説明

プラスチックボトル

【課題】炭酸飲料からなる内容液を充填し、内部を陽圧とした場合であっても、底部の反転(バックリング)を防止することが可能な、プラスチックボトルを提供する。
【解決手段】プラスチックボトル10は、口部11と、首部12と、胴部20と、底部30とを備えている。底部30は、中央に位置する中央部31と、中央部31から周縁部30bに放射状に延びる複数のペタロイド脚32とを有するペタロイド形状をもっている。中央部31は、環状面34と、環状面34から内方に引っ込む凹部35とを有し、プラスチックボトル10の内部に炭酸飲料からなる内容液15が充填されている。これにより、プラスチックボトル10の内部を陽圧とした際、底部30の反転を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口部と、首部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックボトルの充填方法としては、アセプティック充填方法(常温無菌充填方法)とホット充填方法(高温充填方法)とが存在する。
【0003】
このうちアセプティック充填方法は、無菌環境下でプラスチックボトル内を薬剤で滅菌し、次に滅菌されたプラスチックボトル内に常温で清涼飲料を充填する手法である。このようなアセプティック充填方法を用いる場合、プラスチックボトルはその製造工程で高温に晒されることがないため、一般に耐熱性が低いものを用いる事も可能である。
【0004】
また、気体は低温であるほど液体に溶解し易いため、炭酸飲料については、上記2種類の充填方法と異なり、無菌雰囲気下にて低温で充填する方法(アセプティック充填方法の一部変更、以下、単に「無菌炭酸充填方法」と定義する)と、低温にて充填密栓後、温水シャワーでボトルを殺菌する方法(ホット充填方法の一部変更、以下、単に「ホット炭酸充填方法」と定義する)とが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−298483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで近年、ボトルに使用されるプラスチック材料の使用量を減らし、プラスチックボトルを更に軽量化することが望まれている。しかしながら、軽量化したプラスチックボトルに炭酸飲料(主に二酸化炭素を溶解させた飲料)を充填する場合、充填直後の内圧上昇と充填方法によっては熱水シャワーによる熱によって、ボトルの底部が反転してしまうおそれがある(バックリングという)。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、炭酸飲料からなる内容液を充填し、充填直後にボトル内圧が上昇した場合であっても、底部の反転(バックリング)を防止することが可能な、プラスチックボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、口部と、首部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルにおいて、底部は、中央に位置する中央部と、中央部から周縁部に放射状に延びる複数のペタロイド脚とを有するペタロイド形状をもち、中央部は、環状面と、環状面から内方に引っ込む凹部とを有し、ボトル内部に炭酸飲料からなる内容液が充填されていることを特徴とするプラスチックボトルである。
【0009】
本発明は、底部は、5本〜9本のペタロイド脚を有することを特徴とするプラスチックボトルである。
【0010】
本発明は、凹部は、底面から見て円形状からなることを特徴とするプラスチックボトルである。
【0011】
本発明は、凹部は、垂直端面から見てドーム形状からなることを特徴とするプラスチックボトルである。
【0012】
本発明は、ペタロイド脚の接地部における厚みが、0.03mm〜0.35mmであることを特徴とするプラスチックボトルである。
【0013】
本発明は、内容液の充填温度が0℃〜10℃であることを特徴とするプラスチックボトルである。
【0014】
本発明は、凹部の底部とペタロイド脚の接地部との距離をt1、凹部の底部と環状面との距離をt2、凹部の直径をt3、胴部の最大直径をt4とした場合、0.15<t2/t1<0.50かつ0.18<t3/t4<0.32となることを特徴とするプラスチックボトルである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、底部は、中央に位置する中央部と、中央部から周縁部に放射状に延びる複数のペタロイド脚とを有するペタロイド形状をもち、中央部は、環状面と、環状面から内方に引っ込む凹部とを有する。このことにより、ボトル内部を陽圧とした場合であっても、底部の変形を少なくすることができ、底部の反転(バックリング)を防止することができる。
【0016】
また、ボトルの軽量化を進めていった場合、ペタロイド底は、丸底より凹凸が激しい為、脚先が薄肉化し、荷重が掛かった際にペタロイド脚の脚先が潰れやすくなってしまう。この場合、ボトルが水平状態を保てなくなり、荷崩れを引き起こしてしまう。本発明によれば、底部の中央部に凹部を設けたことにより、底中心部の未延伸部を減らし応力緩和させる他、底中心部に樹脂が溜まらなくなるので、その分ペタロイド脚の脚先に樹脂が溜まるようになる。これにより、ペタロイド脚の脚先が潰れる不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態による充填した状態でのプラスチックボトルを示す正面図。
【図2】図2は、本発明の一実施の形態による空の状態でのプラスチックボトルを示す垂直端面図(図1のA−A線断面図)。
【図3】図3は、本発明の一実施の形態による空の状態でのプラスチックボトルを示す上面図。
【図4】図4は、本発明の一実施の形態による空の状態でのプラスチックボトルを示す底面図。
【図5】図5は、本発明の一実施の形態による空の状態でのプラスチックボトルの底部を示す拡大端面図。
【図6】図6(a)〜(c)は、本発明の一実施の形態による充填した状態でのプラスチックボトルの底部を示す拡大端面図。
【図7】図7は、比較例による空の状態でのプラスチックボトルを示す垂直端面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は本発明の一実施の形態を示す図である。
【0019】
まず、図1乃至図6により本実施の形態によるプラスチックボトルの概要について説明する。なお、本明細書中、「上方」、「下方」とは、それぞれプラスチックボトル10を正立させた状態(図1および図2)における上方、下方のことをいう。
【0020】
図1乃至図4に示すように、プラスチックボトル10は、口部11と、口部11に連接する首部12と、首部12に連接する肩部13と、肩部13に連接する胴部20と、胴部20に連接する底部30とを備えている。
【0021】
このうち胴部20は略円筒形状からなり、その表面は略平坦に構成されている。また、図1に示すように、プラスチックボトル10内部には、炭酸飲料からなる内容液15が充填されている。さらに、口部11にはキャップ17が装着されている。
【0022】
図2および図4に示すように、底部30はペタロイド形状をもっている。すなわち底部30は、中央に位置する中央部31と、中央部31から底部30の周縁部30bに向けて放射状に延びる複数(この場合は5本)のペタロイド脚32とを有している。
【0023】
図4に示すように、5本のペタロイド脚32は、底部30の周縁部30bに沿って周方向に等間隔に配置されている。ペタロイド脚32は、プラスチックボトル10を安定して正立させるためには5本以上設けることが好ましいが、成形性の観点等から、その上限は9本程度とすることが好ましい。また、バックリングを効果的に防止するために、ペタロイド脚32の本数を奇数本とすることが好ましく、とりわけ5本とすることが更に好ましい。
【0024】
また図2および図4に示すように、各ペタロイド脚32は、各々円周状に延びる接地部32aと、接地部32aから中央部31側に向けて上方に延びる内側傾斜面32bと、接地部32aから周縁部30b側に向けて上方に延びる外側傾斜面32cとを有している。
【0025】
一方、隣接する各ペタロイド脚32間には、谷部33が形成されている。各谷部33は、中央部31から周縁部30bに向かって上方へ延びる湾曲面からなっている。各谷部33は、中央部31から周縁部30bに向かう断面において、下方へ向けて湾曲する球面の一部を構成している(図2参照)。この場合、各谷部33は、ドーム状曲面の一部からなっていても良い。
【0026】
本実施の形態において、中央部31は、円形の環状面34と、この環状面34から内方(上方)に引っ込む凹部35とを有している。凹部35の形状は、底部30の耐圧性を高めるという観点から、底面から見て円形状であることが好ましい。更に、成形性を高めるという観点からは、凹部35の垂直端面形状(図2)がドーム形状であることが好ましい。
【0027】
図2および図5に示すように、凹部35は、全体的に滑らかな曲面からなっており、凹部35内にて底中心部の中心に凸部を設けず滑らかな曲面になっている。このことにより、ボトル内部を陽圧とした場合に、凹部35が反転し難い構造となっている。
【0028】
このほか、凹部35の形状としては、円筒形状であっても良く、あるいは円筒に半球を連結した形状からなっていても良い。
【0029】
このようなプラスチックボトル10のサイズは限定されるものではなく、どのようなサイズのボトルからなっていても良い。例えばプラスチックボトル10の容量が500mlである場合、胴部20の直径t4(図4および図5参照)を60mm乃至70mmとすることができる。また、プラスチックボトル10の容量が1000mlの場合は、胴部20の直径t4を70mm乃至90mmとし、1500mlの場合は、胴部20の直径t4を80mm乃至100mmとすることができる。
【0030】
図5において、凹部35の底部35aとペタロイド脚32の接地部32aとの距離をt1とし、凹部35の底部35aと環状面34との距離をt2とした場合、0.20<t2/t1<0.50となることが好ましい(上述したホット炭酸充填方法を用いる場合)。なお、t2/t1≧0.50となる場合、底部30の凹凸が大きくなるため、ブロー成形時にペタロイド脚32の接地部32aに、過延伸による白化(薄肉化)が発生するおそれがある。他方、t2/t1≦0.20となる場合、凹部35の深さが浅いため、底部30のバックリングを防止する効果が得られにくい。
【0031】
また図5において、凹部35の直径をt3とし、胴部20の最大直径をt4とした場合、0.20<t3/t4<0.30となることが好ましい(図6(a)参照)(上述したホット炭酸充填方法を用いる場合)。なお、t3/t4≧0.30となる場合、凹部35の曲率半径R1が大きくなる為底部30のバックリングを防止する効果が得られにくい(図6(b)参照)。更にペタロイド脚32の内側傾斜面32bが急になる為、ペタロイド脚32で成形不良による過延伸により白化(薄肉化)が発生するおそれがある。他方、t3/t4≦0.20となる場合、凹部の直径t3が短い為、底部30のバックリングを防止する効果が得られにくい(図6(c)参照)。このため、0.20<t2/t1<0.50かつ0.20<t3/t4<0.30とすることが好ましい。
【0032】
なお、ホット炭酸充填方法ではなく、無菌炭酸充填方法を用いる場合、0.15<t2/t1<0.50、かつ0.18<t3/t4<0.32とすることが好ましい。この範囲とすることが好ましい理由は、上述したホット炭酸充填方法における理由と同様である。
【0033】
なおプラスチックボトル10のペタロイド脚32の接地部32aの肉厚は、0.03mm〜0.35mmとすることが可能である。このようにプラスチックボトル10の肉厚を薄くすることにより、プラスチックボトル10の軽量化を図ることができる。
【0034】
プラスチックボトル10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。なおプリフォームすなわちプラスチックボトル10の主材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PLA(ポリ乳酸)等を使用する事が好ましい。
【0035】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0036】
まず、空のプラスチックボトル10を準備し、このプラスチックボトル10内に炭酸飲料からなる内容液15を、例えば0℃〜10℃、好ましくは5℃前後の温度で充填する。なお、炭酸飲料からなる内容液15としては、例えばサイダー、果汁入り炭酸飲料等を挙げることができる。
【0037】
続いて、口部11をキャップ17により閉栓する。その後、パストライザーと呼ばれる熱水シャワーを用いてプラスチックボトル10を殺菌する。なお、ホット炭酸充填方法を用いる場合、熱水シャワーの温度は50℃〜140℃である事が好ましい。閉栓直後、プラスチックボトル10の内部は陽圧となる。
【0038】
なお、上記においては、通常の(無菌ではない)雰囲気下でプラスチックボトル10に対して内容液15を充填しているが、これに限らず、無菌雰囲気下でプラスチックボトル10に対して内容液15を充填しても良い(無菌炭酸充填方法)。この場合、熱水シャワーによる殺菌は行わなくても良い。
【0039】
このようにプラスチックボトル10内部が陽圧となることにより、プラスチックボトル10の内方(上方)から外方(下方)へ力が作用し、底部30においては、概ね内方から外方へ向けて圧力が加わる。この場合、底部30の中央部31が外方へ向けて膨らむように作用する。
【0040】
本実施の形態においては、底部30の中央部31に、環状面34から内方に引っ込む凹部35を設けている。このことにより、閉栓したプラスチックボトル10の内部が陽圧となり、プラスチックボトル10の内方から外方へ力が作用した場合であっても、底部30の変形を抑えることができ、底部30のバックリングを防止することができる。
【0041】
このように本実施の形態によれば、底部30の中央部31に、環状面34から内方に引っ込む凹部35を設けたので、閉栓したプラスチックボトル10の内部が陽圧となった際、底部30の変形を少なくすることができ、底部30のバックリングを防止することができる。
【0042】
また本実施の形態によれば、底部30のバックリングを防止することができるので、プラスチックボトル10を薄肉に形成することが可能となり、プラスチックボトル10を軽量化することができ、プラスチック材料の使用量を減らすことができる。
【実施例】
【0043】
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
【0044】
(ブロー成形性および耐熱耐圧性の評価)
以下に挙げる6種類のプラスチックボトル(実施例1および比較例1〜5)について、それぞれブロー成形性および耐熱耐圧性について評価した。
【0045】
(実施例1)
図1乃至図5に示す構成からなる、500ml用のプラスチックボトル10(実施例1)を作製した。この場合、18gのプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより、プラスチックボトル10(実施例1)を作製した。実施例1において、凹部35の底部35aと環状面34との距離t2の、凹部35の底部35aとペタロイド脚32の接地部32aとの距離t1に対する比(t2/t1)は、0.30であった。また凹部35の直径t3の、胴部20の最大直径t4に対する比(t3/t4)は、0.25であった。このプラスチックボトル10(実施例1)は、従来一般に用いられるプラスチックボトルよりも薄肉化されたものである。
【0046】
(比較例1)
距離t2の距離t1に対する比(t2/t1)を0.20としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル10(比較例1)を作製した。
【0047】
(比較例2)
距離t2の距離t1に対する比(t2/t1)を0.50としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル10(比較例2)を作製した。
【0048】
(比較例3)
距離t3の距離t4に対する比(t3/t4)を0.20としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル10(比較例3)を作製した。
【0049】
(比較例4)
距離t3の距離t4に対する比(t3/t4)を0.30としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル10(比較例4)を作製した。
【0050】
(比較例5)
図7に示す構成からなる、500ml用のプラスチックボトル50(比較例5)を作製した。この場合、28gのプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより、プラスチックボトル50(比較例5)を作製した。
【0051】
これら6種類のプラスチックボトル(実施例1および比較例1〜5)のうち、比較例2、4に係るプラスチックボトルは、ブロー成形時にペタロイド脚先の成形不良(過延伸による白化)が発生した。それ以外の実施例1、比較例1、3、5に係るプラスチックボトルは、良好なブロー成形性を有していた。
【0052】
次に、比較例2、4を除いた4種類のプラスチックボトル(実施例1および比較例1、3、5)内に5℃のサイダーを充填して閉栓した。その後、各プラスチックボトルの口部にキャップを装着することにより、閉栓したプラスチックボトルを得た。更に、各プラスチックボトルを70℃の温水シャワーで15分間殺菌した(ホット炭酸充填方法)。
【0053】
次に、各プラスチックボトルについて、冷却後、常温となったときの中央部の深さ(距離t1´)を測定した(表1参照)。
【0054】
【表1】

【0055】
この結果、実施例1のプラスチックボトル10は、正立し(t1´>0mm)、かつブロー成形性は良好であり、28gの重量を有するプラスチックボトル50(比較例5)と同等程度の性能を有していた。一方、比較例1、3のプラスチックボトルは、転倒しやすくなってしまった(t1´<0mm)。
【0056】
結果として、温水シャワーによる殺菌を行う場合には(ホット炭酸充填方法)、0.20<t2/t1<0.50、かつ0.20<t3/t4<0.30とすることが好ましいといえる。
【0057】
次に、無菌雰囲気下にて低温で充填する場合(無菌炭酸充填方法)における耐圧性を評価するため、上述した6種類のプラスチックボトル(実施例1および比較例1〜5)に加え、以下のプラスチックボトル(比較例6〜8)を作製した。
【0058】
(比較例6)
距離t3の距離t4に対する比(t2/t1)を0.15としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル10(比較例6)を作製した。
【0059】
(比較例7)
距離t3の距離t4に対する比(t3/t4)を0.18としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル10(比較例7)を作製した。
【0060】
(比較例8)
距離t3の距離t4に対する比(t3/t4)を0.32としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ重量および肉厚を有する500ml用のプラスチックボトル10(比較例7)を作製した。
【0061】
次に、比較例2、4を除いた7種類のプラスチックボトル(実施例1および比較例1、3、5〜8)内に無菌雰囲気下で5℃のサイダーを充填して閉栓した(無菌炭酸充填方法)。
【0062】
次に、各プラスチックボトルについて、中央部の深さ(距離t1´´)を測定した(表2参照)。
【0063】
【表2】

【0064】
結果として、無菌雰囲気下にて低温で充填する場合には(無菌炭酸充填方法)、0.15<t2/t1<0.50、かつ0.18<t3/t4<0.32とすることが好ましいといえる。
【符号の説明】
【0065】
10 プラスチックボトル
11 口部
12 首部
13 肩部
15 内容液
16 ヘッドスペース
17 キャップ
20 胴部
30 底部
31 中央部
32 ペタロイド脚
33 谷部
34 環状面
35 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部と、首部と、胴部と、底部とを備えたプラスチックボトルにおいて、
底部は、中央に位置する中央部と、中央部から周縁部に放射状に延びる複数のペタロイド脚とを有するペタロイド形状をもち、
中央部は、環状面と、環状面から内方に引っ込む凹部とを有し、
ボトル内部に炭酸飲料からなる内容液が充填されていることを特徴とするプラスチックボトル。
【請求項2】
底部は、5本〜9本のペタロイド脚を有することを特徴とする請求項1記載のプラスチックボトル。
【請求項3】
凹部は、底面から見て円形状からなることを特徴とする請求項1または2記載のプラスチックボトル。
【請求項4】
凹部は、垂直端面から見てドーム形状からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のプラスチックボトル。
【請求項5】
ペタロイド脚の接地部における厚みが、0.03mm〜0.35mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のプラスチックボトル。
【請求項6】
内容液の充填温度が0℃〜10℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のプラスチックボトル。
【請求項7】
凹部の底部とペタロイド脚の接地部との距離をt1、凹部の底部と環状面との距離をt2、凹部の直径をt3、胴部の最大直径をt4とした場合、0.15<t2/t1<0.50かつ0.18<t3/t4<0.32となることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載のプラスチックボトル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−140156(P2012−140156A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293641(P2010−293641)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】