説明

プラスチック物品を色味付ける方法

【課題】プラスチック物品を色味付ける方法を提供する。
【解決手段】該方法は(a)熱硬化性または熱可塑性のポリマーを含んでなるプラスチック物品を提供すること、(b)前記プラスチック物品の少なくとも一部の表面を少なくとも1つの染料および水を含んでなる処理用組成物と接触させること、(c)色味付けされたプラスチック物品を形成するのに少なくとも十分な時間、前記プラスチック物品の前記部分を前記処理用組成物と接触させた状態で保持すること、(d)前記色味付けされたプラスチック物品を前記処理用組成物との接触から取り除くこと、および(e)前記色味付けされたプラスチック物品を水で洗浄して、過剰な染料を除去することを含む。該方法は、有機溶媒が無い状態で、固定またはさらなる加工工程を必要とせずに行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機溶媒を用いずにプラスチック物品を色味付ける方法に関する。熱可塑性のポリウレタンまたはポリカーボネートの成形品のようなプラスチック物品を1以上の染料および水を含む処理用組成物と接触させる。
【背景技術】
【0002】
着色プラスチック物品は、顔料および/または染料を直接、物品が製造されるポリマー材料中に組み入れることによって(例えば、コンパウンドによって)製造され得る。このような直接組込法は、成形品の実質的に全体に分散される着色剤を生じさせる。直接組込法は、日除けレンズの場合のように、単に軽く着色されているかまたは色味付けされている(例えば、決して不透明ではない)成形品の製造に特によく適しているわけではない。典型的には、直接組込法によって、軽く着色されたまたは色味付けされたプラスチック物品を製造するために必要な少量の着色剤を適切におよび十分に分散させることは困難である。
【0003】
染料および樹脂のマスターバッチを用いて、コンパウンドおよび/または押出工程中に組み入れる染料の量をより良好に制御し得るが、マスターバッチの調製はさらなる工程を必要とする。さらに、マスターバッチの樹脂は少なくとも2回の熱サイクル(1つはマスターバッチの調製中、もう1つは染色成形品の製造中)に曝され、これにより、低下した物理特性、および熱的黄変に起因して、意図された色と異なった色を有する最終成形品が生じ得る。
【0004】
有機溶媒の使用に関する環境的懸念の観点から、最近になって、染色用水性組成物を使用する染色法の開発に対する需要性が増加してきた。さらに、有機溶媒の使用は、焼成して溶媒を除去する、さらなる加工工程が必要となる、最終製品での臭気問題を引き起こし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
任意の有機溶媒またはその成分を最小限に抑えながらまたは排除しながら十分な着色を付与する染色用水性組成物を用いる、プラスチック物品を染色する新規な方法を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従えば、
(a)熱硬化性または熱可塑性のポリマーを含んでなるプラスチック物品を提供すること、ただし、該プラスチック物品はジエチレングリコールビスアリルカーボネートから調製されたポリマーを含まない、
(b)前記プラスチック物品の表面の少なくとも一部を少なくとも1つの染料および水を含んでなる処理用組成物と接触させること、
(c)色味付けされたプラスチック物品を形成するのに少なくとも十分な時間、前記プラスチック物品の前記部分を前記処理用組成物と接触させた状態で保持すること、
(d)前記色味付けされたプラスチック物品を前記処理用組成物との接触から取り出すこと、および
(e)前記色味付けされたプラスチック物品を水で洗浄して、過剰な染料を除去すること
を含んでなり、該処理用組成物は有機溶媒を含まないことを特徴とする、プラスチック物品を色味付ける方法が提供される。本発明の優位点は、固定またはさらなる加工工程を必要とせずに行い得ることである。
【0007】
さらなる態様においては、本発明は染色作業が完了した後に染料分離工程を含み、該分離工程は、
(i)処理用組成物を粒状活性炭と接触させて処理用組成物と粒状活性炭との混合物を形成すること、
(ii)水を含んでなる、染料非含有液体を混合物から単離すること、および
(iii)少なくとも1つの染料を、染料非含有液体に添加し、これにより、さらなる処理用組成物を形成すること
のさらなる工程を含む。さらなる加工は、例えば環境的理由のためなど、処理用組成物の再循環が望まれている場合に有用である。例えば水処理施設における処理用ドレンに水を送ることによって、処理水を処分することも可能である。
【0008】
実施例中、または特記する場合を除き、本明細書および特許請求の範囲に用いられる、成分、反応条件などの量を表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されると理解される。全ての範囲には、そこに包含される任意の下位の範囲が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ある態様においては、本発明は、
(a)熱硬化性または熱可塑性のポリマーを含んでなるプラスチック物品を提供すること、ただし、該プラスチック物品はジエチレングリコールビスアリルカーボネートから調製されたポリマーを含まない、
(b)前記プラスチック物品の表面の少なくとも一部を少なくとも1つの染料および水を含んでなる処理用組成物と接触させること、
(c)色味付けされたプラスチック物品を形成するのに少なくとも十分な時間、前記プラスチック物品の前記部分を前記処理用組成物と接触させた状態で保持すること
(d)前記色味付けされたプラスチック物品を前記処理用組成物との接触から取り出すこと、および
(e)前記色味付けされたプラスチック物品を水で洗浄して、過剰な染料を除去すること
の工程を含んでなり、該処理用組成物は有機溶媒を含まないことを特徴とする、プラスチック物品を色味付ける方法を提供する。
【0010】
本明細書において、用語「有機溶媒」とは、炭素、水素および必要に応じて酸素を含有し、通常は25℃で液体であるかまたは100℃まで温度を昇温させることによって液体に容易に変換される任意の物質のことである。加えて、用語有機溶媒とは、さらに、共に混合される2以上のこれらの物質の組み合わせのことである。
【0011】
本明細書において、用語「固定」とは、工程段階または染色物品における色の損失を防止する、または減少させる化合物の添加のことである。
【0012】
処理用組成物は、染料および水を含んでなる。さらなる実施態様においては、該処理用組成物は、本質的に染料および水からなる。これに関して、物品への染料の浸透を強化することに用いられる任意の化合物、例えば溶媒などは、必要ではなくなり、該組成物から排除される。
【0013】
従って、染料は水溶性である。好ましくは、染料は液体染料である。もっとも好ましくは、染料は、米国特許第4284729号、同第4460690号、同第4732570号および同第4812141号に記載のアルキレンオキシ置換発色団である。
【0014】
染料は、典型的には0.001重量%〜15重量%以下、より典型的には0.005重量%〜5重量%以下、さらに典型的には0.01重量%〜1重量%以下、さらになお典型的には0.01重量%〜0.5重量%以下の間の量で処理用組成物中に存在する。該染料は、これらの上限値と下限値の(これらの値を含む)任意な組み合わせの間の範囲の量で浴中に存在してもよく、いずれの場合にも処理用組成物の全重量を基準とする。
【0015】
水は、典型的には、85重量%、95重量%および99.999重量%の量で処理用組成物中に存在し、重量%はいずれの場合にも処理用組成物の全重量を基準とする。用いる水は、好ましくは、脱イオン化工程または蒸留によって典型的に得られる、鉱物非含有水である。
【0016】
本発明の好適な実施態様において、処理用組成物は、処理用組成物の全重量を基準として0.001〜0.5重量%の前記染料、および99.5〜99.999重量%の水を含有する。
【0017】
本発明の実施態様において、処理用組成物は、界面活性剤(または乳化剤)をさらに含む。本発明における適当な界面活性剤は、水に注がれると容易に分散可能であって、その撹拌に際して乳状のエマルションを形成することが多い。適当な界面活性剤として、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤、例えばポリ(C〜Cアルコキシル化)C14〜C18不飽和脂肪酸、ポリ(C〜Cアルコキシル化)フェノールおよびポリ(C〜Cアルコキシル化)C〜Cアルキル置換フェノールなどが挙げられる。界面活性剤の組み合わせを用いてもよい。
【0018】
適当なアニオン性界面活性剤として、例えば、カルボン酸、スルファミン酸またはリン酸のアミン塩またはアルカリ塩、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、リグノスルホン酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ナトリウム塩およびアミンの酸塩、例えばラウリルアミン塩酸塩またはフェノール1−(メチルフェニル)エチル誘導体とのポリ(オキシ−1,2−エタンジイル),アルファ−スルホ−オメガ−ヒドロキシ−エーテルアンモニウム塩が挙げられる。
【0019】
適当な両性界面活性剤として、例えば、ラウリルスルホベタイン;ジヒドロキシエチルアルキルベタイン;ヤシ油酸に基づくアミドベタイン;N−ラウリルアミノプロピオン酸二ナトリウム;またはジカルボン酸ヤシ油誘導体のナトリウム塩が挙げられる。
【0020】
ポリ(C〜Cアルコキシル化)C14〜C18不飽和脂肪酸の例として、エトキシル化、プロポキシル化および/またはブトキシル化テトラデセニルカルボン酸が挙げられる。ポリ(C〜Cアルコキシル化)フェノールの例として、エトキシル化、プロポキシル化および/またはブトキシル化フェノールが挙げられる。ポリ(C〜Cアルコキシル化)C〜Cアルキル置換フェノールの例として、オクチルフェノキシポリエチレンオキシエタノールおよびアルファ−フェニル−オメガ−ヒドロキシ,スチレン化ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)が挙げられる。グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールなどを界面活性剤として用い得る。ベンジルアルコールも界面活性剤として適当である。
【0021】
任意の界面活性剤(乳化剤)は、15重量%以下の量で用い得る。好ましくは、存在する場合、界面活性剤は、処理用組成物の重量を基準として、0.5〜15重量%、より好ましくは1〜4重量%の量で処理用組成物中に存在する。
【0022】
処理用組成物は、少なくとも1つのUV安定剤、蛍光増白剤、離型剤、帯電防止剤、熱安定剤、IR吸収剤および抗微生物剤(物質または化合物)から選択される性能強化性添加剤を含む。任意の添加剤が上記の溶媒の定義内に含まれ得る限り、添加剤はプラスチック物品の着色に必要ではないことに留意すべきである。
【0023】
実施態様において、プラスチック物品は、顔料、架橋ポリメチルメタクリレート微小球、ガラス微小球および金属フレークの少なくとも1つを含有する。
【0024】
処理用組成物中の1以上のこれらの任意の性能強化性添加剤の包含は、染色プラスチック物品の物理的性能/特性を改良することに役立つ。染料に加えて、任意の添加剤も、処理用組成物中に浸漬される間、プラスチック物品のバルク中に拡散、含浸あるいは吸収される。例えば、処理用組成物中にUV安定剤を含むことは、改良されたUV耐性を有する染色プラスチック物品を生じさせる。離型剤は、プラスチック物品が熱可塑性ペレットおよび/または熱可塑性ストランドから選択され、これらから成形品が後に製造される場合には、処理用組成物中により有利に含まれる。任意の性能強化性添加剤は、熱可塑性および熱硬化性の成形プラスチック物品の製造に用いるのに既知であるものから選択され得る。
【0025】
本発明の処理用組成物中に用い得るUV(紫外線)安定剤(または吸収剤)の種類として、これらに限定されないが、サリチル酸UV吸収剤、ベンゾフェノンUV吸収剤、ベンゾトリアゾールUV吸収剤、シアノアクリレートUV吸収剤およびこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
本発明の方法において用い得るUV安定剤のさらなる種類として、少なくとも1つのポリ(オキシアルキレン)鎖で変性されたものが挙げられる。このようなポリ(オキシアルキレン)鎖変性UV安定剤は、プラスチック物品中に吸収される(または拡散される)と低い移行特性を有することを特徴とする(例えば、これらは着色プラスチック物品から移行せず、着色される第2の物品の元となる第2の、無色のプラスチック物品中に吸収される)。ポリ(オキシアルキレン)鎖は、C〜C20アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシド)の反応から形成されたホモポリマー、コポリマーまたはブロックポリマーであり得る。ポリ(オキシアルキレン)基は、ヒドロキシル基、C〜C20アルキルエーテル基、またはC〜C20エステル基で停止され得る。ポリ(オキシアルキレン)鎖変性UV安定剤は、例えば、米国特許第6602447号にさらに詳細に記載されている。
【0027】
本発明の方法における処理用組成物中に含まれ得る蛍光増白剤は、典型的には、450nm以下の光波長を吸収し、550nm以下、好ましくは525nm以下などのような、より高い波長で光を放出する。放射光が可視スペクトルの青色領域にあることは好ましい(例えば、少なくとも約400nm〜約525nmまでの波長を有する放射光)。もっとも好ましくは、放出された光は約500nm以下である。
【0028】
本発明において用い得る蛍光増白剤の種類として、これらに限定されないが、ベンゾオキサゾール誘導体およびスチルベン誘導体が挙げられる。本発明において用い得る市販されているベンゾオキサゾール誘導体の例として、これらに限定されないが、2,2’−(2,5−チオフェネジイル)ビス[5−tert− ブチルベンゾオキサゾール](CibaからUvitex(登録商標)OBとして市販されている);ベンゾオキサゾール誘導体、例えばBlankophor(登録商標)KLA(ピッツバーグ、ペンシルバニア州のBayer製);Hostalux(登録商標) KCB(ムッテン、スイスのClariant製);およびHostalux(登録商標) KCU(Clariant製)が挙げられる。市販されているスチルベン誘導体の例は、4,4’−ビス(2−ベンゾオキサゾイル)スチルベンである(キングスポート、テネシー州のEastmanからEastobrite(登録商標) OB−1として市販されている)。本発明において用い得るさらなる種類の蛍光増白剤として、これらに限定されないが、4,4’−ジアミノスチルベン−2−2’−ジスルホン酸の誘導体;クマリン誘導体(例えば、4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン);およびビス−(スチリル)ビフェニルが挙げられる。
【0029】
処理用組成物中に含まれ得る離型剤の種類として、これらに限定されないが、脂肪酸系離型剤、脂肪酸アミド系離型剤、アルコール系離型剤、脂肪酸エステル系離型剤、シリコーン系離型剤およびこれらの混合物または組み合わせが挙げられる。用い得る脂肪酸系離型剤として、例えば、ステアリン酸およびヒドロキシステアリン酸が挙げられる。用い得る脂肪酸アミド系離型剤として、例えば、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミドおよびアルキレンビス脂肪酸アミドが挙げられる。本発明の方法における処理用組成物中に含まれ得る帯電防止剤として、これらに限定されないが、非イオン性帯電防止剤、例えば、フルオロカーボン基を含有するものなど、およびシリコーン油、例えばBAYSILONE O1 A(Bayer AG、ドイツから市販されている)などが挙げられる。本発明において用い得る帯電防止剤のさらなる例として、ジステアリルヒドロキシルアミン、トリフェニルアミン、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、ピリジンN−オキシドおよびエトキシル化ソルビタンモノラウレートが挙げられる。
【0030】
本発明の方法の処理用組成物中に含まれ得る熱(または耐熱)安定剤の種類として、これらに限定されないが、フェノール安定剤、有機チオエーテル安定剤、有機ホスファイド安定剤、ヒンダードアミン安定剤、エポキシ安定剤およびこれらの混合物が挙げられる。熱安定剤の具体例として、これらに限定されないが、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、o−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス−(メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、β−ナフチルアミン、p−フェニレンジアミン、およびCiba Specialty Chemicalから商標IRGANOX1035熱安定剤として市販されているチオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシヒドロシンナメートが挙げられる。
【0031】
本発明の方法において用い得る赤外線(IR)吸収剤として、スペクトルのIR領域において吸収する染料が挙げられる。市販されているIR吸収剤の例として、Glendale Protective Technologies,Inc.、レイクランド、フロリダ州から市販されているCYASORB IR−99、IR−126およびIR−165が挙げられる。
【0032】
本発明の方法における処理用組成物中に含まれ得る抗微生物剤として、例えば、病原性微生物のような微生物に抗微生物活性を有する物質が挙げられる。本明細書および特許請求の範囲において用いる用語「抗微生物剤」には、防腐物質、殺菌物質および抗真菌物質も含まれる。さらに、抗微生物剤は、活性化前の形態で、例えば、引き金となる事象、例えば活性化前の物質への微生物の作用などが発生するまで抗微生物的に活性にならない形態で用いることもできる。
【0033】
処理用組成物中に含まれ得る抗微生物剤の例として、これらに限定されないが、キノロン、例えばナリジクス酸、ピペミド酸、シノキサシン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシンおよびエノキサシンなど;アミノグリコシド、例えばゲンタマイシン、カナマイシン、アミカシン、シソマイシン、トブラマイシンおよびネチルミシンなど;マクロライド、例えばエリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびアジスロマイシンなど;ポリペプチド、例えばバシトラシン、ムピロシン、チロトリシン、グラミシジンおよびチロシジンなど;リンコマイシン、例えばリンコマイシンおよびクリンダマイシンなど;および抗マイコバクテリア剤、例えばリファンピシンおよびフシジン酸などが挙げられる。処理用組成物中に用い得る抗微生物剤のさらなる例として、10,10’−オキシビス−フェノキシアルシン;2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン;2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノールとも呼ばれ、通常、トリクロサンと称される);N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;およびN−(トリクロロメチルチオ)フタルアミドが挙げられる。
【0034】
性能強化性添加剤は、用いる場合、典型的に、処理用組成物の全量を基準として15〜0.001%、5〜0.2%、および2〜0.05%の合計量で処理用組成物中に存在する。
【0035】
さらなる添加剤、例えば離型剤、充填剤、UV安定剤、加水分解安定剤および熱安定剤、繊維またはフレークの形態の補強剤(例えば、アルミニウムフレークのような金属フレーク)、難燃剤、顔料、および乳白剤、例えば二酸化チタンなど、光拡散剤、例えばポリテトラフルオロエチレン、酸化亜鉛、Rohm and Haasから入手可能なParaloid EXL−5136および架橋ポリメチルメタクリレート微小球(例えば、Ngase Americaからのn−licrosphereなど)をプラスチック物品にコンパウンドしてもよい。
【0036】
本発明の方法は、プラスチック物品を染色することを含む。該プラスチック物品は、熱可塑性および/または熱硬化性のポリマーから選択される少なくとも1つのポリマーを含むことができ、これらの用語は当技術分野において理解される。適当なポリマーとして、例えば、熱可塑性および熱硬化性のポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルポリカーボネートコポリマーおよびブレンド、ポリエチレングリコール(PETG)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ナイロン、ポリビニルアルコール、および可塑化ボリ塩化ビニルが挙げられる。任意のこれらのポリマーの混合物を用いてもよい。本発明の方法から特に除外されるものはジエチレングリコールビスアリルカーボネートから調製されるポリマーである。
【0037】
プラスチック物品は、当該分野で認識された方法によって製造された成形プラスチック物品であり得る。成形方法として、例えば、圧縮成形、射出成形、回転成形、押出成形、射出成形および押出ブロー成形、および注型成形が挙げられる。成形プラスチック物品は、造形品、フィルム(例えば、30ミル(762μm)未満の厚みを有するもの)、およびシート(例えば、30ミル(762μm)以上の厚みを有するもの)から選択され得る。造形成形品の例として、光学レンズ、眼科用レンズ、日除けレンズ、フェイスシールドおよび窓ガラス(例えば、自動車、トラックおよび航空機のような運搬用車両における窓、ならびに、住宅および商業用建物における窓)が挙げられる。成形プラスチック物品のさらなる例として、コンピューターフェースプレート;キーボード;ベゼルおよび携帯電話;全ての型の色分けされた包装および容器;住宅用および商業用の照明器具およびそれらの部品;シート、例えば、建物および建築に使用されるもの;プレート、カップおよび食器を含む食卓用食器類;小型電化製品およびその部品;ならびにフィルム挿入成形における使用を対象としたフィルムを含む装飾フィルムが挙げられる。プラスチック物品は、任意の型のスポーツ用品または運動靴または運動靴部品、例えば靴底、ミッドソール、靴の甲、空気袋およびエネルギー吸収パッドなどであってもよい。
【0038】
本発明の実施態様において、プラスチック物品は、熱可塑性ペレットおよび/または熱可塑性ストランドから選択される。熱可塑性ペレットおよびストランドは、当該分野で認識された方法、例えば押出または溶融紡績などで製造し得る。熱可塑性ペレットおよび/またはストランドを染色し、次いで、さらに加工し得る。本発明の実施態様において、染色熱可塑性ペレットおよび/またはストランドを、(例えば、押出機中で)溶融して溶融された染色熱可塑性組成物を形成し、次いで、該溶融された染色熱可塑性組成物を型中に導入(例えば、射出)する。型の内容物を冷却し、型を開け、および染色造形成形品をそこから取り出す。
【0039】
染色熱可塑性ペレットおよび/またはストランドをさらに加工するこの方法は、好ましくは、上記の直接組込法と区別される。染色熱可塑性ペレットおよび/またはストランドに関して、染料は(独立してポリマーに添加されるよりも)予め熱可塑性ポリマー内に存在し、これにより、所望のおよび再現可能な色味付けのレベルを有する成形品を製造することに関して、より一層の制御および信頼性が可能になる。
【0040】
プラスチック物品は、
(I) 処理用組成物中にプラスチック物品の表面の少なくとも一部を浸漬すること:
(II)処理用組成物をプラスチック物品の表面の少なくとも一部に塗布すること
の少なくとも1つによって、処理用組成物と接触させる。
【0041】
こうして、本発明の一態様において、色味付けされるプラスチック物品(例えば、レンズ)を、少なくとも部分的に処理用組成物中に浸漬する。プラスチック物品のバルクへの染料の少なくとも幾らかの含浸(拡散または吸収)を促進するのに少なくとも十分な時間および温度での浸漬により、その染色(または色味付け)は達成される。用いられる時間および温度は、プラスチック物品の組成に典型的に依存する。熱硬化性プラスチック物品は、典型的に、熱可塑性プラスチック物品よりも耐熱性である(例えば、より高い加熱ひずみ温度を有している)。このように、熱硬化性プラスチック物品は、典型的に、熱可塑性プラスチック物品よりも高温での処理用組成物中での浸漬に耐えることができ、これにより、より速い着色が可能になる。
【0042】
さらなる態様において、本発明には、噴霧塗布、カーテン塗布、流し塗りおよびスピン塗布を含む方法によるような、プラスチック物品の表面の少なくとも一部に処理用組成物を塗布することが含まれる。
【0043】
任意の上記方法の塗布についての接触時間は、典型的には20分未満、好ましくは1秒未満〜5分、より好ましくは30秒〜3分、もっとも好ましくは1〜3分である。接触時間は、任意のこれらの上限値と下限値の(記載された値を含む)間の範囲であり得る。
【0044】
プラスチック物品の接触中の処理用組成物の温度は、典型的に少なくとも室温(例えば、25℃)および処理用組成物の沸点および/または分解温度未満、および処理ポリマーまたは物品の変形/過熱たわみ温度未満である。典型的には、処理用組成物を25℃〜99℃、例えば、50℃〜75℃の温度に維持する。
【0045】
次いで、色味付けされた(または染色された)プラスチック物品を処理用組成物から取り出す。処理用組成物からの染色プラスチック物品の取り出しは、迅速にまたはゆっくりな速度で(例えば、色味付けの勾配を達成するのに十分な速度で)行い得る。着色勾配を有する染色プラスチック物品を形成する場合、処理用組成物中に長時間残る物品の部分は、(より早い時間で浴から取り出されたそれらの部分と比較して)より染料で含浸されるので、より大きい色味付けの程度を示す。
【0046】
処理用組成物は、染料、水、および任意の界面活性剤および性能強化性添加剤を一緒に任意の順序で混合することによって製造し得る。固体で単に水に溶けにくい性能強化性添加剤を用いる際には、フィルターバッグ中にこれらを有することが最も良好である。そうしないと、洗浄作業中に物品の表面から除去することはやや困難である。また、溶解されていない添加剤の一部は洗浄溶液中に浮かび、洗浄溶液を交換する際に失われるので、より多くの添加剤が必要とされる。
【0047】
さらなる実施態様において、浸漬法がプラスチック物品を接触させるために用いられる際には、処理用組成物は、浸漬タンク(または容器)に連続的に導入され、そしてそこから取り出されることによるなど、必要に応じて撹拌される。典型的には、浸漬タンクは、タンクから出口へと出口管を介して液体連絡するポンプと、(入口管を介して)液体連絡する入口を含む回路の一部である。該回路は、必要に応じて、入口管および/または出口管と直列に位置する少なくとも一つのフィルター、例えば、上記のようなバグフィルターを含み得る。好適には、浸漬タンクの入口および出口は、タンク内の処理用組成物の液体レベルよりも低い位置にある。
【0048】
浸漬タンク注入口は、タンクの内周の周りに複数の穿孔を有する管(例えば、拡散器または拡散リング)を含み得る。複数の穿孔を有するリングを通過させることによって浸漬タンクに処理用組成物を連続的に導入することは、浸漬タンク内での乱流混合のレベルを増大させ、そこに浸漬させたプラスチック物品の染色の効率および均一性を改善する。拡散リングにおける穿孔は、任意の適当な形状、例えば、円形、楕円、多角形またはこれらの組合せを有し得る。拡散リングの穿孔は、典型的に、0.79mm〜12.70mm、例えば、3.17mm〜6.35mmの直径を有する。拡散リングは、任意の適当な立体配置を有してもよく、例えば、拡散リングは、平担、凹状または凸状であり得る。
【0049】
本発明の方法の範囲は、さらなる工程を含み、これにより処理用組成物の組成は、例えば、最初の染料または性能強化性化合物が、その後の染料または性能強化性化合物で置換され得るように変性される。本発明の実施態様において、染料および任意の性能強化性添加剤は、処理用組成物の他の成分(例えば、水および任意の界面活性剤)から分離される。このような分離は、浴の非染料成分の再利用、例えば、別の染料との、または新鮮な染料との再利用、あるいは処理用組成物から取り出される染色プラスチック物品をすすぐための洗浄組成物としての再利用を可能にするので、環境的に好適である。さらに、染料分離法は、処理用組成物の染料が損傷を受けた場合、例えば、酸化された場合、またはそうでなければ(例えば、温度の急上昇に起因する過熱に起因して)変性された場合、行われ得る。
【0050】
染料分離工程は、処理用組成物を粒状活性炭に接触させ、次いで、分離工程前と実質的に同じ相対比率で水および任意の界面活性剤を含有する実質的に染料を含有しない液体をそこから分離することによって行われ得る。いくらかの性能強化性添加剤を、用いる添加剤に応じて、活性炭により取り除いてもよい。次いで、染料非含有液体を別の染料と混合して、異なった処理用組成物を形成させてもよい。処理用組成物は、活性炭を含有する床またはカラムに連続的に通過させることによって活性炭と接触させてもよい。
【0051】
活性炭は、典型的には、処理用組成物の実質的に全ての染料を保持し、好適には最小限量未満の処理用組成物の液体成分(例えば、水および任意の界面活性剤)を保持する。
【0052】
染料分離工程において単離された染料非含有液体は実質的に染料を含有せず、例えば、分光学的分析によって決定される、検出できない量の染料を含有する。粒状活性炭は、典型的に、200メッシュの粒度(例えば、0.075mmの粒度)を有する。本発明に用い得る市販されている粒状活性炭の例は、Calgon Carbon CorporationからのFiltrasorb 200活性炭である。
【0053】
染料分離を達成するために必要とされる活性炭の量は、処理用組成物の温度に部分的に依存する。一般に、染料分離を達成するために必要とされる活性炭の量は、処理用組成物の温度が低くなるにつれて少なくなり、および処理用組成物の温度が上昇するにつれて増加する。本発明の実施態様において、処理用組成物は25℃の温度で活性炭と接触する。
【0054】
染料非含有液体に添加する染料は、上記のもの、水溶性および好ましくは液体である。
【0055】
染料分離工程は、それぞれ上記のような種類および例から選択され得る、さらなる処理用組成物、例えば界面活性剤および/または性能強化性添加剤などに、さらなる材料を添加する工程をさらに含み得る。
【0056】
処理用組成物からの取り出しに際して、染色プラスチック物品を、典型的には、洗浄して過剰の処理用組成物物質をそこから除去する。洗浄工程は、典型的に、染色物品の表面の少なくとも一部を、水を含む洗浄組成物と接触させることにより達成される。洗浄組成物の水は、脱イオン水または蒸留水であってよく、加熱されてもよく、周囲温度であってもよい。水が加熱される場合、水は、典型的には、75℃の温度に維持される。
【0057】
洗浄組成物は、例えば、浸漬(浸し塗り)、噴霧塗布および/またはカーテン塗布によって、染色プラスチック物品の表面と接触させ得る。染色プラスチック物品の表面との接触後、洗浄組成物は、再生して、さらなる染色物品を洗浄することに用い得る。多くの洗浄サイクル後、染料は、典型的に、再利用した洗浄組成物中に蓄積する。蓄積された染料は、染料分離工程に関して上記したように、再生洗浄組成物を粒状活性炭と接触させることによって、再生洗浄組成物から除去することができる。次いで、再生洗浄組成物からの蓄積された染料を分離するに際して、染料を含まない再生洗浄組成物を、さらなる染色物品を洗浄するために用い得る。
【0058】
洗浄組成物は、典型的には、水のみを含有する。洗浄後、染色プラスチック物品は通常乾燥される。乾燥は、すすいだ染色プラスチック物品を柔らかい乾燥布でぬぐうことによって、および/または室温(25℃)に放置することによって達成し得る。あるいは、洗浄した染色プラスチック物品は、高温(25℃を超える)、例えば、50℃〜100℃の温度に曝すことによって乾燥し得る。さらに、(例えば、50℃〜100℃の温度を有する)暖気を、洗浄染色プラスチック物品の表面上に通過させ得る。
【0059】
本発明を以下の実施例でより詳細に説明するが、これらは例示のみを意図しており、多くの改変および変形は当業者にとって明らかであろう。特記しない限り、全ての部およびパーセンテージは、重量によるものである。
【実施例】
【0060】
以下の実施例において、各染浴を、脱イオン水を8リットルのステンレス鋼製の混合タンク中に添加することによって製造した。該水を、表1に示された温度にて、25グラムの固形Macrolex染料を予め置いたバグフィルターへ連続的に通過させた。染料を含有する、該加熱水を、該水を染料で飽和させるのに十分な時間、混合タンクからバグフィルターを通して循環させ混合タンクに戻し、こうして染浴を形成した。該染浴を、染色作業中に染浴の乱流混合を高めるのに十分な速度で混合タンクに戻して再生した。
【0061】
固形Macrolex染料の代わりにReactint(登録商標)液体染料の使用を必要とする表1における実験については、該水溶性液体染料を1リットルの溶液あたり2グラムの濃度で直接、循環溶液に添加した。
【0062】
飽和染浴を形成するための初期循環を、染浴温度がセット条件に達した後、約10分間行った。次いで染浴を、表1に示された温度で、および約3リットル/分の速度で上記系により連続的に循環した。
【0063】
以下の例において、染浴におけるMacrolex染料の量は、染浴中の水の全量を基準として、ゼロより大きく0.1重量%以下である正の量であると評価した。典型的には、少量のMacrolex染料が各実験の完了時にバグフィルター内に存在することを認めた。
【0064】
液体Reactint(登録商標)染料を必要とする実験においては、染料が完全に水中に溶解し、2g/リットルの溶液の濃度で溶液中に存在すると推定した。
【0065】
着色作業が完了した後、該染浴を周囲温度に冷却し、次いで沈殿染料を、20マイクロバグフィルターを通過させる濾過により液体相から分離した。濾過工程からの母液を、脱イオン化水から可溶性染料を除去するために活性炭を通して送り出した。該炭素処理後、無着色水は、再生して他の色に処方するか、あるいは廃棄するかのいずれかであった。
【0066】
試験からのデータを以下の表1に示す。
以下の材料を用いた:
Texin 270 −− ポリエステル樹脂、ショア硬度70D
Texin 970U −− ポリエーテル樹脂、ショア硬度70D
Texin DP7−1199 −− ポリエステル樹脂、ショア硬度70A
Desmopan DP 9370A −− ポリエーテル樹脂、ショア硬度70A
Makrolon 2308 −− ポリカーボネート樹脂
【0067】
【表1】

【0068】
例示の目的で本発明を上記に詳しく説明したが、そのような詳細は、単なる例示目的にすぎず、請求の範囲によって限定され得ることを除き、本発明の精神および範囲から逸脱せずに当業者によって変更され得ると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)熱硬化性または熱可塑性のポリマーを含んでなるプラスチック物品を提供すること、ただし該プラスチック物品はジエチレングリコールビスアリルカーボネートから調製されたポリマーを含まない、
(b)前記プラスチック物品の表面の少なくとも一部を少なくとも1つの染料および水を含んでなる処理用組成物と接触させること、
(c)色味付けされたプラスチック物品を形成するのに少なくとも十分な時間、前記プラスチック物品の前記部分を前記処理用組成物と接触させた状態で保持すること、
(d)前記色味付けされたプラスチック物品を前記処理用組成物との接触から取り出すこと、および
(e)前記色味付けされたプラスチック物品を水で洗浄して、過剰な染料を除去すること
を含んでなり、該処理用組成物が有機溶媒を含まないことを特徴とする、プラスチック物品を色味付ける方法。
【請求項2】
染料が水溶性液体染料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
染料がアルキレンオキシ置換発色団である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記処理用組成物を25〜99℃の温度で維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記処理用組成物を50〜75℃の温度で維持する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記時間が0.1秒未満〜5分である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記時間が30秒〜3分である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プラスチック物品を、
(I)前記処理用組成物中に前記プラスチック物品の表面の少なくとも一部を浸漬すること、および
(II)前記処理用組成物を前記プラスチック物品の表面の少なくとも一部に塗布すること
の少なくとも1つによって、前記処理用組成物と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記処理用組成物を噴霧塗布、カーテン塗布、流し塗りおよびスピン塗布の少なくとも1つによって前記プラスチック物品の表面の少なくとも一部に塗布する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱可塑性または熱硬化性のポリマーは、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルポリカーボネートコポリマーおよびブレンド、ポリエチレングリコール(PETG)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリウレタン、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ナイロン、ポリビニルアルコール、可塑化ボリ塩化ビニルおよびこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記処理用組成物は1以上の界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
界面活性剤はアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
界面活性剤はグリコール類からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
界面活性剤はジエチレングリコールである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記界面活性剤は前記処理用組成物の全重量を基準として1〜15重量%の量で存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記プラスチック物品は、顔料、架橋ポリメチルメタクリレート微小球、ガラス微少球および金属フレークの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記プラスチック物品は、造形品、フィルムおよびシートからなる群から選択される成形品である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記成形品は、光学レンズ、眼科用レンズ、日除けレンズ、フェイスシールド、窓ガラスおよび運動靴部品からなる群から選択される造形品である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
成形品が運動靴部品である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記プラスチック物品は、熱可塑性ペレットおよび熱可塑性ストランドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記処理された熱可塑性ペレットおよび前記処理された熱可塑性ストランドの少なくとも1つを溶融して、処理された溶融熱可塑性組成物を形成すること、および前記処理された溶融熱可塑性組成物を型内に導入し、これにより、処理された造形成形品を形成することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(i)前記処理用組成物を粒状活性炭と接触させて前記処理用組成物と粒状活性炭との混合物を形成すること、
(ii)実質的に染料を含まないおよび/または添加剤を含まない、水を含む液体を前記混合物から単離すること、
(iii)必要に応じて、少なくとも1つの染料を、前記実質的に添加剤を含まない水に添加し、これにより、さらなる処理用組成物を形成すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記処理用組成物を、複数の穿孔を有するリングを通して連続的に浸漬タンク中に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

【公開番号】特開2009−91578(P2009−91578A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−261839(P2008−261839)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】