説明

フレーム付きプラスチックダンボール容器及びその製法

【課題】 プラスチックダンボールシートを周壁材料とするプラスチック容器に関して、そのダンボールシート裁断面からの水分、異物等の侵入を防止して、洗浄を行って繰返し使用することができるプラスチック容器を提供する。
【解決手段】 本発明によるプラスチック容器は、プラスチックダンボールシートよりなる周壁及びプラスチック製フレーム部材より構成され;そのフレーム部材は、そのダンボールシート内部の空隙が露出した裁断面を覆うように嵌合することができる凹所を有し;そのように嵌合されるフレーム部材とダンボールシートが互いに当接する部分の表面に濡れ性を向上させる表面改質処理を行ってから接着剤を塗布し;そのフレーム部材凹所に裁断端部を嵌合し;更にプラスチックリベットを融着して強固に接合することによって形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器周壁の材料としてプラスチック製ダンボールのシート(以下、「プラダンシート」という。)を用いるプラスチック製容器(以下、「プラダン容器」という。)に関し、特に、その容器周壁を構成するプラダンシートの裁断端部を保護及び/又は補強するためのフレーム部材が用いられているプラダン容器及びその製法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、軽量で加工性に優れた紙製ダンボールシートを用いた紙製ダンボール箱が物品の運搬用容器或いは保管用容器として用いられている。
【0003】
しかし、紙製ダンボール箱は、耐水性が低く、また、耐久性も低いために、殆どの場合、使い捨ての用途にしか利用できず、再利用する場合でも、せいぜい数回が限度であり、また、その裁断端部の磨耗などによって紙粉が発生して収納物品に付着したり周囲に飛散したりするするというような問題がある。
【0004】
近年、容器周壁の材料としてプラダンシートを用いるプラダン容器が、多くの用途に用いられるようになってきている。
【0005】
プラダン容器は、水濡れに強く、また、紙製に比べて耐久性も高いために、使い捨て用途でなく、何度も繰り返して用いる通箱や保管容器として用いることができるという利点がある。
【0006】
容器材料としてのプラダンシートの価格は、紙製段ボールシートよりも割高であるが、それを用いた容器が繰返し利用できるために、結局はコストダウンに寄与できるという利点もある。
【0007】
このような従来の紙製段ボール箱或いはプラダン容器は、例えばミカン箱や電気製品包装箱のように、段ボールシート或いはプラダンシートを所定の寸法に裁断し、裁断された段ボールシート或いはプラダンシート上の所定の位置に柔軟に折れ曲がる折り目となる部分を線状に形成し、その折り目を折りながら蓋部分も一体となった容器状に組み立てる、折り畳みコンテナ(いわゆるオリコン)と呼ばれる形態のものが多い。
【0008】
最近では、容器の上縁部にフレームを取り付けて上縁部を保護したアパコンと呼ばれる縦方向に折り畳みの可能なプラダン容器も販売されている。
【0009】
しかし、このような従来のプラダン容器は、プラダンシートの裁断した断面をそのままの状態、即ち、その裁断端部の裁断面が露出した状態のまま、そのプラダンシートを折り目に沿って折り曲げ、また、裁断部分同士の綴じ代を重ねて接合することによって容器を組立てる形態のものが一般的である。
【0010】
一般に、プラダン容器の主要な構造材であるプラダンシートは、その構造の特徴として、プラダンシートの表面と裏面を形成する二枚の層状シート(以下、「ライナー」とういう。)とその二枚のライナーの間隔を保持する目的で層状シート間に離散的に配置されてその両端がそれぞれの層状シートの内面に接続されている支持部材(以下、「中芯」という。)とより成り、従って、二枚のライナーに挟まれた領域においては、そのように離散的に配置されている中芯がない部分は空洞状の空隙となっており、その空隙部分は、連続したプラダンシート内部では、通常プラダンシート全域にわたって連通している。
【0011】
このようなプラダンシートの構造であるために、プラダンシートのどの部分を裁断しても、その裁断端部の裁断面は、プラダンシートの内部の空隙に通じている開口部(以下、「裁断面開口部」という。)を有する。
【0012】
従って、従来のプラダン容器のように、プラダンシートの裁断面が裁断されたままである場合には、裁断端部に裁断面開口部を有しており、このため、プラダンシートが水蒸気などの気体状、水分などの液体状、或いは微細なゴミなどの固体状の物体(以下、それらを「異物」と総称する。)が存在する環境に置かれた場合、異物の性質や形状によっては、その裁断面開口部からプラダンシート内部空隙のかなりの深さまで異物が侵入するという問題がある。
【0013】
例えば、水蒸気などの気体異物や水分などの液体異物がプラダンシートの内部空隙に侵入した場合、そのような異物をプラダンシート内部空隙から除去してプラダンシートの内部空隙領域を乾燥させようとすれば、自然乾燥では、長時間を要するという問題があり、加熱乾燥では、装置を必要とすると共に容器素材が劣化するという問題もある。
【0014】
また、例えば、ゴミなどの固体異物がプラダンシートの内部空隙に侵入した場合、そのような固体異物をプラダンシート内部空隙から除去しようとすれば、水や溶剤を用いて洗浄するかエアブローなどによって吹き飛ばすような方法によることになり、それでも完全な異物の除去は困難であり、ある程度長期にわたる使用では、異物が内部空隙領域に段々と深く移動して累積され、異物が腐敗性有機物などであれば、プラダンシート内部で腐敗が進行して、ついには使用に耐えない状態になるという問題がある。
【0015】
プラダンシートには、このような構造に由来する問題点を有するために、裁断開口部が露出した形でのプラダンシートを用いた従来のプラダン容器は、水分が裁断開口部から侵入するために、紙製ダンボール容器に比べて一時的な水濡れなどで内容物を汚損することが少ない利点はあるものの、汚れを水洗して再使用を繰り返すような使い方には適さないという問題を有している。
【0016】
また、従来のプラダン容器は、プラダンシート内部空隙領域に侵入した異物を洗浄などによって完全除去できないこともあって、常に容器内外の清潔、清浄を保つことが必要な用途には適さないという問題もある。
【0017】
このようなプラダンシートの裁断面が露出するという欠点を改良するために、プラダンシートの裁断面開口部を直接密封する手段の提案もなされているが、この提案は、非常に複雑な加工工程を必要とするもので、容器の製作において複雑な形状に裁断されたそれぞれの辺を密封するのに適していない(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)
【0018】
また、隣接するプラダンシートの裁断面同士を突合して加熱融着することによって、その裁断面を密封する簡便な方法が提案されているが(特許文献3参照。)、この方法は、融着する相手のない容器上縁のプラダンシート裁断面やプラダンシートに開けられた穿孔部の穿孔断面などの密封については特に提案がない。
【0019】
また、従来より、プラダン容器の箱体のプラダンシート裁断端部を嵌入することができる形状の溝(以下、「嵌入溝」という。)を有するフレーム部材(以下、「嵌合フレームという。」であって、その嵌入溝に沿った長手方向に垂直な方向の断面(以下、「横断面」という。)においてその嵌入溝部分がほぼコ字形を呈する嵌合フレームを用いて、その嵌合フレームの嵌入溝にプラダン容器上縁部を嵌入させ、その嵌合フレームと上縁部をリベットを用いて接合することによって、プラダン容器上縁部に嵌合フレームを取り付けて、プラダン容器上縁の裁断面を保護することが行われている。
【0020】
また、プラスチック部材の表面同士が当接している部分を接合する手段として、接着剤を用いて接着する方法も存在しているが、しかし、このような接着剤によるプラスチック表面同士の接着においては、従来より接着力が比較的弱いという問題があり、従って、特に、上述のようなプラダン容器の側面上縁部とそこに取り付ける嵌合フレームの間の接着のように、容器を持ち上げたりする際に容器側面上縁部とそこに取り付けられている嵌合フレームとの間に接着面が比較的剥がれやすい方向である接着面に平行な方向に強い力が働くような場合で、且つ、接着強度を十分に得るだけの接着面積が確保できない場合には、通常リベットによる接合方法が行われている。
【0021】
上述のようにプラダン容器上縁を覆う嵌合フレームを取り付けることによって、容器上縁の裁断面から大きな異物が侵入することをある程度防ぐことはできるが、異物が微粒子状、液状或いは気体状であるような場合には、従来方法であるリベットによる接合を用いたものは、そのリベットを通すために開けられたリベット穿孔の穿孔断面が密封されていないために、その嵌合フレームと挿入されているプラダンシートの間の隙間やリベット穿孔を介して、そのような異物がプラダンシート内部空隙領域にある程度侵入することは防げないという問題がある。
【0022】
また、従来のようにプラダン容器上縁部に嵌合フレームを取り付けた場合であって、特に上縁部のコーナー部も嵌合フレームで覆ったプラダン容器にあっては、容器側面の稜線コーナー部に沿って折り畳むことができないために、容器が使用されていないときの容器自体の占有スペースが折り畳み可能な容器に比べて大きく、空の容器の保管や運搬に不便であるという問題もある。
【0023】
また、従来のプラダン容器にあっては、側壁材料がプラダンシートだけの構造であるため、他の金属製、木製などの容器の比べて、内容物を収容したプラダン容器を積み重ねるなどして上部から荷重が掛かる場合の耐荷重性が比較的小さいという問題がある。
【0024】
また、従来のプラダン容器にあっては、底面は平面状になっているため、プラダン容器を積み重ねた場合に、上側のプラダン容器が横滑りして転落する恐れがあるという問題もある。
【0025】
更に、従来のプラダン容器にあっては、容器の深さ、幅、奥行きなどの異なる形状毎にプラダンシートの裁断及び/又は折り目加工のための型を多数作る必要があり、また、サイズの大きい容器の型を作るには高価で大型の装置を必要とするために、顧客が任意に要求する形状にメーカーが応じるにはコスト的にも技術的にも限度があるという問題もある。
【0026】
上述のような問題があるため、従来より、プラダン容器は、異物が多い環境で使い捨てでなく再利用を繰り返す用途或いは再利用をするには水洗を必要とするような用途などには不向きであるという問題があった。
【0027】
【特許文献1】特開2009−6556
【特許文献2】特開2008−200890
【特許文献3】特開2010−285212
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
上述のように、現在のところ、プラダン容器のプラダンシート裁断面からの異物の侵入を完全に防ぐ有効な方法の提案がなく、洗浄して再使用するには不向きであるという問題がある。
【0029】
また、上述のように、現在のところ、プラダン容器を形成するためのプラダンシートと他のプラスチック部材とを接合する既存の方法は、接合強度又はプラダンシート内部への異物の侵入防止に関して問題がある。
【0030】
また、上述のように、現在のところ、積み重ねて保管する際の耐荷重性が比較的小さいという問題がある。
【0031】
また、上述のように、現在のところ、顧客が任意に要求する形状にメーカーが応じるには限度があるという問題がある。
【0032】
従って、本発明の第一の課題は、プラダン容器を構成するプラダンシートの裁断面からの水分を含むがそれに限らない異物の侵入を防ぐ改良された手段を提供することである。
【0033】
本発明の第二の課題は、プラダンシート同士或いは他のプラスチック部材との接合に接着剤を用いた場合、その接着強度を向上させる改良された手段を提供することである。
【0034】
本発明の第三の課題は、プラダンシート同士或いは他のプラスチック部材との接合にリベットを用いた場合、リベット穿孔を介してプラダンシート内部に異物が侵入することを防ぐ改良された手段を提供することである。
【0035】
本発明の第四の課題は、プラダン容器の耐荷重性を向上させる手段を提供することである。
【0036】
本発明の第五の課題は、プラダン容器の形状を顧客の要求に応じて簡便かつ柔軟に変更できる手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
上記の課題の内、プラダン容器を構成するプラダンシートの裁断面からの水分を含むがそれに限らない異物の侵入を防ぐ課題の本発明による解決手段は、プラダンシートを周壁材料に用いたプラダン容器の箱体、及びその箱体の周壁を構成するように裁断された箱体上縁部を含むがそれに限らないプラダンシートの裁断開口部が露出している端部(以下、「裁断端部」という。)を覆うように嵌合して取り付け、その裁断端部からの異物の侵入を防ぐと共に裁断端部を把持して箱体の形状を維持し補強するプラスチック製の嵌合フレーム及び箱体のプラダンシート裁断端部の裁断面開口部を密封するように嵌合フレームに裁断端部を嵌入して強固に密着させる接合手段よりなる(図1、図2参照)。
【0038】
本発明による嵌合フレームには、プラダン容器の箱体のプラダンシート裁断端部を嵌入することができる嵌入溝を設ける(図3参照)。
【0039】
本発明による嵌合フレームに設ける嵌入溝の形状は、その嵌入溝に嵌入するプラダンシート裁断端部全体を同時にその嵌入溝の開口部の上方から嵌入溝の底部に向かって真っ直ぐに嵌入できるように、その嵌合フレームの横断面における嵌入溝の形状がコ字形、U字形を含むがそれに限らない嵌入溝の深さ方向の両側側面が互いに平行な形状の溝とすることができるが、その嵌入する裁断端部の一方の端をその嵌入溝の一方の端から滑り込ませるようにして嵌入することを妨げるものではない。
【0040】
また、本発明による嵌合フレームに設ける嵌入溝の形状は、その嵌合フレームの嵌入溝にプラダンシート裁断端部を嵌入する際に、その嵌入する裁断端部の一方の端をその嵌入フレームの嵌入溝の一方の端から滑り込ませるようにして嵌入する場合には、その嵌合フレームの横断面における嵌入溝の形状が、嵌入溝の開口部がすぼまって、内部が広がっている巾着状の形状、三角フラスコ状の形状を含むがそれに限らないその嵌入溝の横断面の形状において嵌入溝の開口部に近い部分より広がった部分をその開口部に近い部分より奥側に有する形状の溝(以下、「巾着状嵌入溝」という。)であってもよい。
【0041】
嵌合フレームは、その嵌合フレームに設けられた嵌入溝にプラダン容器箱体のプラダンシート裁断端部を嵌入することによって、その箱体の裁断端部に取り付けるが、嵌合フレームの外側形状は、把持するための把手の形成、強度を強めるための補強リブの形成、他の部材と接合するためのフランジの形成を含むがそれに限らない任意の目的で、任意の方向で任意の形状に突出したのリブ状の突起(以下、「フランジ」という。)を設けた形状とすることができる(図3,図4参照)。
【0042】
上述のように嵌合フレームに設けられた嵌入溝にプラダン容器箱体のプラダンシート裁断端部を嵌入する場合、その裁断端部は必ずしもその嵌入溝の底まで嵌入させる必要はなく、その嵌入の深さは任意に調節することができる。
【0043】
プラダン容器箱体に用いられる嵌合フレームは、側面プラダンシートの上縁辺部に取り付けられ、その上縁辺部に対して垂直下方に開口する一本の嵌入溝を有する嵌合フレーム(以下、「上縁フレーム」という。)、側面プラダンシートの下縁辺部に取り付けられ、その下縁辺部に対して垂直上方に開口する一本の嵌入溝を有する嵌合フレーム(以下、「下縁フレームという。」、底面プラダンシートの周縁辺部に取り付けられ、その周縁辺部に対して垂直真横に開口する一本の嵌入溝を有する嵌合フレーム(以下、「底縁フレームという。」、横に隣接する側面プラダンシート同士が突合してなる縦方向の稜線部又は隣接する底面プラダンシートと側面プラダンシートとが突合してなる横方向の稜線部に取り付けられ、突合するそれぞれのプラダンシートの方向に開口する二本の平行する嵌入溝を有する嵌合フレーム(以下、「稜線フレーム」という。)、隣接する側面プラダンシート同士が突合してなる縦方向稜線の上端部又は下端部のコーナー部分に取り付けられ、それぞれの縁辺部に任意の長さだけまたがって形成される上側から見た場合にほぼL字形状を呈し、それぞれの縁辺部に対して垂直下方又は垂直上方に開口するL字形状の一本の嵌入溝を有する嵌合フレーム(以下、「L字立体コーナーフレーム」という。)、分離した側面プラダンシート又は底面プラダンシートのコーナー部分に取り付けられ、そのコーナーを起点とするそれぞれの縁辺部に任意の長さだけまたがって形成される上側から見た場合にほぼL字形状を呈し、それぞれの縁辺部に対して垂直真横に開口するL字形状の一本の嵌入溝を有する嵌合フレーム(以下、「L字平面コーナーフレーム」という。)、及び/又は隣接する側面プラダンシート同士が突合してなる縦方向の一本の稜線とその隣接する側面プラダンシートと底面プラダンシートが突合してなる二本の横方向稜線の合計三本の稜線が合流する三角コーナー部分に取り付けられ、それぞれの稜線上に任意の長さだけまたがって形成されるほぼ三角状を呈し、突合する三枚のプラダンシートの方向に開口する嵌入溝を有する嵌合フレーム(以下、「三角コーナーフレーム」という。)として用いるだけではなく、いずれかの側面プラダンシート若しくは底面プラダンシートを任意に分割して、それぞれ分割した部分を再び突合してなる平面分割部に取り付けるリブ状の嵌合フレーム(以下、「リブフレーム」という。)として用いることもでき、また、上述の嵌入溝の本数は、そこに嵌入されるプラダンシートの端部に対応したもので、例えば、そこに嵌入されるプラダンシート端部が鋸歯状であるような場合或いは隣接するプラダンシートの端部が突合した状態でほぼ連続しているような場合には、複数の嵌入溝が鎖線状に断続したものも1本とする。
【0044】
嵌合フレームの内、上縁フレーム、下縁フレーム、稜線フレーム及びリブフレームは、その嵌入溝に嵌入しようとしている連続したプラダンシート裁断端部の全長の範囲内であれば、その裁断端部の長さ方向に任意に連続した若しくは分割された形状を有することができ、また、L字立体コーナーフレーム、L字平面コーナーフレーム及び三角コーナーフレームの嵌入溝とプラダンシートが嵌合する長さは、それらのコーナーフレームに合流するそれぞれのプラダンシート毎に、完成したプラダン容器の強度、コストなどを勘案して任意に選ぶことができる。
【0045】
嵌合フレームがその嵌入溝に嵌入しようとしている連続したプラダンシート裁断端部の長さ方向に分割された形状を有する場合であって、その分割された嵌合フレームを突合して取り付けることによってプラダンシート裁断端部を途切れることなく覆うときには、そのように突合する嵌合フレームのいずれか一方の突合端部の上面に任意の形状の凹部(以下、「雌形係合部」という。)を設け、他方の突合端部の先端にその雌形係合部の凹所に嵌合する突出部(以下、「雄形係合部」という。)を設け、その雌形係合部に雄形係合部を嵌合させながら両方の嵌合フレームを突合することにより、その分割された嵌合フレームが突合部において密接かつ強固に接合された状態で取り付けることができ、また、その嵌合された雌形係合部と雄形係合部の当接部分を接着剤を含むがそれに限らない接合手段で接合することにより、その突合部の接合強度及び密封性を改善することができる。
【0046】
嵌合フレームの作成方法としては、プラダンシート裁断端部表面とそこに取り付けられる嵌合フレームの嵌入溝内面との密着性及び/又は密封性をよくするために、加工仕上がりの寸法精度が高いプラスチック射出成形法を用いることが望ましいが、嵌合フレームの横断面の形状が全長に渉って同一である場合には、製造コストが比較的安価なプラスチック押出成形法を用いることもでき、また、前述のような方法が材質、コストなどの理由で利用困難な場合には、圧縮成形法、切削加工その他任意の製作方法を用いることができる。
【0047】
プラダン容器箱体の嵌合フレームとプラダンシート裁断端部とは、その嵌合フレームに設けられている嵌入溝の内面とその嵌入溝に嵌入されて嵌入溝内面に当接しているその裁断端部の嵌入部分の表面との間を、以下に述べる本発明の接合手段によって接合される。
【0048】
嵌合フレームとその嵌入溝に嵌入されたプラダンシート裁断端部との本発明による接合手段の一つは、その嵌合フレームに設けられている嵌入溝の内面及び/又はその嵌入溝に嵌入されて嵌入溝内面に当接するその裁断端部の嵌入部分の表面に接着剤を塗布してからその裁断端部をその嵌入溝に嵌入することによって、その嵌合フレームの嵌入溝内面とその嵌入溝に嵌入されたプラダンシート裁断端部表面を接着する。
【0049】
上述の接着における接着剤の塗布方法としては、嵌合フレームに設けられた嵌入溝の内面に塗布する方法、その嵌入溝に嵌入されて嵌入溝内面に当接する裁断端面の表面に塗布する方法、両者のいずれにも塗布する方法があり、それぞれの部材の形状、表面状態、要求される接着強度、要求される密封性に応じていずれかを任意に選ぶことができる。
【0050】
また、上述の接着剤としては、プラダン容器のリサイクル性を向上させるために、そのプラダン容器に用いられるプラダンシート及び嵌合フレームの素材と同じ素材の接着剤を用いることが望ましい。
【0051】
また、上述のようにプラダンシート裁断端部に嵌合フレームを取り付けて密封することによるプラダンシート裁断面からの異物侵入を防止する効果を更に向上させるために、その嵌合フレームに設けられた嵌入溝底部に接着剤を含むがそれに限らないパッキン材を適量充填することが望ましい。
【0052】
また、本発明においては、上述における接着剤の塗布を行う前に、接着剤を塗布する部分の表面に対して、接着強度を向上させるために、プラズマ処理、コロナ放電処理、ブラスト処理、プライマー処理を含むがそれに限らない樹脂表面の濡れ性を向上させる表面改質処理を行うことが望ましい。
【0053】
また、上述における接着剤を用いた接着方法では、互いに接着される部材の接着部分の当接面積が広いほど接着強度が強く、異物の侵入を防ぐ密封効果も大きいので、接着する部分の当接面積を必要な接着強度及び密封性に応じて決定することが望ましい。
【0054】
上述のように嵌合フレームとプラダンシート裁断端部を接着剤を用いて接着する場合、その接着剤、嵌合フレーム及びプラダンシートの材料の性質、強度などに応じて、その接着強度を更に向上するために、嵌合フレームに設けられている嵌入溝にプラダンシート裁断端部を嵌入し後に、その接着剤、プラダンシート及び/又は嵌合フレームに損傷や変質を与えない範囲の圧力を適宜その嵌合フレームの外側からそのプラダンシート裁断端部が嵌入されている部分に加えることもできる。
【0055】
嵌合フレームとその嵌入溝に嵌入されたプラダンシート裁断端部との本発明による上述とは別の接合手段は、その嵌合フレームに設けられている嵌入溝にその裁断端部を嵌入し、その嵌合フレームと裁断端部の重なり合った部分の任意の位置をリベットによって固定することによってその嵌合フレームとその嵌入溝に嵌入された裁断端部を緊密に接合する方法である(図7参照)。
【0056】
本発明による上述のリベットによる接合手段は、熱可塑性を有するプラスチックを素材とした、円柱状を含むがそれに限らない任意の断面形状を有し、また、棒状、T字状を含むがそれに限らない任意の長さ方向の形状を有するリベット部材(以下、「プラスチックリベット」という。)を用いる。
【0057】
また、本発明による上述のプラスチックリベットによる接合手段は、球面状、楕円面状、ドーム状を含むがそれに限らない滑らかで凹凸のない曲面状表面を有する窪み(以下、「半球状窪み」という。)を有し、プラスチックリベットの両端部にそれぞれ両側から当接できる加熱押圧具(以下、「加熱押圧具」という。)を用いる。
【0058】
従来の金属リベットなどによる接合方法と同様に、互いに接合する嵌合フレームとその嵌入溝に嵌入した裁断端部とが重なった部分の任意に選んだ一カ所以上の位置に、その重なっている嵌合フレームと裁断端部の両方を貫通する孔(以下、「リベット穿孔」という。)を開ける(図7参照)。
【0059】
上述のリベット穿孔は、その嵌合フレームの嵌入溝にその裁断端部を嵌入した後に両方を貫通して孔を開けることによって形成することができる。
【0060】
また、上述のリベット穿孔は、その嵌合フレームとその嵌入溝に嵌入する裁断端部の部分に別々に孔を開け、その嵌入溝にその裁断端部を嵌入する際に、それぞれの孔の位置が一致して貫通した孔となるように嵌合フレームと裁断端部の相対的位置を調整することによって形成することもできる。
【0061】
また、上述のリベット穿孔の孔の大きさは、そこに貫通させたプラスチックリベットの周囲に大きい間隙が生じた場合には、そのリベット穿孔部分の密封性が低くなるので、そのリベット穿孔にプラスチックリベットを貫通させる際にやや抵抗がある程度の大きさであることが望ましく、また、一般にプラスチック材には弾力性があるので、そのようにある程度の挿入抵抗があっても、適度に力を加えることによって、破損することなく、プラスチックリベットをリベット穿孔に貫通させることが可能である。
【0062】
上述のようにして開けたリベット穿孔にプラスチックリベットをその両端がそのリベット穿孔の両端からそれぞれ任意の長さだけ飛び出た状態に貫通させ、加熱押圧具の半球状窪みの表面をそのプラスチックリベット素材の融点に達するまで加熱し、その貫通したプラスチックリベットの一方の端部にその加熱した加熱押圧具の半球状窪みの表面を当接させ、そのプラスチックリベットの他端を支えて固定しながらその加熱した半球状窪みの表面によってそのプラスチックリベットの一方の端部をその軸方向に押圧しながら軟化させ、更にその軟化したプラスチックリベット端部をリベット穿孔周辺の嵌合フレーム表面に押しつけるようにすることにより、その軟化したプラスチックリベットの端部を半球状窪みの形状に倣って滑らかで凹凸のない曲面を有する半球状のリベット頭部に成形すると共に、そのプラスチックリベットの半球状に成形されたリベット頭部の裏面部分が嵌合フレーム表面に接する部分でそのリベット頭部裏面をその嵌合フレーム表面に融着してから、その加熱押圧具を取り除いて冷却することによって嵌合フレームとその嵌入溝に嵌入したプラスチックシート端部を接合する(図7参照)。
【0063】
上述のようなプラスチックリベット先端の加熱成形及び融着の作業は、全てのリベット穿孔に挿入されている全てのプラスチックリベットの両端に施すが、加熱押圧具を一対用意することにより、一本のプラスチックリベットの両端に同時に加熱成形及び融着を施すこともでき、また、更に多くの加熱押圧具をそれぞれのリベット穿孔位置に配置することによって、同時に多数の挿入されたプラスチックリベットの加熱成形及び融着を施すこともできる。
【0064】
上述のように、リベット穿孔に通したプラスチックリベットの両端を半球状に溶融成形しながらリベット穿孔周辺の嵌合フレーム表面に融着することにより、嵌合フレームに設けられた嵌入溝内面とその嵌入溝に嵌入された裁断端部の表面が密着して強固に固定されると共に、リベット穿孔が密封され、リベット穿孔からの異物の侵入も防ぐことができる(図7参照)。
【0065】
また、本発明の方法によれば、上述のように、プラスチックリベットの両端が滑らかな半球状のリベット頭部に加熱成形されるために、従来のリベットを用いた接合後のリベットが角張った頭部を有する接合方法と異なり、リベット頭部に異物が引っかかったり滞留したりすることがなく、比較的容易に洗浄できるという利点がある(図7参照)。
【0066】
嵌合フレームとその嵌入溝に嵌入されたプラダンシート裁断端部との本発明による更に別の接合手段は、嵌合フレームに上述の巾着状嵌入溝を設け、また、その嵌入溝に嵌入するプラダンシート裁断端部の嵌入部分に対して、その嵌入部分の先端から少し内部がその巾着状嵌入溝の開口部に近い比較的幅の狭い部分に嵌入できる比較的薄い部分を有するが、そのプラダンシート裁断端部のその比較的薄い部分よりも先端に近い部分にはその巾着状嵌入溝の開口部に近い比較的幅の狭い部分より厚いがその嵌入溝の内側の比較的幅が広い部分には嵌入できる厚みの部分を有するような先膨れの部分を形成するように加工を加え、その巾着状嵌入溝の一端からそのような先膨れ状に加工されたプラダンシート裁断端部の一方の端を滑り込ませようにして嵌入させることによって、その巾着状嵌入溝に嵌入されたプラダンシート裁断端部の比較的厚い先端部分がその巾着状嵌入溝の開口部に近い部分の比較的狭い部分に引っかかってその嵌入溝の開口部方向には抜けないようにして、その嵌合フレームとその嵌入溝に嵌入されたプラダンシート裁断端部を接合する方法である。
【0067】
上述のような巾着状嵌入溝と先膨れ状に加工形成したプラダンシート裁断端部による嵌合フレームとプラダンシートとの本発明の接合方法は、嵌入溝とプラダンシート裁断端部の加工形状によってのみ簡便に接合が行われ、接着剤、プラスチックリベットなどの他の部材を必要としない利点がある。
【0068】
本発明による上述の嵌合フレームとプラダンシート裁断端部の接着剤を用いた接合方法、プラスチックリベットを用いた接合方法及び嵌入溝形状と裁断端部形状による接合方法は、要求される接合強度、密封性、製造コストなどに応じて、それぞれ単独に用いことができ、また、それらを任意に組み合わせて用いることもできる。
【0069】
本発明による上述の嵌合フレームとプラダンシート裁断端部の接着剤を用いた接合方法、プラスチックリベットを用いた接合方法及び/又は嵌入溝形状と裁断端部形状による接合方法において、更に接合部分の密封性を改善するために、その接合部分に形成された嵌合フレームとプラダンシート裁断端部の境目に、撥水性、防水性、耐水性、耐薬品製、防黴性、防虫性を含むがそれに限らないそのプラダン容器の用途に応じた機能性を有するか若しくは付与したパテ材若しくはシーリング材を塗布することができる。
【0070】
上記の課題の内、プラダン容器の耐荷重性を向上させる課題の本発明による解決手段としては、上述した本発明による方法により、そのプラダン容器の箱体の隣接する側面プラダンシートが突合してなる縦方向の稜線部のそれぞれに稜線フレームを取り付けることにより、上部からの荷重に対する耐荷重性を強化することができる。
【0071】
上述のようにプラダン容器箱体の縦方向稜線部に稜線フレームを取り付ける場合、その稜線フレームのそれぞれには、その稜線部を形成する隣接する二枚の側面プラダンシートを嵌入するための二本の並行する嵌入溝を設けるが、そのように設けられた二本の嵌入溝は、それぞれその嵌入溝に嵌入された二枚のプラダンシートが所定の角度を有するようにそれぞれの嵌入溝の開口方向を合わせるようにして設ける。
【0072】
上述のようにプラダン容器箱体の縦方向稜線に稜線フレームを取り付ける場合、箱体側面を形成する側面プラダンシートは、それぞれの側面を全て分離して裁断してもよく、又は、一方の対向する側面プラダンシートは底面プラダンシートと連接した状態で裁断し、他方の対向する側面プラダンシートはそれぞれ分離して裁断してもよく、又は、全ての側面プラダンシートが底面プラダンシートと連接した状態で裁断してもよいが、いずれの場合でも、プラダン容器箱体の縦方向稜線に取り付ける稜線フレームの嵌入溝に側面プラダンシートの裁断端部を嵌入するために、その稜線フレームの嵌入溝底面厚さを見込んだ嵌入代分だけプラダン容器側面全体の幅より狭く裁断する必要がある。
【0073】
また、上述のように底面と連接した側面プラダンシートの裁断端部を稜線フレームの嵌入溝に嵌入する場合には、その嵌入する裁断端部の底面と反対側の端をその稜線フレームの嵌入溝の一方の端から滑り込ませるようにして嵌入することができる。
【0074】
また、上述のように底面と連接した側面プラダンシートの裁断端部を稜線フレームの嵌入溝に嵌入する場合に限らず、その他の嵌合フレームの嵌入溝にプラダンシート裁断端部を嵌入する際にも、その嵌入する裁断端部の一方の端をその嵌合フレームの嵌入溝の一方の端から滑り込ませるようにして嵌入することができる。
【0075】
上記の課題の内、プラダン容器の形状を顧客の要求に応じて簡便かつ柔軟に変更する課題の本発明による解決手段としての一つの方法は、所要のプラダン容器の箱体サイズと断面サイズが同寸法であるが底面のない断面形状が矩形、多角形、円形を含むがそれに限らない筒状の形状を有する胴体部材(以下、「基礎胴体部材」という。)を作成し、また、その基礎胴体部材の外形寸法とほぼ同じ内法寸法を有するがその胴体部材より高さが低い底面のある箱体部材(以下、「箱体底部部材」という。)を別に作成し、その基礎胴体部材の下縁部をその箱体底部部材の上端開口部から任意の深さまで挿入し、その基礎胴体部材と箱体底部部材の両側面が重なった部分を任意の位置で接着剤、プラスチックリベットを含むがそれに限らない接合手段で接合することによってプラダン容器を形成する。。
【0076】
上述のように、プラダン容器の底部となる比較的浅い皿状の箱体底部部材と底部のない基礎胴体部材を別々に作成して、それを接合してプラダン容器を組み立てるという本発明の方法によれば、需要を予測して各種サイズの箱体底部部材とそれに対応した各種高さの基礎胴体部材を標準化して予め作成して在庫しておくことも可能となり、顧客の要求に迅速に対応することができ、顧客満足度、コストダウンに寄与する。
【0077】
上記の課題の内、プラダン容器の形状を顧客の要求に応じて簡便かつ柔軟に変更する課題の本発明による解決手段としての別の方法は、上述の基礎胴体部材及び箱体底部部材を作成し、また、その基礎胴体部材と断面形状は同じだが高さは任意の別の胴体部材(以下、「継ぎ足し用胴体部材」という。)を作成し、更に、上方及び下方の両方からプラダンシート裁断端部をそれぞれ嵌入できる二つの嵌入溝を有するリブフレーム(以下、「中継ぎフレーム」という)及び上方及び下方の両方から隣接する側面プラダンシートが突合してなる稜線の端部コーナー部分ををそれぞれ嵌入できる二つの嵌入溝を有するリブフレーム(以下、「中継ぎコーナーフレーム」という。)を作成した後(図3参照)、その基礎胴体部材の下縁部をその箱体底部部材の上端開口部から任意の深さまで挿入し、その基礎胴体部材と箱体底部部材の両側面が重なった部分を任意の位置で接着剤、プラスチックリベットを含むがそれに限らない接合手段で接合し、その基礎胴体部材の上縁部を中継ぎフレームの下向きの嵌入溝に嵌入し、その基礎胴体部材の嵌入部分と中継ぎフレームを接着剤、プラスチックリベットを含むがそれに限らない接合手段で接合し、また、その継ぎ足し用胴体部材の下縁部をその中継ぎフレーム及び中継ぎコーナーフレームの上向きの嵌入溝に嵌入し、その継ぎ足し用胴体部材の嵌入部分と中継ぎフレーム及び中継ぎコーナーフレームを接着剤、プラスチックリベットを含むがそれに限らない接合手段で接合することによって中継ぎフレームと継ぎ足し用胴体部材を用いた高さ方向に継ぎたされたプラダン容器を組み立てるが(図7参照)、上述の各部材に関する挿入、嵌入、接合などの作業手順は工程の都合に応じて任意に定めることができる。
【0078】
上述の中継ぎフレームと継ぎ足し用胴体部材を用いた高さ方向の継ぎ足しは、継ぎ足し用胴体部と中継ぎフレーム及び中継ぎコーナーフレームを複数作成することによって、必要な回数繰り返すことができ、また、継ぎ足し用胴体部材の高さはそれぞれ任意に定めることができるので、本発明の方法によれば、顧客の要求に応じてプラダン容器の深さを変更することは容易となり、更に、従来はプラダン容器加工装置の寸法限界によってプラダン容器の深さが制約を受けていたが、本発明の方法によれば、そのような装置による制約の問題も実質的に解決することができる。
【0079】
上記の課題の内、プラダン容器の形状を顧客の要求に応じて簡便かつ柔軟に変更する課題の本発明による解決手段としての更に別の方法は、各種形状、サイズ又は素材の側面プラダンシート、底面プラダンシート、上縁フレーム、下縁フレーム、底面フレーム、稜線フレーム、中継ぎフレームを含むがそれに限らないリブフレーム、L字立体コーナーフレーム、L字平面コーナーフレーム、三角コーナーフレーム、プラスチックリベット及び/又は接着剤を予め用意しておき、顧客の要求に応じて適宜それらの部材を組み合わせて、本発明の接合方法によってそれぞれの部材を接合することによって所要のプラダン容器を組み立てて作成することができるが、その組立方法としては、プラダン容器箱体の底面のない筒状の胴体部材、そのような胴体部材の上縁部及び/又は下縁部に嵌合フレームを取り付けたフレーム付き胴体部材、底面用プラダンシートの周縁部に嵌合フレームを取り付けた底面部材、そのようなフレーム付き胴体部材の下縁の嵌合フレーム下面と底面部材の周縁部の嵌合フレーム表面とを突合して接合した箱体を含むがそれに限らない半完成品を予め用意しておき、顧客の求めに応じて最終的に組み立てる方法も含む。
【0080】
また、プラダン容器に嵌合フレームを取り付けることによって、プラダン容器側面の縦方向稜線に沿ってほぼ一枚の板状に折り畳むことができなくなる場合に、そのプラダン容器が使用されていないときの容器自体の占有スペースが折り畳み可能な容器に比べて大きく、空のプラダン容器の保管や運搬に不便であるという問題を解決する方法として、本発明に従って形成されるプラダン容器にあって、プラダン容器の箱体の底面よりも上部開口部がわずかに大きい逆台形の形状にすることによって、同じ形状で作られた別のプラダン容器を上部から重ねるとその一部が下のプラダン容器にはまりこむことによって収納時及び運搬時のスペースが節減できる。
【0081】
本発明に従って上述のようなような逆台形状のプラダン容器を形成する場合には、底面に対して用いる稜線フレーム及び三角コーナーフレームは、底面の一辺を成すプラダンシート裁断端部と側面プラダンシートの底面側の一辺を成す裁断端部の両方を嵌入する二本の嵌入溝を有するように形成し、また、底面プラダンシートに対して側面プラダンシートが上方に開いた角度を有するようにするために、その二本の嵌入溝の開口方向の成す角度が底面と側面が成すべき上方に開いた角度に合致するするように形成し、その二本の嵌入溝に底面プラダンシート裁断端部と台形に裁断された側面プラダンシートの裁断端部をそれぞれ嵌入することによって逆台形状のプラダン容器を形成する。
【0082】
プラダン容器を積み重ねた場合に、上側のプラダン容器が横滑りして転落する恐れがあるという問題の本発明による解決方法として、プラダン容器の底面に少なくとも一枚の横滑りして転落することを防ぐためのプラスチック板(以下、「スタッキング用底板」という)を接着剤、プラスチックリベットを含むがそれに限らない接合手段によって接合して配置するが、このスタッキング用底板の全ての外縁部が少なくともそのプラダン容器の箱体側面上縁部に取り付けられている嵌合フレームの内法位置より内側になるようにそのプラダン容器底面の端部より引っ込めた位置に配置することによって、そのスタッキング用底板を取り付けた同サイズのプラダン容器を上下に積み重ねて場合に、その上段のプラダン容器に取り付けられたスタッキング用底板がその下段のプラダン容器の側面プラダンシート上縁部に取り付けられている嵌合フレームの内側に嵌合するため、その上段のプラダン容器が横滑りしてもスタッキング用底板の側面がその下段のプラダン容器のフレーム内壁に当たって止り、転落することを防ぐ構造となる(図8参照)。
【0083】
上述のスタッキング用底板は、横滑りを防ぐためには、例えばプラダン容器の底面の四隅にピン状の小さい面積のスタッキング用底板があれば十分であるが、そのプラダン容器の底面はスタッキング用底板によってスタッキング用底板の厚み分だけ地面より浮き上がるために、その底面の材料がプラダンシートのように比較的強度が弱い材料である場合には、そのプラダン容器に内容物を収納すると、そのスタッキング用底板が取り付けられている部分以外の底面部分にたわみが生じるという問題があるので、底面の材質、厚さ、収納する内容物などを勘案して、その底面に占めるスタッキング用底板の面積の比率を適切に選ぶ必要がある。
【0084】
上述のように、スタッキング用底板の占める面積があまり小さいと問題が生じるが、逆に、必要以上にスタッキング用底板の占める面積を大きくすると、スタッキング用底板の材料コストに無駄が生じ、また、プラダン容器自体の重量も大きくなるという不利が生じるので、スタッキング用底板の厚さ、形状、枚数、間隔などを適切に選ぶことが望ましい。
【0085】
本発明によるプラダン容器の製造方法によれば、プラダン容器の周壁を構成するそれぞれのプラダンシートの形状は、用いられる嵌合フレームに設けたプラダンシートの嵌入溝の開口方向の角度や形状を適切に設計することによって、必ずしも平面である必要はなく、曲面を含む複雑形状にすることも可能であり、従って、そのような複雑形状のプラダンシートとその裁断端部を嵌入できる形状の嵌入溝を有する嵌合フレームを組み合わせることによって、平面状以外の側面形状や底面形状を有するプラダン容器を作ることができる。
【発明の効果】
【0086】
本発明に従う嵌合フレーム及びその嵌合フレームと周壁裁断部との接合方法を採用してプラダン容器を作成することにより、そのプラダン容器の周壁を構成するプラダンシートの裁断端部の裁断面が密封されて、その裁断面からの異物侵入を防ぐ効果が改善されると共に、その嵌合フレームがそのプラダンシートに強固に接合されてリブ状の補強構造材となり、プラダンシートの強度及び/又は耐荷重性も改善する効果がある。
【0087】
また、本発明に従う嵌合フレーム及びその嵌合フレームと周壁裁断部との接合方法を採用してプラダン容器を作成する方法に従えば、各種サイズのプラダン容器を構成できる嵌合フレームとプラダンシートを予め用意し、それらのプラダンシートと嵌合フレームを自由に組み合わせて、顧客の種々の要求に応じた任意のサイズのプラダン容器をいつでも提供できるようになり、製品設計の自由度が向上する効果がある。
【0088】
また、本発明に従うスタッキング用底板をプラダン容器の底面に取り付ければ、プラダン容器を積み重ねて保管又は運搬する際に、上段のプラダン容器が横滑りをして転落することを防ぐことができ、作業者及び収納物の安全性を改善すると共に、スペース効率を改善する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】プラダン容器例の全体斜視図
【図2】プラダン容器例の一部分解斜視図
【図3】上縁、下縁、底縁、中継ぎフレーム例の横断面図
【図4】底面用稜線フレーム例の縦断面図
【図5】L字立体コーナーフレーム例の上から見た平面図
【図6】上縁フレーム及びL字立体コーナーフレーム装着例の平面図
【図7】プラスチックリベット取付例の工程図
【図8】スタッキング用底板例の取付工程図
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0090】
以下に、本発明の実施の形態を、本発明に従って接着剤及びリベットを併用してプラダン容器側面プラダンシートの上端部及び下端部に嵌合フレームを取り付けたプラダン容器を製作する実施例によって示す。
【0091】
本実施例において製作されるプラダン容器は、底面プラダンシート及び四枚の側面プラダンシートで囲まれ、上面に蓋はなく、横断面の形状が矩形を呈する箱体よりなる容器である(図1参照)。
【0092】
本実施例のプラダン容器の周壁の素材としては、本発明に従って、底面及び全ての側面に対してプラダンシートを用いる。
【0093】
本実施例においては、従来技術を用いて、プラダン容器の側壁を構成するそれぞれの側面プラダンシートを、隣接する側面プラダンシートの境界で折り曲げ、及び/又は、隣接するプラダンシートを突合させた境界に沿って接合することによってプラダン容器の筒状の胴体部を作成する(図1、図2参照)。
【0094】
上述の従来技術による胴体部の作成において、それぞれ隣接する側面プラダンシートの境界部分は、プラダンシートの裁断端面が露出せず、水分などの異物がその境界線部分からプラダンシート内部空隙に侵入しない方法(例えば、上述の参考資料3を参照)を用いて折り曲げ及び/又は接合を行う。
【0095】
上述の胴体部とは別に、本実施例においては、その胴体部を形成する側面プラダンシートの裁断端面が露出している四辺の側面上縁辺部のそれぞれに取り付ける四本の上縁フレームを、そのプラダンシートと同じプラスチック素材を用いて射出成形法によって作成する(図2参照)。
【0096】
上述の上縁フレームのそれぞれには、箱体の側面プラダンシート上端部を下方から嵌入できるように、そのプラダンシートの厚さとほぼ同じ幅の嵌入溝をその上縁フレームの全長に渉ってその長さ方向に沿って設ける。
【0097】
上述の上縁フレームのそれぞれの長さは、本実施例においては、四方の側面のそれぞれに対して、それぞれ嵌入される側面の幅より任意に定めた長さ(以下、「コーナー嵌合代長」という。)だけ短い長さとする。
【0098】
上述の胴体部、上縁フレームとは別に、本実施例においては、隣接する側面プラダンシートが突合してなす稜線の上端部に形成されるコーナー部のそれぞれに対して、そのコーナーからそれぞれの側面上縁部にそれぞれの側面のコーナー嵌合代長のほぼ半分の長さだけ伸びて、上部から見た形がそのコーナー部を覆うL字形状を呈する四個のL字コーナーフレームを、そのプラダンシートと同じプラスチック素材を用いて射出成形法によって作成する(図2参照)。
【0099】
上述のL字コーナーフレームのそれぞれは、箱体の側面に用いられるプラダンシートの上縁コーナー部を下方から嵌入できるように、そのプラダンシートの厚さとほぼ同じ幅の溝である嵌入溝を、そのそのL字コーナーフレームの全長に渉ってその長さ方向の形状に沿って設ける。
【0100】
上述の胴体部、上縁フレーム、L字コーナーフレームとは別に、本実施例においては、その胴体部を形成するプラダンシートの裁断端面が露出している側面下縁部と底面周辺部よりなる底面を囲む四本の稜線のそれぞれに取り付ける四本の稜線フレームを、そのプラダンシートと同じプラスチック素材を用いて射出成形法によって作成する(図2参照)。
【0101】
上述の稜線フレームのそれぞれには、箱体の互いに隣接する側面プラダンシート及び底面プラダンシートを、側面プラダンシートは上方から、底面プラダンシートは横方向からそれぞれ嵌入できるように、そのプラダンシートの厚さとほぼ同じ幅の溝である二本の嵌入溝を、その稜線フレームの全長に渉ってその長さ方向に沿って上方及び横方向に開口して設ける。
【0102】
上述の稜線フレームのそれぞれの長さは、本実施例においては、底面プラダンシートのそれぞれの周辺長に対応する長さとするが、それぞれの周辺長より任意に定めたコーナー嵌合代長だけ短い長さとする。
【0103】
上述の胴体部、上縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレームとは別に、本実施例においては、隣接する二枚の側面プラダンシートと底面プラダンシートが互いに突合して底面四隅に形成される三角コーナー部のそれぞれに対して、そのコーナーから隣接するそれぞれの側面下縁部にそれぞれの側面のコーナー嵌合代長のほぼ半分の長さだけ伸び、高さは前述の稜線フレームの高さと同じ寸法を有する四個の三角コーナーフレームを、そのプラダンシートと同じプラスチック素材を用いて射出成形法によって作成する(図2参照)。
【0104】
上述の三角コーナーフレームのそれぞれは、上述の胴体部側面プラダンシートの下縁コーナー部を上方から嵌入できるように、そのプラダンシートの厚さとほぼ同じ幅の溝である嵌入溝を、その三角コーナーフレームの全長に渉ってその長さ方向の形状に沿って上方に開口した状態で設けると共に、本実施例で作成されるプラダン容器の箱体の底面となるプラダンシートのコーナー端部を横方向から嵌入できるように、そのプラダンシートの厚さとほぼ同じ幅の溝である嵌入溝を、その三角コーナーフレームの全長に渉ってその長さ方向の形状に沿って横方向に開口した状態で設ける。
【0105】
上述の胴体部、上縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレーム、三角コーナーフレームとは別に、本実施例においては、プラダン容器の底面となる底面プラダンシートを、その胴体部の側面プラダンシートとその底面プラダンシートが突合してなす稜線部に上述の稜線フレーム及び三角コーナーフレームを取り付けた場合のその底面プラダンシート嵌入用の嵌入溝の連なりが形成する内法寸法に合致するような寸法を有するように裁断によって作成する(図2参照)。
【0106】
上述の上述の胴体部、上縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレーム、三角コーナーフレーム、底面プラダンシートとは別に、本実施例においては、本実施例で用いられるプラダンシートと同じプラスチック素材を用いて、円柱状のプラスチックリベットを作成する(図7参照)。
【0107】
上述のプラスチックリベットの長さは、上述の上縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレーム及び三角コーナーフレームのそれぞれの嵌入溝に上述のプラダンシート端部を嵌入した状態で、その縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレーム及び三角コーナーフレームのそれぞれの一方の側面から他方の側面にそのプラスチックリベットが貫通し、更に任意に設定した長さだけその嵌入溝の両側から突き出る長さとする(図7参照)。
【0108】
上述のようにして作成された上縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレーム及び三角コーナーフレームのそれぞれに設けられている嵌入溝の内面に対して、接着剤を用いた場合の接着力を高めるために、コロナ放電処理を施す。
【0109】
続いて、上述のようにコロナ放電処理を施したそれぞれの嵌入溝内面及びそこに嵌入するプラダンシート端部の嵌入部分に、プラダンシートと同じ素材を用いた接着剤を塗布する。
【0110】
続いて、上述の胴体部上縁の四隅にあるコーナー部のプラダンシート上縁部を、接着剤が塗布された四つのL字コーナーフレームの嵌入溝にそれぞれ嵌入し、そのL字コーナーフレームの両側面を挟むように圧力を加えて接着剤による接着を行う。
【0111】
続いて、上述のようにして胴体部上縁の四隅に取り付けられたそれぞれのL字コーナーフレームの端部に、上縁フレームの端部をそれぞれ突合させながら、胴体部側面プラダンシートの上縁部をそれぞれ上縁フレームの嵌入溝に嵌入し、その上縁フレームの両側面を挟むように圧力を加えて接着剤による接着を行う。
【0112】
続いて、上述の底面プラダンシートの四隅のコーナー部をそれぞれ三角コーナーフレームの横方向に開口した嵌入溝に嵌入し、その嵌入されたプラダンシートの上部に配置されたその三角コーナーフレームのフランジ部を挟むように圧力を加えて接着剤による接着を行う。
【0113】
続いて、上述のようにして底面プラダンシートの四隅に取り付けられたそれぞれの三角コーナーフレームの端部に、稜線フレームの端部をそれぞれ突合させながら、底面プラダンシート辺の端部をそれぞれ稜線フレームの横方向に開口した嵌入溝に嵌入し、その嵌入されたプラダンシートの上部に配置されたその稜線フレームのフランジ部を挟むように圧力を加えて接着剤による接着を行う。
【0114】
続いて、上述の上縁フレームとL字コーナーフレームが取り付けられた胴体部の側面のプラダンシート下端を、上述の底面プラダンシートに取り付けられた稜線フレームと三角コーナーフレームの上方に開口した嵌入溝に同時に嵌入し、その三角コーナーフレームの両側面を挟むように圧力を加えて接着剤による接着を行う。
【0115】
続いて、上述の取り付けられた上縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレーム及び三角コーナーフレームのそれぞれの側面の任意の位置にプラスチックリベットを挿入するためのリベット穿孔を開けるが、そのリベット穿孔の孔の大きさは、そのプラスチックリベットがそのリベット穿孔を貫通する際にやや抵抗をもつ程度にする(図7参照)。
【0116】
上述のように開けたリベット穿孔のそれぞれに、一方の側からプラスチックリベットを挿入するが、その挿入の深さは、挿入した側にプラスチックリベットの一部が残ると共に、反対側にも貫通して一部が突き出ている状態になるようにする(図7参照)。
【0117】
本実施例では、別に上述のプラスチックリベットの太さより直径が大きい半球状の窪みを有し、その半球状窪みの表面を加熱できる加熱押圧具を用意し、その半球状窪みの表面をプラスチックリベットが溶融する温度まで加熱する。
【0118】
上述のように加熱した加熱押圧具の半球状窪みの部分を、上述のようにリベット穿孔に挿入されて上述のように取り付けられた上縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレーム又は三角コーナーフレームの表面から少し突き出ているいずれかのプラスチックリベットの一方の先端に当接し、他方の先端を押さえて位置を固定しながら押圧して、その一方の先端部分を加熱押圧具によって軟化若しくは溶融させ、その軟化若しくは溶融したプラスチックリベット先端をその加熱押圧具の半球状窪みに倣って半球状のリベットヘッドに成形すると共に、その上縁フレーム、L字コーナーフレーム、稜線フレーム又は三角コーナーフレームのリベット穿孔周囲の表面に当接しているその半球状のリベットヘッドのツバの下面をそのリベット穿孔周囲の表面に融着させた後、その加熱押圧具を取外し、冷却して固化する(図7参照)。
【0119】
上述のようなプラスチックリベット先端の加熱成形、融着及び冷却固化の作業を挿入されている全てのプラスチックリベットの先端に施すことによって、本実施例におけるプラダン容器は完成する。
【0120】
上述のように本発明に従って製作されたプラダン容器にあっては、箱体側面のプラダンシート上縁部及び下縁部に露出していた裁断端面が本発明に従って接着剤を用いて嵌合フレームを取り付けることにより密封され、また、その嵌合フレームとプラダンシート上縁部が本発明に従ってプラスチックリベットを用いてそのリベット穿孔が密封された状態で強固に接合されるために、箱体側面のプラダンシート上縁部又は下縁部からそのプラダンシートの内部空隙に水分などの異物が侵入することを防ぐ密封性が改善され、かつ、取り付けられた嵌合フレーム部分を持って持ち上げるなど、その嵌合フレーム部分に上向きの強い力が加わっても、その取り付けられた嵌合フレームがそのプラダンシート上縁部との接着部分で剥離して外れることがないように接合強度が改善されたプラダン容器が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明によれば、従来のプラダン容器の用途に加え、洗浄して再利用が可能となって用途を拡大する効果があり、また、サイズの設計自由度が改善されるため普及を促進する効果があり、従って、本発明は、産業において利用され得るものである。
【符号の説明】
【0122】
1 プラダン容器
2 プラダン容器胴体部
3 側面プラダンシート
4 底面プラダンシート
5 上縁、下縁、底縁フレーム
6 L字立体コーナーフレーム
7 稜線フレーム
8 三角コーナーフレーム
9 中継ぎフレーム
10 嵌入溝
11 リベット
12 リベット穿孔
13 半球状リベットヘッド
14 スタッキング用底板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも箱体側面がプラスチックダンボールシートで構成されているプラスチック容器であって、当該箱体側面のプラスチック段ボールシート上縁部を嵌入することができる形状の嵌入溝を設けたプラスチックフレーム部材が、当該嵌入溝に当該側面上縁部を嵌入することによって当該箱体上縁部に装着され、当該嵌入部分で互いに当接する当該嵌入溝の内面と当該側面上縁部の嵌入部分表面とが、接着剤、リベット等を含むがそれに限らない接着手段によって接合されていることを特徴とするプラスチック容器。
【請求項2】
請求項1におけるプラスチック容器にあって、当該容器の箱体側面及び底面を形成するプラスチックダンボールシートが互いに隣接して形成する稜線部の少なくとも一つにおいて、当該稜線部で隣接するプラスチックダンボールシートの突合部が裁断、分離されてそれぞれ裁断端部を形成しており、互いに隣接する当該裁断端部をそれぞれ所定の角度で嵌入することができる形状の少なくとも二本の嵌入溝を設けたプラスチックフレーム部材が、当該嵌入溝に互いに隣接する当該裁断端部を嵌入することによって当該箱体のそれぞれの稜線部及び/又は角部に装着され、当該嵌入部分で互いに当接する当該嵌入溝の内面と当該のプラスチックダンボールシートの嵌入部分表面とが、接着剤、リベット等を含むがそれに限らない接着手段によって接合されていることを特徴とするプラスチック容器。
【請求項3】
請求項1乃至請求項2におけるプラスチック容器にあって、当該容器の箱体側面上縁部又は箱体のそれぞれ隣接する二面が形成する稜線部に装着されるプラスチックフレーム部材が、当該箱体側面上縁の周囲方向又は当該稜線部の稜線方向に沿って、少なくとも当該箱体側面上縁において隣接する側面が成す各コーナー部及び/又は箱体底面が隣接する二つの側面と成す各コーナー部を含む複数個に分割されていることを特徴とするプラスチック容器。
【請求項4】
請求項1乃至3におけるプラスチック容器にあって、当該容器の箱体が底面のない矩形を含むがそれに限らない筒状の形状を有する胴体部材及び当該胴体部材の横断面外周寸法とほぼ同じ横断面内法寸法を有するが当該胴体部材より高さが低い底面のある箱体部材とより成り、当該胴体部材の下縁部を当該箱体部材の上端開口部から任意の深さまで挿入し、当該胴体部材と当該箱体部材の両側面が重なった部分を任意の位置で接着剤、リベット等を含むがそれに限らない接着手段で接着することによって形成することを特徴とするプラスチック容器。
【請求項5】
請求項1乃至4におけるプラスチック容器にあって、当該容器の箱体の側面上端部に装着するプラスチックフレームが、当該箱体側面上端部を嵌入する下向きの嵌入溝と共に上向きの嵌入溝も有し、当該上向きの嵌入溝に底面のない筒状の部材の側面下縁部を嵌入することによって箱体の深さを継ぎ足していき、最上段の箱体の側面上端部には下向きの嵌入溝のみがあるプラスチックフレームを装着することを特徴とするプラスチック容器。
【請求項6】
請求項1乃至5におけるプラスチック容器にあって、当該容器の底面に少なくとも一枚のプラスチック板を接着剤、リベット等を含むがそれに限らない接着手段によって接着して配置するが、当該プラスチック板は全て、少なくとも当該容器の箱体側面上端に装着されている全てのプラスチックフレームの内面位置よりなる内法寸法より内側になるように当該容器底面の端部より引っ込めた位置に配置することによって、当該プラスチック板を装着した当該プラスチック容器同士を上下に重ね合わせた場合、当該上段の容器が横方向に滑ったときには、当該上段の容器の裏面に装着された当該プラスチック板が当該下段の容器の側面上端に装着されているプラスチックフレームの内側に当たって止り、横滑りして転落することを防ぐようになっていることを特徴とするプラスチック容器。
【請求項7】
請求項1乃至6におけるプラスチック容器の製法であって、プラスチックフレーム部材とその嵌入溝に嵌入されたプラスチックダンボールシートの接着手段として接着剤を用いるプラスチック容器にあって、当該フレーム部材に当該ダンボールシートが嵌入された際に当該フレーム部材と当該ダンボールシートとが互いに当接する部分の少なくともいずれかの表面にプラズマ処理、コロナ放電処理、ブラスト処理、プライマー処理などを含むがそれに限らない樹脂表面の改質処理を加えた後に、当該当接する表面部分の少なくともいずれかの表面に接着剤を塗布し、当該フレーム部材の凹所にその空隙が露出した裁断面端部を嵌合して密接強固に接着することを特徴とするプラスチック容器の製法。
【請求項7】
請求項1乃至6におけるプラスチック容器の製法であって、プラスチックフレーム部材とその嵌入溝に嵌入されたプラスチックダンボールシートの接着手段としてプラスチック製リベットを用いるプラスチック容器にあって、当該プラスチックフレーム部材と当該嵌入されたプラスチックダンボールシートとを貫通する貫通孔を任意の接着位置に開け、当該貫通孔に当該プラスチック製リベットを挿入し、当該挿入したリベットの両端を加熱圧着手段によって加熱圧着して、当該リベットの両端部を球面状、楕円面状、ドーム状を含むがそれに限らない曲面状表面を有する半球状のリベット頭部に変形させると共に、当該半球状リベット頭部の裏面を貫通孔周辺のプラスチックフレーム部材の表面に融着させることによって当該貫通孔を塞ぐことを特徴とするプラスチック容器の製法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−14378(P2013−14378A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158375(P2011−158375)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(594064297)
【Fターム(参考)】