説明

ブラシ用モノフィラメント及びブラシ用モノフィラメントの製造方法

【課題】本発明は歯ブラシ用剛毛(ブリストル)として用いられてもよいモノフィラメントを提供することを目的とする。
【解決手段】各モノフィラメントは、0.0025〜0.012インチの範囲の直径を有し、六小胞または八小胞の形状を有している。モノフィラメントは複数の熱可塑性ポリマー流を押出す工程と、複数の刃を1000rpmを越えて回転させる工程と、複数の刃を複数の熱可塑性ポリマー流の末端部分に接触するように配置し、割れた先端を形成する工程によって、製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、例えば歯ブラシ用剛毛(ブリストル)として用いられてもよいモノフィラメント、特に割れた末端を有するモノフィラメントに関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性ポリマーは、広く多様な形状でブラシ用剛毛を形成するために長く用いられている。これらのブラシの効果を増すために、このようなブラシの末端は、割られ、または「先細りに切られ(feathered)」ており、柔らかな剛毛の先端を提供している。しかし、以前は、剛毛の先端を割るのに種々の困難があった。
【0003】
特に、種々の技術がペイントブラシの剛毛を割るために用いられペイント性能を改善していた。このような方法は、特にペイントブラシの剛毛に適している。その理由は、(1インチまでの)大部分に沿って広がる長い割れが特に望ましいからである。しかし、あるブラシでは、先端の割れのみが望ましい。例えば、典型的な歯ブラシの剛毛の長さは、約半インチ(またはそれ未満)である。割れが、歯ブラシの剛毛の大部分に沿って生じるためのものであるのなら、その剛毛は歯を十分にきれいにするのに十分な堅さではない。したがって現在の可能な分割技術は、歯ブラシ用剛毛および長い割れが望ましくない他の剛毛の先端を割ることに関する困難性に十分に向けられていない。
【0004】
【特許文献1】米国特許第2,418,492号公報
【特許文献2】米国特許第3,595,952号公報
【特許文献3】米国特許第5,128,208号公報
【特許文献3】米国特許第4,279,053号公報
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明は、複数の内部融合線および少なくとも4つの空隙を持つ部分を有するモノフィラメントに関しており、その空隙はモノフィラメントの断面積の5〜20%を占める。
【0006】
本発明はまた、0.0025〜0.012インチの範囲の直径を有するモノフィラメントに関しており、このモノフィラメントは、六小胞、八小胞、またはほぼ円形の形状を有する。
【0007】
加えて、本発明は、割れた末端を有する押出されたモノフィラメントの製造方法に関しており、複数の熱可塑性ポリマー流を押し出して複数のモノフィラメントを形成する工程と、複数の刃を1000rpmを越えて回転させる工程と、複数の刃をモノフィラメントの末端部分に接触するように配置し、割れた末端を形成する工程とを含む。本発明の一つの実施形態において、その複数の刃は、モノフィラメントの自然な振動数でまたはそれに近い振動数で回転される。
【0008】
以下、図、本発明のいくつかの実施の形態、およびそれに対応する製造方法を参照して、より詳細に説明する。図1A、図2A、図3A、図4A、および図5Aを参照すると、六小胞の形状を有するモノフィラメントの例が示されている。このような形状は、それぞれ図1B、図2B、図3B、図4B、および図5Bの紡糸口金毛管を用いる押出方法で得られた。かかるモノフィラメントは、6個のポリマー流の融合によって製造された。これらの各モノフィラメント10は、複数の空隙20と、複数の融着線または融合線を含む。空隙は、モノフィラメントの断面積の5〜20%の空隙含有率で得られる。
【0009】
本発明のブラシ用剛毛は、ポリアミド、ポリエステル、およびポリオレフィンを含む広範囲の熱可塑性ポリマー材料から製造される。
【0010】
ブラシを製造するのに用いられるポリアミドとしては、ナイロン6,6、ナイロン610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、およびナイロン612(ヘキサメチレンドデカノアミド)が挙げられる。剛毛の製造に特に良く適していると知られているポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。剛毛の製造に特に良く適していると知られているポリオレフィンは、ポリプロピレンである。
【0011】
本発明のブラシ用剛毛の全体の直径、または全体の最大断面の寸法は、0.0025〜0.012インチ(0.064〜0.3mm)の範囲である。
【0012】
好ましくは、図1B、図2B、図3B、図4B、および図5Bに示された紡糸口金毛管を含む紡糸口金からポリマー材料の6個以上の個々の流れを押し出し、そしてその流れを合わせて単一フィラメントを形成することによって、本発明の剛毛は形成される。図6Aおよび図6Bに示されたような紡糸口金は、複数の紡糸口金毛管を含む。図1B、図2B、図3B、および図5Bに関して、熱可塑性ポリマー流の押出において、ポリマーは、開口部40を通って押し出される。流れの融合は、個々の流れの境界で融合線となり、そして融合線に沿って縦の空隙の形成を生じる。空隙の一般的な形状は、広く変えることができる。
【0013】
単一のフィラメントに、高められた温度で熱可塑性ポリマー流を押出した後、モノフィラメントを急冷し、次いで例えばここで参照して本明細書の一部を構成するものとする特許文献1に一般的に記載されたように延伸する。
【0014】
モノフィラメントを押出しそして急冷した後、フィラメントを、延伸することによって配向させ、縦方向の強度を改善する。加えて、フィラメントを、他の処理にかけて物性を改善する。他の処理には、ここで参照して本明細書の一部を構成するものとする特許文献2に記載したような飽和した流れを用いた処理などがある。
【0015】
フィラメントは、良好な曲げ回復のために延伸したのちヒートセットしてもよい。ヒートセットは、フィラメント上に熱風を吹きかけることによるなどガス中で、または油浴中にフィラメントを通すことによるなどの液浴中のいずれかで実行される。次いでフィラメントは、ブラシの製造に適した長さに切断される。次いで個々の剛毛を集めて束にし、その束を房状に形を整えてブラシにし、そしてブラシは以下に記載する方法で先を切り取られおよび毛先をさかれる(flagged)。
【0016】
図7Aを参照すると、本発明の剛毛の末端を割るのに用いられる刃の正面図が示されている。図7Bおよび図7Cに、約3/16インチごとの共通シャフト上のスペーサーによって分離され、120℃ずつ互いにほぼ回転している三枚のかかる刃の配列が示されている。そのような刃を1000rpmを越えて回転させ、かかる刃を剛毛に接触するように配置することによって、微細な先細りに切る(割る)効果を達成することが見いだされている。本発明の一つの実施例は、刃をルーターモータで30,000rpmで回転する。剛毛および刃の間の干渉は、1/8〜1/4インチが好ましいことは分かっているが、望ましい割れの深さに応じて変えられる。本質的に、高速でブレードを回転させ、剛毛の先端に接触するようにブレードを配置することによって、速くかつ激しい剛毛切断作用に達し、そうすることによって最適な剛毛の割れを生じる。
【0017】
モノフィラメントの自然な振動数でまたはそれに近い振動数で刃を回転することによって、最適な剛毛の割れが得られるということは知られている。単一のはりの自然な振動数は下記式である。
【0018】
【数1】


ここで片持ちばりに対してA=3.52であり。
【0019】
【数2】

Eはヤング率であり、μは単位長さ当たりの質量であり、lは長さである。自然な振動数は通常、秒当たりのラジアンで表され、または2πで割られ、そして分当たり60秒をかけることによって分当たりの回転で表される。
【0020】
図8を参照すると、550,000psiモジュラスと、種々の長さおよび直径とを有する612モノフィラメント剛毛の自然な振動数のグラフが示されている。
【0021】
本発明のモノフィラメント剛毛は、同じ直径の以前に知られていたモノフィラメント剛毛よりも多数のより小さな末端(「割れた毛先」)を製造する。この剛毛は、優れた耐久性と清浄性を示し、歯ブラシの剛毛として特に有用で、極めて柔らかくて微細な先端を作り出す。このような技術を用いることによって、本発明の剛毛は、丸められた末端よりもむしろ割られて、より効果的に歯肉面積をこする複数のより小さな末端を提供する。このように毛先が割れた末端によって達成されたより密な領域は、歯の表面に接触して歯磨き粉を保ち、同様に柔らかいティッシュとの接触が口の中で起きた時の一層柔らかな感じを達成することによって、よりよく主な歯の領域をこする。
【0022】
図9を参照すると、複数の先細りに切られた剛毛を有する歯ブラシの斜視図が示されている。図10を参照すると、複数の柔らかで微細な先端を作り出す割れた末端を有する複数の剛毛が示されている。これらの先細りに切られたフィラメントは、歯の表面で広がり複数の接点を付与し、一箇所の接点のみを付与する従来の中実な先端とは異なる。図11には、これらの複数の接点と、中実な先端の単一の接点との比較が示されている。本発明の微細な先細りに切られたフィラメントはまた、患者の歯肉線を傷つけずにより清浄にするように、歯肉線でより広くおよびより深く入り込むようになっている。図12には、歯肉線でのこのようなより深い挿入が示されている。したがって、これらの柔らかいフィラメントの先端は、歯間および歯肉線を有利に洗浄すると共に、掃引力作用をもたらす。実際に、そのような先細りに切られた先端は、より深く歯間に到達し、接触表面が増加するため、従来の柔らかいフィラメント先端より良好な洗浄範囲をもたらし、したがって歯と歯磨き粉との接触を保つことが知られている。このような配置は、ブラシに余分な柔らかさを加えた先端で、独特のクッション効果を付与する。そのような柔らかさは、ブラッシングの間に歯肉の出血を減らす。さらに、かかる剛毛は、丸いフィラメントと同じように衛生的であると立証されている。
【0023】
本発明は、6個の空隙を有する六小胞の剛毛構造に関して説明したが、(8個の空隙を有する)八小胞の剛毛構造が、多数の有利な効果を付与することも分かっている。図13に、このような八小胞の剛毛が示されている。6個および8個の流れがそれぞれ六小胞および八小胞構造を得るのに用いられるが、より多数の流れを用いて対応するより多数の空隙を有するさらなる構造を製造してもよい。このような六小胞、八小胞、または他の構造の外形は、円形または円形に近い形状を有するように製造されてもよい。図13に、このような円形に近い外形を示している。
【0024】
モノフィラメント内の空隙によって占有された断面積のパーセントは、空隙のサイズ、位置、対称性および形状によって決定される。中空(空隙)の特定のレベルが歯ブラシのような比較的短い長さを有するブラシの最適な割れを生じさせることがわかっている。空隙は、モノフィラメントの断面積の5〜20%の空隙含有率で最適に生じることがわかっている。このようなブラシで、特許文献3に記載された空隙のように空隙が小さすぎると、先細りに切られる効果は、先細りに切ることが達成されるよりも破壊された剛毛の末端を生じるであろう。特許文献4に記載された空隙のように空隙が大きすぎると、剛毛はより容易に先細りに切られるが、割れが、使用中に剛毛に広がっていくようである。歯ブラシの剛毛としても用いるには、製造中または患者が使用している間に、割れがフィラメントに広がっていくことなしに、剛毛の先端が割られることが重要である。このことは、ブラシの特定の用途および/または剛毛の長さに応じて他の種類のブラシにもいえることである。
【0025】
モノフィラメント内の空隙の位置に関して、空隙は中央と外側の端の間で約1/2の所に配置されている。より長くおよびより細い空隙は、丸い空隙よりも毛先をさく大きい効果を達成することが分かっている。
【0026】
非対称的な空隙は歯ブラシのような特定の用途にしばしば望ましくない天然の湾曲を有していることもあるが、空隙は対称的でも非対称的でも良いことが特筆される。好ましくは、図1B、図2B、図3Bに示したような紡糸口金毛管の開口部40は、5〜12ミルの範囲の曲率半径rを有する。図2Bの紡糸口金毛管の開口部40は、9ミルの内半径(または曲率半径)を有し、一方、図3Bの紡糸口金毛管の開口部は半径8ミルである。興味深いことに、図2Bの紡糸口金毛管用いると、図2Aの非対称モノフィラメントになり、図3Bの紡糸口金毛管を用いると、図3Aの対称モノフィラメントになる。図2Aの非対称モノフィラメントは、デザインの対称に問題はないようであるが、大きいサイズのローブを有することを認識することは重要である。大きいローブを有すると、その中央が引っぱられるので流れが一緒に接合されない。このように、不適切な空間は、二つの流れに対して残されてモノフィラメントの中に入れられる。
【0027】
空隙含有率は、中空剛毛の重量と、同じ外形の仮想の中実剛毛の重量とを基にして、下記式によって決定される。
【0028】
【数3】



本発明は特定の好ましい具体例に関して記載されているが、当業者に明らかである他の具体例は、本発明の範囲内である。したがって、本発明の範囲は、本明細書に添付された請求の範囲にのみ限定される。
【0029】
本発明の好ましい実施態様は以下のとおりである。
1.複数の内部融合線と少なくとも4つの空隙を持つ部分を有するブラシ用モノフィラメントであって、前記空隙はモノフィラメントの断面積の5〜20%を占有していることを特徴とするブラシ用モノフィラメント。
2.前記モノフィラメントは、歯ブラシ用剛毛であることを特徴とする1.に記載のブラシ用モノフィラメント。
3.前記モノフィラメントは、熱可塑性ポリマー材料から形成されることを特徴とする1.に記載のブラシ用モノフィラメント。
4.前記熱可塑性ポリマー材料は、ナイロン610、ナイロン612、ポリアミド、およびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選択されることを特徴とする3.に記載のブラシ用モノフィラメント。
5.前記ブラシ用モノフィラメントは、6個の空隙を有することを特徴とする1.に記載のブラシ用モノフィラメント。
6.前記ブラシ用モノフィラメントは、8個の空隙を有することを特徴とする1.に記載のブラシ用モノフィラメント。
7.前記ブラシ用モノフィラメントは、円形に近い外形を有することを特徴とする1.に記載のブラシ用モノフィラメント。
8.前記ブラシ用モノフィラメントは、0.0064〜0.030cmの範囲の外径を有することを特徴とする1.に記載のブラシ用モノフィラメント。
9.0.0064〜0.030cmの範囲の直径を有し、六小胞、八小胞、または円形に近い形状を有することを特徴とするブラシ用モノフィラメント。
10.前記モノフィラメントは、歯ブラシ用剛毛であることを特徴とする9.に記載のブラシ用モノフィラメント。
11.前記モノフィラメントは、熱可塑性ポリマー材料から形成されることを特徴とする9.に記載のブラシ用モノフィラメント。
12.前記熱可塑性ポリマー材料は、ナイロン610、ナイロン612、ポリアミド、およびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選択されることを特徴とする9.に記載のブラシ用モノフィラメント。
13.さらに、複数の内部融合線および少なくとも4個の空隙を持つ部分を具え、前記空隙がモノフィラメントの断面積の5〜20%を占有することを特徴とする9.に記載のブラシ用モノフィラメント。
14.割れた末端を有する押出されたブラシ用モノフィラメントの製造方法であって、
複数の熱可塑性ポリマー流を押出し、複数のブラシ用モノフィラメントを形成する工程と、
複数の刃を1000rpmを越えて回転させる工程と、
ブラシ用モノフィラメントの末端部分と接触して複数の刃を配置し、割れた末端を形成する工程と、
を具えることを特徴とする製造方法。
15.前記押出しは、紡糸口金を通して前記熱可塑性ポリマー流を押出す工程を具えることを特徴とする14.に記載の製造方法。
16.前記押出しは、複数の紡糸口金毛管を有する紡糸口金を通して前記熱可塑性ポリマー流を押出す工程を具えており、前記各紡糸口金毛管は、5〜12ミルの範囲の曲率半径を有する湾曲部分をもつ複数の開口部を有することを特徴とする14.に記載の製造方法。
17.前記押出しは、複数の熱可塑性ポリマー流を押出し、六小胞または八小胞のブラシ用モノフィラメントを形成する工程を具えることを特徴とする14.に記載の製造方法。
18.前記回転は、前記押出されたブラシ用モノフィラメントの自然な振動数で、またはほぼ自然な振動数で起こることを特徴とする14.に記載の製造方法。
19.前記末端部分は、0.64cm未満の長さであることを特徴とする14.に記載の製造方法。
20.前記ブラシ用モノフィラメントのそれぞれが割れていない部分と割れた部分を有するように、前記複数の刃は、ブラシ用モノフィラメントの末端部分にのみ接触して配置されることを特徴とする14.に記載の製造方法。
21.前記末端部分は、0.64cm未満の長さであることを特徴とする20.に記載の製造方法。
22.先細りに切られた末端部分と先細りに切られていない軸部分を有する複数の剛毛を具え、前記先細りに切られていない軸部分は六小胞または八小胞の形状を有する歯ブラシであって、前記先細りに切られた部分のそれぞれは、0.64cm未満の長さを有することを特徴とする歯ブラシ。
23.前記先細りに切られていない軸部分は、複数の空隙を有する歯ブラシであって、前記空隙は剛毛の断面積の5〜20%を占有していることを特徴とする22.に記載の歯ブラシ。
24.前記複数の剛毛は、ブラシ用モノフィラメントであることを特徴とする22.に記載の歯ブラシ。
25.前記複数の剛毛は、熱可塑性ポリマー材料から形成されることを特徴とする22.に記載の歯ブラシ。
26.前記熱可塑性ポリマーは、ポリヘキサメチレンサバカミド、ポリヘキサメチレンデカノアミド、ポリアミド、およびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選択されることを特徴とする22.に記載の歯ブラシ。
27.前記先細りに切られていない軸部分のそれぞれは、0.0064〜0.030cmの範囲の外径を有することを特徴とする22.に記載の歯ブラシ。
28.前記先細りに切られた部分のそれぞれは、0.64cm未満の長さであることを特徴とする22.に記載の歯ブラシ。
29.ブラシ用モノフィラメントを同時押出しするのに用いられる紡糸口金であって、前記紡糸口金は複数の紡糸口金毛管を含んでおり、前記紡糸口金毛管のそれぞれは、少なくとも6つのフィラメント流を受け入れるための少なくとも6個の穴を有していることを特徴とする紡糸口金。
30.前記少なくとも6個の穴のそれぞれは、5〜12ミルの範囲の曲率半径をもつ湾曲部分を有することを特徴とする29.に記載の紡糸口金。
31.前記紡糸口金毛管は、六小胞または八小胞の形状を有するブラシ用モノフィラメントを押出すように配置されていることを特徴とする29.に記載の紡糸口金。
32.複数の1.に記載のブラシ用モノフィラメントを具えることを特徴とする歯ブラシ。
33.先細りに切られた末端部分と先細りに切られていない軸部分を有する複数の剛毛を具え、前記先細りに切られていない軸部分は六小胞または八小胞の形状を有する歯ブラシであって、前記先細りに切られた部分の少なくとも実質的に全ては、0.64cm未満の長さを有することを特徴とする歯ブラシ。
34.先細りに切られた末端部分と先細りに切られていない軸部分を有する複数の剛毛を具え、前記先細りに切られていない軸部分は六小胞または八小胞の形状を有する歯ブラシであって、前記先細りに切られた部分は、0.64cm未満の長さを有することを特徴とする歯ブラシ。
35.先細りに切られた末端部分と先細りに切られていない軸部分を有する複数の剛毛を具え、前記先細りに切られていない軸部分は、複数の内部融合線および少なくとも4つの空隙を有しており、前記空隙は、剛毛の断面積の5〜20%を占有しており、複数の前記先細りに切られた末端部分は、0.64cm未満の長さであることを特徴とする歯ブラシ
36.前記複数の剛毛は、ブラシ用モノフィラメントであることを特徴とする35.に記載の歯ブラシ。
37.前記複数の剛毛は、熱可塑性ポリマー材料から形成されることを特徴とする35.に記載の歯ブラシ。
38.前記熱可塑性ポリマーは、ポリヘキサメチレンサバカミド、ポリヘキサメチレンデカノアミド、ポリアミド、およびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選択されることを特徴とする37.に記載の歯ブラシ。
39.前記先細りに切られていない軸部分のそれぞれは、0.0064〜0.030cmの範囲の外径を有することを特徴とする35.に記載の歯ブラシ。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】本発明の六小胞モノフィラメントの断面図である。
【図1B】図1Aのモノフィラメントを押し出すのに用いられた紡糸口金毛管の断面図である。
【図2A】本発明の他の六小胞モノフィラメントの断面図である。
【図2B】図2Aのモノフィラメントを押し出すのに用いられた紡糸口金毛管の断面図である。
【図3A】本発明の他の六小胞モノフィラメントの断面図である。
【図3B】図3Aのモノフィラメントを押し出すのに用いられた紡糸口金毛管の断面図である。
【図4A】本発明の他の六小胞モノフィラメントの断面図である。
【図4B】図4Aのモノフィラメントを押し出すのに用いられた紡糸口金毛管の断面図である。
【図5A】本発明の他の六小胞モノフィラメントの断面図である。
【図5B】図5Aのモノフィラメントを押し出すのに用いられた紡糸口金毛管の断面図である。
【図6A】複数の紡糸口金毛管の配置を有する紡糸口金の正面図である。
【図6B】図6Aの紡糸口金の側面図である。
【図7A】割れた末端を有するモノフィラメントの製造に用いられた刃の平面図である。
【図7B】本発明のモノフィラメントの末端を割るのに用いる共通シャフトに取り付けられた3枚の刃を有する構造体の正面図である。
【図7C】図7Bの構造体の側面図である。
【図8】550,000psiのモジュラスと、種々の長さおよび直径とを有する612モノフィラメントに対する自然な振動数のグラフである。
【図9】複数の先細りに切られた剛毛を有する歯ブラシの斜視図である。
【図10】複数の柔らかな微細先端を作り出す、割れた末端を有する複数の剛毛の側面図である。
【図11】歯の表面で広がった先細りに切られた歯ブラシ用剛毛と、一箇所の接点のみを付与する従来の中実な先端との比較の側面図である。
【図12】患者の歯肉を傷つけることなくよりきれいにするために、歯肉線でより深く入り込む先細りに切られた歯ブラシ用剛毛の図である。
【図13】本発明による八小胞モノフィラメントの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.0064〜0.030cmの範囲の直径を有し、六小胞、八小胞、または円形に近い形状を有することを特徴とするブラシ用モノフィラメント。
【請求項2】
割れた末端を有する押出されたブラシ用モノフィラメントの製造方法であって、
複数の熱可塑性ポリマー流を押出し、複数のブラシ用モノフィラメントを形成する工程と、
複数の刃を1000rpmを越えて回転させる工程と、
ブラシ用モノフィラメントの末端部分と接触して複数の刃を配置し、割れた末端を形成する工程と、
を具えることを特徴とする製造方法。
【請求項3】
先細りに切られた末端部分と先細りに切られていない軸部分を有する複数の剛毛を具え、前記先細りに切られていない軸部分は六小胞または八小胞の形状を有する歯ブラシであって、前記先細りに切られた部分のそれぞれは、0.64cm未満の長さを有することを特徴とする歯ブラシ。
【請求項4】
ブラシ用モノフィラメントを同時押出しするのに用いられる紡糸口金であって、前記紡糸口金は複数の紡糸口金毛管を含んでおり、前記紡糸口金毛管のそれぞれは、少なくとも6つのフィラメント流を受け入れるための少なくとも6個の穴を有していることを特徴とする紡糸口金。
【請求項5】
先細りに切られた末端部分と先細りに切られていない軸部分を有する複数の剛毛を具え、前記先細りに切られていない軸部分は六小胞または八小胞の形状を有する歯ブラシであって、前記先細りに切られた部分の少なくとも実質的に全ては、0.64cm未満の長さを有することを特徴とする歯ブラシ。
【請求項6】
先細りに切られた末端部分と先細りに切られていない軸部分を有する複数の剛毛を具え、前記先細りに切られていない軸部分は六小胞または八小胞の形状を有する歯ブラシであって、前記先細りに切られた部分は、0.64cm未満の長さを有することを特徴とする歯ブラシ。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−207111(P2006−207111A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59901(P2006−59901)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【分割の表示】特願平10−545649の分割
【原出願日】平成9年4月24日(1997.4.24)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】