説明

フロアパネル用支持脚

【課題】 フロアパネルの目的・機能を阻害することなく従来の問題点等を解決することのできるフロアパネル用支持脚を提供することにある。
【解決手段】 フロアパネル用支持脚10は、床面60に設置されるベース部20と、ベース部20に取り付けられてフロアパネル50を一定の高さで支える支柱部30と、支柱部30上面に載置されてフロアパネル50を受ける台座部40とを備え、支柱部30が、フロアパネル50を一定の高さで支える機能以外に、収納機能,管理機能,味覚を除く五感訴求機能,その他の付加機能を有することを特徴とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、床面に敷設されるフロアパネルを支持するフロアパネル用支持脚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
床面に敷設されるフロアパネルを支持するフロアパネル用支持脚としては、従来より、特許文献1に記載されているものがあった。
また、床下に収納機能を備えた床下構造としては、特許文献2及び3に記載されているものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−177537号公報
【特許文献2】特開昭58−013857号公報
【特許文献3】実開昭61−016047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような従来のフロアパネル用支持脚には、フロアパネルを支持する機能以外に特段付加機能を備えているものはなかった。
一方で、オフィスビルやマンションなどでは災害・緊急時に備えて飲料水や食料品などを保管しておくことが求められるが、そのために保管スペースを確保する必要がある。
【0005】
この場合、特許文献2や3に開示されているような床下収納構造をフロアパネルに適用すると、フロアパネル下の配線スペースの障害となり、フロアパネルの目的・機能を阻害するものとなる。
【0006】
そこで、本願発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであって、フロアパネル用支持脚にフロアパネルを支持する機能以外の付加機能を備えることで、フロアパネルの目的・機能を阻害することなく上記した問題点等を解決できることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の発明は、床面に敷設されるフロアパネルを支持するフロアパネル用支持脚であって、当該支持脚は、床面に設置されるベース部と、ベース部に取り付けられてフロアパネルを一定の高さで支える支柱部と、支柱部上面に載置されてフロアパネルを受ける台座部とを備え、支柱部が、フロアパネルを一定の高さで支える機能以外に、収納機能,管理機能,味覚を除く五感訴求機能,その他の付加機能を有することを特徴としたものである。
第2の発明は、敷設されたフロアパネルの四隅突合せ部分を1個の支柱部で支持することを特徴とした同フロアパネル用支持脚である。
第3の発明は、敷設されたフロアパネルの四隅突合せ部分を各四隅ごと1個の支柱部で支持することを特徴とした同フロアパネル用支持脚である。
第4の発明は、ベース部は各支柱部ごとにパーツ化されていることを特徴とした同フロアパネル用支持脚である。
第5の発明は、台座部は各支柱部ごとにパーツ化されていることを特徴とした同フロアパネル用支持脚である。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、次のような効果を有する。
(1)支柱部が、フロアパネルを一定の高さで支える機能以外に、収納機能,管理機能,聴・嗅・触覚訴求機能,その他の付加機能を有することで、フロアパネル下の配線スペースの障害とならずに、フロアパネル用支持脚が様々な機能を提供できる。
(2)例えば、支柱部が収納機能を備えることで、災害・緊急時用の飲料水・生活用水や食料品などを保管しておくことができる。
(3)また、支柱部がセンサー等の管理機能を備えることで、不在・外出時における防災・防犯(セキュリティー)効果を発揮できる。
(4)また、上記センサーに発光機能を備えることで、災害時等の停電時における照明効果や、フロア環境に変化や調和をもたらす効果を発揮することができる。さらに、フロアパネルをアクリル板、FRP板、ポリカーボネイト等を用いて、透明、あるいは半透明とすることで、発光機能をより発揮することができる。
(5)また、支柱部がゴム等の弾性体からなり触覚訴求機能を備えることで、防振作用や安定した歩行感を与えることができる。
(6)また、支柱部をポンプ機能の発揮する物にすることで、フロアパネルを踏んだ際に支柱部から音や香を出すような五感訴求機能を備えることで、フロア環境に変化や調和をもたせることができるとともに、イベント・催し物会場としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明の第1実施形態を示す説明図(使用図)。
【図2】本願発明の第1実施形態を示す説明図(構造図)。
【図3】本願発明の第1実施形態を示すその他の説明図。
【図4】本願発明の第2実施形態を示す説明図(使用図)。
【図5】本願発明の第2実施形態を示す説明図(構造図)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本願発明の第1実施形態を示す説明図(使用図,構造図)である。
図1はフロアパネル用支持脚の使用図を示しているが、本願発明に係るフロアパネル用支持脚(以下「支持脚」)10は、床面60に敷設されるフロアパネル50を支持する部材である。支持脚10は、フロアパネル50の四隅51を突き合わせた四隅突合せ部分にそれぞれ設けられ、フロアパネル50を支持している。
【0011】
図2はフロアパネル用支持脚の構造図を示しているが、支持脚10は、床面60に設置されるベース部20と、ベース部20に取り付けられてフロアパネル50を一定の高さで支える支柱部30と、支柱部30上面に載置されてフロアパネル50を受ける台座部40とを備えている。
【0012】
ベース部20は、略正方形をした板状の基材21に支柱部30を取り付ける取付部22を備えている。ベース部20の形状は、図示する略正方形のものに特に限定されないが、例えば、フロアパネル50の四隅51を1本の支柱部30で支える場合は、真円状にしたり、フロアパネル50の四隅51突合せ部分を四隅51ごと4個の支柱部で支える場合(図4及び図5に示す第2実施形態)は、1個のベース部20は四半円状(全体として大きな真円となる。)とすることもできる。なお、ベース部20は、エポキシ樹脂系接着剤又はウレタン樹脂系接着剤等の接着剤、または、ピン等で床面60に固定されている。
【0013】
支柱部30は、フロアパネル50を一定の高さで支えられる一定の高さを備えた部材からなっている。図2に示したものはいずれも円柱状のものであるが、これに限られるものではない。そして、支柱部30は、フロアパネル50を一定の高さで支える機能以外に、収納機能,管理機能,味覚を除く五感訴求機能,その他の付加機能を有することを特徴としている。
【0014】
例えば、支柱部30aは収納機能を備えたもので、災害・緊急時用の飲料水(生活用水等)や食料品(カンパン等)などを収納しているものである。この場合、市販のドリンク缶や缶詰などを支柱部30aとして利用できる。オフィスビルやマンションなどでは災害・緊急時に備えて飲料水や食料品などを保管しておくことが求められるが、支持脚10を保管スペースとすることで、フロアパネル50下の配線スペースの障害とならず好適である。
支柱部30bはゴム等の弾性体からなることで触覚訴求機能を備えたものである。歩行等に伴うフロアパネル50の振動を防ぐ防振作用や、フロアパネル50に安定した歩行感を与えることができる。
【0015】
ここで、支柱部30aとして利用する缶の種類としては、蓋と胴部とからなるツーピース缶や、蓋部と胴部、底部とからなるスリーピース缶のいずれをも用いることができるが、両端の口と蓋とをかしめて接合することで作られるスリーピース缶がフロアパネル支持方向からの強度が高くなるため、特に好ましい。
【0016】
また、缶の素材としては、フロアパネル50を踏んだ際に支柱部30aが潰れなければ特に限定されるものではないが、特にスチールが好ましい。また、形状については、円筒や長方体等特に限定されるものではないが、フロアパネル50が踏まれた際に支柱部30aへの応力から、円筒が好ましい。
【0017】
支柱部30cはセンサー等の管理機能を備えたものである。フロアパネル50上に変化があると支柱部30c内のセンサーが感知するので、不在・外出時における防災・防犯(セキュリティー)効果を発揮できる。
支柱部30dは支柱部内のポンプから音や香を出すような聴・嗅訴求機能を備えたものである。効果としては支柱部30bと似たような人間の五感に訴えるものであるが、フロア環境に変化や調和をもたせることができる。特に、イベント・催し物会場の演出・効果として利用することができる。
なお、支柱部30の付加機能は上記したものに限られず、その他の機能を付加したものであってもよい。
【0018】
台座部40は、支柱部30上面に載置されてフロアパネル50と当接してフロアパネル50を受ける役割を果たす。フロアパネル50の四隅51の突き合わせを確実且つ容易に行えるようにするため、台座部40にはガイド片41を備えている。
また、台座部40はポリプロピレンやポリエステル等のプラスチックからなるが、特にこれらに限定されるものではない。台座部40の形状としては、フロアパネル50の四隅51突合せ部分を四隅51ごと4個の支柱部で支える場合(図4及び図5に示す第2実施形態)は、各支柱部に台座部を載置するタイプのものであっても、4個の支柱部全体に1個の台座部を載置するタイプのものであってもよい。
【0019】
また、台座部40あるいは直接支柱部30上面にロック機構70を備えてもよい。ロック機構70は、雄部材71と雌部材72とからなり、両者の間にフロアパネル50の四隅51の突合せ部分を介在させて雄部材71を雌部材72に嵌合させる。これにより、フロアパネル50と支持脚10とが固定されることで、フロアパネル50のズレを防止することができる。ロック機構70(雄部材71及び雌部材72)の素材としては、鉄等の金属や、ポリプロピレンやポリエステル等のプラスチックが用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0020】
図4及び図5は、本願発明の第2実施形態を示す説明図(使用図,構造図)である。
図1及び図2に示す第1実施形態が敷設されたフロアパネル50の四隅51突合せ部分を1個の支柱部30で支持しているのに対して、図3及び図4に示す第2実施形態では、敷設されたフロアパネル50の四隅51突合せ部分を各四隅51ごと1個の支柱部35で支持することに特徴がある。これによって図4に示すように、フロアパネルの四隅突合せ部分1箇所につき突き合わせるフロアパネルの数だけ支柱部を配置できるとともに(収納機能の増加や複数機能の付加等)、支柱部の安定性が向上する効果がある。
【0021】
図5はフロアパネル用支持脚の構造図を示しているが、支持脚15は、床面60に設置されるベース部25と、ベース部25に取り付けられてフロアパネル50を一定の高さで支える支柱部35と、支柱部35上面に載置されてフロアパネル50を受ける台座部45とを備えている。
【0022】
そして、ベース部25は、各支柱部35ごとにパーツ化されており、相互に接続するようにして使用される。また、台座部45も同様に各支柱部35ごとにパーツ化されており、相互に接続するようにして使用される。なお、ベース部25及び台座部45はパーツ化されず、一体化されたものであってもよい。第2実施形態のその他については、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本願発明は、床面に敷設されるフロアパネルを支持するフロアパネル用支持脚に広く利用できるものである。特に、フロアパネル用支持脚にフロアパネルを一定の高さで支える機能以外のものを要求する場合に好適できる。
【符号の説明】
【0024】
10 フロアパネル用支持脚(支持脚)(第1実施形態)
15 フロアパネル用支持脚(支持脚)(第2実施形態)
20 ベース部(第1実施形態)
21 基材
22 取付部
25 ベース部(第2実施形態)
30 支柱部(第1実施形態)
35 支柱部(第2実施形態)
40 台座部(第1実施形態)
41 ガイド片
45 台座部(第2実施形態)
50 フロアパネル
51 フロアパネル四隅
60 床面
70 ロック機構
71 雄部材
72 雌部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に敷設されるフロアパネルを支持するフロアパネル用支持脚であって、
当該支持脚は、床面に設置されるベース部と、ベース部に取り付けられてフロアパネルを一定の高さで支える支柱部と、支柱部上面に載置されてフロアパネルを受ける台座部とを備え、
支柱部が、フロアパネルを一定の高さで支える機能以外に、収納機能,管理機能,味覚を除く五感訴求機能,その他の付加機能を有することを特徴としたフロアパネル用支持脚。
【請求項2】
敷設されたフロアパネルの四隅突合せ部分を1個の支柱部で支持することを特徴とした請求項1記載のフロアパネル用支持脚。
【請求項3】
敷設されたフロアパネルの四隅突合せ部分を各四隅ごと1個の支柱部で支持することを特徴とした請求項1記載のフロアパネル用支持脚。
【請求項4】
ベース部は各支柱部ごとにパーツ化されていることを特徴とした請求項3記載のフロアパネル用支持脚。
【請求項5】
台座部は各支柱部ごとにパーツ化されていることを特徴とした請求項3又は4記載のフロアパネル用支持脚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−38378(P2011−38378A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189426(P2009−189426)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】