説明

ブロックポリマー化合物、それを含有する組成物、記録材料、画像記録方法及び画像記録装置

【課題】インク組成物やトナー組成物において色材や固形物の分散性、記録物の反射濃度を良好にする。
【解決手段】式(1)及び式(2)の繰り返し単位構造を含むブロックポリマー化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種機能材料として有用な新規なブロックポリマー化合物、それを用いた組成物、記録材料、及び画像記録方法並びに画像記録装置に関する。特にブロックポリマー化合物を溶媒または分散媒、色材とともに用いた記録材料、またその記録材料を使用した画像記録方法および画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、色材を溶解したり、分散したりしてインク組成物やトナー組成物が調製されている。これには各種高分子材料が好ましく用いられており、例えばスチリル、アクリル、メタクリル系の高分子化合物が用いられている。溶剤や水を基材とする色材組成物においては、好ましくはイオン性官能基を有する高分子材料を利用することで顔料等の色材の分散性を向上させるという試みも一般的に行なわれている。
【0003】
また、一方でポリアルケニルエーテル主鎖を有する高分子化合物も柔軟性高分子鎖をもつ高分子として知られており、側鎖にパーフルオロ基を有するブロックポリマーもリビングカチオン重合により合成されており(非特許文献1)、高分子材料への展開が期待されている。
【非特許文献1】K.Matsumoto、“Polymer Preprints(A.C.S.)”42(2),p.181〜182、2001年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、インク組成物やトナー組成物において色材や固形物の分散性を良好にし、記録物の反射濃度を良好するブロックポリマー化合物を提供するものである。
【0005】
また、本発明は、上記のブロックポリマー化合物を用いた液体組成物、トナー組成物等の記録材料を使用した画像記録方法および画像記録装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。
本発明の第1の発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を少なくとも一つのブロックの一部または全てに含み、一般式(2)で表される繰り返し単位構造を少なくとも一つのブロックに含むことを特徴とするブロックポリマー化合物である。
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、Xはポリアルケニル基を表す。Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状のフッ素原子を含むアルキル基あるいはアルキルエーテル基を表す。)
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、Yはポリアルケニル基を表す。Bは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。nは0から3までの整数を表す。nが複数のときはそれぞれのBは異なっていてもよい。Gは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは脂肪族または芳香族の有機酸またはその塩を表す。)
本発明の第2の発明は、前記ブロックポリマー化合物、溶媒または分散媒、及び機能性物質を含有することを特徴とする組成物である。
【0011】
前記機能性物質が、前記ブロックポリマー化合物に内包されているのが好ましい。
本発明の第3の発明は、前記ブロックポリマー化合物、溶媒または分散媒、及び色材を含有することを特徴とする記録材料である。
【0012】
本発明の第4の発明は、上記の記録材料を用意する工程と、前記記録材料を用いて媒体に画像を記録する工程とを有することを特徴とする画像記録方法である。
本発明の第5の発明は、上記の記録材料を用いて、媒体に画像を記録させるための手段を有することを特徴とする画像記録装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、色材や固形物の分散性を良好にし、記録物の反射濃度を良好するブロックポリマー化合物を提供することができる。
また、本発明のブロックポリマー化合物は、溶媒または分散媒、色材とともに配合することにより、分散性が良好で、記録物の反射濃度が良好なインク組成物、トナー組成物等の組成物および記録材料を提供することができる。
【0014】
また、本発明のブロックポリマー化合物を用いたインク組成物、トナー組成物等の記録材料を使用した画像記録方法および画像記録装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のブロックポリマー化合物は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を少なくとも一つのブロックの一部または全てに含み、一般式(2)で表される繰り返し単位構造を少なくとも一つのブロックに含むことを特徴とする。
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、Xはポリアルケニル基を表す。Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状のフッ素原子を含むアルキル基あるいはアルキルエーテル基を表す。)
【0018】
【化4】

【0019】
(式中、Yはポリアルケニル基を表す。Bは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。nは0から3までの整数を表す。nが複数のときはそれぞれのBは異なっていてもよい。Gは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは脂肪族または芳香族の有機酸またはその塩を表す。)
アルケニル基の好ましい例としては、エチニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等が挙げられる。
【0020】
本発明における一般式(1)で表される繰り返し単位構造は、好ましくは下記一般式(3)で表される繰り返し単位構造が挙げられる。
【0021】
【化5】

【0022】
式中、A’はフッ素原子で置換された炭素原子数1から15のアルキル基を表す。好ましくは、A’は炭素原子数1から15のパーフルオロアルキル基が望ましい。
一般式(3)のA’の具体例としては、CH2 CF2 CF3 、CH2 CF2 CF2 CF3 、CH2 CF2 CH(F)2 CF3 、C(CF33 、CH2 CH2 CH2 OCF2 CHF2 、CH2 CH2 CH2 OCH2 (CF23 CHF2 が挙げられるが何ら限定されるものではない。
【0023】
本発明における一般式(2)で表される繰り返し単位構造は、好ましくは下記一般式(4)で表される繰り返し単位構造が挙げられる。
【0024】
【化6】

【0025】
式中、Dは脂肪族または芳香族の有機酸またはその塩を表す。
一般式(4)のDの具体例としては、CO2 X、CH2 CO2 X、CH2 CH2 CO2 X、CH2 CH2 CH2 CO2 X、SO3 X、OPh−CO2 X、OPh−Ph−CO2 X、OPh−SO3 X(XはH、Na、K、Cs)などが挙げられるが、これに限定するものではない。
【0026】
本発明のブロックポリマー化合物は、柔軟で極性溶媒への親和性のあるポリアルケニルエーテル繰り返し構造を含む主鎖と、一般式(2)で表される繰り返し単位構造がイオン性の親水基をもつため、水などの極性溶媒に機能性物質を良好に分散することができる。
【0027】
さらに、一般式(1)で表される繰り返し単位構造の含フッ素基が、分散体の水に対する表面張力を低下して、分散液の粘度をさげることができる。また、色材の分散剤として使用した場合には、記録物の反射濃度を増加することができる。低粘度の分散体の好ましい使用例として、粘度の高い分散体は吐出に適していないインクジェットプリンターのヘッドからの吐出が挙げられる。
【0028】
本発明のブロックポリマー化合物において、一般式(1)或は(3)で表される繰り返し単位構造の含有量は1〜90mol%、好ましくは、1〜60mol%が範囲が望ましい。1mol%未満では、分散液の粘度を効果的に下げることができない場合がある。
【0029】
本発明で用いられるポリマー化合物において、一般式(2)或は(4)で表される繰り返し単位構造の含有量は0.1〜90mol%、好ましくは、0.1〜50mol%の範囲が望ましい。0.1mol%未満では顔料の分散性が不充分になる場合がある。
【0030】
本発明のブロックポリマー化合物の数平均分子量Mn は1000〜30万、好ましくは3000〜25000であることが好ましい。1000未満では被記録媒体への吸着が十分でない場合であり、また30万を超えると塗工液の粘度が大きくなり均一に機材に塗布できない場合がある。
【0031】
本発明のブロックポリマー化合物は、ABCトリブロックポリマー化合物が好ましい。Cブロックは、一般式(2)または(4)で表される繰り返し単位構造を含み、AまたはBブロックの一方は疎水性であり、もう一方は他とは異なる構造であり、親水性または疎水性のいづれでもよい。一般式(1)または(3)で表される繰り返し単位構造はABCのどのブロックの一部またはすべてに含まれても良い。
【0032】
前記ABCトリブロックポリマー化合物の疎水性ブロックは、分散する機能性物質と親和性の高い疎水基が好ましく、アルキル基や芳香族基を側鎖にもつものがよい。具体例は、下記の一般式(5)で表される繰り返し単位構造が挙げられるが、それに限定されるものではない。
【0033】
【化7】

【0034】
式中、Eは置換されていてもよい炭化水素基もしくは芳香族基を表す。具体的には、OCH2 CH2 CH3 、OCH(CH32 、OCH2 CH(CH32 、OPh、OPhCH3 が挙げられる。
【0035】
本発明のブロックポリマー化合物の製造方法は、リビングカチオン重合で行うことができる。
次に、本発明の組成物は、前記ブロックポリマー化合物、溶媒または分散媒、及び機能性物質を含有することを特徴とする。
【0036】
本発明の組成物に用いられる機能性物質は、本発明の組成物の重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。また、溶解性の物質であってもよく、染料や分子性触媒等も用いることができる。
【0037】
本発明において、機能性物質が前記ブロックポリマー化合物に内包し分散した場合、より安定して分散させることが可能となるため、より好ましい。前記機能性物質がブロックポリマー化合物に内包されているとは、機能性物質表面の一部または全てにブロックポリマーが吸着している状態である。
【0038】
また、本発明の組成中に含有される前記一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマー化合物は、本発明の組成物の重量に対して、0.5〜98質量%が好ましい。
【0039】
さらに、本発明の組成物の例として、溶媒または分散媒、色材および前記一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマー化合物を含有する記録材料が挙げられる。
【0040】
記録材料としては、具体的には、バインダー樹脂等の分散媒、色材および前記一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマー化合物を含有するトナー組成物が挙げられる。
【0041】
また、溶媒、色材および一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマー化合物を含有するインク組成物が挙げられる。
以下、本発明の好ましい一形態であるインク組成物について説明する。
【0042】
本発明のインク組成物に含有される一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマー化合物の含有量は、0.1質量%以上90質量%以下の範囲で用いられる。好ましくは1質量%以上80質量%以下である。インクジェットプリンター用としては、好ましくは1質量%以上30質量%以下で用いられる。
【0043】
次に、本発明のインク組成物に含有さるブロックポリマー化合物以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、有機溶剤、水、水性溶媒、色材、添加剤等が含まれる。
【0044】
[有機溶剤]
有機溶剤としては、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等が挙げられる。
【0045】
[水]
水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水、純水、超純水が好ましい。
[水性溶媒]
水性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を用いることができる。また、水性分散物の記録媒体上での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。
【0046】
本発明のインク組成物において、上記有機溶剤、水および水性溶媒の含有量は、インク組成物の全重量に対して、20〜95質量%の範囲で用いるのが好ましい。さらに好ましくは30〜90質量%の範囲である。
【0047】
[色材]
本発明のインク組成物には、顔料および染料等の色材が含有され、好ましくは顔料が用いられる。
【0048】
以下にインク組成物に使用する顔料および染料の具体例を示す。
顔料は、有機顔料および無機顔料のいずれでもよく、インクに用いられる顔料は、好ましくは黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料を用いることができる。なお、上記に記した以外の色顔料や、無色または淡色の顔料、金属光沢顔料等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
【0049】
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示する。
黒色の顔料としては、Raven1060、(コロンビアン・カーボン社製)、MOGUL−L、(キャボット社製)、Color Black FW1(デグッサ社製)、MA100(三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0050】
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
イエローの顔料としては、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
また、本発明の組成物では、水に自己分散可能な顔料も使用できる。水分散可能な顔料としては、顔料表面にポリマーを吸着させた立体障害効果を利用したものと、静電気的反発力を利用したものとがあり、市販品としては、CAB−0−JET200、CAB−0−JET300(以上キャボット社製)、Microjet Black CW−1(オリエント化学社製)等が挙げられる。
【0054】
本発明のインク組成物に用いられる顔料は、インク組成物の重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。顔料の量が、0.1質量%以上であれば、好ましい画像濃度が得られ、50質量%以下であれば、好ましい定着性が得られる。さらに好ましい範囲としては0.5質量%から30質量%の範囲である。
【0055】
また、本発明のインク組成物では染料も使用することができる。以下に述べるような直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食品用色素の水溶性染料、又は分散染料の不溶性色素を用いることができる。
【0056】
例えば、水溶性染料としては、C.I.ダイレクトブラック,−17,−62,−154;C.I.ダイレクトイエロー,−12,−87,−142;C.I.ダイレクトレッド,−1,−62,−243;C.I.ダイレクトブルー,−6,−78,−199;C.I.ダイレクトオレンジ,−34,−60;C.I.ダイレクトバイオレット,−47,−48;C.I.ダイレクトブラウン,−109;C.I.ダイレクトグリーン,−59等の直接染料、
C.I.アシッドブラック,−2,−52,−208;C.I.アシッドイエロー,−11,−29,−71;C.I.アシッドレッド,−1,−52,−317;C.I.アシッドブルー,−9,−93,−254;C.I.アシッドオレンジ,−7,−19;C.I.アシッドバイオレット,−49等の酸性染料、 C.I.リアクティブブラック,−1,−23,−39;C.I.リアクティブイエロー,−2,−77,−163;C.I.リアクティブレッド,−3,−111,−221;C.I.リアクティブブルー,−2,−101,−217;C.I.リアクティブオレンジ,−5,−74,−99;C.I.リアクティブバイオレット,−1,−24,−38;C.I.リアクティブグリーン,−5,−15,−23;C.I.リアクティブブラウン,−2,−18,−33等の反応染料;
C.I.ベーシックブラック,−2;C.I.ベーシックレッド,−1,−12,−27;C.I.ベーシックブルー,−1,−24,;C.I.ベーシックバイオレット,−7,−14,−27;C.I.フードブラック,−1,−2等が挙げられる。
【0057】
また、油溶性染料として、以下に、各色の市販品を例示する。
黒色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Black−3,−22:1,−50等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
イエローの油溶性染料としては、C.I.Solvent Yellow−1,−25:1,−172等が挙げられるが、これらに限定されない。
オレンジの油溶性染料としては、C.I.Solvent Orange−1,−40:1,−99等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
レッドの油溶性染料としては、C.I.Solvent Red−1,−111,−229等が挙げられるが、これらに限定されない。
バイオレットの油溶性染料としては、C.I.Solvent Violet−2,−11,−47等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
ブルーの油溶性染料としては、C.I.Solvent Blue−2,−43,−134等が挙げられるが、これらに限定されない。
グリーンの油溶性染料としては、C.I.Solvent Green−1,−20,−33等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
ブラウンの油溶性染料としては、C.I.Solvent Brown−1,−12,−58等が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、これら上記の色材の例は、本発明のインクに対して好ましいものであるが、本発明のインク組成物に使用する色材は上記色材に特に限定されるものではない。本発明のインク組成物に用いられる染料は、インクの重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。
【0062】
[添加剤]
本発明の組成物には、必要に応じて、種々の添加剤、助剤等を添加することができる。添加剤の一つとして、顔料を溶媒中で安定に分散させる分散安定剤がある。本発明の組成物は、ポリビニルエーテル構造を含むポリマーにより、顔料のような粒状固体を分散させる機能を有しているが、分散が不十分である場合には、他の分散安定剤を添加してもよい。
【0063】
他の分散安定剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
【0064】
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等、疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
【0065】
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。両イオン性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。なお、界面活性剤についても同様、前記に限定されるものではない。
【0066】
さらに、本発明の組成物には、必要に応じて水性溶剤を添加することができる。特にインクジェット用インクに用いる場合、水性溶剤は、インクのノズル部分での乾燥、インクの固化を防止するために用いられ、単独または混合して用いることができる。水性溶剤は、上述のものを用いることができる。その含有量としては、インクの場合、インクの全重量の0.1〜60質量%、好ましくは1〜40質量%の範囲である。
【0067】
その他の添加剤としては、例えばインクとしての用途の場合、インクの安定化と記録装置中のインクの配管との安定性を得るためのpH調整剤、記録媒体へのインクの浸透を早め、見掛けの乾燥を早くする浸透剤、インク内での黴の発生を防止する防黴剤、インク中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出やインク中で不溶解性物の析出等を防止するキレート化剤、記録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を防止する消泡剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
【0068】
本発明のインク組成物を調製するには、上記構成成分を混合し、均一に溶解又は分散することにより調製することができる。たとえば、構成成分の複数を混合し、サンドミルやボールミル、ホモジナイザー、ナノマイザー等により破砕、分散しインク母液を作成し、これに溶媒や添加剤を加え物性を調整することにより調整することができる。
【0069】
次に、本発明のトナー組成物について説明する。トナー組成物は、具体的には、バインダー樹脂等の分散媒、色材および前記一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマー化合物を含有する。
【0070】
本発明のトナー組成物に含有される一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマー化合物の含有量は、0.1質量%以上90質量%以下の範囲で用いられる。好ましくは0.5質量%以上80質量%以下である。
【0071】
また、本発明のブロックポリマー化合物はバインダー樹脂そのものとしても使用可能であるし、スチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂等のバインダー樹脂とともに用いることも可能である。
【0072】
次に、本発明のトナー組成物に含有さるブロックポリマー化合物以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、バインダー樹脂、色材(顔料、染料)、帯電制御剤、離型剤、外添剤、磁性粒子等が含まれる。
【0073】
バインダー樹脂としては、スチレンアクリル共重合体、ポリエステル、ポリカーボネート等が例として挙げられる。バインダー樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以上99質量%以下で用いられる。
【0074】
色材としては前記インク組成物の説明で記載した、顔料や染料が使用可能である。色材の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下で用いられる。帯電制御剤としては、金属−アゾ錯体、トリフェニルメタン系染料、ニグロシン、アンモニウム塩等が例として挙げられる。
【0075】
帯電制御剤の含有量は0.1質量%以上30質量%以下で用いられる。他に離型剤としては、合成ワックス、天然ワックスが例として挙げられる。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機微粒子、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂微粒子が例として挙げられる。
【0076】
磁性粒子としては例えばマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等が挙げられる。トナー組成物としては以上の成分を必ずしも全て含まなくても機能し得るし、また以上に記載されていない成分を含んでもよい。
【0077】
本発明のトナー組成物を調製する方法としては、例えば、以上に述べた構成成分を混合、溶融混煉し均一に混合した後、スピードミルやジェットミルで破砕して作製し、分球して所望のサイズのトナーを得る。このトナーに外添剤を加えミキサーで混合することにより調製することができる。
【0078】
次に、本発明の組成物を用いる画像記録方法、液体付与方法および画像記録装置について説明する。
[画像記録方法、液体付与方法および装置]
本発明のインク組成物は、各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な画像記録方法および装置に使用でき、この装置を用いた画像記録方法により描画することができる。また、液体組成物を用いる場合、インクジェット法等では微細パターンを形成したり、薬物の投与を行なったりするための液体付与方法に使用することができる。
【0079】
本発明の画像記録方法は、本発明の組成物により優れた画像形成を行なう方法である。本発明の画像記録方法は、好ましくは、インク吐出部から本発明のインク組成物を吐出して被記録媒体上に付与することで記録を行う画像記録方法である。画像形成はインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出するインクジェット法を用いる方法が好ましく用いられる。
【0080】
本発明のインクジェット用インク組成物を用いるインクジェットプリンタとしては、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行うバブルジェット(登録商標)方式等、様々なインクジェット記録装置に適用できる。
【0081】
以下このインクジェット記録装置について図1を参照して概略を説明する。但し、図1はあくまでも構成の一例であり、本願発明を限定するものではない。
図1は、インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
【0082】
図1は、ヘッドを移動させて被記録媒体に記録をする場合を示した。図1において、製造装置の全体動作を制御するCPU50には、ヘッド70をXY方向に駆動するためのX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58がXモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を介して接続されている。CPUの指示に従い、Xモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を経て、このX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58が駆動され、ヘッド70の被記録媒体に対する位置が決定される。
【0083】
図1に示されるように、ヘッド70には、X方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58に加え、ヘッド駆動回路60が接続されており、CPU50がヘッド駆動回路60を制御し、ヘッド70の駆動、即ちインクジェット用インクの吐出等を行う。さらに、CPU50には、ヘッドの位置を検出するためのXエンコーダ62およびYエンコーダ64が接続されており、ヘッド70の位置情報が入力される。また、プログラムメモリ66内に制御プログラムも入力される。CPU50は、この制御プログラムとXエンコーダ62およびYエンコーダ64の位置情報に基づいて、ヘッド70を移動させ、被記録媒体上の所望の位置にヘッドを配置してインクジェット用インクを吐出する。このようにして被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。また、複数のインクジェット用インクを装填可能な画像記録装置の場合、各インクジェット用インクに対して上記のような操作を所定回数行うことにより、被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。
【0084】
また、インクジェット用インクを吐出した後、必要に応じて、ヘッド70を、ヘッドに付着した余剰のインクを除去するための除去手段(図示せず)の配置された位置に移動し、ヘッド70をワイピング等して清浄化することも可能である。清浄化の具体的方法は、従来の方法をそのまま使用することができる。
【0085】
描画が終了したら、図示しない被記録媒体の搬送機構により、描画済みの被記録媒体を新たな被記録媒体に置き換える。
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形することが可能である。例えば、上記説明ではヘッド70をXY軸方向に移動させる例を示したが、ヘッド70は、X軸方向(またはY軸方向)のみに移動するようにし、被記録媒体をY軸方向(またはX軸方向)に移動させ、これらを連動させながら描画を行うものであってもよい。
【0086】
本発明は、インクジェット用インクの吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エネルギーによりインクジェット用インクを吐出させるヘッドが優れた効果をもたらす。かかる方式によれば描画の高精細化が達成できる。本発明のインクジェット用インク組成物を使用することにより、更に優れた描画を行うことができる。
【0087】
上記の熱エネルギーを発生する手段を備えた装置の代表的な構成や原理については、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持され、流路に対応して配置されている電気熱変換体に、吐出情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた吐出を行うことができる。
【0088】
ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によればインクジェット用インクの吐出を確実に効率よく行うことができる。
【0089】
さらに、本発明の画像記録装置で被記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプのヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのようなヘッドとしては、複数のヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0090】
加えて、シリアルタイプのものでも、装置本体に固定されたヘッド、または、装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプのヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0091】
さらに、本発明の装置は、液滴除去手段を更に有していてもよい。このような手段を付与した場合、更に優れた吐出効果を実現できる。
また、本発明の装置の構成として、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定化できるので好ましい。これらを具体的に挙げれば、ヘッドに対してのキャッピング手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体またはこれとは別の加熱素子、または、これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、インクの吐出とは別の、吐出を行なうための予備吐出手段などを挙げることができる。
【0092】
本発明に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
本発明の装置では、インクジェット用インクの吐出ヘッドの各吐出口から吐出されるインクの量が、0.1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であることが好ましい。
【0093】
また、本発明のインク組成物は、中間転写体にインクを印字した後、紙等の記録媒体に転写する記録方式等を用いた間接記録装置にも用いることができる。また、直接記録方式による中間転写体を利用した装置にも適用することができる。
【実施例】
【0094】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
<ブロックポリマー化合物の合成>
下記の反応式に示すように、モノマー1(0.10mol)、IBEA(イソブチルエチルアセテート、0.00020mol)、エチルアルミニウムダイクロライド(0.0010mol)を、0.10M酢酸エチルを含む無水トルエン中でカチオン重合し、モノマー2(0.020mol)、モノマー3(0.020mol)とモノマー4(0.020mol)の混合物を順次加えることでブロックポリマー化合物5を得た。
【0095】
アンモニアメタノール溶液で反応を停止後、アルカリ加水分解して、ブロックポリマー化合物5を得た。排除体積クロマトグラフィーによる数平均分子量は12000であった。
【0096】
【化8】

【0097】
(注)
IBEA:CH3 CH(O−iBu)OCOCH3
【0098】
実施例2
<ブロックポリマー化合物6の合成>
下記の反応式のように、モノマー1(0.10mol)、IBEA(イソブチルエチルアセテート、0.00020mol)、エチルアルミニウムダイクロライド(0.0010mol)を、0.10M酢酸エチルを含む無水トルエン中でカチオン重合し、モノマー4(0.020mol)、モノマー3(0.020mol)を順次加えることでブロックポリマー化合物を得た。
【0099】
アンモニアメタノール溶液で反応を停止後、アルカリ加水分解して、ブロックポリマー化合物6を得た。排除体積クロマトグラフィーによる数平均分子量は12000であった。
【0100】
【化9】

【0101】
(注)
IBEA:CH3 CH(O−iBu)OCOCH3
【0102】
実施例3
顔料(商品名モーグルL、キャボット社製)2質量部、実施例1または2のブロックポリマー化合物1質量部、およびジエチレングリコール15質量部をイオン交換水99質量部に加え、超音波ホモジナイザーを用いて分散させる。1μmのフィルターを通して加圧濾過し、インク組成物を調製する。顔料の分散性は良好である。
【0103】
実施例4
実施例3で調製したインク組成物を用いて、インクジェット記録を行う。キヤノン(株)製バブルジェット(登録商標)プリンタ(商品名 BJF800)のインクタンクに実施例3のインク組成物を充填し、前記インクジェットプリンタを用いて普通紙に記録すると、きれいに黒字の印字ができる。その反射濃度を反射濃度計(GRETAG−MACBETH AG)を用いて測定すると1.0−1.1であった。
【0104】
実施例5
実施例1または2で得られたブロックポリマー化合物を使用して以下のようにトナー組成物を作成する。
【0105】
ポリエステル樹脂(ビスフェノールA、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ジエチレングリコールをモル比で20:38:10:5:27で合成)100質量部、マグネタイト(Fe34 )70質量部、前述したブロックポリマー化合物2質量部、トリフェニルメタン系染料2質量部、低分子量ポリプロピレン3質量部を予備混合した後、ルーダーで溶融混錬する。これを冷却後、スピードミルで粗砕後ジェットミルで微粉砕し、さらにジグザグ分級機を用いて分級すると、体積平均径11μmのトナーが得られる。
【0106】
このトナー100質量部にアミノ変性シリコンオイル(25℃における粘度100cp、アミン当量800)で処理された正荷電性疎水性乾式シリカ0.4質量部および平均粒径0.2μmの球状PVDF粒子0.2質量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合すると正帯電性トナー組成物が得られる。このトナー組成物を使用し、キヤノン社製複写機NP−3525で印刷を行うと、きれいに印字できる。
【0107】
比較例1
市販品ポリ(スチレン−b−アクリル酸)(Mn =14000、Mw /Mn =1.11)を用いて、実施例3と同様に分散体を調整した。0.5μLをろ紙(桐山製作所No5C)に滴下し、風乾後、反射濃度計(GRETAG−MACBETH AG)を用いて反射濃度を測定すると0.85であった。同様に、実施例3で得た本発明の分散体の反射濃度を測定すると1.0−1.1であった。これより、本発明のブロックポリマー化合物を用いた色材分散体が記録時の反射濃度を増加する効果があることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明のブロックポリマー化合物は、色材や固形物の分散性を良好にし、記録物の反射濃度の向上の為に好適なために、溶媒または分散媒、色材とともに配合することにより、インク組成物、トナー組成物等の組成物および記録材料、該記録材料を使用した画像記録方法および画像記録装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0110】
20 インクジェット装置
50 CPU
52 Xモータ駆動回路
54 Yモータ駆動回路
56 X方向駆動モータ
58 Y方向駆動モータ
60 ヘッド駆動回路
62 Xエンコーダ
64 Yエンコーダ
66 プログラムメモリ
70 ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される繰り返し単位構造を少なくとも一つのブロックの一部または全てに含み、一般式(2)で表される繰り返し単位構造を少なくとも一つのブロックに含むことを特徴とするブロックポリマー化合物。
【化1】

(式中、Xはポリアルケニル基を表す。Aは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状のフッ素原子を含むアルキル基あるいはアルキルエーテル基を表す。)
【化2】

(式中、Yはポリアルケニル基を表す。Bは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていてもよいアルキレン基を表す。nは0から3までの整数を表す。nが複数のときはそれぞれのBは異なっていてもよい。Gは単結合または置換されていてもよいアルキレン基を表す。Dは脂肪族または芳香族の有機酸またはその塩を表す。)
【請求項2】
請求項1記載のブロックポリマー化合物、溶媒または分散媒、及び機能性物質を含有することを特徴とする組成物。
【請求項3】
前記機能性物質が、前記ブロックポリマー化合物に内包されていることを特徴とする請求項2記載の組成物。
【請求項4】
請求項1記載のブロックポリマー化合物、溶媒または分散媒、及び色材を含有することを特徴とする記録材料。
【請求項5】
請求項4記載の記録材料を用意する工程と、前記記録材料を用いて媒体に画像を記録する工程とを有することを特徴とする画像記録方法。
【請求項6】
請求項4記載の記録材料を用いて、媒体に画像を記録させるための手段を有することを特徴とする画像記録装置。

【図1】
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【公開番号】特開2006−342268(P2006−342268A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170135(P2005−170135)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】