説明

ブラインド

【課題】 バランスを利用するブラインドにおいて、少ない部品点数で且つ低コストで、意匠性に優れたものとする。
【解決手段】 装飾性を有するバランス14の裏面にコードガイド22、ストッパ30といった昇降機構部品が取り付けられ、バランス14の下部に遮蔽材12の上端が取り付けられ、遮蔽材12の下端に昇降コード20の一端部が連結されて、昇降コード20の他端部は遮蔽材12に沿って前記コードガイド22、ストッパ30に導かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽材を昇降するブラインドに関し、特にバランスを利用するブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブラインドにおいては、昇降機構部品を内蔵すると共に遮蔽材を支持する機能部品であるヘッドボックスを、装飾性を有するバランスによって覆い隠してブラインドの意匠性を高めることが行われている。
【0003】
かかるブラインドにバランスを取り付けるための支持構造として、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1では、ブラケットを利用してバランスが固定されるバランス係着用レールを取り付けるようにしたもので、バランス係着用レールを上下一対の腕部を有する断面略コ字形に形成し、ブラケットの前面にバランス係着用レールの上下一対の腕部と嵌合し合う突起を設け、バランス係着用レールをブラケットの前面にスナップ嵌合によって組み付けており、これにより、ヘッドボックスの形状に制限されることなく、ヘッドボックスの前面側でバランスを簡便な作業で支持することができる。
【0004】
しかしながら、以上のようにバランスを利用してブラインドの意匠性を高めるためには、バランスの他にバランス係着用レール及びブラケットを別途用意する必要がありコストがかかる、という問題がある。
【0005】
【特許文献1】実公平7−51598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、少ない部品点数で且つ低コストで、意匠性に優れたブラインドを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は遮蔽材を昇降するブラインドであって、装飾性を有するバランスの裏面に昇降機構部品が取り付けられ、バランスの下部に前記遮蔽材の上端が取り付けられ、遮蔽材の下端に昇降コードの一端部が連結されて、昇降コードの他端部は遮蔽材に沿って前記昇降機構部品に導かれることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の前記バランスの裏面に該バランスの長手方向に直線状に伸びる溝または凸部が形成され、該溝または凸部に合わせて前記昇降機構部品が取り付けられることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の前記バランスの裏面に長手方向に伸び開口面を有するレールが固定され、該レールに該開口面を通して前記昇降機構部品が取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バランスに昇降機構部品を取り付けるようにすることで、ヘッドボックスを不要とすることができるために部品点数が少なく低コストで構成することができ、且つ装飾性を有するバランスによって意匠性の優れたブライドとすることができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、バランスの長手方向に直線状に伸びる溝または凸部に合わせて昇降機構部品が取り付けられることで、昇降機構部品を上下方向にずれることなく整列した状態でバランスに組み付けることができるようになる。
【0012】
また、請求項3記載の発明によれば、バランスの裏面で長手方向に伸びるレールに昇降機構部品が取り付けられることで、昇降機構部品を上下方向にずれることなく整列した状態で組み付けることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施形態にかかるブラインドの正面図であり、図2はその背面図である。図において、ブラインド10は、昇降可能となった遮蔽材12を有している。この例では、遮蔽材12は主として生地及びウエイト部材で構成されているが、これに限るものではなく、ブラインドが横型ブラインドである場合には、多数の上下方向に整列に支持されるスラット及びボトムレールで構成することも可能である。
【0014】
このブラインド10では、従来必ず存在する機能部品としてのヘッドボックスは存在しておらず、その代わりに装飾性を有するバランス14を有している。バランス14は、基本的にはプレート状の部材からなり、例えばその正面が木目調または任意の模様が付されたり、任意の凹凸が刻設されたりしており、装飾性の優れたものとなっている。
【0015】
バランス14の下部には、遮蔽材12の上端が取り付けられる。この例では、バランス14の下部の裏面に面ファスナ16が固着されており、該面ファスナ16が遮蔽材12の上端に固着された面ファスナ18と着脱可能に接合することにより、遮蔽材12がバランス14によって支持される。
【0016】
遮蔽材12の裏面側には遮蔽材12を昇降するための昇降コード20が遮蔽材12の幅方向に適宜間隔を空けて複数本配されており、各昇降コード20の一端部は、遮蔽材12の下端に連結される。そして、昇降コード20は遮蔽材12の裏面に設けられたコードリング21を挿通して遮蔽材12に沿って上方に向かい、バランス14の裏面側の昇降機構部品へと導かれる。
【0017】
即ち、バランス14の裏面には、遮蔽材12を昇降するための昇降機構部品が取り付けられており、この例では、昇降機構部品として、昇降コード20を誘導するコードガイド22と、昇降コード20を締結可能で、昇降コード20の拘束・解除の切替を行うストッパ30とが該当している。
【0018】
コードガイド22は、昇降コード20の本数に合わせて設けられ、ガイドケース24と、ガイドケース24に回転可能に軸支されたガイドローラ26とからなり、ガイドケース24に固定される固定金具28を介してバランス14にビス等によって固定される。また、ストッパ30もそのケースが固定される固定金具32を介してバランス14の長手方向端部にビス等によって固定される。
【0019】
複数の昇降コード20は、コードガイド22によって方向転換されて、バランス14の長手方向に沿って誘導されて、ストッパ30を通過した後、バランス14から垂下されて、操作つまみ34に連結される。操作つまみ34は、補助コード36によって遮蔽材12の下端に連結される。
【0020】
上記コードガイド22とストッパ30は、上下方向に整合してバランス14に固定されることが必要であり、そのためバランス14の裏面にはバランス14の長手方向全体に亘り長手方向に直線状に伸びる溝14aが形成されており、該溝14aをガイドとして溝14aに合わせて固定金具28及び32がバランス14に取り付けられる。任意には、固定金具28及び32の一部がそれぞれ溝14a内に嵌合するようになっているとよい。さらに、固定金具28及び32の一部が溝14aを摺動可能となっており固定金具28及び32の長手方向位置を適宜調整可能となっているとよい。この溝14aにより、コードガイド22とストッパ30との直線性が確保される。
【0021】
さらにバランス14の裏面には下向きコ字形状をなしたブラインド取付用ブラケット38が適当な間隔で複数個取り付けられており、該ブラインド取付用ブラケット38の一辺部が、窓枠、壁面等の固定面42に取り付けられたブラケット受け40に設けられた受け口内に差し込まれることで、バランス14が固定面42に固定される(図3、4参照)。
【0022】
以上のように構成されるブラインドにおいては、操作つまみ34を操作して昇降コード20を介してストッパ30を解除させて昇降コード20を移動可能とすることにより、通常のブラインドと同様に遮蔽材12の昇降を行うことができる。また、正面から見た外観はバランス14によって意匠性の優れたものとなる。遮蔽材12を昇降するための昇降機構部品であるコードガイド22やストッパ30がバランス14によって支持されており、ヘッドボックス及びヘッドボックスを固定するためのブラケットが不要となるので、部品点数が少なくてすみ、簡単な構成で安価に製造することができる。
【0023】
図5は本発明のブラインドの第2の実施形態を表す背面図である。正面図は図1と同様であるので省略する。
【0024】
この実施形態では、バランス14の裏面に凸部14bが形成されている。凸部14bは、バランス14の長手方向全体に亘り長手方向に直線状に伸びている。そして、昇降機構部品であるコードガイド22’及びストッパ30は、凸部14bに合わせて凸部14bにビス等により固定されている。また、固定面42にブラケット44が取り付けられており、ブラケット44に凸部14bを挿入してビス等で固定することにより、バランス14が固定面42に固定される(図6、7参照)。
【0025】
このように凸部14bによって、コードガイド22’及びストッパ30の直線性を確保することができ、第1実施形態と同様の作用効果を得られる。
【0026】
図8は、本発明のブラインドの第3の実施形態を表す背面図である。正面図は図1と同様であるので省略する。
【0027】
この実施形態では、バランス14の裏面にレール50が固定されている。該レール50はバランス14の長手方向に亘り伸びて、開口面を有しており、該開口面を通して昇降機構部品であるコードガイド22’及びストッパ30が取り付けられている。これらの昇降機構部品はレール50に対してスナップ嵌合等により着脱可能に取り付けられているとよい(図9参照)。
【0028】
このようにレール50によって、コードガイド22’及びストッパ30の直線性を確保することもでき、第1実施形態と同様の作用効果を得られる。
【0029】
尚、以上の例では、昇降機構部品としてコードガイド、ストッパを例示したが、これに限るものではなく、巻取ドラム、回転シャフト、プーリ、クラッチ等の任意の公知の昇降機構部品をバランス14に取り付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態にかかるブラインドの正面図である。
【図2】図1のブラインドの背面図である。
【図3】図2の3−3線に沿って見た断面図であり、固定面に固定される前の状態を表す。
【図4】図3相当断面図であり、固定面に固定された後の状態を表す。
【図5】本発明のブラインドの第2の実施形態を表す背面図である。
【図6】図5の6−6線に沿って見た断面図であり、固定面に固定される前の状態を表す。
【図7】図6相当断面図であり、固定面に固定された後の状態を表す。
【図8】本発明のブラインドの第3の実施形態を表す背面図である。
【図9】図8の9−9線に沿って見た断面図である。
【符号の説明】
【0031】
10 ブラインド
12 遮蔽材
14 バランス
14a 溝
14b 凸部
20 昇降コード
22、22’ コードガイド(昇降機構部品)
30 ストッパ(昇降機構部品)
50 レール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽材(12)を昇降するブラインドであって、
装飾性を有するバランス(14)の裏面に昇降機構部品(22,22’、30)が取り付けられ、バランス(14)の下部に前記遮蔽材(12)の上端が取り付けられ、遮蔽材(12)の下端に昇降コード(20)の一端部が連結されて、昇降コード(20)の他端部は遮蔽材(12)に沿って前記昇降機構部品(22,22’、30)に導かれることを特徴とするブラインド。
【請求項2】
前記バランス(14)の裏面に該バランス(14)の長手方向に直線状に伸びる溝(14a)または凸部(14b)が形成され、該溝(14a)または凸部(14b)に合わせて前記昇降機構部品(22,22’、30)が取り付けられることを特徴とする請求項1記載のブラインド。
【請求項3】
前記バランス(14)の裏面に長手方向に伸び開口面を有するレール(50)が固定され、該レール(50)に該開口面を通して前記昇降機構部品(22,22’、30)が取り付けられることを特徴とする請求項1記載のブラインド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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