説明

プラスチックレンズ

【課題】成形した際に、光学的欠陥となるウェルドラインが発生しない、優れた光学特性を備えたプラスチックレンズを提供する。
【解決手段】プラスチックレンズ100は、光学機能を有する第1面110および第2面120と、第1面110および第2面120の外周部に形成された外周面130とにより構成される。プラスチックレンズ100は、レンズ外周部の肉厚よりもレンズ中央部の肉厚が薄く構成されている。第1面110は、凸面または平面もしくは平面に近い凹面で形成される。第2面120は、光学機能面である凹面121を備えている。凹面121の外周に沿ってに凹部122が設けられており、凹面121と凹部122との境界には第1凸部123が形成されている。凹部122と外周面130との境界には第2凸部124が形成されている。また、外周面130には、レンズ成形時の樹脂射出口の配設位置に形成されるゲート部131が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光学的欠陥となるウェルドラインがない、優れた光学特性を備えたプラスチックレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加工が容易であることからコストダウンに優れ、また軽量であるため、各種の撮像装置にプラスチックレンズが多用されるようになってきている。これに伴い、多くのプラスチックレンズやその製造方法が提案されている(たとえば、特許文献1〜4を参照。)。これらの特許文献に記載のプラスチックレンズは、射出成形法により製造される。この方法は、レンズ面を形成する金型を製作し、この金型で形成されたキャビティのサイドゲートから熱可塑性樹脂(以下、単に樹脂という)を射出し、冷却・固化させてレンズの成形を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−259561号公報
【特許文献2】特開2006−272870号公報
【特許文献3】特開2003−211500号公報
【特許文献4】特開平7−117088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記射出成形法によってプラスチックレンズを成形する場合、キャビティ内を流れる樹脂の方向を制御することは困難である。このため、レンズ中央部が形成される部分よりも先にレンズ外周部が形成される部分に溶解した樹脂が流動し、成形されたレンズに先に流動した樹脂と後から流動してきた樹脂との合流点の痕であるウェルドラインが残ることがある。このウェルドラインは、外周部の肉厚に比べて中央部の肉厚が薄いプラスチックレンズを成形する場合に発生しやすい。
【0005】
レンズにウェルドラインが残ると光学性能の劣化をまねく。高解像度を実現できる撮像素子がなかった時代には、レンズにウェルドラインが残っていてもそれが僅かなものであれば画像の劣化が目立ちにくく、大きな障害にはならなかった。しかしながら、撮像素子の進歩に伴い高解像度化の実現が可能である今日では、レンズに僅かであってもウェルドラインがあることは忽ち画像の劣化を目立たせることになり、大きな問題となる。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、成形した際に、光学的欠陥となるウェルドラインが発生しない、優れた光学特性を備えたプラスチックレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるプラスチックレンズは、光学機能を有する第1面および第2面と、前記第1面および前記第2面の外周部に形成された外周面と、を備え、外周部の肉厚よりも中央部の肉厚が薄く構成されたプラスチックレンズであって、前記第2面は、光学機能面である凹面と、前記凹面の外周に沿って形成された凹部と、前記凹面と前記凹部との境界に形成された第1凸部と、前記凹部と前記外周面との境界に形成された第2凸部と、を備え、前記外周面は、レンズ成形時の樹脂射出口の配設位置に形成されるゲート部を備えていることを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記凹部の頂点と前記第1凸部とを結ぶ第1傾斜面と、前記凹部の頂点と前記第2凸部とを結ぶ第2傾斜面と、が形成され、前記プラスチックレンズの光軸に直交する平面と前記第1傾斜面とのなす角度をθ1、前記プラスチックレンズの光軸に直交する平面と前記第2傾斜面とのなす角度をθ2とするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1) θ1<θ2
【0009】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記第2凸部の先端部に対する前記ゲート部の底面の高さをi、前記第2凸部の先端部に対する前記凹部の頂点の高さをfとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(2) i−f>0
【0010】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記プラスチックレンズの中央部の肉厚をt、前記プラスチックレンズの外周部の肉厚または前記第2面の光学機能面外周端(前記第1凸部の先端部)から前記第1面の光学機能面外周部までの肉厚をhとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(3) 1:3.5≦t:h≦1:2
【0011】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記第2凸部の先端部に対する前記凹部の頂点の高さをfとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(4) 0.2≦f/h≦0.6
【0012】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記プラスチックレンズの外径をa1、前記第1面の光学有効面径をa、前記第2面の光学有効面径をbとするとき、少なくとも以下の条件式のいずれかひとつを満足することを特徴とする。
(5) 0.4≦b/a≦0.65
(6) 0.4≦b/a1≦0.65
【0013】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記第2凸部の外径をcとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(7) 0.75≦c/a1≦1
【0014】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記第2凸部の内径をeとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(8) 0.75≦e/c≦0.9
【0015】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記第1面から前記第2面へ向かう方向を正とし、前記第1凸部の先端部の位置を基準とする前記第2凸部の先端部の高さをgとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(9) −0.3≦g/h≦0.5
【0016】
さらに、この発明にかかるプラスチックレンズは、前記第1面が物体側または像側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、成形した際に、光学的欠陥となるウェルドラインが発生しない、優れた光学特性を備えたプラスチックレンズを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1−1】この発明の実施の形態にかかるプラスチックレンズの平面図である。
【図1−2】図1−1のA−A線に沿う断面図である。
【図2】プラスチックレンズを成形するためのキャビティの一部を示す部分構成図である。
【図3】プラスチックレンズの詳細構成を説明するための図である。
【図4】プラスチックレンズの部分断面図である。
【図5】プラスチックレンズを形成するキャビティ内の樹脂の流動状態を示す概略図である。
【図6−1】実施例1にかかるプラスチックレンズの平面図である。
【図6−2】図6−1のA−A線に沿う断面図である。
【図7−1】実施例2にかかるプラスチックレンズの平面図である。
【図7−2】図7−1のA−A線に沿う断面図である。
【図8−1】実施例3にかかるプラスチックレンズの平面図である。
【図8−2】図8−1のA−A線に沿う断面図である。
【図9−1】実施例4にかかるプラスチックレンズの平面図である。
【図9−2】図9−1のA−A線に沿う断面図である。
【図10−1】実施例5にかかるプラスチックレンズの平面図である。
【図10−2】図10−1のA−A線に沿う断面図である。
【図11−1】実施例6にかかるプラスチックレンズの平面図である。
【図11−2】図11−1のA−A線に沿う断面図である。
【図12−1】従来の一般的なプラスチックレンズの平面図である。
【図12−2】図12−1のA−A線に沿う断面図である。
【図13】従来の一般的なプラスチックレンズを成形するためのキャビティの一部を示す部分構成図である。
【図14】従来の一般的なプラスチックレンズを成形するためのキャビティ内の樹脂の流動状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、この発明にかかるプラスチックレンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
前述のように、射出成形法によって、外周部の肉厚に比べて中央部の肉厚が薄いプラスチックレンズを成形する場合、キャビティ内のレンズ中央部が形成される部分よりも先にレンズ外周部が形成される部分に溶解した樹脂が流動し、成形されたレンズに先に流動した樹脂と後から流動してきた樹脂との合流点の痕であるウェルドラインが残ることがある。そこで、かかる不具合を回避するためには、キャビティ内を一様な速度で樹脂が流れるように制御可能な形状を有するレンズを成形すればよい。
【0021】
図1−1は、この発明の実施の形態にかかるプラスチックレンズの平面図である。また、図1−2は、図1−1のA−A線に沿う断面図である。なお、A−A線はプラスチックレンズの光軸中心を通る直線である。このプラスチックレンズ100は、光学機能を有する第1面110および第2面120と、第1面110および第2面120の外周部に形成された外周面130とにより構成される。プラスチックレンズ100は、レンズ外周部の肉厚よりもレンズ中央部の肉厚が薄く構成されている。
【0022】
第1面110は、凸面または平面もしくは平面に近い凹面で形成される。第2面120は、光学機能面である凹面121を備えている。凹面121の外周に沿って凹部122が設けられており、凹面121と凹部122との境界には第1凸部123が形成されている。凹部122と外周面130との境界には第2凸部124が形成されている。第2凸部124は、光軸に垂直な方向に厚みを有している。また、外周面130には、レンズ成形時の樹脂射出口の配設位置に形成されるゲート部131が形成されている。
【0023】
図2は、プラスチックレンズ100を成形するためのキャビティの一部を示す部分構成図である。図のように、キャビティ200内に射出された樹脂は、まず、ゲート201からの流入直後にプラスチックレンズ100の凹部122を形成するためにキャビティ200の外周部202近傍に設けられた凸部203に衝突することになる。そして、凸部203が、従来多量の樹脂が流入しがちだったキャビティ200の外周部202と凸部203との間に形成された溝204に流れ込む樹脂の流量を抑えるとともに、キャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流量を増加させる。
【0024】
そして、キャビティ200の外周部202に沿って流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスを維持し、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができる。この結果、キャビティ200内で樹脂が合流する箇所ができにくくなり、光学的欠陥となるウェルドラインの発生を抑制することができる。さらに、効果的にウェルドラインの発生を抑制するためには、プラスチックレンズ100は以下に示すような条件を満足することが好ましい。
【0025】
図3は、プラスチックレンズ100の詳細構成を説明するための図である。図3に示すように、凹部122の頂点122aと第1凸部123とを結ぶ第1傾斜面122bと、頂点122aと第2凸部124とを結ぶ第2傾斜面122cとを形成する。そして、プラスチックレンズ100の光軸140に直交する平面と第1傾斜面122bとのなす角度をθ1、プラスチックレンズ100の光軸140に直交する平面と第2傾斜面122cとのなす角度をθ2とするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) θ1<θ2
【0026】
凹部122に第1傾斜面122bと第2傾斜面122cを形成する場合には、図2に示したキャビティ200において、凸部203を基準に、溝204へ向かって比較的急な斜面を形成し、キャビティ200の中央部へ向かって比較的緩やかな斜面を形成すればよい。このようにすることで、凸部203によりキャビティ200の外周部202と凸部203との間に形成された溝204に沿って流れる樹脂の流動勢力が強く抑制される一方、凸部203を超えた樹脂は凸部203からキャビティ200の中央部に向かって形成された緩やかな斜面によってキャビティ200の中央部へ効率的に導かれる。
【0027】
したがって、キャビティ200の外周部202に沿って流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスがより均一に維持され、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができる。なお、θ1とθ2との関係が、θ1≧θ2となるような場合は、キャビティ200の外周部202に沿って流れる樹脂の流動勢力のほうが優勢になり、キャビティ200の外周部202に沿って流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスが崩れるため、好ましくない。
【0028】
さらに、プラスチックレンズ100の外周面130に形成されたゲート部131の位置は、第2凸部124の先端部に対するゲート部131の底面の高さをi、第2凸部124の先端部に対する凹部122の頂点122aの高さをfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(2) i−f>0
【0029】
ゲート部131の位置は、レンズ成形時の樹脂射出口であるキャビティ200のゲート201の配設位置に相当する。この位置があまりにも第2面120に対して低いと、凸部203を超えてキャビティ200の中央部に向かう樹脂の流量が少なくなりすぎて、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することが困難になる。そこで、条件式(2)により、ゲート部131の適正な位置を規定した。
【0030】
次に、このプラスチックレンズ100において、レンズ中央部の肉厚をt、レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123の先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚をhとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(3) 1:3.5≦t:h≦1:2
【0031】
また、第2凸部124の先端部に対する凹部122の頂点122aの高さfと、レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123の先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚hとは、次の条件式を満足することが好ましい。
(4) 0.2≦f/h≦0.6
【0032】
条件式(3)を満足することで、プラスチックレンズ100の成形時に、キャビティ200の外周部202を流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスがより均一になるように維持され、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができる。加えて、条件式(4)を満足することで、かかる効果をより強く期待できる。
【0033】
さらに、このプラスチックレンズ100において、プラスチックレンズ100の外径をa1、第1面110の光学有効面径をa、第2面120の光学有効面径をbとするとき、少なくとも次の条件式のいずれかひとつを満足することが好ましい。
(5) 0.4≦b/a≦0.65
(6) 0.4≦b/a1≦0.65
【0034】
条件式(5)または条件式(6)を満足することで、プラスチックレンズ100の成形時に、キャビティ200の外周部202を流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスがより均一に近い状態で維持され、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができる。
【0035】
さらに、このプラスチックレンズ100において、第2凸部124の外径をcとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(7) 0.75≦c/a1≦1
【0036】
条件式(7)を満足することで、プラスチックレンズ100の成形時に、キャビティ200の外周部202を流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスがより均一に近い状態に維持され、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができる。
【0037】
さらに、このプラスチックレンズ100において、第2凸部124の内径をeとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(8) 0.75≦e/c≦0.9
【0038】
条件式(8)を満足することで、プラスチックレンズ100の成形時に、キャビティ200の外周部202を流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスがより均一に近い状態で維持され、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができる。
【0039】
さらに、このプラスチックレンズ100において、第1面110から第2面120へ向かう方向を正とし、第1凸部123の先端部の位置を基準とする第2凸部124の先端部の高さをgとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(9) −0.3≦g/h≦0.5
【0040】
図4は、プラスチックレンズ100の部分断面図である。図4は、レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123の先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚hと、第1凸部123の先端部に対する第2凸部124の先端部の高さgとの関係を図示したものである。図4において、第1凸部123の先端部に対する第2凸部124の先端部の高さgがあまりにも高くなる(図4において第2凸部124の先端部が第1凸部123の先端部の位置より大きく下方に位置する)ようにキャビティ200を構成すると(g/h>0.5)、キャビティ200の中央部へ向かう樹脂の流量が少なくなりすぎて、キャビティ200の外周部202を流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスが崩れる。
【0041】
一方で、第1凸部123の先端部に対する第2凸部124の先端部の高さgがあまりにも低くなる(図4において第2凸部124の頂点が第1凸部123の頂点位置よりも大きく上方に位置する)ようにキャビティ200を構成すると(g/h<−0.3)、キャビティ200の中央部へ向かう樹脂の流量が多くなりすぎて、やはりキャビティ200の外周部202を流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスが崩れるため、好ましくない。
【0042】
条件式(9)を満足することで、プラスチックレンズ100の成形時に、キャビティ200の外周部202を流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスがより均一になるように維持される。この結果、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができ、ウェルドラインの発生を回避することができる。
【0043】
図5は、プラスチックレンズ100を形成するキャビティ200内の樹脂の流動状態を示す概略部である。図中、キャビティ200内に示された曲線は、単位時間経過後の樹脂の流動先端位置を示したものである。上記各条件を満足するプラスチックレンズ100を形成することで、キャビティ200の外周部202に沿って流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスがより均一に近い状態に維持され、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができる。
【0044】
この結果、キャビティ200内を流動する樹脂の合流点が発生しにくくなり、光学的欠陥であるウェルドラインの発生を回避することができる。なお、このプラスチックレンズ100を撮像装置に搭載する場合、第1面110を物体側に向けて配置してもよいし、像側に向けて配置しても差し支えない。
【0045】
以下、図面を参照しながら、この発明にかかるプラスチックレンズの実施例を説明する。上記各部位と同一の部位には、同一の符号を付している。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0046】
図6−1は、実施例1にかかるプラスチックレンズの平面図である。また、図6−2は、図6−1のA−A線に沿う断面図である。なお、A−A線はプラスチックレンズの光軸中心を通る直線である。
【0047】
(条件式(1)に関する数値)
光軸140に直交する平面と第1傾斜面122bとのなす角度(θ1)=23°
光軸140に直交する平面と第2傾斜面122cとのなす角度(θ2)=80°
(∴θ1<θ2)
【0048】
(条件式(2)に関する数値)
第2凸部124の先端部に対するゲート部131の底面の高さ(i)=1.85(mm)
第2凸部124の先端部に対する凹部122の頂点122aの高さ(f)=1.21(mm)
i−f=0.64(>0)
【0049】
(条件式(3)に関する数値)
レンズ中央部の肉厚(t)=1.2(mm)
レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123の先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚(h)=3.2(mm)
t:h=1:2.67
(∴1:3.5≦t:h≦1:2)
【0050】
(条件式(4)に関する数値)
f/h=0.38
(∴0.2≦f/h≦0.6)
【0051】
(条件式(5),(6)に関する数値)
プラスチックレンズ100の外径(a1)=13.8(mm)
第1面110の光学有効面径(a)=12.4(mm)
第2面120の光学有効面径(b)=6.2(mm)
b/a=0.5
b/a1=0.45
(∴0.4≦b/a≦0.65)
(∴0.4≦b/a1≦0.65)
【0052】
(条件式(7)に関する数値)
第2凸部124の外径(c)=12.6(mm)
c/a1=0.91
(∴0.75≦c/a1≦1)
【0053】
(条件式(8)に関する数値)
第2凸部124の内径(e)=11.3(mm)
e/c=0.897
(∴0.75≦e/c≦0.9)
【0054】
(条件式(9)に関する数値)
第1凸部123の先端部の位置を基準とする第2凸部124の先端部の高さ(g)=0.2(mm)(第1面110から第2面120へ向かう方向が正)
g/h=0.063
(∴−0.3≦g/h≦0.5)
【実施例2】
【0055】
図7−1は、実施例2にかかるプラスチックレンズの平面図である。また、図7−2は、図7−1のA−A線に沿う断面図である。なお、A−A線はプラスチックレンズの光軸中心を通る直線である。
【0056】
(条件式(1)に関する数値)
光軸140に直交する平面と第1傾斜面122bとのなす角度(θ1)=23°
光軸140に直交する平面と第2傾斜面122cとのなす角度(θ2)=80°
(∴θ1<θ2)
【0057】
(条件式(2)に関する数値)
第2凸部124の先端部に対するゲート部131の底面の高さ(i)=1.85(mm)
第2凸部124の先端部に対する凹部122の頂点122aの高さ(f)=0.7(mm)
i−f=1.15(>0)
【0058】
(条件式(3)に関する数値)
レンズ中央部の肉厚(t)=1.2(mm)
レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123の先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚(h)=3.0(mm)
t:h=0.4
(∴1:3.5≦t:h≦1:2)
【0059】
(条件式(4)に関する数値)
f/h=0.233
(∴0.2≦f/h≦0.6)
【0060】
(条件式(5),(6)に関する数値)
プラスチックレンズ100の外径(a1)=13.8(mm)
第1面110の光学有効面径(a)=12.4(mm)
第2面120の光学有効面径(b)=6.2(mm)
b/a=0.5
b/a1=0.45
(∴0.4≦b/a≦0.65)
(∴0.4≦b/a1≦0.65)
【0061】
(条件式(7)に関する数値)
第2凸部124の外径(c)=12.6(mm)
c/a1=0.91
(∴0.75≦c/a1≦1)
【0062】
(条件式(8)に関する数値)
第2凸部124の内径(e)=9.76(mm)
e/c=0.75
(∴0.75≦e/c≦0.9)
【0063】
(条件式(9)に関する数値)
第1凸部123の先端部の位置を基準とする第2凸部124の先端部の高さ(g)=0.2(mm)(第1面110から第2面120へ向かう方向が正)
g/h=0.067
(∴−0.3≦g/h≦0.5)
【実施例3】
【0064】
図8−1は、実施例3にかかるプラスチックレンズの平面図である。また、図8−2は、図8−1のA−A線に沿う断面図である。なお、A−A線はプラスチックレンズの光軸中心を通る直線である。
【0065】
(条件式(1)に関する数値)
光軸140に直交する平面と第1傾斜面122bとのなす角度(θ1)=14.2°
光軸140に直交する平面と第2傾斜面122cとのなす角度(θ2)=73.5°
(∴θ1<θ2)
【0066】
(条件式(2)に関する数値)
第2凸部124の先端部に対するゲート部131の底面の高さ(i)=1.85(mm)
第2凸部124の先端部に対する凹部122の頂点122aの高さ(f)=0.6mm
i−f=1.25(>0)
【0067】
(条件式(3)に関する数値)
レンズ中央部の肉厚(t)=1.2(mm)
レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123の先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚(h)=3(mm)
t:h=0.4
(∴1:3.5≦t:h≦1:2)
【0068】
(条件式(4)に関する数値)
f/h=0.2
(∴0.2≦f/h≦0.6)
【0069】
(条件式(5),(6)に関する数値)
プラスチックレンズ100の外径(a1)=13.8(mm)
第1面110の光学有効面径(a)=12.4(mm)
第2面120の光学有効面径(b)=6.2(mm)
b/a=0.5
b/a1=0.45
(∴0.4≦b/a≦0.65)
(∴0.4≦b/a1≦0.65)
【0070】
(条件式(7)に関する数値)
第2凸部124の外径(c)=12.6(mm)
c/a1=0.91
(∴0.75≦c/a1≦1)
【0071】
(条件式(8)に関する数値)
第2凸部124の内径(e)=11.3(mm)
e/c=0.897
(∴0.75≦e/c≦0.9)
【0072】
(条件式(9)に関する数値)
第1凸部123の先端部の位置を基準とする第2凸部124の先端部の高さ(g)=0.2(mm)(第1面110から第2面120へ向かう方向が正)
g/h=0.067
(∴−0.3≦g/h≦0.5)
【実施例4】
【0073】
図9−1は、実施例4にかかるプラスチックレンズの平面図である。また、図9−2は、図9−1のA−A線に沿う断面図である。なお、A−A線はプラスチックレンズの光軸中心を通る直線である。
【0074】
(条件式(1)に関する数値)
光軸140に直交する平面と第1傾斜面122bとのなす角度(θ1)=37.2°
光軸140に直交する平面と第2傾斜面122cとのなす角度(θ2)=84.4°
(∴θ1<θ2)
【0075】
(条件式(2)に関する数値)
第2凸部124の先端部に対するゲート部131の底面の高さ(i)=1.85(mm)
第2凸部124の先端部に対する凹部122の頂点122aの高さ(f)=1.8(mm)
i−f=0.05(>0)
【0076】
(条件式(3)に関する数値)
レンズ中央部の肉厚(t)=1.2(mm)
レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚(h)=3(mm)
t:h=0.4
(∴1:3.5≦t:h≦1:2)
【0077】
(条件式(4)に関する数値)
f/h=0.6
(∴0.2≦f/h≦0.6)
【0078】
(条件式(5),(6)に関する数値)
プラスチックレンズ100の外径(a1)=13.8(mm)
第1面110の光学有効面径(a)=12.4(mm)
第2面120の光学有効面径(b)=6.2(mm)
b/a=0.5
b/a1=0.45
(∴0.4≦b/a≦0.65)
(∴0.4≦b/a1≦0.65)
【0079】
(条件式(7)に関する数値)
第2凸部124の外径(c)=12.6(mm)
c/a1=0.913
(∴0.75≦c/a1≦1)
【0080】
(条件式(8)に関する数値)
第2凸部124の内径(e)=11.3(mm)
e/c=0.897
(∴0.75≦e/c≦0.9)
【0081】
(条件式(9)に関する数値)
第1凸部123の先端部の位置を基準とする第2凸部124の先端部の高さ(g)=0.2(mm)(第1面110から第2面120へ向かう方向が正)
g/h=0.067
(∴−0.3≦g/h≦0.5)
【実施例5】
【0082】
図10−1は、実施例5にかかるプラスチックレンズの平面図である。また、図10−2は、図10−1のA−A線に沿う断面図である。なお、A−A線はプラスチックレンズの光軸中心を通る直線である。
【0083】
(条件式(1)に関する数値)
光軸140に直交する平面と第1傾斜面122bとのなす角度(θ1)=23°
光軸140に直交する平面と第2傾斜面122cとのなす角度(θ2)=80°
(∴θ1<θ2)
【0084】
(条件式(2)に関する数値)
第2凸部124の先端部に対するゲート部131の底面の高さ(i)=1.95(mm)
第2凸部124の先端部に対する凹部122の頂点122aの高さ(f)=1.51(mm)
i−f=0.44(>0)
【0085】
(条件式(3)に関する数値)
レンズ中央部の肉厚(t)=1.2(mm)
レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123の先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚(h)=3(mm)
t:h=0.4
(∴1:3.5≦t:h≦1:2)
【0086】
(条件式(4)に関する数値)
f/h=0.5
(∴0.2≦f/h≦0.6)
【0087】
(条件式(5),(6)に関する数値)
プラスチックレンズ100の外径(a1)=13.8(mm)
第1面110の光学有効面径(a)=12.4(mm)
第2面120の光学有効面径(b)=6.2(mm)
b/a=0.5
b/a1=0.45
(∴0.4≦b/a≦0.65)
(∴0.4≦b/a1≦0.65)
【0088】
(条件式(7)に関する数値)
第2凸部124の外径(c)=12.6(mm)
c/a1=0.913
(∴0.75≦c/a1≦1)
【0089】
(条件式(8)に関する数値)
第2凸部124の内径(e)=11.5(mm)
e/c=0.913
(∴0.75≦e/c≦0.9)
【0090】
(条件式(9)に関する数値)
第1凸部123の先端部の位置を基準とする第2凸部124の先端部の高さ(g)=1.5(mm)(第1面110から第2面120へ向かう方向が正)
g/h=0.5
(∴−0.3≦g/h≦0.5)
【実施例6】
【0091】
図11−1は、実施例6にかかるプラスチックレンズの平面図である。また、図11−2は、図11−1のA−A線に沿う断面図である。なお、A−A線はプラスチックレンズの光軸中心を通る直線である。
【0092】
(条件式(1)に関する数値)
光軸140に直交する平面と第1傾斜面122bとのなす角度(θ1)=23°
光軸140に直交する平面と第2傾斜面122cとのなす角度(θ2)=80°
(∴θ1<θ2)
【0093】
(条件式(2)に関する数値)
第2凸部124の先端部に対するゲート部131の底面の高さ(i)=1.65(mm)
第2凸部124の先端部に対する凹部122の頂点122aの高さ(f)=1.0(mm)
i−f=0.65(>0)
【0094】
(条件式(3)に関する数値)
レンズ中央部の肉厚(t)=1.2(mm)
レンズ外周部の肉厚または第2面120の光学機能面外周端(第1凸部123の先端部)から第1面110の光学機能面外周部までの肉厚(h)=3(mm)
t:h=0.33
(∴1:3.5≦t:h≦1:2)
【0095】
(条件式(4)に関する数値)
f/h=0.15
(∴0.2≦f/h≦0.6)
【0096】
(条件式(5),(6)に関する数値)
プラスチックレンズ100の外径(a1)=13.8(mm)
第1面110の光学有効面径(a)=12.4(mm)
第2面120の光学有効面径(b)=6.2(mm)
b/a=0.5
b/a1=0.45
(∴0.4≦b/a≦0.65)
(∴0.4≦b/a1≦0.65)
【0097】
(条件式(7)に関する数値)
第2凸部124の外径(c)=12.6(mm)
c/a1=0.913
(∴0.75≦c/a1≦1)
【0098】
(条件式(8)に関する数値)
第2凸部124の内径(e)=11.3(mm)
e/c=0.897
(∴0.75≦e/c≦0.9)
【0099】
(条件式(9)に関する数値)
第1凸部123の先端部の位置を基準とする第2凸部124の先端部の高さ(g)=−0.6(mm)(第1面110から第2面120へ向かう方向が正)
g/h=−0.2
(∴−0.3≦g/h≦0.5)
【0100】
(参考例)
次に、参考例として従来の一般的なプラスチックレンズの構成を示す。図12−1は、従来の一般的なプラスチックレンズの平面図である。図12−2は、図12−1のA−A線に沿う断面図である。
【0101】
この参考例においても、この発明によるプラスチックレンズ100と同様に、光学機能を有する第1面510および第2面520と、第1面510および第2面520の外周部に形成された外周面530とから形成され、レンズ外周部の肉厚よりもレンズ中央部の肉厚が薄く構成されているプラスチックレンズ500を考えてみる。外周面530には、レンズ成形時の樹脂射出口の配設位置に形成されるゲート部531が形成される。ここで最も特徴としてあげられることは、従来の一般的なプラスチックレンズ500の第2面520に、この発明のプラスチックレンズ100が有する凹部122が形成されていない点である。
【0102】
図13は、従来の一般的なプラスチックレンズ500を成形するためのキャビティの一部を示す部分構成図である。図のように、ゲート601からキャビティ600内に射出された樹脂は、外周壁面602に沿って流れる流動勢力が強く、キャビティ600の中央部には外周壁面602側より遅れて流れ込むため、キャビティ600内で樹脂の流動が合流する箇所が生じることになる。
【0103】
図14は、従来の一般的なプラスチックレンズ500を成形するためのキャビティ600内の樹脂の流動状態を示す概略図である。図中、キャビティ600内に示された曲線は、単位時間経過後の樹脂の流動先端位置を示したものである。プラスチックレンズ500の第2面520には、この発明のように凹部122が形成されていない。このため、樹脂が一旦キャビティ600のゲート601から射出された後は樹脂の流動を制御することはできず、キャビティ600内で異なる樹脂の流動速度が生じ、キャビティ600内を流動する樹脂の合流点の発生を回避することができない。図14に示したように、樹脂の流動先端位置の幅が狭くなっている箇所に樹脂の合流点が発生しやすくなる。この合流点が光学的欠陥であるウェルドラインを発生させることになる。
【0104】
以上のように、この発明によれば、プラスチックレンズの成形時に、第2面120の凹面121の周囲に凹部122を形成することで、光学的欠陥であるウェルドラインの発生を防止することができる。特に、上記各条件式を満足するプラスチックレンズを成形することで、プラスチックレンズ成形時における、キャビティ200の外周部202に沿って流れる樹脂の流動勢力とキャビティ200の中央部に向かって流れる樹脂の流動勢力とのバランスがより均一に近い状態に維持され、キャビティ200内を流れる樹脂の速度が一様になるように制御することができる。この結果、キャビティ200内を流動する樹脂の合流点が発生しにくくなり、ウェルドラインの発生を回避することができる。図12−1〜図14を参照して説明した従来技術と比較すれば、この発明の優位性がより一層明確になる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
以上のように、この発明にかかるプラスチックレンズは、高い光学性能が要求される撮像装置に有用であり、特に、高解像度が要求される撮像装置に適している。
【符号の説明】
【0106】
100,500 プラスチックレンズ
110,510 第1面
120,520 第2面
121 凹面
122 凹部
122a 頂点
122b 第1傾斜面
122c 第2傾斜面
123 第1凸部
124 第2凸部
130,530 外周面
131,531 ゲート部
140 光軸
200,600 キャビティ
201,601 ゲート
202 外周部
203 凸部
204 溝
602 外周壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学機能を有する第1面および第2面と、前記第1面および前記第2面の外周部に形成された外周面と、を備え、外周部の肉厚よりも中央部の肉厚が薄く構成されたプラスチックレンズであって、
前記第2面は、光学機能面である凹面と、前記凹面の外周に沿って形成された凹部と、前記凹面と前記凹部との境界に形成された第1凸部と、前記凹部と前記外周面との境界に形成された第2凸部と、を備え、
前記外周面は、レンズ成形時の樹脂射出口の配設位置に形成されるゲート部を備えていることを特徴とするプラスチックレンズ。
【請求項2】
前記凹部の頂点と前記第1凸部とを結ぶ第1傾斜面と、前記凹部の頂点と前記第2凸部とを結ぶ第2傾斜面と、が形成され、
前記プラスチックレンズの光軸に直交する平面と前記第1傾斜面とのなす角度をθ1、前記プラスチックレンズの光軸に直交する平面と前記第2傾斜面とのなす角度をθ2とするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックレンズ。
(1) θ1<θ2
【請求項3】
前記第2凸部の先端部に対する前記ゲート部の底面の高さをi、前記第2凸部の先端部に対する前記凹部の頂点の高さをfとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチックレンズ。
(2) i−f>0
【請求項4】
前記プラスチックレンズの中央部の肉厚をt、前記プラスチックレンズの外周部の肉厚または前記第2面の光学機能面外周端(前記第1凸部の先端部)から前記第1面の光学機能面外周部までの肉厚をhとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプラスチックレンズ。
(3) 1:3.5≦t:h≦1:2
【請求項5】
前記第2凸部の先端部に対する前記凹部の頂点の高さをfとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項4に記載のプラスチックレンズ。
(4) 0.2≦f/h≦0.6
【請求項6】
前記プラスチックレンズの外径をa1、前記第1面の光学有効面径をa、前記第2面の光学有効面径をbとするとき、少なくとも以下の条件式のいずれかひとつを満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のプラスチックレンズ。
(5) 0.4≦b/a≦0.65
(6) 0.4≦b/a1≦0.65
【請求項7】
前記第2凸部の外径をcとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項6に記載のプラスチックレンズ。
(7) 0.75≦c/a1≦1
【請求項8】
前記第2凸部の内径をeとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項7に記載のプラスチックレンズ。
(8) 0.75≦e/c≦0.9
【請求項9】
前記第1面から前記第2面へ向かう方向を正とし、前記第1凸部の先端部の位置を基準とする前記第2凸部の先端部の高さをgとするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項4〜8のいずれか一つに記載のプラスチックレンズ。
(9) −0.3≦g/h≦0.5
【請求項10】
前記第1面は、物体側または像側に配置されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のプラスチックレンズ。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−118403(P2012−118403A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269715(P2010−269715)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000133227)株式会社タムロン (355)
【Fターム(参考)】