説明

ブタレトロウイルスの分子配列及び利用方法

【課題】異種間移植によりトランスファーされるブタレトロウイルス配列の検出方法を提供する。
【解決手段】ブタまたはミニブタのレトロウイルスの核酸配列に特異的にハイブリダイズすることのできる精製された核酸を取得。この核酸は完全なレトロウイルスゲノム以外であり、例えばそれは、少なくとも1ヌクレオチド長く、又は少なくとも1ヌクレオチドが短く、又は少なくとも1か所配列が異なったモノである。この配列を用いることで、異種間移植によりトランスファーされるブタレトロウイルス配列の検出を行うことが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ブタのレトロウイルスの配列、ブタレトロウイルス配列によりコードされるペプチド及びこれらのブタレトロウイルス核酸及びペプチドを利用する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実質臓器の移植における進歩及び適当な臓器のドナーの慢性的不足は、異種間移植をヒト間の同種移植に代る魅力的な選択肢にした。しかしながら、ドナー動物からヒト集団への新規な感染症の導入の可能性は、これらの方法の利用に関連する懸念である。
【0003】
他の種により運ばれた感染因子のヒトによる自然な獲得に適用される用語は、動物原性感染症である。非ヒト種からヒトへの感染の移植は、最も適切には、「直接的動物原性感染症」又は「ゼノシス(xenosis)」と呼ばれる。
【0004】
非ヒト霊長類及びブタは、異種間移植のための主要な潜在的源と考えられてきた(Niekrasz等(1992)Transplant Proc 24:625; Starzl等(1993)Lancet
341:65;Murphy等(1970)Trans Proc 4:546; Brede 及びMurphy(1972)Primates Med 7:18;Cooper等 Xenotransplantation中:The
Transplantation of Organs and Tissuesbetween Species, Cooper 等編(1991) 457頁; RY Calne(1970)Transplant Proc 2:550; H.Auchincloss,Jr.(1988)Transplantation 46:1; 及び Chiche 等(1993)Transplantation
6:1418)。霊長類及びブタについて起きる感染症は、ヒトドナーのものに類似している。感染の予防は、免疫無防備状態にされた移植のレシピエントにおける共通の感染を予言し、認識し、そして予防する能力に依存する(Rubin
等(1993)Antimicrob Agents Chemother 37:619)。ヒトに容易に取り入れられる病原体の非ヒト霊長類による潜在的運搬、道徳的懸念及び霊長類の大集団の維持の出費の故に、他の種が臓器ドナーとして考えられてきた(Brede
及びMurphy(1972)Primates Med 7:18; Van Der Riet 等(1987) Transplant Proc19:4069; Katler Xenotransplantation 中: The
Transplantation of Organs and Tissues between Species, Cooper 等(1991) 457頁; Metzger 等(1981)J Immunol 127:769; McClure(1987)Nature 330:487; Letvin等(1987)J Infect
Dis156:406; Castro 等(1991)Virology 184:219; Benveniste及びTodaro(1973)ProcNatl Acad Sci USA 70:3316;及びTeich, RNA Tumor viruses中,
Weiss 等編(1985)25頁)The economic importance of swine and experience in studies
oftransplantation in the miniature swine model have allowed some of the
potential pathogens associated with these animals to be defined(Niekrasz等(1992)Transplant Proc
24:625; Cooper等 Xenotransplantation中: The Transplantation of Organs
and Tissues between Species, Cooper 等編(1991)457 頁; 及びLeman 等(1992)Diseases of Swine,第七版、Ames,Iowa:Iowa 州立大学)。ミニブタは、その種の幾つかの特徴の故に、臓器ドナーとして考えられてきた。主要なブタ臓器の構造及び機能は、ヒトのものに匹敵する。ブタは、ヒトにおける利用のための臓器の供給に十分な体重及び臓器サイズに達する。最後に、獣医及び商業的育種家は、繁殖集団から公知の病原体を排除する能力を有する特定の病原体を有しない(SPF)ブタを造るためのアプローチを開発してきた(Alexander
等(1980)Proc 6th Int Congr Pig Vet Soc, Copenhagen; Betts (1961)Vet Rec 73:1349; Betts等(1960)Vet Rec 72:461;
Caldwell等(1959)J AmVet Med Assoc 135:504;及びYong(1964)Adv Vet Sci 9:61)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
懸念は、異種間移植によるブタレトロウイルスのトランスファーを超えて存在する(Smith(1993) N Engl J Med 328:141)。このレトロウイルスの独特の性質の多くは、RNAテンプレートからの相補的DNAコピーの(逆転写酵素による)合成及びこのDNAの宿主ゲノム中へのインテグレーションによるものである。インテグレートされたレトロウイルスコピー(これは、内因性コピー又は「プロウイルス」と呼ばれる)は、生殖細胞系列を介して伝達され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要約
一般に、この発明は、精製されたブタ又はミニブタのレトロウイルス核酸例えば
Tsukuba核酸、SEQ ID NO:1又はその相補鎖の、SEQ ID NO:2又はその相補鎖の、SEQ ID NO:3又はその相補鎖の精製されたミニブタレトロウイルス核酸、及びブタ例えばミニブタのレトロウイルス配列の存在の検出におけるそれらの利用方法を特徴とする。
【0007】
他の面において、この発明は、精製されたブタ又はミニブタのレトロウイルスゲノム例えばTsukuba
ゲノム、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる精製された核酸例えばプローブ又はプライマーを特徴とする。
【0008】
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の完全なレトロウイルスゲノム以外であり、例えばそれは、少なくとも1ヌクレオチド長く、又は少なくとも1ヌクレオチド短く、又は少なくとも1か所配列が異なり、例えばこの核酸は、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列の断片であり、又はそれは、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に追加された配列を含む。
【0009】
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖由来の配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、更に好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0010】
他の具体例において:この核酸配列は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の対応する配列と、1、2、3、4若しくは5塩基対だけ異なり;この核酸配列は、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の対応する配列と、少なくとも1、2、3、4若しくは5塩基対だけ異なるが、6、7、8、9若しくは10塩基対未満しか異ならない。
【0011】
他の好適具体例において:この核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満である。
【0012】
更に別の好適具体例において:この核酸は、ミニブタレトロウイルスゲノム例えばSEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖のレトロウイルスゲノムの翻訳可能領域と(例えば、gal、pol若しくはenv遺伝子由来の領域と)特異的にハイブリダイズすることができ;このプローブ若しくはプライマーは、ミニブタレトロウイルスゲノム例えばSEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖のレトロウイルスゲノムの非翻訳領域と特異的にハイブリダイズすることができ;このプローブ若しくはプライマーは、ミニブタレトロウイルスゲノム例えばSEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖のレトロウイルスゲノムの非保存領域と特異的にハイブリダイズすることができ;このプローブ若しくはプライマーは、ミニブタレトロウイルスゲノム例えばSEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖のレトロウイルスゲノムの高度に保存された領域と特異的にハイブリダイズすることができる。
【0013】
好適具体例において、このプライマーを、SEQ ID NO:4〜74よりなる群から選択する。
【0014】
好適具体例において、このプローブのレトロウイルス配列へのハイブリダイゼーションを、標準的方法により例えば放射性標識したプローブにより又は非放射性マーカー例えば酵素若しくは抗体結合部位を有するプローブにより検出することができる。例えば、プローブを、酵素例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼと結合させることができ、この場合、結合された酵素の酵素活性をハイブリダイゼーションのシグナルとして利用する。或は、このプローブを、抗体(例えば、酵素若しくは他のマーカーに結合された抗体)により認識されるエピトープに結合することができる。
【0015】
他の面において、この発明は、標的核酸(例えば、ヒト、ブタ、若しくはミニブタの核酸)及び精製した第2の核酸例えばプローブ若しくはプライマー(例えば、ここに記載のもの)(これは、SEQ ID NO:若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖、ブタ若しくはミニブタレトロウイルス核酸例えばTsukuba
核酸と特異的にハイブリダイズする)を含む反応混合物を特徴とする。
【0016】
好適具体例において、標的核酸には:RNA;又はDNAが含まれる。
【0017】
好適具体例において、標的核酸には:ミニブタから単離されたゲノムDNAが含まれ;ミニブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれ;ミニブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれ;ミニブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えば異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたミニブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0018】
好適具体例において、標的核酸には:ブタから単離されたゲノムDNAが含まれ;ブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれ;ブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれ;臓器レシピエント例えば異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたブタ臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0019】
好適具体例において:第2の核酸は、ブタレトロウイルスの配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)例えばTsukuba-1 レトロウイルス配列であり;第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ
ID NO:3若しくはその相補鎖であり、又は少なくとも10、20若しくは30塩基対長の配列若しくはその相補鎖の断片である。
【0020】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖と、少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、更に好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0021】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満である;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0022】
好適具体例において、第2の核酸は:gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸であり;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169又は585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体であり;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸であり;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続ヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体であり;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533、又はこれらの天然の変異体である。
【0023】
他の面において、この発明は、細胞若しくは組織(例えば、細胞若しくは組織移植片例えば異種移植片)を、ブタ若しくはミニブタレトロウイルス若しくはレトロウイルス配列(例えば、内因性ミニブタレトロウイルス)の存在若しくは発現についてスクリーニングするための方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
組織由来の標的核酸を、下記よりなる群から選択した第2の配列とハイブリダイゼーションが起こり得る条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169又は585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えばヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えばヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルス核酸;又はTsukuba
核酸(ハイブリダイゼーションは、組織中の内因性ミニブタレトロウイルスの存在又は組織中の内因性ブタレトロウイルスにおけるレトロウイルス配列の発現を示す)。
【0024】
好適具体例において、この方法は、更に、標的核酸配列を、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列と特異的にハイブリダイズするプライマーを用いて増殖させることを含む。
【0025】
好適具体例において、この組織又は細胞移植片を、心臓、肺、肝臓、骨髄、腎臓、脳細胞、神経組織、膵臓若しくは膵臓細胞、胸腺又は腸組織よりなる群から選択する。
【0026】
他の好適具体例において、標的核酸は:DNA;RNA;又はcDNAである。
【0027】
他の好適具体例において、この標的核酸を:組織試料、又は血液試料、例えば組織バイオプシー試料、例えばイン・シトゥー(in situ )ハイブリダイゼーション又は免疫組織化学に適した組織試料から得る。
【0028】
好適具体例において、標的核酸には:ミニブタから単離されたゲノムDNA;ミニブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えば異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたミニブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0029】
好適具体例において、標的核酸には:ブタから単離されたゲノムDNA;ブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えばレシピエントブタ若しくは異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0030】
好適具体例において、標的核酸は、RNAであり又は組織中のRNAから増幅された核酸であり、そしてハイブリダイゼーションは、内因性ミニブタレトロウイルス若しくはレトロウイルス配列又は内因性ブタレトロウイルスの発現と相関する。
【0031】
好適具体例において、標的核酸は、DNAであり又は組織中のDNAから増幅された核酸であり、そしてハイブリダイゼーションは、内因性ミニブタレトロウイルス又は内因性ブタレトロウイルスの存在と相関する。
【0032】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0033】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0034】
他の面において、この発明は、ブタ由来の細胞又は組織を、活性化可能なブタレトロウイルス例えば活性化可能ブタプロウイルスの存在についてスクリーニングする方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
ブタ由来の細胞又は組織をレトロウイルスを活性化することのできる処理で刺激すること;
このブタ由来の細胞又は組織からの標的核酸を次の群から選択する第2の配列と接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸(ハイブリダイゼーションは、ブタ由来細胞又は組織における活性化可能なブタプロウイルスの存在を示す)。
【0035】
好適具体例において、この処理は:薬物例えばステロイド若しくは細胞毒性薬剤との接触、ウイルスの感染若しくは接触、ストレス例えば栄養ストレス若しくは免疫的ストレス(例えば、T細胞例えば反応性T細胞との接触)の誘導である。
【0036】
好適具体例において、この方法は、更に、標的核酸を、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に特異的にハイブリダイズするプライマーを用いて増幅することを含む。
【0037】
他の好適具体例において、標的核酸を:組織試料、又は血液試料、例えば組織バイオプシー試料例えばイン・シトゥーハイブリダイゼーション若しくは免疫組織化学に適した組織試料から得る。
【0038】
好適具体例において、標的核酸には:ミニブタから単離されたゲノムDNA;ミニブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えば異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたミニブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0039】
好適具体例において、標的核酸には:ブタから単離されたゲノムDNA;ブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えばレシピエントブタ若しくは異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0040】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0041】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0042】
他の面において、この発明は、ミニブタゲノム又はブタゲノムを、ブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列例えば内因性ブタレトロウイルスの存在についてスクリーニングする方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
ミニブタ(又はブタ)ゲノムDNAを、次の群から選択する第2の配列と、これらの配列がハイブリダイズすることのできる条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸(ハイブリダイゼーションは、ミニブタ(又はブタ)ゲノムにおける内因性ブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列の存在を示す)。
【0043】
好適具体例において、この方法は、更に、ミニブタ(又はブタ)ゲノムの全部又は一部を、SEQ
ID NO:若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に特異的にハイブリダイズするプライマーを用いて増幅させることを含む。
【0044】
好適具体例において:第2の核酸は、ブタレトロウイルスの配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)例えばTsukuba-1 レトロウイルス配列であり;第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ
ID NO:3若しくはその相補鎖であり、又は少なくとも10、20若しくは30塩基対長の配列若しくはその相補鎖の断片である。
【0045】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖と、少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、更に好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0046】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満である;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0047】
他の面において、この発明は、遺伝的に改変されたミニブタ又は遺伝的に改変されたブタを、ミニブタ若しくはブタレトロウイルスの存在又はレトロウイルス配列の発現(例えば、内因性ミニブタレトロウイルス)についてスクリーニングする方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
遺伝的に改変されたミニブタ又はブタ由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の配列と、ハイブリダイゼーションが起こり得る条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;
pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID
NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸(ハイブリダイゼーションは、遺伝的に改変されたミニブタ又はブタにおける内因性ミニブタレトロウイルス若しくはレトロウイルス配列の存在若しくは発現又はブタレトロウイルス若しくはレトロウイルス配列の存在若しくは発現を示す)。
【0048】
好適具体例において、この方法は、更に、標的核酸を、SEQ ID NO:若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に特異的にハイブリダイズするプライマーを用いて増幅させることを含む。
【0049】
好適具体例において、標的核酸には:ミニブタから単離されたゲノムDNA;ミニブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えば異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたミニブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0050】
好適具体例において、標的核酸には:ブタから単離されたゲノムDNA;ブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えばレシピエントブタ若しくは異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0051】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0052】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0053】
他の面において、この発明は、ドナーのミニブタ又はブタからの移植片をレシピエント動物例えばミニブタ又はブタ、非ヒト霊長類又はヒトに移植することに関連する潜在的な危険を評価する方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
ドナー、レシピエント又は移植片由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の配列と、これらの配列がハイブリダイズする条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列と特異的にハイブリダイズする核酸;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;
pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID
NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;
env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸(ハイブリダイゼーションは、移植に関連した危険を示す)。
【0054】
好適具体例において:第2の核酸は、Tsukuba-1 レトロウイルス配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)であり;第2の核酸は、ブタレトロウイルスの配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)であり;第2の核酸は、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖であり、又は少なくとも10、20若しくは30塩基対長の配列若しくはその相補鎖の断片である。
【0055】
好適具体例において、標的核酸には:ミニブタから単離されたゲノムDNA;ミニブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えば異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたミニブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0056】
好適具体例において、標的核酸には:ブタから単離されたゲノムDNA;ブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの潜在的ドナーの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えばレシピエントブタ若しくは異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0057】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0058】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0059】
他の面において、この発明は、内因性のミニブタ若しくはブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列ゲノムがその発現を調節する(例えば、その結果誤発現を生じる)突然変異を含むかどうかを測定する方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
内因性レトロウイルスゲノムの構造を測定すること、及び
内因性レトロウイルスゲノムの構造をSEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列と比較すること(差異は、突然変異を示す)。
【0060】
好適具体例において、この方法は、内因性ゲノムを配列決定すること及びそれをSEQ ID
NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖からの配列と比較することを含む。
【0061】
好適具体例において、この方法は、プライマーを用いて、内因性レトロウイルスゲノムの領域を、例えば、PCR、LCR(リガーゼ連鎖反応)若しくは他の増殖方法により増幅すること、及び増幅生成物の構造を、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列と比較して、レトロウイルスゲノムとSEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖との間に配列の違いがあるかどうかを測定することを含む。この方法は、更に、1つ以上の制限部位が内因性レトロウイルスゲノム中に存在するかどうかを測定すること、及びこれらの部位がSEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖中に存在するかどうかを測定することを含む。
【0062】
好適具体例において、突然変異は、レトロウイルスゲノムの全部又は部分の大きい欠損例えば挿入、逆転、転座又は欠失である。
【0063】
好適具体例において、突然変異の検出は:(i)ブタレトロウイルスゲノム由来のセンス若しくはアンチセンス配列(例えば、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2又はSEQ ID NO:3)若しくはこれらの天然の変異体にハイブリダイズするブタレトロウイルスヌクレオチド配列を含むDNA(例えば、SEQ
ID NO:1、SEQ ID NO:2又はSEQ ID NO:3)から増幅した標識されたPCRプローブを用意すること;(ii)そのプローブ/プライマーを制限エンドヌクレアーゼで消化した組織の核酸(例えば、ゲノムDNA)にさらすこと;及び(iii)このプローブ/プライマーのこの核酸へのイン・シトゥーハイブリダイゼーションにより、遺伝的障害の存否を検出することを含む。或は、ブタレトロウイルス遺伝子(例えば、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2又はSEQ ID NO:3に示したヌクレオチド配列を含む遺伝子)に特異的なプライマーを用いる直接的PCR分析を用いて、ブタレトロウイルスゲノムにおける遺伝的障害の存否を、増幅された生成物を比較することにより検出することができる。
【0064】
他の面において、この発明は、内因性レトロウイルス若しくはレトロウイルス配列(例えば、活性化可能なレトロウイルス)の前以て選んだ部位への挿入を含まないミニブタ若しくはブタを供給する方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
前以て選んだ部位にレトロウイルス挿入を有する第1のミニブタ(又はブタ)と前以て選んだ部位(例えば同じ部位)にレトロウイルス挿入を有しない第2のミニブタ(又はブタ)との間で交配を行ない、その挿入を有しない子孫のミニブタ(又はブタ)を回収すること{ここに、レトロウイルス挿入の存否は、ミニブタ(又はブタ)のゲノムを、ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;
pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID
NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸と接触させることにより測定する}。
【0065】
好適具体例において、この核酸を、第1の動物又はその一の先祖の核酸(例えば、そのゲノム由来のDNA)とハイブリダイズさせる。
【0066】
好適具体例において、この核酸を、第2の動物又はその一の先祖の核酸(例えば、そのゲノム由来のDNA)とハイブリダイズさせる。
【0067】
好適具体例において、この核酸を、子孫の動物又はその一の子孫の核酸(例えば、そのゲノム由来のDNA)とハイブリダイズさせる。
【0068】
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0069】
他の好適具体例において:この核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;この核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0070】
他の面において、この発明は、治療例えば免疫抑制治療を、レトロウイルス例えば内因性ブタレトロウイルスを活性化する能力について評価する方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
治療を、内因性ブタレトロウイルスを有する患者例えばミニブタ(又はブタ)に施与すること;及び
そのブタレトロウイルスの発現を、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に特異的にハイブリダイズする精製された核酸配列を用いて検出すること。
【0071】
好適具体例において、免疫抑制治療には、照射、化学療法又は薬物治療が含まれる。
【0072】
好適具体例において:治療は、免疫寛容を誘導することのできるものであり;治療は、新規な遺伝物質を導入すること例えば新規な遺伝物質をミニブタゲノム(又はブタゲノム)に又はブタ若しくはミニブタの移植片を受容する宿主のゲノムに導入することができるものであり、例えば、この治療は、新規な遺伝物質をレトロウイルス媒介のトランスファーによって導入するものである。
【0073】
好適具体例において:精製された核酸は、Tsukuba-1 レトロウイルス配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)であり;精製された核酸は、ブタレトロウイルスの配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)であり;精製された核酸は、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖であり、又は少なくとも10、20若しくは30塩基対長のかかる配列若しくはその相補鎖の断片である。
【0074】
好適具体例において、精製された核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0075】
他の好適具体例において:精製された核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;精製された核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0076】
好適具体例において、第2の核酸は:gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えばそれぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体。
【0077】
他の面において、この発明は、ブタレトロウイルス感染の起源を突きとめる方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
移植片由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の配列と接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;
env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸レシピエント由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の配列と接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えば、それぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸(移植片由来の核酸へのハイブリダイゼーションは、その移植片におけるブタレトロウイルス感染と相関し;且つレシピエント由来の核酸へのハイブリダイゼーションは、そのレシピエントにおけるブタレトロウイルス感染と相関する)。
【0078】
好適具体例において、標的核酸には:DNA、RNA又はcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0079】
好適具体例において:第2の核酸は、ブタレトロウイルスの配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)例えばTsukuba-1 レトロウイルス配列であり;第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ
ID NO:3若しくはその相補鎖であり、又は少なくとも10、20若しくは30塩基対長の配列若しくはその相補鎖の断片である。
【0080】
好適具体例において、レシピエントは、動物例えばミニブタ、ブタ、非ヒト霊長類又はヒトである。
【0081】
好適具体例において、移植片を、心臓、肺、肝臓、骨髄又は腎臓よりなる群から選択する。
【0082】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0083】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0084】
他の面において、この発明は、細胞、例えば病気(例えば、増殖性疾患)を有する細胞(例えば腫瘍細胞、例えば癌細胞)、例えばリンパ腫又は肝細胞性癌(移植片レシピエント(例えば、異種移植)において発達中のもの)を、ブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列の存在又は発現についてスクリーニングする方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
腫瘍細胞由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の配列と、この試料と核酸配列がハイブリダイズできる条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えばそれぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸(ハイブリダイゼーションは、腫瘍細胞における内因性ブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列の存在を示す)。
【0085】
好適具体例において、腫瘍細胞由来の標的核酸には:DNA、RNA又はcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0086】
好適具体例において:第2の核酸は、ブタレトロウイルスの配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)例えばTsukuba-1 レトロウイルス配列であり;第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ
ID NO:3若しくはその相補鎖であり、又は少なくとも10、20若しくは30塩基対長の配列若しくはその相補鎖の断片である。
【0087】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0088】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0089】
他の面において、この発明は、下記を含む、ヒト患者を、内因性ブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列の存在又は発現についてスクリーニングする方法を特徴とする:
ヒト患者由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の配列と、これらの配列がハイブリダイズできる条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えばそれぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸(ハイブリダイゼーションは、ヒト患者における内因性ブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列の存在を示す)。
【0090】
好適具体例において、ヒト患者由来の標的核酸は、血液試料又は組織試料(例えば、組織バイオプシー試料)由来のDNA、RNA又はcDNA試料、核酸である。
【0091】
好適具体例において、ヒト患者は、ミニブタ若しくはブタ異種移植片レシピエントであり、又はミニブタ若しくはブタ異種移植片レシピエントと接触した人間である。
【0092】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0093】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0094】
好適具体例において:レシピエントを、ブタ又はミニブタ組織の移植前に、ブタレトロウイルス配列の存在について試験する。
【0095】
他の面において、この発明は、抗ウイルス剤例えば抗ウイルス抗生物質に対するブタレトロウイルスの感受性を調節する(例えば、増加させ又は減少させる)ウイルス突然変異をスクリーニングする方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
治療剤例えば抗ウイルス剤例えば抗ウイルス抗生物質を投与すること;
推定の変異型ブタレトロウイルス株を単離すること;
この推定の変異型ブタレトロウイルス株の構造を決定すること;及び
その構造をSEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ
ID NO:3若しくはその相補鎖と比較すること。
【0096】
他の面において、この発明は、抗ウイルス剤例えば抗ウイルス抗生物質に対するブタレトロウイルスの感受性を調節する(例えば、増加させ又は減少させる)ウイルス突然変異をスクリーニングする方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
ブタレトロウイルスを治療剤例えば抗ウイルス剤例えば抗ウイルス性抗生物質の存在下で増殖させること;及び
合成されたブタレトロウイルスDNAの量を、そのブタレトロウイルスDNAを次の群から選択する第2の配列とハイブリダイズさせることにより測定すること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えばそれぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸。
【0097】
好適具体例において、この方法は、更に、ブタレトロウイルス核酸を、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に特異的にハイブリダイズするプライマーを用いて例えばポリメラーゼ連鎖反応定量的DNA試験(PDQ)により増幅することを含む。
【0098】
好適具体例において:第2の核酸は、Tsukuba-1 レトロウイルス配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)であり;第2の核酸は、ブタレトロウイルスの配列、プローブ又はプライマー(例えば、ここに記載のもの)であり;第2の核酸は、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖である。
【0099】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0100】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0101】
他の面において、この発明は、ブタ由来の生成物を、ブタ若しくはミニブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列(例えば、内因性ミニブタレトロウイルス)の存在又は発現についてスクリーニングする方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
ブタ由来の生成物由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の配列と、ハイブリダイゼーションが起こり得る条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えばそれぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸(ハイブリダイゼーションは、ブタ由来の生成物における内因性ミニブタ若しくはブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列の存在若しくは発現を示す)。
【0102】
好適具体例において、この生成物は:蛋白質生成物例えばインシュリンであり;食物生成物であり;又は細胞性移植片例えば、所望の生成物を発現するように遺伝子工学的に処理されたブタ若しくはミニブタ等の宿主に移植されるべきブタ若しくはミニブタ細胞である。
【0103】
好適具体例において、この方法は、更に、標的核酸を、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に特異的にハイブリダイズするプライマーを用いて増幅することを含む。
【0104】
他の好適具体例において、標的核酸は:DNA、RNA又はcDNAである。
【0105】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0106】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0107】
他の面において、この発明は、トランスジェニックエレメント例えば内因性ブタレトロウイルス挿入部位における塩基の変化例えばAからGへの変化、又は1つ以上のヌクレオチドの挿入若しくは欠失(例えば、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖のレトロウイルスゲノムに対応するレトロウイルスの挿入)を有するトランスジェニックミニブタ又はブタを特徴とする。
【0108】
好適具体例において、トランスジェニックエレメントは、内因性ブタレトロウイルスの活性を変化させるノックアウト(例えば、1つ以上の核酸の欠失、挿入又は転座)である。
【0109】
他の面において、この発明は、内因性ブタレトロウイルスに突然変異(例えば欠失)を挿入することを含む内因性ブタレトロウイルスの発現を阻止する方法を特徴とする。
【0110】
好適具体例において、内因性ブタレトロウイルスは、不活性化されている。
【0111】
好適具体例において、突然変異は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の1つ以上のヌクレオチドの点突然変異、逆転、転座又は欠失であってよい。
【0112】
他の面において、この発明は、組換えウイルス又は他の病原体(例えば、原生動物又はカビ)を検出する方法を特徴とする。この方法は、下記を含む:
ブタレトロウイルス配列を有する病原体を用意すること;及び
この病原体が非ブタレトロウイルス配列を含むかどうかを測定すること(非ブタレトロウイルス配列の存在は、ウイルスの組換えを示す)。
【0113】
好適具体例において、この方法は、更に、レトロウイルスの構造を、そのレトロウイルスの配列をSEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列と比較することにより決定することを含む(差異は、ウイルスの組換えを示す)。
【0114】
好適具体例において、この方法は、更に、このレトロウイルスの構造をヒトのレトロウイルス配列例えばHTLV1、HIV1又はHIV2と比較することを含む(構造の類似性は、ウイルスの組換えを示す)。
【0115】
他の面において、この発明は、例えばドナー、レシピエント又は移植片のゲノムにおけるブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列のコピー数、サイズ又は完全性を測定する方法を特徴とする。この方法は:
ドナー、レシピエント又は移植片由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の配列と、ハイブリダイゼーションが起こり得る条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ
ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156(例えばそれぞれのヌクレオチド3112〜4683、598〜2169及び585〜2156)由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はこれらの天然の変異体;pol蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;
env蛋白質をコードするセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999(例えば、ヌクレオチド86〜1999)、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722(例えば、ヌクレオチド4738〜6722)又はSEQ
ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、又はこれらの天然の変異体;ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの核酸;又はTsukuba
核酸。
【0116】
好適具体例において、この方法は、更に、ブタレトロウイルス核酸を、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に特異的にハイブリダイズするプライマーを用いて例えばポリメラーゼ連鎖反応定量的DNA試験(PDQ)又はネストしたPCRにより増幅することを含む。
【0117】
好適具体例において、標的核酸には:ミニブタから単離されたゲノムDNA;ミニブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ミニブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えば異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたミニブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0118】
好適具体例において、標的核酸には:ブタから単離されたゲノムDNA;ブタから単離されたRNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;ブタの臓器例えば腎臓から単離されたDNA、RNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNA;臓器レシピエント例えばレシピエントブタ若しくは異種レシピエント例えば霊長類例えばヒトに移植されたブタの臓器から単離されたRNA、DNA若しくはcDNA例えばRNAテンプレートから作られたcDNAが含まれる。
【0119】
好適具体例において、第2の核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖に由来する配列と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する。
【0120】
他の好適具体例において:第2の核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満であり;第2の核酸は、完全長のレトロウイルスゲノムである。
【0121】
他の面において、この発明は、組織例えば細胞性若しくは組織移植片(例えば異種移植片)又は移植片レシピエント由来の組織を、ブタ若しくはミニブタレトロウイルス配列(例えば、内因性ミニブタレトロウイルス)の存在又は発現についてスクリーニングする方法を特徴とする。この方法は:組織試料をレトロウイルス蛋白質に特異的な抗体(例えば、抗gag、pol又はenv抗体)と接触させること、及びそれにより、この配列が存在し又は発現されるかどうかを測定することを含む。
【0122】
好適具体例において、この蛋白質は:SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に由来する配列によりコードされる。
【0123】
好適具体例において、組織を:心臓、肺、肝臓、骨髄、腎臓、脳細胞、神経組織、膵臓若しくは膵臓細胞、胸腺、又は腸組織よりなる群から選択する。
【0124】
ポリペプチドの「精製された標品」又は「実質的に純粋な標品」は、ここで用いる場合、それが天然において共存する一種以上の他の蛋白質、脂質及び核酸を含まないポリペプチドを意味する。好ましくは、このポリペプチドは、それを精製するために用いられる物質例えば抗体又はゲルマトリックス例えばポリアクリルアミドからも分離される。好ましくは、このポリペプチドは、精製標品の少なくとも10、20、50、70、80又は95乾重量%を構成する。好ましくは、この標品は:配列決定を可能にするのに十分なポリペプチドを含み;少なくとも1、10若しくは100μgのポリペプチドを含み;少なくとも1、10若しくは100mgのポリペプチドを含む。
【0125】
特異的にハイブリダイズするとは、ここで用いる場合、核酸が、反応混合物中の他の配列にハイブリダイズするよりも実質的に一層顕著な程度に標的配列にハイブリダイズすることを意味する。実質的に一層顕著とは、標的配列が混合物中に存在するかどうかを測定するのに十分な差異を意味する。
【0126】
「治療」は、ここで用いる場合、任意の治療例えば治療剤若しくは物質の投与又は照射を含む。
【0127】
「核酸の精製標品」は、核酸が由来した生物の天然のゲノム中で直接隣接するコード配列(即ち、5’末端側のもの及び3’末端側のもの)の一方若しくは両方と直接隣接していないか;核酸が由来した生物中で共存する核酸配列若しくは蛋白質を実質的に含まないかの一方又は両方である核酸である。この用語は、例えば、ベクターに取り込まれた例えば自律的に複製するプラスミッド若しくはウイルスに取り込まれた又は原核生物若しくは真核生物のゲノムDNA中に取り込まれた組換えDNA、又は他のDNA配列と独立した別個の分子(例えば、PCR又は制限エンドヌクレアーゼ処理により生成されたcDNA又はゲノムDNA断片)として存在する組換えDNAを包含する。実質的に純粋なDNAも又、更なる配列をコードするハイブリッド遺伝子の部分である組換えDNAを包含する。精製されたレトロウイルスゲノムは、宿主核酸又はウイルス蛋白質を実質的に含まない核酸である。
【0128】
「相同な」は、ここで用いる場合、2つのポリペプチド分子間又は2つの核酸分子間の配列類似性をいう。2つの比較された配列の両方のある位置が同じアミノ酸又は塩基モノマーサブユニットにより占められているならば、例えば、もし2つのDNA分子の各々の一の位置がアデニンにより占められているならば、それらの分子は、その位置において相同である。2つの配列間の相同性のパーセントは、それら2つの配列により共有されるマッチングする又は相同な位置の数を比較した位置の数で除して100を乗じたものの関数である。例えば、2つの配列中の位置の10中6がマッチし又は相同であるならば、これら2つの配列は60%相同である。例えば、DNA配列 ATTGCC と TATGGC とは、50%相同性を共有する。一般に、2つの配列を最大の相同性を与えるように整列して比較を行なう。用語配列同一性は、実質的に同じ意味を有する。
【0129】
用語「プロウイルス」又は「内因性レトロウイルス」は、ここで用いる場合、レトロウイルスのインテグレートされた形態をいう。
【0130】
用語「ペプチド」、「蛋白質」及び「ポリペプチド」は、ここでは、交換可能に用いる。
【0131】
ここで用いる場合、用語「トランスジェニックエレメント」は、導入された動物又は細胞に対して部分的に又は完全に異質即ち外来性であるが、その動物のゲノムにそれが挿入された細胞のゲノムを変化させるように挿入されるようにデザインされ若しくは挿入された核酸配列を意味する。この用語は、内因性レトロウイルス配列の配列又は活性化される能力に変化を引き起こすエレメントを包含する。トランスジェニックエレメントの例には、レトロウイルス生成物の活性化の阻止又は誤発現を生じる内因性レトロウイルス配列(又は隣接領域)の変化例えば置換(例えば、AをGの代わりとする)、挿入又は欠失が含まれる。
【0132】
ここで用いる場合、用語「トランスジェニック細胞」は、トランスジェニックエレメントを含む細胞をいう。
【0133】
ここで用いる場合、「トランスジェニック動物」は、その動物の少なくとも1つの好ましくはすべての細胞がトランスジェニックエレメントを含む任意の動物である。このトランスジェニックエレメントは、意図的遺伝子操作例えばマイクロインジェクションにより、細胞に直接に又は間接に、その前駆細胞への導入により導入することができる。この分子は、染色体中にインテグレートされ得るか、又は染色体外で複製するDNAであってよい。
【0134】
ここに記載のように、この発明の一面は、ミニブタ(又はブタ)レトロウイルスゲノムを含む純粋な(又は組換えの)核酸又はその断片、例えばgag−pol又はenvポリペプチドをコードするヌクレオチド配列及び/又はかかる核酸の同等物を特徴とする。用語「核酸」は、ここで用いる場合、断片及び同等物を包含してよい。用語「同等物」は、機能的に同等なポリペプチドをコードするヌクレオチド配列又は機能的に同等なポリペプチド(例えば、gag−pol又はenvポリペプチドに特異的な抗体と反応する能力を保持しているポリペプチド)をいう。同等なヌクレオチド配列は、1つ以上のヌクレオチドの置換、付加又は欠失により異なる配列例えば対立遺伝子変異物を含み、それ故、遺伝コードの縮重のためにここに示したgag、pol又はenvのヌクレオチド配列と異なる配列を含む。
【0135】
「誤発現」は、ここで用いる場合、非野生型パターンの遺伝子発現(例えば、ブタレトロウイルス、例えば Tsukuba-1遺伝子発現、例えばgag、pol又はenv遺伝子発現)をいう。それは:非野生型レベルでの発現(即ち、過剰又は過少発現);遺伝子が発現される時期又はステージに関して野生型と異なる発現パターン、例えば予め決められた発生期間又はステージにおける(野生型と比較して)増大した又は減少した発現;予め決められた細胞型又は組織型における(野生型と比較して)減少した発現によって野生型と異なる発現パターン;発現されたブタレトロウイルス例えば
Tsukuba-1、ポリペプチドのスプライシング、サイズ、アミノ酸配列、翻訳後修飾、安定性又は生物学的活性に関して野生型と異なる発現パターン;環境刺激又は細胞外刺激のブタレトロウイルス例えばTsukuba-1
遺伝子の発現に対する効果に関して野生型と異なる発現パターン、例えば、刺激強度の増大又は減少において(野生型と比較して)増大された又は減少した発現パターンを含む。
【0136】
この発明の方法は、ブタ又はミニブタにて用いることができる。
【0137】
内因性レトロウイルスは、伝統的な育種業務に対して常に感受性ではない潜在的感染源である。多くのプロウイルスは、複製欠損であり、複製できない。プロウイルスは、事実、ある種の刺激により活性化され得、次いで、宿主の細胞機構を用いてウイルス複製を開始することができる。レトロウイルス感染は、しばしば、宿主細胞に有害とならない。しかしながら、ウイルスの複製は、ウイルス血症、悪性形質転換(例えば、ウイルス性オンコジーンの挿入による)、縮重、又は他の挿入効果(例えば、遺伝子不活性化)を生じ得る。かかる感染の効果は、多年にわたって現れないかもしれない。ヒトにおける活性レンチウイルス感染の振舞いのスペクトルは、HIVに比べてよく記載されている。これらには、AIDS、異常な感染及び腫瘍、組換え及び他のウイルス、並びに感染された宿主による防護免疫の発生を阻害し得る抗原変異が含まれる。
【0138】
動物のスクリーニングは、公知のウイルスの活性な複製を伴うドナーの排除を可能にする。不活性なプロウイルスを、遺伝的プローブを用いて検出し、除去又は不活性化することができる。これらの新規なアプローチは、異系交配されたヒト臓器ドナー集団においては可能でない仕方で、ブタ由来の潜在的ヒト病原体の同定及び除去を可能にし、それ故、ヒトの異種移植の開発にとって重要となろう。
【0139】
この発明のブタレトロウイルス配列は又、ブタ又はミニブタ由来の臓器の移植又は異種移植後の内因性ブタレトロウイルスの活性化を検出するための診断用プローブとしても有用である。この発明のブタレトロウイルス配列は又、ブタ又はミニブタ由来の臓器のヒトレシピエントへの移植に関連した危険を評価する診断用ツールをも提供する。これらの配列は又、ミニブタ由来の臓器のヒトレシピエントにおけるレトロウイルス活性化の長期的な評価にも有用である。
【0140】
本発明の実施は、別途指示しない限り、当業者の範囲内にある細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA及び免疫学の慣用技術を用いる。かかる技術は、文献中に十分に説明されている。例えば、Sambrook, Fritsch 及び Maniatis による Molecular Cloning ALaboratory
Manual,第二版(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989 ); DNA Cloning,第I及びII巻(D.N.Glover編、
1985); Oligonucleotide
Synthesis(M.J.Gait 編、1984); Mullis等、 米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid
Hybridization (B.D.Hames 及び
S.J.Higgins編、1984);
Transcription And Translation (B.D.Hames及び
S.J.Higgins編、1984); Culture Of
Animal Cells (R.I.Freshney,
Alan R.Liss, Inc.,1987);
Immobilized Cells And Enzymes (IRL
Press,1986); B.Perbal, A
Practical Guide To MolecularCloning (1984); 学術論文、 Methods
In Enzymology (Academic Press,
Inc.,ニューヨーク); Gene Transfer
Vectors For Mammalian Cells (J.H.Miller及び
M.P. Calos 編、1987, Cold Spring Harbor Laboratory); Methods In Enzymology, 第154 及び155 巻 (Wu等、 編)、
Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology (Mayer及び Walker 編、 Academic Press, London, 1987); Handbook Of Experimental Immunology, 第I-IV巻(D.M.Weir 及び C.C.Blackwell編、 1986); Manipulating the Mouse Embryo (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold
Spring Harbor, ニューヨーク、 1986)を参照されたい。
【0141】
本発明の実施又は試験において、ここに記載したものと類似又は同等の方法及び材料を用いることができるが、好適な方法及び材料を、以下に説明する。ここで言及したすべての刊行物を、参考として援用する。更に、これらの材料、方法及び実施例は、説明するためだけのものであり、制限することを意図したものではない。
【0142】
図面の詳細な説明
図1は、Tsukuba-1 cDNAのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)である。
【0143】
図2は、PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【0144】
図3は、ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3)である。
【0145】
詳細な説明
ミニブタレトロウイルス
移植は、もし完全な感染性のプロウイルスが存在するならば、レトロウイルス活性化の見込みを増大させ得る。移植と関連した多くの現象例えば免疫抑制、移植片拒絶、移植片対宿主病、ウイルス同時感染、細胞毒性治療、放射線療法又は薬物治療は、レトロウイルス発現の活性化を促進することができる。
【0146】
多くの種は、それらのゲノムDNA中にレトロウイルス配列を有すると考えられる。活性化され得た幾つかのインタクトな(完全な)レトロウイルスエレメントは、しばしば、未知である。一度活性化されると、ブタ由来のウイルスは、移植された臓器を超えて広がるためにヒト組織上の適当なレセプターを必要とするであろう。殆どのインタクト内因性プロウイルス(通常、B型及びC型)は、一度活性化されると、病原性でない。しかしながら、他のウイルスとの同時感染、他の内因性ウイルスとの組換え、又は外来のヒト環境におけるウイルスの振舞いの改変は、病原性、臓器特性又はレトロウイルス若しくは他の感染性因子の複製を変化させ得る。
【0147】
ブタウイルスについての配列データの不足は、ヒトゲノムに取り込まれたブタ配列(又はブタレトロウイルス配列)の数又は取り込みの頻度を評価するための努力を妨げてきた。
【0148】
本発明者は、Tsukuba-1 レトロウイルスがミニブタ中に見出されることを示すことにより及びブタレトロウイルス(Tsukuba-1
)ゲノムの完全な配列を提供することにより、一般的な臨床業務における及び一層重要なことには異種移植における内因性レトロウイルスの危険の評価を可能にした。
【0149】
この発明のブタレトロウイルス配列を用いて、異種移植片の移植ドナーのある系統におけるインタクトな(即ち、潜在的に複製する)ブタプロウイルス配列のレベル(例えば、コピー数)を測定することができる。例えば、ミニブタレトロウイルス配列のコピー数を、ここに記載のポリメラーゼ連鎖反応DNA定量(PDQ)法により、又は他の当業者に公知の方法によって測定することができる。この定量技術は、インタクトなブタレトロウイルス配列を有しないか又は低コピー数のウイルスエレメントを有する動物ドナー(例えば、ミニブタドナー)の選択を可能にする。
【0150】
この発明のブタレトロウイルス配列を用いて、突然変異例えば逆転、転座、挿入又は欠失が内因性ブタレトロウイルス配列において起きたかどうかを測定することができる。突然変異したウイルスゲノムは、発現欠損であってよい。例えば、遺伝的障害を、ブタレトロウイルス配列由来のプローブ/プライマーを制限エンドヌクレアーゼで消化した組織の核酸(例えば、ゲノムDNA)にさらすことにより又はブタレトロウイルス配列由来のプローブ/プライマーのドナー例えばミニブタの組織由来の核酸に対するイン・シトゥーハイブリダイゼーションにより同定することができる。或は、ブタレトロウイルスゲノム(例えば、SEQ ID NO:1、2又は3に示したヌクレオチド配列を含む遺伝子)に特異的なプライマーを用いる直接PCR分析を用いて、そのブタレトロウイルスゲノムにおける遺伝的障害の有無を検出することができる。
【0151】
この発明のミニブタレトロウイルス配列を用いて、ゲノム中の又は循環系、細胞若しくは移植組織中のウイルス組換え体{ブタレトロウイルスと免疫無防備状態の移植レシピエントの他の内因性ヒトウイルス若しくは日和見病原体(例えば、サイトメガロウイルス)との間での組換え体}を検出することもできる。例えば、ウイルスゲノムの断片を、SEQ ID NO:1、2又は3由来の配列を増幅のためのプライマー又はハイブリダイゼーションのためのプローブとして用いて、PCRにより又はハイブリダイゼーション(例えば、サザーン又はノーザンブロットハイブリダイゼーション)により検出することができる。
【0152】
この発明のミニブタレトロウイルス配列(例えば、PCRプライマー)は、活性化されたウイルスの定量を可能にする。この発明の配列は又、活性化されたレトロウイルスの組織学的位置決定をも可能にする(例えば、イン・シトゥーハイブリダイゼーションによる)。位置決定は、臨床医が、移植片をヒト宿主の潜在的レトロウイルス感染源として除去すべきか或はレトロウイルス感染が移植片外に位置されたかどうかを測定することを可能にする。この発明の配列(例えば、PCRプライマー)は、活性に複製するウイルスの検出を可能にする(例えば、当業者に公知の逆転写されたPCR技術を用いて)。逆転写酵素測定のための標準的技術は、しばしば、複雑化し、種特異的であり、低感度且つ低特異性であり、偽陽性の結果が発生し得る(サザーン及びノーザン分子ブロッティング用の完全長プローブ使用)。この発明の配列は、ウイルスの活性化についての鋭敏且つ特異的なアッセイを可能にし、これは様々な試験の実施を可能にする(その幾つかを以下に概説する)。
【0153】
この発明は、減少した数のインタクトなプロウイルス挿入を有するドナー動物の試験及び開発を提供する。それは又、レトロウイルスの活性な複製のための条件を与えることがありそうにない免疫抑制養生法の試験をも提供する。一般に、一のレトロウイルスを活性化することがありそうな条件は、未知のレトロウイルスを含む他のウイルス及びサイトメガロウイルス、B型及びC型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(I及びII)を含む公知のヒト病原体を活性化することが一層ありそうである。これらの感染に対する予防的治療の利用可能性を仮定すれば、これらの治療は、ブタレトロウイルスの活性化に感受性であることが知られた患者において予防的に用いることができる。
【0154】
この発明のミニブタレトロウイルス配列を用いて、ヒトにおけるミニブタレトロウイルス感染の、免疫調節又は抗ウイルス治療(例えば抗ウイルス剤例えば抗ウイルス性抗生物質)等の治療に対する応答を測定することができる。HIVを用いて、抗ウイルス性抗生物質に対する感受性は、逆転写酵素遺伝子(RTpol領域)及び他の遺伝子の遺伝子配列により決定される。レトロウイルス遺伝子の正確な配列を決定する能力は、感染中に生じる突然変異(これは、次いで、抗ウイルス剤に対するこのウイルスの耐性を付与する)の検出を可能にする。この発明のプライマー(例えば、RT−pol領域に対するもの)を用いて、ここに記載のPDQ法により突然変異を有する患者からの臨床ウイルス分離株を検出し且つ配列決定することができる。この発明のプライマーを用いて、腫瘍細胞例えば癌細胞例えばリンパ腫又は肝細胞癌腫(異種移植片レシピエント中に発生したもの)がブタレトロウイルスエレメントを含有するかどうかを測定することもできる。
【0155】
この発明のブタレトロウイルス配列を用いて、他の相同なレトロウイルスを検出すること及びこれらが同じか異なるか Tsukuba-1レトロウイルス配列と比較して測定することもできる。例えば、一の種内において、これらのポリメラーゼ遺伝子は、高度に保存されている。gag−pol領域に狙いを定めたPCRアッセイとそれに続く配列分析は、相同なウイルスの検出を可能にする。Tsukuba-1
ウイルスの適当な領域を、ここに記載のように、SEQ ID NO:1由来の配列を用いて測定して更なる5’及び3’ウイルスゲノム配列を同定することができる。本明細書の他所で論じているように、これらのSEQ
ID NO:1由来の配列を用いて、PK−15レトロウイルスインサートの配列(SEQ ID NO:2)及びミニブタ中のレトロウイルス挿入の配列(SEQ ID
NO:3)を得た。
【0156】
この発明のミニブタレトロウイルス配列を用いて、ドナー動物及び異種移植片レシピエントを移植後に、感染について、及び免疫抑制の適当なレベルの測定として、感染に対する感受性を考慮してスクリーニングすることができる。医師、医療スタッフ、家族又は移植片レシピエントと接触する個人その他を、異種移植片レシピエントに由来するウイルスの感染についてスクリーニングすることができる。一般に、集団のメンバーをスクリーニングすることもできる。かかるスクリーニングを、共同生活体の広い疫学的研究に利用することができる。これらの方法は、F.D.A.の要求を満たして、レシピエント及び異種移植片移植により共同生活体に導入される新たなウイルスにさらされる共同生活体の安全を増すことを考えるのを助け得る。
【0157】
Suzuka等、1989, FEBS 198:339に示されたように、ブタレトロウイルス例えばTsukuba-1
ゲノムは、環状分子として存在し得る。クローニングに際して、この環状分子は、一般に、開裂されて線状分子を生じる。当業者に理解されるであろうが、生じる線状分子の開始点と終点並びにこのウイルス配列の相対的サブ領域は、当然、開裂点によって変化する。例えば、Suzuka等の文献では、LTRは、内部断片中にあることが示されている。これは、ここでは、SEQ
ID NO:1におけるgag、pol、envの順序が、他所ではこれらの領域の順序が天然のgag、pol、envの順に与えられているのに、env、gag、polであることに示されている。
ブタレトロウイルス(Tsukuba-1 )ゲノム配列由来のプライマー
この発明の方法において有用な種々のプライマーの幾つかを、ここに記載した。当業者は、SEQ
ID NO:1のウイルス配列由来の更なるプライマーを当分野で公知の方法を用いて同定することができる。例えば、潜在的に有用なプライマーを同定することを試みる場合、当業者は、高い融解温度でSEQ
ID NO:1にハイブリダイズする配列(配列は、約15〜30ヌクレオチド長であるべきである);ヌクレオチドの釣り合った分布例えばA、T、C及びGの釣り合った分布を有する配列;末端にC又はGを有する配列;自己とハイブリダイズせず又は内部に相補性を有しない配列を探すであろう。
【0158】
ブタレトロウイルス(Tsukuba-1 )ゲノム配列由来のプライマーの利用
I.移植前の臓器又は細胞の試験
潜在的ドナー動物を、移植に用いる前に活性なレトロウイルス複製についてスクリーニングすることができる。これは、活性なウイルス複製を受けている動物を回避することを可能にする。複製するウイルスは、しばしば、レシピエントの100%において感染性であるが、他方、複製していない、潜伏期のプロウイルスは、一般に、レシピエントの5〜25%において感染を引き起こす。
【0159】
II.レシピエントの試験
一連の試料(例えば、白血球の試料)を、移植片のレシピエントから、月毎に得ることができる(例えば、最初の月及びその後3か月ごと)。移植片機能の評価のために得た組織バイオプシーを用いて、移植片組織中のレトロウイルス配列の又は発現レトロウイルス配列の活性化を評価することができる。試料を、相同なウイルスに、このウイルスゲノムの部分を含むウイルス組換え体に、及び他のレトロウイルスに特異的なレトロウイルス感染の存在について、例えば、このウイルスのpol領域(保存されていることが最もありそうな領域)に対するPCRプライマーを用いてスクリーニングすることができる。もしウイルスが検出されれば、定量的PCRを利用して、ウイルス生成の相対的安定性を測定することができる。異種移植片レシピエントから単離された細胞を、内因性ウイルスを含有することが知られている許容性のヒト及びブタ(例えば、ブタの卵管、マクロファージ又は精巣)細胞系統との同時培養により試験することができる。単離されたウイルスを、親株との相同性及び抗ウイルス剤(例えば、抗ウイルス性抗体)に対する感受性に影響を及ぼし得る突然変異について試験する。
【0160】
III.外科及び医療職員及び移植片レシピエントの家族の試験
試料(例えば、白血球)を、外科及び医療職員並びにレシピエントの家族から移植前に及び最初の年には3か月置きに、その後は少なくとも年一回、預かる(保管する)ことができる。予防的研究を、これらの試料について行なうこともできる。これらの試料を、レシピエントがウイルス血症になるかどうか又は異常な臨床的な現われがこれらの個人において注目されるかどうかを試験することができる。
【0161】
IV.腫瘍細胞の試験
移植片から又は移植片レシピエントから発生する腫瘍細胞を、活性なレトロウイルスの存在について及びプロウイルスの存在について試験することができる。
【0162】
V.患者の試験
患者を、臨床状況における任意の有意の変化について又は、ウイルス活性化の増大した危険に関連し得る移植片拒絶の増大した免疫抑制について再試験することができる。
ブタレトロウイルス(Tsukuba-1 )ゲノムの配列決定
8060bpのXhoIブタレトロウイルス(Tsukuba-1 )インサートを含むクローン(Pλ8.8)を用いて、コンピテントな大腸菌をトランスフェクトしてDNAを配列決定用に単離した。この8060bpのブタレトロウイルスゲノムを配列決定するのに用いるストラテジーは、以下に概説する手順の組合せを含んだ。
【0163】
このクローン(Pλ8.8)のランダムフラグメント(1〜3kb)を超音波処理により生成した。これらのフラグメントを、鈍端化し、pBluescript SKベクターのEcoRV部位にサブクローン化した。プラスミッドDNAを、改変したアルカリ溶解手順を用いて調製した。DNA配列決定を、DyeDeoxyターミネーション反応(ABI
)を用いて行なった。塩基特異的な蛍光染料を標識として用いた。配列決定反応物を4.75%ポリアクリルアミドゲル上でABI373A-S は373S自動シーケンサーにより分析した。次のデータ分析をSequencer
(商標)3.0 ソフトウェアにて行なった。下記の内部配列決定用プライマーを合成した:

8060bpのXhoIブタレトロウイルス(Tsukuba-1 )インサートを含むクローン(Pλ8.8)を、ATCCに1995年12月27日に寄託した(ATCC寄託番号97396)。
ミニブタ中のブタレトロウイルス(Tsukuba-1 )コピー数の測定
全ゲノムDNAをミニブタの腎臓から、当分野で公知の方法により単離した。単離したゲノムDNAを、EcoRI又はHindIII制限酵素の何れかで消化した。このDNA消化物を、アガロースゲル上で電気泳動し、サザーンブロットして完全長の精製したTsukuba-1 配列(SEQ ID NO:1)と厳しい条件下(0.1×SSC、65℃)でハイブリダイズさせた。両消化試料(EcoRI又はHindIII)において、ミニブタゲノムの高分子フラグメント(16Kbのサイズ)の少なくとも6コピーが、SEQ
ID NO:1にハイブリダイズしたが、これは、ブタDNA中の相同なレトロウイルス配列の存在を示している。
ポリメラーゼ連鎖反応DNA定量(PDQ)による感受性試験
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)DNA定量(PDQ)感受性試験を用いて、ブタレトロウイルス単離株のヌクレオチド感度を迅速且つ直接に測定することができる。
PCRを用いて、末梢血中の単核細胞のイン・ビトロ感染後に合成されたブタレトロウイルスRNAの量を定量することができる。種々の薬物濃度に維持された培養からの細胞溶解物中のブタレトロウイルスRNAの相対的量は、ウイルス複製の薬物阻止を反映する。PDQ法を用いて、感染性の滴定及び感受性試験の両方を、末梢血の単核細胞の初代培養由来の上清について行なうことができる。
【0164】
PDQ実験を、本質的に、Eron等 PNAS USA 89:3241-3245,
1992に記載されたようにして行なうことができる。簡単にいえば、ウイルス試料の一連の希釈物のアリコート(150μl)を用いて、平底24ウェルプレート(Corning
)のウェル当り1.5mlの成長培地中で、2×106 のPHA刺激されたドナーのPBMCに感染させることができる。個々の細胞試料を、計数して、収穫し、48、72及び96時間溶解させる。次いで、定量的PCR及びブタレトロウイルスコピー数測定を、各溶解物について二連で行なうことができる。
【0165】
PDQ感染性滴定アッセイの結果を用いて、その後のPDQ感受性試験において用いる希釈度及び培養時間の長さを決定することができる。これらのパラメーターは、未処理の対照用感染に対するブタレトロウイルス特異的なPCR生成物の収量が、漸近的最大値又はプラトーに達する前のブタレトロウイルスコピー数標準曲線上に来るように選択すべきである。PHA刺激されたドナーのPBMCを、薬物と共に感染前に4時間インキュベートすることができる。24ウェルプレート中の二連のウェルは、試験される各薬物濃度及び未処理の感染対照に対して同一のブタレトロウイルス接種物を受けるべきである。未感染対照及び薬物毒性対照を、各実験に含ませるべきである。すべての培養物を収穫して、48又は72時間後にPCT用に細胞を溶解させることができる。前に特性決定された単離株を、各実験において、アッセイ標準として用いることができる。
【0166】
細胞ペレットを、様々な容積の溶解緩衝液(50mM KCl/10mMトリス・HCl、pH8.3/2.5mM MgCl2 /0.5%NonidetP−40/ツイーン20/0.01%プロテイナーゼK)にて溶解させて、1.2×104 細胞同等物/μlの濃度を生じることができる。細胞溶解物のDNA濃度についての均一性は、代表的実験において、Hoechst
33258 蛍光(Mini-Fluorometer, Hoefer)の増強により確認すべきである。
【0167】
保存されたプライマー対を、pol遺伝子配列により合成することができる。次いで、これらのプライマーを用いて、溶解物の1.2×105 細胞同等物からPCR(GeneAmp,
Cetus)を用いて標準的条件下でブタレトロウイルスpol遺伝子の1580塩基対断片を増幅することができる。
ブタレトロウイルスpol遺伝子増幅生成物を、(Conway, B.C.(1990)Techniques in HIV Research中 (Aldovani及びWalker編)(Stockton,ニューヨーク) 40-46頁)に記載されたようにして、特異的に検出して定量することができる。熱変性したPCR生成物を、ストレプトアビジン被覆したミクロ滴定プレートのウェル中で、ビオチン化した捕獲用プローブ及びセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識した検出用プローブの両者と60分間37℃でハイブリダイズさせることができる[酵素結合オリゴヌクレオチドサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイ((ELOSA),マサチューセッツ、Billerica在、DuPont Medical Products)。何回も洗ってプローブ−DNAハイブリッド以外のすべての反応物を除去した後に、HRP色原体、テトラメチルベンジジン(TMBlue,
マサチューセッツ、 Wocester在、 Transgenic Sciences )を各ウェルに加えるべきである。HRP触媒された色の展開を、1時間後に、硫酸を0.65Mまで添加することにより停止すべきである。450nmでの吸光度(OD)を、自動化ミクロ滴定プレートリーダー(ノースカロライナ、
Hillsborough在、 SLT Labinstruments)にて測定することができる。
【0168】
ブタレトロウイルスDNAコピー数の標準曲線を、各PCRにおいて、細胞当り1つのブタレトロウイルスゲノムを含む細胞の希釈シリーズを用いることにより生成することができる。
同遺伝子型DNAターゲティングベクターを用いるTsukuba-1 ウイルス配列のノックアウトを有するミニブタの作成
同遺伝子型DNA、又はターゲティングベクターと染色体中のターゲティングDNAとの間で配列において実質的に同じであるDNAは、相同組換え事象の頻度及び遺伝子ターゲティング効率を大いに増大させる。同遺伝子型DNAターゲティングベクターを用いて、80%以上のターゲティング頻度を、マウスの胎児幹細胞において達成することができる。これは、通常約0.5〜5%の(即ち、同遺伝子型DNAベクターよりほぼ2桁低い)ターゲティング頻度を生じる非同遺伝子型DNAベクターと対照的である。同遺伝子型DNA構築物は、ランダムインテグレーションではなく相同組換えによって優勢に染色体中にインテグレートされる。その結果、ウイルス配列(例えばウイルス遺伝子)のターゲティングによる突然変異誘発を、入念な選択プロトコールの利用に役立たない接合体を含む生物学的系において行なうことができ、活性化可能なウイルス配列を含まないか又は減少した数だけ有する動物(例えばミニブタ)の生成を生じる。実行可能であるべき同遺伝子型DNAアプローチのために、ターゲティングベクターは、ターゲティングの対象とされる生物のDNAと同じDNA源から構築すべきである。理想的には、同遺伝子型DNAターゲティングを、すべての遺伝子座がホモ接合である同系交配の動物の系統内で例えば同系交配のミニブタの系統内で行なう。この系統の任意の動物は、同遺伝子型ターゲティングベクターを生成するための起源として役立ち得る。この同遺伝子型ジーンターゲティングのプロトコールは、TeRiele 等、 PNAS 89:5128-5132,1992及びPCT/US92/07184(参考として本明細書中に援用する)に概説されている。Tsukuba-1
ノックアウトミニブタを生成するためのプロトコールを、以下に、簡単に記載する。
【0169】
挿入ベクターを、Hasty及びBradley (Gene Targeting Vectors for Mammalian Cells,
in Gene Targeting: A Practical Approach, Alexandra L. Joyner 編、 IRL Press 1993)により記載されたようにデザインする。挿入ベクターは、唯一つの交差事象が自然のままの遺伝子座への相同組換えによるインテグレーションのために起きることを必要とする。二本鎖が切れて、高度に組換え誘発的であることが知られているベクターの2つの末端は、染色体上の隣接配列上に位置される。かかる構築物のターゲティング頻度は、30〜50%の範囲内である。挿入ベクターの一つの不都合は、一般に、導入されて潜在的に遺伝子座を不安定にする配列複製に関係する。これらすべての構築物は、標準的クローニング手順を用いて作られる。
【0170】
置換ベクターも又、Hasty 及びBradley により詳細に記載されている。概念的に挿入ベクターより一層直接的であることには、置換ベクターは、Tsukuba-1
ゲノム配列のストレッチの本質的に同一線型順序の断片を用いる。好ましくは、同遺伝子型置換ベクターが構築されるDNA配列は、約6〜10kbの連続したDNAを含む。2つの交差(選択マーカーの何れかの側のもの)は、変異したターゲティングベクターをインテグレートさせて、野生型遺伝子を置換する。
【0171】
同遺伝子型のトランスジーンDNAの接合子期のブタ胎児(1細胞胚)の前核の1つへのマイクロインジェクションを、以前に記載されたプロトコール(Hammer等 1985, Nature 315,680; Pursel 等 1989, Science 244,1281 )の改変により達成する。ドナーブタ(例えば、ハプロタイプ特異的なミニブタ)の年齢及び体重は、成功するために非常に重要である。最適には、これらの動物は、8〜10月齢で体重70〜85lbである。これは、トランスジーンのマイクロインジェクションのための1細胞胚の十分な供給を得る可能性を増大させる。多くの胚ドナーからのこのステージの胚収集の正確なタイミングを可能にするために、若雌ブタを、合成プロゲステロン(Regumate)の標品を用いて同期させる。ホルモン移植物を、指定された若雌ブタに胚収集日の30日前に適用する。20日後、収集日の10日前に、移植物を取り出し、これらの動物を、更なるホルモンで処理して、マイクロインジェクション用の胚の数を増大させる過剰排卵を誘発する。移植物除去の3日後に、これらの動物を、400〜1000IUの妊馬血清ゴナドトロピン(PMSG)で処理し、3〜4日後に750IUのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)で処理する。これらの動物を、hCGの注射後2日続けて人工受精により交配させる。
【0172】
胚収集を次のように行なう:最初のhCGの注射の3日後に、これらの動物をテラゾール(3mg/lb)、ロムパム(2mg/lb)及びアトロピン(1mg/lb)の筋肉注射により麻酔する。正中線開腹術を行ない、生殖管を体外に出す。接合子の収集を、卵管の膨大部にカニューレを挿入して予め39℃に暖めた10〜15mlの燐酸塩緩衝液でこの卵管をフラッシュすることにより行なう。収集後、ドナー動物を、USDAガイドラインに従って、手術からの回復の準備をさせる。2回胚収集に用いた動物は、USDAガイドラインに従って安楽死させる。
【0173】
トランスジーンDNAの接合子の前核への注入を、次に要約したようにして行なう:接合子を10%ウシ胎児血清を補った培地HAMF−12中に38℃で維持する(5%CO2 大気中)。注入のために、これらの接合子を、BMOC−2培地中に置き、13,000gで遠心分離して胚の脂質を分配して前核を可視化する。これらの胚を、軽パラフィン油を重層した同じ培地を含有する注入用チャンバー(くぼみのあるスライドガラス)中に置く。マイクロインジェクションを、Normarski
光学機器及びNarishige マイクロマニピュレーターを備えたNikon Diaphot 倒立顕微鏡にて行なう。40×レンズ倍率を用いて、これらの胚を保持用ピペットを用いて適所に保持し、トランスジェニックエレメント例えば変異したウイルス遺伝子を含むDNAの溶液(2μg/ml)を吸い込ませたガラス針を用いて注入する。この溶液の約2ピコリットル(4フェムトグラムのDNA)の注入(約500コピーのトランスジェニックエレメント例えば変異したウイルス遺伝子に等しい)を、約50%だけ前核が膨張することにより監視する。注入した胚を、レシピエント動物へのトランスファーの前に、インキュベーター中に置く。
【0174】
レシピエント動物を、ドナー動物と同様に用意するが、過剰排卵させることはしない。注入した胚のトランスファーの前に、レシピエントの若雌ブタを麻酔して、腹部を縦方向の切開により外科的に開いて卵巣を体外に出す。多数の黄体を有する卵巣に対して同側性の卵管をフラッシュし、胚をチェックして動物が生殖的に健全であるかどうかを評価する。トランスジェニックエレメント例えば変異したウイルス遺伝子を注入した約4〜6個の接合子をフラッシュした卵管に移して、腹部切開を縫合し、そしてこれらの動物を回復のための暖かい場所に置く。妊娠の状態を、超音波により監視する(25日目に開始し、又は移植予定日後約1週間監視する)。妊娠したレシピエントを、分娩まで、別々に収容する。
【0175】
新生仔ブタを、トランスジェニックエレメントの染色体DNAへのインテグレーションについて分析する。ゲノムDNAを、耳パンチ又は血液試料から抽出して、初期スクリーニングをPCRを用いて行なう。潜在的にトランスジェニックエレメント陽性である動物を、サザーン分析により確認する。トランスジェニック創出(founder )動物を更に、サザーン分析を用いて、トランスジェニックエレメントインテグレーションの遺伝子座に関する分析にかける。
【0176】
内因性ブタレトロウイルスインサート及びブタPK−15細胞中のレトロウイルスインサートの単離及び配列決定
PK15及びPAL内因性レトロウイルスのクローニング
I. ポリA+ RNAの単離
末梢血リンパ球(PBL)を、ハプロタイプd/dのミニブタから当分野で公知の標準的プロトコールを用いて調製した。これらのPBLを、1%フィトヘマグルチニン(PHA)の存在下で約84時間培養した。活性化したPBLを集めて全RNAを市販のキット例えば Gentra's (ミネソタ、 Minneapolis 在)のPUREscript Kitを用いて単離した。ポリA+RNAを、全RNAから、別の市販品Dynal
Dynabeads (ニューヨーク、 Lake Success在)を用いて単離した。ブタレトロウイルスプローブを用いるこのRNAのノーザン分析は、潜在的に完全長のレトロウイルスゲノムRNAの存在を確実にした。PK15細胞由来のRNAを同様のプロトコールを用いて単離した。
II. cDNAライブラリーの構築
cDNA合成用のSuperscript Choice System (Life
Technologies Ltd,Gibco BRL, メリーランド、 Gaithersburg 在)を用いて、cDNAライブラリーを、オリゴdTを用いて構築して第1鎖cDNAを作製した。Superscript
逆転写酵素の利用が、完全長のレトロウイルス(RV)cDNAを得るために重要であった。このcDNAライブラリーを、電気泳動により4kbより大きいサイズの断片を選択することにより、大きいcDNA断片を富化した。これらのcDNAを、1〜12kbの範囲のインサートを受け入れる数少ない市販のcDNAベクターの1つであるLambda
ZAP Express(カリフォルニア、 Palo Alto在、 ClontechLaboratories)中にクローン化した。
III. cDNAライブラリーのスクリーニング
0.75〜1.2×106 の独立のクローンを、gag及びpolプローブ又はgag及びenvプローブの何れかを用いてスクリーニングした。二重陽性クローンを、更に、単独の単離株が得られるまで精製した(更なる1〜2回のスクリーニング)。
IV. これらのクローンの特性決定
18〜30の二重陽性クローンを、評価のために選択した。ラムダDNAを、標準的プロトコール例えば Lambda DNA Kit (カリフォルニア、 Chatsworth 在、 QiagenInc.)を用いて調製した。これらのクローンをPCRにより分析して、(a)RV遺伝子についてチェックし、(b)インサート及びLTR領域のサイズを測定した。インサートのサイズを確認し、これらのクローンの分類を試みるために制限消化も行なった。最長のインサートを含む及び矛盾せず予想されるPCRデータを有するクローンを配列決定した。
【0177】
細胞、組織、器官、ミニブタ又はレシピエント宿主(例えば、霊長類、ヒト)における内因性レトロウイルスの存在の検出用のPCRベースのアッセイの開発
市販のコンピューターソフトウェアプログラム(例えば、RightPrimer,
Oligo4.0, MacVector又はGeneworks )を用いて、ここに開示した配列を、PCRプライマー対の選択のために分析することができる。プライマー対の一般的選択の基準は、下記を含む:
a. 各プライマーのTmは、65〜70℃である
b. 各対のTmは、差が3℃以下である
c. PCR断片は、200〜800bp長である
d. 各対に関して、反復、自己相補性塩基、プライマー2量体の問題はない
【0178】
A. ブタ特異的なPCRアッセイのための更なる基準
a.プライマーを、配列のブタ特異的な領域内で(例えば、gag、env又はU3内で)選択する。ブタ特異的なプライマーは、全体的に、ヒト、マウス及び霊長類レトロウイルスの対応する領域に対して70%未満の相同性を有する配列として規定される。更に、このプライマーの3’末端の最後の5塩基は、ブタレトロウイルス配列に対してユニークであるべきである。
b.プライマーは、ここに開示したミニブタ及びレトロウイルス配列に基づく1つ又は2つ以下のミスマッチの塩基を有するべきである。これらのミスマッチ塩基は、少なくともプライマーの3’末端の3〜4塩基内にあるべきでない。
B. ミニブタ特異的なPCRアッセイのための更なる基準
a.プライマーを、少なくとも1つ又は2つのミスマッチが、ミニブタと家畜ブタの配列の間に存在するように選択する。少なくとも3つのミスマッチのうち1つは、このプライマーの3’末端の最後の3〜4塩基内に位置されるべきである。好ましくは、これらのミスマッチは、ミニブタ中のG又はCの何れかから家畜ブタ中のA又はTへの変化である。
【0179】
RT−PCRストラテジー
断片の常例的増幅のための市販のRT−PCRキットが多数ある。幾つかのプライマー対を試験してTm及び特異性を確認すべきである。配列中のプライマーの位置は、部分的に、何の問題が答えられるかに依存している。RT−PCRは、RV配列の発現及び存在に関する問題に答えるべきである。PCRは、レトロウイルス配列が完全長であるか又は複製能力を有するレトロウイルスをコードするかの問題に必ずしも答えない。これらの試験における陽性シグナルは、RV配列が存在することをいうだけである。完全長のウイルスゲノムが存在する可能性の表示は、U5及びU3中のプライマーを用いるロングPCRを行なうことにより得ることができる。ロングRT−PCR増幅のための市販のキットが、利用できる(Takara RNA LA PCR Kit )。完全長ウイルスゲノムの確認は、感染性の研究及び/又はウイルス粒子の単離を必要とする。
ノーザン分析は、RT−PCRデータを補足する。完全長ウイルスゲノムの、env、U3又はU5由来のハイブリダイゼーションプローブを用いる予想されたサイズにおけるバンドの検出は、一層強力な証拠を提供する。他の小さいハイブリダイズするバンドの存在は、存在する欠損ウイルス断片の量を示すものであろう。
【0180】
ブタレトロウイルス蛋白質、ポリペプチド又はペプチドの存在を検出するためのElisaベースのアッセイ
核酸ベースの例えばPCRベースのアッセイの利用に加えて、レトロウイルス配列の存在を検出するために、ELISAベースのアッセイが、ブタレトロウイルス蛋白質、ポリペプチド及びペプチドの存在を検出することができる。
【0181】
ELISAを展開する基本的ステップには、(a)ブタレトロウイルス特異的なペプチド、ポリペプチド及び蛋白質の生成;(b)ブタレトロウイルス配列に特異的な抗体の生成;(c)アッセイの展開が含まれる。
【0182】
ここに開示したレトロウイルス配列を用いて、抗原性ペプチドを、コンピューターベースのプログラム例えば MacVector又はGeneworks を用いてデザインしてレトロウイルス配列を分析することができる。或は、ブタレトロウイルス配列を遺伝子発現系において発現させて、発現されたポリペプチド又は蛋白質を精製することが可能である。合成後に、これらのペプチド、ポリペプチド又は蛋白質を用いてマウス又はウサギを免疫し、抗体を含む血清を発生させる。
【0183】
ブタレトロウイルス特異的な抗体を得たならば、ELISAを、次のように展開することができる。ELISAプレートを、試験すべき分析物と反応するある容積のポリクローナル又はモノクローナル抗体(捕捉用抗体)で被覆する。かかる分析物には、ブタレトロウイルス又はレトロウイルス蛋白質例えばenv又はp24が含まれる。次いで、これらのELISAプレートを、一晩、4℃にインキュベートする。次いで、被覆したプレートを洗い、ある容積のブロッキング試薬でブロックして、非特異的ハイブリダイゼーションを減じ又は阻止する。かかるブロッキング試薬には、ウシ血清アルブミン(BSA)、ウシ胎児血清(FBS)、ミルク又はゼラチンが含まれる。ブロッキング工程のための温度は、37℃である。プレートを直ちに用いることもできるし、必要になるまで−20℃で凍結保存することもできる。次いで、これらのプレートを洗い、分析物の連続希釈物を載せて、37℃でインキュベートし、そして再度洗浄する。結合した分析物を、検出用抗体を用いて検出する。検出用抗体には、酵素結合、フルオレセイン化、ビオチン結合した、又はその他の標識されたポリクローナル若しくはモノクローナル抗体(この分析物と反応するもの)が含まれる。もしモノクローナル抗体を用いるならば、この検出用抗体は、捕捉用抗体とは異なるエピトープを認識すべきである。
【0184】
他の具体例
他の面において、この発明は、ブタ又はミニブタ例えばTsukuba-1 レトロウイルスgagポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するか又は含む実質的に純粋な核酸を提供する。
【0185】
好適具体例において:この核酸は、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839由来のヌクレオチド配列であり又は該配列を含み;この核酸は、SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839に対応する核酸配列と少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%相同であり;又は厳しい条件下でSEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839にハイブリダイズする配列により;この核酸は、少なくとも25、50、100、200、300、400、500又は1,000塩基長であるSEQ
ID NO:1の断片を含み;この核酸は、遺伝コードの縮重のために、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839に対応するヌクレオチド配列と異なり;この核酸は、1ヌクレオチド以上で5、10、15又は20ヌクレオチド未満だけSEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839に対応する核酸配列と異なる(好ましくは、活性なペプチドをコードする)。
【0186】
更に別の好適具体例において、この発明の核酸は、厳しい条件下で、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839由来の少なくとも12個の連続するヌクレオチドに、一層好ましくはSEQ
ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839由来の少なくとも20個の連続するヌクレオチドに、又は更に好ましくはSEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839由来の少なくとも40個の連続するヌクレオチドに対応する核酸プローブにハイブリダイズする。
【0187】
他の面において、この発明は、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839に対応するヌクレオチド配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%相同性を有する精製した組換え核酸を特徴とする。
【0188】
この発明は又、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含み又は該オリゴヌクレオチドよりなるプローブ又はプライマーを提供する。このオリゴヌクレオチドは、厳しい条件下で、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839由来のセンス又はアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレオチド配列又はこれらの天然の変異体の領域を含む。好適具体例において、プローブ又はプライマーは、更に、それらに付着された標識を含む。この標識は、例えば、放射性同位体、蛍光化合物、酵素及び/又は酵素補因子であってよい。好ましくは、このオリゴヌクレオチドは、10ヌクレオチド長以上であり且つ20、30、50、100又は150ヌクレオチド長未満である。この発明の好適プライマーには、SEQ
ID NO:32〜37の何れかに示したヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドが含まれる。
【0189】
この発明は、この発明のポリペプチドをコードする核酸(例えば、RNA又はDNA)を含む。これには、二本鎖核酸並びにコード鎖及びアンチセンス一本鎖が含まれる。
【0190】
他の面において、この発明は、ブタ又はミニブタ例えばTsukuba-1 レトロウイルスpolポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するか又は含む実質的に純粋な核酸を提供する。
【0191】
好適具体例において:この核酸は、SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060に対応するのヌクレオチド配列であり又は該配列を含み;この核酸は、SEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060に対応する核酸配列と少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%相同であり;又は厳しい条件下でSEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060にハイブリダイズする配列により;この核酸は、少なくとも25、50、100、200、300、400、500又は1,000塩基長であるSEQ
ID NO:1の断片を含み;この核酸は、遺伝コードの縮重のために、SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060に対応するヌクレオチド配列と異なり;この核酸は、1ヌクレオチド以上で5、10、15又は20ヌクレオチド未満だけSEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060に対応する核酸配列と異なる(好ましくは、活性なペプチドをコードする)。
【0192】
更に別の好適具体例において、この発明の核酸は、厳しい条件下で、SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060由来の少なくとも12個の連続するヌクレオチドに、一層好ましくはSEQ
ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060由来の少なくとも20個の連続するヌクレオチドに、又は更に好ましくはSEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060由来の少なくとも40個の連続するヌクレオチドに対応する核酸プローブにハイブリダイズする。
【0193】
他の面において、この発明は、SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060に対応するヌクレオチド配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%相同性を有する精製した組換え核酸を特徴とする。
【0194】
この発明は又、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含み又は該オリゴヌクレオチドよりなるプローブ又はプライマーを提供する。このオリゴヌクレオチドは、厳しい条件下で、SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060由来のセンス又はアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレオチド配列又はこれらの天然の変異体の領域を含む。好適具体例において、プローブ又はプライマーは、更に、それらに付着された標識を含む。この標識は、例えば、放射性同位体、蛍光化合物、酵素及び/又は酵素補因子であってよい。好ましくは、このオリゴヌクレオチドは、10ヌクレオチド長以上であり且つ20、30、50、100又は150ヌクレオチド長未満である。この発明の好適プライマーには、SEQ
ID NO:38〜47の何れかに示したヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドが含まれる。
【0195】
この発明は、この発明のポリペプチドをコードする核酸(例えば、RNA又はDNA)を含む。これには、二本鎖核酸並びにコード鎖及びアンチセンス一本鎖が含まれる。
【0196】
他の面において、この発明は、ブタ又はミニブタ例えばTsukuba-1 レトロウイルスenvポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するか又は含む実質的に純粋な核酸を提供する。
【0197】
好適具体例において:この核酸は、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999に対応するのヌクレオチド配列であり又は該配列を含み;この核酸は、SEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999に対応する核酸配列と少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%相同であり;又は厳しい条件下でSEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999にハイブリダイズする配列により;この核酸は、少なくとも25、50、100、200、300、400、500又は1,000塩基長であるSEQ
ID NO:1の断片を含み;この核酸は、遺伝コードの縮重のために、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999に対応するヌクレオチド配列と異なり;この核酸は、1ヌクレオチド以上で5、10、15又は20ヌクレオチド未満だけSEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999に対応する核酸配列と異なる(好ましくは、活性なペプチドをコードする)。
【0198】
更に別の好適具体例において、この発明の核酸は、厳しい条件下で、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999由来の少なくとも12個の連続するヌクレオチドに、一層好ましくはSEQ
ID NO:1のヌクレオチド2〜1999由来の少なくとも20個の連続するヌクレオチドに、又は更に好ましくはSEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999由来の少なくとも40個の連続するヌクレオチドに対応する核酸プローブにハイブリダイズする。
【0199】
他の面において、この発明は、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999に対応するヌクレオチド配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%相同性を有する精製した組換え核酸を特徴とする。
【0200】
この発明は又、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含み又は該オリゴヌクレオチドよりなるプローブ又はプライマーを提供する。このオリゴヌクレオチドは、厳しい条件下で、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999由来のセンス又はアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレオチド配列又はこれらの天然の変異体の領域を含む。好適具体例において、プローブ又はプライマーは、更に、それらに付着された標識を含む。この標識は、例えば、放射性同位体、蛍光化合物、酵素及び/又は酵素補因子であってよい。好ましくは、このオリゴヌクレオチドは、10ヌクレオチド長以上であり且つ20、30、50、100又は150ヌクレオチド長未満である。この発明の好適プライマーには、SEQ
ID NO:6〜31の何れかに示したヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドが含まれる。
【0201】
この発明は、この発明のポリペプチドをコードする核酸(例えば、RNA又はDNA)を含む。これには、二本鎖核酸並びにコード鎖及びアンチセンス一本鎖が含まれる。
【0202】
次のものもこの発明に含まれる:対立遺伝子変異体;天然の変異体;誘導された変異体(厳しい条件下又は穏やかな条件下で、SEQ ID NO:1、2又は3の核酸とハイブリダイズする)(該条件については、Current Protocols in
MolecularBiology, John Wiley & Sons, ニューヨーク、 1989, 6.3.1-6.3.6 (参考として本明細書中に援用する)を参照されたい)。
【0203】
この発明は又、ブタ又はミニブタのレトロウイルスポリペプチド(例えば、gag、pol又はenvポリペプチド)又はこれらの断片(好ましくは、かかるポリペプチドの生物学的に活性な断片又はアナログ)の精製された標品をも含む。好適具体例において:これらのポリペプチドは、ミニブタレトロウイルスポリペプチドであり;これらのポリペプチドは、Tsukuba ポリペプチドであり;これらのポリペプチドは、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ
ID NO:3若しくはその相補鎖又はこれらの天然の変異体によりコードされるgag、pol又はenvポリペプチドである。
【0204】
生物学的に活性な断片又はアナログは、ここに記載のTsukuba-1 ポリペプチド特性であり又は他の天然のTsukuba-1
ポリペプチドの特性である任意のイン・ビボ又はイン・ビトロの活性を有するものである。断片には、自然のままの又は内因性細胞において発現されるもの(例えば、翻訳後プロセッシングの結果、例えばアミノ末端シグナル配列の除去の結果)並びに発現系において(例えば、CHO細胞において)作られるものが含まれる。有用なポリペプチド断片又はポリペプチドアナログは、Tsukuba-1
ポリペプチド活性についての任意の生物学的アッセイにおいて生物学的活性を示すものである。最も好ましくは、この断片又はアナログは、任意のイン・ビボ又はイン・ビトロのTsukuba-1
ポリペプチドアッセイにおいて、Tsukuba-1 ポリペプチドの活性の10%、好ましくは40%又は少なくとも90%を有する。
【0205】
かかるポリペプチドを得るために、ポリペプチドをコードするDNAを発現ベクターに導入し、そのベクターを所望の蛋白質の発現に適した細胞に導入して、従来法により、このペプチドを回収して精製することができる。これらのポリペプチドに対する抗体を、動物例えばウサギ又はマウスを免疫して、従来法により抗体を回収することにより作成することができる。
【0206】
この発明は又、精製された核酸であって、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖と少なくとも60%、70%、72%の、一層好ましくは少なくとも85%の、一層好ましくは少なくとも90%の、更に好ましくは少なくとも95%の、最も好ましくは少なくとも98%、99%若しくは100%の配列同一性又は相同性を有する精製された核酸をも特徴とする。
【0207】
好適具体例において、この核酸は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の完全なレトロウイルスゲノム以外であり、例えば、それは、少なくとも1ヌクレオチド長いか又は短く、又は少なくとも1つの位置で配列が異なっている。例えば、この核酸は、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列の断片であり、又はそれは、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列に追加される配列を含む。
【0208】
好適具体例において:この核酸の配列は、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ
ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の対応する配列と、1、2、3、4又は5塩基対だけ異なり;この核酸の配列は、SEQ
ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の対応する配列と、1、2、3、4又は5塩基対以上で且つ6、7、8、9又は10塩基対未満だけ異なる。
【0209】
他の好適具体例において:この核酸は、少なくとも10、一層好ましくは少なくとも15、更に好ましくは少なくとも20、最も好ましくは少なくとも25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長であり;この核酸は、15ヌクレオチド長未満、一層好ましくは20ヌクレオチド長未満、最も好ましくは25、30、50、100、1000、2000、4000、6000若しくは8060ヌクレオチド長未満である。
同等物
当業者は、ここに記載した特定の手順に対する多くの同等物を認識し、常例的な実験を用いて確かめることができる。かかる同等物は、この発明の範囲内にあるものであり、後記の請求の範囲によりカバーされる。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1−1】Tsukuba-1 cDNAのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)である。
【図1−2】Tsukuba-1 cDNAのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)である。
【図1−3】Tsukuba-1 cDNAのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)である。
【図1−4】Tsukuba-1 cDNAのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)である。
【図1−5】Tsukuba-1 cDNAのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)である。
【図1−6】Tsukuba-1 cDNAのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)である。
【図1−7】Tsukuba-1 cDNAのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)である。
【図2−1】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−2】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−3】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−4】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−5】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−6】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−7】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−8】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−9】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−10】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−11】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−12】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図2−13】PK−15細胞株由来のレトロウイルスから単離された欠損レトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ ID NO:2)である。
【図3−1】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−2】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−3】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−4】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−5】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−6】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−7】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−8】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−9】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−10】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−11】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−12】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−13】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。
【図3−14】ミニブタ中に見出されるレトロウイルスのヌクレオチド配列(SEQ IDNO:3)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖の配列に高度に厳しい条件下で特異的にハイブリダイズすることのできる精製された核酸であって、但し、該核酸は、SEQ ID NO:1の全レトロウイルスゲノム又はその相補鎖以外である、上記の精製された核酸。
【請求項2】
前記の核酸が、SEQ ID NO:1又はその相補鎖と比べて少なくとも1ヌクレオチド長く、又は少なくとも1ヌクレオチド短く、又は少なくとも1つの位置において配列が異なっている、請求項1に記載の精製された核酸。
【請求項3】
前記の核酸が、SEQ ID NO:1又はその相補鎖由来の配列と少なくとも72%の配列同一性又は相同性を有する、請求項1に記載の精製された核酸。
【請求項4】
前記の核酸が、少なくとも15ヌクレオチド長である、請求項1に記載の精製された核酸。
【請求項5】
前記の核酸が、SEQ ID NO:1のレトロウイルスゲノムの翻訳可能領域又はその相補鎖と特異的にハイブリダイズすることのできる、請求項1に記載の精製された核酸。
【請求項6】
前記の核酸が、gag、pol又はenv遺伝子由来の領域と特異的にハイブリダイズすることのできる、請求項1に記載の精製された核酸。
【請求項7】
前記の核酸が、SEQ ID NO:1のレトロウイルスゲノムの非翻訳領域又はその相補鎖と特異的にハイブリダイズすることのできる、請求項1に記載の精製された核酸。
【請求項8】
核酸を、SEQ ID NO:4〜74よりなる群から選択する、請求項1に記載の精製された核酸。
【請求項9】
下記より選択する核酸と高度に厳しい条件下でハイブリダイズする精製された核酸:SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、及びSEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸。
【請求項10】
前記の核酸が、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸である、請求項9に記載の精製された核酸。
【請求項11】
前記の核酸が、SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸である、請求項9に記載の精製された核酸。
【請求項12】
前記の核酸が、SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸である、請求項9に記載の精製された核酸。
【請求項13】
標的核酸及び第2の核酸を含む反応混合物であって、第2の核酸を下記より選択する当該反応混合物:SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に高度に厳しい条件下で特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に高度に厳しい条件下で特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に高度に厳しい条件下で特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;
env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列。
【請求項14】
SEQ ID NO:2又はその相補鎖の配列に高度に厳しい条件下で特異的にハイブリダイズすることのできる精製された核酸。
【請求項15】
前記の核酸が、SEQ ID NO:2又はその相補鎖と比べて少なくとも1ヌクレオチド長く、又は少なくとも1ヌクレオチド短く、又は少なくとも1つの位置で配列が異なる、請求項14に記載の精製された核酸。
【請求項16】
前記の核酸が、SEQ ID NO:2又はその相補鎖由来の配列と少なくとも72%の配列同一性又は相同性を有する、請求項14に記載の精製された核酸。
【請求項17】
前記の核酸が、少なくとも15ヌクレオチド長である、請求項14に記載の精製された核酸。
【請求項18】
前記の核酸が、gag、pol又はenv遺伝子由来の領域と特異的にハイブリダイズすることのできる、請求項14に記載の精製された核酸。
【請求項19】
前記の核酸が、厳しい条件下で:SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、及びSEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸から選択する核酸とハイブリダイズする、請求項14に記載の精製された核酸。
【請求項20】
SEQ ID NO:3又はその相補鎖の配列と高度に厳しい条件下で特異的にハイブリダイズすることのできる精製された核酸。
【請求項21】
前記の核酸が、SEQ ID NO:3又はその相補鎖と比べて少なくとも1ヌクレオチド長いか又は少なくとも1ヌクレオチド短く、又は少なくとも1つの位置で配列が異なる、請求項20に記載の精製された核酸。
【請求項22】
前記の核酸が、SEQ ID NO:3又はその相補鎖由来の配列と少なくとも72%の配列同一性又は相同性を有する、請求項20に記載の精製された核酸。
【請求項23】
前記の核酸が、少なくとも15ヌクレオチド長である、請求項20に記載の精製された核酸。
【請求項24】
前記の核酸が、gag、pol又はenv遺伝子由来の領域と特異的にハイブリダイズすることのできる、請求項20に記載の精製された核酸。
【請求項25】
前記の核酸が、厳しい条件下で:SEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、SEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸、及びSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも3個の連続するヌクレオチドの核酸から選択する核酸とハイブリダイズする、請求項20に記載の精製された核酸。
【請求項26】
細胞又は組織を、ブタ又はミニブタレトロウイルスの存在又は発現についてスクリーニングするための方法であって、下記を含む当該方法:
組織由来の標的核酸を、下記よりなる群から選択した第2の核酸とハイブリダイゼーションが起こり得る条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸 又はそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はそのアンチセンス配列;pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸又はそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸(ハイブリダイゼーションは、組織中の内因性ブタ若しくはミニブタレトロウイルスの又はレトロウイルス配列の存在又は発現を示す)。
27.ブタ又はミニブタゲノムを、ブタレトロウイルスの存在についてスクリーニングする方法であって、下記を含む当該方法:
ミニブタゲノムDNAを、次の群から選択する第2の核酸と、これらの配列がハイブリダイズすることのできる条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸(ハイブリダイゼーションは、ミニブタゲノムにおける内因性ブタレトロウイルス配列の存在を示す)。
【請求項27】
ドナーのブタ又はミニブタからの移植片をレシピエント動物に移植することに関連する潜在的な危険を評価する方法であって、下記を含む当該方法:
ドナー、レシピエント由来の試料又は移植片由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の核酸と、これらの配列がハイブリダイズすることのできる条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸(ハイブリダイゼーションは、移植に関連した危険を示す)。
【請求項28】
前以て選んだ部位への活性化可能なレトロウイルス挿入を含まないブタ又はミニブタを供給する方法であって、下記を含む当該方法:
前以て選んだ部位にレトロウイルス挿入を有する第1のミニブタと前以て選んだ部位にレトロウイルス挿入を有しない第2のミニブタとの間で交配を行ない、その挿入を有しない子孫のミニブタを回収すること{ここに、レトロウイルス挿入の存否は、ミニブタのゲノムを、下記よりなる群から選択する核酸と接触させることにより測定する:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸。
【請求項29】
ブタレトロウイルス感染の起源を突きとめる方法であって、下記を含む当該方法:
移植片又は臓器由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の核酸と接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
レシピエント由来の試料由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の核酸と接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;
pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸(移植片由来の核酸へのハイブリダイゼーションは、その移植片におけるブタレトロウイルス感染と相関し;且つレシピエント由来の核酸へのハイブリダイゼーションは、そのレシピエントにおけるブタレトロウイルス感染と相関する)。
【請求項30】
下記を含む、ヒト患者を、内因性ブタレトロウイルスの存在又は発現についてスクリーニングする方法:
ヒト患者由来の試料由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の核酸と、これらの配列がハイブリダイズできる条件下で接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸(ハイブリダイゼーションは、ヒト患者における内因性ブタレトロウイルス又はレトロウイルス配列の存在を示す)。
【請求項31】
SEQ ID NO:1、2又は3のレトロウイルスゲノムに対応する内因性ブタレトロウイルス挿入部位にトランスジェニックエレメントを有するトランスジェニックミニブタであって、該エレメントが内因性ブタレトロウイルスの活性を変化させる、当該トランスジェニックミニブタ。
【請求項32】
下記:
ブタレトロウイルス配列を有する病原体を用意すること;及び
この病原体が非ブタレトロウイルス配列を含むかどうかを測定すること
を含む、組換えウイルスその他の病原体を検出する方法であって、該方法が、該レトロウイルス配列を、SEQ ID NO:1若しくはその相補鎖、SEQ ID NO:2若しくはその相補鎖、又はSEQ ID NO:3若しくはその相補鎖の配列と比較することを含み、差異が組換えウイルスを示す、当該方法。
【請求項33】
ブタレトロウイルスのコピー数、サイズ又は完全性を測定する方法であって、下記を含む当該方法:
ドナー、レシピエント又は移植片由来の標的核酸を、次の群から選択する第2の核酸と接触させること:ブタレトロウイルス配列に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:1の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:2の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;SEQ ID NO:3の配列若しくはその相補鎖に特異的にハイブリダイズすることのできる配列;gag蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839、SEQ ID NO:2のヌクレオチド598〜2169又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド585〜2156由来のセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;
pol蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2320〜4737若しくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド2307〜5741由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸;
env蛋白質をコードするセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸若しくはそのアンチセンス配列;SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:2のヌクレオチド4738〜6722又はSEQ ID NO:3のヌクレオチド5620〜7533由来のセンス若しくはアンチセンス配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドの核酸。
【請求項34】
下記を含む、組織をブタ又はミニブタレトロウイルス配列の存在又は発現についてスクリーニングする方法:
組織試料を、ブタ又はミニブタのレトロウイルス蛋白質に特異的な抗体と接触させ、それにより、該配列が存在し又は発現されているかどうかを測定する。
36.SEQ ID NO:1のヌクレオチド2〜1999、SEQ ID NO:1のヌクレオチド4871〜8060又はSEQ ID NO:1のヌクレオチド2452〜4839を含む核酸配列に高度に厳しい条件下で特異的にハイブリダイズすることのできる精製された核酸。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図2−6】
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【図2−7】
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【図2−8】
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【図2−9】
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【図2−10】
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【図2−11】
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【図2−12】
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【図2−13】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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【図3−9】
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【図3−10】
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【図3−11】
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【図3−12】
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【図3−13】
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【図3−14】
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【公開番号】特開2007−14340(P2007−14340A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205358(P2006−205358)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【分割の表示】特願平9−522172の分割
【原出願日】平成8年12月13日(1996.12.13)
【出願人】(300052453)ザ・ジェネラル・ホスピタル・コーポレイション (24)
【Fターム(参考)】