説明

プリファレンス・エンジンによりドライブされるパーソナライズされた音楽サービス

開示された方法及びシステムは、プリファレンス・エンジンでドライブされるパーソナライズされた音楽サービスを提供する。音楽サービスは、音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信することが可能なセットトップボックスなどの家電デバイスにインプリメントされ得る。明細書に記載された、このパーソナライズされた音楽サービスは、その家電デバイスに、双方向通信を持つことを要求しない。必要な処理は、そのデバイス自身で実行することができ、処理のためにリモートサーバに情報を伝送する必要性を排除している。本方法は、音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するステップを有する。ユーザの音楽プリファレンスに基づき、このデジタル・ブロードキャスト・ストリームから1つ以上の音楽が選択される。1つ以上の選択された音楽がアセンブルされ、カスタム・ステーションが生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーソナライズされた音楽サービスの分野に関する。特に、本発明は、デジタル・ブロードキャスト・ストリームからアセンブルされたパーソナライズされた音楽ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナライズされた音楽サービスが存在する。この場合、ユーザには、音楽のプリファレンス(好み)を示し、かつ示された音楽のプリファレンスにマッチしている曲が提供される。この種のパーソナライズされた音楽サービスの1つの例は、Pandora(登録商標、Pandora Media, Inc.,Oakland,CA)である。パンドラによって、ユーザは、クライアント・デバイス上の音楽選択(例えばアーティスト、又は曲)を提示する。クライアント・デバイスは、この音楽選択を音楽データベースにアクセスするサーバに送信する。このサービスは、音楽の選択に合うものを見つけるために、データベースの音楽を検索し、ユーザが楽しむために、クライアント・デバイスへ音楽選択に合った音楽のストリームを提供する。ユーザは、「同意」、又は「拒絶」によって、ストリーミングされている与えられた曲を投票するオプションを持つ。この情報は、ストリーミングのための音楽選択を厳選するために使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
データベース及びその処理がリモートサーバに位置しているため、データベースのサイズ及び音楽の一致を検索し決定する処理は、非常に大がかりなものとなる。しかも、リモートサーバに、音楽の保存及び、この処理機能を設置することは、クライアントとサーバとの間で双方向通信が必要であることを意味しており、音楽が保存されかつその処理がなされるサーバにおいて、最初に音楽の選択がなされ、次にストリーミングされた音楽が受信される。このことは、一方向の、又は限られた双方向通信能力だけを有するデバイスは、この種の従来のクライアント・サーバ・ベースのストリーミングミュージック・サービスを利用することができないことを意味する。例えば、多くの衛星受信機、個人ビデオレコーダ(PVR)、又はデジタルテレビジョン受信器は、この種の双方向通信を有せず、或いは、利用していない。多くの衛星受信機、DVR、又はデジタルテレビジョン受信器が双方向通信能力を有することができる。しかしながら、それらのオペレーションのための必要がないため、多くの機器は、接続されておらず、或いは、そのように構成されていない。
【0004】
したがって、双方向通信を必要とせずに、この種のデバイスにこの種のパーソナライズされた音楽サービスの機能を提供することは、有用である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例に従って、本方法は、プリファレンス・ベースの音楽ステーションを構築するために提供される。望ましくは、この種のプリファレンス・ベースの音楽ステーションは、クライアント・サーバ間の双方向通信を必要としない。本方法は、音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信することに関する。一つ以上の曲は、ユーザに対する音楽プリファレンスに基づいて、デジタル・ブロードキャスト・ストリームから選択される。一つ以上の選択された曲は、カスタム・ステーションにアセンブルされ得る。
【0006】
この方法によって、音楽の選択及びアセンブルを含む処理は、クライアント・デバイスにおいて実行される。したがって、サーバとの双方向通信を必要とするような、サーバに音楽選択に関する情報を渡す必要がない。
【0007】
他の実施例に従って、システムは、プリファレンス・ベースの音楽ステーションを構築するために提供される。このシステムは、受信器、プロセッサ、記憶装置及び出力インタフェースを有する。受信器は、音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するように構成される。プロセッサは、ユーザに対する音楽のプリファレンスに基づいて曲をデジタル・ブロードキャスト・ストリームから選択し、かつ選択された曲をカスタムチャネルにアセンブルするように構成される。記憶装置は、デジタル・ブロードキャスト・ストリームから選択された曲を記憶するために使用される。出力インタフェースは、選択された曲をフィーチャリングしたアセンブルされたカスタムチャネルを出力するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パーソナライズされた音楽サービスに使用される環境を示す図である。
【図2】一実施例に従ったシステムの要素を示すブロック図である。
【図3】実施例に従った方法を例示するフローチャートである。
【図4】実施例に従った方法の追加的なステップを示すフローチャートである。
【図5】他の実施例に従った方法の追加的ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願明細書において開示される方法、システム及び教示は、プリファレンス・エンジンとして、又はプリファレンス・エンジン内に組み込まれる。プリファレンス・エンジンは、パーソナライズされた音楽サービスによって制御され(driven)、これは、家電デバイスにインプリメントすることができる。家電デバイスとしては、音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信することができるセットトップボックスが挙げられる。本願明細書において記載されているパーソナライズされた音楽サービスは、家電デバイスが双方向通信を有することを必要としない。必要な処理は、デバイス自体で実行される。そして、処理のためにリモートサーバに情報を伝送する必要はない。
【実施例】
【0010】
図1は、本願明細書において詳述するプリファレンス・エンジンによる個人音楽サービスに使用することができる環境100を示している。その心臓部は、家電デバイス110に存在する。本実施例において、家電デバイスは、セットトップボックス(STB)であり、ユーザのディスプレイ装置及び/又はオーディオ・システム120に接続されている。STB110は、一つ以上のソース130、140、150からデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するように構成される。例えば、STB110は、衛星130からデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するための衛星アンテナ132を使用したサテライトシステムの部分であってもよい。別の実施例において、STB110は、デジタル放送塔140からデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するためのアンテナを使用するデジタルテレビジョン、又は無線受信機であってもよい。さらに別の実施形態では、STB110は、ケーブル会社150からデジタル・ブロードキャスト・ストリームを提供されるケーブルシステムに接続することができる。ある種の実施形態では、STB110は、ソース130、140、150のいかなる組合せからもデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するように構成することができる。デジタル・ブロードキャスト・ストリームのこれらのソースは、単なる例示であると理解されなければならない。デジタル・ブロードキャスト・ストリームの他の可能なソースは、この開示の利点を理解する当業者にとって明らかである。
【0011】
図1において表されるソース130、140、150に共通する点は、従来、それらは一方向のデジタル・ブロードキャスト技術であるということである。すなわち、衛星130、デジタル・テレビ塔140及びケーブル・プロバイダ150は、家電デバイス110からのいかなる入力をも受信することなく、デジタル・ブロードキャスト・ストリームを伝送する。大部分のSTB110は、ソース130、140、150に通信することを必要とすることなくソース130、140、150からデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信することが可能である。このことは、例えば、インターネット通信と異なる。インターネット通信では、情報のための要求が家電デバイス110から受信されるまで、情報はソースから送られない。本願明細書において記載されるパーソナライズされた音楽サービスの1つの利点は、それが双方向通信を必要としないということである。本願明細書における方法、システム及び教示は、一方向のデジタル・ブロードキャスト技術だけを用いるシステムで使用することができる。
【0012】
デジタル・ブロードキャスト・ストリームは、衛星、テレビ、無線、又はケーブル・プロバイダによって提供されるチャネル、又はステーションを含む。提供されるチャネル、又はステーションは、プロバイダによって、チャネル・デジタル・ブロードキャストのコンテンツに関し、テレビ及び映画コンテンツ・チャネル、音楽番組及び情報が含まれ得る。例えば、多くのケーブル及び衛星プロバイダは、従来のテレビ・チャネル(CBS、HBO、TBS、その他)、及び、スタイル、又はジャンル(クラシックロック、オペラ、へビーメタル、その他)に基づいた音楽番組の両方を含む。これらの音楽番組は、それらを再生するチャネルのスタイル、又はジャンルに含まれる曲を提供し、かつ、これには音楽情報(曲名、アーティスト、アルバム、トリビア、その他)を提供する静的イメージ(static image)が含まれ得る。このようなタイプのデジタル・ブロードキャスト・ストリームに含まれる音楽コンテンツが、本明細書において開示される機能を動作させることを可能とする。
【0013】
図1の実施例において、家電デバイス110は、ユーザのディスプレイ装置及びオーディオ・システム120(例えばテレビ及びコンテンツを受信されたデジタル・ブロードキャスト・ストリームから出力するステレオ・システム)に接続されるように設計されたセットトップボックスである。しかしながら、他の実施例では、家電デバイス110はそれ自身でビデオ及びオーディオ再生能力があるスタンドアロン・デバイスであってもよい。そして、これはユーザのディスプレイ装置および/またはオーディオ・システム120に接続される必要はない。他の可能な実施例は、この開示に接した当業者にとって明らかである。
【0014】
図2は、一実施例に従った家電デバイス110の要素を表すブロック図である。本実施例において、家電デバイスは、受信器200、プロセッサ210、記憶装置220及び出力インタフェース230を有する。いくつかの実施形態では、家電デバイスは、入力インタフェース240を更に含んでもよい。各々のこれらの要素は、更に詳細に後述する。
【0015】
受信器200は、音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するように構成される。上述のように、音楽は、デジタル・ブロードキャスト・ストリームの部分としての音楽番組によって提供され得る。タイプ及び受信器の構成は、デジタル・ブロードキャスト・ストリームのソースに依存する。このように、受信器は、衛星デジタル・ブロードキャスト、無線デジタル・ブロードキャスト、ケーブル・デジタル・ブロードキャスト、又はこれらのいかなる組合せを受信するように構成することもできる。受信器によって、家電デバイス110は、デジタル・ブロードキャスト・ストリームの一部として提供されるさまざまなチャネル、又はステーションをアクセスし、かつデコードすることが可能となる。このように、受信器は、デジタル・ブロードキャスト・ストリームの一部として提供されるさまざまなチャネル又はステーションを受信し、あるいはデコードする一つ以上のチューナを含むことができる。複数のチューナの場合、チューナは、受信された同じデジタル・ブロードキャスト・ストリームの複数の異なるチャネル又はステーションのチューニング、又は異なる複数のデジタル・ブロードキャスト・ストリームの異なるチャネル又はステーションのチューニングを行ってもよい。
【0016】
プロセッサ210は、家電デバイス110のオペレーションを制御する。プロセッサは、家電デバイス110を作動させるソフトウェアを実行し、本明細書におけるパーソナライズされた音楽サービスの機能を提供する。これは、ユーザに対する音楽のプリファレンスを受信すること、及び音楽のプリファレンスに基づいて曲をデジタル・ブロードキャスト・ストリームから選択すること、及びユーザの楽しみのためのカスタムチャネルに、選択された曲をアセンブルすることを含む。プロセッサ210は、受信器200、記憶装置220、出力インタフェース230に接続され、かつ一部の実施例においては、インタフェース240に接続される。そして、これらの要素間の情報の転送及び処理を実行する。プロセッサ210は、特定の機能のためのプロセッサ、又は一般のプロセッサであってもよい。特定の実施例において、マルチプロセッサであってもよい。
【0017】
記憶装置220には、家電デバイスによって使用されるソフトウェア及び他の情報が記憶される。記憶装置220は、揮発性メモリ(RAM)、不揮発性メモリ(EEPROM)、磁気媒体(ハードディスク)、光学式媒体(CD/DVD−Rom)、又はフラッシュベースの記憶装置域を含んでもよい。家電デバイス110がSTB(例えば衛星受信機)である実施例において、記憶装置220は、メモリ及び、典型的には大容量記憶装置(例えばハードディスク)を含んでもよい。ハードディスクには、カスタム・ステーションの選択された曲が記憶されてもよい。
【0018】
出力インタフェース230は、正しいフォーマットのデジタル・ブロードキャスト・ストリームのコンテンツを出力するために、ビデオディスプレイ、又はオーディオ装置に提供するように構成される。このコンテンツは、本明細書におけるパーソナライズされた音楽サービスの一部として提供されるよう構成されたカスタム・ステーションを含むことができる。適切なフォーマットは、出力されるコンテンツのためのコーデック、及び外部ビデオディスプレイ装置、又はオーディオデバイス、又は場合によっては、オンボードディスプレイ又はスピーカに対するコネクタータイプを含む。出力インタフェース230は、家電デバイス110に利用できるコンテンツを示すために用いられるグラフィックス及びメニュー、及びコンテンツに関する情報を提供する。
【0019】
一部の実施例において、家電デバイス110は、入力インタフェース240を更に含むことができる。ユーザインタフェース240は、ユーザが家電デバイス110とインターラクトすることを可能とする。入力インタフェース240は、家電デバイス110に情報(例えばユーザの音楽のプリファレンス)を提供することを可能とする。ユーザインタフェース240は、また、家電デバイス110に利用できるコンテンツの選択を可能とする。ユーザインタフェース240は、情報を入力することが可能な、例えば遠隔制御装置、キーボードなどの、様々なデバイスとの間のインタフェースを制御することができる。
【0020】
図2に記載される要素は、例示であると理解されなければならない。家電デバイス110はいかなる数の要素をも含むことができ、かつ特定の要素は他の要素の機能の一部または全体を提供することができる。例えば、受信器200、出力インタフェース230及び入力インタフェースの機能の多くは、プロセッサ210、又は複数の一般の、又は専用のプロセッサによって実行することができる。他の考えられるインプリメンテーションは、本明細書における利点を理解した当業者にとって明らかである。
【0021】
図3は、一実施例に従ってパーソナライズされた音楽サービスを提供する方法300を示すフローチャートである。基本的には、方法は、3つのステップを含む。第1のステップは、音楽(ステップ310)を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するステップである。一つ以上の曲は、それからユーザ(ステップ320)の音楽のプリファレンスに基づいて、デジタル・ブロードキャスト・ストリームから選択される。最後に、選択された曲は、カスタム・ステーション(ステップ330)にアセンブルされる。ある種の実施形態では、方法は、ユーザ(ステップ305)に対する音楽のプリファレンスを取得して、カスタム・ステーション(ステップ340)を出力し、かつカスタム・ステーション(ステップ350)の音楽選択のフィードバックを取得するステップ、として追加ステップを含むことができる。各々のこれらのステップは、更に詳細に後述する。
【0022】
ステップ305は、ユーザに対する音楽のプリファレンスを取得することを含む。パーソナライズされた音楽サービスが形成される基礎は、この音楽のプリファレンスによるものである。音楽のプリファレンスは、スタイル、又はジャンルのような広いものから、アーティスト、又は音楽のような狭いものまで存在する。同様に、好みのジャンル、又はスタイルは、選択された曲、又はアーティストから推定することができる。或いは、好みのアーティスト及び曲は選択されたジャンル、又はスタイルから推定することができる。ユーザによって入力される音楽のプリファレンスは、いくつかの実施形態では、ジャンル、スタイル、アーティスト、又は音楽を選択することによってなされる。特定の実施例においては、ユーザに対して、音楽のプリファレンスを確立するために、音楽のフィードバック(例えば良い/悪い)、又は音楽のレートを示す能力が提供されても良い(ステップ350)。その他の実施例では、音楽のプリファレンスは、ユーザの聞くこと、又は見ること(viewing)の習慣から推定することができる。このように、ユーザに対する音楽のプリファレンスは、用途によって発展させることができる。同様に、ユーザは、更に自分の趣味に合わせて音楽のプリファレンスを調整するために、音楽のプリファレンスを編集してもよい。
【0023】
一部の実施例において、複数の音楽のプリファレンスを取得することができる。複数のプリファレンスは、1人のユーザ、又は複数ユーザのものであってもよい。例えば、1人のユーザはカスタム・ジャズのステーション及びカスタムロックステーションを作成したいと考える。したがって、ジャズに対する音楽のプリファレンスを取得することができ、かつロックに対する音楽のプリファレンスを取得することができる。逆にいえば、1人のユーザが1タイプの第1の音楽を好み、他のユーザが他のタイプの音楽を好む。したがって、異なる音楽のプリファレンスが、各々のユーザに対して取得される。
【0024】
ステップ310において、音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームが受信される。家電デバイス110(例えばセットトップボックス)の場合、デバイス110は、一つ以上のデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するように構成される。このステップは、また、受信されたデジタル・ブロードキャスト・ストリームを、デジタル・ブロードキャスト・ストリームに含まれるさまざまなチャネル又はステーションにデコーディングすることを含んでもよい。サテライトシステムの場合、デジタル・ブロードキャスト・ストリームは、常時、受信器が利用できる何百もの曲を提供している幾つかの音楽チャネルを含むことができる。提供された音楽番組上のこれらの利用できる曲から、カスタム・ステーションのための曲が選択される。
【0025】
サテライトシステムの場合であって、家電デバイスが衛星受信機である場合、曲の選択は個人ビデオレコーダ(PVR)で同様に作動することができる。実際、PVR機能を有する衛星受信機で、これは、この種の機能の拡張であってもよい。すなわち、サービスが行われていない場合、1つ以上の利用できるチューナは、音楽が選択されユーザの音楽のプリファレンスにマッチした音楽を含む音楽チャネルにチューニングしてもよい。
【0026】
曲をデジタル・ブロードキャスト・ストリームから選択するステップは(ステップ320)、プリファレンス・エンジンを使用して実行することができる。プリファレンス・エンジンは、通常、プリファレンスに基づいて選択するように設計されたソフトウェアである。この場合は、選択は、音楽のプリファレンスに基づく曲である。したがって、プリファレンス・エンジンは、ユーザに対する音楽のプリファレンスにマッチする又は似ている曲を選択するよう試みる。いくつかの実施形態では、プリファレンス・エンジンは、ユーザからフィードバックに応答することができる。例えば、ユーザは、プリファレンス・エンジンによって選択される音楽に「同意」、又は「拒絶」を与えることによって、プリファレンス・エンジンによって選択される音楽に、フィードバックを提供するよう要求されてもよい(ステップ350)。この受信されたフィードバックは、それから、選択プロセスをリファインするために、プリファレンス・エンジンによって使用することができる。プリファレンス・エンジンは、また、選択プロセスをリファインするために、過去の(historical)ユーザ情報(例えば、前の選択、又は視聴の習慣)を使用することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、関連データベースは、スタイル、ジャンル、アーティスト、他のスタイルを有する曲、ジャンル、アーティスト及び、音楽の普及度、レコメンデーション、プロバイダのプリファレンス、などに基づき、曲を関連づけるために用いられても良い。例えば、プロバイダは、特定のアーティストにスポットライトをあてることを望むことがある。この場合、そのアーティストは、スポットライトを浴びているアーティストのターゲットの視聴者により好まれるジャンル、スタイル、及び曲に関連づけられてもよい。この種の関連データベースは、家電デバイス110に好ましくは維持されるが、プロバイダ130、140、150によって、電子番組ガイドに類似した方法によって、最初に提供されてもよく、及び/又は定期的に更新されてもよい。
【0028】
ある種の実施形態では、一つ以上の曲をデジタル・ブロードキャスト・ストリームから選択するステップは(ステップ320)、追加ステップを含んでもよい。この実施例は、図4に示すことができる。図4の実施例において、曲を選択するステップ(320)は、デジタル・ブロードキャスト・ストリームの一つ以上の曲を特定するステップ(ステップ322)、特定された一つ以上の曲をユーザに対する音楽のプリファレンスと比較するステップ(324)、及び一つ以上の曲が音楽にユーザに対するプリファレンスに合うものを見つける場合に特定された曲を記憶するステップ(ステップ326)を含んでもよい。これらのステップの各々は、以下に更に詳細に記載する。
【0029】
デジタル・ブロードキャスト・ストリームの一つ以上の曲を特定するステップ(ステップ322)は、多くの方法で実行することができる。実施例において、プログラム・ガイドからの情報は、曲を特定するために使用することができる。例えば、多くの衛星及びケーブル・デジタル・ブロードキャスト・ストリームで、音楽番組は、ジャンル(すなわち「クラシックロック」、「ジャズ」、「オペラ」、など)によって特定される。これらのステーションは、類似したプログラムの特定の枠(すなわち「60年代のロック」の枠)を含むことがある。この情報は、デジタル・ブロードキャストの曲のタイプを特定するために使用することができる。これらの音楽番組は、しばしば、曲に伴って、曲名、アーティスト及びアルバムを示すスクリーンを曲に提供する。そのような場合、この情報も、曲を特定するために使用することができる。その他の実施例では、デジタル・ブロードキャスト・ストリームは、ジャンル、音楽、アーティスト、アルバム、又は他の情報を特定するメタデータ、又は埋め込まれたタグを含んでもよい。このような実施例では、この情報は、曲を特定するために使用することができる。
【0030】
別の実施例において、音楽以外のチャネル(non music−only channel)の音楽プログラミングからの曲も、選択のために特定することができる。例えば、MTV及びVH1のようなチャネルは、音楽のプリファレンスにマッチし得る曲を含む音楽プログラミングを有する。同様に、一部のチャネルは、音楽のプリファレンスにマッチし得る曲を含んでいるオペラ、又はミュージカルを示すことができる。曲を特定するための他の技術及び方法は、本明細書における利点を理解する当業者にとって明らかである。
【0031】
一旦曲が特定されると(ステップ322)、曲は一つ以上の音楽のプリファレンスと比較することができる(ステップ324)。上述のように、音楽のプリファレンスは、ジャンルのスタイルのように広いものであってもよく、又はアーティスト、又は音楽のように特有なものであってもよい。特定された曲は、それが、音楽のプリファレンスと同じジャンル、又はスタイルであるかどうか判断するために比較することができる。例えば、音楽のプリファレンスがクラシックロックである場合、特定された曲がまた、クラシックロックであるか否かが決定される。ある種の実施形態では、特定された曲が音楽のプリファレンスにマッチするかを決定するために、関連データベースが使用される。
【0032】
特定された曲が一つ以上の音楽のプリファレンスにマッチすると決定された場合(ステップ324)、これを記憶することができる(ステップ326)。一つ以上のマッチし特定された曲は、保存され、又は家電デバイス110の記憶装置220に記憶される。一部の実施例において、曲に関連している他の情報を記憶してもよい。例えば、記憶された曲のジャンル、スタイル、表題、アーティスト及びアルバムも、記憶することができる。ある種の実施形態では、例えば、音楽構成要素であると共に、曲が音楽ビデオの部分、又はビデオを含む音楽のパフォーマンスであるときに、ビデオ部分も、記憶することができる。
【0033】
図3を再度参照する。1つ以上の曲がユーザに対する音楽のプリファレンスに基づいて選択された後(ステップ320)、選択された曲は、カスタム・ステーション、又はチャネルに組み立てることができる(ステップ330)。組み立てられたカスタム・ステーション(又はチャネル)は、それらがデジタル・ブロードキャスト・ストリームの一部として提供されるチャネルの部分ではなく、組み立てられ、かつ、家電デバイス110に提供されるという観点で、「仮想」なものであってもよい。例えば、カスタム・ステーションは、家電デバイス上の利用できるサービスの一覧を示すプログラム・ガイドにリストアップすることができる。カスタム・ステーションは、単一の音楽のプリファレンス、又は複数の音楽のプリファレンスにマッチしている曲を含むことができる。例えば、カスタム・ステーションとして、「デービッドミュージック」という名前を与えてもよい。その他の実施例では、複数の音楽の各々のプリファレンスに対して、カスタム化されたステーションがあってもよい。例えば、各々のユーザは、一つ以上のカスタム・ステーションを有することができる。
【0034】
一旦曲がカスタム・ステーションにアセンブルされると(ステップ330)、カスタム・ステーションは、出力されてもよい(ステップ340)。例えば、ユーザは家電デバイス110用のプログラム・ガイドにリストされるカスタム・ステーションを選択することができ、かつステーションの曲はユーザのディスプレイ装置及び/又はオーディオ・システム120で再生されてもよい。ある種の実施形態では、出力されるカスタム・ステーションは、オーディオ構成要素(曲)を伴ったビデオ部分を含むことができる。例えば、曲名、アーティスト名および/または演奏している曲に関する他の情報を表示することができる。そういった実施例において、追加情報に対するリンクを提供することができる。ある種の実施形態では、音楽ビデオ、又はパフォーマンスは、オーディオ及び視覚の両者の構成要素によって再生することができる。
【0035】
特定の実施例において、曲の音楽のプリファレンス及び選択をリファインするために、音楽選択に関するユーザからのフィードバックを取得することができる(ステップ350)。フィードバックを取得するためのこの種の方法の実施例は、図5に示すことができる。図5の実施例において、フィードバックを取得することは、2つのステップを有する。すなわち、フィードバックをユーザに要求するステップ(ステップ352)、及び要求に応答してユーザからフィードバックを受信するステップ(ステップ354)である。
【0036】
例えば、ユーザは、カスタム・ステーション上の曲にランクを付けるよう依頼されてもよい。これに応答して、ユーザの入力、又は曲の順位が提供される。順位は、適否(すなわち「同意」、又は「拒絶」)、又はより詳細に示されたインジケータの(すなわち、1ないし5のスケールにランク付けされた)一般的な指摘であってもよい。フィードバックは、また、アーティスト、アルバム、スタイル、ジャンル及びカスタム・ステーションに対して取得されてもよい。特定の他の実施例において、ユーザは、フィードバックの要求無しに、ランク付け、又はフィードバックを提供することができる。フィードバックを取得するための他のインプリメンテーション及び実施例は、本明細書における利点を理解する当業者にとって明らかである。取得されるフィードバックは、音楽のプリファレンスをリファインする際に使用することができ(ステップ305)、そして、音楽の選択に使用することができる(ステップ320)。
【0037】
その他の実施例では、ユーザには、外部記憶装置又はプレーヤ(例えば個人音楽プレーヤ、又はUSB記憶装置)にカスタム・ステーションの曲(及び関連情報)を記憶するオプションが提供されてもよい。そういった実施例において、ユーザは、外部記憶装置、又はプレーヤ上のこの種のコピーの料金を払うことを必要とされてもよい。
【0038】
本発明は、また、コンピュータ・プログラム製品に埋め込まれることができる。そして、本願明細書において記載された方法の全ての特徴をインプリメントすることを可能にし、かつコンピュータシステムにおいてロードされるときに、これらの方法を実行することが可能である。なお、コンピュータ・プログラム、又はアプリケーションは、いかなる言語、コード、又は表記法で、特定の機能を実行するための情報処理能力を有するシステムを生じさせることを目的とする一組の命令のいかなる表記をも意味する。命令は、直接、又はa)他の言語、コード、表記への変換、b)異なる物理的フォームへの変換の何れか、又は両方の後、の実行を含む。
【0039】
更に、上述の記載は、例示的なものであって、以下の請求項の記載以外に、いかなる態様でも本発明を限定するためのものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリファレンス・ベースの音楽ステーションを生成するための方法であって、
音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するステップと;
ユーザの音楽プリファレンスに基づいて、前記デジタル・ブロードキャスト・ストリームに含まれる1つ以上の音楽を選択するステップと;
1つ以上の選択された音楽から、カスタム・ステーションをアセンブルするステップと;
を有する方法。
【請求項2】
ユーザの音楽プリファレンスを取得するステップ、を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザの音楽プリファレンスを取得するステップは、ユーザからの入力がなされるステップ、を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザの音楽プリファレンスを取得するステップは、セットトップボックスの前記ユーザによる利用をトラッキングするステップ、を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信するステップは、前記音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームをデコードするステップ、を更に含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記デジタル・ブロードキャスト・ストリームに含まれる1つ以上の音楽を選択するステップは、
前記デジタル・ブロードキャスト・ストリームにおける1つ以上の音楽を特定するステップと;
前記特定された1つ以上の音楽を前記ユーザの前記音楽プリファレンスと比較するステップと;
前記特定された1つ以上の音楽が前記ユーザの前記音楽プリファレンスにマッチした場合、前記特定された1つ以上の音楽を記憶するステップと;
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記デジタル・ブロードキャスト・ストリームに含まれる1つ以上の音楽を選択するステップは、複数のユーザの前記音楽プリファレンスに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のユーザの各々の音楽プリファレンスは異なり得る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
カスタム・ステーションは、各ユーザに対してアセンブルされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アセンブルされたカスタム・ステーションを出力するステップ、を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記デジタル・ブロードキャスト・ストリームは、一方向である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ユーザインタフェースに、利用可能なカスタムチャネルを表示するステップ、を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項13】
カスタムチャネルの選択された音楽に関するユーザフィードバックを取得するステップ、を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記カスタムチャネルの選択された音楽に関するユーザフィードバックを取得するステップは、
ユーザからのフィードバックを要求するステップと;
前記ユーザからのフィードバックを要求すること応答して、ユーザからのフィードバックを受信するステップと;
を有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
カスタムチャネルの選択された音楽を購入するためのオプションをユーザに提供するステップ、を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項16】
プリファレンス・ベースの音楽ステーションを生成するためのシステムであって:
音楽を含むデジタル・ブロードキャスト・ストリームを受信する受信器と;
ユーザの音楽プリファレンスに基づいて、前記デジタル・ブロードキャスト・ストリームに含まれる音楽を選択し、前記選択された音楽をカスタムチャネルにアセンブルするプロセッサと;
前記デジタル・ブロードキャスト・ストリームから前記選択された音楽を記憶する記憶装置と;
アセンブルされたカスタムチャネルを出力する出力インタフェースと;
を有するシステム。
【請求項17】
セットトップボックスを有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
ユーザからの命令を受信する入力インタフェース、を更に有する請求項16記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサは、カスタム音楽チャネルの選択された音楽に関するユーザフィードバックを取得する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサは、複数のユーザの前記音楽プリファレンスに基づいて、前記デジタル・ブロードキャスト・ストリームから、音楽を選択し、前記選択された音楽を1つ以上のカスタムチャネルにアセンブルする、請求項16に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−514721(P2013−514721A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544454(P2012−544454)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/006651
【国際公開番号】WO2011/075109
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】