説明

プテロスチルベン投与を介して酸化的ストレスを改善し、かつ作業記憶を向上させる方法

治療有効量のプテロスチルベンの実質的に純粋な化合物および生理学的に許容可能な担体を含む酸化的ストレスを処置するための医薬品組成物を開示する。プテロスチルベンは、被検体の体重の1キログラムあたり、約2.5mgから約10mgの量で投与される。また、被検体の作業記憶を増加させる方法であって、治療有効量のプテロスチルベンの実質的に純粋な化合物を投与する工程を含み、被検体の作業記憶が増加することを開示し、上記治療有効量は、被検体の体重の1キログラムあたり、約10mgのプテロスチルベンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経および行動の老化の作用ならびに神経変性疾患の発達を予防、阻止、および回復させるために有効量で被検体に投与されるプテロスチルベンの使用方法に関する。より詳細には、レスベラトロルアナログプテロスチルベンは、被検体の運動欠陥および作業記憶を回復させることに効果的である。
【背景技術】
【0002】
果実および野菜での食事による補給は老化する被検体に伴う欠陥を阻止および回復させる影響を与える。液果類(例えば、クランベリーおよびブルーベリー等のスノキ属(Vaccinium)ベリー類)を用いた食事による補給を含む栄養養生法は老化に伴う運動および認知の変化の両方を回復および/または予防する。例えば、ブルーベリーの補給は、APP/PS−1変異を用いたアミロイドβ−ペプチド生成を増加させたマウスにおける認知行動欠陥を阻止する(非特許文献1)。液果類の有用な効果は、酸化的ストレッサーに対する直接および間接の作用を含む。従って、運動および認知機能における酸化により媒介された変化を変えることにおいて効果的である、液果類内の化合物を同定する必要性が存在する。
【0003】
トランス−3,5,4’−トリヒドロキシスチルベン(以降、レスベラトロルと呼ぶ)は、その強い抗酸化活性のために、複数の老化防止特性を有すると確認されている。体外での実験では、レスベラトロルは、効果的な遊離基捕捉剤であり、低密度のリポタンパク質の酸化を抑制することが証明されている(非特許文献2)。他のスチルベノイド(例えば、ピノスチルベン、デスオキシラポンチゲニン、プテロスチルベン、レスベラトロルトリメチルエーテル、およびピセタノール)は、核内受容体、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体αアイソフォームを活性化することによって、脂質レベルを低下させるための生物学的活性および効果のさまざまな度合いを有する。
【0004】
トランス−3,5−ジメトキシ−4’−ヒドロキシスチルベン(以降、プテロスチルベンと呼ぶ)、レスベラトロルの天然のメチルエーテルアナログは、レスベラトロルのものと類似する抗酸化活性を有することが証明されている(非特許文献3、非特許文献4)。プテロスチルベンは、ブドウ等の一部の小さな果実(非特許文献5)およびスノキ属のベリー(ラビットアイブルーベリー(Vaccinium ashei Reade)およびコバイケイソウ(Vaccinium stamineum L.))(非特許文献6)、ならびに木本(非特許文献7、非特許文献8)に存在する。さらに、アノゲイスス アクミナタ(Anogeissus acuminata)、ドラセナ シタン(Dracaena cochinchinensis)、ドラセナ パラオ(Dracaena loureiri)、グイボルティア テスマニイ(Guibourtia tessmannii)、ビルマカリン(Pterocarpus macrocarpus)、プテロカルプス マルスピウム(Pterocarpus marsupium)、プテロカルプス サンタリヌス(Pterocarpus santalinus)、ラビットアイブルーベリー(Vaccinium ashei)、ハイブッシュ ブルーベリー(Vaccinium corymbosum)、スノキ属デリシオサム(Vaccinium deliciosum)、シンリーフ ハックルベリー(Vaccinium membranaceum)、カリフォルニア ハックルベリー(Vaccinium ovatum)、クロウスゴ(Vaccinium ovalifoilum)、スノキ属パルビフローラム(Vaccinium parviflorum)、スノキ属スタミネウム(Vaccinium stamineum)、クロマメノキ(Vaccinium uliginosum)、およびヴィティス ヴィニフェラ(Vitis vinifrea)を含む複数の植物が、プテロスチルベンを含む。プテロスチルベンはまた、プロポリス等の非植物源において見出される。
【0005】
プテロスチルベンのレベルは、スノキ属ベリー類の種によって異なり得る。非特許文献6の報告によれば、スノキ属ベリー類の品種によるプテロスチルベン濃度は、乾燥試料の99ng/gmから520ng/gmを有することが報告されている。さらに、非特許文献9によって報告されているように、スノキ属の9品種の種からの凍結乾燥されたベリーが、ベリー1グラム当り0.12μgから2.74μgのプテロスチルベンを示した。同様に、ブルーベリー種により、プテロスチルベン濃度の量は様々である。99ngから475ngの範囲のプテロスチルベンが凍結乾燥したブルーベリー1グラムから誘導され得ることが報告されている。
【0006】
複数の研究により、抗酸化効果と脳の老化および行動の有害な作用とが関連付けられている。果実および野菜に、植物の一次代謝に通常含まれていない「二次的な化学物質(secondary chemicals)」の形態で見出される抗酸化性/抗炎症性ポリフェノールの組み合わせは、これらの有害な作用を抑えるのに有効であることを示している。従って、果実および植物、特に、老化および認知障害を防ぐことができる化合物をさらに同定する必要性が存在する。
【0007】
プテロスチルベンの化合物は、抗炎症活性を示唆するシクロオキシゲナーゼ−1の適度な抑制およびシクロオキシゲナーゼ−2の弱い抑制を示した(非特許文献3)。さらに、プテロスチルベンは、脂質およびグルコースレベルを低下することを媒介すると提唱されているペルオキシソーム増殖因子活性化αアイソフォーム、(PPARα)受容体を活性化すると確認されている。プテロスチルベンのPPARαアゴニスト作用の詳細は、非特許文献10および特許文献1に開示され、それらの両方は参照することにより本明細書に援用される。
【0008】
プテロスチルベンは結腸癌発症を抑制することが確認されている。特に、プテロスチルベンは、離乳雄性F344ラットにおけるアゾキシメタン誘発性の結腸異常腺窩巣の増殖を抑制する。さらに、プテロスチルベンは、HT−29ヒト腺癌細胞株における誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現を抑制する(非特許文献11)。
【0009】
老化現象を示す被検体における認知変化を改善しようとするために、当該技術分野において、老化現象を示す被検体へのプテロスチルベンの補給が、補給しない被検体と比較して認知障害および運動障害を回復させるかどうかを決定する必要が存在する。
【0010】
ムスカリン性コリン受容体は、末梢神経系および中枢神経系、胃腸系、心臓、内分泌腺、肺、ならびに他の組織における神経伝達物質アセチルコリンの作用を媒介する。5つの異なるムスカリン性受容体のサブタイプは、m1〜m5と同定されている。m1のサブタイプは大脳皮質において見出される主なサブタイプであり、認知機能の制御に関連すると考えられている。
【0011】
アルツハイマー病等の認知機能障害に伴う状態は、脳におけるアセチルコリンの損失に付随して生じる。これは、連合皮質および海馬の領域を刺激し、より高度な認知プロセスに関連する前脳基底部におけるコリン作動性ニューロンの変性の結果と考えられている。
【0012】
従って、脳内におけるアセチルコリンシグナル伝達作用を増加させる化合物を同定する必要が存在する。特に、中枢神経系および末梢神経系における様々な受容体のサブタイプにおいて機能するムスカリン作動薬としての化合物を同定する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願第2006/005723A1号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Joseph JAら、2003年、Nutr.Neurosci.、6:153−162
【非特許文献2】Brito P.ら、2002年、Free Radic Res.36(6):621−631
【非特許文献3】Rimandoら、2002年、J.Agric.Food Chem.50:3453−3457
【非特許文献4】Stivalaら、2001年、J.Biol.Chem.276(25):22586−22594
【非特許文献5】Adrianら、2000年、J.Argic.Food Chem.48:6103−6105
【非特許文献6】Rimandoら、2004年、J.Argic.Food Chem.52:4713−4719
【非特許文献7】Mauryaら、1977年、J.Nat.Prod.47:179−181
【非特許文献8】Amoneら、1977年、J.Chem.Soc.Perkins Trans.19:2116−2118
【非特許文献9】Rimandoら、Acta Hort.(ISHS).680:137−143
【非特許文献10】Rimandoら、2005年、J.Agric.Food Chem.53:3403−3407
【非特許文献11】Suhら、2007年、Clin Cancer Res.13(1)350−355
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、神経および行動の老化の作用を処置する組成物を提供し、酸化的ストレスによって生じる神経変性疾患の進行を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
治療有効量の、以下の式:
【0017】
【化1】

【0018】
の実質的に純粋な化合物および生理学的に許容可能な担体を含む酸化的ストレスを処置するための医薬品組成物を開示する。本発明の一実施形態において、プテロスチルベンは、被検体の体重の1キログラムあたり、約2.5mgないし約10mgの量で投与される。本発明の別の実施形態において、上記治療有効量のプテロスチルベンは、スノキ属ベリー類の食事を介して投与される。別の実施形態において、スノキ属ベリー類はブルーベリーである。
【0019】
酸化的ストレスを処置するための方法であって、治療有効量の、以下の式:
【0020】
【化2】

【0021】
の実質的に純粋な化合物を投与する工程を含み、上記被検体への酸化的ストレスが低減されることを開示する。本発明の一実施形態において、上記プテロスチルベンは、被検体の体重の1キログラムあたり、約2.5mgないし約10mgを含む量で投与される。別の実施形態において、上記化合物は被検体のアセチルコリン受容体活性を増加させる。さらに別の実施形態において、上記投与された化合物の量は、上記被検体に酸化的ストレッサーを受けさせた場合に、ドーパミン放出の抑制を阻止する。別の実施形態において、プテロスチルベンはスノキ属ベリー類の食事を介して投与される。別の実施形態において、上記スノキ属ベリー類はブルーベリーである。別の実施形態において、プテロスチルベンは、ムスカリン性受容体サブタイプ(例えばサブタイプはm−1である)のカルシウムを緩衝する能力を増加させる。また、被検体の作業記憶を増加させる方法であって、治療有効量の実質的に純粋なプテロスチルベンを投与する工程を含み、被検体の上記作業記憶が増加することを開示する。一実施形態において、上記治療有効量のプテロスチルベンは、被検体の体重の1キログラムあたり、約10mgの化合物である。
【0022】
本発明は、上述の目的および他の目的ならびに利点と共に、図面に示される本発明の実施形態の以下の詳細な記載から最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、様々なスチルベン誘導体の化学構造を示す。
【図2】図2は、0ドーパミン(−ドーパミン)または1mMドーパミン(+ドーパミン)処理を施された後、M1トランスフェクトCOS−7細胞のコントロール細胞、ならびに、ブルーベリー、レスベラトロル、ピノスチルベン、デスオキシラポンチゲニン、プテロスチルベン、プテロスチルベングルコシド、レスベラトロルトリメチルエーテル、またはピセタノールで前処理された細胞における平均Ca2+回復のグラフである。アスタリスクは、各処理に対するドーパミン処理していない細胞とドーパミン処理した細胞との間の回復における差異を示す(=p<0.001)。
【図3】図3は、低量のプテロスチルベンの補給物(0.004%w/w)を投与した、高量のプテロスチルベンの補給物(0.016%w/w)を投与した、または被検体の食事の中にプテロスチルベンを投与しない(コントロール)被検体の、秒単位におけるプラットフォームまでの潜伏の測定のグラフである。アスタリスクは各食事群に対する試行1と試行2の能力との間の差異を示す(=p<0.05)。
【図4】図4は、低量のプテロスチルベンの補給物(0.004%w/w)を投与した、高量のプテロスチルベンの補給物(0.016%w/w)を投与した、または被検体の食事の中にプテロスチルベンを投与しない(コントロール)被検体の、メートル単位におけるプラットフォームまでの距離の測定のグラフである。アスタリスクは各食事群に対する試行1と試行2の能力との間の差異を示す(=p<0.05)。
【図5】図5は、基礎レベル(−H)下および酸化的ストレス(+H、50μM)処理の条件下での、コントロール、低用量のプテロスチルベン(0.004%)および高用量のプテロスチルベン(0.016%)の食事に維持された被検体から調製された線条体片(pmol/mgタンパク質における変化)からのドーパミン放出のオキソトレモリン増加のグラフである。アスタリスクは各食事群に対するH処理しない線条体片とH処理した線条体片との間のドーパミン放出における差異を示す(=p<0.01)。
【図6A】図6Aは、モリス水迷路中で行われたプラットフォームを見つける際の潜伏(秒)の関数としての、被検体の海馬中のプテロスチルベンの量(ng)を表すグラフである。プテロスチルベンは、被検体の海馬中で測定され、3日目および4日目からの試行2の被検体の能力と関連付けられた。
【図6B】図6Bは、モリス水迷路中で行われたプラットフォームに達する際の被検体が移動した距離(メートル)の関数としての、被検体の海馬中のプテロスチルベンの量(ng)を表すグラフである。プテロスチルベンは、3日目および4日目からの試行2の被検体の海馬中で測定された。
【発明を実施するための形態】
【0024】
老化現象を示す被検体に、複数回のプテロスチルベンの用量をそれらの食事を補給して投与した。プテロスチルベンを補給された被検体はプテロスチルベンの補給の無い被検体と比較して、改善された精神運動および認知能力を示した。別の実施形態において、被検体に、被検体の体重の1キログラム当り2.5mgの低用量のプテロスチルベンを投与した。別の実施形態において、被検体に、被検体の体重の1キログラム当り10mgの高用量のプテロスチルベンを投与し、作業記憶を評価する試験において最も改善された認知能力を示した。別の実施形態において、M1−トランスフェクトCOS−7細胞株におけるオキソトレモリン誘導性の脱分極の後、プテロスチルベンの前処理は、カルシウムクリアランスに対するドーパミン処理の負の効果に拮抗した。本発明のさらに別の実施形態において、治療有効量のプテロスチルベンを投与し、ここで、酸化的ストレス感受性のムスカリン性アセチルコリン受容体をトランスフェクトされた上記の細胞株は、回復時におけるドーパミン誘発の低下を保護した。さらに、被検体の食事に投与されたプテロスチルベンは死後の線条体片の被検体のムスカリン性受容体の感受性を増加させ、酸化的ストレッサーを受けさせた場合に、ドーパミン放出は減少しない。
【0025】
(定義)
本明細書および特許請求の範囲において用いられるように、単数形の表現は、その文脈が明らかに他の意を指示しないのであれば、複数の参照を含む。例えば、用語「1つの細胞(a cell)」は複数の細胞を含み、それらの混合物を含む。
【0026】
用語スチルベンは、トランス−1,2−ジフェニルエチレンの一般式を有し、CCH=CHCの分子式を有する化合物の化学的分類を記載するために用いられる。スチルベンは、2つのフェニル基の分枝を側鎖として有する1,2−ジフェニルエチレンの一般構造を有する。スチルベンの化学的分類からの1つの化学的誘導体はレスベラトロルであり、これはトランス−3,5,4’−トリヒドロキシスチルベンであり、図1に示されている。スチルベンの化学的分類からの別の化学的誘導体はプテロスチルベンであり、これはトランス−3,5−ジメトキシ−4’−ヒドロキシスチルベンとして記載可能であり、図1に示されている。スチルベンの他の例としては、ピノスチルベン(トランス−3,4’−ジヒドロキシ−5−メトキシスチルベン)、デスオキシラポンチゲニン(トランス−3,5−ジヒドロキシ−4’−メトキシスチルベン)、プテロスチルベングルコシド、レスベラトロルトリメチルエーテル(トランス−3,5,4’−トリメチルエーテルスチルベン)、およびピセタノール(トランス−3,4,3’,5’−テトラヒドロキシスチルベン)が挙げられる。
【0027】
用語酸化的ストレッサーは、疾患を生じている身体中の様々な物質に反応する活性酸素種のことをいう。一般的には、ヒドロキシルラジカルは、複数の有機基質と差別無く反応する。酸化的ストレッサーの例は、過酸化水素およびオゾンである。
【0028】
本明細書において用いられるように、用語「作業記憶」は、記憶および回復のための速い記憶過程のことをいい、それが長期記憶に変換される前の短期記憶における、入ってくる情報を保持することを必要とする過程を含み、確立された長期的(エピソード)記憶の回復を支持する過程を含む。この用語はまた、短期記憶、一次記憶、即時記憶、オペラント記憶(operant memory)、および臨時記憶(provisional memory)のことをいう。
【0029】
治療有効量は、被検体に投与する場合、条件付けられた状態のそのような処置を達成するのに十分な化合物の量として定義される。「治療有効量」は、化合物、処置される状態、被検体の年齢およびそれに伴う健康状態、投与の経路および形態、当業者の判断、ならびに他の要因によって様々であってよい。
【0030】
各々の行動測定に対しては、3つの群を比較する被検体間の分散分析(ANOVA)モデルを、p<0.05レベルにて、統計的有意性を試験するために、Systat(SPSS,Inc. シカゴ、イリノイ州)を用いて行った。日にちまたは試行は、適切なときに、被検体内変数としてモデル内に含まれた。食事群間の差異を決定するために、事後比較(post−hoc comparison)をFisherのLSD post−hoc分析を用いて行った。
【0031】
複数のスチルベンアナログを、ドーパミンを投与した後、M1−トランスフェクトした細胞株中でのカルシウム回復アッセイに利用し、これらのスチルベンアナログを図1に示した。レスベラトロルはSigma−Aldrich(セントルイス、ミズーリ州)から購入し、ピセタノールはCalbiochem−Novabiochem Corp.(サンディエゴ、カリフォルニア州)から購入した。
【0032】
プテロスチルベン(トランス−3,5−ジメトキシ−4’−ヒドロキシスチルベン)を、無水酢酸およびトリエチルアミン中の3,5−ジメトキシベンズアルデヒドおよび4−ヒドロキシフェニル酢酸の濃縮によって合成した(Pettitら、1988年、J.Nat.Prod.51:517−527から改変した)。その反応混合物を、窒素雰囲気下で加熱(150℃)し、継続的に攪拌した。20時間後、反応物を停止させ、室温まで冷却し、濃塩酸(5mL)を加えた。形成された沈殿物を50mLのクロロホルムに溶解させ、10%の水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。水性抽出物を、濃塩酸でpH1まで酸性化し、少なくとも6時間攪拌し、その結果、中間生成物としての沈殿物、α−[(3,5−ジメトキシフェニル)メチレン]−4−ヒドロキシ−(αZ)−ベンゼン酢酸を得た。この中間生成物を、10mLのキノリン中に、1.0gの銅を用いて加熱した(窒素下で200℃、6時間)。その反応混合物を室温まで冷却して濾過した。5Nの塩酸(25mL)を加えて濾過し、1時間攪拌し、クロロホルムで抽出した。不純なプテロスチルベンを含有するクロロホルム抽出物を、シリカゲルカラムおよび溶媒系の酢酸エチル:ヘキサン(15:85から100%の酢酸エチルの線形勾配)を用いて、Horizon HPFC系(Biotage,Inc.シャーロッツビル、バージニア州)でのフラッシュ・クロマトグラフィーによって精製した。純粋なプテロスチルベンを含有する画分を混合し、真空下で濃縮した。プテロスチルベンをヘキサン中で再結晶化し、その構造物を分光データ(UV、質量分析、および核磁気共鳴分光法)から確認した。
【0033】
1mLのエタノール中の40mgのアセトブロモ−α、D−グルコース(Sigma−Aldric、セントルイス、ミズーリ州)、および水酸化カリウム(5mg)と、プテロスチルベン(20mg)とを混合することにより、プテロスチルベングルコシドを合成し、室温で2日間攪拌した。プテロスチルベングルコシドを展開溶媒としてのメタノール:クロロホルム(20:80)を用いて、分取層クロマトグラフィーによって精製した。プテロスチルベングルコシドの構造を、質量分析、およびH−核磁気共鳴分光法によって決定した。
【0034】
レスベラトロルの溶液(3.0mlのメタノール中150mg)を、ジアゾメタン(液滴)で処理し、そのメチル化反応物を薄膜クロマトグラフィーによってモニターした。デスオキシラポンチゲニン、ピノスチルベン、およびレスベラトロルトリメチルエーテルを、展開溶媒としてのヘキサン:酢酸エチル(8:2)を用いて、分取層クロマトグラフィーによって精製した。デスオキシラポンチゲニン、ピノスチルベン、およびレスベラトロルに対する保持因子値(R)を各々、0.2、0.24、および0.8とした。これらの化合物の構造を、質量分析、および核磁気共鳴分光法によって確認した。
【0035】
(被検体および食事の調製)
42匹の19ヶ月齢の雄性Fischer344ラットをNIA colony(Harlan Sprague Dawley、インディアナポリス、インディアナ州)から得た。ラットを、ステンレス製の網の吊り下げたケージにおいて個々に飼育し、自由に食事および水を提供し、12時間の明暗サイクルを維持した。ラットに1週間を与えて新たな環境に適合させ、その後、ラットの体重を合わせ、次いで、コントロール、低用量のプテロスチルベン(0.004%、体重1キログラム当り2.5mgに等しい)、または高用量のプテロスチルベン(0.016%、体重1キログラム当り10mgに等しい)の3つの食事のうちの1つをランダムに、合計12〜13週間(n=14/群)、与えた。全ての動物を、疾患の臨床的兆候について毎日観察した。
【0036】
プテロスチルベンの食事を、低用量には1キログラムの食事当り40mg、0.004%w/w、高用量には1キログラムの食事当り160mg、0.016%w/wの結晶プテロスチルベンをコントロール食事に加えることによって、Harlan Teklad(マディソン、ウィスコンシン州)で調製した。食事の組成については表1を参照。コントロール食事中のコーンの量を調節し、追加量のプテロスチルベンを補った。ラットを、21ヶ月齢にて、運動試験前の8週間、および認知試験前の9週間の間、コントロール食事またはプテロスチルベン食事のいずれかで維持した。
【0037】
【表1】

【0038】
以下の非限定的な実施例を、本発明の種々の実施形態をさらに例示するために提供する。
【実施例】
【0039】
(実施例1:酸化的ストレスに対する細胞処理)
アフリカミドリザルの腎臓由来の細胞株である、COS−7細胞を、10%のウシ胎仔血清(FBS)を補い、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlの硫酸ストレプトマイシンを含有するダルベッコ変法イーグル培地(D−MEM)中で増殖させた。トランスフェクトする24時間前に、細胞をトリプシンで回収し、計測し、5×10細胞/プレートにて100mmの組織培養プレートに播いた。細胞を、DEAEデキストラン法によりラットムスカリン性受容体サブタイプ1 DNAで一時的にトランスフェクトした。トランスフェクション後、細胞を、DNAの分解を最小化するために80μMのクロロキンを含有する増殖培地中で2.5時間、インキュベートした。次いで、トランスフェクトした細胞を、48時間、増殖培地中に維持し、トリプシンで回収し、カルシウムイメージングのために35mmプレート中のカバーガラスに播き、一晩、インキュベートした。
【0040】
(細胞処理)
ブルーベリー(BB)抽出物(2mg/ml)、スチルベン[レスベラトロル(50μg/ml)、ピノスチルベン(50μg/ml)、デスオキシラポンチゲニン(25μg/ml)、プテロスチルベン(10μg/ml)、プテロスチルベングルコシド(10μg/ml)、レスベラトロルトリメチルエーテル(10μg/ml)、ピセタノール(10μg/ml)]およびドーパミン(1mM)処理を、Joseph J.ら、2004.J.Alz.Dis.6:403−411(本明細書に参照により援用される)に以前に記載されるように実施した。BB抽出物およびスチルベンを増殖培地に溶解し、その後、細胞を、処理した増殖培地を用いて37℃で45分間インキュベートし、続いて、4時間、ドーパミン投与した。これらのインキュベーションの後、細胞を、試験前に抽出物を含まない増殖培地で3回洗浄した。
【0041】
カルシウムイメージングを、Nikon Eclipse TE200U顕微鏡のステージに取り付けられた、温度制御を備えるMedical Systems Corp.のオープンパーフュージョンマイクロインキュベーター(open perfusion micro−incubator)(37℃)を用いて実施し、蛍光光源で照射した。トランスフェクトした細胞に、5%のCOとともに37℃で40分間、負荷培地(99%のDMEM 1%のFBS)中でFura−2/アセトキシメチルエステル(2μM)を導入した。
【0042】
次いで、750μMのオキソトレモリンで誘導した脱分極の前後のカルシウム流出のリアルタイム分析を、Simple PCIソフトウェア(Compix,Inc.Mars,PA)を用いて実施した。次いで、反応および回復を各試料について測定した。反応は、細胞が、ベースライン上で30%を超えるオキソトレモリンに対して[Ca2+の増加を示すか否かを調べることにより測定した。この大きさの反応を示したそれらの細胞のみを、さらなる分析のために考慮した。回復は、反応した細胞の脱分極後、20%の増加に戻るまでCa2+レベルについて時間(300秒以内)をアッセイすることにより測定した。データは、Kruskal−Wallis一元配置分散分析およびMann−Whitney U検定により分析した。
【0043】
ドーパミンの投与は、M1−トランスフェクト細胞において[80%のベースライン]からの回復を著しく減少させる(コントロール対ドーパミン処理した細胞、p<0.001)(図2)。ドーパミン誘発に対して保護されたプテロスチルベン、プテロスチルベングルコシド、レスベラトロルトリメチルエーテル、およびピセタノールは、回復を減少させたが(p>0.05)、一方、レスベラトロル、ピノスチルベンおよびデスオキシラポンチゲニンは、保護を与えなかった(p<0.001)(図2)。
【0044】
(実施例2:モリス水迷路)
モリス水迷路(MWM)は、被験体の空間学習および記憶を試験するための方法である。Richard Morrisによって開発されたMWMは、被検体が、遠位の手がかりに基づいて、円形の水のプール(直径134cm×高さ50cm、23℃に維持)の水面下(2cm)に置かれた隠されたプラットフォーム(直径10cm)を見つけて、以前の試行からその位置を記憶することを必要とする年齢および食事感受性の学習パラダイムである。正確な進路決定により、水からプラットフォーム上への避難が得られる。このために、被検体は、効果的に見つけるために、ポスター、実験者、コンピューター、ケージラック、などの遠位の手がかりを使用する。MWMの作業記憶バージョン(Brandeisら,1989.Int J Neurosci.48:29−69;Morris R.,1984.J Neurosci Methods.11:47−60.)を、午前および午後の時間、各時間2回の試行で(2回の試行の間、10分の試行間隔をあけて)、第9週目の処置の間、4日連続で毎日実施した。ラットは、各群から1匹の被検体を連続して試験するように制限してランダムに試験した。各試行の開始時に、被検体を、4つのランダムにした開始位置のうちの1つで水中に穏やかに浸した。各被検体に、プラットフォーム上に避難させるのに120秒を与えた;被検体がこの時間内に避難できない場合、プラットフォームに導いた。被検体がプラットフォームに到達すると、そこに15秒間維持した(試行1;参照記憶または獲得試行)。試行の間(10分)、被検体をそのホームケージに戻した。試行2(作業記憶または回復試行)は、試行1と同じプラットフォームの位置および開始位置を使用した。行動を録画し、潜伏(秒)(プラットフォームを見つけるまでの時間)、路程(cm)、および水泳速度(cm/秒;潜伏/路程)の測定を可能にする画像追跡ソフトウェア(HVS Image,UK)で分析した。使用した迷路およびパラダイムの詳細な説明は、Shukitt−Haleら、1998.Experimental Gerontology,33:615−624(本明細書に参照として援用される)に開示されている。
【0045】
上記に詳述したプテロスチルベン食事を投与したラットの被検体は、コントロール食事を与えた群と比較して向上した空間記憶能力を示した(図3および図4)。食事群の間で、試行1または試行2に関してプラットフォームを見つけるための潜伏または距離の差はなかった。しかしながら、異なる食事群が、向上した作業記憶の指標である、試行1から試行2までのそれらの能力を有意に向上させるか否かを判定するために、個別t検定を、3日および4日(学習よりも記憶を頼りにする日数)の間、各群について2回の試行の潜伏または距離の間で実施した。高用量のプテロスチルベン群は、試行1と試行2との間でプラットフォームを見つけるための潜伏において有意(p<0.05)差を示した。すなわち、試行2の潜伏は、試行1よりも有意に減少し、これは、それらのラットが、10分の保持間隔でさえも、1回の試行の学習を実証したことを示す(図3)。この1回の試行の学習は、コントロール群において見出されなかったが、低用量のプテロスチルベン群は、試行1から試行2までに向上させる傾向があった(p=0.09)。さらに、低用量および高用量のプテロスチルベン群の両方は、試行1と試行2との間でプラットフォームを見つけるための距離において有意(p<0.05)差を示した。すなわち、試行2の距離は、試行1よりも有意に減少した(図4)。コントロール群は、試行1から試行2までにこの向上を示さなかった(p>0.05)。従って、プテロスチルベンは、用量依存的に認知能力、特に作業記憶に対する老化の有害な作用を逆転させた。
【0046】
(被検体の海馬組織におけるプテロスチルベン)
海馬大脳組織を、モリス水迷路試験の2〜3週間後に安楽死させた被検体から抽出した。その組織試料を−80℃で保存し、抽出前に氷中で解凍した。組織を、500μLのリン酸バッファー(pH7.4)で均質化し、次いで遠心分離(7000g、4℃、15分)した。その上清を回収し、均質化を繰り返した。合わせた上清を、酢酸エチルで抽出した(500μL×2)。その酢酸エチル抽出物を、窒素のストリーム下で乾燥させた。
【0047】
その乾燥させた抽出物を、30μLのN,O−ビス[トリメチルシリル]トリフルオロアセトアミド:ジメチルホルムアミド(BSTFA:DMF,1:1;Pierce Biotechnology,Inc.,Rockford,IL)で処理し、40分間70℃で加熱した。誘導体化した試料を、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)によりプテロスチルベンの分析のために使用した。GC−MSを、J&W DB−5キャピラリーカラム(0.25mm内径、0.25μmフィルム厚さ、30m長さ;Agilent Technologies,Foster City,CA)を用いてJEOL GCMate II機器(JEOL USA Inc.,Peabody,MA)で実施した。GCは、以下の温度プログラム下で実行した:初期190℃、20℃/分の速度で239℃まで増加、この温度で3分間保持、0.2℃/分の速度で242℃まで増加、次いで最終的に25℃/分の速度で300℃まで増加、この温度で1.5分間保持。キャリアガスは、1mL/分の流速にて、超高純度のヘリウムであった。注入ポート、GC−MSインターフェースおよび電離箱は、それぞれ、250℃、230℃および230℃であった。注入体積は1μLのスプリットレス注入であった。質量スペクトルを、陽電極、電子衝撃(70eV)、低分解能モードにおいて獲得した。プテロスチルベンを測定し、m/z328,313,297および147を用いて、再構成したイオンクロマトグラフから定量化した。定量化は、プテロスチルベンの基準試料の較正曲線から実施した(保持時間、12.5分)。GC−MS分析を2連で実施した。海馬のプテロスチルベンは、高用量のプテロスチルベン群においてのみ検出可能であり、1.352±0.465ng/組織試料であった。
【0048】
高用量のプテロスチルベンのラットのMWM行動と、脳におけるプテロスチルベンレベルとの関係があるか否かを調べるために、海馬のプテロスチルベンレベルを、図6Aおよび図6Bに示すように、試行1と試行2の潜伏および距離の能力とで関連付けた。海馬は、空間学習および記憶、特に試行2の作業記憶におけるその役割を知られており、海馬のプテロスチルベンレベルと、潜伏(r=−0.764、p=0.010)および距離(r=−0.734、p=0.016)についての3日および4日の試行2の能力との間に有意な逆相関が見られた;すなわち、プテロスチルベンレベルが増加するにつれて、プラットフォームを見つけるための潜伏および距離は減少した。
【0049】
(実施例3:ドーパミン放出)
Josephら,1988.Brain Res.,454:140−8;Josephら,1988.Brain Res.,454:149−55;Joseph J.ら,1990.Brain Res.,537:40−48;Josephら,1996.Free Radic.Biol.Med.,20:821−30(本明細書に参照として援用される)に開示されているように、表面灌流した線条体片からのK誘発ドーパミン放出(K−ERDA)のムスカリンの増加は、受容体感受性および線条体機能の指標であり、老化および酸化的ストレスに感受性がある。さらに、Josephら,1998.J.Neurosci.18:8047−8055;Josephら,1999.J.Neurosci.,19:8114−8121;Youdimら,2000.Nutr Neurosci.,3:383−97;Shukitt−Haleら,2005.Age.,27:49−57;Shukitt−Haleら,2006.Nutrition,22:295−302(本明細書に参照として援用される)に開示されているように、ドーパミン放出のムスカリンの増加は、食事補給に感受性がある。コントロール群および補給した群から得た線条体組織の保護能力を、線条体K−ERDAのオキソトレモリン増加の差を調べることによりアッセイした。ドーパミン放出を、高用量、低用量およびコントロール食事を与えた被検体の脳から新たに解剖して、クロスカット(300μm、McIlwain組織チョッパー)した線条体片で、行動試験の2〜3週後に実施した。その片を、95%O/5%COとともに30分間泡立て、21mMのNaHCO、3.4mMのグルコース、1.3mMのNaHPO、1mMのEGTA、0.93mMのMgCl、127mMのNaClおよび2.5mMのKCl(低KCl)(pH7.4)を含む改変Krebs−Ringer基礎放出培地(BRM)を含有する小さなガラスバイアルに入れた。組織の半分を、酸化的ストレスの条件下で食事の効果を評価するために50μMのHで処理した。その片を灌流チャンバに入れ、37℃に維持し、30分間、BRMで灌流した。この平衡期間の後、培地を、(mMで)KCl30(高KCl)、CaCl.2HO1.26(EGTAの代わり)、NaCl57、および0または500μMのオキソトレモリンを含むものに移し、次いでK−ERDAの増加を評価した。ドーパミン放出を、電気化学的検出に接続したHPLCにより定量し、Lowry法によって測定されるようにpmoles/mgタンパク質として表した。
【0050】
ドーパミン放出(オキソトレモリンが増加した線条体K−ERDA)は、食事およびH処理[F(5,58)=2.34,p<0.05]に依存して、群の間で有意に異なった(図5)。基礎条件下で、食事群の間に差はなかった(p>0.05)。しかしながら、ドーパミン放出は、H処理していないコントロール食事群と比較して、H処理したコントロール食事群において有意に減少した(p<0.05)が、低用量または高用量のプテロスチルベンのいずれかの治療有効量を投与した被検体においてH処理後に差は見られなかった。
【0051】
本発明は、例示した実施形態の詳細に関連して記載したが、それらの詳細は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を限定することを意図しない。特許請求される独占的権利または特権のある本発明の実施形態は、添付の特許請求の範囲に規定されるとおりである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のプテロスチルベンの実質的に純粋な化合物と、生理学的に許容可能な担体とを含む、酸化的ストレスを処置するための医薬品組成物。
【請求項2】
被検体の体重の1キログラムあたり、約2.5mgないし約10mgの化合物が投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記治療有効量のプテロスチルベンは、スノキ属ベリー類の食事を介して投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記スノキ属ベリー類はブルーベリーである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
酸化的ストレスを処置するための方法であって、治療有効量のプテロスチルベンの実質的に純粋な化合物を投与する工程を含み、被検体への酸化的ストレスが低減される、方法。
【請求項6】
前記治療有効量は、被検体の体重の1キログラムあたり、約2.5mgないし約10mgの前記化合物である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物は被検体のアセチルコリン受容体活性を増加させる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記被検体に酸化的ストレッサーを受けさせた場合に、ドーパミン放出が減少しない、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
プテロスチルベンはスノキ属ベリー類の食事を介して投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記スノキ属ベリー類はブルーベリーである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
プテロスチルベンは、ムスカリン性受容体サブタイプのカルシウムを緩衝する能力を増加させる、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記ムスカリン性サブタイプはM1である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
被検体の作業記憶を増加させる方法であって、治療有効量のプテロスチルベンの実質的に純粋な化合物を投与する工程を含み、被検体の作業記憶が増加する、方法。
【請求項14】
前記治療有効量のプテロスチルベンは、被検体の体重の1キログラムあたり、約10mgである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プテロスチルベンは医薬担体とともに投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
プテロスチルベンは栄養補助の担体とともに投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
プテロスチルベンは植物由来である、請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2010−538077(P2010−538077A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524125(P2010−524125)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/075170
【国際公開番号】WO2009/032870
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(500031032)
【Fターム(参考)】