説明

プラスモディウム属(Plasmodium)寄生生物を検出するための核酸プローブおよび方法

本発明は、プラスモディウム属(Plasmodium)寄生生物を検出する、ならびに異なるプラスモディウム属(Plasmodium)寄生生物を相互から選択的に検出するための新規核酸プローブおよび方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プラスモディウム属(Plasmodium)は寄生性原生動物の一属である。この属への感染はマラリアとして知られる。該寄生生物はその生活環に2宿主すなわち蚊媒介物および脊椎動物宿主を常に有する。熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)を包含する最低10種がヒトを感染させる。マラリアは熱帯および亜熱帯地域に広まっている感染性疾患である。マラリアは男性、女性および小児の生存に対する脅威である。それは毎年3億と5億人の間を感染させ、そして大部分はサハラ以南のアフリカの幼児で年に1と3百万の間の死亡を引き起こす。
【0002】
マラリアは最も一般的な感染性疾患の1つでありかつ大きな公衆衛生上の問題である。該疾患はプラスモディウム属(Plasmodium)の寄生原生動物により引き起こされる。最も重大な形態の該疾患は熱帯熱マラリア原生動物(Plasmodium falciparum)および三日熱マラリア原生動物(Plasmodium vivax)により引き起こされるが、しかし他の関連種(卵形マラリア原生動物(Plasmodium ovale)および四日熱マラリア原生動物(Plasmodium malariae))もまたヒトを感染させ得る。感染種を決定することは患者の処置の経過を決定するのに役立つ。
【0003】
マラリアの好ましくかつ最も信頼できる診断は、該4種の主要寄生生物種のそれぞれが識別する特徴を有するため、血液塗沫標本の顕微鏡検査である。2種の血液塗沫標本が伝統的に使用される。薄層は通常の血液塗沫標本に類似であり、そして、該寄生生物の外見がこの標本中で最良に保存されるために種の同定を可能にする。厚層は顕微鏡学者が大量の血液をスクリーニングすることを可能にし、そして薄層より約11倍より感受性であり、従って低レベルの感染を拾い上げることは厚層上でより容易であるが、しかし該寄生生物の外見ははるかにより歪められ、そして従って多様な種間を識別することははるかにより困難であり得る。
【0004】
厚層から、経験を積んだ顕微鏡学者は、赤血球の約0.0000001%までの寄生生物レベル(すなわち寄生生物血症)を検出し得る。しかしながら、顕微鏡的診断は全4種の初期栄養体(「環状」)が同一に見えるため困難であり得、そして単一の環状に基づき種を診断することは決して可能でなく;種の同定は常に数種の栄養体に基づく。
【0005】
顕微鏡検査が利用可能でない地域では、1滴の血液のみを必要とする抗原検出検査が存在する。OptiMAL−IT(R)(TCS Bio Sciences、英国バッキンガム)は、熱帯熱マラリア原生動物(falciparum)を0.01%寄生生物血症まで、および熱帯熱マラリア原生動物(falciparum)以外を0.1%まで確実に検出することができる。Paracheck−Pf(R)(Orchard Biomedical Systems、インド)は寄生生物血症を0.002%まで検出することができるが、しかし熱帯熱マラリア原生動物(falciparum)および熱帯熱マラリア原生動物(falciparum)以外のマラリアを識別することができない。寄生生物の核酸はポリメラーゼ連鎖反応を使用してもまた検出しうる。この技術は顕微鏡検査より正確である。しかしながらそれは高価でありかつ特化された実験室を必要とする。さらに、寄生生物血症の水準は、とりわけ寄生生物が血管壁に付着することが可能である場合に疾患の進行と必ずしも相関しない。制限された分子の方法、例えばQT−NASBA
(ポリメラーゼ連鎖反応に基づく)リアルタイムの定量的な核酸配列に基づく増幅)がいくつかの臨床検査および迅速リアルタイムアッセイで利用可能であるが、しかし現在開発中にすぎない。従って、感受性のローテク診断ツールが現場で低レベルの寄生生物血症を検出するために開発される必要がある。
【0006】
必要とされるものは、多様なマラリアを引き起こすプラスモディウム属(Plasmodium)種の迅速かつ正確な検出および識別のための試薬および方法である。
【発明の概要】
【0007】
[発明の要約]
本発明は、例えばハイブリダイゼーションアッセイで異なる種のプラスモディウム属(Plasmodium)寄生生物を検出および識別する核酸プローブに関する。従って、第一のアスペクトにおいて、本発明はハイブリダイゼーションアッセイでプラスモディウム属(Plasmodium)を検出するためのプローブとして使用されるべき核酸フラグメントを特徴とする。本発明は、熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)を識別し得るプローブ(DNA、RNAおよびPNA)もまた包含する。本発明の情況において、「を識別する」という用語(若しくは類似の用語)は、該プローブが1種からの核酸(例えばRNA、DNA、rRNA[リボソームRNA]若しくはrDNA[リボソームDNA])に他3種より好都合に結合することを意味している。
【0008】
第二のアスペクトにおいて、本発明は、PGenus1、PGenus2、Mal F1、MalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1、PO1と呼称されるプローブの1種若しくはそれ以上の好ましくは最低5、より好ましくは最低10若しくは最も好ましくは最低15の連続するヌクレオチドまたは配列全体、あるいはそれらの部分的若しくは完全長の相補配列から選択される配列を含有する核酸フラグメントを特徴とする。
【0009】
第三のアスペクトにおいて、本発明は、配列番号1から配列番号15と呼称されるプローブの1種若しくはそれ以上の最低5、好ましくは最低10、より好ましくは最低13若しくは最も好ましくは最低15の連続するヌクレオチドまたは配列全体、あるいはそれらの部分的若しくは完全長の相補配列から選択される配列を含有する核酸フラグメントを特徴とする。
【0010】
最後のアスペクトにおいて、本発明はサンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の検出方法を特徴とする。本方法において、サンプルを、プラスモディウム属(Plasmodium)核酸に核酸フラグメントをハイブリダイズさせる条件下で、PGenus1、PGenus2、Mal F1、MalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1若しくはPO1の好ましくは最低5、最低10、より好ましくは最低13若しくは最も好ましくは最低15の連続するヌクレオチドまたは配列全体から選択される配列、選択されるプローブ、あるいはそれらの部分的若しくは完全長の相補配列(あるいはそれらのいずれかの組合せ)を含有する核酸フラグメントと接触させる。サンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)核酸に結合された核酸フラグメントの検出はサンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の指示として使用する。上で列挙されたプラスモディウム属(Plasmodium)の4種間を識別する本発明のプローブでの検出はプラスモディウム属(Plasmodium)のその種の存在を示す。
【0011】
本発明の本アスペクトの一態様において、核酸フラグメントは、プローブPGenus
1の好ましくは最低5、より好ましくは最低10若しくは最も好ましくは最低15の連続するヌクレオチドまたは配列全体、あるいはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含有する。
【0012】
本発明の本アスペクトの第二の態様において、核酸フラグメントは、プローブPGenus2の好ましくは最低5、より好ましくは最低10若しくは最も好ましくは最低15の連続するヌクレオチドまたは配列全体、あるいはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含有する。
【0013】
本発明の本アスペクトの第三の態様において、核酸フラグメントは、プローブMalF1の好ましくは最低5、より好ましくは最低10若しくは最も好ましくは最低15または配列全体、あるいはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含有する。
【0014】
本発明の本アスペクトのなお別の態様において、核酸フラグメントは、プローブMalF2の好ましくは最低5、より好ましくは最低10若しくは最も好ましくは最低15ヌクレオチドまたは配列全体、あるいはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含有する。
【0015】
本発明の本アスペクトのなお別の態様において、核酸フラグメントは、プローブMal1.8Fの好ましくは最低5、より好ましくは最低10若しくは最も好ましくは最低15ヌクレオチドまたは配列全体、あるいはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含有する。
【0016】
本発明の本アスペクトのなお別の態様において、核酸フラグメントは、プローブMal1.8Rの好ましくは最低5、より好ましくは最低10若しくは最も好ましくは最低15ヌクレオチドまたは配列全体、あるいはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含有する。
【0017】
プローブPGenus 1、PGenus2、MalF1、MAlF2、Mal1.8FおよびMal1.8Rの一利点は、それらが試験されたプラスモディウム属(Plasmodium)の全3種を検出するが、こうして単一のプラスモディウム属(Plasmodium)の種を検出することに制限されないことである。本発明の他の特徴および利点は、それらの以下の詳細な記述およびまた付随する請求の範囲からも明らかであろう。
【0018】
特定の態様において、本発明はサンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の検出方法を企図しており、前記方法は、ハイブリダイゼーションアッセイでプラスモディウム属(Plasmodium)を検出するためのプローブと前記サンプルを接触させる段階(前記プローブは、前記プローブをプラスモディウム属(Plasmodium)核酸にハイブリダイズさせる条件下でプラスモディウム属(Plasmodium)の種を識別し);および前記サンプル中の前記プラスモディウム属(Plasmodium)核酸に結合した前記プローブを前記サンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の指示として検出する段階を含んでなる。
【0019】
先行する態様において、核酸フラグメントは、プローブPV1、PV2、PF1、PF3、PF4、PF5、PM1若しくはPO1それらの完全長の相補配列の最低5の連続するヌクレオチドから選択される配列を含んでなる。
【0020】
他のアスペクトにおいて、本発明はサンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の検出方法を企図しており、前記方法は、前記核酸フラグメントにプラス
モディウム属(Plasmodium)核酸にハイブリダイズさせる条件下で、PGenus1、PGenus2、MalF1、MalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1およびPO1よりなる群から選択されるプローブの最低5の連続するヌクレオチド若しくはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる核酸フラグメントと前記サンプルを接触させる段階;および前記サンプル中の前記プラスモディウム属(Plasmodium)核酸に結合した前記核酸フラグメントを前記サンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の指示として検出する段階を含んでなる。
【0021】
先行する態様において、核酸フラグメントは、PGenus1、PGenus2、MalF1、MalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1およびPO1よりなる群から選択されるプローブの完全長配列、最低15の連続するヌクレオチド、最低10の連続するヌクレオチド、最低5の連続するヌクレオチド若しくはそれらの完全長の相補配列から選択される配列から構成する。
【0022】
本発明はまた、PGenus1、PGenus2、MalF1およびMalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1、PO1よりなる群から選択されるプローブの最低5の連続するヌクレオチド若しくはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる核酸フラグメントも企図している。
【0023】
本発明はまた、PGenus1、PGenus2、MalF1およびMalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1、PO1よりなる群から選択されるプローブの最低10の連続するヌクレオチド若しくはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる核酸フラグメントも企図している。
【0024】
本発明はまた、PGenus1、PGenus2、MalF1およびMalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1、PO1よりなる群から選択されるプローブの選択される完全な配列若しくはそれらの完全長の相補配列を含んでなる核酸フラグメントも企図している。
【0025】
特定の態様において、本発明は、種、熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)を識別する核酸プローブの選択方法を企図しており、該方法は、熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)からの核酸の最低5ヌクレオチドの配列に対応する若しくは相補的な核酸フラグメント若しくはポリペプチド核酸、PNAを製造すること;ハイブリダイゼーションアッセイでプラスモディウム属(Plasmodium)の種の1種若しくはそれ以上を検出するプローブの能力を比較すること;ならびにプラスモディウム属(Plasmodium)の1、2若しくは3種を検出するがしかしプラスモディウム属(Plasmodium)の全4種はしないプローブ(1種若しくは複数)を選択することを含んでなる。
【0026】
本発明はまた、サンプル中の熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.Vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)の検出および識別方法も企図しており、前記方法は、i)マラリアを有することが疑われる被験体からのサンプル、なら
びにii)熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.Vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)を検出および識別するのに適する核酸を含んでなるプローブを提供すること;前記プローブの標的へのハイブリダイゼーションに適する条件下で前記サンプルを前記プローブと接触させること;ならびにサンプル中の熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.Vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)の存在(あれば)を決定することを含んでなる。
【0027】
一態様において、該方法は、熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)を検出するためのプローブが、PF1、PF3、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低5の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。別の態様において、該方法は、該プローブがPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低10の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。なお別の態様において、該方法は、該プローブがPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低15の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。
【0028】
一態様において、該方法は、三日熱マラリア原生動物(P.Vivax)を検出するためのプローブがPV1若しくはPV2の1種若しくはそれ以上の最低5の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。別の態様において、該方法は、該プローブがPV1若しくはPV2の1種若しくはそれ以上の最低10の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。なお別の態様において、該方法は、該プローブがPV1若しくはPV2の1種若しくはそれ以上の最低15の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。
【0029】
一態様において、該方法は、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)を検出するためのプローブがPM1およびPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低5の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図しており、ならびに、サンプルは、PM1の最低5の連続するヌクレオチドのプローブの試験結果が陽性でありかつPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の最低5の連続するヌクレオチドのプローブの試験結果が陰性である場合に四日熱マラリア原生動物(P.malariae)について陽性である。別の態様において、該方法は、該プローブがPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低10の連続するヌクレオチドおよびPM1の最低10の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。なお別の態様において、該方法は、該プローブがPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低15の連続するヌクレオチドおよびPM1の最低15の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。
【0030】
一態様において、該方法は、卵形マラリア原生動物(P.ovale)を検出するためのプローブが、PO1およびPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低5の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図しており、ならびに、サンプルは、PO1の最低5の連続するヌクレオチドのプローブの試験結果が陽性でありかつPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の最低5の連続するヌクレオチドのプローブの試験結果が陰性である場合に卵形マラリア原生動物(P.ovale)について陽性である。別の態様において、該方法は、該プローブがPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低10の連続するヌクレオチドおよびPO1の最低10の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。なお別の態様において、該方法は、該プローブがPF1、PF2、PF
3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低15の連続するヌクレオチドおよびPO1の最低15の連続するヌクレオチドの核酸配列から選択されることを企図している。
【0031】
先行する態様のいずれにおいても、使用されるプローブ(1種若しくは複数)は、本明細書に開示されるところのヌクレオチド配列全体若しくはそれらの相補鎖、ならびに該プローブの5、10若しくは15の連続するヌクレオチドの相補配列のものでありうる。
【0032】
[発明の詳細な記述]
本発明は、例えばハイブリダイゼーションアッセイでプラスモディウム属(Plasmodium)の寄生生物(例えば熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale))を検出するための核酸を特徴とする。本発明のプローブは生物学的サンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の検出方法で使用しうる。これらの方法において、本発明のプローブをハイブリダイゼーションアッセイで生物学的サンプル(例えば全血、CSF若しくは組織サンプル)と接触させ、そして、該サンプル中の核酸に結合したプローブの検出を、該サンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の指示として使用する。本発明に包含されるプローブは、
A(1)熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)からの核酸の最低10ヌクレオチドの配列に対応する若しくは相補的な核酸フラグメント若しくはポリペプチド核酸、PNA(すなわちプローブ)を製造すること、および(2)ハイブリダイゼーションアッセイで全部のプラスモディウム属(Plasmodium)の種を検出するプローブの能力を比較すること。他3種よりも好都合に熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)にハイブリダイズするプローブが本発明に包含される。
B(1)三日熱マラリア原生動物(P.vivax)からの核酸の最低10ヌクレオチドの配列に対応する若しくは相補的な核酸フラグメント若しくはPNA(すなわちプローブ)を製造すること、および(2)ハイブリダイゼーションアッセイで全部のプラスモディウム属(Plasmodium)の種を検出する該プローブの能力を比較すること。他3種より好都合に三日熱マラリア原生動物(P.vivax)にハイブリダイズするプローブが本発明に包含される。
C(1)四日熱マラリア原生動物(P.malaiiae)からの核酸の最低10ヌクレオチドの配列に対応する若しくは相補的な核酸フラグメント若しくはPNA(すなわちプローブ)を製造すること、および(2)ハイブリダイゼーションアッセイで全部のプラスモディウム属(Plasmodium)の種を検出する該プローブの能力を比較すること。他3種より好都合に四日熱マラリア原生動物(P.malariae)にハイブリダイズするプローブが本発明に包含される。
D(1)卵形マラリア原生動物(P.ovale)からの核酸の最低10ヌクレオチドの配列に対応する若しくは相補的な核酸フラグメント若しくはPNA(すなわちプローブ)を製造すること、および(2)ハイブリダイゼーションアッセイで全部のプラスモディウム属(Plasmodium)の種を検出する該プローブの能力を比較すること。他3種より好都合に卵形マラリア原生動物(P.ovale)にハイブリダイズするプローブが本発明に包含される、
により同定されうる。
【0033】
熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)核酸は、当該技術分野の標準的核酸単離法を使用して、感染した個体からの生物学的サンプル(全血、骨髄、CSFのような)から得ることができる。熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)(ならびに三日熱マラリア原生
動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale))は培養物からもまた得ることができる。例えば、プラスモディウム属(Plasmodium)リボソームRNAをコードするDNAは、本明細書に記述されかつ当該技術分野で既知の方法およびプライマーを使用して感染患者の全血サンプルから調製したDNAのPCR増幅により得ることができる。
【0034】
いかなるプラスモディウム属(Plasmodium)配列(例えば58、5.8S、18S若しくは28SリボソームRNAをコードする配列)も、プローブの同定のための候補配列として選択しうる。好ましい配列は、ヒト以外のプラスモディウム属(Plasmodium)、または系統学的比較により決定されるところの例えばバベシア属(Babesia)若しくはティレリア属(Thileria)のような他の寄生原生動物の類似の配列から分岐するものである。本発明の核酸プローブは長さ最低10ヌクレオチドであり、そしてデオキシリボヌクレオチド(DNAプローブ)、リボヌクレオチド(RNAプローブ)、ペプチド核酸(PNAプローブ)またはそれらの組合せ若しくは修飾を含有しうる。該プローブは一本鎖若しくは二本鎖であることができ、ならびに当該技術分野における多数の標準的方法のいずれによっても製造しうる。例えば、プローブは、化学合成、ベクター(例えば該プローブに対応する配列を含有するプラスミド)の制限エンドヌクレアーゼ消化、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、若しくは該プローブに対応する配列を含有するベクターのin vitro転写により作成しうる(例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing、ニューヨーク州ニューヨーク、1994(引用することにより本明細書に組込まれる)を参照されたい)。プローブは合成の間若しくは後に標識しうる。例えば、例えば放射性同位元素(例えばp32、S35若しくはH3)、ビオチンまたはジゴキシゲニンを含有する標識ヌクレオチドを合成の間にプローブに取り込みうる。ビオチンを含有するプローブは、蛍光色素(例えばフルオレセイン若しくはローダミン)または酵素(例えばアルカリホスファターゼ若しくはワサビペルオキシダーゼ)のような検出可能な標識を含有する、アビジン若しくはストレプトアビジンのような二次試薬の使用により検出する。同様に、ジゴキシゲニンを含有するプローブは標識抗ジゴキシゲニン抗体を使用することにより検出しうる。プローブは、例えば標準的方法(例えばAusubelら、上記を参照されたい)でのニックトランスレーションまたはT4 RNAリガーゼ、ポリ(A)ポリメラーゼ、末端転移酵素若しくはT4ポリヌクレオチドキナーゼの使用により合成後にもまた標識しうる。該プローブは該プローブの安定性を増大させるために修飾ヌクレオチドもまた含有しうる。例えばリボース基上に2’−0−アルキル基を含有するリボヌクレオチドを使用しうる。該プローブは固体支持体上への該プローブの捕捉を容易にする修飾もまた含有しうる。例えば、ポリdA若しくはポリデアザグアノシン尾を、固体支持体、例えばポリdT若しくはポリdC標識磁性粒子へのプローブ結合を容易にするために、末端転移酵素を使用して該プローブの3’端に付加しうる。プローブは、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー若しくはゲル濾過クロマトグラフィーのような標準的方法を使用して使用前に精製しうる(例えばAusubelら、上記を参照されたい)。本発明のプローブはサンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在を検出するためのいかなる標準的ハイブリダイゼーションアッセイでも使用しうる。例えば、サザンブロット、ドットブロット、in situハイブリダイゼーション、バイオセンサー若しくは二重プローブによるリアルタイムハイブリダイゼーション検出、サンドイッチ型ハイブリダイゼーションアッセイを使用しうる(例えば、米国特許出願第07/826,657号[現在米国特許第5,519,127号]および米国特許第5,629,156号[国際特許公開第WO 94/10355号]明細書(それらの全部は引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。あるいは、該プローブをポリメラーゼ連鎖反応アッセイでプライマーとして使用しうる(例えばAusubelら、上記を参照されたい)。本発明のプローブおよび方法を使用して分析しうる生物学的サンプルは、全血、CSF、骨髄および例えば
脾からの組織サンプルを包含する。核酸は標準的方法によりサンプルから抽出し(細胞を無傷のまま保つin situハイブリダイゼーションの場合を除く)、そして上で列挙されたアッセイで該プローブを使用して分析する。単一プローブ若しくはプローブの組合せを該アッセイで使用しうる。(例えば本発明の方法において)該プローブとともに使用されるハイブリダイゼーション条件は、例えば25℃〜42℃で30〜50%ホルムアミド、若しくは25〜37℃の間のGuSCNおよびホルムアミドの混合物の範囲内にある。「当業者により既知」であるとおり、ハイブリダイゼーション条件の選択はプローブの長さおよびヌクレオチド含量(すなわちATと比較したGC)に依存する。従って、ハイブリダイゼーション条件はこれらの因子に適応させるように調節しうる。加えて、多様な塩(例えばNaClと比較してグアニジンチオシアネート若しくはグアニジン塩酸塩)および変性剤(例えばNP−40、ドデシル硫酸ナトリウム)の使用は、当業者により容易に決定され得るとおり塩濃度および温度の調節を必要としうる。
【0035】
本発明で使用しうるハイブリダイゼーション条件の制限しない例は後に続くとおりである。サザンブロット分析において、以下のハイブリダイゼーション条件、すなわち42℃で2×SSC中30%ないし50%ホルムアミドを使用しうる。ハイブリダイゼーション後に、標準的方法を使用してフィルターを洗浄する。例えば、2×SSCないし0.1×SSCおよび0.1%SDS中25℃で3回の15分ハイブリダイゼーション後洗浄を、未結合のプローブを除去するために実施しうる。RNAブロットのため、30%ホルムアミド中室温で一夜のハイブリダイゼーションを実施した。過剰のプローブは0.1%SDSを含む2×SSC中3回の15分洗浄を洗浄することにより除去した。
【0036】
「ハイブリダイゼーション」という用語は相補核酸の対形成を指す。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強さ(すなわち核酸間の会合の強さ)は、核酸間の相補性の程度、関与する条件の緊縮性、形成されるハイブリッドのTおよび該核酸内のG−C比のような因子により影響される。その構造内の相補核酸の対形成を含有する単一分子は「自己ハイブリダイズされる」と言われる。
【0037】
適するハイブリダイゼーション条件を含むように多数の同等の条件を使用しうることが公知であり;プローブの長さおよび性質(DNA、RNA、塩基組成)ならびに標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液中に存在若しくは固定、など)、ならびに塩の濃度および他の成分(例えばホルムアミド、デキストラン硫酸、ポリエチレングリコールの存在若しくは非存在)のような因子を考慮し、そしてハイブリダイゼーション溶液は、上で列挙された条件と異なるがしかし同等の低緊縮性ハイブリダイゼーションの条件を生成するように変動させうる。加えて、当該技術は高緊縮性の条件(例えばハイブリダイゼーションおよび/若しくは洗浄段階の温度を上昇させること、ハイブリダイゼーション溶液中でのホルムアミドの使用など)下のハイブリダイゼーションを促進する条件を知っている。
【0038】
in situハイブリダイゼーションのため、以下の条件を米国特許第6,165,723号および米国特許出願第11/494,430号明細書(引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されるとおり使用しうる。すなわち、室温と37℃の間でGuSCN(プローブ配列に依存して1.5ないし3.5M)、若しくは室温と37℃の間でGuSCNおよびホルムアミドの混合物で30分ないし1時間、次いでSSC(2×ないし0.1×)および0.1%SDSでの洗浄。
【0039】
例示
さらなる詳述を伴わずに、当業者は、本明細書の記述に基づき本発明をその完全な程度まで利用し得ると考えられる。以下の特定の態様は従って単に具体的説明として解釈されるべきであり、そして何であれ決して本開示の残部を制限すると解釈されるべきでない。
【0040】
熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、卵形マラリア原生動物(P.ovale)および四日熱マラリア原生動物(P.malariae)サンプルへのプローブPGenus1、PGenus2、MalF1、MalF2、Mal1.8F、Mal1.8Rのハイブリダイゼーション
ドットブロット分析データを表1に示す。これらの実験において、それぞれの18S rRNAサブユニットをコードするヌクレオチド配列を含有するプラスミドおよそ0.1μgを1スポットあたりに使用した。該ブロットを、上述されたハイブリダイゼーション条件下でdig標識プローブとハイブリダイズさせた。
【0041】
RNAの場合、RNAを合成しそして6×SSC中0.1μgをニトロセルロースメンブレンにスポットした。dig標識プローブ(ジゴキシゲニン標識プローブ)とのハイブリダイゼーションをホルムアミド中室温で一夜実施した。本方法を使用して多様な生物体およびプローブの間のハイブリダイゼーションシグナルを比較した。
【0042】
全部の種のプラスモディウム属(Plasmodium)の全種の18rDNAにハイブリダイズするプローブは、PGenus1、PGenus2、MalF1、MalF2、Mal1.8FおよびMal1.8Rである。プローブPGenus1、PGenus2およびMal1.8Rは全部のプラスモディウム属(Plasmodium)の種の18S rRNAにハイブリダイズした。
【0043】
プラスモディウム属(Plasmodium)18S rRNA特異的プローブ
本発明のプラスモディウム属(Plasmodium)特異的プローブは、プローブPGenus1、PGenus2、MalF1、MalF2、Mal1.8FおよびMal1.8Rを包含し、それらは配列:
【0044】
【化1】

【0045】
を有する。
【0046】
プラスモディウム属(Plasmodium)の種の18S rRNA特異的プローブ
本発明のプラスモディウム属(Plasmodium)の種の特異的プローブは、PV1、PV2、PV3、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PF6、PF7、PF8、PM1、PO1から選択されるプローブの配列若しくはそれらの完全長の相補配列を
有するプローブPV1を包含する。
【0047】
三日熱マラリア原生動物(P.vivax)特異的プローブ
【0048】
【化2】

【0049】
熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)特異的プローブ
【0050】
【化3】

【0051】
四日熱マラリア原生動物(P.malariae)特異的プローブ
【0052】
【化4】

【0053】
卵形マラリア原生動物(P.ovale)特異的プローブ
【0054】
【化5】

【0055】
【表1】

【0056】
本発明の一例示において、サンプルをプラスモディウム属(Plasmodium)スピーシーズの存在について試験し、そして、検出されたプラスモディウム属(Plasmodium)の種を本発明のプローブの使用により識別する。サンプルを、プローブPV1および/若しくはPV2、プローブPF1、PF2、PF3、PF4および/若しくはPF5、プローブPM1ならびにプローブPO1の最低5、10若しくは15の連続するヌクレオチドのプローブ、またはそれらのプローブ全体若しくは相補配列を用いて試験する。プローブPV1および/若しくはPV2について試験結果が陽性であるサンプルは三日熱マラリア原生動物(P.vivax)に感染していると決定する。プローブPF1、PF2、PF3、PF4および/若しくはPF5について試験結果が陽性であるサンプルは、熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)に感染していると決定する。プローブPM1について試験結果が陽性であるがしかしPF1、PF3、PF3、PF4および/若しくはPF5について陽性でないサンプルは四日熱マラリア原生動物(P.malariae)に感染していると決定する。プローブPO1について試験結果が陽性であるがしかしPF1、PF2、PF3、PF4および/若しくはPF5について陽性でないサンプルは卵形マラリア原生動物(P.ovale)に感染していると決定する。
【0057】
上の記述から、当業者は本発明の不可欠の特徴を容易に確かめ得、かつ、その技術思想および範囲から離れることなくそれを多様な使用および条件に適合させるように本発明の多様な変更および改変を行い得る。従って他の態様もまた請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の検出方法であって、
a)プローブにプラスモディウム属(Plasmodium)核酸にハイブリダイズさせる条件下で、ハイブリダイゼーションアッセイでプラスモディウム属(Plasmodium)を検出するための前記プローブと前記サンプルを接触させる段階であって、前記プローブはプラスモディウム属(Plasmodium)の種を識別し;および
b)前記サンプル中で前記プラスモディウム属(Plasmodium)核酸に結合した前記プローブを、前記サンプル中のプラスモディウム属(Plasmodium)の存在の指示として検出する段階
を含んでなる、上記方法。
【請求項2】
前記プローブが、PGenus1、PGenus2、MalF1、MalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1およびPO1若しくはそれらの完全長の相補配列よりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記核酸フラグメントが、プローブPV1の最低5の連続するヌクレオチドから選択される配列若しくはその完全長の相補配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記核酸フラグメントが、プローブPV2の最低5の連続するヌクレオチドから選択される配列若しくはその完全長の相補配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記核酸フラグメントが、プローブPF1の最低5の連続するヌクレオチドから選択される配列若しくはその完全長の相補配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記核酸フラグメントが、プローブPF2の最低5の連続するヌクレオチドから選択される配列若しくはその完全長の相補配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記核酸フラグメントが、プローブPF3の最低5の連続するヌクレオチド若しくはその完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記核酸フラグメントが、プローブPF4の最低5の連続するヌクレオチド若しくはその完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記核酸フラグメントが、プローブPF5の最低5の連続するヌクレオチド若しくはその完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記核酸フラグメントが、プローブPM1の最低5の連続するヌクレオチド若しくはその完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記核酸フラグメントが、プローブPO1の最低5の連続するヌクレオチド若しくはその完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記核酸フラグメントが、PGenus1、PGenus2、MalF1、MalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1およびPO1よりなる群から選択されるプローブの最低10ヌクレオチド若しくはその完全長の相補配列から選択される配列から構成する、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
PGenus1、PGenus2、MalF1およびMalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1、PO1よりなる群から選択されるプローブの最低5の連続するヌクレオチド若しくはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる核酸フラグメント。
【請求項14】
PGenus1、PGenus2、MalF1およびMalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1、PO1よりなる群から選択されるプローブの最低10の連続するヌクレオチド若しくはそれらの完全長の相補配列から選択される配列を含んでなる核酸フラグメント。
【請求項15】
PGenus1、PGenus2、MalF1およびMalF2、Mal1.8F、Mal1.8R、PV1、PV2、PF1、PF2、PF3、PF4、PF5、PM1、PO1よりなる群から選択されるプローブの選択される完全な配列若しくはそれらの完全長の相補配列を含んでなる核酸フラグメント。
【請求項16】
熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)を識別する核酸プローブの選択方法であって、
a)熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)からの核酸の最低5ヌクレオチドの配列に対応する若しくは相補的な核酸フラグメント若しくはポリペプチド核酸、PNAを製造すること;
b)ハイブリダイゼーションアッセイでプラスモディウム属(Plasmodium)の種の1種若しくはそれ以上を検出するプローブの能力を比較すること;ならびに
c)プラスモディウム属(Plasmodium)の1、2若しくは3種を検出するがしかしプラスモディウム属(Plasmodium)の全4種をしないプローブ(1種若しくは複数)を選択すること
を含んでなる、上記方法。
【請求項17】
サンプル中の熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.Vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)の検出および識別方法であって、
a)i)マラリアを有することが疑われる被験体からのサンプル、ならびにii)熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.Vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)を検出および識別するのに適する核酸を含んでなるプローブを提供すること;
b)前記プローブの標的へのハイブリダイゼーションに適する条件下で前記サンプルを前記プローブと接触させること;ならびに
c)サンプル中の熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)、三日熱マラリア原生動物(P.Vivax)、四日熱マラリア原生動物(P.malariae)および卵形マラリア原生動物(P.ovale)の存在(あれば)を決定すること
を含んでなる、上記方法。
【請求項18】
熱帯熱マラリア原生動物(P.falciparum)を検出するための前記プローブが、PF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低5の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プローブが、PF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低10の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プローブが、PF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低15の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
三日熱マラリア原生動物(P.Vivax)を検出するための前記プローブが、PV1若しくはPV2の1種若しくはそれ以上の最低5の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記プローブが、PV1若しくはPV2の1種若しくはそれ以上の最低10の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記プローブが、PV1若しくはPV2の1種若しくはそれ以上の最低15の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
四日熱マラリア原生動物(P.malariae)を検出するための前記プローブが、PM1の最低5の連続するヌクレオチドの核酸配列若しくはそれらの相補配列、およびPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上またはそれらの相補配列から選択され、かつ、PM1のプローブの試験結果が陽性でありかつPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5のプローブの試験結果が陰性である場合にサンプルが四日熱マラリア原生動物(P.malariae)について陽性である、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記プローブが、PF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低10の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列、およびPM1の最低10の連続するヌクレオチド若しくはそれらの相補配列から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記プローブが、PF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低15の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列、およびPM1の最低15の連続するヌクレオチド若しくはそれらの相補配列から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
卵形マラリア原生動物(P.ovale)を検出するための前記プローブが、PO1の最低5の連続するヌクレオチドの核酸配列若しくはそれらの相補配列、およびPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上またはそれらの相補配列から選択され、かつ、PO1のプローブの試験結果が陽性でありかつPF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5のプローブの試験結果が陰性である場合にサンプルが卵形マラリア原生動物(P.ovale)について陽性である、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記プローブが、PF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低10の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列、およびPO1の最低10の連続するヌクレオチド若しくはそれらの相補配列から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記プローブが、PF1、PF2、PF3、PF4若しくはPF5の1種若しくはそれ以上の最低15の連続するヌクレオチドの核酸配列またはそれらの相補配列、およびPO1の最低15の連続するヌクレオチド若しくはそれらの相補配列から選択される、請求項27に記載の方法。

【公表番号】特表2010−511384(P2010−511384A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539315(P2009−539315)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/024540
【国際公開番号】WO2008/066871
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(508027752)アイデイー−フイツシユ・テクノロジー・インコーポレーテツド (3)
【Fターム(参考)】