説明

プラスチックボードドレーン材及び該ドレーン材の引き抜き装置

【課題】圧密工法による地盤改良後に地盤より好適に撤去することができるプラスチックボードドレーン材及び該ドレーン材の引き抜き装置の提供。
【解決手段】通水用溝18,19を表裏の長手方向に連続して有する通水溝形成用心材20の表裏に、通水用溝18,19の開放部を閉鎖する配置に透水性フィルター21,21とを固着したプラスチック製のドレーン部材11,12と、薄帯板状又は線状をした引張補強材13とを有し、引張補強材13を長手方向に沿ってドレーン部材11,12と一体化させ、地盤改良後の地盤より撤去できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にバーティカルドレーン工法のドレーン材として使用されるプラスチックボードドレーン材及び該ドレーン材の引き抜き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟弱地盤の改良工法として、軟弱地盤中にプラスチックボードドレーン等の工業製品のドレーン材を鉛直方向に複数打設し、排水距離を短縮することにより圧密を促進させて地盤改良を行うバーティカルドレーン工法(以下、PVD工法と記す)が知られている。
【0003】
このPVD工法には、ドレーン材として、例えば、波形断面を有し、長手方向に向けて通水溝が形成された心材の表裏両面に不織布からなる透水性被覆材を被着して構成されているプラスチックボードドレーン材(以下、PBD材と記す)が使用されている(例えば特許文献1)。
【0004】
尚、このようなPBD材は、一般的に500kgf程度の引張荷重が作用すると破断してしまうので、PVD工法において、地中に打設されたPBD材を撤去することは、非常に困難であり、撤去するのに多大な費用を要する為、打設されたPBD材はそのまま地盤内に残存させるのが通常である。
【特許文献1】特開2002−138456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の従来例のように、PBD材を地中に残存させておくと、後にその部分を掘削する際に障害物となるという問題があり、PBD材を産業廃棄物として処理する際に土砂と分別することが困難であるため、産業廃棄物の量が膨大となり、処分費用が嵩むという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、上述の従来技術の問題を鑑み、地盤改良工事施工後に地盤より全部又は一部を好適に撤去することができる撤去型プラスチックボードドレーン材及び該ドレーン材の引き抜き装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、通水用溝を表裏の長手方向に連続して有する通水溝形成用心材の表裏に、前記通水用溝の開放部を閉鎖する配置に透水性フィルターを固着したプラスチック製のドレーン部材と、薄帯板状又は線状をした引張補強材とを有し、該引張補強材を長手方向に沿って前記ドレーン部材と一体化させてなる地盤改良後に撤去可能なプラスチックボードドレーン材であることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加え、引張補強材を薄帯板状とし、一対のドレーン部材を、前記引張補強材の表裏両面に互いに対称配置に固着したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加え、通水用溝を表裏の長手方向に連続して有する通水溝形成用心材の表裏に、前記通水用溝の開放部を閉鎖する配置に透水性フィルターを固着したプラスチック製のドレーン部材と、薄帯板状又は線状の引張補強材とを有し、該引張補強材を長手方向に沿って前記ドレーン部材と一体化させて構成される撤去部と、該撤去部のドレーン部材の下端に連続配置されたドレーン部材からなる埋め捨て部とを有し、該埋め捨て部の上端を撤去部の下端に対して、ドレーン材打設作業時に作用する通常の引っ張り力によっては離れないが、前記撤去部を撤去する際の抜去力によって離れる程度の結合力で連結したことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3の構成に加え、引張補強材がポリオレフィン系の合成樹脂材を延伸してシート状に成形したプラスチック帯状材であり、該引張補強材に前記ドレーン部材を、合成樹脂ラミネート層を介して固着させたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2又は3の構成に加え、引張補強材が帯状鋼板であり、該引張補強材に前記ドレーン部材を、接着剤層を介して固着させたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、板状のドレーン材が挟持されるチャックと、該チャックに引き上げ力を与える引き上げ駆動部材とを有し、前記チャックは、前記引き上げ駆動部材によって動作される本体部と、該本体部から垂下され、表面にドレーン材挟持面を有するドレーン材押し当て部と、該ドレーン材押し当て部の両側部に対称配置にそれぞれ回動可能に支持された一対の可動支持部材と、該両可動軸支部に両端を支持させ前記ドレーン材挟持面に対し間隔を置いて配置された円筒状又は円柱状の可動挟持部とを備え、前記ドレーン材の上端部を前記可動挟持部の上半部外周に巻き付けるとともに前記ドレーン材挟持面と前記可動挟持部との間に下向きに挿入させるようにしたドレーン材の引き抜き装置であることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6の構成に加え、可動挟持部は、外周をゴム状シート材により被覆したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るプラスチックボードドレーン材は、通水用溝を表裏の長手方向に連続して有する通水溝形成用心材の表裏に、前記通水用溝の開放部を閉鎖する配置に透水性フィルターを固着したプラスチック製のドレーン部材と、薄帯板状又は線状をした引張補強材とを有し、該引張補強材を長手方向に沿って前記ドレーン部材と一体化させたことにより、十分な引張強度を有するので、PVD工法により地盤改良工事を施工した後に好適に地盤より引き抜き、撤去することができる。
【0015】
引張補強材を薄帯板状とし、一対のドレーン部材を、前記引張補強材の表裏両面に互いに対称配置に固着したことにより、PBD材の表裏面部より好適に排水を行うことができる。
【0016】
通水用溝を表裏の長手方向に連続して有する通水溝形成用心材の表裏に、前記通水用溝の開放部を閉鎖する配置に透水性フィルターを固着したプラスチック製のドレーン部材と、薄帯板状又は線状の引張補強材とを有し、該引張補強材を長手方向に沿って前記ドレーン部材と一体化させて構成される撤去部と、該撤去部のドレーン部材の下端に連続配置されたドレーン部材からなる埋め捨て部とを有し、該埋め捨て部の上端を撤去部の下端に対して、ドレーン材打設作業時に作用する通常の引っ張り力によっては離れないが、前記撤去部を撤去する際の抜去力によって離れる程度の結合力で連結したことにより、撤去部を撤去する際に抜去力を作用させることによって、PBD材が撤去部と埋め捨て部とに分離され、埋め捨て部を残して撤去部のみを好適に地盤中より引き抜くことができる。
【0017】
引張補強材がポリオレフィン系の合成樹脂材を延伸してシート状に成形したプラスチック帯状材であり、該引張補強材に前記ドレーン部材を、合成樹脂ラミネート層を介して固着させたことにより、材料の軽量化が図られ、ドレーン材打設作業等において作業効率がよい。また、合成樹脂ラミネート層を介して融着させるのでドレーン部材を好適に引張補強材の表裏に固着させることができる。
【0018】
引張補強材が帯状鋼板であり、該引張補強材に前記ドレーン部材を、接着剤層を介して固着させたことにより、強度が高く、地盤に対し好適に打設及び引抜き作業を行うことができる。
【0019】
板状のドレーン材が挟持されるチャックと、該チャックに引き上げ力を与える引き上げ駆動部材とを有し、前記チャックは、前記引き上げ駆動部材によって動作される本体部と、該本体部から垂下され、表面にドレーン材挟持面を有するドレーン材押し当て部と、該ドレーン材押し当て部の両側部に対称配置にそれぞれ回動可能に支持された一対の可動支持部材と、該両可動軸支部に両端を支持させ前記ドレーン材挟持面に対し間隔を置いて配置された円筒状又は円柱状の可動挟持部とを備え、前記ドレーン材の上端部を前記可動挟持部の上半部外周に巻き付けるとともに前記ドレーン材挟持面と前記可動挟持部との間に下向きに挿入させるようにしたことにより、挟持した部分の締め付け力と、巻き付けた部分の摩擦力によりドレーン材の端部を保持するので、荷重が一点に集中せずに分散されるので切断し難くなり、安全かつ確実に引抜作業を行うことができる。
【0020】
また、可動挟持部は、外周をゴム状シート材により被覆したことにより、ドレーン材に対し好適に摩擦力を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に本発明に係るプラスチックボードドレーン材の実施の形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明に係るプラスチックボードドレーン材(以下、PBD材と記す)の一例を示し、図中符号10はPBD材である。
【0023】
このPBD材10には、一対のドレーン部材11,12が薄帯板状の引張補強材13の表裏両面に互いに対称配置に固着され、ドレーン部材11,12と引張補強材13とがその長手方向に沿って一体化されている。
【0024】
また、このPBD材10は、一対のドレーン部材11,12を引張補強材13の表裏両面に互いに対称配置に固着してなる撤去部14と、いずれか一方のドレーン部材11の下端に連続配置に接続されたドレーン部材15からなる埋め捨て部とをもって構成し、撤去部14と埋め捨て部とは、ドレーン打設作業時に作用する通常の引張力によっては離れず、撤去する際の抜去力によって離れるようになっている。
【0025】
引張補強材13は、ポリオレフィン系の合成樹脂材を延伸してシート状に成形したプラスチック帯状体をもって構成され、長手方向即ちドレーン材の引き抜き方向に作用する荷重に対して高い強度を備えている。
【0026】
このプラスチック帯状体の表裏に合成樹脂ラミネート層17を介して熱融着させることによりドレーン部材11,12が固着される。
【0027】
ドレーン部材11,12,15は、表裏に長手方向に通水用溝18,19を有する通水溝形成用心材20と、通水溝形成用心材20の表裏両面を覆う透水性フィルター21,21とを備え、通水溝形成用心材20の表裏面にそれぞれ通水性フィルター21,21が固着されている。
【0028】
通水溝形成用心材20は、互いに対向して平行に配置された複数の縦壁材22,22…と、各縦壁材22,22間に配された横壁材23,23とを備え、断面形状において横壁材23,23が千鳥状に配置されたことによって、通水溝形成用心材20の表裏にそれぞれ浅通水用溝18と深通水用溝19とが交互に並んで形成されている。
【0029】
透水性フィルター21は、ポリエステル系合成繊維からなる不織布をもって透水性を有するシート状に形成されている。
【0030】
撤去部14を構成するドレーン部材11と埋め捨て部を構成するドレーン部材15とは、図3、図4に示すように、ドレーン部材11の下端部に埋め捨て部を構成するドレーン部材15を連続配置し、その互いに突き合わされた端部間の表面に接続用当て板24を架け渡し、接続用当て板24にそれぞれドレーン部材11,15を固定している。
【0031】
撤去部14を構成するドレーン部材11と接続用当て板24とは、例えば、平型のかすがい25を使用して、そのかすがいの脚部25aを撤去部14、即ちドレーン部材11、引張補強材13及びドレーン部材12を貫通させ、先端の爪部25bをドレーン部材12の表面部に係止させて高強度で固定され、ドレーン撤去時の抜去力が作用しても離脱しないようになっている。
【0032】
一方、埋め捨て部を構成するドレーン部材15と接続用当て板24とは、例えば、複数のステープル26,26…を長手方向に向けて平行に打設することにより、所定の強度で固定され、その所定の強度以上の荷重が作用するとドレーン部材15が接続用当て板24より離脱するようになっている。尚、ドレーン部材15と接続用当て板24との接続強度は、ステープルの数で調整することができるようになっている。
【0033】
このように構成することにより、埋め捨て部の上端が撤去部14の下端に対して、ドレーン材打設作業時に作用する通常の引張力によっては離れないが、撤去部14を撤去する際の抜去力によって離れるようになっている。
【0034】
尚、連結された両ドレーン部材11,15の連結部間には、外周の密封処理が施されており、両ドレーン部材11,15の通水断面は互いに好適に連通されている。
【0035】
このように構成されたPBD材10は、図5に示すように、そのPBD材10(撤去部14)の上端部を挟持した状態で引き抜き装置30により引き上げることにより撤去部14と埋め捨て部とが分離して、埋め捨て部が地盤中に留まり、撤去部14のみが地盤より引き抜かれるようになっている。
【0036】
この引き抜き装置30は、PBD材10を挟持するチャック31と、チャック31に引き上げ力を与える引き上げ駆動部材32とを有し、チャック31にPBD材10を挟持させ、そのチャック31を引き上げ駆動部材32により引き上げることによりPBD材10を地盤より引き抜くようになっている。
【0037】
引き上げ駆動部材32は、クレーン33より繰出された吊りワイヤ34を支持リーダ35に支持された滑車を通して吊り降ろさせ、その吊りワイヤ34の先端にチャック31を取り付けておき、クレーン33により吊りワイヤ34を巻取ることにより、チャック31に引き上げ力を与えることができるようになっている。
【0038】
チャック31は、図6に示すように、引き上げ駆動部材32によって動作される本体部40と、本体部40から垂下され、表面にドレーン材挟持面41aを有するドレーン材押し当て部41と、ドレーン材押し当て部41の両側部にそれぞれ回動可能に支持された一対の可動支持部材42,42と、両可動支持部材42,42に両端が支持され、ドレーン材挟持面41aと対向して配置された可動挟持部43とを備えている。
【0039】
本体部40とドレーン材押し当て部41とは、断面逆L字状に一体に形成され、その上端部、即ち本体部40の上端部に吊りワイヤ34の先端部が取り付けられるようになっている。
【0040】
また、ドレーン材押し当て部41のL字内側に平面状のドレーン材挟持面41aが形成されている。
【0041】
ドレーン材押し当て部41の両側面部には、対称配置に可動支持部材42,42が固定用ボルト44によって取り付けられ、可動支持部材42がドレーン材押し当て部41の側面部に対し、固定用ボルト44を回動軸として回動可能に支持されている。
【0042】
可動支持部材42の互いに対向する端部内側面には、可動挟持部43の端部が支持され、対称配置にある両可動支持部材42,42の端部間に可動挟持部43が挟持される。
【0043】
可動挟持部43は、円柱状又は円筒状に形成され、その外周面がゴム状のシート材45により被覆されている。
【0044】
このチャック31にPBD材10の上端部を挟持させるには、PBD材10の上端部を可動挟持部43のドレーン材挟持面41aとは反対側より可動挟持部43の上半部に巻き付け、更にその先端部を互いに対向するドレーン材挟持面41aと可動挟持部43との間の間隙に下向きに挿入する。
【0045】
この状態で駆動部材32を動作させ、本体部40を引き抜き方向に引き上げると、PBD材10に引っ張られて可動支持部材42が回動し、両端が可動支持部材42に支持された可動挟持部43はドレーン材挟持面41a側に移動し、ドレーン材挟持面41aと可動挟持部43との間にPBD材10の上端部、即ち撤去部14の上端部を挟持する。
【0046】
このチャック31では、可動挟持部43の上半部にPBD材10を巻付けた状態であるため、挟持した部分に応力が集中せずに、巻付けた部分に分散されるので切断し難くなっている。
【0047】
尚、上述の実施例では、埋め捨て部を有するPBD材10について説明したが、埋め捨て部を設けずに全体を撤去部とする構成としてもよい。
【0048】
また、上述の実施例では、一対のドレーン部材を有し、両ドレーン部材を薄帯板状の引張補強材の表裏両面に互いに対称配置に固着したものについて説明したが、ドレーン部材を引張補強材の片面のみに固着させてもよい。
【0049】
更に、上述の実施例では、引張補強材としてポリオレフィン系の合成樹脂材を延伸してシート状に成形したプラスチック帯状体を使用した例について説明したが、引張補強材には、帯状鋼板を使用してもよく、その場合、帯状鋼板からなる引張補強材の表裏両面又は片面に接着剤層を介してドレーン部材を固着させるようになっている。
【0050】
更にまた、引張補強材は、ステンレス板等の金属板をもって構成してもよく、その場合も、引張補強材とドレーン部材との固着は接着剤をもって行うことが好ましい。
【0051】
尚、薄帯板状の引張補強材としては、その他、網目状や透水孔を有するもの等のような十分な強度を有し且つ透水性を有するものであってもよい。
【0052】
また、上述の実施例では、引張補強材を薄板帯状に形成したものについて説明したが、引張補強材を鋼製ワイヤー等の線状材をもって構成し、ドレーン部材の表裏両面の中央部及び/又は側部に、線状の引張補強材を長手方向に沿って固着させて一体化させたものでもよい。
【0053】
上述の実施例では、撤去部を構成するドレーン部材と、埋め捨て部を構成するドレーン材とを接続用当て板を用いて連結させた例について説明したが、撤去部及び埋め捨て部を構成するドレーン部材を一本のドレーン部材をもって構成し、そのドレーン部材の撤去部と埋め捨て部との境界部に切り込みを入れ、所定強度以上の荷重が作用すると撤去部と埋め捨て部とに分離するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係るプラスチックボードドレーン材を示す側面図である。
【図2】同上の部分拡大横断面図である。
【図3】図1中の撤去部と埋め捨て部との接続部を示す正面図である。
【図4】同上の従断面図である。
【図5】本発明に係るドレーン材の引き抜き装置を使用したドレーン抜去工程の概略を示す側面図である。
【図6】図5中のチャック部を示す側面図である。
【符号の説明】
【0055】
10 PBD材
11,12 ドレーン部材
13 引張補強材
14 撤去部
15 ドレーン部材(埋め捨て部)
17 ラミネート層
18 浅通水用溝
19 深通水用溝
20 通水溝形成用心材
21 透水性フィルター
22 縦壁材
23 横壁材
24 接続用当て板
25 かすがい
26 ステープル
30 引き抜き装置
31 チャック
32 引き上げ駆動部材
33 クレーン
34 吊りワイヤ
35 支持リーダ
40 本体部
41 ドレーン材押し当て部
41a ドレーン材挟持面
42 可動支持部材
43 可動挟持部
44 固定用ボルト
45 ゴム状シート材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水用溝を表裏の長手方向に連続して有する通水溝形成用心材の表裏に、前記通水用溝の開放部を閉鎖する配置に透水性フィルターを固着したプラスチック製のドレーン部材と、薄帯板状又は線状をした引張補強材とを有し、該引張補強材を長手方向に沿って前記ドレーン部材と一体化させてなる地盤改良後に撤去可能なプラスチックボードドレーン材。
【請求項2】
引張補強材を薄帯板状とし、一対のドレーン部材を、前記引張補強材の表裏両面に互いに対称配置に固着してなる請求項1に記載のプラスチックボードドレーン材。
【請求項3】
通水用溝を表裏の長手方向に連続して有する通水溝形成用心材の表裏に、前記通水用溝の開放部を閉鎖する配置に透水性フィルターを固着したプラスチック製のドレーン部材と、薄帯板状又は線状の引張補強材とを有し、該引張補強材を前記ドレーン部材の長手方向に沿って一体化させて構成される撤去部と、
該撤去部のドレーン部材の下端に連続配置されたドレーン部材からなる埋め捨て部とを有し、
該埋め捨て部の上端を撤去部の下端に対して、ドレーン材打設作業時に作用する通常の引っ張り力によっては離れないが、前記撤去部を撤去する際の抜去力によって離れる程度の結合力で連結してなる請求項1又は2に記載のプラスチックボードドレーン材。
【請求項4】
引張補強材がポリオレフィン系の合成樹脂材を延伸してシート状に成形したプラスチック帯状材であり、該引張補強材に前記ドレーン部材を、合成樹脂ラミネート層を介して固着させてなる請求項1、2又は3に記載のプラスチックボードドレーン材。
【請求項5】
引張補強材が帯状鋼板であり、該引張補強材に前記ドレーン部材を、接着剤層を介して固着させてなる請求項1、2又は3に記載のプラスチックボードドレーン材。
【請求項6】
板状のドレーン材が挟持されるチャックと、該チャックに引き上げ力を与える引き上げ駆動部材とを有し、前記チャックは、前記引き上げ駆動部材によって動作される本体部と、該本体部から垂下され、表面にドレーン材挟持面を有するドレーン材押し当て部と、該ドレーン材押し当て部の両側部に対称配置にそれぞれ回動可能に支持された一対の可動支持部材と、該両可動軸支部に両端を支持させ前記ドレーン材挟持面に対し間隔を置いて配置された円筒状又は円柱状の可動挟持部とを備え、前記ドレーン材の上端部を前記可動挟持部の上半部外周に巻き付けるとともに前記ドレーン材挟持面と前記可動挟持部との間に下向きに挿入させるようにしてなるドレーン材の引き抜き装置。
【請求項7】
可動挟持部は、外周をゴム状シート材により被覆した請求項6に記載のドレーン材の引き抜き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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