説明

ブルーミング香料を有する多数回使用の布地コンディショニング組成物

本願は:(a)布地コンディショニング成分と、(b)キャリア成分と、(c)香料組成物の少なくとも約25重量%の約250℃以下の沸点を有する香料成分とを含むブルーミング香料組成物を含む多数回使用の布地コンディショニング組成物を開示し、前記多数回使用は少なくとも10の乾燥機サイクルでありかつ、前記組成物は乾燥機の内面に作動上接続可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された布地コンディショニング組成物及びこの組成物を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大抵の乾燥機添加布地コンディショニング製品は、洗濯された布地にある程度の芳香を付ける香料を含有し、嗅覚の感覚利益を提供すると共に、布地が清浄であるという信号としても役立つ。当該技術分野の布地コンディショニング組成物は、一般に布地に良い匂いを提供するための香料を含有する。代表的な香料化合物及び組成物は、米国特許第4,145,184号(ブレイン(Brain)及びカミンズ(Cummins)、1979年3月20日発行);米国特許第4,209,417号(ホワイト(Whyte)、1980年6月24日発行);米国特許第4,515,705号(モーデル(Moeddel)、1985年5月7日発行);米国特許第4,152,272号(ヤング(Young)、1979年5月1日発行)を含む当該技術分野において見出され得る。通常の自動衣類乾燥機に使用される乾燥プロセスにおける高エネルギー電力及び大きな空気流のために、こうした布地コンディショニング製品によって提供される香料の大部分は乾燥機の穴から失われている。揮発性の低い成分でさえも、乾燥サイクル後の布地に少量の画分が残るだけである。非常に揮発性の高い香料画分の損失はさらに大きい。普通、揮発性の高い画分の損失は相当量であり、実際には完全に損失することが多い。こうした問題のために、大抵の洗濯香料は、乾燥サイクルの最後まで残り、故に良好な「布地実質性(fabric substantivity)」を提供する揮発性の低い香料成分から主に構成されていた。これらの香料のうち少量画分の揮発性の高い香料成分の主な機能は、後の布地の匂いに顕著な影響を与えるのではなく、製品自体の芳香剤の匂いを改善するにすぎない場合がある。しかし、非持続性の揮発性香料成分の一部は、望ましいフレッシュで清浄な印象を布地に提供することができ、これらの成分が乾燥した布地に付着し、存在するのが極めて望ましい。これらの所望の揮発性の高い香料成分を乾燥機添加布地コンディショニング製品から送達するために香料キャリアを用いる方法が考案されている。すなわち、米国特許第5,102,564号(ガードリック(Gardlik)ら、1992年4月7日発行)は、乾燥機添加布地コンディショニングシートに使用するための揮発性香料成分をカプセル化し、布地にこうした香料を送達するシクロデキストリンの使用を開示する。米国特許第5,830,835号(シヴァーンズ(Severns)ら、1998年11月3日発行)は、乾燥機添加布地コンディショニング組成物に揮発性香料成分を放出するために後に加水分解されるプロ香料の使用を開示する。米国特許出願公開第2003/0013632A1号(サントス(Santos)ら、2003年1月16日公開)は、乾燥機添加シートから揮発性香料成分を送達するための香料キャリアとしてのゼオライトの使用を開示する。高価な及び/又は複雑な香料キャリアを使用する必要なく、ニートな遊離揮発性香料成分を送達するための方法を見出す試みが続けられている。
【0003】
乾燥機添加布地コンディショニング製品が、すすぎ添加布地コンディショニング製品に比べて消費者にとって簡便性に優れているのは、消費者がすすぎサイクルの初期にいる必要がないからである。
【0004】
乾燥機添加布地コンディショニング製品には2つの主な種類があり、すなわち1回使用の製品と複数回使用の製品である。最も一般的には布地コンディショニング活性組成物でコーティングされたシートの形態である1回使用の製品は、乾燥サイクルの初めに1枚のシートを濡れた洗濯物を含む自動衣類乾燥機に入れることを必要とする。こうした種類の製品例は、米国特許第3,442,692号(ガイザー(Gaiser))及び米国特許第3,686,025号(モートン(Morton)ら)に開示されている。
【0005】
多数回使用の布地コンディショニング製品は、布地コンディショニング活性物質を後続の洗濯物に放出するために乾燥機の内側に配置される。多数回使用の製品のそれぞれは数回のサイクルから約50回以上のサイクルまで多くの乾燥サイクルの間持続するので、消費者にとっては1回使用の製品に比べて簡便さに優れている。1つの種類の多数回使用の製品は、自動衣類乾燥機の内側に取付けられたディスペンサーからなり、このディスペンサーは透過性の表面を有するとともに、室温で固体であり、かつ前記衣類乾燥機の操作温度にて軟化可能な布地コンディショニング活性組成物を含有する。使用中、衣類乾燥機の暖かい操作温度によってコンディショニング活性物質が軟化又は融解し、次いでこの活性物質が透過性表面を通って、処理される布地に接触によって移動し、所望の布地コンディショニング利益を提供する。こうした種類の多数回使用の製品は、例えば米国特許第3,967,008号(1976年6月29日発行)及び同第4,004,685号(1977年1月25日発行)(共にミズノ(Mizuno)ら)、並びに米国特許第4,149,977号(モルガンソン(Morganson)ら、1979年4月17日発行)に開示されている。
【0006】
多数回使用製品の別の種類は、透過性表面によって覆われるのではなく、代わりに布地に移動し得る露呈したコンディショニング活性物質を有する。こうした製品は、米国特許第3,696,034号(1972年10月3日発行)、米国特許出願公開第2003/0192197A1(グリース(Griese)ら、2003年10月16日公開)、及び米国特許出願公開第2003/0195130A1(レンシュ(Lentsch)ら、2003年10月16日公開)に開示されているように、乾燥機の内側に取付けることができる。製品はまた、米国特許第3,676,199号(ヒューイット(Hewitt)ら、1972年7月11日発行)に開示されるように、取り外すことができ、乾燥機内側にある衣類と共に混転される。好ましくは室温で固体の柔軟剤活性物質は、米国特許第3,676,199号及び同第3,696,034号に開示されるようなもののように、衣類乾燥機の操作温度にて軟化又は融解でき、あるいは米国特許出願公開第2003/0192197号及び同第2003/0195130A1に開示されるもののように、衣類乾燥機の操作温度を超える温度でのみ軟化できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
揮発性の香料成分を布地に提供し、フレッシュニング利益を付与できるのが非常に望ましい。それ故に、従来の乾燥機添加布地コンディショニング製品よりも高濃度の揮発性香料成分を送達できる乾燥機添加布地コンディショニング組成物が必要とされている。布地コンディショニング製品分野において、揮発性香料送達への製品形態の有益な影響は知られておらず、新規である。本発明は、こうした香料利益を送達できる乾燥機添加製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は次を含む多数回使用の布地コンディショニング組成物を提供する:
(a)布地コンディショニング成分と、
(b)キャリア成分と、
(c)ブルーミング香料組成物であって、この香料組成物の少なくとも約25重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約65重量%のブルーミング香料成分を含み、このブルーミング香料成分が、約250℃以下、より好ましくは約240℃以下の沸点を有し、前記多数回使用の布地コンディショニング組成物が、好ましくはこの布地コンディショニング組成物の約0.05重量%〜約10重量%の前記ブルーミング香料組成物を含むものとを含んでおり、
(d)次の少なくとも1つを含む任意の香料成分:
(1)香料キャリア及びカプセル化された香料組成物を含む香料マイクロカプセル、好ましくは水分活性化香料マイクロカプセルであって、前記香料キャリアが好ましくはシクロデキストリン類、デンプンマイクロカプセル、多孔質キャリアマイクロカプセルなど、及びこれらの混合物から選択され;前記カプセル化された香料組成物が、揮発性の低い香料成分、揮発性の高い香料成分、及びこれらの混合物を含み、任意ではあるが好ましくは前記香料組成物がブルーミング香料を含むマイクロカプセル;
(2)プロ香料;
(3)匂い検出閾値の低い香料成分であって、この匂い検出閾値の低い香料成分が好ましくはニートな香料組成物全体に対して約25重量%未満で含まれる香料成分;及び
(4)これらの混合物;並びに
(e)任意成分であって、好ましくは次の少なくとも1つを含む成分:汚れ放出剤、キレート剤、移染防止剤、染料固着剤、塩素捕捉剤、蛍光増白剤、賦香剤、抗菌剤、殺真菌剤、しわ抑制剤、酸化防止剤、防腐剤、防虫剤、蛾忌避剤、処理剤、離型剤、及びこれらの混合物;
好ましくは前記布地コンディショニング成分と前記キャリア成分の重量比は、約1:19〜約19:1であり、好ましくは前記布地コンディショニング組成物は約90℃を超える融点を示す。
【0009】
本発明の別の態様は、布地コンディショニング組成物の製造方法を提供する、
(a)布地コンディショニング成分、キャリア成分、及びブルーミング香料組成物を溶融混合し、溶融した布地コンディショニング組成物を形成する工程であって、前記ブルーミング香料組成物が本発明の第1の態様に従って規定される工程と、
(b)前記溶融した布地コンディショニング組成物をモールドする工程と、
を含む。
【0010】
本発明の別の態様は、布地と本発明の前述の第1の態様に従う布地コンディショニング組成物とを接触させる工程を含む布地のコンディショニング方法を提供する。
【0011】
本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物は、好ましくは組成物キャリアと作動可能に(operably)接続されて、多数回使用の布地コンディショニング物品を形成する。布地コンディショニング物品は、衣類乾燥機の内面に作動上接続可能である。好ましい実施形態において、物品はさらに合体部材(docking member)を含み、組成物キャリアはこの合体部材に操作可能に連結され、従って合体部材は衣類乾燥機の内面に操作可能に連結できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
今般驚くべきことに、特定の多数回使用の乾燥機添加布地コンディショニング組成物が、従来の乾燥機添加布地コンディショニング製品、例えば乾燥機シート製品などよりも顕著に高濃度の揮発性香料成分を送達できることを見出した。故に、同じブルーミング香料が同じ濃度で本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物と、融点が低く、基材にコーティングされて乾燥機添加布地コンディショニングシートを形成する従来の布地コンディショニング組成物とに組み込まれる場合、ブルーミング香料成分全体と持続性成分全体との重量比は、香料が多数回使用の布地コンディショニング組成物から送達される場合の方が顕著に高いことを見出した。
【0013】
ブルーミング香料
1つの実施形態において、本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物は、布地コンディショニング組成物の約0.05重量%〜約15重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%;より好ましくは約0.3重量%〜約6重量%、さらにより好ましくは約0.5重量%〜約4重量%のブルーミング香料組成物を含む。本明細書で使用する時、「ブルーミング香料組成物」という用語は、香料組成物の少なくとも約25重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約65重量%のブルーミング香料成分を含む香料組成物を意味し、このブルーミング香料成分は、約250℃以下、より好ましくは約250℃以下の沸点を有し、沸点は通常の標準圧力で測定される。
【0014】
多くの香料成分の沸点は、例えば「香料及び風味料化学(Perfume and Flavor Chemicals)(アロマケミカルズ(Aroma Chemicals))」(S.アークタンダー(S. Arctander)、著者により出版、1969年)にて記載されている。その他の沸点の値は、バイルスタイン・ハンドブック(Beilstein Handbook)、ランゲの化学ハンドブック(Lange’s Handbook of Chemistry)、並びに、化学及び物理学のCRCハンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics)のような様々な化学ハンドブック及びデータベースから入手することができる。異なる圧力、通常は標準圧(101kPa(760mmHg))より低い圧力における沸点だけが提示されている場合、標準圧における沸点は、沸点−圧力計算図表を使用して概算することができ、沸点−圧力計算図表は、例えば「化学者必携(The Chemist's Companion)」、A.J.ゴードン(Gordon)及びR.A.フォード(Ford)、ジョン・ワイリー&サンズ出版社(John Wiley & Sons Publishers)、1972年、30〜36頁に記載されている。適用可能な場合、沸点の値はまた、分子構造のデータに基づくコンピュータプログラム、例えば「ピラン類及びピロール類の標準沸点のコンピュータ補助予測(Computer-Assisted Prediction of Normal Boiling Points of Pyrans and Pyrroles)」(D.T.スタントン(D. T. Stanton)ら、J.Chem.Inf.Comput.Sci.、32(1992)、306〜316頁)、「フラン類、テトラヒドロフラン類、及びチオフェン類の標準沸点のコンピュータ補助予測(Computer-Assisted Prediction of Normal Boiling Points of Furans, Tetrahydrofurans, and Thiophenes)」(D.T.スタントン(D. T. Stanton)ら、J.Chem.Inf.Comput.Sci.、31(1992)、301〜310頁)及びそれらに引用される参照文献、並び
に「分子構造からの物理的特性の予測(Predicting Physical Properties from Molecular Structure)」(R.ムルーガン(R. Murugan)ら、Chemtech、1994年6月、17〜23頁)に記載されるものによって計算できる。
【0015】
本発明の多数回使用のコンディショニング組成物に有用なブルーミング香料成分の非限定例を表1に示す:
【表1−1】

【表1−2】

本発明の多数回使用のコンディショニング組成物に有用な好ましいブルーミング香料成分としては、アロオシメン、アリルカプロエート、アリルヘプトエート、アミルプロピオネート、アネトール、アニスアルデヒド、アニソール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルブチレート、ベンジルホルメート、ベンジルイソバレレート、ベンジルプロピオネート、βγヘキセノール、カンフェン、カンファー、カルバクロール、左旋性−カルベオール、d−カルボン、左旋性−カルボン、シンナミルホルメート、シトラール(ネラール)、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルイソブチレート、シトロネリルニトリル、シトロネリルプロピオネート、クミンアルコール、クミンアルデヒド、シクラールC、シクロヘキシルエチルアセテート、デシルアルデヒド、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ジメチルオクタノール、ジフェニルオキシド、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、酪酸エチル、エチルヘキシルケトン、エチルフェニルアセテート、ユーカリプトール、オイゲノール、フェンキルアセテート、フェンキルアルコール、フロールアセテート(トリシクロデセニルアセテート)、フルテン(トリシクロデセニルプロピオネート)、γメチルイオノン、γ−n−メチルイオノン、γ−ノナラクトン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルホルメート、ゲラニルイソブチレート、ゲラニルニトリル、ヘキセノール、ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルアセテート、ヘキセニルイソブチレート、シス−3−ヘキセニルチグレート、ヘキシルアセテート、ヘキシルホルメート、ヘキシルネオペンタノエート、ヘキシルチグレート、ハイドラトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イソアミルアルコール、α−イオノン、β−イオノン、γ−イオノン、α−イロン、イソボルニルアセテート、イソブチルベンゾエート、イソブチルキノリン、イソメントール、イソメントン、イソノニルアセテート、イソノニルアルコール、パラ−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、イソプレゴール、イソプレギルアセテート、イソキノリン、シス−ジャスモン、ラウリル酸アルデヒド(ドデカナール)、リグストラール、d−リモネン、リナロール、リナロールオキシド、リナリルアセテート、リナリルホルメート、メントン、メンチルアセテート、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、アントラニル酸メチル、メチルベンゾエート、メチルベンジルアセテート、メチルカビコール、メチルオイゲノール、メチルヘプテノン、メチルヘプチンカーボネート、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、α−イソ「γ」メチルイオノン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルフェニルカルビニルアセテート、サリチル酸メチル、ミルセン、ネラール、ネロール、ネリルアセテート、ノニルアセテート、ノニルアルデヒド、オクタラクトン、オクチルアルコール(オクタノール−2)、オクチルアルデヒド、オレンジテルペン類(d−リモネン)、パラ−クレゾール、パラ−クレジルメチルエーテル、パラ−シメン、パラ−メチルアセトフェノン、フェノキシエタノール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール、α−ピネン、β−ピネン、プレニルアセテート、プロピルブチレート、プレゴン、ローズオキシド、サフロール、α−テルピネン、γ−テルピネン、4−テルピネオール、α−テルピネオール、テルピノレン、テルピニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、トナリド、ウンデセナール、ベラトロール、ヴァードックス、バーテネックス、ビリジン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0016】
本発明の多数回使用のコンディショニング組成物に有用なより好ましいブルーミング香料成分としては、アロオシメン、アリルカプロエート、アリルヘプトエート、アミルプロピオネート、アネトール、アニソール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルブチレート、ベンジルホルメート、ベンジルプロピオネート、βγヘキセノール、カンフェン、カンファー、カルバクロール、左旋性−カルベオール、d−カルボン、左旋性−カルボン、シトラール(ネラール)、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルニトリル、シトロネリルプロピオネート、クミンアルデヒド、シクラールC、シクロヘキシルエチルアセテート、デシルアルデヒド、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルオクタノール、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、酪酸エチル、エチルヘキシルケトン、エチルフェニルアセテート、ユーカリプトール、フェンキルアセテート、フェンキルアルコール、フロールアセテート(トリシクロデセニルアセテート)、フルテン(トリシクロデセニルプロピオネート)、γメチルイオノン、γ−ノナラクトン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルホルメート、ゲラニルイソブチレート、ゲラニルニトリル、ヘキセノール、ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルアセテート、ヘキセニルイソブチレート、シス−3−ヘキセニルチグレート、ヘキシルアセテート、ヘキシルホルメート、ヘキシルネオペンタノエート、ヘキシルチグレート、ハイドラトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、イソアミルアルコール、α−イオノン、β−イオノン、γ−イオノン、イソボルニルアセテート、イソブチルベンゾエート、イソメントール、イソメントン、イソノニルアセテート、イソノニルアルコール、パラ−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、イソプレゴール、イソプレギルアセテート、イソキノリン、リグストラール、d−リモネン、リナロール、リナロールオキシド、リナリルアセテート、リナリルホルメート、メントン、メンチルアセテート、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、アントラニル酸メチル、メチルベンゾエート、メチルベンジルアセテート、メチルカビコール、メチルオイゲノール、メチルヘプテノン、メチルヘプチンカーボネート、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、α−イソ「γ」メチルイオノン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルフェニルカルビニルアセテート、サリチル酸メチル、ミルセン、ネラール、ネロール、ネリルアセテート、ノニルアセテート、ノニルアルデヒド、オクタラクトン、オクチルアルコール(オクタノール−2)、オクチルアルデヒド、オレンジテルペン類(d−リモネン)、パラ−クレゾール、パラ−クレジルメチルエーテル、パラ−シメン、パラ−メチルアセトフェノン、フェノキシエタノール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール、α−ピネン、β−ピネン、プレニルアセテート、プロピルブチレート、プレゴン、ローズオキシド、サフロール、α−テルピネン、γ−テルピネン、4−テルピネオール、α−テルピネオール、テルピノレン、テルピニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、ウンデセナール、ベラトロール、ヴァードックス、バーテネックス、ビリジン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0017】
実施形態の1つでは、本発明のブルーミング香料組成物は、少なくとも約3個の異なるブルーミング香料成分、好ましくは少なくとも約4個の異なるブルーミング香料成分、より好ましくは少なくとも約5個の異なるブルーミング香料成分、さらにより好ましくは少なくとも約6個の異なるブルーミング香料成分を含む。
【0018】
香料技術では、匂いのない又は極めてかすかな匂いを有する一部の物質が希釈剤又は展延剤として用いられる。これらの物質の非限定例は、ジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリエチルシトレート、ミリスチン酸イソプロピル、及びベンジルベンゾエートである。これらの物質は、例えば、その他の特定の香料成分を希釈する及び安定化するために用いられる。本発明の趣旨上、これらの物質は「ブルーミング香料成分」として考えない。
【0019】
本発明の溶融布地コンディショニング組成物の相対的に高い温度による潜在的な熱分解からニートな香料を良好に保護するために、及びブルーミング香料の揮発性による香料損失を回避するために、得られた溶融布地コンディショニング混合物がモールドに充填される前に、ニートな遊離の香料組成物を溶融布地コンディショニング組成物にできる限り遅く添加するのが好ましい。
【0020】
次は、本発明の非限定的な代表的ブルーミング香料組成物である:
【表2】

本発明の多数回コンディショニング組成物においてブルーミング香料組成物の一部として使用できる持続性の香料成分は、約250℃を超える沸点.を有するものである。こうした香料成分の非限定例としては、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アンブレットリド、アミルベンゾエート、アミルシンナメート、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、イソアミルサリチラート、オーランチオール(aurantiol)、ベンゾフェノン、ベンジルサリチラート、カジネン、セドレノン、セドレニルアセテート、セドロール、セドリルアセテート、シンナミルシンナメート、クマリン、シクロヘキシルサリチラート、シクラメンアルデヒド、ジヒドロイソジャスモネート、ジフェニルメタン、エチレンブラシレート、エチルマルトール、エチルメチルフェニルグリシデート、エチルウンデシレネート、イソオイゲノール、エキサルトリド、ガラクソリド、ゲラニルアントラニレート、ヘキサデカノリド、ヘキセニルサリチラート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリチラート、リナリルベンゾエート、2−メトキシナフタレン、メチルシンナメート、メチルジヒドロジャスモネート、β−メチルナフチルケトン、ムスクインダノン、ムスクケトン、ムスクチベチン(tibetine)、ミリスチシン、δ−ノナラクトン、オキサヘキサデカノリド−10、オキサヘキサデカノリド−11、パチュリアルコール、パントリド(phantolide)、フェニルエチルベンゾエート、フェニルエチルフェニルアセテート、α−サンタロール、チベトライド(thibetolide)、δ−ウンデカラクトン、γ−ウンデカラクトン、バニリン、ベチベリルアセテート、ヤラヤラ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
本発明の別の態様は、(a)香料キャリア及びカプセル化香料組成物を含む香料マイクロカプセル;(b)プロ香料;(c)匂い検出閾値の低い香料成分;及び(d)これらの混合物の少なくとも1つを含む任意の香料成分を含むような多数回使用の布地コンディショニング組成物を提供する。
【0022】
香料マイクロカプセル
任意ではあるが好ましい本発明の1つの実施形態において、本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物は、布地に長続きする香料利益を与え、及び/又は多数回使用の布地コンディショニング組成物の香料の匂い強度を低減するために、香料キャリア及びカプセル化香料組成物を含む香料マイクロカプセルを含むことができる。
【0023】
本発明の1つの実施形態において、ニートなブルーミング香料組成物に加えて、ブルーミング香料組成物の一部又は異なる香料組成物を1つ以上の種類の香料キャリアにカプセル化し、香料マイクロカプセル、好ましくは水分活性化香料マイクロカプセルを構成する。水分活性化香料キャリアの非限定例としては、例えばシクロデキストリン類、デンプンカプセル、多孔質キャリア、例えばゼオライト、及びこれらの混合物が挙げられる。故に香料は、例えば次の形態にてカプセル化できる:カプセル化された香料組成物が持続性香料成分、ブルーミング香料成分及びこれらの混合物を含有でき、ニートな遊離の香料がいずれかの好適な香料、好ましくはブルーミング香料組成物であることができる、分子カプセル化、例えばシクロデキストリンとの複合体中への内包、香料液滴が固体の壁物質に囲まれるコアセルベートマイクロカプセル化、香料マイクロ液滴が固体のマイクロ粒子のセルに安定に保持される「セル状マトリックス」カプセル化、又は例えばデンプン又は糖マトリックス及びこれらの混合物への香料の埋め込み、及びこれらの混合物。しかし、例えばフレッシュな布地の印象を与えるために布地に使用するのが好ましい香料特性がある。本明細書のニートな香料及び/又はカプセル化香料に使用するための非限定的な好ましい香料成分は、米国特許第5,714,137号(トリン(Trinh)ら、1998年2月3日発行)に記載されている。
【0024】
シクロデキストリン。本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物に有用な好ましい水分活性化香料キャリアはシクロデキストリンである。本明細書で使用する時、用語「シクロデキストリン」は、6〜12個のグルコース単位を含有する非置換型シクロデキストリン類、特にβ−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、α−シクロデキストリン、及び/又はこれらの誘導体及び/又はこれらの混合物のような既知である任意のシクロデキストリン類のいずれかを含む。本発明に使用するのに有用なシクロデキストリン類のより詳細な説明は、米国特許第5,714,137号(トリン(Trinh)ら、1998年2月3日発行)に記載されている。本明細書の好ましいシクロデキストリン類としては、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、α−シクロデキストリン、置換β−シクロデキストリン類、及びこれらの混合物が挙げられ、最も好ましいのはβ−シクロデキストリンである。香料分子は、シクロデキストリン分子の空隙にカプセル化されて、一般にシクロデキストリン/香料複合体と呼ばれる分子状のマイクロカプセルを形成する。シクロデキストリン/香料複合体に充填される香料は、このシクロデキストリン/香料複合体の通常約3重量%〜約20重量%、好ましくは約5重量%〜約18重量%、より好ましくは約7重量%〜約16重量%である。
【0025】
シクロデキストリン/香料複合体はカプセル化香料分子を固く保持し、その結果香料の拡散及び/又は香料の損失を防止でき、従って多数回使用の布地コンディショニング組成物の匂い強度が低減するのを防止できる。しかし、シクロデキストリン/香料複合体は、水分の存在下で特定の香料分子を容易に放出でき、故に香料利益を長続きさせる。調製方法の非限定例は、米国特許第5,552,378(トリン(Trinh)ら、1996年9月3日発行)、及び米国特許第5,348,667号(ベーコン(Bacon)らに発行)に記載されている。
【0026】
本発明に有用なシクロデキストリン/香料複合体(又は香料シクロデキストリンマイクロカプセル)は、好ましくは小さい粒径を有し、通常約200マイクロメートル未満、好ましくは約150マイクロメートル未満、より好ましくは約100マイクロメートル未満、さらにより好ましくは約50マイクロメートル未満である。
【0027】
本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物は、布地コンディショニング組成物全体の約0.1重量%〜約25重量%、好ましくは約1重量%〜約20重量%;より好ましくは約3重量%〜約15重量%、より好ましくは約5重量%〜約10重量%のシクロデキストリン/香料複合体を含む。
【0028】
水分活性化セル状マトリックスマイクロカプセル水分活性化及び/又は水溶性香料セル状マトリックスマイクロカプセルは、粒子内にてセルに安定に保持された香料を含有する固体粒子である。水分活性化香料セル状マトリックスマイクロカプセルについての詳細は、PCT国際公開特許WO01/85888(2001年11月15日公開)及び米国特許第3,971,852号(ベナー(Benner)ら、1976年7月27日発行)に開示されている。好ましい水分活性化香料セル状マトリックスマイクロカプセルは、セル状マトリックス物質としてデンプンを使用する香料デンプンマイクロカプセルである。
【0029】
水分活性化香料セル状マトリックスマイクロカプセルは、好ましくは約0.5ミクロン〜約300ミクロン、より好ましくは約1ミクロン〜約200ミクロン、最も好ましくは約2ミクロン〜約100ミクロンの大きさを有する。本発明に有用なセル状マトリックスマイクロカプセルへの好ましい香料充填量は、マイクロカプセルの約20重量%〜約70重量%、より好ましくは約40重量%〜約60重量%の範囲である。マイクロカプセルの香料充填に依存して、所望の濃度の香料を送達するように、十分な量の香料水分活性化マイクロカプセルが使用されるべきである。約50%の香料充填を有するマイクロカプセルについて、マトリックスマイクロカプセルの典型的な濃度は、多数回使用の布地コンディショニング組成物の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.5重量%〜約7重量%、より好ましくは約0.8重量%〜約8重量%、さらにより好ましくは約1重量%〜約6重量%である。
【0030】
水分活性化香料セル状マトリックスマイクロカプセルを溶融した多数回使用の布地コンディショニング組成物に均一に分配するために好適な分散剤を使用するのが好ましい。本発明の水分活性化セル状マイクロカプセルと組み合わせて使用するための好ましい分散剤は、テレフタレート及びポリエチレンオキシドのブロックを有するブロックコポリマーである。より具体的には、これらのポリマー類はエチレン及び/又はプロピレンテレフタレート及びポリエチレンオキシドテレフタレートの繰り返し単位を、ポリ(エチレン/プロピレン)テレフタレート単位とポリエチレンオキシドテレフタレート単位のモル比約25:75〜約35:65で含み、前記ポリエチレンオキシドテレフタレートは、約300〜約2,000の分子量を有するポリエチレンオキシドブロックを含有する。この高分子分散剤の分子量は、約5,000〜約55,000の範囲である。
【0031】
本発明の水分活性化セル状マイクロカプセルと組み合わせて使用するための別の好ましい分散剤は、ポリエチレンオキシドのブロック及びポリプロピレンオキシドのブロックを有するブロックコポリマーである。この種類の分散剤の非限定例としては、プルロニック(Pluronic)界面活性剤及びテトロニック(Tetronic)界面活性剤が挙げられる。プルロニック界面活性剤は、一般式H(EO)(PO)(EO)Hを有し、式中EOはエチレンオキシド基であり、POはプロピレンオキシド基であり、n及びmは界面活性剤中の基の平均数を示す数である。好適なプルロニック(登録商標)界面活性剤の非限定的な代表例は以下である:
【表3】

これらの混合物。
【0032】
テトロニック(登録商標)界面活性剤は次の一般式を有する:
【化1】

式中、EO、PO、n及びmは上記と同じ意味を有する。好適なテトロニック界面活性剤の非限定的な代表例は以下である:
【表4】

及びこれらの混合物。
【0033】
多数回使用の布地コンディショニングバーの調製プロセスにおいて、好適な分散剤をまず布地コンディショニング組成物の溶融混合物に混合しながら添加し、水分活性化香料デンプンマイクロカプセルを次いでこの溶融混合物に混合しながら添加し、得られた混合物をモールドに注いで多数回使用の布地コンディショニングバーを形成する
多孔質キャリアマイクロカプセル ブルーミング香料組成物の一部又は別の香料組成物はまた、本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物への遊離香料の量を低減するために、ゼオライト又は粘土のような多孔質キャリア上及び/又はキャリア中に吸収され、香料多孔質キャリアマイクロカプセルを形成できる。香料がゼオライトに吸着される場合、カプセル化された香料組成物を形成する香料成分は、米国特許第5,955,419号(バーケット ジュニア(Barket, Jr.)ら、1999年9月21日発行)にて記載されている説明に従って選択できる。多孔質の鉱物キャリア物質、例えば粘土類及びゼオライト類又は粘土類、特に脱水/活性化ゼオライト類と共に使用されるのに好適で好ましい香料成分は、その多孔質鉱物キャリア物質に組み込まれる際に分解する不安定な香料成分を高濃度で含まないようなものである。こうした好ましい香料成分の非限定例は、米国特許出願公開第2003/0013632A1(サントス(Santos)ら、2003年1月16日公開)に記載されている。
【0034】
プロ香料 本発明のブルーミング香料組成物は、さらにプロ香料を含むことができる。「プロ香料」という用語は、次のものを含むように本明細書にて定義される:プロ芳香剤、プロ香料、プロ・アコード、及びこれらの混合物。こうしたプロ香料は、アセタールプロ香料、ケタールプロ香料、エステルプロ香料(例えば、ジゲラニルサクシネート)、加水分解性無機−有機プロ香料、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。これらのプロ香料は一般に、例えば単純な加水分解の結果として放出又は香料物質、好ましくはブルーミング香料成分に変換される非揮発性物質であり、又はpH変化によって誘引されるプロ香料(例えばpH降下によって誘引)であってもよく、又は酵素によって放出可能なプロ香料又は光誘引プロ香料であってもよい。本発明のプロ香料は、選択されるプロ香料によって様々な放出速度を示すことができる。本発明の組成物に使用するためのプロ香料は、次の文献に好適に記載される:米国特許第5,378,468号(サフィス(Suffis)ら、1995年1月3日発行);米国特許第5,626,852号(サフィス(Suffis)ら、1997年5月6日発行);米国特許第5,710,122号(シビック(Sivik)ら、1998年1月20日発行);米国特許第5,716,918号(シビック(Sivik)ら、1998年2月10日発行);米国特許第5,721,202号(ワイト(Waite)ら、1998年2月24日発行);米国特許第5,744,435号(ハートマン(Hartman)ら、1998年4月25日発行);米国特許第5,756,827号(シビック(Sivik)、1998年5月26日発行);米国特許第5,830,835号(セバーンズ(Severns)ら、1998年11月3日発行);米国特許第5,919,752号(モレリ(Morelli)ら、1999年7月6日発行);PCT国際公開特許WO00/02986(ブッシュ(Busch)ら、2000年1月20日公開);及びPCT国際公開特許WO01/04248(ブッシュ(Busch)ら、2001年1月18日公開)。
【0035】
匂い検出閾値の低い香料成分 本発明のブルーミング香料組成物はまた、特定の匂い検出閾値の低い香料成分を含むことができる。本明細書で使用する時、香料成分の「匂い検出閾値」は、嗅覚検出できる香料成分の最も低い揮発濃度である。匂い検出閾値及び幾つかの匂い検出閾値の値は、例えば、M.デボス(M.Devos)らの、「標準化ヒト嗅覚閾値(Standardized Human Olfactory Thresholds)」(オックスフォード大学出版のIRL出版(IRL Press at Oxford University Press)、1990年)、及び「匂い及び味の閾値の値データの編集(Compilation of Odor and Taste Threshold Values Data)」(F.A.ファザラーリ(F.A.Fazzalari)編集、ASTMデータシリーズ(ASTM Data Series)DS 48A、アメリカ材料試験協会(American Society for Testing and Materials)、1978年)に論じられており、これらの文献の両方が本明細書に参考として組み込まれる。低い匂い検出閾値の少量の香料成分の使用によって、香料の匂い特性を改善できると共に、本発明の布地コンディショニング組成物の放出に対する香料の影響を最小限にできる。低い匂い検出閾値の香料成分の非限定例は、PCT国際公開特許WO01/85888(2001年11月15日公開)に記載されている。これらの低い匂い検出閾値香料は、ブルーミング香料成分に加えて低濃度で存在するのが好ましく、多数回使用の布地コンディショニング組成物のニートな及び/又はカプセル化香料組成物全体の通常は約20重量%未満、好ましくは約15重量%未満、より好ましくは約10重量%未満である。これらの物質は、香料組成物全体の20%を超えて、さらには100%までの濃度で使用できる。ブルーミング香料成分の一部も低い匂い検出閾値を有する。本発明の趣旨上、これらの物質は「ブルーミング香料成分」として考える。
【0036】
布地コンディショニング成分
ブルーミング香料組成物に加えて、本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物は布地コンディショニング成分及びキャリア成分を含む。布地コンディショニング成分は布地の柔軟化特性を洗濯物に与える。布地コンディショニング成分はさらに、洗濯物に帯電防止特性を付与できる。布地コンディショニング成分として使用できる代表的な成分は、布地柔軟化特性を提供するために布地ケア組成物に通常使用される布地柔軟化成分を含む。キャリア成分は布地コンディショニング成分と混合されて、乾燥操作中に溶融することによって布地コンディショニング成分が洗濯物に移動し難くするのを助ける。
【0037】
キャリア成分は、布地コンディショニング組成物が乾燥機の操作温度を超える融点又は軟化点を示すように選択される。大抵の乾燥機操作において、これは、布地コンディショニング組成物の融解温度が約90℃を超えることを意味する。布地コンディショニング組成物の融解温度又は軟化温度は、約95℃を超える、約100℃を超える、約110℃を超える、又は約120℃を超えることができる。布地コンディショニング組成物の融解温度は200℃未満であることができる。
【0038】
布地コンディショニング組成物の融解温度は、組成物がそれ自体の重みの下で流動し始める温度を指す。布地コンディショニング組成物がその融解温度に到達した時、組成物が固体の区別できる塊から流動可能な液体に変わるのが観察される。組成物の示差走査熱量測定法(DSC)の測定により、組成物の特定部分又は相が乾燥機の操作温度内である温度にて融解し得ることが明らかになる場合があるが、組成物の融解温度が意味するものは、組成物内の特定部分又は相の融解温度ではなく、組成物の融解温度は流動可能な液体として目に見えて観測される組成物によって示されるようなものである。布地コンディショニング組成物は、複数の相を含む固体混合として又は単一の相を含む固溶体として提供されてもよいことが予想される。
【0039】
組成物の融解温度は、固体の塊が容易に変形可能になる温度のことを指す。本発明の多くの代表的な組成物に関して、軟化温度は融解温度より数度低いことが予想される。
【0040】
布地コンディショニング成分は、キャリア成分と溶融混合される場合に約90℃を超える所望の融解温度を示す布地コンディショニング組成物を提供する、及び濡れた洗濯物を乾燥機で乾燥する操作の間に使用される場合布地コンディショニング組成物中に存在する結果として布地柔軟化特性を洗濯物に提供するいずれかの布地コンディショニング活性物質を含むことができる。布地コンディショニング成分として使用できる代表的な成分は、布地柔軟化特性を提供するために洗濯乾燥プロセスに通常使用される布地柔軟化活性物質を含む。
【0041】
本発明に従って使用できる布地コンディショニング活性物質の一般的な種類は、第四級アンモニウム化合物と呼ばれることができる。代表的な第四級アンモニウム化合物としては、アルキル化第四級アンモニウム化合物、環又は環式第四級アンモニウム化合物、芳香族第四級アンモニウム化合物、ジ第四級(diquaternary)アンモニウム化合物、アルコキシル化第四級アンモニウム化合物、アミドアミン第四級アンモニウム化合物、エステル第四級アンモニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
代表的なアルキル化第四級アンモニウム化合物としては、6〜24個の炭素原子を含有する少なくとも1つのアルキル基を有するアンモニウム化合物が挙げられる。代表的なアルキル化第四級アンモニウム化合物としては、ジアルキルジメチル第四級アンモニウム化合物、モノアルキルトリメチル第四級アンモニウム化合物、及びモノメチルトリアルキル第四級アンモニウム化合物が挙げられる。好ましいアルキル化第四級アンモニウム化合物は、高濃度のジアルキルジメチル第四級アンモニウム化合物を含む。アルキル化第四級アンモニウム化合物の例は、名称アドゲン(Adogen)(登録商標)、アロサーフ(Arosurf)(登録商標)、バリクワット(Variquat)(登録商標)、及びバリソフト(Varisoft)(登録商標)として市販されている。アルキル基は、脂肪族及び飽和又は不飽和あるいは直鎖又は分枝鎖であるC〜C22基又はC〜C18基又はC12〜C22基、ベンジル基、アルキルエーテルプロピル基、水素添加タロー基、ココ基、ステアリル基、パルミチル基、及びソヤ基であることができる。好ましいアルキル基は、直鎖、飽和C12〜C22基、より好ましくはC14〜C22基である。好ましい直鎖、飽和アルキル基の非限定例としては、ステアリル基、水素添加タローアルキル基、及びこれらの混合物が挙げられる。代表的な環又は環式第四級アンモニウム化合物としては、イミダゾリニウム第四級アンモニウム化合物が挙げられ、名称バリソフト(Varisoft)(登録商標)として入手可能である。代表的なイミダゾリニウム第四級アンモニウム化合物としては、メチル−1水素添加タローアミドエチル−2−水素添加タローイミダゾリニウム−硫酸メチル、メチル−1−タローアミドエチル−2−タローイミダゾリニウム−硫酸メチル、メチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウム−硫酸メチル、及び1−エチレンビス(2−タロー,1−メチル,イミダゾリニウム−硫酸メチル)が挙げられる。代表的な芳香族第四級アンモニウム化合物としては、構造内に少なくとも1つのベンゼン環を有する化合物が挙げられる。代表的な芳香族第四級アンモニウム化合物としては、ジメチルアルキルベンジル第四級アンモニウム化合物、モノメチルジアルキルベンジル第四級アンモニウム化合物、トリメチルベンジル第四級アンモニウム化合物、及びトリアルキルベンジル第四級アンモニウム化合物が挙げられる。アルキル基は、約6〜約24個の炭素原子を含有でき、約10〜約18個の炭素原子を含有でき、ステアリル基又は水素添加タロー基であることができる。代表的な芳香族第四級アンモニウム化合物は、名称バリクワット(Variquat)(登録商標)及びバリソフフト(Varisoft)(登録商標)として入手可能である。芳香族第四級アンモニウム化合物は複数のベンジル基を含むことができる。ジ第四級アンモニウム化合物としては、少なくとも2つの四級アンモニウム基を有する化合物が挙げられる。代表的なジ第四級アンモニウム化合物は、N−タローペンタメチルプロパンジアンモニウムジクロリドであり、名称アドゲン(Adogen)477として入手可能である。代表的なアルコキシル化第四級アンモニウム化合物としては、メチルジアルコキシアルキル第四級アンモニウム化合物、トリアルコキシアルキル第四級アンモニウム化合物、トリアルコキシメチル第四級アンモニウム化合物、ジメチルアルコキシアルキル第四級アンモニウム化合物、及びトリメチルアルコキシ第四級アンモニウム化合物が挙げられる。アルキル基は、約6〜約24個の炭素原子を含有でき、アルコキシ基は約1〜約50個のアルコキシ基単位を含有でき、各アルコキシユニットは約2〜約3個の炭素原子を含有する。代表的なアルコキシル化第四級アンモニウム化合物は、名称バリクワット(Variquat)(登録商標)、バリスタット(Varstat)(登録商標)、及びバリクワット(Variquat)(登録商標)として入手可能である。代表的なアミドアミン第四級アンモニウム化合物としては、ジアミドアミン第四級アンモニウム化合物が挙げられる。代表的なジアミドアミン第四級アンモニウム化合物は、名称バリソフト(Varisoft)(登録商標)として入手可能である。本発明に従って使用できる非限定的で代表的なアミドアミン第四級アンモニウム化合物は、メチル−ビス(水素添加タローアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチル、メチルビス(タローアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチル、及びメチルビス(ステアロイルアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチルである。非限定的で代表的なエステル第四級化合物は、メチルビス(ステアロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチル、ジメチルビス(ステアロイルオキシエチル)アンモニウム硫酸メチル、メチルビス(水素添加タローオイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチル、及びこれらの混合物である。
【0043】
本発明の組成物に使用できる他の第四級アンモニウム化合物は、例えば米国特許出願公開第2003/0195130A1(レンシュ(Lentsch)ら、2003年10月16日公開)及び米国特許第6,107,270号(スミス(Smith)ら、2000年8月22日発行)に開示されている。
【0044】
第四級アンモニウム化合物は、本発明に従って布地柔軟化特性を付与する様式で成分を使用可能にするいずれかの対イオンを含むことができる。代表的な対イオンとしては、塩化物、硫酸メチル、硫酸エチル、及びサルフェートが挙げられる。しかし、塩化物イオンはスチール乾燥機ドラムに錆を生じさせる傾向があるため好ましくない場合がある。布地コンディショニング成分として使用できる第四級アンモニウム化合物は、相対的に純粋な又は濃縮された第四級アンモニウム化合物として利用可能であり、又はそれらは媒体中に提供されることができる。代表的な媒体は、溶媒及び/又は界面活性剤を含む。第四級アンモニウム化合物が媒体中に提供される場合、それらは少なくとも約50重量%、又は約50重量%〜約99重量%、又は約70重量%〜約95重量%、又は約75重量%〜約90重量%の量で媒体中に提供できる。第四級アンモニウム化合物のための代表的な媒体としては、アルコール類、グリコール類、非イオン性物質、脂肪族アルコール類、脂肪酸類、トリグリセリド類、及び固体エステル類が挙げられる。使用できる代表的なアルコールは、イソプロパノールである。使用できる代表的なグリコール類としては、ヘキシレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。代表的な非イオン性物質としてはエトキシ化アルコールが挙げられる。代表的な脂肪族アルコール類としては、ステアリルアルコール類が挙げられる。代表的な脂肪酸類としては、硬いタロー酸類及びステアリン酸が挙げられる。代表的なトリグリセリド類としては、水素添加タローが挙げられる。代表的な固体エステル類としては、ステアリルステアレートが挙げられる。本発明に使用するのに好ましい布地コンディショニング成分は、約70%のメチルビス(水素添加タローアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチル及び約30%のエトキシ化脂肪酸界面活性剤を含み、ゴールドシュミット・ケミカル社(Goldschmidt Chemical Company)(ウィスコンシン州ジェーンヴィル(Janeville))から入手可能なバリソフト(Varisoft)DS−110(商標)である。
【0045】
キャリア成分
布地コンディショニング組成物のキャリア成分は、組成物内に布地コンディショニング成分が含有されるのを助け、布地コンディショニング成分が濡れた洗濯物に移動でき、乾燥機の操作温度より高い融解温度又は柔軟化温度を有する布地コンディショニング組成物を提供するいずれかの成分であることができる。本発明に従って使用できる代表的なキャリア成分としては、エチレンビスアミド類、一級アルキルアミド類、アルカノールアミド類、ポリアミド類、少なくとも12個の炭素原子を含有するアルコール類、少なくとも12個の炭素原子のアルキル鎖を含有するアルコキシル化アルコール類、少なくとも12個の炭素原子を含有するカルボン酸類、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0046】
代表的なエチレンビスアミド類としては、次の式を有するものが挙げられる:1
【化2】

式中、R及びRは少なくとも6個の炭素原子を含有するアルキル基であり、直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、環状又は非環状であることができ、エチレンオキシド基及び/又はプロピレンオキシド基を含むことができる。R及びRはC〜C24アルキル基であることができる。R及びRは同じでも異なっていてもよい。代表的なエチレンビスアミド類としては、エチレンビスステアルアミド、エチレンビスオレアミド、及びエチレンビスベヘンアミドが挙げられる。好ましいエチレンビスアミドは、N,N’−エチレンビス−ステアルアミドを含むアクラワックス(Acrawax)C(商標)であり、IMS社(オハイオ州シャグリンフォールズ(Chagrin Falls))から入手可能である。
【0047】
代表的な一級アルキルアミド類としては、次の式を有するものが挙げられる:2:
【化3】

式中、Rは、直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、環状又は非環状であってもよいC〜C24アルキル基であり、R及びRは、水素、又は直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、環状又は非環状であるC〜C24アルキル基であることができる。R及びRは同じでも異なっていてもよい。代表的な一級アルキルアミドはステアルアミドである。
【0048】
代表的なアルカノールアミド類としては次の式を有するものが挙げられる:3:
【化4】

式中、Rは直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、環状又は非環状であってもよいC〜C24アルキル基である。R及びRは同じでも異なっていてもよい。それらが異なる場合、1つは水素であることができ、残りはアルカノール基、例えばCOH又はCOHであることができる。それらが同じである場合、それら各々がアルカノール基、例えばCOH又はCOHであることができる。
【0049】
代表的なアルコール類としては、次の式を有するものが挙げられる:R−OH、式中Rは直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、環状又は非環状であってもよいC12〜C24アルキル基である。代表的なアルコール類としては、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールが挙げられる。代表的なアルコキシル化アルコール類としては、式R10−O(AO)を有するものが挙げられ、式中R10は直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、環状又は非環状であるC12〜C24アルキル基であり、AOはエチレンオキシド又はプロピレンオキシド基であり、xは1〜100の数である。
【0050】
布地コンディショニング組成物は、布地コンディショニング成分及びキャリア成分、並びに任意のいずれかの成分を、全ての成分が溶融するのに十分な温度で混合することによって調製できる。混合工程は、好ましくは約100℃を超える温度で行われる。一般に、成分は、組成物の成分を害したり、変色させたりする程度に高い温度では混合すべきでない。布地コンディショニング組成物の多くの成分について、混合温度は約180℃未満であることができる。混合のための代表的な範囲は約120℃〜約150℃である。製造中、本発明の融解布地コンディショニング組成物の相対的に高い温度による潜在的な熱分解から香料を良好に保護するために、得られた溶融布地コンディショニング混合物が押出成形される又はモールドされる前に、ニートな非カプセル化香料組成物、例えば揮発性の低い香料組成物を溶融布地コンディショニング組成物にできる限り遅く添加するのが好ましい。さらに、高熱及び酸化の影響による潜在的な分解を減らすために、溶融成分及び溶融組成物は、ヘッドスペース又は窒素ブランケットの下で処理される、例えば加熱混合及び/又はモールドされるのが好ましい。
【0051】
成分を十分に混合したら、組成物を成形して所望の形態を提供する。形態は固体の一体型構造として提供できる。代表的な形態としては、乾燥機内に配置できるブロック又はストリップが挙げられ、その結果布地コンディショニング組成物の表面は乾燥操作の間に洗濯物に露出される。代表的な形態としては、方形ブロック及び方形ストリップが挙げられる。追加の形態としては、露呈した表面及び縁が良好な分配のために湾曲するか又は丸くなった半円筒形の形状が挙げられる。布地コンディショニング組成物は、少なくとも約5グラムの大きさを有するように提供されることができる。布地コンディショニング組成物が少なくとも約5グラムの大きさを有するように提供される場合、多数回の乾燥機サイクルにて洗濯物に布地柔軟化及び/又は帯電防止特性を付与すると予想される。代表的な大きさは、約30g〜約170gである。布地コンディショニング成分及びキャリア成分は、一緒に混合されて布地コンディショニング組成物を提供でき、それは乾燥機の内側に配置される場合に乾燥サイクルの間、所望量の布地コンディショニング成分を放出する。布地コンディショニング成分とキャリア成分との代表的な重量比は約1:19〜約19:1である。布地コンディショニング成分とキャリア成分との比は、約1:10〜約10:1であることができ、約3:7〜約9:1であることができる。布地コンディショニング成分についての言及は布地柔軟化特性を提供する原因となる物質を指し、布地コンディショニング成分と共に存在し得る媒体を含まないことを意味することを理解すべきである。すなわち、布地コンディショニング成分は、溶媒又は界面活性剤であり得る媒体中にある状態で市販されていてもよい。さらに媒体はキャリア成分と同じでも異なっていてもよい。
【0052】
任意成分 本発明の組成物は、有効量の任意成分、例えば汚れ放出剤、キレート剤、移染防止剤、染料固着剤、塩素捕捉剤、蛍光増白剤、賦香剤、抗菌剤、殺真菌剤、しわ抑制剤、酸化防止剤、防腐剤、可塑剤、防虫剤、蛾忌避剤、加工助剤、離型剤、及びこれらの混合物を含有できる。好ましい汚れ放出ポリマー類、キレート剤、移染防止剤、染料固着剤、塩素捕捉剤、及び酸化防止剤は、米国特許第6,046,154号(トリン(Trinh)ら、2000年4月4日発行)及びその文献に引用される参照文献に記載されている。好ましい賦香剤(例えばシクロデキストリン類、金属塩類及びゼオライト類)、しわ抑制剤、抗菌剤、殺真菌剤、防腐剤、防虫剤、及び蛾忌避剤は、米国特許第5,968,404号(トリン(Trinh)ら、1999年10月19日発行)及びその文献に引用される参照文献に記載されている。
【0053】
加工助剤 加工助剤の非限定例は、炭化水素ポリマー類、例えばバイバー(Vybar)103ポリマー(オクラホマ州サンドスプリングス(Sand Springs)、ベイカー・ヒューズ(Baker Hughes)のベイカー・ペトロライト・ポリマーズ・ディビジョン(Baker Petrolite Polymers Division)から入手可能)である。この炭化水素ポリマーは、泡及び色むらを減らすのを助け、香料結合剤として作用する。
【0054】
布地コンディショニング組成物は、混転乾燥機の内面、例えば乾燥機の乾燥フィン(又はバッフル)上に操作可能に連結されることができ、その結果組成物は乾燥操作中に濡れた洗濯物と接触する。組成物は、クレードル、例えば米国特許公開第2003/0192197に開示されるクレードルによって乾燥機の内側に取り付けられることができる。
【0055】
乾燥サイクルの間、布地コンディショニング組成物は、所望のレベルの柔軟化及びフレッシュニング特性、及び所望により帯電防止特性を提供するのに十分な量の布地コンディショニング組成物を放出すべきである。さらに布地コンディショニング組成物は、洗濯物にしみをのこす結果になる程多量に布地コンディショニング成分放出させるべきでない。乾燥サイクルの間、布地コンディショニング組成物は、乾燥した洗濯物1ポンド(454グラム)あたり約0.01〜約1グラムの布地コンディショニング組成物を放出することが予想される。乾燥サイクルあたりに放出される量は、乾燥した洗濯物1ポンド(454グラム)あたり約0.02〜0.75グラムの布地コンディショニング組成物であることができ、乾燥した洗濯物1ポンド(454グラム)あたり約0.05〜0.50グラムの布地コンディショニング組成物であることができる。乾燥機の大きさ及び布地コンディショニング組成物の大きさは様々な種類の乾燥機及び乾燥条件によって変動し得ることを理解すべきである。例えば、産業用の洗濯施設及び住宅又は消費者環境に一般に使用される様々な大きさの乾燥機がある。
【0056】
「多数回使用」という用語は、洗濯物を乾燥するのに布地コンディショニング組成物を交換する必要が生じる前に、少なくとも2サイクル、混合物の少なくとも約10サイクル、より好ましくは少なくとも約20サイクル、さらにより好ましくは少なくとも約30サイクル、さらにより好ましくは少なくとも約40サイクル、なおさらにより好ましくは少なくとも約50サイクルの間に、本発明の多数回使用の布地コンディショニング組成物が所望量の布地コンディショニング活性物質を洗濯物に送達するために使用できること意味する。「洗濯物」という用語は洗濯されるいずれかの繊維製品又は布地物質を指すことを理解すべきである。
【0057】
本発明に従う多数回使用の布地コンディショニング組成物が使用され得る乾燥機は、洗濯物から水を取り除くために熱及び攪拌を使用するいずれかの種類の自動衣類乾燥機を含む。代表的な乾燥機としては、電気又はガスによって加熱される混転型乾燥機が挙げられ、その中で洗濯物が回転ドラム内に供給され、洗濯物が乾燥機操作の間に混転される。
【0058】
好適な布地コンディショニング組成物の例としては、米国特許出願US2003/0195130のパラグラフ[0029」〜[0051]に記載されるものが挙げられ、使用される香料は以上で与えられる香料Aである。
【0059】
以下のものは、本発明の組成物のさらなる非限定例である。
【表5】

(a)エチレンビス−ステアルアミド
(b)約70%メチルビス−(水素添加タローアミドエチル)2−ヒドロキシエチルアンモニウム硫酸メチル及び約30%のアルキルエトキシレートを含み、ゴールドシュミット・ケミカル社(Goldschmidt Chemical Company)(ウィスコンシン州ジェーンヴィル(Janeville))から入手可能。
【0060】
(c)β−シクロデキストリンの香料複合体
【表6】

(d)約20マイクロメートル未満の粒径を有する非複合型のβ−シクロデキストリン。
【0061】
実施例4及び5において、ポリ(エチレン/プロピレン)テレフタレート−ポリエチレンオキシドテレフタレートブロックコポリマーを、柔軟剤溶融混合物に混合しながら添加し、その後デンプンマイクロカプセルを混合しながこの混合物に添加し、得られた混合物をモールドに注ぎ、多数回使用の布地コンディショニングバーを形成する。
【0062】
本明細書全体を通じて言及する、すべての特許、特許出願(及びそれらに基づいて発行された特許、並びに関連して公開された外国特許出願)、並びに刊行物の開示を、本明細書に参考として組み込む。しかし、本明細書に参考として組み込まれる文献のいずれもが本発明を教示又は開示していることを認めるものではないことを明言する。
【0063】
特に記載のない限り、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、「1つ又はそれ以上」を意図する。
【0064】
特に指定のない限り、本明細書に記載のパーセンテージは、全て重量による。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような、より小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0065】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数回使用の布地コンディショニング組成物であって、
(a)布地コンディショニング成分と、
(b)キャリア成分と、
(c)ブルーミング香料組成物であって、前記香料組成物の少なくとも約25重量%の、約250℃以下の沸点を有する香料成分を含むものと
を含んでなり、
前記多数回使用が少なくとも10の乾燥機サイクルであり、かつ、
前記組成物が乾燥機の内面に作動上接続可能である、組成物。
【請求項2】
前記ブルーミング香料組成物が少なくとも3つの異なる香料成分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ブルーミング香料組成物が、前記香料組成物の少なくとも約45重量%の、約250℃以下の沸点を有する少なくとも6個の異なる香料成分を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ブルーミング香料成分が、アロオシメン、アリルカプロエート、アリルヘプトエート、アミルプロピオネート、アネトール、アニスアルデヒド、アニソール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルブチレート、ベンジルホルメート、ベンジルイソバレレート、ベンジルプロピオネート、βγヘキセノール、カンフェン、カンファー、カルバクロール、左旋性−カルベオール、d−カルボン、左旋性−カルボン、シンナミルホルメート、シトラール(ネラール)、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルイソブチレート、シトロネリルニトリル、シトロネリルプロピオネート、クミンアルコール、クミンアルデヒド、シクラールC、シクロヘキシルエチルアセテート、デシルアルデヒド、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ジメチルオクタノール、ジフェニルオキシド、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、酪酸エチル、エチルヘキシルケトン、エチルフェニルアセテート、ユーカリプトール、オイゲノール、フェンキルアセテート、フェンキルアルコール、フロールアセテート(トリシクロデセニルアセテート)、フルテン(トリシクロデセニルプロピオネート)、γメチルイオノン、γ−n−メチルイオノン、γ−ノナラクトン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルホルメート、ゲラニルイソブチレート、ゲラニルニトリル、ヘキセノール、ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルアセテート、ヘキセニルイソブチレート、シス−3−ヘキセニルチグレート、ヘキシルアセテート、ヘキシルホルメート、ヘキシルネオペンタノエート、ヘキシルチグレート、ハイドラトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イソアミルアルコール、α−イオノン、β−イオノン、γ−イオノン、α−イロン、イソボルニルアセテート、イソブチルベンゾエート、イソブチルキノリン、イソメントール、イソメントン、イソノニルアセテート、イソノニルアルコール、パラ−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、イソプレゴール、イソプレギルアセテート、イソキノリン、シス−ジャスモン、ラウリル酸アルデヒド(ドデカナール)、リグストラール、d−リモネン、リナロール、リナロールオキシド、リナリルアセテート、リナリルホルメート、メントン、メンチルアセテート、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、アントラニル酸メチル、メチルベンゾエート、メチルベンジルアセテート、メチルカビコール、メチルオイゲノール、メチルヘプテノン、メチルヘプチンカーボネート、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、α−イソ「γ」メチルイオノン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルフェニルカルビニルアセテート、サリチル酸メチル、ミルセン、ネラール、ネロール、ネリルアセテート、ノニルアセテート、ノニルアルデヒド、オクタラクトン、オクチルアルコール(オクタノール−2)、オクチルアルデヒド、オレンジテルペン類(d−リモネン)、パラ−クレゾール、パラ−クレジルメチルエーテル、パラ−シメン、パラ−メチルアセトフェノン、フェノキシエタノール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール、α−ピネン、β−ピネン、プレニルアセテート、プロピルブチレート、プレゴン、ローズオキシド、サフロール、α−テルピネン、γ−テルピネン、4−テルピネオール、α−テルピネオール、テルピノレン、テルピニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、トナリド、ウンデセナール、ベラトロール、ヴァードックス、バーテネックス、ビリジン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ブルーミング香料成分が、アロオシメン、アリルカプロエート、アリルヘプトエート、アミルプロピオネート、アネトール、アニソール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルブチレート、ベンジルホルメート、ベンジルプロピオネート、βγヘキセノール、カンフェン、カンファー、カルバクロール、左旋性−カルベオール、d−カルボン、左旋性−カルボン、シトラール(ネラール)、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルニトリル、シトロネリルプロピオネート、クミンアルデヒド、シクラールC、シクロヘキシルエチルアセテート、デシルアルデヒド、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルオクタノール、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、酪酸エチル、エチルヘキシルケトン、エチルフェニルアセテート、ユーカリプトール、フェンキルアセテート、フェンキルアルコール、フロールアセテート(トリシクロデセニルアセテート)、フルテン(トリシクロデセニルプロピオネート)、γメチルイオノン、γ−ノナラクトン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルホルメート、ゲラニルイソブチレート、ゲラニルニトリル、ヘキセノール、ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルアセテート、ヘキセニルイソブチレート、シス−3−ヘキセニルチグレート、ヘキシルアセテート、ヘキシルホルメート、ヘキシルネオペンタノエート、ヘキシルチグレート、ハイドラトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、イソアミルアルコール、α−イオノン、β−イオノン、γ−イオノン、イソボルニルアセテート、イソブチルベンゾエート、イソメントール、イソメントン、イソノニルアセテート、イソノニルアルコール、パラ−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、イソプレゴール、イソプレギルアセテート、イソキノリン、リグストラール、d−リモネン、リナロール、リナロールオキシド、リナリルアセテート、リナリルホルメート、メントン、メンチルアセテート、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、アントラニル酸メチル、メチルベンゾエート、メチルベンジルアセテート、メチルカビコール、メチルオイゲノール、メチルヘプテノン、メチルヘプチンカーボネート、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、α−イソ「γ」メチルイオノン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルフェニルカルビニルアセテート、サリチル酸メチル、ミルセン、ネラール、ネロール、ネリルアセテート、ノニルアセテート、ノニルアルデヒド、オクタラクトン、オクチルアルコール(オクタノール−2)、オクチルアルデヒド、オレンジテルペン類(d−リモネン)、パラ−クレゾール、パラ−クレジルメチルエーテル、パラ−シメン、パラ−メチルアセトフェノン、フェノキシエタノール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール、α−ピネン、β−ピネン、プレニルアセテート、プロピルブチレート、プレゴン、ローズオキシド、サフロール、α−テルピネン、γ−テルピネン、4−テルピネオール、α−テルピネオール、テルピノレン、テルピニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、ウンデセナール、ベラトロール、ヴァードックス、バーテネックス、ビリジン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物がさらに香料成分を含み、前記香料成分が次の少なくとも1つ:
(a)香料キャリア及びカプセル化香料組成物を含む香料マイクロカプセル;
(b)プロ香料;
(c)臭気検出閾値の低い香料成分;又は
(d)これらの混合物
を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記香料成分が香料マイクロカプセルを含み、前記マイクロカプセルが水分活性化マイクロカプセルを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記水分活性化マイクロカプセルが、シクロデキストリン香料キャリア、β−シクロデキストリン香料キャリア、セル状マトリックスマイクロカプセル、香料デンプンマイクロカプセル、多孔質香料キャリアマイクロカプセル、ゼオライト、又はこれらの混合物から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記布地コンディショニング成分が、メチルビス(タローアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、及びメチルビス(水素添加タローアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(ステアリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジメチルビス(ステアリロイルオキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(水素添加タローオイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、又はこれらの混合物の少なくとも1つを含み;及び
前記キャリア成分が、エチレンビスアミド類、一級アルキルアミド類、アルカノールアミド類、ポリアミド類、少なくとも12個の炭素原子を含有するアルコール類、少なくとも12個の炭素原子を含有するアルコキシル化アルコール類、少なくとも約12個の炭素原子を含有するカルボン酸類、これらの誘導体、又はこれらの混合物の少なくとも1つを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記布地を請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物と接触させる工程を含む、布地柔軟化方法。

【公表番号】特表2007−524776(P2007−524776A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554343(P2006−554343)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/006390
【国際公開番号】WO2005/085409
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】