説明

ブラシ毛

【課題】本発明は、ブラシ毛素材の中に香物質からなる棒状成形体を入れることにより、研磨面において、香物質を均一で、かつ、有効に放出するようにしたブラシ毛に関するものである。
【解決手段】本発明のブラシ毛は、一本のブラシ毛素材の中心部に少なくとも一つの香物質からなる棒状成形体が入っている。前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体は、研磨面が同じであるため、前記ブラシ毛素材の磨耗と、香物質からなる棒状成形体の磨耗が同じ面であるため、香物質の粉末を入れるものと比較して、臭いのコントロールが容易にできる。たとえば、前記香物質からなる棒状成形体の太さは、ブラシの使用目的に合わせて太く、あるいは細く任意に決めることができる。前記ブラシ毛素材は、たとえば、合成樹脂素材を単線に成形したものがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシ毛素材の中に香物質からなる棒状成形体を入れることにより、研磨面において、香物質を均一で、かつ、有効に放出するようにしたブラシ毛に関するものである。また、本発明は、ブラシ毛素材の中に香物質を含む紐状部材が入れられている多孔質部材からなるブラシ毛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2008−012632号公報に記載されているブラシ毛素材は、合成樹脂部材にダイヤモンド砥粒、研麿砥粒、炭、火山灰、マイナスイオン材、香り材の1種類または2種類以上が1%から50%が混入されている。
【0003】
図6(イ)から(ホ)は従来例における香物質をブラシ毛素材に入れた例を説明するための図である。図6(イ)から(ホ)に示されたブラシ毛素材51は、図6(ロ)に示すように香物質52の粉末が混入されている。また、図6(ハ)に示されたブラシ毛素材51は、周囲にも香物質52が付着している。図6(ニ)および(ホ)に示されたブラシ毛素材51は、たとえば、合成樹脂部材からなり、砥粒53および香物質52が内部と周囲に付着している。前記砥粒53および/または香物質52は、前記ブラシ毛素材51の内部および/または外部に付着させることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008―012632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の香り入りブラシ毛素材は、ブラシ毛となる素材の中、または周囲に、砥粒等と香物質の粉末が混合されている。前記香物質、ブラシ毛素材、砥粒は、異なった性質のものが粉末として混合されている。前記異なった物質の混合体は、均一に混合することが困難であるだけでなく、不均一な混合により、常に同じ臭いを発生することも困難であった。
【0006】
ブラシ毛は、多種類の異なったワークを研磨するが、その際に、ブラシ毛と前記ワークの相性により異臭を放すことが多い。作業者は、前記異臭を一日中嗅ぐことになり、気持が悪くなったり、あるいは健康を害する場合がある。そこで、前記特許文献に記載された発明は、香物質の粉末をブラシ毛に混入することを考えた。しかし、前記ブラシ毛は、ブラシ部材と香物質との混合に問題があり、いつでも同じような臭いにすることが困難であった。
【0007】
以上のような課題を解決するために、本発明は、ブラシ毛および香物質を共に棒状体とし、また、研磨される面が両者とも同じ面とすることで、長時間ブラシを使用しても、常に、同じ香りを放出し、作業環境を改善することができるブラシ毛を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明のブラシ毛は、多孔質部材の空洞に香物質が含まれている紐状部材を入れ、また、研磨される面が両者とも同じ面とすることで、長時間ブラシを使用しても、常に、同じ香りを放出し、作業環境を改善することができるブラシ毛を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(第1発明)
第1発明のブラシ毛は、ブラシ毛素材と、前記ブラシ毛素材とブラシ毛素材の間に入れられた、少なくとも一本の香物質からなる棒状成形体と、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
(第2発明)
第2発明のブラシ毛は、接着剤および/または砥粒が塗布されている紙シートの端部から丸められた棒状体からなるブラシ毛素材と、前記ブラシ毛素材の中心部、または前記ブラシ毛素材の間に入れられた、少なくとも一つの香物質からなる棒状成形体と、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
(第3発明)
第3発明のブラシ毛は、接着剤および/または砥粒が塗布されている紙シートの端部から丸められた棒状体が捻じられるとともに、縒られれているブラシ毛素材と、前記縒られているブラシ毛素材の中心部、または前記縒られているブラシ毛素材の間に入れられた、少なくとも一つの香物質からなる棒状成形体と、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
(第4発明)
第4発明のブラシ毛は、所定の大きさに裂かれた紙材および/または不織布と、前記紙材および/または不織布に加えられた接着剤および/または砥粒と、前記紙材および/または不織布に加えられた接着剤および/または砥粒が成形されたブラシ毛素材と、前記ブラシ毛素材の中心部、または前記ブラシ毛素材の間に入れられた、少なくとも一つの香物質からなる棒状成形体と、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
(第5発明)
第5発明のブラシ毛は、前記香物質からなる棒状成形体の断面が管状で、内部に少なくとも一本のブラシ毛が入っており、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
(第6発明)
第6発明のブラシ毛は、前記香物質からなる棒状成形体が網状に組まれ、断面を管状とし、その内部に少なくとも一本のブラシ毛が入っており、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
(第7発明)
第7発明のブラシ毛は、前記香物質からなる棒状成形体は、不織布、バフ、スポンジ、フェルトの少なくとも一つであり、ブラシ毛の端部断面と常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
(第8発明)
弟8発明のブラシ毛は、前記ブラシ毛素材および香物質からなる棒状成形体の断面は、少なくとも一方が多角形であり、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
(第9発明)
第9発明のブラシ毛は、ブラシ毛素材と、前記ブラシ毛素材とブラシ毛素材の間に入れられた、中央部に空洞を有する多孔質部材と、前記多孔質部材の空洞に入れられた香物質と、前記ブラシ毛素材と香物質の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0018】
(第10発明)
第10発明のブラシ毛は、ブラシ毛素材と、前記ブラシ毛素材とブラシ毛素材の間に入れられた、中央部に空洞を有する多孔質部材と、前記多孔質部材の空洞に入れられた香物質と、前記ブラシ毛素材の周囲に設けられた砥粒入り部材と、前記ブラシ毛素材、香物質、および砥粒入り部材の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする。
【0019】
(第11発明)
第11発明のブラシ毛において、前記多孔質部材は、多孔質シリカ、セルローズ繊維、不織布、バフ、スポンジ、フェルトの中の少なくとも一つであることを特徴とする。
【0020】
(第12発明)
第12発明のブラシ毛において、前記香物質は、紐状部材に吸収されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ブラシ毛および香物質からなる棒状成形体の断面が同じ面で研磨されるため、ブラシを設計した際に想定する香りを出すことができ、作業者または作業現場の環境を向上させることができる。
【0022】
本発明によれば、常に、研磨面と、香物質からなる棒状成形体の面が同じ位置になるため、予め決められた量の香りをコンスタントに出すことができる。
【0023】
本発明によれば、ブラシ毛素材の材質、太さ、香物質の種類、太さを決定することが容易であるため、これらの研磨面が作業中に設計通りに消耗し、それに伴い一定量の香りを放出することができる。
【0024】
本発明によれば、多孔質部材の空洞に、たとえば、香物質が吸着さている紐状部材が入れられているため、品質の高い香を持続的に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(イ)から(ニ)は本発明の第1実施例であり、ブラシ毛素材の内部に香物質からなる棒状成形体が挿入された例を説明するための図である。(実施例1)
【図2】(イ)から(ニ)は本発明の第2実施例であり、多角形のブラシ毛素材の内部に香物質からなる棒状成形体が挿入された例を説明するための図である。(実施例2)
【図3】(イ)から(ホ)は本発明の第3実施例であり紙を丸めたブラシ素材を作製し、内部に香物質からなる棒状成形体が挿入された例を説明するための図である。(実施例3)
【図4】(イ)から(ホ)は本発明の第4実施例であり、紙を丸めた後縒ってブラシ素材を作製し、内部に香物質からなる棒状成形体が挿入された例を説明するための図である。(実施例4)
【図5】(イ)および(ロ)は本発明の第5実施例であり、多孔質部材の空洞に香物質が含まれた紐状部材からなるブラシ毛素材を説明するための図である。(実施例5)
【図6】(イ)から(ホ)は従来例における香物質をブラシ毛に入れた例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1発明)
第1発明のブラシ毛は、一本のブラシ毛素材の中心部に少なくとも一つの香物質からなる棒状成形体が入っている。前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体は、研磨面が同じであるため、前記ブラシ毛素材の磨耗と、香物質からなる棒状成形体の磨耗が同じ面であるため、香物質の粉末を入れるものと比較して、臭いのコントロールが容易にできる。たとえば、前記香物質からなる棒状成形体の太さは、ブラシの使用目的に合わせて太く、あるいは細く任意に決めることができる。
【0027】
前記ブラシ毛素材は、たとえば、合成樹脂素材を単線に成形したものがある。粉末状の香物質は、溶剤に溶かされた後、管状体の入れ物に入れ、乾燥することにより、棒状の成形体となる。
【0028】
第1発明のブラシ毛素材は、多数本からなる。前記ブラシ毛素材の中心部に入れられた、香物質からなる棒状成形体は、少なくとも一本であり、必要に応じて、複数本とすることができる。前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の本数は、ブラシの使用目的により、任意に選択することができる。前記ブラシ毛素材および香物質からなる棒状成形体の研磨面が同じ面であるため、研磨に際し、常に一定の香を放出することができる。
【0029】
(第2発明)
第2発明のブラシ毛は、接着剤および/または砥粒が塗布されている紙シートの端部から丸められた棒状体からなるブラシ毛素材の中心部、または前記ブラシ毛の複数本の中に、少なくとも一つの香物質からなる棒状成形体が入れられている。第2発明のブラシ毛は、素材が第1発明と異なるものである。
【0030】
(第3発明)
第3発明のブラシ毛は、ブラシ毛素材が、接着剤および/または砥粒が塗布されている紙シートの端部から丸められた棒状体が捻じられるとともに、縒られている点で、第2発明と異なっている。少なくとも一つの香物質からなる棒状成形体は、一本の前記ブラシ毛素材の中心部、あるいは複数本のブラシ毛素材の中に入れることができる。
【0031】
(第4発明)
第4発明のブラシ毛は、ブラシ毛素材が所定の大きさに裂かれた紙材および/または不織布と、前記紙材および/または不織布に加えられた接着剤および/または砥粒とから成形されている点で、第2発明および第3発明と異なっている。前記紙剤および/または不織布からなるブラシ毛素材の中心部には、少なくとも一つの香物質からなる棒状成形体が入れられている。前記第2発明および第3発明は、素材に紙が入っているため、また、香物質からなる棒状成形体の磨耗が同じ断面において行われるため、ブラシ毛と臭い物質が程よく混ぜることができる。また、前記紙素材と香物質は、互いに調和した臭いあるいは柔らかさを発揮することができる。
【0032】
(第5発明)
第5発明のブラシ毛は、香物質からなる棒状成形体の断面が管状に成形されている。そして、前記ブラシ毛は、前記管状の香物質からなる棒状成形体の内部に入れられている。前記ブラシ毛および管状の香物質からなる棒状成形体の端面は、同じ面であるため、所望通りの香りがブラシ毛から出るようにすることが容易にできる。
【0033】
(第6発明)
第6発明のブラシ毛は、香物質からなる棒状成形体を網状にした点で、第1発明から第4発明と異なっている。前記香物質からなる棒状成形体は、網状に組まれ、かつ、断面が管状となっている。前記網状に構成された香物質からなる棒状成形体の内部には、少なくとも一本のブラシ毛を入れている。前記ブラシ毛は、周囲を網状の香物質からなる棒状成形体によって囲まれているため、多くの香りを均等に出すことができる。第5発明および第6発明の香物質からなる棒状成形体は、ブラシ毛と相まってやさしい香り、環境に適した香り等を自由に選択することができる。
【0034】
(第7発明)
第7発明の香物質からなる棒状成形体は、不織布、バフ、スポンジ、フェルト、紙紐(たとえば、和紙または和紙に近い多孔質のあるもの)の少なくとも一つを原料とすることができる。前記不織布、バフ、スポンジ、フェルト、紙紐は、臭いを吸着し易く、かつ、構造的にブラシ毛素材の芯または周囲に配置することで、臭いとブラシ毛との調和を図ることが容易にできる。前記不織布、パフ、スポンジ、フェルト、紙紐は、多孔質物質から構成されているため、香物質を長時間保持することができるだけでなく、臭いを程よい加減で作業現場または作業者に与えることができる。
【0035】
(第8発明)
第8発明のブラシ毛は、ブラシ毛素材および香物質からなる棒状成形体の断面を多角形にすることができる。前記ブラシ毛素材および香物質からなる棒状成形体の断面は、多角形を始め、変形させることにより、研磨面に変化を付け、あるいは臭いの量をコントロールすることができる。
【0036】
本発明の請求項1から請求項8にかかる発明は、いずれもブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の研磨断面が常に同一面となることにより香物質を安定して放出し、作業現場あるいは作業者に不快を与えることのないブラシ毛を提供することができる。
【0037】
(第9発明)
第9発明のブラシ毛は、ブラシ毛素材と、その中央部に設けられた空洞部を有する多孔質部材と、前記空洞に入れられた香部材とからなり、前記ブラシ毛素材、香物質の端部断面が常に同じ面となるように構成されている。前記多孔質部材は、前記ブラシ毛素材とブラシ毛素材の間に入れられ、内部の香物質のにおいが前記多孔質部材の間を抜けて、外部に出る。前記香物質は、前記ブラシ毛素材の端部で研磨される際に、香を発散する。前記香物質は、前記空洞部に入れられるため、必ずしも成形体にする必要がなく、粉末状のものとすることも可能である。
【0038】
(第10発明)
第10発明のブラシ毛は、前記ブラシ毛素材の周囲を砥粒入りの部材によって囲まれている点で、第9発明と異なっている。第10発明のブラシ毛は、砥粒の種類および/または量により、多様な被研磨物に対応することができる。
【0039】
(第11発明)
第11発明のブラシ毛素材は、前記多孔質部材が多孔質シリカ、セルローズ繊維、不織布、バフ、スポンジ、フェルトの中の少なくとも一つからできている点で異なっている。前記多孔質部材は、前記物質以外に、内部の香を放出し易い部材であれば、これに代わることができる。
【0040】
(第12発明)
第12発明のブラシ毛素材は、前記多孔質部材に設けられている空洞の内部に入れられた紐状部材に香物質を付着させている。前記紐状部材は、香物質が吸収され易く、長時間香を保持することが容易にできる。
【実施例1】
【0041】
図1(イ)から(ニ)は本発明の第1実施例であり、ブラシ毛素材の内部に香物質からなる棒状成形体が挿入された例を説明するための図である。図1(イ)において、ブラシ毛素材11は、中心に香物質からなる棒状成形体12を埋設するか、あるいは前記前記香物質からなる棒状成形体12の周囲を巻くように成形されている。前記ブラシ毛素材11および香物質からなる棒状成形体12の端面は、同一面であり、前記面の一つまたは集合した面によって、ワークが研麿される。また、前記ブラシ毛素材11は、複数本とすることができ、その中に、少なくとも一本の香物質からなる棒状成形体12を入れる。前記ブラシ毛は、端面または断面におけるブラシ毛および香物質からなる棒状成形体の比率は、同じであるため、常に同じ香りを発生し、作業者および現場環境を一定に保つことができる。
【0042】
前記香物質は、たとえば、粉末が混ぜられた合成樹脂からなる棒状体として成形される。また、香物質を含む棒状成形体は、公知の方法により、任意の形状に作製することができる。
【0043】
図1(ロ)に示すブラシ毛素材11は、一本のブラシ毛素材の内部に3本の香物質からなる棒状成形体12、12′、12″が入っている例である。また、ブラシ毛素材11は、複数本にし、香物質からなる棒状成形体を少なくとも一本とすることもできる。図1(ハ)に示すブラシ毛素材11は、中心に香物質からなる棒状成形体12が入っており、前記ブラシ毛素材11の周囲がカバーリングによって囲まれている。前記カバーリング13は、研磨の目的によって、各種物質に代えることができるが、香物質からなる棒状成形体12とすることも可能である。
【0044】
図1(ニ)に示すブラシ毛素材11は、芯に香物質からなる棒状成形体12を入れ、前記ブラシ毛素材11の周囲に網状のカバーリング14が設けられている。前記カバーリング14は、香物質とする代わりに、前記ブラシ毛素材と異なる部材で囲むことも可能である。
【実施例2】
【0045】
図2(イ)から(ニ)は本発明の第2実施例であり、多角形のブラシ毛素材の内部に香物質からなる棒状成形体が挿入された例を説明するための図である。図2において、図1に示す実施例と異なる所は、ブラシ毛素材21、24、26、28が多角形からなるものである。また、前記多角形のブラシ毛素材は、図2(ハ)に示すように一部に凹み27等の変形を有するものも含む。また、前記香物質からなる棒状成形体22は、本数または形状も任意に変えることができる。
【実施例3】
【0046】
(イ)から(ホ)は本発明の第3実施例であり紙を丸めたブラシ素材を作製し、内部に香物質からなる棒状成形体が挿入された例を説明するための図である。図4(イ)から(ホ)は、図3でできた棒状体を図4(ハ)に示すように捩じる。前記捩じられた棒状体33は、少なくとも他の一本とともに縒られ、図4(ニ)に示すようになる。前記縒られた棒状体34は、少なくとも一本の香物質からなる棒状成形体12とともに纏められ、必要に応じて、カバーリング35によって束ねられる。前記カバーリング35は、必要に応じて、香物質とすることもできる。本発明の香物質は、ブラシ毛素材の端面とが同じ面からなり、ブラシ毛素材と香物質の端面とが同じように研磨されることが必要である。
【0047】
図5(イ)および(ロ)は本発明の第5実施例であり、多孔質部材の空洞に香物質が含まれた紐状部材からなるたブラシ毛素材を説明するための図である。図5(イ)において、多孔質部材41は、中心に空洞42が形成されている。前記空洞42の内部には、たとえば、編み込み、または織られた紐状体43が入っている。前記多孔質部材41は、たとえば、多孔質シリカ、セルローズ繊維、不織布、バフ、スポンジ、フェルトのような、多孔を有する部材からなる。また、前記紐状体43は、香物質(液体または粉末)が染み込まされている。
【0048】
図5(ロ)において、空洞42に香物質を染み込ませた紐状体43が入っている多孔質部材41は、その周囲に砥粒45を含むブラシ毛素材44によって囲まれている。図5(ロ)に示すブラシ毛素材は、端面および側面から香物質を均等に放出することができ、品質を高くすることができた。
【0049】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。ブラシ素材となる紙の稀類、厚さ、透きかた、形状、密度、捩じり方、縒り方等は、任意に選択することができる。また、紙の捩じり、または縒り方は、従来から使用されている機械により作製することができる。また、香物質は、公却のものであるが、ブラシ毛素材の端面と同じ面において、研磨されながら香りを出すものであれば、特に限定されない。
【0050】
さらに、本発明の棒状成形体は、公知の任意の方法によって作製できるものである。本発明の多孔質物質は、実施例として例示している他に、同じ性質の部材であれば、採用することができる。
【符号の説明】
【0051】
11・・・ブラシ毛素材
12・・・香物質からなる棒状成形体カバーリング
13・・・網状カバーリング
14・・・多角形ブラシ毛素材
22・・・香物質からなる棒状成形体
41・・・多孔質部材
42・・・空洞
43・・・紐
44・・・ブラシ毛素材
45・・・砥粒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ毛素材と、
前記ブラシ毛素材とブラシ毛素材の間に入れられた、少なくとも一本の香物質からなる棒状成形体と、
前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とするブラシ毛。
【請求項2】
接着剤および/または砥粒が塗布されている紙シートの端部から丸められた棒状体からなるブラシ毛素材と、
前記ブラシ毛素材の中心部、または前記ブラシ毛素材の間に入れられた、少なくとも一本の香物質からなる棒状成形体と、
前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とするブラシ毛。
【請求項3】
接着剤および/または砥粒が塗布されている紙シートの端部から丸められた棒状体が捻じられるとともに、縒られているブラシ毛素材と、
前記縒られているブラシ毛素材の中心部、または前記縒られているブラシ毛素材の間に入れられた、少なくとも一本の香物質からなる棒状成形体と、
前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とするブラシ毛。
【請求項4】
所定の大きさに裂かれた紙材および/または不織布と、
前記紙材および/または不織布に加えられた接着剤および/または砥粒と、
前記紙材および/または不織布に如えられた接着剤および/または砥粒が成形されたブラシ毛素材と、
前記ブラシ毛素材の中心部、または前記ブラシ毛素材の間に入れられた、少なくとも一本の香物質からなる棒状成形体と、
前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とするブラシ毛。
【請求項5】
前記香物質からなる棒状成形体の断面が管状で、内部に少なくとも一本のブラシ毛が入っており、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載されたブラシ毛。
【請求項6】
前記香物質からなる棒状成形体が網状に組まれ、断面を管状とし、その内部に少なくとも一本のブラシ毛が入っており、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように横成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載されたブラシ毛。
【請求項7】
前記香物質からなる棒状成形体は、不織布、バフ、スポンジ、フェルト、紙紐の少なくとも一つであり、ブラシ毛の端部断面と常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたブラシ毛。
【請求項8】
前記ブラシ毛素材および香物質からなる棒状成形体の断面は、少なくとも一方が多角形であり、前記ブラシ毛素材と香物質からなる棒状成形体の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載されたブラシ毛。
【請求項9】
ブラシ毛素材と、
前記ブラシ毛素材とブラシ毛素材の間に入れられた、中央部に空洞を有する多孔質部材と、
前記多孔質部材の空洞に入れられた香物質と、
前記ブラシ毛素材と香物質の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とするブラシ毛。
【請求項10】
ブラシ毛素材と、
前記ブラシ毛素材とブラシ毛素材の間に入れられた、中央部に空洞を有する多孔質部材と、
前記多孔質部材の空洞に入れられた香物質と、
前記ブラシ毛素材の周囲に設けられた砥粒入り部材と、
前記ブラシ毛素材、香物質、および砥粒入り部材の端部断面が常に同じ面となるように構成されていることを特徴とするブラシ毛。
【請求項11】
前記多孔質部材は、多孔質シリカ、セルローズ繊維、不織布、バフ、スポンジ、フェルトの中の少なくとも一つであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載されたブラシ毛。
【請求項12】
前記香物質は、紐状部材に吸収されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載されたブラシ毛。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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