル基板に整合させる工程が含まれるので、ラミネートされたときに、キャリア基板とフレキシブル基板が整合する。その後、整合された構造は、ホット・ロール・ラミネータ(図2の工程237と同じラミネータである)を通って送られる。フレキシブル基板アセンブリは、毎分約0.4〜0.6メートルの速度でラミネートされる。
【0067】
さらに、様々な実施例では、ラミネートされたとき、保護材が保護テンプレートに付着する場合がある。この問題を回避するために、工程237および/または工程232においてラミネートする前に、シールド材が、保護テンプレートと保護材との間に載置される。シールド材は、例えば蝋紙である。一実施例では、シールド材は、製造者から入手したときに、最初から保護材に結合されている。
【0068】
同一または異なる実施例では、特に、キャリア基板およびその上に重なる架橋型接着剤の層がフレキシブル基板よりもわずかに大きい場合は、ラミネートおよび接着中に、架橋型接着剤のいくらかがキャリア基板とフレキシブル基板の間からはみ出し、フレキシブル基板の第1面または上面に付着することがある。しかしながら、保護材が存在することによって、このような問題の発生が防止される。保護材は最終的には除去され廃棄されるので、架橋型接着剤がはみ出して(フレキシブル基板の代わりに)保護材の上面に付着したとしても問題はない。
【0069】
図5は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリ440にキャリア基板551を結合した後のフレキシブル基板アセンブリ440の部分断面図を示す。本実施例において、架橋型接着剤552は、キャリア基板551の表面561をフレキシブル基板350の表面562に結合する。保護材453は、フレキシブル基板350の表面556上に位置する。シールド材554は、保護材453と保護テンプレート455との間に位置する。保護テンプレート455は折り曲げられ、その結果、保護テンプレート455は、キャリア基板551の表面563の下にも位置する。テープ456は、保護テンプレート455をフレキシブル基板456に結合する。
【0070】
再び図1を参照して、方法100は、フレキシブル基板アセンブリを加工処理する手順118によって継続される。図6は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリを加工処理するための手順118を示すフローチャートである。
【0071】
図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリをカッティングする工程630を含む。いくつかの例では、セラミックは、はさみを使用して、保護テンプレート、および、保護テンプレート間に位置するフレキシブル基板のアライメント・タブを横切ってカットされるが、アライメント・タブは完全には除去されない。フレキシブル基板アセンブリをカットした後、保護テンプレートは、シールド材およびキャリア基板から手で剥離されるか、あるいは除去される。図7は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリをカットし、かつ、保護テンプレートを除去した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。より明確に述べれば、図7では、保護テンプレート455(図4および図5)、テープ456(図4および図5)、およびフレキシブル基板350のタブ351はすでに除去されている。
【0072】
再び図6を参照して、手順118の次の工程は、手作業でシールド材を除去する工程631である。いくつかの例では、フレキシブル基板アセンブリは、シールド材がテーブルに面するようにテーブルの一方端に載置される。フレキシブル基板アセンブリがゆっくりと移動してテーブルから遠ざかる間に、シールド層がフレキシブル基板アセンブリから除去(例えば、剥離)される。すなわち、フレキシブル基板アセンブリがテーブルを水平移動する間に、シールド材をテーブルの一方端から遠ざけるように下方へ引っ張ることにより、シールド層が除去される。いくつかの例において、シールド層を除去した後に、フレキシブル基板がキャリア基板の中央に正確に位置していないか、あるいは、キャリア基板と整合していない場合、プラスチック基板をキャリア基板と整合するようにスライドさせることができる。
【0073】
続いて、図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリからアライメント・タブを除去する工程632を含む。いくつかの例において、アライメント・タブは、セラミックはさみを使用して、フレキシブル基板からカットされる。フレキシブル基板が(キャリア基板に対して)Z方向内で移動すると、フレキシブル基板のキャリア基板のデラミネーションが生じるおそれがあるので、ゆっくりとカットされるべきである。デラミネーションが生じた場合は、フレキシブル基板アセンブリは再度ラミネートされる。図8は、第1の実施例に従って、アライメント・タブを除去した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。
【0074】
次に、図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリをクリーニングする工程633を含む。いくつかの例において、フレキシブル基板アセンブリは、ヘキサンを用いてクリーニングされる。ヘキサンは、フレキシブル基板アセンブリをスピンしつつ、保護材上にスプレーされる。保護材がクリーニングされた後、キャリア基板の露出した表面および端部がヘキサンでワイプ・クリーンされる。
【0075】
図6の手順118は、架橋型接着剤を硬化(curing)させる工程634に続く。同一または異なる実施例では、架橋型接着剤は紫外線により硬化される。例えば、フレキシブル基板アセンブリは、架橋型接着剤を硬化させるために、約15〜25秒間室温で紫外線に露出される。いくつかの実施例では、架橋型接着剤は、約320nm(ナノメートル)から約390nmの紫外線範囲、かつ、約75mW/cm2(ミリワット/平方センチメートル)の強度で、紫外線により硬化される。架橋型接着剤を硬化させるために、コネチカット州トリントンのDymax Corporationにより製造されたDymax 2000−EC UV Curing Flood Lampを使用してもよい。
【0076】
様々な例では、架橋型接着剤は、工程636のベーキング中に熱によって硬化される。いくつかの例では、架橋型接着剤の端部が紫外線硬化され、架橋型接着剤の残余部分は、工程636のベーキング中に熱により硬化される。
【0077】
続いて、図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリから保護材を除去する工程635を含む。いくつかの例では、保護材はピンセットを使用してゆっくり除去される。除去工程中に、キャリア基板からフレキシブル基板がデラミネートすることを防止するために、保護材はできる限り水平に保たれる。他の例では、保護材は、紫外線によって剥離することができる。これらの例では、保護材は、紫外線露光中にその粘着性を失う。図9は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリから保護材を除去した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。
【0078】
次に、図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリをベーキングする工程636を含む。フレキシブル基板アセンブリをベーキングすることによって、フレキシブル基板の歪み、反り、ワーピングを減少させることができる。いくつかの実施例では、ベーキングによって、接着剤をさらに硬化させる。
【0079】
いくつかの例では、フレキシブル基板アセンブリは、真空ベーキング工程を用いてベーキングされる。例えば、フレキシブル基板アセンブリを収容するオーブン内の温度は、2〜3時間かけて約160°Cから約190°Cまで上げられる。フレキシブル基板アセンブリは、約50分から70分間、180°Cの温度、および、約1ミリトルから約10ミリトルの圧力でベーキングされる。その後、オーブン内の温度は、約90°Cから115°Cの間まで下げられ、さらに、フレキシブル基板アセンブリは、約7時間から約9時間ベーキングされる。他のベーキング工程も使用することができる。ベーキング工程が完了した後、フレキシブル基板アセンブリはクリーニングされ、約90°Cから110°Cのオーブン内に最低約2時間載置される。
【0080】
フレキシブル基板アセンブリをベーキングした後、手順118は完了する。再び図1を参照して、方法100は、フレキシブル基板の表面上に1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作する手順119を含む。いくつかの例では、1またはそれ以上の能動素子(例えば、トランジスタ)および受動素子(例えば、レジスタ)が、フレキシブル基板の第1表面上に形成される。同一または異なる実施例では、フレキシブル基板上に製作された1またはそれ以上の電気コンポーネントは、1またはそれ以上の薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、無機発光ダイオード、電極アレイ、電界効果トランジスタ、および/または、受動構造を含む。
【0081】
図10は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板350の表面556上に1またはそれ以上の電気コンポーネント1058を製作した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。
【0082】
再び図1を参照して、図1の方法100は、キャリア基板からフレキシブル基板を除去する手順120に続く。いくつかの例では、フレキシブル基板は、手作業でキャリア基板からプラスチック基板を剥離することにより、キャリア基板から除去される。図11は、第1の実施例に従って、キャリア基板からフレキシブル基板350を除去した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。
【0083】
ここに記述されたような方法100および同様の方法によって、フレキシブル基板上に1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作する際に生じる歪みを、ゼロまたは少なくとも最小(例えば、マサチューセッツ州ウィルミントンのAzores Corporationによって製造されたAzores5200の感度限界よりも小さいか、ほぼ同じ)にすることができる。先行技術によるフレキシブル基板上に電気コンポーネントを製作する方法は、ハンドリング・エラー、フォトリゾグラフィ・アライメント・エラー、およびライン/層の欠陥に結びつくような著しい歪みに関する問題を有する。
【0084】
本発明は特定の実施例に関して記述されたが、当業者であれば、本発明の精神または範囲から逸脱することなく様々な変更が可能であることが解るであろう。例えば、方法100に追加のベーキングおよび/またはクリーニング手順を加えてもよいことは、直ちに明白になるであろう。さらに、ここに記述された手作業による手順は、機械により自動的に行なうこともできる。このような変更に関する追加の例についても、上記において与えられている。従って、開示された実施例は、本発明の範囲の例示であると解すべきであり、制限するものであると解すべきではない。本発明の範囲は、添付の請求項によって要求される範囲のみによって制限されると解すべきである。ここで論じられたフレキシブル基板アセンブリおよび方法は、様々な実施例において実行することが可能であること、さらに、これらの実施例に関する以上の記述は、必ずしもあらゆる実施例について完全に記述したものでないことは、通常の当業者であれば直ちに明白となろう。図面に関する詳細な記述および図面自体は、少なくとも1つの好適な実施例を示すが、代替の実施例が示されてもよい。
【0085】
任意の特定の請求項で請求されるすべてのエレメント(構成要件)は、その特定の請求項で請求される本発明にとって必須のものである。したがって、1またはそれ以上の特許請求される構成要件を置き換えることは再構成となり、訂正ではない。さらに、特有の諸実施形態に関して、利益、他の利点、および問題に対する解決策が述べられてきた。しかし、その利益、利点、問題に対する解決策、およびそのいずれかの利益、利点、または解決策を生じさせる、あるいはより明確にすることのできる任意の1またはそれ以上のエレメントを、請求項のいずれかまたはすべてのものに関して、重要で、必要な、または必須の特徴もしくは構成要件として解釈されるべきではない。
【0086】
さらに、本明細書で開示される実施形態および限定は、その実施形態および/または限定が、(1)請求項中で明示的に請求されていない場合、また(2)均等論の下で、請求項における明示的な構成要件および/または限定の均等物であり、あるいは潜在的な均等物である場合、公有の原則(doctrine of dedication)の下で公共用として提供されることはない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、フレキシブル基板アセンブリの加工処理に関し、より詳しくは、フレキシブル基板アセンブリの歪みを減少させる方法、および、その方法により準備されたフレキシブル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願に対するクロスリファレンス
本願は、2008年12月2日に出願された米国仮出願番号61/119,217、2009年5月29日に出願された米国仮出願番号61/182,464、および、2009年7月30日に出願された米国仮出願番号61/230,051に基づく利益を主張する。米国仮出願番号61/119,217、61/182,464、および、61/230,051は、参照としてここに組み込まれる。
【0003】
連邦政府が後援する研究または開発に関するステートメント
合衆国政府は、本発明について無償実施権(paid−up license)を有すると共に、陸軍研究所(Army Research Lab)による許可/契約番号W911NF−04−2−0005の条件によって提供されるような合理的な条件に基づいて他人に実施権を設定することを、限られた状況下で特許権者に要求する権利を有する。
【0004】
電子産業において、フレキシブル基板は、電子回路用のベースとして急速に普及しつつある。フレキシブル基板は、多種多様の材料を含み、例えば無数にあるプラスチックのいずれかを含む。一旦、所望の電子コンポーネントまたは回路がフレキシブル基板の表面上に形成されると、そのフレキシブル基板は、最終製品に装着されるか、あるいは、さらなる構造内に組み込まれる。このような製品または構造の代表的な例としては、フラットパネル・ディスプレイ、小売店において様々な商品に付されるRFID(無線周波数識別)タグ、様々なセンサ等がある。
【0005】
しかしながら、ここで大きな問題となるのが、加工中におけるフレキシブル基板の安定性である。例えば、フレキシブル基板上に薄膜、薄膜トランジスタ(TFT)、または薄膜トランジスタ回路(TFT回路)を形成する工程では、フレキシブル基板がいくつもの機械、オーブン、クリーニング・ステップなどを通って移動する間に、多数の加工段階が実行される。このような工程中フレキシブル基板を移動させるために、フレキシブル基板は、一般に、何らかのタイプのキャリア基板に一時的に搭載され、それによってフレキシブル基板の加工段階間の移動が可能になる。
【0006】
しかしながら、フレキシブル基板は、典型的なキャリア基板と比較して熱膨張率(CTE)が比較的高いので、TFTまたはTFT回路の処理における温度の異常上昇(エクスカーション)中に、大きく異なるCTEによって応力の不一致が誘発される。この現象によって、フレキシブル基板に著しい歪みが生じたり、また、ハンドリング・エラー、フォトリソグラフィック・アライメント・エラー、および、ライン/層の欠損などを引き起こしたりするおそれがある。
【0007】
したがって、上記の限界を解決するために、フレキシブル基板をキャリア基板に結合するための斬新な構成および方法を開発することは、当技術において必要である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例に関する記述をより解り易くするために、以下の図面が提供される。
【0009】
【図1】第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリを準備する方法のフローチャートを示す。
【0010】
【図2】第1の実施例に従って、フレキシブル基板を準備する手順を示すフローチャートである。
【0011】
【図3】第1の実施例に従って、フレキシブル基板の平面図を示す。
【0012】
【図4】第1の実施例に従って、図3のフレキシブル基板を保護テンプレートに取り付けた後のフレキシブル基板アセンブリの部分断面図を示す。
【0013】
【図5】第1の実施例に従って、キャリア基板をフレキシブル基板アセンブリに結合した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの部分断面図を示す。
【0014】
【図6】第1の実施例に従って、図4のフレキシブル基板アセンブリを加工処理する手順を示すフローチャートである。
【0015】
【図7】第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリをカットした後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0016】
【図8】第1の実施例に従って、アライメント・タブを除去した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0017】
【図9】第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリから保護材を除去した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0018】
【図10】第1の実施例に従って、フレキシブル基板上に1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0019】
【図11】第1の実施例に従って、キャリア基板からプラスチック基板を除去した後の図4のフレキシブル基板アセンブリの断面図を示す。
【0020】
実施例を単純かつ明瞭にするために、図面は一般的な構築方法を示し、また、周知の特徴および技術に関する記述および詳細は、本発明を必要以上に不明瞭にしないために省略される場合がある。さらに、図面中の要素は、必ずしも同一寸法で描かれていない。例えば、本発明の実施例をよりよく理解できるように、図中のいくつかの要素の寸法は、他の要素に比べて誇張される場合がある。異なる図中の同一の参照番号は、同一の要素を示す。
【0021】
明細書および請求項において、用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」および同種の用語が、類似する要素を識別するために使用される場合があるが、これらは、必ずしも特定の連続する順序または時系列を示すものではない。当該用語は、適切な状況下で置換可能であり、したがって、ここに記述された実施例は、例えば、ここに図示され、または記述された以外の順序で動作可能であると解される。さらに、用語「含む」、「有する」およびそれらのあらゆるバリエーションは、排他的ではない包含を含むと解され、したがって、列挙されたエレメントを構成する工程、方法、システム、物品、装置、または機器は、必ずしもそれらの要素に制限されないが、このような工程、方法、システム、物品、装置、または機器について明白には列挙されず、あるいは固有でない他の要素が含まれる場合がある。
【0022】
明細書および請求項において、用語「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「底」、「上方」、「下方」および同種の用語が、永久的な相対的地位について記述するためではなく、記述的な目的のために使用される場合がある。このように使用される用語は、適切な状況下で置換可能であり、したがって、ここに記述された本発明の実施例は、例えば、これらの図示または記述された方向以外の方向でも動作可能であると理解される。
【0023】
用語「結合」、「結合された」、「結合する」、「結合している」および同種の用語は広く解釈されるべきであり、2またはそれ以上の要素または信号が、電気的、機械的、および/またはそれ以外によって接続することを意味する。すわなち、2またはそれ以上の電気要素が、電気的に結合されるが機械的に結合されない場合、2またはそれ以上の機械要素が、機械的に結合されるが電気的に連結されない場合、2またはそれ以上の電気要素が、機械的に結合されるが電気的に連結されない場合がある。結合(単に機械的であるか、単に電気的であるか等を問わず)している時間は、例えば永久的または瞬間的のような、あらゆる時間の長さを含む。
【0024】
用語「結合された」および同種の用語の近くに、用語「除去可能に」およびの同種の用語が無い場合であっても、当該結合等が、除去可能であること、あるいは、除去不可能であることを意味するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
いくつかの実施例は、フレキシブル基板アセンブリを準備する方法を含む。この方法は、(a)キャリア基板を提供する段階、(b)架橋型接着剤(cross-linking adhesive)を提供する段階、(c)プラスチック基板を提供する段階、および、(d)架橋型接着剤を用いてキャリア基板をプラスチック基板に結合する段階を含む。
【0026】
他の実施例では、フレキシブル基板アセンブリは、(a)第1表面を有するキャリア基板、(b)架橋型接着剤、および、(c)第1表面および第1表面の反対側の第2表面を有するプラスチック基板を含む。キャリア基板の第1表面は、架橋型接着剤を用いて、プラスチック基板の第1表面に除去可能に接合される。
【0027】
他の実施例は、フレキシブル・プラスチック基板上に半導体装置を製作する方法を含む。この方法は、(a)第1表面および第1表面の反対側の第2表面を有するフレキシブル・プラスチック基板を提供する段階、(b)フレキシブル・プラスチック基板の第1表面に保護材を付加する段階、(c)第1表面および第1表面の反対側の研磨された第2表面を有するサポート基板を提供する段階、(d)架橋型アクリル系接着剤(cross-linking acrylic adhesive)を提供する段階、(e)サポート基板の第1表面上に架橋型アクリル系接着剤をスピン・コーティングする段階、(f)架橋型アクリル系接着剤を用いて、サポート基板の第1表面をフレキシブル・プラスチック基板の第2表面に除去可能に結合する段階、および、(g)サポート基板とフレキシブル・プラスチック基板との間の架橋型アクリル系接着剤を使用して、サポート基板およびフレキシブル・プラスチック基板をラミネートする段階を含む。
【0028】
ここで使用される用語「反り(bowing)」とは、基板の上面および底面に対して平行な中心面または主表面の周りの基板の湾曲を意味する。ここで使用される用語「ワーピング(warping)」とは、基板の上面および底面に対して垂直なZ軸または主表面に関する基板表面の線形の変位を意味する。ここに使用される用語「歪み(distortion)」とは、基板の水平面(すなわち、基板の上面および底面に対して平行なx−y面または主表面)の湾曲または応力を意味する。例えば、歪みには、基板のx−y面における収縮および/または基板のx−y面における拡張が含まれる。
【0029】
ここで使用される用語「CTE適合材料(CTE matched material)」とは、参照材料の熱膨張率(CTE)との相違が約20%未満であるCTEを有する材料を意味する。CTEの相違は、約10%未満、約5%未満、約3%未満、または約1%未満であることが好ましい。ここで使用される用語「研磨する(polish)」とは、表面をラッピングおよびポリシングすること、または、表面をラッピングすることのみを意味する。
【0030】
図面に移って、図1は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリを準備するための実施例に関する方法100を示す。同一または異なる実施例において、方法100またはその一部は、フレキシブル・プラスチック基板上に半導体装置を製作する方法であるとみなすことができる。方法100は単なる典型例であり、ここに示された実施例に制限されない。方法100は、ここには特に記載されていない、あるいは、記載されている多くの異なる実施例または実例において用いることができる。
【0031】
方法100は、フレキシブル基板を提供する手順111を含む。ここで使用される用語「フレキシブル基板」とは、その形状を容易に順応させることができる可撓性材料を含む独立した基板を意味する。いくつかの実施例では、手順111は、低い弾性係数を有するフレキシブル基板を供給する段階を含む。例えば、低い弾性係数は、約5ギガパスカル(GPa)未満の弾性係数であると考えられる。
【0032】
多くの例において、フレキシブル基板はプラスチック基板である。例えば、フレキシブル基板は、ポリエチレン・ナフサレート(PEN)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、環状オレフィン・コポリマ、または液晶ポリマを含む。
【0033】
多くの例において、フレキシブル基板は、フレキシブル基板の1またはそれ以上の面におけるコーティングを含む。コーティングは、フレキシブル基板の引掻抵抗を改善し、および/または、アウトガス、フレキシブル基板の表面上のオリゴマー結晶、および/または、フレキシブル基板からの他の化学物質の漏れを防止する。さらに、コーティングによって、それが施されたフレキシブル基板の面を平坦化することができる。さらに、コーティングによって、歪みが減少する。いくつかの例では、コーティングは、電気的装置が製作されるフレキシブル基板の面にのみ施される。他の例では、コーティングは、フレキシブル基板の両面に施される。様々な実施例では、フレキシブル基板は、予め平坦化されて提供される。例えば、フレキシブル基板は、日本国東京の帝人デュポンフィルム社から商品名「planarized Teonex(登録商標)Q65」で販売されているPEN基板がある。他の実施例では、フレキシブル基板は提供された後に平坦化される。
【0034】
プラスチック基板の厚さは、約25マイクロメートルから約300マイクロメートルの範囲内である。同一または異なる実施例では、プラスチック基板の厚さは、約100マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲内である。
【0035】
いくつかの例では、フレキシブル基板は、ペーパーカッタまたはセラミックはさみを使用して、プラスチック材料のロールからプラスチック基板のシートをカットすることにより提供される。様々な例では、プラスチック基板をカットした後、カットされたシートは窒素ガン(nitrogen gun)でブロー・クリーニングされる。方法100のいくつかの実施例では、カット工程またはブロー工程の一方または両方は、手順111の一部として行われる代わりに、下記の手順112の一部として行われる。
【0036】
図1の方法100は、フレキシブル基板を準備する手順112に続く。図2は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板を準備する手順112のフローチャートを示す。
【0037】
図2の手順112は、フレキシブル基板をベーキングする工程230を含む。フレキシブル基板をベーキングすることにより、方法100(図1)において後に浸出する可能性のある、フレキシブル基板中のオリゴマーおよび他の化学物質の放出を促すことができる。
【0038】
いくつかの例では、フレキシブル基板は、真空ベーキング工程を用いてベーキングが行われる。例えば、フレキシブル基板が収容されたオーブン内の温度は、約2〜3時間以上かけて摂氏約160度(°C)から約200°Cに上げられる。フレキシブル基板は、約160°Cから約200°Cの温度、および、約1〜約10ミリトル(milliTorr)の圧力で1時間ベーキングが行われる。その後、オーブン内の温度は、約90°Cから約115°Cの間に下げられ、フレキシブル基板はさらに約8時間ベーキングが行われる。他のベーキング工程が使用されてもよい。ベーキング工程が完了した後、プラスチック基板は、燃焼されたあらゆる残留物または化学物質が拭きとられクリーンにされる。
【0039】
続いて、図2の手順112は、保護テンプレートを提供する工程231を含む。保護テンプレートは、フレキシブル基板を配置するためのガイドとしての役割、および、フレキシブル基板とローラおよび/または様々な加工機器の操作機構と間の保護層としての役割の両方を果たす。いくつかの例では、保護テンプレートは、1枚のマイラ(Mylar(登録商標))または任意の安価なプラスチックである。
【0040】
保護テンプレートは、5mm(ミリメートル)から15mmの厚さであり、約0.5m(メートル)から約1.5mの長さにカットされる。他の実施例では、保護テンプレートは、50マイクロメートルから15mmの厚さであり、約0.5m(メートル)から約1.5mの長さにカットされる。様々な実施例では、工程231の一部として、保護テンプレートは半分に折り畳まれ、折り目を固定するためにローラ(例えば、ホット・ロール・ラミネータ)に通される。キャリア基板のライン・トレースも、工程231の一部として保護シートの裏面に形成することができる。さらに、保護テンプレートは、保護テンプレートをフラットにするために、約90°Cから約110°Cで約5分から約10分間ベーキングされる。
【0041】
図2の手順112は、フレキシブル基板の第1表面の少なくとも一部分に保護材を貼付する工程232に続く。いくつかの実施例では、保護材は、フレキシブル基板の平坦化された表面の少なくとも一部分上に貼付される。いくつかの例では、保護材は、フレキシブル基板の一部分に貼付されない。
【0042】
保護材は、スクラッチを防止すると共に、接着剤がフレキシブル基板の平坦化された表面を覆うのを防止するので、その結果、欠陥が減少する。いくつかの例では、保護材として、ブルー・ロー・タック・テープ(例えば、Semiconduntor Equipment Corporation製、部品番号18133−7.50)またはマイラが使用される。保護材は、約25マイクロメートルから約100マイクロメートルの厚さである。例えば、保護材は、約70マイクロメートルの厚さである。いくつかの例では、保護材は、保護材とフレキシブル基板との間の気泡を除去するために、フレキシブル基板の平坦化された表面上に保護材をローリングさせることによって貼付される。
【0043】
続いて、図2の手順112は、フレキシブル基板および保護材をウエハの形状にカットする過程233を含む。パンチ・カット・テンプレートが、ウエハの形状をフレキシブル基板(もし平坦化された面があれば、それを上にして)および/または保護材にプレスするために使用されてもよい。一実施例では、パンチ・カット・テンプレートは、保護材およびフレキシブル基板内に、一時的または永久的なインプレッションを同時に作成するために使用される。
【0044】
もし、パンチ・カット・テンプレートのプレスによってフレキシブル基板が完全に切り離されると、プレス・カットによってフレキシブル基板上のコーティング内にクラックが生じ、それがフレキシブル基板の全体に広がるので、そのフレキシブル基板は廃棄物となってしまう。そこで、プレスを使用してフレキシブル基板および/または保護材にウエハの形状の輪郭が描かれた後、フレキシブル基板および保護材が一緒に同時にカットされる。いくつかの例では、フレキシブル基板および保護材は、パンチ・カット・テンプレートによって形成されたインプレッションから約1ミリメートル外側を、セラミックはさみを用いてカットされる。
【0045】
いくつかの例では、フレキシブル基板は、フレキシブル基板および保護材内にウエハの形状から伸びるタブを含む。タブは、図1の手順117において、フレキシブル基板がラミネータを通って移動するときに、フレキシブル基板をキャリア基板に整合させるために使用される。図3は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板350の平面図を示す。フレキシブル基板350は、ボディ352およびタブ351を含む。多くの例では、ボディ352は、円形である。図3には示されないが、保護材は、フレキシブル基板350の上に位置し、同様の形状をしたタブを含む。一実施例では、タブは、パンチ・カット・テンプレートの一部として存在せず、フレキシブル基板および保護材からフリーハンドまたはフリースタイルでカットされる。
【0046】
図2を参照して、図2の手順112は、フレキシブル基板をクリーニングする工程234に続く。いくつかの例では、フレキシブル基板の第2面または平坦化されていない面(すなわち保護材の無い面)は、あらゆるオリゴマー、他の化学物質、またはパーティクルを除去するためにカラ拭きされる。その後、保護材を有するフレキシブル基板の平坦化された面は、窒素ガンでブロー・クリーニングされる。他の例では、両面がカラ拭きおよび/またはブロー・クリーニングされる。
【0047】
次に、図2の手順112は、フレキシブル基板を保護テンプレートに整合させる工程235を含む。いくつかの例において、タブを具備したウエハの形状を有するフレキシブル基板は、工程231において保護テンプレート上に描写または形成されたキャリア基板のライン・トレースに整合される。キャリア基板のライン・トレースは、一般に、フレキシブル基板のウエハの形状よりもわずかに大きい。
【0048】
続いて、図2の手順112は、フレキシブル基板を保護テンプレートに結合する工程236を含む。いくつかの実施例では、フレキシブル基板は、フレキシブル基板のタブの部分を保護テンプレートに付着させることにより、保護テンプレートに付着する。例えば、1片の両面テープによって、フレキシブル基板のタブが保護テンプレートに結合される。いくつかの例では、保護材の一部が剥離されてタブから除去され、そして、両面テープが、フレキシブル基板のタブの露出した部分に結合される。いくつかの例では、保護材の一部はピンセットを使用して剥離され、さらにセラミックはさみを使用して保護テンプレートからカットされる。他の例では、図2の工程232において、保護材は、両面テープが接着されるタブの部分に貼付されないので、保護材の一部を剥離または除去する必要はない。
【0049】
フレキシブル基板を保護テンプレートに結合した後、保護テンプレートがフレキシブル基板の上で折り畳まれる。図4は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板350を保護テンプレート455に付着させた後のフレキシブル基板アセンブリ440の部分断面図を示す。この例では、テープ456が、フレキシブル基板350および保護テンプレート455に結合される。前述したように、保護材453はフレキシブル基板350に結合される。
【0050】
いくつかの例では、フレキシブル基板の1つの面のみが保護テンプレートに付着する。他の例において、フレキシブル基板の両側が保護テンプレートに付着する。
【0051】
次に、図2の手順112は、フレキシブル基板、保護材、および保護テンプレートをラミネートする工程237を含む。フレキシブル基板および保護材は、半分に折られて2枚になった保護テンプレートの間に位置する。フレキシブル基板、保護材、および保護テンプレートは、保護材と保護テンプレートとの間、および、保護材とフレキシブル基板との間の気泡を除去するために、ホット・ロール・ラミネータを使用してラミネートされる。いくつかの例では、フレキシブル基板および保護テンプレートは、ガイド・シート(例えば、Lexan(登録商標)ガイド・シート)上に載置され、ホット・ロール・ラミネータに送り込まれる。例えば、フレキシブル基板および保護材のタブが、最初にラミネータに送り込まれる。フレキシブル基板および保護テンプレートは、120kPa(キロパスカル)から約160kPaの圧力、および、約90°Cから約110°Cの温度でラミネートされる。ラミネート速度は、毎分約1メートルから約2メートルである。
【0052】
フレキシブル基板および保護テンプレートをラミネートした後、手順112は完了する。図1を参照して、図1の方法100は、キャリア基板を提供する手順113を含む。多くの実施例では、キャリア基板は、6,8,12,または18インチのウエハまたはパネルである。いくつかの実施例では、キャリア基板は、370mm×470mmのパネルである。
【0053】
キャリア基板は、第1表面、および第1表面の反対側の第2表面を含む。いくつかの例では、第1表面および第2表面の少なくとも1つが研磨される。フレキシブル基板と連続して結合されていない表面を研磨することによって、キャリア基板をハンドリングするための真空またはエア・チャックの能力を向上させることができる。さらに、フレキシブル基板と連続して結合されている表面を研磨することによって、フレキシブル基板と結合された後にZ軸方向内のフレキシブル基板アセンブリの荒れを引き起こすおそれがあるキャリア基板の表面の位相的特徴(topological feature)を除去する。
【0054】
様々な実施例では、キャリア基板は、アルミナ(Al2O3)、シリコン、低CTEガラス、鋼、サファイア、バリウム硼珪酸塩、ソーダ石灰珪酸塩、アルカリ珪酸塩、または、CTEがフレキシブル基板と適合する他の材料のうちの少なくとも1つを含む。キャリア基板のCTEは、フレキシブル基板のCTEに適合させるべきである。CTEが適合しない場合は、キャリア基板とフレキシブル基板との間に応力が発生する。
【0055】
キャリア基板は、例えば、約0.7mmと約1.1mmの間の厚さを有するサファイアを含む。また、キャリア基板は、約0.7mmと約1.1mmの間の厚さを有する96%アルミナを含む。異なる実施例では、96%アルミナの厚さは、約2.0mmである。他の例では、キャリア基板は、約0.65mmの厚さを有する単結晶シリコン・ウエハである。さらに、他の実施例では、キャリア基板は、約0.5mmの厚さを有するステンレス鋼を含む。いくつかの例において、キャリア基板はフレキシブル基板よりもわずかに大きい。
【0056】
次に、図1の方法100は、架橋型接着剤を提供する手順114を含む。いくつかの例において、架橋型接着剤は、毎秒約2×10−4トルリットル未満の速度でアウトガスを行なう。いくつかの例では、架橋型接着剤は、熱硬化性および/またはUV(紫外線)硬化性を有する。
【0057】
様々な実施例では、架橋型接着剤は、架橋型アクリル系接着剤である。同一または異なる実施例では、架橋型接着剤は、架橋型アクリル系感圧接着剤または架橋型粘弾性ポリマである。いくつかの例では、接着剤のCTEは、フレキシブル基板およびキャリア基板のCTEと比較して非常に大きい。しかしながら、接着剤の層は、フレキシブル基板およびキャリア基板の厚さと比較して非常に薄いので、接着剤はフレキシブル基板とキャリア基板のと間に応力(すなわち粘弾性)を生成せず、したがって、接着剤のCTEは重要ではない。
【0058】
続いて、図1の方法100は、キャリア基板の第1表面上に架橋型接着剤を堆積させる手順115を含む。多くの実施例では、キャリア基板の第1表面上への架橋型接着剤の堆積は、スピン・コーティング、スプレー・コーティング、押出しコーティング、プレフォーム・ラミネーション、スロット・ダイ・コーティング、スクリーン・ラミネーション、またはスクリーン印刷のうちの少なくとも1つの方法を用いて行なわれる。
【0059】
例えば、キャリア基板は、架橋型接着剤でコーティングされる。キャリア基板および架橋型接着剤は、キャリア基板の第1表面上に架橋型接着剤を塗布するためにスピンされる。いくつかの実施例では、架橋型接着剤は、約900rpm(回転/分)から1100rpmで約20秒から約30秒間架橋型接着剤を有するキャリア基板をスピンし、次に、約3400rpmから約3600rpmで約10秒から30秒間架橋型接着剤を有するキャリア基板をスピンすることにより、キャリア基板上にスピン・コーティングされる。異なる実施例では、架橋型接着剤を有するキャリア基板は、キャリア基板の表面をコーティングするために約600rpmから約700rpmでスピンされ、次に、架橋型接着剤の厚さをコントロールするために約3400rpmから約3600rpmでスピンされる。
【0060】
架橋型接着剤は、スピン・コーティングに先立って、キャリア基板の幾何学的中心上に施与される。異なる実施例では、架橋型接着剤は、キャリア基板がスピンしている間に、キャリア基板上に塗布される。
【0061】
堆積する手順後のキャリア基板上の架橋型接着剤の厚さは、約5マイクロメートルと約15マイクロメートルとの間である。他の実施例では、堆積する手順後のキャリア基板上の架橋型接着剤の厚さは、約3マイクロメートルと約15マイクロメートルとの間である。同一または異なる実施例では、堆積する手順後のキャリア基板上の架橋型接着剤の厚さは、約10マイクロメートルと約12マイクロメートルとの間である。
【0062】
図1の方法100は、架橋型接着剤をベーキングする手順116に続く。いくつかの実施例では、架橋型接着剤は、溶剤を除去するためにベーキングされる。例えば、架橋型接着剤は、80°Cで30分間ベーキングされ、次に、130°Cで15分間ベーキングされる。
【0063】
他の例では、架橋型接着剤はベーキングされない。例えば、架橋型接着剤が溶剤を含まない場合、ベーキングは不要である。さらに、架橋型接着剤の粘性が非常に高い場合は、粘性を減少させるために、手順115において接着剤が堆積される前に、溶剤が架橋型接着剤に添加される。
【0064】
その後、キャリア基板が保護テンプレート上に載置される。図5に示されるように、フレキシブル基板は保護テンプレートの一部分(または半分)に既に結合されており、架橋型接着剤を有するキャリア基板は、保護テンプレートの他の部分(または半分)に載置される。いくつかの例において、架橋型接着剤は、この時点ではまだ液体である。したがって、架橋型接着剤でコーティングされたキャリア基板は、フレキシブル基板に結合される前に約8から約12時間水平状態で保管される。
【0065】
次に、図1の方法100は、フレキシブル基板およびキャリア基板が、半分に折られた保護テンプレート間に位置する間に、架橋型接着剤を使用して両者を結合する手順117を含む。フレキシブル基板の第2表面は、フレキシブル基板の第2表面とキャリア基板の第1表面との間に位置する接着剤を用いてキャリア基板の第1表面上に載置される。
【0066】
いくつかの例において、キャリア基板は、キャリア基板とフレキシブル基板との間の気泡を除去するために、半分に折られた保護テンプレートの間にフレキシブル基板アセンブリをラミネートすることにより、架橋型接着剤を使用してフレキシブル基板に結合される。フレキシブル基板をラミネートする工程には、最初にキャリア基板をフレキシブル基板に整合させる工程が含まれるので、ラミネートされたときに、キャリア基板とフレキシブル基板が整合する。その後、整合された構造は、ホット・ロール・ラミネータ(図2の工程237と同じラミネータである)を通って送られる。フレキシブル基板アセンブリは、毎分約0.4〜0.6メートルの速度でラミネートされる。
【0067】
さらに、様々な実施例では、ラミネートされたとき、保護材が保護テンプレートに付着する場合がある。この問題を回避するために、工程237および/または工程232においてラミネートする前に、シールド材が、保護テンプレートと保護材との間に載置される。シールド材は、例えば蝋紙である。一実施例では、シールド材は、製造者から入手したときに、最初から保護材に結合されている。
【0068】
同一または異なる実施例では、特に、キャリア基板およびその上に重なる架橋型接着剤の層がフレキシブル基板よりもわずかに大きい場合は、ラミネートおよび接着中に、架橋型接着剤のいくらかがキャリア基板とフレキシブル基板の間からはみ出し、フレキシブル基板の第1面または上面に付着することがある。しかしながら、保護材が存在することによって、このような問題の発生が防止される。保護材は最終的には除去され廃棄されるので、架橋型接着剤がはみ出して(フレキシブル基板の代わりに)保護材の上面に付着したとしても問題はない。
【0069】
図5は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリ440にキャリア基板551を結合した後のフレキシブル基板アセンブリ440の部分断面図を示す。本実施例において、架橋型接着剤552は、キャリア基板551の表面561をフレキシブル基板350の表面562に結合する。保護材453は、フレキシブル基板350の表面556上に位置する。シールド材554は、保護材453と保護テンプレート455との間に位置する。保護テンプレート455は折り曲げられ、その結果、保護テンプレート455は、キャリア基板551の表面563の下にも位置する。テープ456は、保護テンプレート455をフレキシブル基板456に結合する。
【0070】
再び図1を参照して、方法100は、フレキシブル基板アセンブリを加工処理する手順118によって継続される。図6は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリを加工処理するための手順118を示すフローチャートである。
【0071】
図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリをカッティングする工程630を含む。いくつかの例では、セラミックは、はさみを使用して、保護テンプレート、および、保護テンプレート間に位置するフレキシブル基板のアライメント・タブを横切ってカットされるが、アライメント・タブは完全には除去されない。フレキシブル基板アセンブリをカットした後、保護テンプレートは、シールド材およびキャリア基板から手で剥離されるか、あるいは除去される。図7は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリをカットし、かつ、保護テンプレートを除去した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。より明確に述べれば、図7では、保護テンプレート455(図4および図5)、テープ456(図4および図5)、およびフレキシブル基板350のタブ351はすでに除去されている。
【0072】
再び図6を参照して、手順118の次の工程は、手作業でシールド材を除去する工程631である。いくつかの例では、フレキシブル基板アセンブリは、シールド材がテーブルに面するようにテーブルの一方端に載置される。フレキシブル基板アセンブリがゆっくりと移動してテーブルから遠ざかる間に、シールド層がフレキシブル基板アセンブリから除去(例えば、剥離)される。すなわち、フレキシブル基板アセンブリがテーブルを水平移動する間に、シールド材をテーブルの一方端から遠ざけるように下方へ引っ張ることにより、シールド層が除去される。いくつかの例において、シールド層を除去した後に、フレキシブル基板がキャリア基板の中央に正確に位置していないか、あるいは、キャリア基板と整合していない場合、プラスチック基板をキャリア基板と整合するようにスライドさせることができる。
【0073】
続いて、図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリからアライメント・タブを除去する工程632を含む。いくつかの例において、アライメント・タブは、セラミックはさみを使用して、フレキシブル基板からカットされる。フレキシブル基板が(キャリア基板に対して)Z方向内で移動すると、フレキシブル基板のキャリア基板のデラミネーションが生じるおそれがあるので、ゆっくりとカットされるべきである。デラミネーションが生じた場合は、フレキシブル基板アセンブリは再度ラミネートされる。図8は、第1の実施例に従って、アライメント・タブを除去した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。
【0074】
次に、図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリをクリーニングする工程633を含む。いくつかの例において、フレキシブル基板アセンブリは、ヘキサンを用いてクリーニングされる。ヘキサンは、フレキシブル基板アセンブリをスピンしつつ、保護材上にスプレーされる。保護材がクリーニングされた後、キャリア基板の露出した表面および端部がヘキサンでワイプ・クリーンされる。
【0075】
図6の手順118は、架橋型接着剤を硬化(curing)させる工程634に続く。同一または異なる実施例では、架橋型接着剤は紫外線により硬化される。例えば、フレキシブル基板アセンブリは、架橋型接着剤を硬化させるために、約15〜25秒間室温で紫外線に露出される。いくつかの実施例では、架橋型接着剤は、約320nm(ナノメートル)から約390nmの紫外線範囲、かつ、約75mW/cm2(ミリワット/平方センチメートル)の強度で、紫外線により硬化される。架橋型接着剤を硬化させるために、コネチカット州トリントンのDymax Corporationにより製造されたDymax 2000−EC UV Curing Flood Lampを使用してもよい。
【0076】
様々な例では、架橋型接着剤は、工程636のベーキング中に熱によって硬化される。いくつかの例では、架橋型接着剤の端部が紫外線硬化され、架橋型接着剤の残余部分は、工程636のベーキング中に熱により硬化される。
【0077】
続いて、図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリから保護材を除去する工程635を含む。いくつかの例では、保護材はピンセットを使用してゆっくり除去される。除去工程中に、キャリア基板からフレキシブル基板がデラミネートすることを防止するために、保護材はできる限り水平に保たれる。他の例では、保護材は、紫外線によって剥離することができる。これらの例では、保護材は、紫外線露光中にその粘着性を失う。図9は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板アセンブリから保護材を除去した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。
【0078】
次に、図6の手順118は、フレキシブル基板アセンブリをベーキングする工程636を含む。フレキシブル基板アセンブリをベーキングすることによって、フレキシブル基板の歪み、反り、ワーピングを減少させることができる。いくつかの実施例では、ベーキングによって、接着剤をさらに硬化させる。
【0079】
いくつかの例では、フレキシブル基板アセンブリは、真空ベーキング工程を用いてベーキングされる。例えば、フレキシブル基板アセンブリを収容するオーブン内の温度は、2〜3時間かけて約160°Cから約190°Cまで上げられる。フレキシブル基板アセンブリは、約50分から70分間、180°Cの温度、および、約1ミリトルから約10ミリトルの圧力でベーキングされる。その後、オーブン内の温度は、約90°Cから115°Cの間まで下げられ、さらに、フレキシブル基板アセンブリは、約7時間から約9時間ベーキングされる。他のベーキング工程も使用することができる。ベーキング工程が完了した後、フレキシブル基板アセンブリはクリーニングされ、約90°Cから110°Cのオーブン内に最低約2時間載置される。
【0080】
フレキシブル基板アセンブリをベーキングした後、手順118は完了する。再び図1を参照して、方法100は、フレキシブル基板の表面上に1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作する手順119を含む。いくつかの例では、1またはそれ以上の能動素子(例えば、トランジスタ)および受動素子(例えば、レジスタ)が、フレキシブル基板の第1表面上に形成される。同一または異なる実施例では、フレキシブル基板上に製作された1またはそれ以上の電気コンポーネントは、1またはそれ以上の薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、無機発光ダイオード、電極アレイ、電界効果トランジスタ、および/または、受動構造を含む。
【0081】
図10は、第1の実施例に従って、フレキシブル基板350の表面556上に1またはそれ以上の電気コンポーネント1058を製作した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。
【0082】
再び図1を参照して、図1の方法100は、キャリア基板からフレキシブル基板を除去する手順120に続く。いくつかの例では、フレキシブル基板は、手作業でキャリア基板からプラスチック基板を剥離することにより、キャリア基板から除去される。図11は、第1の実施例に従って、キャリア基板からフレキシブル基板350を除去した後のフレキシブル基板アセンブリ440の断面図を示す。
【0083】
ここに記述されたような方法100および同様の方法によって、フレキシブル基板上に1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作する際に生じる歪みを、ゼロまたは少なくとも最小(例えば、マサチューセッツ州ウィルミントンのAzores Corporationによって製造されたAzores5200の感度限界よりも小さいか、ほぼ同じ)にすることができる。先行技術によるフレキシブル基板上に電気コンポーネントを製作する方法は、ハンドリング・エラー、フォトリゾグラフィ・アライメント・エラー、およびライン/層の欠陥に結びつくような著しい歪みに関する問題を有する。
【0084】
本発明は特定の実施例に関して記述されたが、当業者であれば、本発明の精神または範囲から逸脱することなく様々な変更が可能であることが解るであろう。例えば、方法100に追加のベーキングおよび/またはクリーニング手順を加えてもよいことは、直ちに明白になるであろう。さらに、ここに記述された手作業による手順は、機械により自動的に行なうこともできる。このような変更に関する追加の例についても、上記において与えられている。従って、開示された実施例は、本発明の範囲の例示であると解すべきであり、制限するものであると解すべきではない。本発明の範囲は、添付の請求項によって要求される範囲のみによって制限されると解すべきである。ここで論じられたフレキシブル基板アセンブリおよび方法は、様々な実施例において実行することが可能であること、さらに、これらの実施例に関する以上の記述は、必ずしもあらゆる実施例について完全に記述したものでないことは、通常の当業者であれば直ちに明白となろう。図面に関する詳細な記述および図面自体は、少なくとも1つの好適な実施例を示すが、代替の実施例が示されてもよい。
【0085】
任意の特定の請求項で請求されるすべてのエレメント(構成要件)は、その特定の請求項で請求される本発明にとって必須のものである。したがって、1またはそれ以上の特許請求される構成要件を置き換えることは再構成となり、訂正ではない。さらに、特有の諸実施形態に関して、利益、他の利点、および問題に対する解決策が述べられてきた。しかし、その利益、利点、問題に対する解決策、およびそのいずれかの利益、利点、または解決策を生じさせる、あるいはより明確にすることのできる任意の1またはそれ以上のエレメントを、請求項のいずれかまたはすべてのものに関して、重要で、必要な、または必須の特徴もしくは構成要件として解釈されるべきではない。
【0086】
さらに、本明細書で開示される実施形態および限定は、その実施形態および/または限定が、(1)請求項中で明示的に請求されていない場合、また(2)均等論の下で、請求項における明示的な構成要件および/または限定の均等物であり、あるいは潜在的な均等物である場合、公有の原則(doctrine of dedication)の下で公共用として提供されることはない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル基板アセンブリを準備する方法において、前記方法は、
キャリア基板を提供する段階と、
架橋型接着剤を提供する段階と、
プラスチック基板を提供する段階と、
前記架橋型接着剤を使用して、前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階と、
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階は、
前記キャリア基板の第1表面上に前記架橋型接着剤を堆積する段階、
前記キャリア基板および前記架橋型接着剤をスピンさせて、前記キャリア基板の前記第1表面上に前記架橋型接着剤を塗布する段階、および、
前記プラスチック基板の前記第1表面と前記キャリア基板の前記第1表面との間に位置する前記架橋型接着剤を用いて、前記プラスチック基板の前記第1表面を前記キャリア基板の前記第1表面上に載置する段階、
を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階は、
スピン・コーティング、スプレー・コーティング、押出コーティング、プリフォーム・ラミネーション、スロット・ダイ・コーティング、およびスクリーン・ラミネーションのうちの少なくとも1つの技術を用いて、前記キャリア基板の前記第1表面上に前記架橋型接着剤を塗布する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の後に、前記プラスチック基板を前記キャリア基板から除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,または3記載の方法。
【請求項5】
前記プラスチック基板を前記キャリア基板から除去する段階は、前記プラスチック基板を前記キャリア基板から剥離する段階を含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の後に、前記フレキシブル基板の表面上に1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,または5記載の方法。
【請求項7】
前記1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作する段階の後に、前記プラスチック基板を前記キャリア基板から除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の後に、前記架橋型接着剤を熱で硬化させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,または7記載の方法。
【請求項9】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の後に、前記架橋型接着剤を紫外線で硬化させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,または7記載の方法。
【請求項10】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の前に、前記プラスチック基板をベーキングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の方法。
【請求項11】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の前に、保護材を前記プラスチック基板の少なくとも第1表面に貼付する段階をさらに含み、
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階は、前記架橋型接着剤を使用して前記プラスチック基板を前記プラスチック基板の第2表面に結合する段階を含む、
ことを特徴とする請求項1,4,5,6,7,8,9,または10記載の方法。
【請求項12】
保護テンプレートを提供する段階、および、
前記保護テンプレートを前記プラスチック基板に結合する段階、
をさらに含み、
前記保護材は、前記保護テンプレートと前記プラスチック基板との間に少なくとも部分的に位置する、
ことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記保護テンプレートを前記プラスチック基板に結合する段階は、
テープを使用して前記プラスチック基板の一部分に、前記保護テンプレートを結合することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記保護テンプレートと前記保護材との間にシールド材を提供する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
前記キャリア基板、前記架橋型接着剤、前記プラスチック基板、前記保護テンプレート、前記保護材、および前記シールド材をラミネートする段階をさらに含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記キャリア基板を提供する段階は、前記キャリア基板に少なくとも研磨された第1表面を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,または15記載の方法。
【請求項17】
前記キャリア基板を提供する段階は,アルミナ、シリコン、ステンレス鋼、およびサファイアのうちの少なくとも1つを含む前記キャリア基板を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,または16記載の方法。
【請求項18】
前記キャリア基板を提供する段階は、前記プラスチック基板に適合したCTEである材料を含む前記キャリア基板を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,または17記載の方法。
【請求項19】
前記プラスチック基板を提供する段階は、ポリエチレン・ナフサレート、ポリエチレン・テレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド、ポリカーボネート、環状オレフィン・コポリマ、および液晶ポリマのうちの少なくとも1つから成る前記プラスチック基板を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,または18記載の方法。
【請求項20】
前記架橋型接着剤を提供する段階は、架橋型アクリル系接着剤を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,または19記載の方法。
【請求項21】
前記架橋型接着剤を提供する段階は、毎秒2×10−4トルリットル未満の速度でアウトガスを行なう架橋型接着剤を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,または20記載の方法。
【請求項22】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の前に、前記架橋型接着剤をベーキングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,または21記載の方法。
【請求項23】
前記プラスチック基板を提供する段階は、約5ギガパスカル未満の弾性係数を有する前記プラスチック基板を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,または22記載の方法。
【請求項24】
第1表面を有するキャリア基板と、
架橋型接着剤と、
第1表面および前記第1表面の反対側の第2表面を有するプラスチック基板と、
から成り、
前記キャリア基板の前記第1表面は、前記架橋型接着剤を用いて前記プラスチック基板の前記第1表面に除去可能に接合される、
ことを特徴とするフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項25】
1またはそれ以上の薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、無機発光ダイオード、電極アレイ、電界効果トランジスタ、および受動構造のうちの少なくとも1つが前記フレキシブル基板の前記第2表面に位置することを特徴とする請求項24記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項26】
前記架橋型接着剤は、毎秒2×10−4トルリットル未満の速度でアウトガスを行なう架橋型アクリル系感圧接着剤を含むことを特徴とする請求項24または25記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項27】
前記キャリア基板と前記プラスチック基板との間の前記架橋型接着剤の厚さは、約5マイクロメートルから約15マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする請求項24,25,または26記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項28】
前記プラスチック基板の厚さは、約100マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする請求項24,25,26,または27記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項29】
前記プラスチック基板の前記第2表面上に保護材をさらに含むことを特徴とする請求項24,25,26,27,または28記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項30】
前記保護材上の保護テンプレート、および、
前記保護材と前記保護テンプレートとの間のシールド材、
をさらに含むことを特徴とする請求項29記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項31】
テープをさらに含み、
前記保護テンプレートは、前記テープを用いて前記フレキシブル基板に結合される、
ことを特徴とする請求項30記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項32】
フレキシブル・プラスチック基板上に半導体装置を製作する方法において、前記方法は、
第1表面および前記第1表面の反対側の第2表面を有するフレキシブル・プラスチック基板を提供する段階と、
前記フレキシブル・プラスチック基板の前記第1表面に保護材を貼付する段階と、
第1表面および前記第1表面の反対側の研磨された第2表面を有するサポート基板を提供する段階と、
架橋型アクリル系接着剤を提供する段階と、
前記サポート基板の前記第1表面全体に前記架橋型アクリル系接着剤をスピン・コーティングする段階と、
前記架橋型アクリル系接着剤を使用して、前記サポート基板の前記第1表面を前記フレキシブル・プラスチック基板の前記第2表面に除去可能に結合する段階と、
前記サポート基板と前記フレキシブル・プラスチック基板との間に位置する前記架橋型アクリル系接着剤を使用して、前記サポート基板および前記フレキシブル・プラスチック基板をラミネートする段階と、
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項33】
前記ラミネートする段階の後に、前記フレキシブル・プラスチック基板の前記第1表面から前記保護材を除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記保護材を除去する段階の後に、前記フレキシブル・プラスチック基板の前記第1表面上に1またはそれ以上のトランジスタを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項1】
フレキシブル基板アセンブリを準備する方法において、前記方法は、
キャリア基板を提供する段階と、
架橋型接着剤を提供する段階と、
プラスチック基板を提供する段階と、
前記架橋型接着剤を使用して、前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階と、
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階は、
前記キャリア基板の第1表面上に前記架橋型接着剤を堆積する段階、
前記キャリア基板および前記架橋型接着剤をスピンさせて、前記キャリア基板の前記第1表面上に前記架橋型接着剤を塗布する段階、および、
前記プラスチック基板の前記第1表面と前記キャリア基板の前記第1表面との間に位置する前記架橋型接着剤を用いて、前記プラスチック基板の前記第1表面を前記キャリア基板の前記第1表面上に載置する段階、
を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階は、
スピン・コーティング、スプレー・コーティング、押出コーティング、プリフォーム・ラミネーション、スロット・ダイ・コーティング、およびスクリーン・ラミネーションのうちの少なくとも1つの技術を用いて、前記キャリア基板の前記第1表面上に前記架橋型接着剤を塗布する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の後に、前記プラスチック基板を前記キャリア基板から除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,または3記載の方法。
【請求項5】
前記プラスチック基板を前記キャリア基板から除去する段階は、前記プラスチック基板を前記キャリア基板から剥離する段階を含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の後に、前記フレキシブル基板の表面上に1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,または5記載の方法。
【請求項7】
前記1またはそれ以上の電気コンポーネントを製作する段階の後に、前記プラスチック基板を前記キャリア基板から除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の後に、前記架橋型接着剤を熱で硬化させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,または7記載の方法。
【請求項9】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の後に、前記架橋型接着剤を紫外線で硬化させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,または7記載の方法。
【請求項10】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の前に、前記プラスチック基板をベーキングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の方法。
【請求項11】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の前に、保護材を前記プラスチック基板の少なくとも第1表面に貼付する段階をさらに含み、
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階は、前記架橋型接着剤を使用して前記プラスチック基板を前記プラスチック基板の第2表面に結合する段階を含む、
ことを特徴とする請求項1,4,5,6,7,8,9,または10記載の方法。
【請求項12】
保護テンプレートを提供する段階、および、
前記保護テンプレートを前記プラスチック基板に結合する段階、
をさらに含み、
前記保護材は、前記保護テンプレートと前記プラスチック基板との間に少なくとも部分的に位置する、
ことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記保護テンプレートを前記プラスチック基板に結合する段階は、
テープを使用して前記プラスチック基板の一部分に、前記保護テンプレートを結合することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記保護テンプレートと前記保護材との間にシールド材を提供する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
前記キャリア基板、前記架橋型接着剤、前記プラスチック基板、前記保護テンプレート、前記保護材、および前記シールド材をラミネートする段階をさらに含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記キャリア基板を提供する段階は、前記キャリア基板に少なくとも研磨された第1表面を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,または15記載の方法。
【請求項17】
前記キャリア基板を提供する段階は,アルミナ、シリコン、ステンレス鋼、およびサファイアのうちの少なくとも1つを含む前記キャリア基板を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,または16記載の方法。
【請求項18】
前記キャリア基板を提供する段階は、前記プラスチック基板に適合したCTEである材料を含む前記キャリア基板を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,または17記載の方法。
【請求項19】
前記プラスチック基板を提供する段階は、ポリエチレン・ナフサレート、ポリエチレン・テレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド、ポリカーボネート、環状オレフィン・コポリマ、および液晶ポリマのうちの少なくとも1つから成る前記プラスチック基板を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,または18記載の方法。
【請求項20】
前記架橋型接着剤を提供する段階は、架橋型アクリル系接着剤を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,または19記載の方法。
【請求項21】
前記架橋型接着剤を提供する段階は、毎秒2×10−4トルリットル未満の速度でアウトガスを行なう架橋型接着剤を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,または20記載の方法。
【請求項22】
前記キャリア基板を前記プラスチック基板に結合する段階の前に、前記架橋型接着剤をベーキングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,または21記載の方法。
【請求項23】
前記プラスチック基板を提供する段階は、約5ギガパスカル未満の弾性係数を有する前記プラスチック基板を提供する段階を含むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,または22記載の方法。
【請求項24】
第1表面を有するキャリア基板と、
架橋型接着剤と、
第1表面および前記第1表面の反対側の第2表面を有するプラスチック基板と、
から成り、
前記キャリア基板の前記第1表面は、前記架橋型接着剤を用いて前記プラスチック基板の前記第1表面に除去可能に接合される、
ことを特徴とするフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項25】
1またはそれ以上の薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、無機発光ダイオード、電極アレイ、電界効果トランジスタ、および受動構造のうちの少なくとも1つが前記フレキシブル基板の前記第2表面に位置することを特徴とする請求項24記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項26】
前記架橋型接着剤は、毎秒2×10−4トルリットル未満の速度でアウトガスを行なう架橋型アクリル系感圧接着剤を含むことを特徴とする請求項24または25記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項27】
前記キャリア基板と前記プラスチック基板との間の前記架橋型接着剤の厚さは、約5マイクロメートルから約15マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする請求項24,25,または26記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項28】
前記プラスチック基板の厚さは、約100マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする請求項24,25,26,または27記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項29】
前記プラスチック基板の前記第2表面上に保護材をさらに含むことを特徴とする請求項24,25,26,27,または28記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項30】
前記保護材上の保護テンプレート、および、
前記保護材と前記保護テンプレートとの間のシールド材、
をさらに含むことを特徴とする請求項29記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項31】
テープをさらに含み、
前記保護テンプレートは、前記テープを用いて前記フレキシブル基板に結合される、
ことを特徴とする請求項30記載のフレキシブル基板アセンブリ。
【請求項32】
フレキシブル・プラスチック基板上に半導体装置を製作する方法において、前記方法は、
第1表面および前記第1表面の反対側の第2表面を有するフレキシブル・プラスチック基板を提供する段階と、
前記フレキシブル・プラスチック基板の前記第1表面に保護材を貼付する段階と、
第1表面および前記第1表面の反対側の研磨された第2表面を有するサポート基板を提供する段階と、
架橋型アクリル系接着剤を提供する段階と、
前記サポート基板の前記第1表面全体に前記架橋型アクリル系接着剤をスピン・コーティングする段階と、
前記架橋型アクリル系接着剤を使用して、前記サポート基板の前記第1表面を前記フレキシブル・プラスチック基板の前記第2表面に除去可能に結合する段階と、
前記サポート基板と前記フレキシブル・プラスチック基板との間に位置する前記架橋型アクリル系接着剤を使用して、前記サポート基板および前記フレキシブル・プラスチック基板をラミネートする段階と、
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項33】
前記ラミネートする段階の後に、前記フレキシブル・プラスチック基板の前記第1表面から前記保護材を除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記保護材を除去する段階の後に、前記フレキシブル・プラスチック基板の前記第1表面上に1またはそれ以上のトランジスタを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−510728(P2012−510728A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539638(P2011−539638)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/066259
【国際公開番号】WO2010/065542
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(511133037)アリゾナ・ボード・オブ・リージェンツ,フォー・アンド・オン・ビハーフ・オブ・アリゾナ・ステート・ユニバーシティ (2)
【氏名又は名称原語表記】ARIZONA BOARD OF REGENTS, FOR AND ON BEHALF OF ARIZONA STATE UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】1475 North Scottsdale Road, Sky Song−suite 200, Scottsdale, AZ 85257−3538, United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/066259
【国際公開番号】WO2010/065542
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(511133037)アリゾナ・ボード・オブ・リージェンツ,フォー・アンド・オン・ビハーフ・オブ・アリゾナ・ステート・ユニバーシティ (2)
【氏名又は名称原語表記】ARIZONA BOARD OF REGENTS, FOR AND ON BEHALF OF ARIZONA STATE UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】1475 North Scottsdale Road, Sky Song−suite 200, Scottsdale, AZ 85257−3538, United States of America
【Fターム(参考)】
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