プラグチェック装置
【課題】 多数のチェック装置等を不要にすることができるプラグチェック装置を提供する。
【解決手段】 テストプラグが差し込まれて、このプラグの接続端子と接触する複数の端子を備える8極ソケット11〜2極ソケット13と、測定端子間に接続される測定対象の電気的な導通をチェックするメガー31およびテスター32と、メガー31およびテスター32の一方の測定端子に対して、8極ソケット11〜2極ソケット13の端子を切り替えて接続可能にするNO1切替スイッチ22と、メガー31およびテスター32の他方の測定端子に対して、8極ソケット11〜2極ソケット13の端子を切り替えて接続可能にするNO2切替スイッチ23と、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23に対して切り替えを制御すると共にメガー31およびテスター32からのチェック結果を基にテストプラグが正常であるか否かを判別する制御部51とを備える。
【解決手段】 テストプラグが差し込まれて、このプラグの接続端子と接触する複数の端子を備える8極ソケット11〜2極ソケット13と、測定端子間に接続される測定対象の電気的な導通をチェックするメガー31およびテスター32と、メガー31およびテスター32の一方の測定端子に対して、8極ソケット11〜2極ソケット13の端子を切り替えて接続可能にするNO1切替スイッチ22と、メガー31およびテスター32の他方の測定端子に対して、8極ソケット11〜2極ソケット13の端子を切り替えて接続可能にするNO2切替スイッチ23と、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23に対して切り替えを制御すると共にメガー31およびテスター32からのチェック結果を基にテストプラグが正常であるか否かを判別する制御部51とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力系統の変電所などに設置されている各種の保護継電器の試験等の際に用いられるプラグチェック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所などには、電力系統に発生する異常を検出して電力系統を保護するために、各種の保護継電器が設置されている。また、電力系統の電圧および電流を計測するために、電力系統にはPT(変圧器)およびCT(変流器)が設けられている。さらに、PTおよびCTの二次側と、保護継電器との間には、PTやCT、保護継電器の点検や試験等を行うために、テストターミナルが設けられている。
【0003】
例えば、図14に示すように、送電線に対してPT110が設置されていると、出力側が4極であるPT110が検出した電圧は、テストターミナル210を経て保護継電器220に入力される。テストターミナル210は、一次側の4極の接触端子211A〜214Aと、二次側の4極の接触端子211B〜214Bとを備えている。一次側の接触端子211A〜214AはPT110の二次側に接続され、二次側の接触端子211B〜214Bは保護継電器220に接続されている。通常、接触端子211Aと接触端子211Bとの間、〜、接触端子214Aと接触端子214Bとの間は、端子の接触により、それぞれ短絡されている。保護継電器220は、電力系統の電圧に異常が発生すると、電力系統を保護するために、遮断器(図示を省略)などに開閉の指示を送る。
【0004】
テストターミナル210には、図15(a)および図15(b)に示すような4極のPTTつまりテストプラグ300が差し込まれる。テストプラグ300は、プラグ本体301の表面側に接続端子311A、311B、〜、314A、314Bを備え、プラグ本体301の裏面側に端子321A、321B、〜、324A、324Bを備えている。端子321Aと端子321Bとは、図示を省略しているが、絶縁材料を挟んで互いに向かい合うように配置されている。つまり、端子321Bは端子321Aの裏側に位置している。端子322A、322B、〜、324A、324Bも同様である。表面側の接続端子311A、311B、〜、314A、314Bは、プラグ本体301の内部の配線により、裏面側の端子321A、321B、〜、324A、324Bにそれぞれ電気的に接続されている。また、表面側の接続端子311A、311B、〜、314A、314Bには接続線等が接続されて、端子間を短絡することが可能である。
【0005】
保護継電器220を試験する場合に異常電圧に対する保護継電器220の動作を調べるとき、表面側の接続端子311Aと接続端子311Bのように対向する端子間、および、接続端子311Aと接続端子312Aのように隣接する端子間を開放にしたテストプラグ300を、テストターミナル210に差し込む。これにより、PT110の出力側が開放になり、PT110の短絡を防いでいる。この後、例えば図16に示すように、テストターミナル210の二次側を経て、試験用の電源を供給する試験用電源装置230を保護継電器220に接続し、保護継電器220の試験を行う。また、異常電流に対する保護継電器220の動作を調べるとき、表面側の対向する端子間を開放し、変流器側の隣接する端子間を短絡したCTTであるテストプラグ300を、テストターミナル210に差し込む。これにより、図17に示すように、CT120の出力側が短絡になり、CT120の開放を防いでいる。この後、テストターミナル210を経て、保護継電器220に試験用電源装置230を接続し、保護継電器220の試験を行う。
【0006】
こうした試験などの際に、テストプラグ300のプラグ本体301の表面側に設けられている接続端子311A、311B、〜、314A、314Bついては、短絡と開放とを確実に行う必要がある。このために、テストプラグ300のチェック装置がある(例えば、特許文献1参照。)。この装置は、テストプラグ300の極数に応じた開放チェック装置と、短絡チェック装置と、内部処理装置と、音声認識装置とを備えている。そして、この装置は、これらの各チェック装置を含む複数の装置により、テストプラグ300の短絡と開放とを調べて、チェック結果を音声で出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−19961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の装置には次の課題がある。従来の装置は、極数に対応して開放チェック装置を設け、短絡を調べるための短絡チェック装置を設けている。さらに、従来の装置は、内部処理装置や音声認識装置を必要とする。つまり、従来の装置には、開放チェック装置や短絡チェック装置のようなチェック装置を含む各種の装置を多数必要とし、この結果、高コストの装置になる、という課題がある。
【0009】
この発明の目的は、前記の課題を解決し、多数のチェック装置等を不要にすることができるプラグチェック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、テストターミナルに差し込まれる複数の接続端子を備えるテストプラグをチェックするプラグチェック装置であって、テストプラグが差し込まれて、このプラグの接続端子と接触する複数の端子を備えるソケットと、測定端子間に接続される測定対象の電気的な導通をチェックする計測装置と、計測装置の一方の測定端子に対して、ソケットの端子を切り替えて接続可能にする第1の切替手段と、計測装置の他方の測定端子に対して、ソケットの端子を切り替えて接続可能にする第2の切替手段と、第1の切替手段および第2の切替手段に対して切り替えを制御すると共に計測装置からのチェック結果を基に測定対象であるテストプラグが正常であるか否かを判別する制御手段と、を備えることを特徴とするプラグチェック装置である。
【0011】
請求項1の発明では、テストプラグがソケットに差し込まれた後、制御手段が第1の切替手段および第2の切替手段に対して切り替えを制御する。これにより、計測装置の一方の測定端子に対して、第1の切替手段がソケットの端子を切り替えて接続可能にし、計測装置の他方の測定端子に対して、第2の切替手段がソケットの端子を切り替えて接続可能にする。計測装置は、測定端子間に接続される測定対象であるテストプラグの電気的な導通をチェックする。制御手段は、計測装置からのチェック結果を基にテストプラグが正常であるか否かを判別する。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載のプラグチェック装置において、第1の切替手段および第2の切替手段はソケットの端子数に応じた可動接点と、1つの固定接点とを備え、各可動接点はソケットの異なる端子にそれぞれ接続され、第1の切替手段の固定接点は計測装置の一方の測定端子に接続され、第2の切替手段の固定接点は計測装置の他方の測定端子に接続されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のプラグチェック装置において、第1の切替手段および第2の切替手段はソケットの端子数に応じて備えられている可動接点に対して、極数の少ないソケットの端子が並列に接続されている、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラグチェック装置において、計測装置はメガーおよびテスターの少なくとも一方である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、従来のようにテストプラグの極数に対応して、短絡等をチェックする装置を設けることを、不要にすることができる。また、この発明によれば、テストプラグのチェックを自動で行うことを可能にする。
【0016】
請求項2の発明によれば、固定接点と可動接点を備える、例えばロータリースイッチ等のような既成の製品を利用して、第1の切替手段および第2の切替手段を形成することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、ソケットの端子を並列に接続することにより、異なる極数のテストプラグに対応可能である。
【0018】
請求項4の発明によれば、メガーおよびテスターといった既成の装置を計測装置として利用可能にする。さらに、メガーとテスターの両方を用いることにより、テストプラグの絶縁抵抗および接触抵抗の両方を同時に調べることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1によるプラグチェック装置を示す斜視図である。
【図2】プラグチェック装置の構成を示す構成図である。
【図3】各部材の接続を表す結線図である。
【図4】切替スイッチのツマミ部分を示す図である。
【図5】操作パネルを示す正面図である。
【図6】2極用スイッチ制御テーブルの一例を示す図である。
【図7】4極用スイッチ制御テーブルの一例を示す図である。
【図8】8極用スイッチ制御テーブルの一例を示す図である。
【図9】指示内容テーブルの一例を示す図である。
【図10】確認処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】測定経路の形成を説明する図である。
【図12】測定経路の形成を説明する図である。
【図13】測定経路の形成を説明する図である。
【図14】PTによる計測を説明する説明図である。
【図15】テストプラグを示す図であり、図15(a)はテストプラグの平面図、図15(b)はテストプラグの正面図である。
【図16】保護継電器の試験の様子を説明する説明図である。
【図17】保護継電器の別の試験の様子を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、この発明の各実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0021】
(実施の形態1)
この実施の形態によるプラグチェック装置を図1に示す。図1のプラグチェック装置は、極数の異なる複数のテストプラグをチェックするためのものであり、直方体形状の本体10の上面側に開けられた挿入口10A〜10Dと、本体10の正面側に配置された操作パネル21、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23と、本体10の一方の側面側に配置されたメガー31およびテスター32と、本体10の他方の側面側に配置された測定コード41、42とを備えている。さらに、プラグチェック装置は、図2に示すように、8極ソケット11、4極ソケット12および2極ソケット13と、制御部51と、配線系統61とを、本体10の内部に備えている。
【0022】
挿入口10A〜10Cと対向する、本体10の内部には、8極ソケット11〜2極ソケット13がそれぞれ設けられている。8極ソケット11には、挿入口10Aに挿入された8極のテストプラグ(図示を省略)が差し込まれ、4極ソケット12には、挿入口10Bに挿入された4極のテストプラグ(図示を省略)が差し込まれる。また、2極ソケット13には、挿入口10Cに挿入された2極テストプラグ(図示を省略)が差し込まれる。4極のテストプラグは先に説明した図15と同じであり、8極および2極のテストプラグは、極数が異なるだけで、4極のテストプラグと同様である。図3に示すように、8極ソケット11〜2極ソケットは接続端子である例えばA1端子と、このA1端子と対向するように配置されたB1端子とを1組としている。そして、8極ソケット11は8組のA1端子およびB1端子、〜、A8端子およびB8端子を備え、4極ソケット12は4組のA1端子およびB1端子、〜、A4端子およびB4端子を備えている。また、2極ソケット13は2組のA1端子およびB1端子とA2端子およびB2端子とを備えている。これらの端子は、ソケットに差し込まれたテストプラグの、裏面側に設けられている接続端子と接触する。
【0023】
NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23は、固定接点であるM0接点と、可動接点であるM1接点〜M4接点およびM11接点〜M14接点とをそれぞれ備えている。こうしたNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23として、例えば既成のロータリースイッチなどが該当する。NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23は、図4に示すツマミ部分22A、23Aの回転により、M1接点〜M4接点およびM11接点〜M14接点の1つに、M0接点を接続する。ツマミ部分22A、23Aは作業者の手動により、各接点の位置を表す目盛りに回される。また、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23は、制御部51の制御を受けるモータで駆動される。
【0024】
メガー31は絶縁抵抗を測る測定装置であり、テスター32はテストプラグ等の抵抗や、端子等の電圧、電流を測る測定装置である。メガー31は、測定端子311、312(図3)を備え、測定端子311と測定端子312との間に接続された測定対象であるテストプラグ等の絶縁抵抗を測る。つまり、この実施の形態では既成の測定装置が利用されている。同じように、テスター32は、測定端子321、322を備え、測定端子321と測定端子322との間に接続されたテストプラグ等の抵抗や電圧等を測る。この実施の形態では、メガー31とテスター32とは、テストプラグの導通をチェックする装置、つまり、メガー31による絶縁とテスター32による接触抵抗とを計る装置として使用されている。メガー31およびテスター32はチェック結果を制御部51に送る。
【0025】
配線系統61(図3)は、8極ソケット11〜2極ソケット13と、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23と、メガー31およびテスター32との間を、複数のケーブルによって接続している。
【0026】
具体的には、配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM1接点〜M4接点と、NO2切替スイッチ23のM1接点〜M4接点との間を接続し、NO1切替スイッチ22のM11接点〜M14接点と、NO2切替スイッチ23のM11接点〜M14接点との間を接続している。
【0027】
配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM1接点とM11接点との間に、8極ソケット11〜2極ソケット13のA1端子とB1端子とを接続し、NO1切替スイッチ22のM2接点とM12接点との間に、8極ソケット11〜2極ソケット13のA2端子とB2端子とを接続する。また、配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM3接点とM13接点との間に、8極ソケット11および4極ソケット12のA3端子とB3端子とを接続し、NO1切替スイッチ22のM4接点とM14接点との間に、8極ソケット11および4極ソケット12のA4端子とB4端子とを接続している。また、配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM11接点〜M14接点に8極ソケット11のA5端子〜A8端子をそれぞれ接続し、NO2切替スイッチ23のM1接点〜M4接点に8極ソケット11のB5端子〜B8端子をそれぞれ接続している。
【0028】
こうした接続により、8極ソケット11のA1端子およびA2端子と、B1端子およびB2端子に対して、2極ソケット13のA1端子およびA2端子と、B1端子およびB2端子とが接続されているので、2極ソケット13は8極ソケット11に対して並列に接続されている。同じように、4極ソケット12は8極ソケット11に対して並列に接続されている。
【0029】
配線系統61は、NO1切替スイッチ22の可動接点M0を、電源スイッチ31A、32Aを経て、メガー31の測定端子311およびテスター32の測定端子321にそれぞれ接続し、NO2切替スイッチ23の可動接点M0を、メガー31の測定端子312およびテスター32の測定端子322にそれぞれ接続している。電源スイッチ31A、32Aは、メガー31およびテスター32を配線系統61に接続するか、接続しないかを切り替える。電源スイッチ31A、32Aは、作業者による手動または制御部51による制御で動作する。
【0030】
さらに、配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM1接点に測定コード41を接続し、M11接点に測定コード42を接続している。測定コード41、42は、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の切り替えによって、メガー31およびテスター32の少なくとも一方に接続される。測定コード41、42は、メガー31やテスター32の機能を単独で利用する場合の、測定対象に接触される測定端子を持つリード線である。測定コード41、42は、使用されない場合には、挿入口10Dに差し込まれて、測定端子が互いに接触することを防いでいる。
【0031】
操作パネル21は、作業者によって操作される部分であり、図5に示すように、先に述べた電源スイッチ31A、32Aに加えて、押しボタンスイッチ21A〜21Mと、確認ランプ21Q、21Rとを備えている。
【0032】
番号が「1」〜「13」の押しボタンスイッチ21A〜21Mは、その側部に示されている表示内容のチェックを行うときに、作業者によって操作される。例えば番号が「1」の押しボタンスイッチ21Aが操作されると、操作パネル21は、押しボタンスイッチ21Aの操作による操作信号を制御部51に送る。この操作信号は、操作された押しボタンスイッチ21Aの番号「1」と、極数「2極」とを表す。番号「1」の押しボタンスイッチ21Aの操作で行われるチェックは、このスイッチの上側部に示されている「2極用」テストプラグのチェックであり、かつ、右側部に示されている「全開放」のチェックである。なお、表示内容の「全開放」は、テストプラグの表面側の接続端子が互いに開放されている状態である。
【0033】
また、例えば番号が「2」の押しボタンスイッチ21Bが操作されると、操作パネル21は押しボタンスイッチ21Aの操作による操作信号を制御部51に送る。この操作信号は、操作された押しボタンスイッチ21Aの番号「2」と、極数「2極」とを表す。番号「2」の押しボタンスイッチ21Bの操作で行われるチェックは、このスイッチの上側部に示されている「2極用」テストプラグのチェックであり、かつ、右側部に示されている「B1−B2短絡」のチェックである。なお、表示内容の「B1−B2短絡」は、2極ソケット13のB1端子とB2端子とを短絡させることであり、このために、テストプラグの表面側の該当する接続端子がジャンパー線等によって接続される。
【0034】
さらに、例えば番号が「7」の押しボタンスイッチ21Gが操作されると、操作パネル21は押しボタンスイッチ21Gの操作による操作信号を制御部51に送る。この操作信号は、操作された押しボタンスイッチ21Aの番号「7」と、極数「4極」とを表す。番号「7」の押しボタンスイッチ21Gの操作で行われるチェックは、このスイッチの上側部に示されている「4極用」テストプラグのチェックであり、かつ、右側部に示されている「A1−B1開放,A2−B2,A3−B3,A4−B4短絡(赤相欠相)」のチェックである。なお、表示内容の中で「A1−B1開放」は、4極ソケット12のA1端子とB1端子とを開放させることであり、このために、テストプラグの表面側の該当する接続端子が未接続の状態にされる。
【0035】
他の押しボタンスイッチ21C〜21F、21H〜21Mについても、押しボタンスイッチ21Aなどと同様であるので、これらの説明を省略する。
【0036】
確認ランプ21Q、21Rは、押しボタンスイッチ21A〜21Mの操作によるチェックが制御部51によって行われたとき、チェック結果が正常か異常かを点灯により表示する。確認ランプ21Q、21Rの点灯は制御部51による制御で行われる。
【0037】
制御部51はCPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを内部に備える装置である。なお、図2ではCPUとRAMとROMとを省略している。制御部51は、押しボタンスイッチ21A〜21Mの操作による操作信号を、操作パネル21から受け取ると、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23とを制御し、操作信号に応じたチェックを行う。このとき、制御部51は、テストプラグが差し込まれたソケットの1つの端子に対して、残りの端子との導通をチェックし、そして、ソケットの全ての端子について同様のチェックを行い、テストプラグが正常であるかどうかをチェックする。このチェックを行うために、制御部51はスイッチ制御テーブルと指示内容テーブルとを、あらかじめROMに記憶している。
【0038】
スイッチ制御テーブルは、NO1切替スイッチ22と、NO2切替スイッチ23と、電源スイッチ31A、32Aとの切り替えを記録したものである。2極のテストプラグが差し込まれる2極ソケット13の場合、配線系統61によって、2極ソケット13のA1端子およびA2端子がNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23のM1接点およびM2接点にそれぞれ接続され、2極ソケット13のB1端子およびB2端子がNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23のM11接点およびM12接点にそれぞれ接続されている。したがって、2極ソケット13の各1つの端子に対して、残りの端子との導通をチェックするための、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の端子の、全ての組み合わせは、図6の2極用スイッチ制御テーブルに示すように、8組の制御データになる。2極用スイッチ制御テーブルでは、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23との切り替えの順序を「手順」の項目で表している。つまり、スイッチ制御テーブルは、2極用スイッチ制御テーブルの「手順」の番号に従って、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の位置を変えてゆく順序を、8組の制御データとして記録している。このとき、電源スイッチ31A、32Aは「入」にされている。
【0039】
2極用スイッチ制御テーブルの「確認事項」には、制御部51によって、チェックの結果が記録される。つまり、「手順」の「1」〜「8」までの確認事項が確認データとしてスイッチ制御テーブルに記録される。
【0040】
4極のテストプラグが差し込まれる4極ソケット12の場合、配線系統61によって、4極ソケット12のA1端子〜A4端子がNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23のM1接点〜M4接点にそれぞれ接続され、4極ソケット12のB1端子〜B4端子がNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23のM11接点〜M14接点にそれぞれ接続されている。したがって、4極ソケット12の各1つの端子に対して、残りの端子との導通をチェックするための、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の端子の、全ての組み合わせは、図7の4極用スイッチ制御テーブルに示すように24組になる。
【0041】
さらに、8極のテストプラグが差し込まれる8極ソケット11の場合も同様にして、各1つの端子に対して、残りの端子との導通をチェックするための、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の端子の、全ての組み合わせは、図8の8極用スイッチ制御テーブルに示すように80組になる。
【0042】
指示内容テーブルは、操作パネル21の番号が「1」〜「13」の押しボタンスイッチ21A〜21Mに対応するチェックであり、かつ、正常な場合のチェックを表すデータを記録している。つまり、指示内容テーブルには、押しボタンスイッチ21A〜21Mに応じて、13種類がある。例えば、番号「1」の押しボタンスイッチ21Aに対応するチェックは、「2極用」テストプラグのチェックであり、かつ、テストプラグが「全開放」である場合のチェックである。これに対して、この場合の正常なときのチェック結果を表す指示内容テーブルは、図9に示すように、スイッチ制御テーブルの「手順」に対応して、正常な場合のメガー31およびテスター32の状態を、正常状態データとして記録している。
【0043】
残りの12種類の指示内容テーブルについても、「1」の押しボタンスイッチ21Aに対応する指示内容テーブルと同様であるので、これらの説明を省略する。
【0044】
こうしたスイッチ制御テーブルと指示内容テーブルとを基に、制御部51は差し込まれたテストプラグが正常であるかどうかを、確認処理で判断する。この確認処理を図10に示す。制御部51は、操作パネル21から操作信号を受け取ると、確認処理を開始し、操作信号が表す極数に応じたスイッチ制御テーブルから、最初の制御データを読み出す(ステップS1)。この後、制御部51は、制御データに従って、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23と電源スイッチ31A、32Aとをそれぞれ切り替える(ステップS2)。
【0045】
例えば、操作信号が表す極数が「2極」である場合、制御部51は2極用スイッチ制御テーブル(図6)を読み出す。そして、このテーブルに記録されている最初の制御データに従ってNO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23と電源スイッチ31A、32Aとをそれぞれ切り替える。つまり、制御部51は、これらのスイッチの切り替えにより、図11に示すように、測定経路R1を形成する。なお、この測定経路R1は、NO1切替スイッチ22のM1接点とNO2切替スイッチ23のM1接点とを短絡して、メガー31およびテスター32の動作をチェックするためのものである。また、2極用スイッチ制御テーブルにおいて、例えば「手順」が「2」の制御データである場合、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23と電源スイッチ31A、32Aとを切り替え、図12に示すように、測定経路R2を形成する。なお、この測定経路R2は、テストプラグが差し込まれた2極ソケット13のA1端子とA2端子との間の導通により、テストプラグをチェックするためのものである。さらに、2極用スイッチ制御テーブルにおいて、例えば「手順」が「3」の制御データである場合、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23と電源スイッチ31A、32Aとを切り替え、図13に示すように、測定経路R3を形成する。なお、この測定経路R3は、テストプラグが差し込まれた2極ソケット13のA1端子とB1端子との間の導通により、テストプラグをチェックするためのものである。4極用スイッチ制御テーブルおよび8極用スイッチ制御テーブルによる制御データも、測定経路R1〜測定経路R3の中の1つと同じような経路を形成して、端子間の導通によりテストプラグをチェックするので、これらの説明を省略する。
【0046】
ステップS2が終了し、制御部51はステップS1による切り替えでメガー31およびテスター32が測定した結果を受け取ると(ステップS3)、ステップS1で読み出したスイッチ制御テーブルの「確認事項」の欄に測定結果を記録して、スイッチ制御テーブルの確認データを更新する(ステップS4)。
【0047】
ステップS4が終了すると、制御部51はスイッチ制御テーブルの全ての制御データによるチェックを終了したかどうかを調べる(ステップS5)。もし、全てのチェックが終了していなければ、制御部51は、スイッチ制御テーブルから次の制御データを読み出して(ステップS6)、処理をステップS2に戻す。
【0048】
一方、スイッチ制御テーブルの全ての制御データによるチェックが終了していると、制御部51は操作パネル21から受け取った操作信号の押しボタンスイッチの「番号」に対応する指示内容テーブルから、正常状態データを読み出す(ステップS7)。この後、制御部51は、ステップS2〜ステップS5の一連の処理で更新を終了したスイッチ制御テーブルの確認データと、ステップS7で読み出した正常状態データとを比較し(ステップS8)、2つのデータが完全に一致するかどうかを判定する(ステップS9)。2つのデータが完全に一致すると、制御部51は操作パネル21の、正常を表す確認ランプ21Qを点灯して(ステップS10)、確認処理を終了する。また、2つのデータに1つでも不一致があると、制御部51は操作パネル21の、異常を表す確認ランプ21Rを点灯して(ステップS11)、確認処理を終了する。
【0049】
次に、この実施の形態によるプラグチェック装置の動作について説明する。作業者は、例えば保護継電器の点検を行うために、テストプラグの表面側に配置されている接続端子間を開放や短絡にする。この後、テストプラグをチェックするために、このプラグをプラグチェック装置に差し込む。例えば、テストプラグが2極用である場合には、作業者はプラグチェック装置の挿入口10Cにテストプラグを入れると、テストプラグの裏面側の端子が2極ソケット13に差し込まれる。
【0050】
この後、作業者がプラグチェック装置の例えば押しボタンスイッチ21Aを操作すると、プラグチェック装置による2極用のチェックが始まる。このチェックにより、あらかじめ記録されている正常状態データと、チェックで得られた確認データとの比較結果から、2つのデータが完全に一致する場合に、プラグチェック装置は正常を表す確認ランプ21Qを点灯する。また、2つのデータが完全に一致しない場合には、プラグチェック装置は異常を表す確認ランプ21Rを点灯する。これにより、作業者はテストプラグが正常化どうかを目視により確認することができる。
【0051】
こうして、この実施の形態によれば、テストプラグの全開放、全短絡、1相だけの開放等の各種のチェックを全て自動で行うことができる。また、この実施の形態によれば、チェックを自動でするので、チェックの漏れをなくすことを可能にする。また、この実施の形態によれば、8極ソケット11に対して4極ソケット12および2極ソケット13を並列に接続することにより、チェック対象が2極、4極および8極の全てのテストプラグに対応可能である。また、この実施の形態によれば、従来の各種の装置に該当するのはメガー31、テスター32および制御部51だけであるので、従来に比べて装置が高コストになることを防ぐことができる。さらに、この実施の形態によれば、8極ソケット11〜2極ソケット13にテストプラグを差し込まない状態で、NO1切替スイッチ22をM1接点にし、NO2切替スイッチ23をM11接点にすれば、測定コード41、42により、メガー31やテスター32として単独の使用を可能にする。
【0052】
(実施の形態2)
この実施の形態では、プラグチェック装置が実施の形態1のメガー31またはテスター32のどちらか一方だけを備えている。また、この実施の形態では、プラグチェック装置が8極ソケット11〜2極ソケット13の1つだけを備えている。さらに、この実施の形態では、メガー31またはテスター32を外付け型としてもよい。
【0053】
こうした構成の実施の形態により、構成を簡略化した簡易型のプラグチェック装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
この発明は、テストプラグに限らず、端子を備えると共に端子間が短絡または開放されている基板等のチェックにも利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 本体
10A〜10D 挿入口
11〜13 8極ソケット〜2極ソケット
22 NO1切替スイッチ
23 NO2切替スイッチ
31 メガー
32 テスター
41、42 測定コード
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力系統の変電所などに設置されている各種の保護継電器の試験等の際に用いられるプラグチェック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所などには、電力系統に発生する異常を検出して電力系統を保護するために、各種の保護継電器が設置されている。また、電力系統の電圧および電流を計測するために、電力系統にはPT(変圧器)およびCT(変流器)が設けられている。さらに、PTおよびCTの二次側と、保護継電器との間には、PTやCT、保護継電器の点検や試験等を行うために、テストターミナルが設けられている。
【0003】
例えば、図14に示すように、送電線に対してPT110が設置されていると、出力側が4極であるPT110が検出した電圧は、テストターミナル210を経て保護継電器220に入力される。テストターミナル210は、一次側の4極の接触端子211A〜214Aと、二次側の4極の接触端子211B〜214Bとを備えている。一次側の接触端子211A〜214AはPT110の二次側に接続され、二次側の接触端子211B〜214Bは保護継電器220に接続されている。通常、接触端子211Aと接触端子211Bとの間、〜、接触端子214Aと接触端子214Bとの間は、端子の接触により、それぞれ短絡されている。保護継電器220は、電力系統の電圧に異常が発生すると、電力系統を保護するために、遮断器(図示を省略)などに開閉の指示を送る。
【0004】
テストターミナル210には、図15(a)および図15(b)に示すような4極のPTTつまりテストプラグ300が差し込まれる。テストプラグ300は、プラグ本体301の表面側に接続端子311A、311B、〜、314A、314Bを備え、プラグ本体301の裏面側に端子321A、321B、〜、324A、324Bを備えている。端子321Aと端子321Bとは、図示を省略しているが、絶縁材料を挟んで互いに向かい合うように配置されている。つまり、端子321Bは端子321Aの裏側に位置している。端子322A、322B、〜、324A、324Bも同様である。表面側の接続端子311A、311B、〜、314A、314Bは、プラグ本体301の内部の配線により、裏面側の端子321A、321B、〜、324A、324Bにそれぞれ電気的に接続されている。また、表面側の接続端子311A、311B、〜、314A、314Bには接続線等が接続されて、端子間を短絡することが可能である。
【0005】
保護継電器220を試験する場合に異常電圧に対する保護継電器220の動作を調べるとき、表面側の接続端子311Aと接続端子311Bのように対向する端子間、および、接続端子311Aと接続端子312Aのように隣接する端子間を開放にしたテストプラグ300を、テストターミナル210に差し込む。これにより、PT110の出力側が開放になり、PT110の短絡を防いでいる。この後、例えば図16に示すように、テストターミナル210の二次側を経て、試験用の電源を供給する試験用電源装置230を保護継電器220に接続し、保護継電器220の試験を行う。また、異常電流に対する保護継電器220の動作を調べるとき、表面側の対向する端子間を開放し、変流器側の隣接する端子間を短絡したCTTであるテストプラグ300を、テストターミナル210に差し込む。これにより、図17に示すように、CT120の出力側が短絡になり、CT120の開放を防いでいる。この後、テストターミナル210を経て、保護継電器220に試験用電源装置230を接続し、保護継電器220の試験を行う。
【0006】
こうした試験などの際に、テストプラグ300のプラグ本体301の表面側に設けられている接続端子311A、311B、〜、314A、314Bついては、短絡と開放とを確実に行う必要がある。このために、テストプラグ300のチェック装置がある(例えば、特許文献1参照。)。この装置は、テストプラグ300の極数に応じた開放チェック装置と、短絡チェック装置と、内部処理装置と、音声認識装置とを備えている。そして、この装置は、これらの各チェック装置を含む複数の装置により、テストプラグ300の短絡と開放とを調べて、チェック結果を音声で出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−19961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の装置には次の課題がある。従来の装置は、極数に対応して開放チェック装置を設け、短絡を調べるための短絡チェック装置を設けている。さらに、従来の装置は、内部処理装置や音声認識装置を必要とする。つまり、従来の装置には、開放チェック装置や短絡チェック装置のようなチェック装置を含む各種の装置を多数必要とし、この結果、高コストの装置になる、という課題がある。
【0009】
この発明の目的は、前記の課題を解決し、多数のチェック装置等を不要にすることができるプラグチェック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、テストターミナルに差し込まれる複数の接続端子を備えるテストプラグをチェックするプラグチェック装置であって、テストプラグが差し込まれて、このプラグの接続端子と接触する複数の端子を備えるソケットと、測定端子間に接続される測定対象の電気的な導通をチェックする計測装置と、計測装置の一方の測定端子に対して、ソケットの端子を切り替えて接続可能にする第1の切替手段と、計測装置の他方の測定端子に対して、ソケットの端子を切り替えて接続可能にする第2の切替手段と、第1の切替手段および第2の切替手段に対して切り替えを制御すると共に計測装置からのチェック結果を基に測定対象であるテストプラグが正常であるか否かを判別する制御手段と、を備えることを特徴とするプラグチェック装置である。
【0011】
請求項1の発明では、テストプラグがソケットに差し込まれた後、制御手段が第1の切替手段および第2の切替手段に対して切り替えを制御する。これにより、計測装置の一方の測定端子に対して、第1の切替手段がソケットの端子を切り替えて接続可能にし、計測装置の他方の測定端子に対して、第2の切替手段がソケットの端子を切り替えて接続可能にする。計測装置は、測定端子間に接続される測定対象であるテストプラグの電気的な導通をチェックする。制御手段は、計測装置からのチェック結果を基にテストプラグが正常であるか否かを判別する。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載のプラグチェック装置において、第1の切替手段および第2の切替手段はソケットの端子数に応じた可動接点と、1つの固定接点とを備え、各可動接点はソケットの異なる端子にそれぞれ接続され、第1の切替手段の固定接点は計測装置の一方の測定端子に接続され、第2の切替手段の固定接点は計測装置の他方の測定端子に接続されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のプラグチェック装置において、第1の切替手段および第2の切替手段はソケットの端子数に応じて備えられている可動接点に対して、極数の少ないソケットの端子が並列に接続されている、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラグチェック装置において、計測装置はメガーおよびテスターの少なくとも一方である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、従来のようにテストプラグの極数に対応して、短絡等をチェックする装置を設けることを、不要にすることができる。また、この発明によれば、テストプラグのチェックを自動で行うことを可能にする。
【0016】
請求項2の発明によれば、固定接点と可動接点を備える、例えばロータリースイッチ等のような既成の製品を利用して、第1の切替手段および第2の切替手段を形成することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、ソケットの端子を並列に接続することにより、異なる極数のテストプラグに対応可能である。
【0018】
請求項4の発明によれば、メガーおよびテスターといった既成の装置を計測装置として利用可能にする。さらに、メガーとテスターの両方を用いることにより、テストプラグの絶縁抵抗および接触抵抗の両方を同時に調べることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1によるプラグチェック装置を示す斜視図である。
【図2】プラグチェック装置の構成を示す構成図である。
【図3】各部材の接続を表す結線図である。
【図4】切替スイッチのツマミ部分を示す図である。
【図5】操作パネルを示す正面図である。
【図6】2極用スイッチ制御テーブルの一例を示す図である。
【図7】4極用スイッチ制御テーブルの一例を示す図である。
【図8】8極用スイッチ制御テーブルの一例を示す図である。
【図9】指示内容テーブルの一例を示す図である。
【図10】確認処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】測定経路の形成を説明する図である。
【図12】測定経路の形成を説明する図である。
【図13】測定経路の形成を説明する図である。
【図14】PTによる計測を説明する説明図である。
【図15】テストプラグを示す図であり、図15(a)はテストプラグの平面図、図15(b)はテストプラグの正面図である。
【図16】保護継電器の試験の様子を説明する説明図である。
【図17】保護継電器の別の試験の様子を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、この発明の各実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0021】
(実施の形態1)
この実施の形態によるプラグチェック装置を図1に示す。図1のプラグチェック装置は、極数の異なる複数のテストプラグをチェックするためのものであり、直方体形状の本体10の上面側に開けられた挿入口10A〜10Dと、本体10の正面側に配置された操作パネル21、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23と、本体10の一方の側面側に配置されたメガー31およびテスター32と、本体10の他方の側面側に配置された測定コード41、42とを備えている。さらに、プラグチェック装置は、図2に示すように、8極ソケット11、4極ソケット12および2極ソケット13と、制御部51と、配線系統61とを、本体10の内部に備えている。
【0022】
挿入口10A〜10Cと対向する、本体10の内部には、8極ソケット11〜2極ソケット13がそれぞれ設けられている。8極ソケット11には、挿入口10Aに挿入された8極のテストプラグ(図示を省略)が差し込まれ、4極ソケット12には、挿入口10Bに挿入された4極のテストプラグ(図示を省略)が差し込まれる。また、2極ソケット13には、挿入口10Cに挿入された2極テストプラグ(図示を省略)が差し込まれる。4極のテストプラグは先に説明した図15と同じであり、8極および2極のテストプラグは、極数が異なるだけで、4極のテストプラグと同様である。図3に示すように、8極ソケット11〜2極ソケットは接続端子である例えばA1端子と、このA1端子と対向するように配置されたB1端子とを1組としている。そして、8極ソケット11は8組のA1端子およびB1端子、〜、A8端子およびB8端子を備え、4極ソケット12は4組のA1端子およびB1端子、〜、A4端子およびB4端子を備えている。また、2極ソケット13は2組のA1端子およびB1端子とA2端子およびB2端子とを備えている。これらの端子は、ソケットに差し込まれたテストプラグの、裏面側に設けられている接続端子と接触する。
【0023】
NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23は、固定接点であるM0接点と、可動接点であるM1接点〜M4接点およびM11接点〜M14接点とをそれぞれ備えている。こうしたNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23として、例えば既成のロータリースイッチなどが該当する。NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23は、図4に示すツマミ部分22A、23Aの回転により、M1接点〜M4接点およびM11接点〜M14接点の1つに、M0接点を接続する。ツマミ部分22A、23Aは作業者の手動により、各接点の位置を表す目盛りに回される。また、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23は、制御部51の制御を受けるモータで駆動される。
【0024】
メガー31は絶縁抵抗を測る測定装置であり、テスター32はテストプラグ等の抵抗や、端子等の電圧、電流を測る測定装置である。メガー31は、測定端子311、312(図3)を備え、測定端子311と測定端子312との間に接続された測定対象であるテストプラグ等の絶縁抵抗を測る。つまり、この実施の形態では既成の測定装置が利用されている。同じように、テスター32は、測定端子321、322を備え、測定端子321と測定端子322との間に接続されたテストプラグ等の抵抗や電圧等を測る。この実施の形態では、メガー31とテスター32とは、テストプラグの導通をチェックする装置、つまり、メガー31による絶縁とテスター32による接触抵抗とを計る装置として使用されている。メガー31およびテスター32はチェック結果を制御部51に送る。
【0025】
配線系統61(図3)は、8極ソケット11〜2極ソケット13と、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23と、メガー31およびテスター32との間を、複数のケーブルによって接続している。
【0026】
具体的には、配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM1接点〜M4接点と、NO2切替スイッチ23のM1接点〜M4接点との間を接続し、NO1切替スイッチ22のM11接点〜M14接点と、NO2切替スイッチ23のM11接点〜M14接点との間を接続している。
【0027】
配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM1接点とM11接点との間に、8極ソケット11〜2極ソケット13のA1端子とB1端子とを接続し、NO1切替スイッチ22のM2接点とM12接点との間に、8極ソケット11〜2極ソケット13のA2端子とB2端子とを接続する。また、配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM3接点とM13接点との間に、8極ソケット11および4極ソケット12のA3端子とB3端子とを接続し、NO1切替スイッチ22のM4接点とM14接点との間に、8極ソケット11および4極ソケット12のA4端子とB4端子とを接続している。また、配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM11接点〜M14接点に8極ソケット11のA5端子〜A8端子をそれぞれ接続し、NO2切替スイッチ23のM1接点〜M4接点に8極ソケット11のB5端子〜B8端子をそれぞれ接続している。
【0028】
こうした接続により、8極ソケット11のA1端子およびA2端子と、B1端子およびB2端子に対して、2極ソケット13のA1端子およびA2端子と、B1端子およびB2端子とが接続されているので、2極ソケット13は8極ソケット11に対して並列に接続されている。同じように、4極ソケット12は8極ソケット11に対して並列に接続されている。
【0029】
配線系統61は、NO1切替スイッチ22の可動接点M0を、電源スイッチ31A、32Aを経て、メガー31の測定端子311およびテスター32の測定端子321にそれぞれ接続し、NO2切替スイッチ23の可動接点M0を、メガー31の測定端子312およびテスター32の測定端子322にそれぞれ接続している。電源スイッチ31A、32Aは、メガー31およびテスター32を配線系統61に接続するか、接続しないかを切り替える。電源スイッチ31A、32Aは、作業者による手動または制御部51による制御で動作する。
【0030】
さらに、配線系統61は、NO1切替スイッチ22のM1接点に測定コード41を接続し、M11接点に測定コード42を接続している。測定コード41、42は、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の切り替えによって、メガー31およびテスター32の少なくとも一方に接続される。測定コード41、42は、メガー31やテスター32の機能を単独で利用する場合の、測定対象に接触される測定端子を持つリード線である。測定コード41、42は、使用されない場合には、挿入口10Dに差し込まれて、測定端子が互いに接触することを防いでいる。
【0031】
操作パネル21は、作業者によって操作される部分であり、図5に示すように、先に述べた電源スイッチ31A、32Aに加えて、押しボタンスイッチ21A〜21Mと、確認ランプ21Q、21Rとを備えている。
【0032】
番号が「1」〜「13」の押しボタンスイッチ21A〜21Mは、その側部に示されている表示内容のチェックを行うときに、作業者によって操作される。例えば番号が「1」の押しボタンスイッチ21Aが操作されると、操作パネル21は、押しボタンスイッチ21Aの操作による操作信号を制御部51に送る。この操作信号は、操作された押しボタンスイッチ21Aの番号「1」と、極数「2極」とを表す。番号「1」の押しボタンスイッチ21Aの操作で行われるチェックは、このスイッチの上側部に示されている「2極用」テストプラグのチェックであり、かつ、右側部に示されている「全開放」のチェックである。なお、表示内容の「全開放」は、テストプラグの表面側の接続端子が互いに開放されている状態である。
【0033】
また、例えば番号が「2」の押しボタンスイッチ21Bが操作されると、操作パネル21は押しボタンスイッチ21Aの操作による操作信号を制御部51に送る。この操作信号は、操作された押しボタンスイッチ21Aの番号「2」と、極数「2極」とを表す。番号「2」の押しボタンスイッチ21Bの操作で行われるチェックは、このスイッチの上側部に示されている「2極用」テストプラグのチェックであり、かつ、右側部に示されている「B1−B2短絡」のチェックである。なお、表示内容の「B1−B2短絡」は、2極ソケット13のB1端子とB2端子とを短絡させることであり、このために、テストプラグの表面側の該当する接続端子がジャンパー線等によって接続される。
【0034】
さらに、例えば番号が「7」の押しボタンスイッチ21Gが操作されると、操作パネル21は押しボタンスイッチ21Gの操作による操作信号を制御部51に送る。この操作信号は、操作された押しボタンスイッチ21Aの番号「7」と、極数「4極」とを表す。番号「7」の押しボタンスイッチ21Gの操作で行われるチェックは、このスイッチの上側部に示されている「4極用」テストプラグのチェックであり、かつ、右側部に示されている「A1−B1開放,A2−B2,A3−B3,A4−B4短絡(赤相欠相)」のチェックである。なお、表示内容の中で「A1−B1開放」は、4極ソケット12のA1端子とB1端子とを開放させることであり、このために、テストプラグの表面側の該当する接続端子が未接続の状態にされる。
【0035】
他の押しボタンスイッチ21C〜21F、21H〜21Mについても、押しボタンスイッチ21Aなどと同様であるので、これらの説明を省略する。
【0036】
確認ランプ21Q、21Rは、押しボタンスイッチ21A〜21Mの操作によるチェックが制御部51によって行われたとき、チェック結果が正常か異常かを点灯により表示する。確認ランプ21Q、21Rの点灯は制御部51による制御で行われる。
【0037】
制御部51はCPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを内部に備える装置である。なお、図2ではCPUとRAMとROMとを省略している。制御部51は、押しボタンスイッチ21A〜21Mの操作による操作信号を、操作パネル21から受け取ると、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23とを制御し、操作信号に応じたチェックを行う。このとき、制御部51は、テストプラグが差し込まれたソケットの1つの端子に対して、残りの端子との導通をチェックし、そして、ソケットの全ての端子について同様のチェックを行い、テストプラグが正常であるかどうかをチェックする。このチェックを行うために、制御部51はスイッチ制御テーブルと指示内容テーブルとを、あらかじめROMに記憶している。
【0038】
スイッチ制御テーブルは、NO1切替スイッチ22と、NO2切替スイッチ23と、電源スイッチ31A、32Aとの切り替えを記録したものである。2極のテストプラグが差し込まれる2極ソケット13の場合、配線系統61によって、2極ソケット13のA1端子およびA2端子がNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23のM1接点およびM2接点にそれぞれ接続され、2極ソケット13のB1端子およびB2端子がNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23のM11接点およびM12接点にそれぞれ接続されている。したがって、2極ソケット13の各1つの端子に対して、残りの端子との導通をチェックするための、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の端子の、全ての組み合わせは、図6の2極用スイッチ制御テーブルに示すように、8組の制御データになる。2極用スイッチ制御テーブルでは、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23との切り替えの順序を「手順」の項目で表している。つまり、スイッチ制御テーブルは、2極用スイッチ制御テーブルの「手順」の番号に従って、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の位置を変えてゆく順序を、8組の制御データとして記録している。このとき、電源スイッチ31A、32Aは「入」にされている。
【0039】
2極用スイッチ制御テーブルの「確認事項」には、制御部51によって、チェックの結果が記録される。つまり、「手順」の「1」〜「8」までの確認事項が確認データとしてスイッチ制御テーブルに記録される。
【0040】
4極のテストプラグが差し込まれる4極ソケット12の場合、配線系統61によって、4極ソケット12のA1端子〜A4端子がNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23のM1接点〜M4接点にそれぞれ接続され、4極ソケット12のB1端子〜B4端子がNO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23のM11接点〜M14接点にそれぞれ接続されている。したがって、4極ソケット12の各1つの端子に対して、残りの端子との導通をチェックするための、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の端子の、全ての組み合わせは、図7の4極用スイッチ制御テーブルに示すように24組になる。
【0041】
さらに、8極のテストプラグが差し込まれる8極ソケット11の場合も同様にして、各1つの端子に対して、残りの端子との導通をチェックするための、NO1切替スイッチ22およびNO2切替スイッチ23の端子の、全ての組み合わせは、図8の8極用スイッチ制御テーブルに示すように80組になる。
【0042】
指示内容テーブルは、操作パネル21の番号が「1」〜「13」の押しボタンスイッチ21A〜21Mに対応するチェックであり、かつ、正常な場合のチェックを表すデータを記録している。つまり、指示内容テーブルには、押しボタンスイッチ21A〜21Mに応じて、13種類がある。例えば、番号「1」の押しボタンスイッチ21Aに対応するチェックは、「2極用」テストプラグのチェックであり、かつ、テストプラグが「全開放」である場合のチェックである。これに対して、この場合の正常なときのチェック結果を表す指示内容テーブルは、図9に示すように、スイッチ制御テーブルの「手順」に対応して、正常な場合のメガー31およびテスター32の状態を、正常状態データとして記録している。
【0043】
残りの12種類の指示内容テーブルについても、「1」の押しボタンスイッチ21Aに対応する指示内容テーブルと同様であるので、これらの説明を省略する。
【0044】
こうしたスイッチ制御テーブルと指示内容テーブルとを基に、制御部51は差し込まれたテストプラグが正常であるかどうかを、確認処理で判断する。この確認処理を図10に示す。制御部51は、操作パネル21から操作信号を受け取ると、確認処理を開始し、操作信号が表す極数に応じたスイッチ制御テーブルから、最初の制御データを読み出す(ステップS1)。この後、制御部51は、制御データに従って、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23と電源スイッチ31A、32Aとをそれぞれ切り替える(ステップS2)。
【0045】
例えば、操作信号が表す極数が「2極」である場合、制御部51は2極用スイッチ制御テーブル(図6)を読み出す。そして、このテーブルに記録されている最初の制御データに従ってNO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23と電源スイッチ31A、32Aとをそれぞれ切り替える。つまり、制御部51は、これらのスイッチの切り替えにより、図11に示すように、測定経路R1を形成する。なお、この測定経路R1は、NO1切替スイッチ22のM1接点とNO2切替スイッチ23のM1接点とを短絡して、メガー31およびテスター32の動作をチェックするためのものである。また、2極用スイッチ制御テーブルにおいて、例えば「手順」が「2」の制御データである場合、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23と電源スイッチ31A、32Aとを切り替え、図12に示すように、測定経路R2を形成する。なお、この測定経路R2は、テストプラグが差し込まれた2極ソケット13のA1端子とA2端子との間の導通により、テストプラグをチェックするためのものである。さらに、2極用スイッチ制御テーブルにおいて、例えば「手順」が「3」の制御データである場合、NO1切替スイッチ22とNO2切替スイッチ23と電源スイッチ31A、32Aとを切り替え、図13に示すように、測定経路R3を形成する。なお、この測定経路R3は、テストプラグが差し込まれた2極ソケット13のA1端子とB1端子との間の導通により、テストプラグをチェックするためのものである。4極用スイッチ制御テーブルおよび8極用スイッチ制御テーブルによる制御データも、測定経路R1〜測定経路R3の中の1つと同じような経路を形成して、端子間の導通によりテストプラグをチェックするので、これらの説明を省略する。
【0046】
ステップS2が終了し、制御部51はステップS1による切り替えでメガー31およびテスター32が測定した結果を受け取ると(ステップS3)、ステップS1で読み出したスイッチ制御テーブルの「確認事項」の欄に測定結果を記録して、スイッチ制御テーブルの確認データを更新する(ステップS4)。
【0047】
ステップS4が終了すると、制御部51はスイッチ制御テーブルの全ての制御データによるチェックを終了したかどうかを調べる(ステップS5)。もし、全てのチェックが終了していなければ、制御部51は、スイッチ制御テーブルから次の制御データを読み出して(ステップS6)、処理をステップS2に戻す。
【0048】
一方、スイッチ制御テーブルの全ての制御データによるチェックが終了していると、制御部51は操作パネル21から受け取った操作信号の押しボタンスイッチの「番号」に対応する指示内容テーブルから、正常状態データを読み出す(ステップS7)。この後、制御部51は、ステップS2〜ステップS5の一連の処理で更新を終了したスイッチ制御テーブルの確認データと、ステップS7で読み出した正常状態データとを比較し(ステップS8)、2つのデータが完全に一致するかどうかを判定する(ステップS9)。2つのデータが完全に一致すると、制御部51は操作パネル21の、正常を表す確認ランプ21Qを点灯して(ステップS10)、確認処理を終了する。また、2つのデータに1つでも不一致があると、制御部51は操作パネル21の、異常を表す確認ランプ21Rを点灯して(ステップS11)、確認処理を終了する。
【0049】
次に、この実施の形態によるプラグチェック装置の動作について説明する。作業者は、例えば保護継電器の点検を行うために、テストプラグの表面側に配置されている接続端子間を開放や短絡にする。この後、テストプラグをチェックするために、このプラグをプラグチェック装置に差し込む。例えば、テストプラグが2極用である場合には、作業者はプラグチェック装置の挿入口10Cにテストプラグを入れると、テストプラグの裏面側の端子が2極ソケット13に差し込まれる。
【0050】
この後、作業者がプラグチェック装置の例えば押しボタンスイッチ21Aを操作すると、プラグチェック装置による2極用のチェックが始まる。このチェックにより、あらかじめ記録されている正常状態データと、チェックで得られた確認データとの比較結果から、2つのデータが完全に一致する場合に、プラグチェック装置は正常を表す確認ランプ21Qを点灯する。また、2つのデータが完全に一致しない場合には、プラグチェック装置は異常を表す確認ランプ21Rを点灯する。これにより、作業者はテストプラグが正常化どうかを目視により確認することができる。
【0051】
こうして、この実施の形態によれば、テストプラグの全開放、全短絡、1相だけの開放等の各種のチェックを全て自動で行うことができる。また、この実施の形態によれば、チェックを自動でするので、チェックの漏れをなくすことを可能にする。また、この実施の形態によれば、8極ソケット11に対して4極ソケット12および2極ソケット13を並列に接続することにより、チェック対象が2極、4極および8極の全てのテストプラグに対応可能である。また、この実施の形態によれば、従来の各種の装置に該当するのはメガー31、テスター32および制御部51だけであるので、従来に比べて装置が高コストになることを防ぐことができる。さらに、この実施の形態によれば、8極ソケット11〜2極ソケット13にテストプラグを差し込まない状態で、NO1切替スイッチ22をM1接点にし、NO2切替スイッチ23をM11接点にすれば、測定コード41、42により、メガー31やテスター32として単独の使用を可能にする。
【0052】
(実施の形態2)
この実施の形態では、プラグチェック装置が実施の形態1のメガー31またはテスター32のどちらか一方だけを備えている。また、この実施の形態では、プラグチェック装置が8極ソケット11〜2極ソケット13の1つだけを備えている。さらに、この実施の形態では、メガー31またはテスター32を外付け型としてもよい。
【0053】
こうした構成の実施の形態により、構成を簡略化した簡易型のプラグチェック装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
この発明は、テストプラグに限らず、端子を備えると共に端子間が短絡または開放されている基板等のチェックにも利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 本体
10A〜10D 挿入口
11〜13 8極ソケット〜2極ソケット
22 NO1切替スイッチ
23 NO2切替スイッチ
31 メガー
32 テスター
41、42 測定コード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストターミナルに差し込まれる複数の接続端子を備えるテストプラグをチェックするプラグチェック装置であって、
テストプラグが差し込まれて、このプラグの接続端子と接触する複数の端子を備えるソケットと、
測定端子間に接続される測定対象の電気的な導通をチェックする計測装置と、
計測装置の一方の測定端子に対して、ソケットの端子を切り替えて接続可能にする第1の切替手段と、
計測装置の他方の測定端子に対して、ソケットの端子を切り替えて接続可能にする第2の切替手段と、
第1の切替手段および第2の切替手段に対して切り替えを制御すると共に計測装置からのチェック結果を基に測定対象であるテストプラグが正常であるか否かを判別する制御手段と、
を備えることを特徴とするプラグチェック装置。
【請求項2】
第1の切替手段および第2の切替手段はソケットの端子数に応じた可動接点と、1つの固定接点とを備え、
各可動接点はソケットの異なる端子にそれぞれ接続され、第1の切替手段の固定接点は計測装置の一方の測定端子に接続され、第2の切替手段の固定接点は計測装置の他方の測定端子に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラグチェック装置。
【請求項3】
第1の切替手段および第2の切替手段はソケットの端子数に応じて備えられている可動接点に対して、極数の少ないソケットの端子が並列に接続されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラグチェック装置。
【請求項4】
計測装置はメガーおよびテスターの少なくとも一方である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラグチェック装置。
【請求項1】
テストターミナルに差し込まれる複数の接続端子を備えるテストプラグをチェックするプラグチェック装置であって、
テストプラグが差し込まれて、このプラグの接続端子と接触する複数の端子を備えるソケットと、
測定端子間に接続される測定対象の電気的な導通をチェックする計測装置と、
計測装置の一方の測定端子に対して、ソケットの端子を切り替えて接続可能にする第1の切替手段と、
計測装置の他方の測定端子に対して、ソケットの端子を切り替えて接続可能にする第2の切替手段と、
第1の切替手段および第2の切替手段に対して切り替えを制御すると共に計測装置からのチェック結果を基に測定対象であるテストプラグが正常であるか否かを判別する制御手段と、
を備えることを特徴とするプラグチェック装置。
【請求項2】
第1の切替手段および第2の切替手段はソケットの端子数に応じた可動接点と、1つの固定接点とを備え、
各可動接点はソケットの異なる端子にそれぞれ接続され、第1の切替手段の固定接点は計測装置の一方の測定端子に接続され、第2の切替手段の固定接点は計測装置の他方の測定端子に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラグチェック装置。
【請求項3】
第1の切替手段および第2の切替手段はソケットの端子数に応じて備えられている可動接点に対して、極数の少ないソケットの端子が並列に接続されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラグチェック装置。
【請求項4】
計測装置はメガーおよびテスターの少なくとも一方である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラグチェック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−149887(P2011−149887A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12765(P2010−12765)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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