説明

プラズマ媒質電池

【課題】電池の媒質としてプラズマ(不完全電離プラズマと中性ガスとの混合状態のプラズマを含む)を用いて、プラズマ媒質電池を提供すること。
【解決手段】プラズマ2と複数の電極4,5との相互作用により該複数の電極4,5間に生じる電荷発生量の差を利用して該複数の電極4,5間から電力を取り出すことを特徴とするプラズマ媒質電池である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ媒質電池に係り、特に、従来の電池に用いられている電池内の媒質(溶液や固体)に代わり、プラズマを媒質として、プラズマと電極との相互作用により電極間に生じる電荷発生量の差を利用して電力を取り出すプラズマ媒質電池に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、荷電粒子の集合体であるプラズマは、半導体生成用装置等で広く用いられている他に、宇宙空間プラズマや現在実験段階であるが将来の実用化が期待されている磁場閉じ込め核融合装置の大型空間に閉じ込められているもの等がある。
【0003】
これらのプラズマからのエネルギーを抽出する手段としては、核融合発電装置にあっては核融合反応による主たるエネルギー生成方法以外に、プラズマの発光を太陽電池で電気エネルギーに変換したり、プラズマ閉じ込め容器壁の壁温度を利用した熱電変換により電気エネルギーを取り出すことが提案されている。
【0004】
また、プラズマを用いる電池に関しては特表2002-519827号公報に開示されたものがある。
【0005】
【特許文献1】特表2002-519827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のプラズマの発光を太陽電池で電気エネルギーに変換する方法では、使用可能な発光波長に制約があり、またプラズマ閉じ込め容器壁の壁温度を利用した熱電変換により電気エネルギーを取り出す方法では、容器に閉じ込められたプラズマで容器壁温度が十分高温にならないと実現できないという問題がある。しかも両方法とも、半導体素子を用いるため、システムが複雑・高価になり、特に、核融合装置においては中性子等の放射線による素子の損傷による特性の劣化の問題がある。
【0007】
また、上記公報に開示されたものは、複数の磁石やイオン加速用の電気ポテンシャルソースが必要であり、構造が複雑であった。
【0008】
本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、電池の媒質としてプラズマ(不完全電離プラズマと中性ガスとの混合状態のプラズマを含む)を用い、プラズマと電極との相互作用による電荷集電量の差を利用して複数の電極間から電力を取り出すプラズマ媒質電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために下記の手段を採用した。
第1の手段は、プラズマと複数の電極との相互作用により該複数の電極間に生じる電荷発生量の差を利用して該複数の電極間から電力を取り出すことを特徴とするプラズマ媒質電池である。
【0010】
第2の手段は、第1の手段において、前記複数の電極が、それぞれの一端が前記プラズマ内に挿入され、それぞれの他端から電力を取り出すように構成されていることを特徴とするプラズマ媒質電池である。
【0011】
第3の手段は、第1の手段において、前記複数の電極は、一方の電極の一端が前記プラズマ内に挿入され、他方の電極が前記プラズマを閉じ込める金属容器で構成され、前記一方の電極の他端と前記金属容器間から電力を取り出すように構成されていることを特徴とするプラズマ媒質電池である。
【0012】
第4の手段は、第1の手段において、前記プラズマが磁場閉じ込め核融合装置のトーラス型容器に閉じ込められたプラズマであって、前記複数の電極は、それぞれの一端が核融合反応生成粒子を廃棄するための互いに異種部材で構成されたダイバータの一部から構成され、それぞれの他端から電力を取り出すことを特徴とするプラズマ媒質電池である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、プラズマと複数の電極との相互作用により該複数の電極間に生じる電荷発生量の差を利用して該複数の電極間から電力を取り出すようにしたので、電池の媒質としてプラズマを利用して、極めて簡便な構成によりプラズマ媒質電池を実現することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、前記複数の電極が、それぞれの一端が前記プラズマ内に挿入され、それぞれの他端から電力を取り出すように構成されているので、プラズマ媒質電池を極めて簡単な構成で実現することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、前記複数の電極は、一方の電極の一端が前記プラズマ内に挿入され、他方の電極が前記プラズマを閉じ込める金属容器で構成され、前記一方の電極の他端と前記金属容器間から電力を取り出すように構成されているので、プラズマ閉じ込め金属容器を電極の一方として利用することができるので、電極構成を簡便化したプラズマ媒質電池を実現することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、前記プラズマが磁場閉じ込め核融合装置のトーラス型容器に閉じ込められたプラズマであって、前記複数の電極は、それぞれの一端が核融合反応生成粒子を廃棄するための互いに異種部材で構成されたダイバータの一部から構成され、それぞれの他端から電力を取り出すようにしたので、ダイバータを電極の一部として利用することができ、電極構造を簡便化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のプラズマ媒質電池は、電池媒質としてプラズマ状態(不完全電離プラズマと中性ガスとの混合状態を含む)を用い、プラズマと電極との相互作用による電荷集電量の差を利用して電極間から電力を取り出すものである。
【0018】
プラズマ内に挿入された電極に流入するプラズマ構成荷電粒子(電子及びイオン)は、プラズマの電子温度、イオン温度、電子密度、イオン種(イオン質量)、電極材質、電極面積、電極の形状に応じて異なる。
【0019】
図1はプラズマ中に挿入された電極におけるプラズマと電極との相互作用を説明するための図である。同図に示すように、電子の方がイオンより質量が軽いため、同じ温度では、電子流の方がイオン電流よりも多く集まる。電子温度が高い程電子密度の高い程電子電流は大きくなる。
【0020】
また、電極によっては、プラズマ中の電子が電極に入射する際、その入射エネルギー及び電極材質に応じて2次電子が放出する。プラズマと電極の相互作用が電子の流入と2次電子の放出のみである場合は、2次電子放出率が1を超える場合は、電極に電流が流入し、2次電子放出率が1未満の場合は電極から電流が放出される。
また、複数の電極を用いた場合、電極間で2次電子放出率の差が大きい金属又は化合物を用いることにより、又は複数の電極を同一の電極材料を用いる場合でも、電極面積の差や電極の設置場所周辺のプラズマの性質(電子温度、イオン温度、電子密度、イオン種)の違えることにより電極間に電位差を生じさせ、プラズマ発生装置外部において電極間に接続した負荷から電力を取り出すことができる。
【0021】
換言すると、本発明のプラズマ媒質電池は、プラズマの諸性質及び電極材質・形状によって多様な選択可能な条件下において、プラズマ発生装置中に、プラズマ発生容器と電気的に絶縁した電極を、電極とプラズマとの相互作用が十分有効に現れる程度に挿入し接触させるものであり、挿入された2本若しくは複数の電極間、または挿入された1本の電極とプラズマ閉じ込め金属容器間において、上述したようなプラズマと電極間の相互作用の差による各電極間における集電量の差を利用して、プラズマ閉じ込め容器外部において、電極間又は電極とプラズマ閉じ込め金属容器間に接続した負荷に電流を流すことにより、電力を取り出すことができるものである。
【0022】
ここで、プラズマ発生容器外部において、一方の電極をA、他方の電極をBとして、電極ABの各一端をプラズマ中に挿入し、電極ABの他端間に抵抗負荷Rを接続したとき、負荷Rに流れる電流I (= (iA+ - iA-) = -(iB+ - iB-))と、電極AB間の電位差V (= VA - VB)は、以下の2つの方程式の解として求まる。
F(I,V) = 0 (1)
V=IR (2)
式(1)は、電極A及び電極Bにそれぞれに流入する、電子電流(iA-、iB-)とイオン電流(iA+、iB+)を計算し、電極ABがプラズマ発生容器から浮遊している条件、即ち、電極ABに入る電子電流の和とイオン電流の和が等しい条件、
(iA- + iB-) = (iA+ + iB+) (3)
を使って求めることができる。
一般に、式(1)はIがVの指数関数を含む形になり、各電極周辺プラズマの電子温度Teが、TeA>> TeBの場合は、
F(I, V) = (iA+ - I) - CAB (iB+ + I)(TeA/TeB) exp(eV/kTeA) (4)
と近似的に表される。ここで、
CAB = [(SA jrA) (1 - γA)] / [(SB jrB) (1 - γB)] (TeA/TeB) (5)
jr = (1/4) e ne ve = (1/2) e ne(2 kTe/ πme)1/2 (6)
i+ = S (1/4) e ne Cs =S (1/4) e ne [k(Ti + Te)]/mi]1/2 (7)
である。S、neは、それぞれ、電極面積と電子密度である。
以上より、各電極A,Bにおける、電極面積、2次電子放出率、電子温度、イオン温度、電子密度を与えると、関数Fの定数が求まり、負荷抵抗Rを与えれば、式(1)、(2)を実際に解くことができる。(1)と(2)の解は、Vの関数であるIに関する2つのグラフの交点から求められる。電極面積S及び動作点電圧Vを十分大きくとることにより、大電流を取り出すことが可能である。
【0023】
次に、本発明の第1の実施形態を図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態の発明に係るプラズマ媒質電池の構成を示す図である。
同図において、1はプラズマCVD装置や磁場閉じ込め核融合実験装置等のプラズマ発生装置、2はプラズマ発生装置1によって発生されたプラズマ、3はプラズマ2を閉じ込めるプラズマ発生用容器、4はプラズマ発生装置1に取り付けられた一方の電極、41は、プラズマ発生用容器3と電気的に絶縁され、プラズマ2から導入された電流を流す電極4の一部を構成する電流導入端子、42は、電極4の一部を構成し電流導入端子41の一端に結合され、プラズマ2内に挿入されて、プラズマ構成荷電粒子(電子及びイオン)が流入する電極部材、5はプラズマ発生装置1に取り付けられた他方の電極、51は、プラズマ発生用容器3と電気的に絶縁され、プラズマ2から導入された電流を流す電極5の一部を構成する電流導入端子、52は、電極5の一部を構成し電流導入端子51の一端に結合され、プラズマ2内に挿入されて、プラズマ構成荷電粒子(電子及びイオン)が流入する電極部材、6は電極4の電流導入端子41及び電極5の電流導入端子51の他端間に接続された負荷である。
【0024】
同図に示すように、電極4と電極5はプラズマ発生容器3に一定の距離(例えば、数cm〜数m)離して設置され、電流導入端子41及び電流導入端子51のそれぞれの先端に取り付けられる電極部材42としては、例えば、タングステンを用い、電極部材52としては、例えば、チタンを用いる。
【0025】
ここで、電極部材42及び電極部材52として、タングステン及びチタンを用いたのは、高温の磁場閉じ込め核融合プラズマ実験装置で耐磨耗性に優れた金属として使用実績(プラズマ中のイオンによるスパッタリング率が低い)があり、又、2次電子放出率の概略値が、タングステンの場合は0.7、チタンの場合は0.4であり、両者の2次電子放出率の概略値の差が大きいことによるものである。
【0026】
また、各電流導入端子41,51としては、例えば、銅製の棒状体を使用し、電極部材42,52としては、円盤形状等の平面状体を使用する。電極部材42,52に平面状体を使用するのは、電極部材42,52をプラズマ2中に深く挿入しなくてもプラズマ2との相互作用面積を大きく取ることが可能となるためである。さらに、プラズマ2と電極部材42,52との相互作用の差を大きく取るために両者の面積に差を設ける。例えば、電極部材42,52の面積をそれぞれ半径10cm、半径1cmの円盤とすることにより、電極部材42,52の面積をそれぞれ314cm、3.14cmとすることができる。
【0027】
また、図示していないが、電流導入端子41,51には、プラズマ2との距離を調節する機能を付けておく。このように構成することにより、電極部材42,52をプラズマ2中への接触状態を調節したり、プラズマ2から飛来する荷電粒子(電子とイオン)が十分受けられ、かつプラズマ2の性質を劣化させない程度の適切な位置を調節することができる。
【0028】
このような状態でプラズマを生成しプラズマ条件(電子温度、電子密度、イオン温度、イオン種等)を定め、電極4及び電極5間での電気出力をできるだけ大きくとるために、電極部材42周辺の電子温度を電極52周辺の電子温度に対して10倍程度になるようにプラズマ発生装置を運転する。例えば、電極部材42及び電極部材52周辺の電子温度は、それぞれ100eV,10eVとする。この値は磁場閉じ込め核融合プラズマ実験装置では容易に実現可能な値である。これにより、電極4は電極5に対して、相対的に負の電位差を持たせることができる。
電極4の電流導入端子41の他端及び電極5の電流導入端子51の他端を給電線を取り付け負荷6を取り付けることにより、負荷6から電力を取り出すことができる。
【0029】
本実施形態のプラズマ媒質電池において、イオン温度10eVの水素プラズマを用いた場合、負荷6を接続しない場合は、電極4の電位はプラズマ発生用容器(金属とする)3に対して約200V程度負になる、一方、電極5の電位はプラズマ発生用容器3に対して約20V程度負になる。電極4及び電極5間に負荷6として抵抗負荷R=20mΩを接続した場合、|I|(電流の絶対値)≒5kA、|V|(電圧の絶対値) ≒100V、出力500kW程度の電力が得られると試算される。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態を図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態の発明に係るプラズマ媒質電池の構成を示す図である。
同図において、7は、例えばステンレススチールからなるプラズマ閉じ込め金属容器であり、その他の構成は図1に示した同符号の構成と同様に構成するので説明を省略する。
【0031】
このような状態でプラズマを生成しプラズマ条件(電子温度、電子密度、イオン温度、イオン種等)を定めプラズマ発生装置を運転する。ここで、電極部材42の半径は10cmであり、電極部材42周辺の電子温度は10eVである。これにより、電極4はプラズマ閉じ込め金属容器7に対して相対的に負の電位差を持たせることができる。
電極4の電流導入端子41の他端とプラズマ閉じ込め金属容器7の外壁面間に給電線を取り付け負荷6を取り付けることにより、負荷6から電力を取り出すことができる。
【0032】
本実施形態のプラズマ媒質電池において、イオン温度10eVの水素プラズマを用いた場合、電極4の電位は、プラズマ閉じ込め金属容器7に対して約20V程度負になる。電極4の電流導入端子41とプラズマ閉じ込め金属容器7間に抵抗6として抵抗負荷R=2mΩを接続した場合、|I|≒3kA、|V|≒7V、出力≒20 kWの電力が得られると計算される。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態を図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態の発明に係るプラズマ媒質電池の構成を示す図である。
同図において、8は磁場閉じ込め核融合装置、9は磁気閉じ込め核融合プラズマ、10はトーラス型容器、11は核融合反応生成粒子であるヘリウムを廃棄するために磁力線をトーラス容器10の壁面まで引き出す機能を有する特殊耐熱材料で構成されるダイバータである。
【0034】
ここで、ダイバータ11は、トーラス型容器10の上部又は下部(あるいは両方)に磁力線を引き出し、磁力線がダイバータにある角度をもって貫入するように構成されている。これにより、磁力線に沿ってプラズマ中心部分から外部に出てくるイオンがダイバータ11に衝突することによって中性化され、図示されていない近くの真空排気ポンプで排気される仕組みになっている。ダイバータ11を構成する板材は熱負荷が集中する(1m当たり10MW以上)ため、材料として、グラファイトやタングステン等の耐熱性の高い素材をダイバータの熱負荷に応じて使い分けて用いる。
【0035】
また、電極4の電極部材42及び電極5の電極部材52は、ダイバータを兼用して用い、互いに異種材料、異種面積、異種形状部材(以下、総じてダイバータ部異種部材と称する)から構成される。これらをトーラス型容器10から電気的に絶縁して設置し、トーラス型容器10外部に設けた電極4の電流導入端子41と電極5の電流導入端子51との間に接続した負荷6から電力を取り出す。
【0036】
本実施形態のプラズマ媒質電池において、磁場閉じ込め核融合装置にダイバータ11の一部を電極4の電極部材42及び電極5の電極部材52として用いた理由は、ダイバータ11の材料として設置位置に応じて異種金属を用いることが想定されている上に、プラズマ本体から比較的距離が離れているため、トーラス型容器10の他の部分で実施する場合に比べて、プラズマ本体の核融合反応への影響を小さくすることが可能であるためである。
例えば、一方のダイバータ部材(電極部材42)にタングステン、他方のダイバータ部材(電極部材52)にグラファイトを用いる。タングステンとグラファイトの使用時における2次電子放出率はそれぞれおよそ0.7と0.5と異なっている。両ダイバータ部材は、トーラス型容器10の下部又は上部にタイル状部材が円周状に貼り巡らされて構成されており、面積は20m程度の大面積を有し、両ダイバータ部材の面積は互いに数倍程度異なっている。
【0037】
ここで、一方のダイバータ部材(電極部材42)の面積は、他方のダイバータ部材(電極部材52)の面積の2倍大きいとすると、ダイバータ部材(電極部材42,52)のプラズマ特性は電子温度、イオン温度が10〜100eV程度、電子密度1m当り1019−20個程度である。電子温度は一方のダイバータ部材(電極部材42)で100eV、他方のダイバータ部材(電極部材52)で10eVとする。
両ダイバータ部材は、共に高熱負荷に曝されるダイバータ専用部材として選択されたものであり、これらの部材そのものが核融合プラズマの発電自体に及ぼす影響(不純物の混入等)はないと想定される。
【0038】
本実施形態のプラズマ媒質電池において、イオン温度10eVの水素プラズマの場合は、電極4及び電極5の電流導入端子41,51間に負荷6が接続されていないときは、電極4の電位はトーラス型容器10(金属とする)に対して約200V程度負になり、電極5の電位はトーラス型容器10に対して約20V程度負になる。電流導入端子41,51間に抵抗負荷 R=0.2mΩを接続した場合、|I| ≒500kA、|V| ≒100V、出力50MW程度と試算できる。
また、本実施形態のプラズマ媒質電池では、電極面積が大きいため、取り出せる電流も大きくなる。他の例においても、出力は数10kWから数10MWまで広範囲に取り出せることができる。また、負荷抵抗はmΩ程度の小さいものを用いることにより、大きな電力を取り出すことができる。使い方によっては、低電流、高電圧の方が望ましい場合には、負荷抵抗を大きくすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】プラズマ中に挿入された電極におけるプラズマ構成電荷粒子の集電の状況を示す図である。
【図2】第1の実施形態の発明に係るプラズマ媒質電池の構成を示す図である。
【図3】第2の実施形態の発明に係るプラズマ媒質電池の構成を示す図である。
【図4】第3の実施形態の発明に係るプラズマ媒質電池の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 プラズマ発生装置
2 プラズマ
3 プラズマ発生用容器
4 一方の電極
41 電流導入端子
42 電極部材
5 他方の電極
51 電流導入端子
52 電極部材
6 負荷
7 プラズマ閉じ込め金属容器
8 磁場閉じ込め核融合装置
9 磁気閉じ込め核融合プラズマ
10 トーラス型容器
11 ダイバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマと複数の電極との相互作用により該複数の電極間に生じる電荷発生量の差を利用して該複数の電極間から電力を取り出すことを特徴とするプラズマ媒質電池。
【請求項2】
前記複数の電極が、それぞれの一端が前記プラズマ内に挿入され、それぞれの他端から電力を取り出すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ媒質電池。
【請求項3】
前記複数の電極は、一方の電極の一端が前記プラズマ内に挿入され、他方の電極が前記プラズマを閉じ込める金属容器で構成され、前記一方の電極の他端と前記金属容器間から電力を取り出すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ媒質電池。
【請求項4】
前記プラズマが磁場閉じ込め核融合装置のトーラス型容器に閉じ込められたプラズマであって、前記複数の電極は、それぞれの一端が核融合反応生成粒子を廃棄するための互いに異種部材で構成されたダイバータの一部から構成され、それぞれの他端から電力を取り出すことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ媒質電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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