説明

ブロック共重合体及び樹脂組成物、及びこれらを用いた成形品、硬化物

【課題】縮合系重合体の優れた特徴を維持しつつ、ビニル系重合体に熱硬化性を付与し、更には銅や金属に対する密着性などに優れたブロック共重合体及び樹脂組成物、及びこれらを用いた成形品、硬化物を提供する。
【解決手段】 アミド結合、イミド結合またはアミドイミド結合を含む繰り返し単位を少なくとも1種有する縮合系重合体セグメント(A)20〜80質量%と、架橋官能基を有するビニル重合体セグメント(B)80〜20質量%とからなるブロック共重合体であって、前記縮合系重合体セグメント(A)の重量平均分子量が1,000〜400,000g/mol、前記ビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量が1,000〜200,000g/molであることを特徴とするブロック共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック共重合体及び樹脂組成物、及びこれらを用いた成形品、硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
上市されている高性能高分子、その中でも特にポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂などの樹脂は、他の高性能高分子と比較して良好な耐熱性や機械特性を有するだけでなく、有機溶媒にも可溶で、フィルム化が容易であることから、近年特に半導体分野や電子材料分野で多く用いられてきている。特に近年、モバイルツールの小型化・軽量化やディスプレイの薄型化等に伴って、薄く、かつフレキシブルな実装基板材料が求められており、このような用途において、上述材料のフィルムが更なる注目を浴びてきている。
【0003】
しかし、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂などの樹脂は、ガラスや銅などに対する密着性が高くない、低沸点の溶媒に溶解しにくいなどの問題を有しており、近年さらなる材料の高性能化要求が高まっている中で、これらの問題を解決するために、様々な材料との共重合化が検討されている。しかし、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂の原材料であるジカルボン酸類、トリカルボン酸類、テトラカルボン酸類、ジアミン類、ジイソシアネート類、アミノカルボン酸類などは入手できる材料が限られており、また特性がトレードオフの関係になりやすいことから、通常の共重合法では限界が生じやすいという問題を有している。そこで全く異種の成分を、これまでとは異なる手法を用いて導入する検討がされ始めている。
【0004】
例えば特開平3−237155号公報では、ポリカーボネート骨格をブロック共重合化することで、耐熱特性や耐湿特性を向上している。また特開2005−68408号公報では、アルコキシシリル変性したポリイミドをブロック共重合化することで、金属などに対する密着性を向上している。このように、通常の共重合法を用いた改良手法ではなく、性質が異なるポリマーをブロック共重合化することは、大きな特性向上を期待できる。しかし上述の手法もまた、両末端に必然的に官能基が導入される縮合系重合体とのブロック共重合体であるため、検討できる材料が限られている。
【0005】
一方で、縮合系重合体ではない、全く異種の高分子をブロック共重合化する検討も行われている。例えば特開平5−132563号公報では、ポリブタジエンとポリアミドとをブロック共重合化することで、相溶性や溶媒可溶性などを向上している。しかしこの手法においてはブロック共重合体の熱硬化性について議論がなされていない。通常、ビニル重合体は縮合系重合体よりも特性が低くく、また半導体・電子材料用途における信頼性の観点から、このようなブロック共重合体では架橋構造の導入が必須であると考える。一般にビニル重合体はモノマーの選択幅が広く、合成が容易、安価である、溶媒可溶性の設計が容易である、化学変性が容易であるなど、縮合系重合体とは全く違った特徴を有するが、これらビニル重合体とのブロック共重合化の検討は比較的少なく、架橋構造を導入した例も少ない。
【0006】
またカプロラクタムを開環重合してポリアミドを形成し、その末端活性種からビニルモノマーを重合する手法なども挙げられるが、多くの環状化合物の開環重合はアニオン重合であるため、ビニルモノマーの重合は難しく、ビニル重合体の設計に大きな制約を受ける問題もある。
【特許文献1】特開平3−237155号公報
【特許文献2】特開2005−68408号公報
【特許文献3】特開平5−132563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記の従来技術を鑑みてなされたものであり、縮合系重合体の優れた特徴である折り曲げ性や耐熱性を維持しつつ、ビニル重合体の熱硬化性を付与し、更には金属やガラスに対する密着性などに優れたブロック共重合体及び樹脂組成物、及びこれらを用いた成形品、硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アミド結合、イミド結合またはアミドイミド結合を含む繰り返し単位を少なくとも1種有する縮合系重合体セグメント(A)20〜80質量%と、架橋官能基を有するビニル重合体セグメント(B)80〜20質量%とからなるブロック共重合体であって、前記縮合系重合体セグメント(A)の重量平均分子量が1,000〜400,000g/mol、前記ビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量が1,000〜200,000g/molであることを特徴とするブロック共重合体に関する。
【0009】
また、本発明は、(2)前記ビニル重合体セグメント(B)が、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物及びその誘導体、アクリル酸系化合物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を重合して得られるものであることを特徴とする前記(1)に記載のブロック共重合体に関する。
【0010】
また、本発明は、(3)前記架橋官能基が、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アルコキシシリル基、メタクリル基、アクリル基、アリル基、イソシアニル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のブロック共重合体に関する。
【0011】
また、本発明は、(4)前記架橋官能基が、ブロック共重合体中に0.5〜10mmol/g含まれることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のブロック共重合体に関する。
【0012】
また、本発明は、(5)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のブロック共重合体と熱硬化性樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物に関する。
【0013】
また、本発明は、(6)前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(5)に記載の樹脂組成物に関する。
【0014】
また、本発明は、(7)無機フィラー、難燃剤、無機繊維、無機顔料、有機顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、シランカップリング剤、熱ラジカル発生剤から選ばれる少なくとも一種を含む前記(5)または(6)に記載の樹脂組成物に関する。
【0015】
また、本発明は、(8)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のブロック共重合体または前記(5)〜(7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなる成形品に関する。
【0016】
また、本発明は、(9)前記成形品がシートまたはフィルムである前記(8)に記載の成形品に関する。
【0017】
また、本発明は、(10)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のブロック共重合体または前記(5)〜(7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を架橋反応して得られる硬化物に関する。
【0018】
また、本発明は、(11)前記(8)または(9)に記載の成形品を硬化して得られる硬化物に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、縮合系重合体の優れた特徴である折り曲げ性や耐熱性を維持しつつ、ビニル重合体の溶解性や熱硬化性を付与し、更には金属やガラスに対する密着性などに優れたブロック共重合体及び樹脂組成物、及びこれらを用いた成形品、硬化物を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のブロック共重合体は、アミド結合、イミド結合またはアミドイミド結合を含む繰り返し単位を少なくとも1種有する縮合系重合体セグメント(A)20〜80質量%と、架橋官能基を有するビニル重合体セグメント(B)80〜20質量%とからなるブロック共重合体であって、前記縮合系重合体セグメント(A)の重量平均分子量が1,000〜400,000g/mol、前記ビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量が1,000〜200,000g/molであることを特徴とする。
【0021】
本発明の縮合系重合体セグメント(A)は、アミド結合、イミド結合またはアミドイミド結合を含む繰り返し単位を少なくとも1種有するものである。前記繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位が示される。
【化1】

【化2】

【化3】

【0022】
前記一般式(1)〜(3)のR〜Rはそれぞれ同じでも異なっていても構わない。またa,b,cは1以上の整数を表す。ここでR〜Rは特に制限はないが、例えばその一部を以下に例示する。
【0023】
は、
【化4】

【0024】
(ここで、nは2〜18の整数であり、R〜R10は、それぞれ、
【化5】

【0025】
(ここでpは1〜17までの整数である。またXは、H、Na、Kである))で表すことができる。
【0026】
また、R、R、Rはそれぞれ、
【化6】

【0027】
(ここで、qは1〜18の整数であり、rは1〜50までの整数である。またR11、R12はそれぞれ
【化7】

【0028】
(ここでpは1〜17までの整数である。またXは、H、Na、Kである))で表される。またR13、R14はそれぞれ
【化8】

【0029】
で表される。
【0030】
また、Z、Z、Zはそれぞれ
【化9】

【0031】
で表すことができる)などである。
【0032】
またR
【化10】

【0033】
(ここでZは、
【化11】

【0034】
で表すことができる)などである。
【0035】
またRは、
【化12】

【0036】
で表すことができる。
【0037】
上述した縮合系重合体は、既知の手法で合成が可能である。例えば、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する縮合系重合体は、縮合剤を用いてジカルボン酸類とジアミン類から直接重縮合してもよいし、ジカルボン酸類を酸クロリドなどにして反応性を上げてから縮合させて得ることも可能である。またジカルボン酸類とジイソシアネート類を用いて脱炭酸反応させることでも合成することが可能である。
【0038】
前記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する縮合系重合体は、ジアミン類とテトラカルボン酸二無水物を反応させてポリアミック酸を形成させた後に脱水閉環したり、或いはテトラカルボン酸二無水物とジイソシアネート類を用いて脱炭酸反応させて得ることも可能である。
【0039】
前記一般式(3)で表される繰り返し単位を有する縮合系重合体は、無水トリカルボン酸クロリドとジアミン類とを反応させてポリアミック酸アミドを合成し、その後脱水閉環してもよいし、或いはジイソシアネート類を用いて脱炭酸反応させて得ることも可能である。
【0040】
このように、ジカルボン酸類、トリカルボン酸類、テトラカルボン酸類及び、ジアミン類、ジイソシアネート類を組み合わせて用い縮合反応を行うことで、前記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位を有する縮合系重合体を得ることが可能である。
【0041】
ジカルボン酸類としては、一分子中にカルボキシル基を二つ有するものであれば特に制限はなく、例えば、テレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−テルフェニルジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸等で代表される上記芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジグリコール酸等の脂肪族ジカルボン酸、又はそれらのジアルキルエステル類、ジフェニルエステル類、塩化物、アルキル金属塩等が挙げられる。これらのなかでも、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
【0042】
トリカルボン酸類としては、一分子中に三つのカルボキシル基を有するものであれば特に制限はなく、三つのカルボキシル基のうち二つは隣接炭素原子に結合しているものが好ましい。芳香族トリカルボン酸の場合は、芳香族環はヘテロ原子が導入されたもの(芳香族複素環)でもよく、あるいは芳香族環同士がアルキレン基、酸素、単結合、カルボニル基等を介して結合されてもよい。さらに、これらの芳香族環は、アルコキシ基、アリルオキシ基、アルキルアミノ基、ハロゲン等の縮合反応に関与しない置換基を含んでいてもよい。トリカルボン酸の具体例としては、トリメリット酸、3,3,4′−ベンゾフェノントリカルボン酸、2,3,4′−ジフェニルトリカルボン酸,2,3,6−ピリジントリカルボン酸、3,4,4′−ベンツアニリドトリカルボン酸、1,4,5−ナフタリントリカルボン酸、2′−メトキシ−3,4,4′−ジフェニルエーテルトリカルボン酸、2′−クロロベンツアニリド−3,4,4′−トリカルボン酸、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物モノクロライド、1,4−ジカルボキシ−3−N,N−ジメチルカルバモイルベンゼン、1,4−ジカルボメトキシ−3−カルボキシベンゼン、1,4−ジカルボキシ−3−カルボフェノキシベンゼン、2,6−ジカルボキシ−3−カルボメトキシピリジン、1,6−ジカルボキシ−5−カルバモイルナフタリン、上記芳香族トリカルボン酸類とアンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミンなどからなるアンモニウム塩類などがあげられる。これらのトリカルボン酸のうち、トリメリット酸無水物、3,3,4′−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物を用いることが好ましい。
【0043】
テトラカルボン酸類としては、一分子中に四つのカルボキシル基を有するものであれば特に制限はなく、四つのカルボキシル基のうち二つは隣接炭素原子に結合しているものが好ましい。芳香族テトラカルボン酸の場合は、芳香族環はヘテロ原子が導入されたもの(芳香族複素環)でもよく、あるいは芳香族環同士がアルキレン基、酸素、単結合、カルボニル基等を介して結合されてもよい。さらに、これらの芳香族環は、アルコキシ基、アリルオキシ基、アルキルアミノ基、ハロゲン等の縮合反応に関与しない置換基を含んでいてもよい。テトラカルボン酸の具体例としては、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2′−ビスフタル酸ヘキサフルオロイソプロピリデン、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′−ビスフタル酸ヘキサフルオロイソプロピリデン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物等が挙げられる。これらのなかでも、4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′−ビスフタル酸ヘキサフルオロイソプロピリデン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物が好ましい。
【0044】
ジアミン類としては、一分子中にアミノ基を二つ有するものであれば特に制限はなく、例えば、4,4′−ビス〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、4,4′−ビス〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4−〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕−4′−〔4−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、4−〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕−4′−〔4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル〕フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4′−ビス〔3−(3−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、4,4′−ビス〔3−(3−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4′−ビス〔2−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、4,4′−ビス〔2−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、3,3′−ビス〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、3,3′−ビス〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジフェニルプロパン、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、ビス(アニリノイソプロピリデン)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ジアミノジフェニルスルフィド、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(アミノフェノキシフェニル)ケトン、ビス(アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、ビス[1,3−(γ−アミノプロピル)]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス[1,3−(γ−アミノプロピル)]−オリゴジメチルジシロキサン、等が挙げられる。これらのなかでも、芳香族ジアミン化合物が好ましい。
【0045】
ジイソシアネート類としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイレンジイソシアナート等の前記した他のジアミンのアミノ基をイソシアナート基に変えたもの等が挙げられる。これらのなかでも、ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイレンジイソシアナートが好ましい。
【0046】
縮合反応は一般に既知の方法で行われるが、例えばアミド系有機溶媒中にて縮合反応させることで、容易に合成が可能である。
【0047】
一方、ビニル重合体セグメント(B)は、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物、アクリル酸系化合物から選ばれる少なくとも1種を重合して得られるものであることが好ましい。これらの単量体を用いると、分子末端の構造を制御しやすく、様々な官能基を側鎖に導入することが可能となる。ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物、アクリル酸系化合物としては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド(ここで、(メタ)アクリルとは、メタクリル及びアクリルであることを表す)、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルマレイミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、3−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクロイルモルホリンなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、4−フルオロスチレン、4−メトキシスチレン、4−アミノスチレン、4−ニトロスチレン、4−ビニルフェノール、ビニルナフタレン等に代表されるビニル芳香族系単量体;(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メトキシ)コポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等に代表される(メタ)アクリレート系単量体;γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等に代表される(メタ)アクリロキシシラン系単量体;メタクリロニトリル、アクリロニトリルに代表されるシアノビニル系化合物、酢酸ビニル、塩化ビニル、弗化ビニル等に代表されるビニル系単量体;スチレンスルホン酸アルカリ金属塩、ビニルスルホン酸アルカリ金属塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸−3−スルホプロピルアルカリ金属塩、末端スルホン酸塩変性ポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート等の金属塩型単量体などが挙げられ、これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、スチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸及び、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。ビニル重合体を得る重合方法は一般に既知の重合方法、すなわち溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が利用でき、重合反応としてはラジカル重合、イオン重合、配位重合等が利用できる。
【0048】
本発明のブロック共重合体は、縮合系重合体セグメント(A)とビニル重合体セグメント(B)とが結合したものである。かかるブロック共重合体の合成法は特に制限はなく、既知の手法を用いて合成可能である。例えば、片末端又は両末端に官能基を有する縮合系重合体と、片末端又は両末端に官能基を有するビニル重合体を別途合成し、これらを末端間で反応させる方法(以下、手法1と記す)や、縮合系重合体に重合性官能基を導入し、これをマクロイニシエーターとして、ビニル重合体の構成単量体、例えばビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物又はアクリル酸系化合物を重合する手法(以下、手法2と記す)などが挙げられる。いずれの手法においてもブロック共重合体は合成可能である。
【0049】
以下にブロック共重合体の各合成手法について詳細を述べる。
【0050】
手法1は、まず、末端に官能基を有する縮合系重合体と末端に官能基を有するビニル重合体とをそれぞれ合成する。縮合系重合体の末端に官能基を導入する方法としては、一般的な重合法を行うことで両末端にカルボキシル基又はその誘導体、アミノ基、イソシアニル基などを導入することが可能であるが、ビニル重合体との反応性を高めるために更に得られた末端を活性化しても良い。例えば末端カルボキシル基を塩化チオニル等を用いて酸クロリド化してもよい。
【0051】
ビニル重合体の末端に官能基を導入する方法としては、一般に既知の手法が利用可能である。例えば、特公平5−062125号公報記載の方法のように、官能基を有する連鎖移動剤、例えばメルカプトプロピオン酸を用いてエチレン性不飽和単量体をラジカル重合することによりカルボキシル基を片末端に有する重合体を合成することができる。また、停止剤を用いたリビングラジカル重合法(上垣外ら、Polymer Preprints,Japan,48(7),1999)も利用できる。また特開平5−155995号公報記載の方法のように、カルボキシル基を有するラジカル重合開始剤を用いて単量体を重合することによりカルボキシル基を有する重合体を合成することができる。カルボキシル基以外の例えば水酸基などの官能基を有するラジカル重合開始剤は、和光純薬工業株式会社より市販されており、これらを用いて上記方法を行うことにより簡便に官能基を導入できる。更にこれら方法の組み合わせ、すなわち官能基を有する重合開始剤と官能基を有する連鎖移動剤の組み合わせにより両末端に官能基が導入されたビニル重合体も容易に得ることが可能である。
【0052】
末端に官能基を有する縮合系重合体と末端に官能基を有するビニル重合体とを末端間で反応させる方法としては制限はなく、溶融重合、溶液重合、界面重縮合等が利用できる。この際、必要に応じて熱安定剤や縮合触媒、脱水剤、脱ハロゲン化水素剤等を用いても良い。
【0053】
末端間の反応で形成される結合形式は特に制限はなく、既知の二分子間反応で形成される結合形式である。例えば、縮合反応系で形成されるエステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、尿素結合、エーテル結合などの他、Diels−Alder反応、マイケル付加反応、カップリング反応等の一般的に既知の二分子間反応で形成される結合形式などが挙げられる。
【0054】
手法2においては、まず縮合系重合体を合成する。この際、縮合系重合体の末端、分子内のいずれか又は双方に重合性官能基を導入し、これをマクロイニシエーターとして用いて、ビニル重合体の構成単量体、例えばビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物又はアクリル酸系化合物を重合することでブロック共重合体が得られる。ここで重合性官能基とは、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物又はアクリル酸系化合物を重合しうる官能基であれば特に制限はないが、例えば、アゾ基、パーオキシル基、パーエステル基、チオール基、ジスルフィド基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化フェニル基などが挙げられる。これらのなかでも、アゾ基を有するマクロイニシエーターを用いることが好ましい。
【0055】
縮合系重合体へ重合性官能基を導入する方法としては様々な方法が挙げられるが、例えば、縮合系重合体を合成する際に重合開始能力を有する官能基構造を含むジカルボン酸類、ジオール類、ビスフェノール類、ジイソシアネート類、ジアミン類などを共重合してもよいし、または縮合系重合体の末端に重合開始能力を有する官能基構造を持つアルコール類、フェノール類、カルボン酸類、シソシアナート類、アミン類等を用いて導入しても良い。
【0056】
このようにして得られたマクロイニシエーターを用いてビニル重合体の構成単量体、例えばビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物又はアクリル酸系化合物を重合することで、簡便にブロック共重合体を合成することができる。この際用いる手法に制限はなく、溶液重合や懸濁重合、乳化重合、塊状重合等が利用できる。
【0057】
本発明のブロック共重合体は、ビニル重合体セグメント(B)が架橋官能基を有することが重要であり、それよりブロック共重合体を容易に硬化することが可能となるだけでなく、様々な熱硬化性樹脂とも硬化反応が可能になる。かかる架橋官能基としては、架橋結合を形成可能な官能基であれば特に制限されず、例えば、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、アルコキシシリル基、イソシアニル基、マレイル基、アミノ基、クロル基、ブロモ基、ヨード基、アセチル基、カーボネート基、エチニル基が挙げられる。これら架橋官能基は少なくとも一種を有していることが好ましい。これらのなかでも、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、イソシアニル基が好ましく、カルボキシル基、グリシジル基、アクリル基、メタクリル基がより好ましく、メタクリル基が特に好ましい。
【0058】
ビニル重合体セグメント(B)に前記架橋官能基を導入する方法は特に制限されず、例えば前述の手法1を用いる場合は、ビニル重合体の合成時に架橋官能基を有する単量体を共重合してもよく、手法2を用いる場合は、マクロイニシエーターに作用させるビニル重合体の構成単量体として架橋官能基を有する単量体を重合してもよい。また、手法1または手法2などの方法によりブロック共重合体を合成後に高分子反応を用いて架橋官能基を導入してもよい。前記架橋官能基の導入に適する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、グリシジル(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、2−イソシアニルエチル(メタ)アクリレート、ビニルフェノール、アリル(メタ)アクリレート、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−ヨードスチレンなどが挙げられ、これらのなかでも(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが賞用され、特に(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレートは、架橋官能基の導入しやすさ、価格などを考慮すると好ましい。これらは単独で用いても、二種類以上を併用しても良い。
【0059】
本発明では、架橋官能基がブロック共重合体中に0.5〜10mmol/g含まれることが好ましく、0.5〜5mmol/g含まれていることがより好ましい。前記架橋官能基の含有量が10mmol/gを超えるとブロック共重合体の合成が困難となる傾向にあり、0.5mmol/g未満ではブロック共が十分に硬化できない可能性がある。
【0060】
本発明のブロック共重合体は、縮合系重合体セグメント(A)20〜80質量%と、ビニル重合体セグメント(B)80〜20質量とからなる。前記縮合系重合体セグメント(A)が20質量%未満では、折り曲げ性や耐熱性(ガラス転移温度)などの縮合系重合体の性能を発揮できず、80質量%を超えると
密着性や硬化性などのビニル重合体の特徴が発揮できない。
【0061】
本発明のブロック共重合体における前記縮合系重合体セグメント(A)の重量平均分子量は、1,000〜400,000g/molであり、好ましくは10,000〜100,000g/molである。前記縮合系重合体セグメント(A)の重量平均分子量が1,000g/mol未満ではブロック共重合体の合成が困難であり、400,000g/molを超えると、ビニル重合体とのブロック共重合化が進行しにくく、ブロック共重合体の合成に極めて長時間を要し、合成が難しい。
【0062】
本発明のブロック共重合体における前記ビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量は、1,000〜200,000g/molであり、好ましくは5,000〜30,000g/molである。前記ビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量が1,000g/mol未満ではブロック共重合体の合成が困難であり、200,000g/molを超えると、ビニル重合体とのブロック共重合化が進行しにくく、ブロック共重合体の合成に極めて長時間を要し、合成が難しい。
【0063】
本発明のブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは25,000〜5,000,000g/mol、より好ましくは50,000〜1,000,000g/molである。前記ブロック共重合体の重量平均分子量が25,000g/mol未満では十分な機械特性が得られず、単独でフィルムを形成できない傾向にあり、5,000,000g/molを超えると合成が難しい傾向にある。
【0064】
本発明の樹脂組成物は、本発明のブロック共重合体と熱硬化性樹脂とを含んでなる。熱硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂単独で又はブロック共重合体の存在下で硬化反応が進行するような樹脂であれば特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの他、熱硬化性官能基を有するアクリル系樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂なども挙げられる。これらは単独で又は2種以上用いることができる。これらのなかでも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂は、安価であり、耐熱性や強靭性を付与できるので好まく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
【0065】
樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の割合は、好ましくは5〜95質量%、より好ましくは20〜80質量%である。熱硬化性樹脂の割合が5質量%未満では配合した熱硬化性樹脂の特性が発揮されない傾向にあり、95質量%を超えると
ブロック共重合体の特性が発揮されない傾向にある。
【0066】
本発明のブロック共重合体または本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、無機フィラー、難燃剤、無機繊維、無機顔料、有機顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、シランカップリング剤から選ばれる少なくとも一種を配合することができる。これらを配合することにより、成形品または硬化物の強度を増したり、密着性を制御したり、難燃性や熱安定性を向上しやすくなる。
【0067】
本発明のブロック共重合体または本発明の樹脂組成物を硬化することにより

性に優れた硬化物が得られる。硬化方法は特に制限はないが、例えば、ブロック共重合体または樹脂組成物にラジカル発生剤を少量添加した後加熱すれば、熱により架橋官能基が重合し十分に架橋が進行した硬化物を得ることができる。ラジカル発生剤としては、例えば、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス(メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1−[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などのアゾ化合物や、アゾ基含有ポリジメチルシロキサン、アゾ基含有ポリエチレングリコールなどの高分子アゾ化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、p−メンタンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン−3、ジイソブチルパーオキシド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジラウリルパーオキシド、ジマロン酸パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジ−(3−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジ−n−プロピルパーオキシカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジーsec−ブチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどの過酸化物類などが挙げられる。
【0068】
また硬化に先立ってブロック共重合体または樹脂組成物を成形しても良い。成形品としては、例えばフィルムまたはシートなどが挙げられる。前記シートまたはフィルムは、金属箔を積層することにより金属箔複合フィルムまたは金属箔複合シートなどに成形することもできる。ここで、フィルムとは厚さ0.5mm未満の成形品をいい、シートとは厚さ0.5〜10mm程度の成形品をいう。成形品に成形する方法としては特に限定されず、例えば、ブロック共重合体または樹脂組成物を有機溶媒に溶解したものを離型PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルムなどに流延し乾燥することによりフィルム又はシートが得られ、銅箔やアルミ箔などの金属箔上に流延し乾燥することにより金属箔複合フィルムまたは金属箔複合シートを得ることができる。またフィルム又はシートを金属箔上に加熱圧着することでも金属箔複合フィルムまたは金属箔複合シートを得ることができる。有機溶剤としては、ブロック共重合体または樹脂組成物を溶解できれば特に制限されず、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0069】
本発明のフィルムやシートなどの成形品は、そのままでも使用することが可能であるが、前もって成形品の作製時に他の熱硬化性樹脂を配合したり、或いはラジカル発生剤を配合しておくことで、熱硬化して硬化物を得ることも可能である。硬化の手法の一例としては、例えばビニル重合体セグメント(B)にラジカル重合可能なメタクリル基を導入し、ラジカル発生剤と一緒に溶解したブロック共重合体ワニスをキャスト・乾燥後、更に加熱処理を行うことで硬化フィルムを得ることができ、また、ビニル重合体セグメント(B)にカルボキシル基を導入し、エポキシ樹脂と一緒に溶解したブロック共重合体ワニスをキャスト・乾燥後、更に加熱処理を行うことで硬化フィルムを得ることができる。またこれら手法を用いることで、金属箔上にブロック共重合体の熱硬化フィルムが積層した複合体を得ることもできる。
【0070】
かくして得られる成形品または硬化物は、縮合系重合体の特徴である折り曲げ性や耐熱性を有しつつ、かつビニル重合体の特徴である密着性や溶解性、架橋反応性を有し、電子材料用途、半導体用途などの様々な用途に対して有効である。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらに制限されるものではない。また実施例で用いた材料、各種物性の測定法、評価法は以下の通りである。なお使用した材料は断りのない限り、試薬を使用した。
【0072】
[重量平均分子量の測定]
ポンプに東ソー株式会社製 DP8020、検出器に示差屈折計RI8020、カラムに日立化成工業株式会社製 GPCカラムGLA150Sを2本用い、カラム温度25℃、溶離液にテトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミドを用い、流速1.0ml/minにて実施した。重量平均分子量の算出はポリスチレン標準を用いた。
【0073】
[ガラス転移温度の評価方法]
測定試料にはブロック共重合体フィルム(硬化前)及びブロック共重合体フィルムの硬化物(厚さ0.5mm、大きさ4×30mm)を用いた。セイコーインスツルメンツ株式会社製 動的粘弾性測定装置 SII EXSTAR DMS6100を用い、測定は引っ張りモードとし、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、振幅5μmにて実施した。得られたtanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
【0074】
[折り曲げ試験]
測定試料にはブロック共重合体フィルムの硬化物を用いた。1cm×5cmにカットしたフィルムを折り曲げたとき、その折り曲げた部分に折り線がつくかどうかを目視判定した。実用上、○以上であれば問題なく、◎であれば最も好ましい。
【0075】
◎:折り曲げ部分に折り線がない、又は折り曲げ部分に折り線がわずかに観測される。
【0076】
○:折り曲げ部分に折り線が観測されるが、切断はない。
【0077】
×:折り曲げ部分から切断される。
【0078】
[ブロック共重合体中の架橋官能基の含有量]
ブルカー・バイオスピン株式会社製 多核NMR測定装置、AV300Mを用いた。重溶媒にはピリジンd−5を用い、積算回数1064回にて1H−NMR測定を行い、メタクリル基に起因するシグナルと全芳香族に起因するシグナルの積分比から求めた。
【0079】
[密着性]
ブロック共重合体2.0gをN,N−ジメチルアセトアミド8.0gに溶解した。これに重合開始剤として1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂株式会社製、パーヘキサC)0.1gを配合した。この溶液を基板としてのガラス板または銅箔上にキャストし、100℃で真空乾燥した後、更に180℃で2時間加熱し、熱硬化をした。その後、カミソリを用いて縦横碁盤の目状にそれぞれ1mm幅にて11本切り込みをいれた。その上にセロハンテープを貼り付け、一気に剥がした。はがれた目の数から、基板上の残存率を求め、以下の3段階で評価した。実用上、○以上が好ましく、◎が最も好ましい。
【0080】
◎:残存率が80%以上であり、密着性は極めて良好であった。
【0081】
○:残存率が50〜79%であり、密着性は概ね良好であった。
【0082】
×:残存率が49%以下であり、密着性は不十分であった。
【0083】
[硬化性]
硬化物のゲル分率から、硬化性を3段階で評価した。ブロック共重合体フィルムの硬化物1.0gをN−メチル−2−ピロリドン19.0g中に分散し、100℃で24時間放置した。その後、残存する固形分を取り出し、この固形分をN−メチル−2−ピロリドンで洗浄後、180℃で2時間乾燥した。残存固形分の重量から、以下の式に従ってゲル分率を算出した。
【0084】
(ゲル分率)=(残存固形分量(g))/1.0g×100%
ゲル分率が80質量%以上のものを◎、50〜79質量%のものを○、49質量%以下のものを×とした。◎がもっとも好ましく、実用上は○以上であれば問題ない。×では硬化性が足りないため好ましくない。
【0085】
[ブロック共重合体中の縮合系重合体の含有量(質量%)]
ブルカー・バイオスピン株式会社製 多核NMR測定装置、AV300Mを用いた。重溶媒にはブロックピリジンd−5を用い、積算回数1064回にてH−NMR測定を行い、ビニル重合体成分の主鎖メチレン成分に起因するシグナルと、縮合系重合体の全芳香族に起因するシグナルの積分比から求めた。
【0086】
[両末端カルボキシル化ビニル重合体の合成]
(合成例1)
500ml三つ口フラスコにジムロート、三方コック、滴下ロート及びフッ素樹脂製撹拌翼を取り付け、窒素置換を実施し、その後80℃に加熱した。別途、2−エチルヘキシルメタクリレート99g、t−ブチルメタクリレート71g、ジチオプロピオン酸21g、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業株式会社製、VA−057)27g、N−メチル−2−ピロリドン130gを配合した溶液を調整し、これを90分かけて全量をフラスコに滴下した。その後更に80℃で4時間重合を行い、粘調な溶液を得た。この溶液を大量のメタノール中に沈殿させ、得られた固体を再度メタノールで洗浄後、室温で真空乾燥した。得られたポリマー(B1)の重量平均分子量は9,000g/molであった。
【0087】
(合成例2)
2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレートの配合量を2.7gに変えたこと以外は合成例1と同様に操作を行った。得られたポリマー(B2)の重量平均分子量は32,900g/molであった。
【0088】
(合成例3)
2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレートの配合量を0.24g、ジチオプロピオン酸の配合量を2.1g、N−メチル−2−ピロリドンの配合量を65gに変えたこと以外は合成例1と同様に操作を行った。収率は98.7%、得られたポリマー(B3)の重量平均分子量は214,900g/molであった。
【0089】
(合成例4)
ジチオプロピオン酸の配合量を42g、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業株式会社製、VA−057)の配合量を54g、N−メチル−2−ピロリドンの配合量を260gに変えたこと以外は、合成例1と同様に操作を行った。得られたポリマー(B4)の重量平均分子量は5,100g/molであった。
【0090】
(合成例5)
ジチオプロピオン酸の配合量を80g、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業株式会社製、VA−057)の配合量を94g、N−メチル−2−ピロリドンの配合量を400gに変えたこと以外は、合成例1と同様に操作を行った。得られたポリマー(B5)の重量平均分子量は2,100g/molであった。
【0091】
[両末端イソシアネート化縮合系重合体の合成]
(イミド結合を有するジカルボン酸前駆体の合成)
(合成例6)
1000ml三口フラスコに、ジムロート、蒸留装置、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け、2,2’−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン82.10g、トリメリット酸一無水物78.0g、N−メチル−2−ピロリドン500gを加えて溶解し、25℃で30分、80℃で30分撹拌した。その後、トルエン240gを加え、160℃に加熱した。トルエンとの脱水閉環で発生した水を留去しながら2時間撹拌し、更に190℃で30分撹拌した。その後、減圧し、N−メチル−2−ピロリドンを250mlほど留去した。こうして得られた溶液を大量の熱水中に溶液を入れ、固形分を析出させた。その後再度熱水で洗浄し、80℃で真空乾燥してイミド結合を有するジカルボン酸前駆体(A1)を得た。
【0092】
(両末端にイソシアネート基を有する縮合系重合体の合成)
(合成例7)
200ml三口フラスコにジムロート、滴下ロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート7.01g、N−メチル−2−ピロリドン13.0gを配合し、140℃で均一になるまで撹拌した。別途、合成例6で合成したジカルボン酸前駆体(A1)15.17gをN−メチル−2−ピロリドン14.0gに溶解した溶液を作製し、これを30分かけてフラスコに滴下し、さらに140℃で90分撹拌した。
【0093】
こうして得られた溶液を一部サンプリングして分子量を測定したところ、重量平均分子量は4,800g/molであった。この重合溶液(ポリマー(A2))をブロック共重合体の合成にそのまま用いた。
【0094】
(合成例8)
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの配合量を6.51gに変えたこと以外は、合成例7と同じ操作を行い、重合溶液を得た。得られた溶液を一部サンプリングして分子量を測定したところ、重量平均分子量は13,000g/molであった。この重合溶液(ポリマー(A3))をブロック共重合体の合成にそのまま用いた。
【0095】
(合成例9)
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの配合量を6.06gに変えたこと以外は、合成例7と同じ操作を行い、重合溶液を得た。得られた溶液を一部サンプリングして分子量を測定したところ、重量平均分子量は45,000g/molであった。この重合溶液(ポリマー(A4))をブロック共重合体の合成にそのまま用いた。
【0096】
(合成例10)
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの配合量を5.51gに変えたこと以外は、合成例7と同じ操作を行い、重合溶液を得た。得られた溶液を一部サンプリングして分子量を測定したところ、重量平均分子量は95,000g/molであった。この重合溶液(ポリマー(A5))をブロック共重合体の合成にそのまま用いた。
【0097】
(合成例11)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼をとりつけ、合成例6で得たジカルボン酸前駆体(A1)15.17g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート6.01g、N−メチル―2−ピロリドン40.0gを配合し、140℃で2時間、次いで180℃で2時間反応した。得られたワニスをN−メチル−2−ピロリドンを用いて2倍に希釈し、得られた溶液を大量の水中にいれて固形分を析出させた。得られた固形分をミキサーを用いて粉砕し、水で再度洗浄した。得られた固形分を90℃で真空乾燥し、ポリマー(A6)を得た。重量平均分子量は440,000g/molであった。
【0098】
[ビニル重合体セグメントに官能基が導入されたブロック共重合体の合成]
(実施例1)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例7で得た重合溶液(ポリマー(A2))22.0g(固形分9.0g)、合成例1で合成したポリマー(B1)9.0g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。その後160℃で2時間、次いで175℃で16時間加熱した。合成後、一部サンプリングを行い、ガラス上に流延して100℃で乾燥したところ、マクロ相分離は確認されず、反応が進行していることが確認された。得られたワニスを大量の水中にいれて固形分を析出させ、得られた固形分をミキサーを用いて粉砕し、水で再度洗浄した。得られた固形分を90℃で真空乾燥し、ブロック共重合体を得た。
【0099】
次に100ml三口フラスコにフッ素樹脂製撹拌翼を取り付け、得られたブロック共重合体15.0gとN−メチル−2−ピロリドン135.0gを配合し、均一になるまで溶解した。次に6.6N塩酸水溶液7.5gを加え、室温で1時間、次いで60℃で1時間撹拌し、ビニル重合体セグメントに含まれるt−ブチルメタクリレート成分の加水分解を行った。反応後得られた溶液を大量の水中に入れ、得られた固形分を再度水で洗浄した。得られた固形分を90℃で真空乾燥し、ビニル重合体セグメントにカルボキシル基が導入されたブロック共重合体を得た。
【0100】
次に100ml三口フラスコにフッ素樹脂製撹拌翼を取り付け、カルボキシル基が導入されたブロック共重合体10g、N−メチル−2−ピロリドン90.0gを配合し、140℃で溶解した。これに2−メタクリロキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)10.0gを入れ、1時間撹拌し、ビニル重合体セグメントのカルボキシル基をメタクリル基に変換した。その後得られた重合溶液を、メタノール/水混合溶媒(混合容積比1/1)中にいれ、固形分を析出させた。得られた固形分を水で洗浄し、40℃で真空乾燥することで、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C1)を得た。得られたブロック共重合体(C1)の重量平均分子量は70,000g/mol、メタクリル基の含有量は2.1mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は53質量%であった。こうして得られたブロック共重合体(C1)のガラス転移温度を評価した。
【0101】
[ブロック共重合体の熱硬化]
前述で得られた、メタクリル基が導入されたブロック共重合体(C1)2.0gをN,N−ジメチルアセトアミド8.0gに溶解した。これに重合開始剤として1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂株式会社製、パーヘキサC)0.1gを配合した。この溶液を用いてブロック共重合体硬化物のガラス板または銅箔に対する密着性の評価を行った。またこの溶液をPTFEシャーレに流延し、60℃で真空乾燥後、更に180℃で2時間加熱することでブロック共重合体フィルムの硬化物を作製し、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0102】
(実施例2)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例8で得た重合溶液(ポリマー(A3))22.0g(固形分9.0g)、合成例1で合成したポリマー(B1)9.0g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.1g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。以後、実施例1と同じ操作を繰り返し、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C2)を得た。得られたブロック共重合体(C2)の重量平均分子量は90,000g/mol、メタクリル基の含有量は2.0mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は55質量%であった。
【0103】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0104】
(実施例3)
重合溶液(ポリマー(A3))22.0gの代りに合成例9で得た重合溶液(ポリマー(A4))22.0gを用い、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの配合量を0.2gに変えたこと以外は実施例2と同様の操作を行い、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C3)を得た。得られたブロック共重合体(C3)の重量平均分子量は90,000g/mol、メタクリル基の含有量は1.8mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は52質量%であった。
【0105】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0106】
(実施例4)
重合溶液(ポリマー(A3))22.0gの代りに合成例10で得た重合溶液(ポリマー(A5))23.0gを用い、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの配合量を0.3gに変えたこと以外は実施例2と同様の操作を行い、ビニル重合体成分にメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C4)を得た。得られたブロック共重合体(C4)の重量平均分子量は120,000g/mol、メタクリル基の含有量は1.6mmol/g、ブロック共重合体(C4)中の縮合系重合体セグメントの含有量は50質量%であった。
【0107】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0108】
(実施例5)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例8で得た重合溶液(ポリマー(A3))22.0g(固形分9.0g)、合成例2で合成したポリマー(B2)9.0g、合成例6で得たジカルボン酸前駆体(A1)0.5g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。以後、実施例1と同じ操作を繰り返し、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C5)を得た。得られたブロック共重合体(C5)の重量平均分子量は84,000g/mol、メタクリル基の含有量は2.1mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は57質量%であった。
【0109】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0110】
(実施例6)
ポリマー(B1)9.0gの代りに合成例4で合成したポリマー(B4)9.0gを用い、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの配合量を0.29gに変えたこと以外は実施例2と同様の操作を行い、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C6)を得た。得られたブロック共重合体(C6)の重量平均分子量は100,000g/mol、メタクリル基の含有量は1.7mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は58質量%であった。
【0111】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0112】
(実施例7)
ポリマー(B1)9.0gの代りに合成例5で合成したポリマー(B5)9.0gを用い、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの配合量を0.9gに変えたこと以外は実施例2と同様の操作を行い、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C7)を得た。得られたブロック共重合体(C7)の重量平均分子量は130,000g/mol、メタクリル基の含有量は1.9mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は56質量%であった。
【0113】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0114】
(実施例8)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例8で得た重合溶液(ポリマー(A3))8.8g(固形分3.6g)、合成例1で合成したポリマー(B1)16.2g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.42g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。以後、実施例1と同じ操作を繰り返し、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C8)を得た。得られたブロック共重合体(C8)の重量平均分子量は25,000g/mol、メタクリル基の含有量は3.0mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は21質量%であった。
【0115】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0116】
(実施例9)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例8で得た重合溶液(ポリマー(A3))37.6g(固形分15.4g)、合成例1で合成したポリマー(B1)3.6g、合成例6で得たジカルボン酸前駆体(A1)0.6g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。以後、実施例1と同じ操作を繰り返し、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C9)を得た。得られたブロック共重合体(C9)の重量平均分子量は87,000g/mol、メタクリル基の含有量は0.9mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は80質量%であった。
【0117】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0118】
実施例1〜9における評価結果を表1〜2に示した。
【表1】

【表2】

【0119】
*1:ガラス転移温度が二つ記載されているものは、各成分に起因するtanδピークが観測されたことを示す。
【0120】
[ブロック共重合体樹脂組成物の作製と硬化物の評価]
(実施例10)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例7で得た重合溶液(ポリマー(A2))22.0g(固形分9.0g)、合成例1で合成したポリマー(B1)9.0g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。その後160℃で2時間、次いで175℃で16時間加熱した。合成後、一部サンプリングを行い、ガラス上に流延して100℃で乾燥したところ、マクロ相分離は確認されず、反応が進行していることが確認された。得られたワニスを大量の水中にいれて固形分を析出させ、得られた固形分をミキサーを用いて粉砕し、水で再度洗浄した。得られた固形分を90℃で真空乾燥し、ブロック共重合体を得た。
【0121】
次に100ml三口フラスコにフッ素樹脂製撹拌翼を取り付け、得られたブロック共重合体15.0gとN−メチル−2−ピロリドン135.0gを配合し、均一になるまで溶解した。次に6.6N塩酸水溶液を7.5g加え、室温で1時間撹拌し、次いで60℃で1時間撹拌し、ビニル重合体成分に含まれるt−ブチルメタクリレート成分の加水分解を行った。反応後得られた溶液を大量の水中に入れ、得られた固形分を再度水で洗浄した。得られた固形分を90℃で真空乾燥し、ビニル重合体セグメントにカルボキシル基が導入されたブロック共重合体(C10)を得た。重量平均分子量は69,000g/mol、カルボキシル基の含有量は2.1mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は50質量%であった。またブロック共重合体(C10)を用いてフィルムに成形し、ガラス転移温度を測定したところ、55℃と150℃であった。
【0122】
次に、ブロック共重合体(C10)2.0gをN,N−ジメチルアセトアミド8.0gで溶解した。これに熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、YD−8125、エポキシ等量=170〜175g/eq.)を0.5g配合した。この溶液を用いてブロック共重合体硬化物のガラス板及び銅箔に対する密着性を評価したところ、いずれの場合も保持率が80%以上であり良好であった。またこの溶液をPTFEシャーレに流延し、60℃で真空乾燥後、更に180℃で2時間加熱することでブロック共重合体フィルムの硬化物を作製し、折り曲げ性、ガラス転移温度、ゲル分率の評価を行ったところ、ゲル分率も80%以上であり硬化性は良好であった。また折り曲げ性を評価したところ、うっすら折り線が付くものの良好であった。またガラス転移温度は200℃であり、硬化前のブロック共重合体フィルムに比較して上昇していることが確認された。
【0123】
[ブロック共重合体/銅複合フィルムの作製]
(実施例11)
実施例2で得たブロック共重合体(C2)2.0gを、N,N−ジメチルアセトアミド8.0gに溶解した。これに重合開始剤として1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂株式会社製、パーヘキサC)0.1gを配合した。この溶液を銅箔(三井金属鉱業株式会社製、プリント配線板用電解銅箔、3EC−III、厚み0.07mm)上に厚さ0.2mmにて流延し、50℃で真空乾燥してブロック共重合体(C2)/銅複合フィルムを得た。更にこれを180℃で2時間加熱することでブロック共重合体硬化物/銅複合フィルムを作製し、得られた複合フィルムの密着性の評価及び折り曲げ試験を行った。折り曲げ試験では、うっすら薄い折り線が付く程度で良好であり、また密着性試験では保持率80%以上であり良好であった。
【0124】
(比較例1)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例9で得た重合溶液(ポリマー(A4))22.0g(固形分9.0g)、合成例3で合成したポリマー(B3)9.0g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。その後160℃で2時間、次いで175℃で16時間加熱した。合成後、一部サンプリングを行い、ガラス上に流延して100℃で乾燥したところ、ビニル重合体成分と縮合系重合体成分が明らかに分離しており、十分に反応が進行してないことが確認された。従ってブロック共重合体を得ることができなかった。
【0125】
(比較例2)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例11で得た重合溶液(ポリマー(A6))22.0g(固形分9.0g)、合成例1で合成したポリマー(B1)9.0g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.25g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。その後160℃で2時間、次いで175℃で16時間加熱した。合成後、一部サンプリングを行い、ガラス上に流延して100℃で乾燥したところ、ビニル重合体成分と縮合系重合体成分が明らかに分離しており、十分に反応が進行してないことが確認された。従ってブロック共重合体を得ることができなかった。
【0126】
(比較例3)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例8で得た重合溶液(ポリマー(A3))4.4g(固形分1.8g)、合成例1で合成したポリマー(B1)16.2g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.42g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。以後、実施例1と同じ操作を繰り返し、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C11)を得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は21,000g/mol、メタクリル基の含有量は7.9mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は9質量%であった。
【0127】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0128】
(比較例4)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼を取り付け窒素置換を行い、合成例8で得た重合溶液(ポリマー(A3))39.5g(固形分16.2g)、合成例1で合成したポリマー(B1)1.8g、合成例6で得たジカルボン酸前駆体(A1)0.82g、N−メチル−2−ピロリドン59gを配合した。以後、実施例1と同じ操作を繰り返し、ビニル重合体セグメントにメタクリル基が導入されたブロック共重合体(C12)を得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は97,000g/mol、メタクリル基の含有量は0.3mmol/g、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有量は90質量%であった。
【0129】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0130】
(比較例5)
100ml三口フラスコにジムロート、フッ素樹脂製撹拌翼をとりつけ、合成例6で得たジカルボン酸前駆体(A1)15.17g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート6.01g、N−メチル―2−ピロリドン50.0gを配合し、140℃で2時間反応した。得られたワニスを大量の水中にいれて固形分を析出させ、得られた固形分をミキサーを用いて粉砕し、水で再度洗浄した。得られた固形分を90℃で真空乾燥し、重量平均分子量は240,000g/molの重合体を得た。
【0131】
実施例1と同様の操作を行うことで、密着性、折り曲げ性、ガラス転移温度、硬化性の評価を行った。
【0132】
比較例1〜5における評価結果を表3に示した。
【表3】

【0133】
上記表1〜3からわかるように、本発明のブロック共重合体は硬化反応が可能であり、得られる硬化物は、硬化前に比較してガラス転移温度が上昇しており、またビニル重合体成分を導入することで密着性も改善されていた。一方、ビニル重合体セグメントの重量平均分子量が200,000g/molを超えた比較例1や、縮合系重合体セグメントの重量平均分子量が400,000g/molを超えた比較例2においては、十分な反応が進行せずブロック共重合体が得られなかった。またブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有率が低い比較例3では、縮合系重合体のガラス転移温度が発揮されず、ブロック共重合体中の縮合系重合体セグメントの含有率が高い比較例4では、必然的に架橋官能基の導入量が少なくなるため、十分な硬化反応ができず、また密着性が改善されなかった。またビニル重合体成分を有しない比較例5では、銅箔及びガラス板に対する密着性が劣っていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミド結合、イミド結合またはアミドイミド結合を含む繰り返し単位を少なくとも1種有する縮合系重合体セグメント(A)20〜80質量%と、架橋官能基を有するビニル重合体セグメント(B)80〜20質量%とからなるブロック共重合体であって、前記縮合系重合体セグメント(A)の重量平均分子量が1,000〜400,000g/mol、前記ビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量が1,000〜200,000g/molであることを特徴とするブロック共重合体。
【請求項2】
前記ビニル重合体セグメント(B)が、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物及びその誘導体、アクリル酸系化合物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を重合して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項3】
前記架橋官能基が、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アルコキシシリル基、メタクリル基、アクリル基、アリル基、イソシアニル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のブロック共重合体。
【請求項4】
前記架橋官能基が、ブロック共重合体中に0.5〜10mmol/g含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のブロック共重合体と熱硬化性樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
無機フィラー、難燃剤、無機繊維、無機顔料、有機顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、シランカップリング剤、熱ラジカル発生剤から選ばれる少なくとも一種を含む請求項5または6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のブロック共重合体または請求項5〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
【請求項9】
前記成形品がシートまたはフィルムである請求項8に記載の成形品。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のブロック共重合体または請求項5〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を架橋反応して得られる硬化物。
【請求項11】
請求項8または9に記載の成形品を硬化して得られる硬化物。

【公開番号】特開2008−280499(P2008−280499A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194881(P2007−194881)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】