説明

フロアコンソール

【課題】蓋体を収納本体から取り外しできるようにするとともに、取り外した蓋体をフロアコンソールに収納できるようにする。
【解決手段】本発明のフロアコンソール10は、車両前後方向に延出してフロアに設けられたコンソール本体20と、内部に荷物を収納可能な収納本体32と、コンソール本体20の後端部に設けられ、収納本体32を取り付け可能な第1着脱部21と、収納本体32に着脱可能に設けられ、収納本体32の内部を閉じる蓋体31とを備え、蓋体31は、コンソール本体20に直接取り付け可能である構成としたところに特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体と収納本体を取り付け可能なフロアコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフロアコンソールとして、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。このフロアコンソールは、コンソールボックスを着脱自在に装着可能である。このコンソールボックスは、内部に荷物を収納可能な収納本体と、この収納本体の内部を閉じる蓋体とを備えて構成されている。蓋体を収納本体に取り付けることにより収納本体の内部から外部に荷物が飛び出すことを規制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−44392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通常、蓋体は収納本体から自由に取り外すことができないため、例えば高さのある荷物を収納本体に収納したい場合であっても荷物が蓋体に干渉してしまい、荷物を収納することができない。また、蓋体を収納する場所を確保しないで、蓋体を取り外しできるようにしても、かえって取り外した蓋体が邪魔になるため、蓋体を取り外してまで使用することはほとんどないと考えられる。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、蓋体を収納本体から取り外しできるようにするとともに、取り外した蓋体をフロアコンソールに収納できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフロアコンソールは、車両前後方向に延出してフロアに設けられたコンソール本体と、内部に荷物を収納可能な収納本体と、コンソール本体の一端側に設けられ、収納本体を取り付け可能な第1着脱部と、収納本体に着脱可能に設けられ、収納本体の内部を閉じる蓋体とを備え、蓋体は、コンソール本体に直接取り付け可能である構成としたところに特徴を有する。
【0007】
このような構成によると、蓋体を収納本体から取り外すことができ、この取り外した蓋体をコンソール本体に直接取り付けることによって、蓋体をコンソール本体に収納することができる。
【0008】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
コンソール本体の他端側に設けられ、収納本体を取り付け可能な第2着脱部を備え、蓋体は、第2着脱部に直接取り付け可能である構成としてもよい。
このような構成によると、蓋体を収納本体に取り付け、この収納本体を第2着脱部に取り付けてもよい。また、収納本体を第1着脱部に取り付け、蓋体を第2着脱部に直接取り付けてもよい。
【0009】
蓋体は、第1着脱部に直接取り付け可能である構成としてもよい。
このような構成によると、収納本体を第2着脱部に取り付け、蓋体を第1着脱部に直接取り付けてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓋体を収納本体から取り外しでき、取り外した蓋体をフロアコンソールに収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1状態におけるフロアコンソールの斜視図
【図2】第2状態におけるフロアコンソールの斜視図
【図3】第3状態におけるフロアコンソールの斜視図
【図4】第4状態におけるフロアコンソールの斜視図
【図5】第1状態におけるフロアコンソールの側面図
【図6】第2状態におけるフロアコンソールの側面図
【図7】第3状態におけるフロアコンソールの側面図
【図8】第4状態におけるフロアコンソールの側面図
【図9】コンソールボックスと第1着脱部の取付構造を示した分解斜視図
【図10】蓋体を収納本体に対して車両前方にスライドさせた状態を示したコンソールボックスの斜視図
【図11】収納本体の内部を示したコンソールボックスの斜視図
【図12】蓋体の斜視図
【図13】第1着脱部と収納本体との係止構造を示した断面図
【図14】支持ピンが溝部に収容された状態を示した側面図
【図15】支持ピンと溝部の支持構造を示した分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
本発明の実施形態を図1ないし図15の図面を参照しながら説明する。本実施形態のフロアコンソール10は、図1に示すように、車両前後方向に延出して設けられたコンソール本体20、そのコンソール本体20に着脱可能に取り付けられたコンソールボックス30などを備えて構成されている。なお、以下の説明においてはコンソール本体20の長手方向を前後方向とし、図1ないし図4における左斜め下方向を前方として説明する。
【0013】
コンソール本体20は、車両の室内におけるフロントシート間(運転席および助手席の間)のフロア(図示せず)に設置されている。コンソール本体20の前端部は、図5に示すように、フロアの上方から室内側に迫り出すように配置されたインストルメントパネル40の下方空間に入り込んで配置されている。また、コンソール本体20の上面中央部には、シフトレバー50やブレーキレバー60などが配置されている。
【0014】
コンソール本体20の後端部には、図1または図4に示すように、コンソールボックス30を着脱可能な第1着脱部21が上方に開口している。一方、コンソール本体20の前端部には、同じくコンソールボックス30を着脱可能な第2着脱部22が上方に開口している。すなわち、コンソールボックス30は、第1着脱部21と第2着脱部22に対して選択的に取り付け可能とされている。なお、コンソールボックス30は、車両前方を向いた姿勢で第1着脱部21に取り付けられる一方、車両後方を向いた姿勢で第2着脱部22に取り付けられる。
【0015】
第1着脱部21の底面には、図4に示すように、車両前後方向に並んで配置された一対のカップホルダ23が設けられている。両カップホルダ23は有底の円孔形状をなしており、第1着脱部21の底面から下方に凹んで形成されている。図4に示すように、コンソールボックス30が第2着脱部22に取り付けられた状態では、両カップホルダ23を使用することができるものの、図1に示すように、コンソールボックス30が第1着脱部21に取り付けられた状態では、両カップホルダ23を使用することができないようになっている。
【0016】
コンソールボックス30は、図9に示すように、蓋体31、収納本体32などを備えて構成されている。収納本体32は、図11に示すように、上方に開口する開口を有し、この開口を通して収納本体32の内部に荷物(図示せず)を出し入れ可能とされている。蓋体31は、収納本体32の上端開口部32Aに対してその開口を開閉可能に取り付けられている。蓋体31で収納本体32の内部を閉じることにより、収納本体32の内部に収納された荷物が外部に飛び出すことを確実に規制できる。また、蓋体31は、アームレストとしての機能も有しており、着座者が蓋体31の上面に肘を載せてリラックスできるようになっている。
【0017】
蓋体31の後端部における両側面には、図12に示すように、丸棒状をなす一対の支持ピン31Aがそれぞれ反対方向に突出して形成されている。両支持ピン31Aは、図15に示すように、収納本体32の上端開口部32Aに形成された一対の溝部35内に収容可能とされている。溝部35は、上端開口部32Aの上端面に開口した入口35Aを有し、この入口35Aから支持ピン31Aが溝部35内に導入される。つまり、支持ピン31Aを入口35Aを通して溝部35の内外に出し入れすることにより、蓋体31を収納本体32の上端開口部32Aに対して着脱できるようになっている。
【0018】
また、溝部35は、入口35Aから内部に入り込んだところで車両前後方向に分岐して延びる形態をなしている。溝部35の底面には、図14に示すように、支持ピン31Aの外周面に沿う形状をなして支持ピン31Aを受ける複数の受け部35Bが形成されている。支持ピン31Aが所定の受け部35Bに載置されると、支持ピン31Aの外周面が湾曲状をなす受け部35Bの上面に係止することにより、支持ピン31Aが車両前後方向に位置決めされた状態に保持される。
【0019】
収納本体32の内部において両溝部35の下方には、前後方向に延びる一対の支持レール36が設けられている。両支持レール36は、両支持ピン31Aが両溝部35の両受け部35Bに支持された状態で、次述する蓋体31の装着部34の両側縁部を支持できるようになっている。これにより、収納本体32は、図10に示すように、蓋体31を上端開口部32Aに対して車両前方にスライド可能に支持できるようになっている。
【0020】
収納本体32の下部には、図9に示すように、第1着脱部21の内部に嵌合可能な嵌合部33が下方に突出して形成されている。嵌合部33の両側面33Aには、一対の凹部33Bが凹んで形成されている。一方、第1着脱部21の内面において嵌合部33の両側面33Aと対面する両側面21Aには、一対の突部21Bが突出して形成されている。両突部21Bは、図13に示すように、両凹部33Bの内部に嵌合して係止可能とされている。したがって、嵌合部33を第1着脱部21の内部に嵌合させると、両突部21Bが両凹部33Bに係止することにより、収納本体32が第1着脱部21に対して着脱可能に取り付けられる。
【0021】
さて、本実施形態のフロアコンソール10は、図1に示す第1状態から図4に示す第4状態まで複数のバリエーションにアレンジできるようになっている。第1状態では、図1または図5に示すように、蓋体31が収納本体32の上端開口部32Aに取り付けられ、かつ、収納本体32が第1着脱部21に取り付けられている。第1状態では、コンソールボックス30をアームレストとして使用できるため、便利である。
【0022】
第2状態では、図2または図6に示すように、蓋体31が第1着脱部21に直接取り付けられ、かつ、収納本体32が第2着脱部22に取り付けられている。蓋体31の下面には、図12に示すように、装着部34が下方に突出して形成されている。第1着脱部21の両突部21Bは、蓋体31の両凹部34Bの内部に嵌合可能とされている。したがって、蓋体31の装着部34を第1着脱部21の内部に嵌合させると、両突部21Bが両凹部34Bに係止することにより、蓋体31が第1着脱部21に対して着脱可能に取り付けられる。
【0023】
図6に示すように、第2着脱部22の内面において嵌合部33の両側面33Aと対面する両側面22Aには、一対の突部22Bが突出して形成されている。両突部22Bは、両凹部33Bの内部に嵌合可能とされている。したがって、収納本体32の嵌合部33を第2着脱部22の内部に嵌合させると、両突部22Bが両凹部33Bに係止することにより、収納本体32が第2着脱部22に対して着脱可能に取り付けられる。第2状態では、収納本体32がコンソール本体20の前端部に配置されるため、収納本体32の内部に収納された荷物を出し入れしやすくなる。
【0024】
第3状態では、図3または図7に示すように、蓋体31が第2着脱部22に直接取り付けられ、かつ、収納本体32が第1着脱部21に取り付けられている。第2着脱部22の両突部22Bは、蓋体31の両凹部34Bの内部に嵌合可能とされている。したがって、蓋体31の装着部34を第2着脱部22の内部に嵌合させると、両突部22Bが両凹部34Bに係止することにより、蓋体31が第2着脱部22に対して着脱可能に取り付けられる。また、収納本体32は、第1状態と同様に、第1着脱部31に対して着脱可能に取り付けられる。第3状態では、カップホルダ23に入らない程度の大型容器や高さのある荷物などを収納本体32に収容するのに好適である。
【0025】
第4状態では、図4または図8に示すように、蓋体31が収納本体32に取り付けられ、かつ、収納本体32が第2着脱部22に取り付けられている。第4状態では、カップホルダ23を使用することができる。また、コンソールボックス30を使用しない場合に、コンソールボックス30を第2着脱部22に収納するのに好適である。
【0026】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。まず、コンソールボックス30をアームレストとして使用したい場合には、フロアコンソール10を図1に示す第1状態にする。具体的には、収納本体32の上端開口部32Aに蓋体31を取り付けた後に、この収納本体32を第1着脱部21に取り付ける。または、収納本体32を第1着脱部21に取り付けた後に、この収納本体32に蓋体31を取り付けてもよい。また、第1状態では、蓋体31を収納本体32の上端開口部32Aに対して車両前後方向にスライド自在であるため、着座者の位置に合わせて蓋体31を所望の位置に調整可能である。
【0027】
次に、収納本体32の内部に高さのある容器などを収納したい場合には、フロアコンソール10を第1状態から図3に示す第3状態に変更する。具体的には、蓋体31を収納本体32の上端開口部32Aから取り外した後に、この蓋体31を第2着脱部22に取り付ける。また、収納本体32をコンソール本体20の前端部に配置したい場合には、フロアコンソール10を第3状態から図2に示す第2状態に変更する。具体的には、蓋体31と収納本体32を入れ替えればよい。最後に、カップホルダ23を使用したい場合には、フロアコンソール10を第2状態から図4に示す第4状態に変更する。具体的には、蓋体31を第1着脱部21から外して収納本体32の上端開口部32Aに取り付ける。
【0028】
以上のように本実施形態では、蓋体31が収納本体32の上端開口部32Aに対して着脱可能であるため、フロアコンソール10を第1状態ないし第4状態にアレンジでき、使用目的や使用用途に応じて蓋体31と収納本体32とを、第1着脱部21と第2着脱部22とに対して自由に取り付けることができる。また、蓋体31と収納本体32とを、第1着脱部21と第2着脱部22とに対して直接取り付けることができるため、蓋体31および収納本体32の収納場所を確保でき、フロアコンソール10の利便性を向上させることができる。
【0029】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では蓋体31の取り付け場所として、第1着脱部21と第2着脱部22を例示しているものの、本発明によると、蓋体31の取り付け場所をコンソール本体20に設ければよく、その場所は第1着脱部21と第2着脱部22以外でもよい。
【0030】
(2)上記実施形態ではコンソール本体20の後端部に第1着脱部21を設け、コンソール本体20の前端部に第2着脱部22を設けているものの、本発明によると、コンソール本体20の後端部に第2着脱部22を設け、コンソール本体20の前端部に第1着脱部21を設けてもよい。
【0031】
(3)上記実施形態では収納本体32が第1着脱部21に対して着脱可能とされているものの、本発明によると、収納本体32が第1着脱部21に対して離脱不能に固定されていてもよい。
【0032】
(4)上記実施形態では第1着脱部21および第2着脱部22に突部21Bおよび突部22Bが設けられ、蓋体31および収納本体32に凹部33Bおよび凹部34Bが設けられているものの、本発明によると、第1着脱部21および第2着脱部22に凹部を設け、蓋体31および収納本体32に突部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10…フロアコンソール
20…コンソール本体
21…第1着脱部
22…第2着脱部
31…蓋体
32…収納本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延出してフロアに設けられたコンソール本体と、
内部に荷物を収納可能な収納本体と、
前記コンソール本体の一端側に設けられ、前記収納本体を取り付け可能な第1着脱部と、
前記収納本体に着脱可能に設けられ、前記収納本体の内部を閉じる蓋体とを備え、
前記蓋体は、前記コンソール本体に直接取り付け可能であることを特徴とするフロアコンソール。
【請求項2】
前記コンソール本体の他端側に設けられ、前記収納本体を取り付け可能な第2着脱部を備え、
前記蓋体は、前記第2着脱部に直接取り付け可能である請求項1に記載のフロアコンソール。
【請求項3】
前記蓋体は、前記第1着脱部に直接取り付け可能である請求項2に記載のフロアコンソール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−241292(P2010−241292A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93075(P2009−93075)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】