説明

ブレード構造のアレイコンバータ

“PAMCC”と称される直流−パルス振幅変調(“PAM”)電流コンバータが個々の直流電源に接続されている。幾つかの実施形態では、アレイ内の各直流電源、例えば、多重ソーラパネルにPAMCCが提供される。PAMCCは、直流電流を受け取り、その出力でパルス振幅変調された電流を与える。パルスは、一連のパルスで変調された信号に対して相対的に高周波で生成される。一連のパルスで変調された信号は、低周波の正弦波、または直流を含むその他の低周波の波形の一部を表わす場合もある。PAMCCの出力が同様のPAMCCの出力と並列に接続されるとき、PAMCCのアレイが構成され、このアレイにおいて、PAMCCの出力パルスは、互いに位相がずれたものとなる。本発明に従って構成されたPAMCCのアレイは、分散型多相インバータを構成し、その結合された出力が、各PAMCCにより変調された電流パルス振幅の復調された総和となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、ブレード構造のアレイコンバータに関するものである。
この出願は、Kernahan,et alにより2008年4月2日に出願され、発明の名称を“DISTRIBUTED MULTIPHASE CONVERTERS”とする、共同所有された仮出願ではない米国出願第12/061,025号に対する一部継続出願であり、その全体が本明細書中に援用されるとともに、その出願からの優先権が主張されるものである。
【背景技術】
【0002】
人間活動によって引き起こされる地球温暖化や、石油および天然ガスのコスト増大および潜在的な最終的入手可能性の欠如、あるいは水力発電用の水不足に対する懸念などの多くの理由により、エネルギーを提供するコスト効率的な方法および材料に大きな関心が集まっている。関心の多くの焦点が再生可能エネルギー源、特に、光起電性パネルを使用して発電される電力に向けられている。現在のところ、ソーラ機器から得た電気容量の広範囲の使用および設置は、多くの要因によって阻まれている。現在の対応策は、効率の低さを始め、商品寿命の短さや、貧弱なビジネスモデル、あるいは先行投資を取り戻すのに、ソーラ機器を有するその設備内で十分に長い期間生活を続けなければ回収することができない可能性がある大きな前払い費用に対する消費者の抵抗に悩まされている。
【0003】
効率性あるいはその不足は、それら問題において主要なものである。例えば、図1に示すように、従来技術においては、直列配列に構成された数多くのソーラパネルが提供されて、それらパネルからの電力が直流電流から交流電流に後で変換されるものとなっている。しかしながら、一連のパネルの効率は、直列に接続されたパネルの何れか1つの出力の低下により劇的に悪化する。出力低下の原因は、鳥の糞から、張り出した木により一連のパネルの一部に形成される影または部分的な影へと多岐にわたる。
【0004】
図2は、グリッド接続された太陽光発電システムの一例であり、この例では、ソーラシステムにより提供される電力が、ユーティリティのグリッドシステムに引き入れられている。従来技術に係るシステム202の代表的な構成においては、パネルによって与えられる直流を交流の電力に変換するための単一のインバータを有する複数のパネルが示されている。本発明の例示的な実施形態の表示は、システム204として示されている。なお、204のパネルがそれぞれコンバータを含むことに留意されたい。
【0005】
設置費用は、一部には、パネルの重量およびそれらの付随的な構造条件によって、高くなっている。また、各パネルが直列に接続されるように構成される高電圧直流回路に対して、パネルに照明が利用可能であるときはいつでも電圧が加えられるため、パネルの取付けは危険を伴う場合もある。重量と安全性の要因により、設置を行うには、チームに少なくとも2人が必要となる。
【0006】
現在の技術においては、集中型のインバータの使用により、太陽パネルとインバータ間の分離が強いられている。多くの場合、この分離は相当な距離、複数フィートにもなる。コンダクタを介してDC電力を送信するときの電力損失の主要原因が、電流の2乗×コンダクタの抵抗であり、また、低抵抗コンダクタがコストを要し、一緒に用いるのが難しいため、集中型のインバータが使用されるときには高DC電力が望ましい。高DC電圧を達成する1つの方法は、ソーラパネルを直列に配列することである。これは、一続きのソーラパネルのうち高電圧端部にあるソーラパネルが、高電圧、典型的には数百ボルト、ある場合には千ボルト近くの電圧で、その内部回路すべてを有していることを意味している。死や負傷、アーク放電および火災を防止するためには、そのようなパネルの内部回路をよく絶縁しなければならない。好ましい絶縁材料はガラスであるが、これは、ソーラパネルに対する実質的なコストおよび重量に影響を与える可能性がある。本発明は、中性の電位近傍で、その関連するソーラパネルの内部光起電力を維持する。多くの実施形態においては、光起電力ダイオードの内部セットが、中性から数十ボルト以上離れる部分はなく、それは、接地電位に非常に近いものとなる。アレイコンバータの高電圧部分は、物理的に非常に小さく、数平方インチを有し、典型的には、ソーラパネルアセンブリの背部に物理的に配置される。この配置は、何百ボルトにも耐えるためにアセンブリ前面の複数平方フィートを絶縁しなければならない従来技術モジュールと比較して、絶縁を簡素および軽量なものとすることができる。
【0007】
ソーラパネルは、その製造業者によって少なくとも25年間は持ちこたえるであろうと期待されている。しかしながら、今日の設置に使用されるインバータは、非常に大きくて大容量の電解コンデンサを必要とする。それらコンデンサは、最高最低気温に悩まされ、それらの寿命が、屋根の上で受けるような高温によって特に短縮される。それらコンデンサ中の液体は、そのキャニスタから最終的に漏れて、5年ほどで熟練技能者が交換しなければならないことになる。これは寿命総所有コストの増加に繋がる。電解コンデンサ302を含む回路例が、図3に示されている。
【0008】
設置後でも、安全性は懸念事項である。ソーラパネルは無効化のための手段を有しておらず、火災、トルネードまたはその他の災害のときに、それらが危険となる可能性がある。例えば、消防士は、しばしば、屋根を通るのが火への最良のアクセスであることに気付いて、屋根に穴を開けることがある。消防士が消防斧でソーラパネルまたはそれに関連する配線を貫通させた場合、特に、消防士または斧が接地電位に接触した場合には、死を招く可能性がある。
【0009】
効率を改善し、全システムの寿命を延ばし、消費者の取得コストを低下させるビジネスモデルであって、設置中または設置後に安全に操作することができるシステムの構成要素を提供するビジネスモデルを促進するための方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
多くの従来技術システムでは、“マイクロインバータ”と称される小さなインバータがソーラパネルに接続され、それにより、完全なDC−ACモジュールが構成される。モジュールは、電力、例えば220ボルト、60HzのACを負荷に与える。複数のそのようなモジュールは、並列に接続されて(付随する位相を条件に同期させて)追加的な電力容量を提供する。これに対して、本発明の実施形態では、ソーラパネルはパルス振幅電流コンバータにDC電流を提供して、“PAMCC”と称されるDC−パルス振幅電流コンバータモジュールを構成する。単一のPAMCCの出力は、設計電力を提供しないが、複数のPAMCCの出力が位相をずらして合計され、それにより、電力を負荷に提供する分散多相コンバータシステムが構成される。
【0011】
従来技術では、大容量の電解コンデンサが、直流電流を交流電流に変換するためのシステムの一部となる。従来技術の対応策は、不連続な入力電流を有し、光子を電流に変換する光電池を介して、この不連続な流れを連続的な電流の流れに変換するために、大容量のコンデンサを必要とする。本発明では、電流モード入出力により、コンデンサのサイズを電解(またはその他の揮発性液体ベース)技術の条件以下に低減することが可能になる。正弦波再構成のためのエネルギー貯蔵は、太陽光発電ダイオードからの連続モード電流入力で誘導的に行われる。これは、コンデンサの役割をパルス整形に減少させる。設計の信頼度は、半導体のマージン処理(margining)、インダクタの絶縁、コア材料のマージンおよび熱サイクルで促進される機械的応力によって影響される。電解コンデンサの技術的な制限の除去により、25年を越える寿命が可能である。
【0012】
モジュールグリッドインタフェースにおける高電圧は、インターフェースにおける典型的な電流を約7分の1に減少させ、抵抗に対する耐性を約50倍向上させる。数十ミリオームから数オームにコネクタシステムを移行させることは、酸化および汚染に対する耐性を増加させながらも、接触面および材料条件を低下させる。例えば、200W、220Vの二相アレイコンバータは、910maを必要とし、1パーセントの電力損失につき、最大約2.4オームの配線抵抗に耐えることができる。反対に、直列に結合された30VDC、200Wの従来のソーラパネルは、約6.6アンプを必要とし、同じ1パーセントの電力損失につき、最大約0.045オームの配線抵抗までしか耐えることができない。
【0013】
アレイコンバータ構造においては、両位相についての電流パスが同じコイルを両方向に通過する。これは、両相で流れる同一の電流をもたらす。
【0014】
電圧が境界値を超えるようなグリッド異常の検出によるものか、あるいは局所的または遠隔に発せられたシャットダウン命令によるものであるのかに関わらず、本発明のパネルは安全な状態にシャットダウンされる。この状態においては、内部PVアレイが開回路となり、内部インダクタが放電され、内部電力半導体が開回路となる。この状態では、消防士の斧は、せいぜい、内部PVアレイの開回路電圧、典型的には40Vしか受けることはないであろう。内部PVアレイの安全状態が有効であるため、電流または電圧を受ける斧に対して、2つのショートサーキットを形成する(一方を接地する)必要があるであろう。
【0015】
アレイコンバータの平衡トポロジーにより、ダイオードアレイの正の端部は、負の端部が中性より下になる電圧とほぼ同じだけ、中性より上に位置する傾向がある。これにより、最小ストライク電位(strike potential)よりはるか下に直流アーク電圧が置かれる。PVダイオードアレイにおけるAC要素のほぼ完全な欠如とともに、このように内部アレイ電圧を制限することにより(連続伝導モード入力電流により)、高電圧の一続きの直流利用において見受けられる接地規格(ground specifications)への厳しい漏れ経路に対する必要性が大幅に取り除かれる。これは、PVダイオードアレイのエッジとモジュールのフレーム間のモジュール構成、内部アレイの裏面およびモジュールの裏面を簡素化する。例えば、接地されたフレームと内部PVダイオードアレイとの間の最大450Vの一列に接続されたパネルの漏れ条件が2uaである場合には、絶縁条件が225Mオームとなる。PVダイオードアレイと中性との間に最大30Vを有するアレイコンバータでは、同じ漏れが15Mオームの絶縁しか必要としない。接地と比較してPVダイオードアレイの低い公称動作電圧により、低電圧火花間隙およびMOV要素の使用が可能になり、それにより、電光およびコロナ放電(アンテナ)のための接地経路およびその他の高電圧効果を改善することができる。
【0016】
実際的な電解コンデンサは、高温の長寿命利用に基本的には適していない。既存のソーラ・インバータのトポロジーは、PVダイオードアレイを電流源から電圧源に変換するとともに、エネルギーを交流波形の谷からピークに移動させるためにキャパシタンスを使用する。従来技術の手法によって要求されるキャパシタンス密度は、電解技術を必要とする。
【0017】
この制限を理解するために、以下の点を考慮する。すなわち、アルミニウム電解コンデンサは、2つの導電性アルミ箔であって、その一方が典型的には誘電体としての酸化アルミニウムにより被覆された導電性アルミ箔と、誘電体の反対側に機械的に一致させるための電解液に浸された紙製のスペーサとにより典型的には構成されている。酸化被膜によって絶縁されたアルミ箔はアノードとなり、液体電解質およびもう一方の箔はカソードとして機能する。
【0018】
電解質は、エチレングリコールのような蒸発を遅くするための化学薬品と結合した水溶液中のホウ酸または硼酸ナトリウムとすることができる。電解質は蒸発して、蒸発が摂氏10度毎に倍増するため、設計寿命が時間と温度の関数となる。例えば、45度で15年の設計寿命を有する典型的な電解コンデンサが85度に曝される場合、その寿命は1年未満に低下することとなる。この温度をその寿命の12分の1(1年のうち夏の4ヶ月の間、1日に6時間)だけ受けた場合であっても、その寿命はソーラアレイの目標の25年の2分の1未満となるであろう。なお、これは技術の固有の制限であって、トポロジーまたは回路設計とは関係がないことに留意されたい。
【0019】
電解コンデンサを除去するには、新しいトポロジーが必要である。この新しいトポロジーは、定電流モードでPVダイオードアレイに接続して、AC波形の谷からピークにエネルギーを移動させるために誘導蓄電を使用しなければならない。多相パルス振幅変調システムは、それら条件を満たして、電解コンデンサ技術の必要性をなくすものとなる。
【0020】
本発明を実施する適当なトポロジーは、任意の組合せの、1またはそれ以上のアレイコンバータにDC電流を提供する1またはそれ以上のDC源を含む。例えば、本発明の一実施形態では、単一のDC源が複数(例えば、8)のアレイコンバータに電流を提供して、交流電源を構成する。システムからアレイコンバータを除去または設置することにより、そのシステムを構成するアレイコンバータの数を増減することができるように、時にはアレイコンバータを取り除くことが可能である。別の例示的なトポロジーでは、少なくとも幾つかのアレイコンバータが複数のDC源、例えば2の光起電性パネルから電流を受け取る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、従来技術の一例および本発明の簡単な例を示している。
【図2】図2は、グリッド接続された太陽光発電システムの一例である。
【図3】図3は、現在の技術、従来技術の一例である。
【図4】図4は、本発明に係る単一のパルス振幅変調電流コンバータの一例である。
【図5】図5は、パルス振幅変調電流コンバータを示し、再構成フィルタがグリッドの正の半分の位相において電流パルスを生成している間に、トランジスタが回路を完成してインダクタに電荷を加えている状態を示している。
【図6】図6は、パルス振幅変調電流コンバータを示し、グリッドの正の半分の位相において再構成フィルタを通って電流が流れている状態を示している。
【図7】図7は、パルス振幅変調電流コンバータを示し、再構成フィルタがグリッドの負の半分の位相において電流パルスを生成している間に、トランジスタが回路を完成してインダクタに電荷を加えている状態を示している。
【図8】図8は、パルス振幅変調電流コンバータを示し、グリッドの負の半分の位相において再構成フィルタを通って電流が流れている状態を示している。
【図9】図9は、駆動信号のタイミングと電流を関連付けている。
【図10】図10は、続く幾つかの図面において正弦波の電流のどの部分が詳細に検査されるのかを示している。
【図11】図11は、単一のパルス振幅変調電流コンバータによって与えられるパルスを示している。
【図12】図12は、2のパルス振幅変調電流コンバータによって与えられるパルスと、それら全体の合計電流を示している。
【図13】図13は、8のパルス振幅変調電流コンバータによって与えられるパルスと、それら全体の合計電流を示している。
【図14】図14は、単一のパルス振幅変調電流コンバータのための代替的回路を示している。
【図15】図15は、コンバータを無効化することができる、単一のパルス振幅変調電流コンバータのための回路を示している。
【図16】図16は、複数のパルス振幅変調電流コンバータに電流を与えて、共通負荷に対する電源を構成する単一の直流電源の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
幾つかの用語の定義:
【表1】

【0023】
上述したように、本発明を実施するために様々なトポロジーを使用することができる。明瞭化のために、単純化した実施形態を示すこととする。その実施形態では、複数の直流電源がそれぞれ単一のアレイコンバータに接続され、このアレイコンバータの出力が並列に接続されて、単一のシステムが形成されている。当業者であれば、その例を拡張して、その他の開示されたトポロジーに従うシステムを提供することができることを理解することであろう。
【0024】
本発明においては、“PAMCC”と称されるDC−パルス振幅変調(“PAM”)電流コンバータが個々のソーラパネル(“PV”)に接続されている。典型的には、ソーラパネルは、直列に接続された複数(例えば、72)の個別の太陽電池からなり、各電池が、ある電流で約5ボルトを与え、その電流が、パネルに作用する光束の強度の関数となる。PAMCCは、PVから直流(“DC”)を受け取り、その出力で、パルス振幅変調された電流を与える。パルス振幅変調された電流パルスは、典型的には不連続またはそれに近いものであり、各パルスがほぼゼロ電流から変調電流に変化して、各パルス間でほぼゼロに戻るものとなっている。パルスは、一連のパルスで変調された信号に対して相対的に高周波で生成される。一連のパルスで変調された信号は、低周波の正弦波、または直流を含むその他の低周波の波形の一部を表わす場合もある。PAMCCの出力が同様のPAMCCの出力と並列に接続されるとき、PAMCCのアレイが構成され、このアレイにおいて、PAMCCの出力パルスは、互いに位相がずれたものとなる。本発明に従って構成されたPAMCCのアレイは、分散型多相インバータを構成し、その結合された出力が、各PAMCCにより変調された電流パルス振幅の復調された総和となっている。各PAMCCにより生成された一連の不連続またはほぼ不連続なパルスで変調された信号が交流電流正弦波であった場合には、復調された連続交流電流波形がPAMCCのアレイにより形成される。この交流電流波形は、システムにより電力が与えられるか、あるいは部分的に電力を供給する建物を指す“負荷”の両方による使用に適しているとともに、グリッドへの接続に適している。例えば、いくつかの実施形態では、複数のPVとPAMCCとを組み合わせたモジュールのアレイが互いに接続されて、名目上は、分相のエジソンシステム60Hz、240ボルトACをホームに与える。
【0025】
複数のPVプラスPAMCCモジュールを含むアレイを説明する前に、始めに個々のPAMCCを見ることとする。例えば、図4を参照すると、PVパネルは、符号401で示されるダイオードおよびコンデンサにより電子的に表されている。前述したように、ソーラパネル401は、直流電源により置き換えることができる。PAMCC(または時には“マイクロインバータ”)を含む構成要素は、まとめて単に“PAMCC400”と呼ばれる。電流は、正入力端子402および負入力端子404にPV401によって与えられる。正入力端子402は、コイルL1・406と直列に接続されている。負入力端子404は、コイルL2・405と直列に接続されている。一実施形態においては、コイルL1・406およびL2・405は、2つの入力端子と2つの出力端子とを有する一対一トランスを構成する。そのような実施形態では、2つの電流パスにより良好な電流整合(current matching)が提供される。以下、単一のトランスのことを“T1”407と称することとする。スイッチQ1・404、例えばNMOS FETは、トランスT1・407の負荷側を跨ぐように接続され、スイッチQ1・404のソースが、T1・407出力の負端子に並列に接続されている。なお、PV401の負側とPAMCC400の負側がフローティング、すなわち、電気的に接地されていないことに留意されたい。コントローラ412は、ライン411上のQ1・404の制御ゲート(Q1G)に信号を与える出力端子414を有する。幾つかの実施形態では、コントローラ412が付加的論理回路を有するマイクロプロセッサであり、プログラムによって操作される。コントローラ412については以下により詳細に説明する。
【0026】
コントローラ412は複数の出力端子を含み、その各々が独立に操作される。4つのコントローラ412の出力端子415乃至418は、4本のライン119乃至422により、4つのトライアック(CR11・424;CR22・423;CR12・425;およびCR21・426それぞれ)の制御端子にそれぞれ接続されている(内部接続は図示せず)。各ライン、すなわち、各トライアックは、コントローラ412からの制御信号によって独立に制御される。CR11・424およびCR22・423のアノード端子は、並列にT1・407の正出力端子と接続されている。トライアックCR12・425およびCR21・426のカソード端子は、並列にT1・407の負出力端子と接続されている。トライアックCR11・424のカソード端子およびトライアックCR12・425のアノード端子は、並列にコイルL12・430と接続されている。トライアックCR22・423のカソード端子およびトライアックCR21・426のアノード端子は、並列にコイルL22・431と接続されている。コイルL12・430からの端子434は、“位相1”(P1)出力を与えるものとして任意に指定され、コイルL22・431からの端子436は、“位相2”(P2)出力を与えるものとして任意に指定される。幾つかの実施形態では、コイルL12・430およびL22・431は一対一トランスで具体化されている。図4に例示される実施形態においては、コイルL12・430およびL22・136が別個のコイルとなっている。コンデンサC12・438は、コイルL12・430の入力側と中性出力端子432を跨いでいる。別のコンデンサC22は、コイルL22・431の入力側と中性出力端子432を跨いでいる。別の実施形態では、中性出力端子432がなくて、コイルL12・430およびL22・431の入力端子を跨ぐ単一のコンデンサがある。この実施形態では、コンデンサの電圧定格は、コンデンサC22・440およびC12・438のそれの少なくとも2倍である。
【0027】
本発明の方法は、ライン411および419乃至422上の制御信号によって実行される。特に、ライン411上の制御信号Q1G、ライン419上の信号CR11T、ライン420上の信号CR22T、ライン421上の信号CR12Tおよびライン422上の信号CR21Tは、高周波周期、例えば30kHzで、PAMCC400内のシーケンスにおいてPV401により与えられる電流の接続および切断を行い、それは、より遅い60サイクルパターンで変調されるPCM信号を与え、それにより、振幅が正弦波に近付くPAM信号である出力を与える。
【0028】
図2を参照すると、初期条件は以下の通りである。すなわち、Q1・404、CR11・424、CR22・423、CR12・425およびCR21・426は遮断され、コイルL1・406、L2・405、L12・430およびL22・431は電流が流れておらず、太陽電池PV1乃至PVnは暗い状態にある。この状態において、グリッド交流電圧は、P1・434とP2・436との間に印加され、L12・430、C12・438、C22・440およびL22・431を通るパスを受ける。L12・430およびC12・438を含む再構成フィルタのために選択された共振周波数は、典型的には、Q1・404のスイッチング周波数の約2分の1となるように選ばれる。L22・431およびC22・440を含む再構成フィルタのために選択される共振周波数は、典型的には、L12・430およびC12・438の再構成フィルタと同じとなるように選ばれる。一実施形態では、トランジスタQ1・404が約30kHzの規定のスイッチング周波数のために選択され、その後、再構成フィルタの共振周波数が15kHz用に設計される。グリッド交流電圧は典型的には60Hzであるが、些細な量の容量性無効負荷がグリッドに与えられる。
【0029】
回路動作は、ソーラパネル401が十分な光に曝されてかなりの電流を生成するところから始まる。電流の存在は、Q1・404を跨ぐ電圧の増加として観察することができる。この時点で、Q1・404は、ライン411上のコントローラ412からの信号をQ1GとQ1Sとの間に加えることにより、始めはオン状態とされる。コントローラ412とトランジスタQ1・404との間のインタフェースは、光学的に分離してトランス結合することができ、あるいはコントローラ412をQ1Sに接続することもできる。この状態で、L1・406およびL2・405に電流を流すことが開始される。PV401を跨ぐ電圧が予め設定された値に低下するとき、コイルに電流を流す時間が、電流を計算するために測定され、通常の動作が次のグリッドゼロ交差から開始される。これは、一実施形態においては、P1が正に移りP2が負に移りながら、P1における電圧がP2よりも上側に交差する時となる。この時点では、CR11・424およびCR21・426に電流が加えられたときに伝導するように、信号CR11T・419およびCR21T・421がアサートされている。
【0030】
[事例1:グリッドの正の半波長のためのPWM変調]
PAMCC400の動作を説明するにあたり、図5乃至図8を参照することとする。なお、構成要素は図4のものに対応するが、説明が不明瞭とならないように、符号を省略していることに留意されたい。しかしながら、図4により与えられる符号を引用するものとする。図5に目を向けると、L1・406およびL2・405には電流が流れ、Q1・404は、パルス幅変調期間中、オフ状態とされている。オフの期間が終了した後は、Q1・404が、電流スイッチングサイクルの終わりまでオン状態とされる。Q1・404がオフである期間中、L1・406およびL2・405に予め蓄積された電流が、PV401に流れる電流とともに、CR11・424およびCR21・426の入力端子に加えられ、それらは、グリッドの正の半分のサイクル全体のための信号CR11T・419およびCR21T・421の結果として、イネーブルの状態を保持する。グリッドの正の半分のサイクルは、出力端子P1・434の電圧が出力端子P2・436の電圧より大きい状態として規定される。トライアックCR11・424によって伝えられる電流パルス中の電荷は、始めはコンデンサC12・438に蓄積されて、出力端子P1・434に接続されるコイルL12の端部と比較してコイルL12・430の近位端で正のより大きな値となる電圧を形成する。トライアックCR21・426によって伝えられる電流パルス中の電荷は、始めはコンデンサC22・440に蓄積されて、出力端子P2・436に接続されるコイルL22の端部と比較してコイルL22・431の近位端で負のより大きな値となる電圧を形成する。これは、L12・430、C12・438を含む再構成フィルタと、L22・431、C22・440を含む再構成フィルタの双方の初期条件となる。この時点で、再構成フィルタは、それらに伝達されるパルス幅変調された電流パルスを、図5に示すようにグリッドに伝達される電流505のパルス振幅変調(PAM)の半分の正弦波に変換することとなる。
【0031】
再構成フィルタの共振周波数は、P1・434およびP2・436に伝達されるパルス幅変調された電流パルスの各々について電流の正弦波の2分の1がP1・434およびP2・436に与えられるように、Q1・404のスイッチング周波数の約2分の1となるように選ばれる。各再構成フィルタの共振周波数がそれに加えられる電流のパルス幅に依存せず、また再構成フィルタに加えられるそのときの電流パルス中の電荷が、再構成フィルタからグリッドに伝達される電流の半分の正弦波における電荷と等しくなければならないため、入力電流のパルス幅の変化は、再構成フィルタの出力の振幅の変化として反映されることとなる。再構成フィルタのインダクタ中の電流がゼロに戻るとき、再構成フィルタの周波数は、パルス幅変調電流パルスがQ1・404により生成される速度の2分の1であるので、電流の次のパルスは、再構成フィルタのコンデンサに伝達される。
【0032】
Q1・404のオフ期間は、生成される電流パルスの幅がグリッド正弦波の形状内にあるように調整される。再構成フィルタは、この一連のパルス幅変調電流パルスを一連のパルス振幅変調電流パルスに変換し、そのパルスの振幅がグリッド正弦波の形状の対応点に追従する。
【0033】
グリッドの半分のサイクルが、端子P2・436の出力に対して端子P1・434で正の状態を保持する限りは、“事例1:グリッドの正の半波長のためのPWM変調”から始まる上述したプロセスを繰り返すことによって、更なる電流パルスが生成される。
【0034】
グリッド電圧の負のゼロ交差(negative zero crossing)は、P1・434がP2・436より正の大きな値であった後で端子P1・434の電圧が端子P2・436の電圧と等しくなる状態として規定される。負のゼロ交差の前に、Q1・404はオン状態とされ、それにより、CR11・424およびCR21・426から電流が除去される。この時点で、信号CR11T・419およびCR21T・421はデアサートされ、それにより、トライアックCR11・424およびCR21・426がグリッドの負の半分のサイクル中に電流を伝導するのを防止する。負のゼロ交差の後に、端子P1・434の電圧が端子P2・436の電圧より負の大きな値になり、その後、信号CR22T・420およびCR12T・421がアサートされ、それにより、CR22・423およびCR12・425をイネーブル状態としてそれらに電流が加えられるときに伝導させるものとする。
【0035】
[事例2:グリッドの負の半波長のためのPWM変調]
図6を参照すると、L1・406およびL2・405に電流が流れ、Q1・404がパルス幅変調期間、オフ状態とされる。オフの期間が終了した後は、Q1・404が、そのときの電流スイッチングサイクルの終わりまでオン状態とされる。Q1・404がオフである期間中、L1・406およびL2・405に予め蓄積された電流が、PV401に流れる電流とともに、CR12・425およびCR22・423の入力端子に加えられ、それらは、グリッドの負の半分のサイクル全体のための信号CR22T・420およびCR12T・421によって、イネーブルの状態を保持する。グリッドの負の半分のサイクルは、出力端子P1・434の電圧が出力端子P2・436の電圧より大きい状態として規定される。トライアックCR22・423によって伝えられる電流パルス中の電荷は、始めはコンデンサC22・440に蓄積されて、出力端子P2・436に接続される端部と比較してコイルL22・431の近位端で正のより大きな値となる電圧を形成する。トライアックCR12・425によって伝えられる電流パルス中の電荷は、始めはC12に蓄積されて、端子P1・434に接続される端部と比較してコイルL12・430の近位端で正のより大きな値となる電圧を形成する。これは、L12・430、C12・438を含む再構成フィルタと、L22・431、C22・440を含む再構成フィルタの双方の初期条件となる。この時点で、再構成フィルタは、それらに伝達されるパルス幅変調電流パルスを、図4に示すようにグリッドに伝達される電流のパルス振幅変調された半分の正弦波に変換することとなる。
【0036】
事例2の再構成フィルタは、事例1に関連して述べた構成要素と同じであるため、ここでは、その設計および動作を繰り返して説明することはしない。
【0037】
Q1・404のオフ期間は、生成される電流パルスの幅がグリッド正弦波の形状内にあるように調整される。再構成フィルタは、この一連のパルス幅変調電流パルスを一連のパルス振幅変調された電流パルスに変換し、そのパルスの振幅がグリッド正弦波の形状の対応点に追従する。
【0038】
グリッドの半分のサイクルが負の状態を保持する限りは、端子P1・434の電圧が端子P2・436の電圧よりも負の大きな値となるとともに、“事例2:グリッドの負の半波長のためのPWM変調”から始まる上述したプロセスを繰り返すことによって、更なる電流パルスが生成される。
【0039】
グリッド電圧の正のゼロ交差(positive zero crossing)は、端子P1・434の電圧が端子P2・436の電圧より負の大きな値であった後で端子P1・434の電圧が端子P2・436の電圧と等しくなる状態として規定される。正のゼロ交差の前に、Q1・404はオン状態とされ、それにより、トライアックCR12・425およびCR22・423から電流が除去される。この時点で、信号CR12T・421およびCR22T・420はデアサートされ、それにより、トライアックCR12・425およびCR22・423がグリッドの正の半分のサイクル中に電流を伝導するのを防止する。正のゼロ交差の後に、端子P1・434が端子P2・436より正の大きな値になるとともに、信号CR11T・419およびCR21T・421がアサートされ、それにより、トライアックCR11・424およびCR21・426をイネーブル状態としてそれらに電流が加えられるときに伝導させるものとする。
【0040】
グリッドが再び正となると、プロセスは、再び“事例1:グリッドの正の半波長のためのPWM変調”と表示されたセクションから始まる上述したプロセスに戻ることとなる。
【0041】
図9は、上述したもの(L12・430およびC12・438;L22・431およびC22・440)のように、再構成フィルタによってパルス振幅変調(PAM)電流パルスに変換された、パルス幅変調パルスの変換後の信号ダイアグラムを示している。短期間の略矩形状の電圧パルス902は、Q1・404のドレイン側451(図4)の電圧である。符号908が付されたパルス幅は、ライン411(図4)上の信号Q1Gのパルス幅に接近し、その周期910はPAMCC400のスイッチング周期である。この電圧は、トランス407およびPV401の電流を、トライアックCR11・424またはCR12・425を介して(上述したように、コントローラ412からの制御信号のそのときの状態に応じて)、再構成フィルタの1つの入力に向かわせる。曲線的な半波長整流正弦波904は、再構成フィルタの出力である。入力パルスのパルス幅908(近似的に)が増加すると、出力波形フォーム904の振幅が増加する。グラフの一番上の三角波フォーム906は、共通の時間ウィンドウ中にPV・401を通る電流の変化を示している。出力波形906は、再構成フィルタに与えられる相対的に大きなパルス幅変調電流パルスとは独立に相対的に一定なPV401の電流を維持する際の、トランス407の影響を示している。
【0042】
図10は、図11、図12および図13に示されることとなるグリッド正弦波サイクルの狭小なタイムスライスを示している。
【0043】
図11は、単一のPAMCC400のパルス振幅変調された出力電流を示している。なお、示された振幅が、サイクル例1101上に示すように、グリッド電圧の正のピークの近傍の小さい時間部分についてのものであることに留意されたい。個々のパルス1104は、スイッチング周波数の周期と等しい周期1106、例えば(1/30kHz)を有している。
【0044】
図12では、2つのPAMCC(各々がPAMCC400に従う)の2の個別の電流(1200.1および1200.2)は、スイッチング周波数の周期の2分の1離れて、位相が合わされている。上記出力波形1202は、2つのPAMCC出力電流1200.1および1200.2の和である。なお、合計電流1202は、単一のPAMCC(図11を参照)のリップルよりはるかに小さなリップルを有し、単一のインバータのリップル周波数の2倍のリップル周波数を有していることに留意されたい。合計電流1202は、ゼロに戻ることはない。
【0045】
2つのPAMCC400出力の電流の合計に続いて、図13は、8のPAMCC(ライン1300は代表であり、各波形には番号が付されていない)の個々の出力電流を示し、その各々が、スイッチング周波数の周期を跨いで均等に位相がずれている。例えば、30kHzのスイッチング周波数を使用するシステムについては、周期は33.3マイクロ秒であり、各相は、前の出力電流波形に対して、(33.3/8)または4.167マイクロ秒だけ遅延される。任意の数のPAMCC400をそのように合計することができる。合計数が増加するとき、それらは、より小さい数(1/(スイッチング周波数)*n;ここで、“n”は合計されるPAMCCの数である)だけ各相が遅延される。なお、図13に示される合計電流は、個々のPAMCC(図12)のリップル電流のごく一部分だけを有しており、個々のPAMCCのリップル周波数の8倍のリップル周波数を有していることに留意されたい。各PAMCC400がグリッド正弦波上にポイントを生成している場合、PAMCCのセットの位相をずらして合計し、コンバータのアレイを生成する、一連のPAM電流パルスは、電流のグリッド正弦波を非常に高精度および非常に低ノイズ(リップル)で効率良く復調することとなる。任意の数のアレイコンバータを、このように位相をずらして合計することができる。PAMCCの数が増加するに連れて、リップル振幅が減少する一方、リップル周波数が増加する。一実施形態では、複数のPAMCC400の個々の出力電流の2またはそれ以上は、互いに同調している。幾つかの実施形態では、スイッチング周波数は、グリッド周波数、例えば、米国における60Hzとは無関係となるように選択され、リップルが高調波歪みを表さないようになる。PAMCC出力上で変調される信号は任意である。幾つかの実施形態では、多重信号がPAMCC出力上で変調され、そのような信号の1つが、例えば、任意の2またはそれ以上のPAMCCモジュール間の通信を提供することができる。PAMCC変調は、グリッド信号中の歪みを補正するために使用されることもある。
【0046】
配列されたPAMCC400の位相調整を選ぶ幾つかの方法のうちの1つは、各PAMCC400にタイミングスロット番号を予め割り当てるものであり、第1スロットがゼロ交差の後に予定され、各PAMCC400が、予め設定された(すなわち、割り当てられた)順序でそのPAM信号を発するものとされる。
【0047】
図14に例示される代替的な実施形態では、別のトランジスタが加えられ、Q1A・1402およびQ1B・1404が、図4の回路で示して説明した単一のトランジスタQ1・404に取って代わる。2つのトランジスタQ1A・1402およびQ1B・1404を使用することには幾つかの潜在的な利点が有り、それには、各トランジスタを跨ぐ電圧を低減すること、Q1・404のRds_on条件と比較して各トランジスタのRds_on(“オン”抵抗)条件をより緩和することを可能にすること、相対的に低電圧および安定したPV401のアノードおよびカソード端部に対して各トランジスタを駆動することを可能にすることが含まれる。この構成では、Q1A・1402およびQ1B・1404はともに、前述したQ1・404のように同時にオンおよびオフ状態とされる。回路動作のその他の面はすべて同じままである。Q1A・1402およびQ1B・1404は、異なるトランジスタ型式であり、よって、それらの制御ゲートへの個々の信号は、コントローラ1412によって与えられる。コントローラ1412は、その他の点では、図12のコントローラ412と同じであり、追加の出力端子が、ライン1401および1403を介して制御ゲートQ1A・1402およびQ1B・1404に接続されている。
【0048】
幾つかの実施形態では、安全性、メンテナンスまたはその他の目的のためにシステムをシャットダウンすることができる。シャットダウン方法の一例が図15に示されている。図示のように、トランジスタTR1・1502および中継器S1・1504が加えられている。なお、この例は、2つのトランジスタQ1A・1402およびQ1B・1404を含むが、同じシャットダウン対策を図4の回路に加えることができ、その場合には、2つのトランジスタQ1AおよびQ1Bが単一のトランジスタQ1・404により置き換えられることに留意されたい。トランジスタTR1・1502および中継器S1・1504は、照明されて電力を生成するPV401に接続されている間に、PAMCCの安全なシャットダウンを提供する。シャットダウンプロセスは、ライン1506上のコントローラ1512からの信号TR1Bを与えることによって開始され、ライン1506は、トランジスタ1502の制御ゲートに接続されている。トランジスタTR1・1502がオン状態とされるとき、TR1は、PV401によって生成される電流のための短いパスを形成し、それにより、PV401を跨ぐ電圧が小さなレベルに減少されることとなる。この時点で、Q1A・1402およびQ1C・1404は、コイルL1・406およびL2・405中の電流が低レベルに低下することを可能にするように電圧が加えられる。コイルL1およびL2が放電された後、中継器S1・1504が開放される。その際に、グリッドへのパスが開き、Q1A・1402およびQ1B・1404がオフ状態とされ、その後に、TR1・1502がオフ状態とされる。この構成では、それ以上の電力が生成されないものとなる。
【0049】
図16は本発明の実施のための別の代替的トポロジーを示している。直流電源1602は、ライン1610のバス上の電流を複数のPAMCC1604.1、1604.nユニットに与える。直流電源1602は、例えば、バッテリ、並列の多重バッテリ(並列のバッテリの幾つかは、直列のバッテリにより構成することができる)、AC線源からDC電流を与える電力供給装置など、様々な直流電源の何れかとすることができる。上述したように、PAMCC1604.1、1604.nの電流出力は、位相がずれてバス1612上で合計されて、負荷1606にAC電力を与える。負荷1606は外部グリッドであってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を変換するためのシステムであって、
2またはそれ以上の直流電源と、
各直流電源に接続されるパルス振幅変調電流コンバータ(“コンバータ”)とを備え、
前記コンバータの各々が、直流電流をそれぞれの直流電源から受け取るとともに、前記コンバータの出力端子でパルス振幅変調された電流パルスを与え、
各コンバータの前記出力端子が、前記システム内のその他のコンバータすべての出力端子と並列に電気的に接続され、
少なくとも2のコンバータの前記電流パルスが、互いに位相がずれており、
前記コンバータの前記パルス出力で変調される信号が復調されるように、前記コンバータすべての前記電流パルスが合計されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
各コンバータの前記電流パルスが、その他のコンバータすべての前記電流パルスに対して位相がずれていることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記信号が、60サイクルの交流電圧であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記信号が、直流電圧のほぼ固定された値であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記信号が方形波であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記信号が三角波であることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記信号がガウス波であることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記信号が、データを伝えるための通信信号を与えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記通信信号が、所与のコンバータから前記システム内の少なくとも1のその他のコンバータにデータを与えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記通信信号が、所与のコンバータから前記システム内のその他のコンバータのすべてにデータを与えることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記データが位相データを含むことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記データが制御コマンドを含むことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記データが動作データを含むことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記2またはそれ以上の直流電源が光起電性パネルであることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記2またはそれ以上の直流電源が風力発電機であることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記2またはそれ以上の直流電源が潮力発電機であることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記2またはそれ以上の直流電源が圧電式発電機であることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記2またはそれ以上の直流電源がバッテリであることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記通信信号が前記信号に重畳されることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記電流パルスが、前記信号の任意の歪みを低減するように修正されることを特徴とするシステム。
【請求項21】
電力を変換するためのシステムであって、
直流電源と、
前記直流電源に接続される複数のパルス振幅変調電流コンバータ(“コンバータ”)とを備え、
前記コンバータの各々が、前記直流電源から直流電流を受け取るとともに、前記コンバータの出力端子でパルス振幅変調された電流パルスを与え、
各コンバータの前記出力端子が、前記システム内のその他のコンバータすべての出力端子と並列に電気的に接続され、
少なくとも2のコンバータの前記電流パルスが、互いに位相がずれており、
前記コンバータの前記パルス出力で変調される信号が復調されるように、前記コンバータすべての前記電流パルスが合計されることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、
各コンバータの前記電流パルスが、その他のコンバータすべての前記電流パルスに対して位相がずれていることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記信号が、60サイクルの交流電圧であることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記信号が、直流電圧のほぼ固定された値であることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記信号が方形波であることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記信号が三角波であることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記信号がガウス波であることを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記信号が、データを伝えるための通信信号を与えることを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項28に記載のシステムにおいて、
前記通信信号が、所与のコンバータから前記システム内の少なくとも1のその他のコンバータにデータを与えることを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項28に記載のシステムにおいて、
前記通信信号が、所与のコンバータから前記システム内のその他のコンバータのすべてにデータを与えることを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項28に記載のシステムにおいて、
前記データが位相データを含むことを特徴とするシステム。
【請求項32】
請求項28に記載のシステムにおいて、
前記データが制御コマンドを含むことを特徴とするシステム。
【請求項33】
請求項28に記載のシステムにおいて、
前記データが動作データを含むことを特徴とするシステム。
【請求項34】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記直流電源が光起電性パネルであることを特徴とするシステム。
【請求項35】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記直流電源が風力発電機であることを特徴とするシステム。
【請求項36】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記直流電源が潮力発電機であることを特徴とするシステム。
【請求項37】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記直流電源が圧電式発電機であることを特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記直流電源がバッテリであることを特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項28に記載のシステムにおいて、
前記通信信号が前記信号に重畳されることを特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記電流パルスが、前記信号の任意の歪みを低減するように修正されることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−517269(P2011−517269A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503188(P2011−503188)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/039368
【国際公開番号】WO2009/124221
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(510263205)アレイ コンバーター,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ARRAY CONVERTER,INC.
【Fターム(参考)】