説明

プリンタおよび記録方法

【課題】 一方の面に記録し他方の面を加熱すべき記録媒体と一方の面の記録のみを行えばよい記録媒体の両方を処理できるプリンタにおいて、処理時間の無駄や意図しない粘着性の付与や過熱を防ぐ。
【解決手段】 記録媒体7の一方の面に記録し他方の面の熱活性化を行う必要がある場合には、記録部4が一方の面に記録した後、記録媒体7の後端部が搬送ローラ13に狭持されるまで記録媒体7を搬送してから搬送ローラ13を逆回転させ、記録媒体7をガイド溝18に沿って熱活性化部6へ導く。熱活性化部6が他方の面を加熱して熱活性化を行った後、記録媒体7を第2の排出口15から排出する。記録媒体7の一方の面に記録するが他方の面の加熱を行わない場合には、記録部4が一方の面に記録した後、搬送ローラ13を正回転させ続け、記録媒体7を直進させて、熱活性化部6を通過させることなく第1の排出口12から排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体の一方の面に記録することができ、かつ他方の面の感熱性粘着剤層を加熱して粘着性を発現させることができるプリンタおよび記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、加熱されることによって粘着性を発現する感熱性粘着剤層を有する感熱性粘着シートが実用化されている。このような感熱性粘着シートは、加熱前のシートは粘着性を持たないため取り扱いが容易であることや、剥離紙を必要としないため産業廃棄物が生じないことなどの利点を有している。このような感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層の粘着力を発現させるために、一般に、サーマルプリンタの記録ヘッドとして用いられているサーマルヘッドを利用して加熱している。また、感熱性粘着シートの、感熱性粘着剤層の反対側の面に感熱性の記録可能層が設けられている場合には、同様なサーマルヘッドを用いて記録と熱活性化とを行うことができる。
【0003】
このような感熱性粘着シートの記録可能層に所望の文字や数字や画像等を記録し、所定の長さに切断した上で、感熱性粘着剤層に粘着性を発現させて、例えば商品に貼り付けられて価格や商品名等を表示する粘着ラベルを製造するプリンタが開発されている(特許文献2〜4参照)。これらのプリンタは、記録可能層に所望の文字や数字や記号や画像を記録するための記録部と、感熱性粘着剤層を熱活性化させて粘着性を発現させるための熱活性化部を含み、さらに、感熱性粘着シートを搬送する搬送機構や、感熱性粘着シートを所望の長さに切断してラベル状にするカッター部を備えている。記録部と熱活性化部には、実質的に同じ構成のサーマルヘッドが備えられており、それぞれに対向して感熱性粘着シートを支持し搬送するプラテンローラが配置されている。
【0004】
さらに、特許文献5には、前記した感熱性粘着シートと、感熱性ではない粘着剤層が剥離紙で覆われている、いわゆる通常ラベルのいずれをも記録媒体として用いることができるプリンタが提案されている。このプリンタは、図11に概略的に示すように、記録部100と、カッター部101と、ガイド部102と、熱活性化部103が直線的に並べられた構成である。
【0005】
特許文献5では、感熱性粘着シート104の記録および熱活性化を行う場合には、記録部100の記録用サーマルヘッド105によって記録可能層を加熱して記録を行った後、ガイド部102において所定の弛み状態とし、カッター部101にて感熱性粘着シート104を所定の位置で切断する。熱活性化部103では、ガイド部102における弛み状態を利用することによって感熱性粘着シート104の進行を停止させずに、熱活性化用サーマルヘッド106により感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させ、排出口107から排出する。
【0006】
このプリンタにおいて、通常ラベルの記録のみを行う場合には、記録部100の記録用サーマルヘッド105によって記録可能層を加熱して記録を行った後、カッター部101にて通常ラベルを所定の位置で切断し、通常ラベルを、ガイド部102および熱活性化部103を通過させて排出口107から排出する。この時、通常ラベルに部分的に速度差を生じさせずに、ガイド部102において図11に示すような弛みを生じさせず、熱活性化用サーマルヘッド106は駆動しない。このようにして、特許文献5のプリンタは、感熱性粘着シート104と通常ラベルの両方を取り扱うことができる。
【特許文献1】特開平11−79152号公報
【特許文献2】特開2003−316265号公報
【特許文献3】特許第3329246号公報
【特許文献4】特開2004−10710号公報
【特許文献5】特開2005−1152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献5のプリンタでは、記録部100と熱活性化部103が直線的に並べられている。したがって、通常ラベルを用いる場合には不要であるはずの熱活性化部103を記録媒体(通常ラベル)が通過するために、この記録媒体が供給されてから排出口107から排出されるまでに、無駄な時間がかかってしまう。
【0008】
また、記録媒体として感熱性粘着シート104を用いた際に熱活性化用サーマルヘッド106の表面に、熱活性化されて粘着性が発現した感熱性粘着剤層の一部(かけら)が付着して残留することがあり、このように熱活性化用サーマルヘッド106の表面に付着して残留した感熱性粘着剤層のかけらが、その後に記録媒体として供給される通常ラベルに再付着する可能性がある。その結果、通常ラベルの剥離紙等が、意図しない粘着性を有することになり、取り扱いにくくなるおそれがある。
【0009】
さらに、記録媒体として通常ラベルが供給される時に、熱活性化用サーマルヘッド106に余熱が残っていたり、あるいは操作ミスや記録媒体の種類の検知ミス等により熱活性化用サーマルヘッド106が誤って駆動されたりすると、通常ラベルの剥離紙等に不要な熱が加えられ、取り扱いにくくなるとともに、使用者に火傷を負わせる危険性がある。
【0010】
そこで本発明の目的は、両面を加熱すべき記録媒体と、一方の面のみを加熱すればよい記録媒体のいずれの処理も行うことができ、特に後者の場合に、処理時間の無駄を防ぐとともに、意図しない粘着性の付与や過熱を防ぐことができるプリンタおよび記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のプリンタは、記録媒体の一方の面に記録を行う記録ヘッドと記録媒体の搬送機構とを含む記録部と、記録部の搬送機構によって搬送される記録媒体の進路から屈曲した位置に配置され、記録媒体の他方の面を加熱する熱活性化用ヘッドと記録媒体の搬送機構とを含む熱活性化部と、記録部の搬送機構によって搬送される記録媒体の進路の下流側に設けられている第1の排出口と、熱活性化部の搬送機構によって搬送される記録媒体の進路の下流側に設けられている第2の排出口と、記録部と第1の排出口との間に配置されており、正回転によって記録媒体を記録部から第1の排出口へ搬送可能であり、かつ、逆回転によって、記録部から搬送されて来た記録媒体の進路を変更して記録媒体を熱活性化部へ搬送可能である搬送ローラとを有する。
【0012】
この構成によると、搬送ローラの作動によって、記録部から第1の排出口まで記録媒体を直進させる場合と、記録部からの記録媒体の進路を変更して熱活性化部へ導き、熱活性化後に第2の排出口から排出する場合とを使い分けることができる。
【0013】
具体的には、一方の面に記録が行われる記録面が設けられており他方の面に感熱性粘着剤層が設けられている記録媒体が供給されると、記録面に記録が行われた記録媒体の後端部が搬送ローラに到達するまで搬送ローラを正回転させ、記録媒体の後端部を狭持した状態から搬送ローラに逆回転を開始させ、一方の面に記録が行われる記録面が設けられており他方の面への加熱が不要な記録媒体が供給されると、搬送ローラに、記録面に記録が行われた記録媒体を第1の排出口から排出するまで搬送ローラを正回転させる、制御装置を有することが好ましい。
【0014】
これによって、記録媒体の種類に応じて、それぞれ必要最小限の処理を行いできるだけ短い距離を搬送して排出することができる。
【0015】
熱活性化用ヘッドは、搬送ローラの逆回転によって進路変更されて搬送された記録媒体の感熱性粘着剤層を加熱して粘着性を発現させ、熱活性化部の搬送機構は記録媒体を第2の排出口から排出するものであってもよい。
【0016】
一方の面に記録が行われる記録面が設けられており他方の面の加熱が不要な記録媒体は、粘着剤層が設けられていない記録用紙、または、粘着剤層が設けられ粘着剤層が剥離紙で覆われている通常ラベルであってもよい。
【0017】
記録部の記録ヘッドおよび熱活性化部の熱活性化用ヘッドがサーマルヘッドである場合、記録部の搬送機構は記録用プラテンローラであり、熱活性化部の搬送機構は熱活性化用プラテンローラであってもよい。
【0018】
搬送ローラの下流側に、一方の面に記録が行われた記録媒体を一時的に保持可能な一時保留部を有していてもよい。その場合、一時保留部は、搬送ローラの逆回転によって記録媒体を熱活性化部へ搬送する前の記録媒体を一時的に保持するものであり、搬送ローラの正回転によって第1の排出口から排出される記録媒体は導入されないものであってもよい。
【0019】
または、搬送ローラの下流側に、搬送ローラの逆回転によって記録媒体を熱活性化部へ搬送する前の記録媒体を一時的に保持可能な一時保留部と、搬送ローラの正回転によって第1の排出口から排出される記録媒体を案内する排出ガイドとが、着脱交換可能に取り付けられていてもよい。
【0020】
熱活性化部と第2の排出口が、プリンタの筐体に対して着脱可能なユニットに設けられており、ユニットは、記録媒体を第1の排出口から排出する場合には筐体から取り外しておくことができる構成であってもよい。
【0021】
本発明の記録方法は、記録媒体の一方の面に記録を行う記録ヘッドと記録媒体の搬送機構とを含む記録部と、記録部の搬送機構によって搬送される記録媒体の進路から屈曲した位置に配置され、記録媒体の他方の面を加熱する熱活性化用ヘッドと記録媒体の搬送機構とを含む熱活性化部と、記録部の搬送機構によって搬送される記録媒体の進路の下流側に設けられている第1の排出口と、熱活性化部の搬送機構によって搬送される記録媒体の進路の下流側に設けられている第2の排出口と、記録部と第1の排出口との間に配置されている搬送ローラとを有するプリンタを用い、記録媒体の一方の面に記録を行うとともに他方の面の熱活性化を行う場合には、記録ヘッドによって記録媒体の一方の面に記録を行い、記録部の搬送機構と搬送ローラによって記録媒体を、搬送ローラに記録媒体の後端部が到達するまで搬送するステップと、搬送ローラが記録媒体の後端部を狭持した状態から、搬送ローラが逆回転して記録媒体を熱活性化部に向けて搬送するステップと、搬送ローラの逆回転によって搬送された記録媒体に対し、熱活性化用ヘッドによって他方の面を加熱するとともに、熱活性化部の搬送機構によって搬送して、第2の排出口から排出するステップとを実施し、記録媒体の一方の面に記録を行い他方の面の加熱を行わない場合には、記録ヘッドによって記録媒体の一方の面に記録を行い、記録部の搬送機構と搬送ローラによって記録媒体を搬送して、第1の排出口から排出するステップを実施する。
【0022】
記録媒体の一方の面に記録を行うとともに他方の面の熱活性化を行う場合に、搬送ローラの逆回転によって記録媒体を熱活性化部へ搬送する前の記録媒体を、搬送ローラの下流側に設けられた一時保留部によって一時的に保持してもよい。
【0023】
熱活性化部と第2の排出口が、プリンタの筐体に対して着脱可能なユニットに設けられており、記録媒体を第1の排出口から排出する場合にはユニットを予め筐体から取り外しておいてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、一方の面の記録と他方の面の加熱を行うべき記録媒体に対しては、両面の処理を効率よく行い、円滑に搬送して第2の排出口から排出することができる。一方、一方の面の記録のみを行えばよい記録媒体に対しては、一方の面の記録のみを行い、熱活性化部を通過させることなく第1の排出口から円滑に排出することができる。特に後者の場合に、処理時間の無駄が防げるとともに、意図しない粘着性の付与や過熱を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明のプリンタを示す概略断面図である。本発明のプリンタは、下部フレーム1と上部フレーム2a,2b,2cとからなる筐体内に、ロール体収納部3と記録部4とカッター部5と熱活性化部6が設けられている。記録部4とカッター部5は直線的に並んで配置されているが、熱活性化部6は、カッター部5の下流側の上方に配置されている。
【0027】
ロール体収納部3は、記録媒体7のロール体7aを回転可能に保持している。なお、図面中の記録媒体7とロール体7aは、後述する感熱性粘着シート16および通常ラベル19とそれらのロール体16e,19fを総称するものとして示されている。
【0028】
記録部4は、ドット記録が可能なように幅方向(図1に垂直な方向)に並べて配設された比較的小さな抵抗体からなる複数の発熱素子を有する記録用サーマルヘッド8と、記録用サーマルヘッド8に圧接される記録用プラテンローラ9とから構成されている。記録用サーマルヘッド8は、ロール体収納部3から送られて来た記録媒体7の記録可能層16d,19d(図2,8参照)に接するように位置し、この記録用サーマルヘッド8に搬送機構である記録用プラテンローラ9が圧接している。記録用サーマルヘッド8は、セラミック基板上に形成された複数の発熱抵抗体の表面に結晶化ガラスの保護膜が設けられている構成など、公知のサーマルプリンタの記録ヘッドと同様の構成である。
【0029】
カッター部5は、記録部4によって記録が行われた記録媒体7を所定の長さで切断してラベル状にするためのものであり、1対のカッター部材5a,5b等から構成されている。なお、カッター部材5a,5bは、図示されていない支持部材によって支持されている。
【0030】
このカッター部5の下流の上方に熱活性化部6が設けられている。すなわち、熱活性化部6は、記録部4およびカッター部5を通る記録媒体7の進路から屈曲した位置にある。
【0031】
熱活性化部6は、熱活性化用サーマルヘッド10と、熱活性化用プラテンローラ11を有している。熱活性化用サーマルヘッド10は、記録用サーマルヘッド8と同様な構成である。この構成は、多数の小型の発熱素子(発熱抵抗体)を用いて加熱する構成であるため、単一の(またはごく少数の)大型の発熱素子を用いて加熱する構成に比べて、温度分布を広い範囲にわたって均一にし易いという利点がある。熱活性化用サーマルヘッド10は、記録媒体7が後述する感熱性粘着シート16である場合にはその感熱性粘着剤層16a(図2参照)に接するように位置し、熱活性化用サーマルヘッド10には搬送機構である熱活性化用プラテンローラ11が圧接している。
【0032】
カッター部5の下流側に第1の排出口12が設けられ、カッター部5と第1の排出口12の間に1対の搬送ローラ13が配置されている。したがって、記録部4、カッター部5、1対の搬送ローラ13、第1の排出口12が、直線的に1列に配置されている。詳述しないが1対の搬送ローラ13のうちの一方が駆動ローラであり、他方が従動ローラである。そしてこの駆動ローラは制御装置17に接続されており、正回転または逆回転を選択的に行うように駆動される。なお、本実施形態では、下側の搬送ローラ13に制御装置17が接続されているが、上側の搬送ローラ13に制御装置17が接続されてもよい。また、図示しないが、この接続装置17が、記録用サーマルヘッド8および記録用プラテンローラ9と、熱活性化用サーマルヘッド10および熱活性化用プラテンローラ11と、後述する排出ローラ14にも接続されて、これら全ての動作を制御する構成であってもよい。
【0033】
熱活性化部6は、記録部4、カッター部5、1対の搬送ローラ13、および第1の排出口12からなる直線的な経路の上方に位置している。さらに、熱活性化部6の上方には1対の排出ローラ14と、第2の排出口15が設けられている。上部フレーム2bと2cによって、記録媒体7を1対の搬送ローラ13の手前から熱活性化部6に導き、さらに1対の排出ローラ14を介して第2の排出口15まで導くためのガイド溝18が構成されている。
【0034】
このような構成のプリンタを用いて、複数種類の記録媒体に対して選択的に記録を行う方法について、図3のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0035】
まず、記録媒体7として感熱性粘着シート16を用いる場合について説明する。本実施形態で用いられる感熱性粘着シート16は、例えば、図2に示すように、シート状基材16bの表面(一方の面)側に断熱層16cおよび感熱発色層(記録可能層)16dが形成され、裏面(他方の面)側に感熱性粘着剤層16aが形成された構成である。感熱性粘着剤層16aは、熱可塑性樹脂や固体可塑性樹脂等を主成分とする感熱性粘着剤が塗布され乾燥されて固化されたものである。ただし、感熱性粘着シート16は、この構成に限定されるものではなく、感熱性粘着剤層16aを有していれば様々な変更が可能である。例えば、断熱層16cを有しない構成や、図示しないが、記録可能層16dの表面に保護層または有色記録層(予め記録されている層)が設けられている構成や、サーマルコート層が設けられている構成の感熱性粘着シートも使用可能である。
【0036】
この感熱性粘着シート16からなる所望の粘着ラベルを製造する方法について説明する。まず、ロール体収納部3に感熱性粘着シート16のロール体16eを収容する。そして、図1に示すように、ロール体16eから引き出した感熱性粘着シート16を、記録部4の記録用サーマルヘッド8と記録用プラテンローラ9の間に挿入してセットする(ステップ31)。記録用サーマルヘッド8に記録信号が供給されて、記録用サーマルヘッド8の複数の発熱素子が適宜のタイミングで選択的に駆動されて発熱して、感熱性粘着シート16の記録可能層16dに記録を行う。この記録用サーマルヘッド8の駆動と同期して記録用プラテンローラ9が駆動されて回転し、感熱性粘着シート16を、記録用サーマルヘッド8の発熱素子が並んでいる方向に交差する方向、例えば発熱素子の列に対して垂直な方向に搬送する。具体的には、記録用サーマルヘッド8による1ライン分の記録と、記録用プラテンローラ9による感熱性粘着シート16の所定量(1ライン分)の搬送とが交互に繰り返されることにより、感熱性粘着シート16に所望の文字、数字、記号、画像等の記録が行われる(ステップ32)。
【0037】
このようにして記録された感熱性粘着シート16は、カッター部5のカッター部材5a,5bの間を通る。感熱性粘着シート16の先端部が1対の搬送ローラ13の位置に到達したら、搬送ローラ13が回転して、搬送ローラ13と記録用プラテンローラ9とが協働して感熱性粘着シート16を搬送する(ステップ33)。そして、感熱性粘着シート16の切断すべき位置がカッター部材5a,5bに対向する位置に到達したら、記録用プラテンローラ9および搬送ローラ13を一旦停止して、図4に示すように、カッター部材5a,5bによる感熱性粘着シート16の切断を行う(ステップ34)。切断が完了したら、搬送ローラ13が再び回転して、記録および切断が行われたラベル状の感熱性粘着シート16をさらに搬送する(ステップ35)。やがて、感熱性粘着シート16の先端部は、第1の排出口12からプリンタ外部に突出する。
【0038】
記録媒体として感熱性粘着シート16を用い感熱性粘着剤層16aの熱活性が必要な場合には(ステップ36)、感熱性粘着シート16の後端部が1対の搬送ローラ13から脱出する前に、すなわち、図5に示すように、後端部が1対の搬送ローラ13によって狭持された状態で、制御装置17が搬送ローラ13の回転方向を変更させ、逆回転を開始させる(ステップ37)。それによって、記録および切断が行われたラベル状の感熱性粘着シート16は、進路が変更され、ガイド溝18に導かれて、図6に示すように後端部を先頭にして熱活性化部6に送られる。そして、熱活性化部6において、熱活性化用サーマルヘッド10と熱活性化用プラテンローラ11の間に感熱性粘着シート16を挟んだ状態で、熱活性化用サーマルヘッド10を駆動して、それに接する感熱性粘着剤層16aを加熱して熱活性化させる(ステップ38)。同時に、熱活性化用プラテンローラ11を回転させて感熱性粘着シート16を送り、感熱性粘着剤層16aの全面を熱活性化用サーマルヘッド10に当接させながらそれを通過させる。
【0039】
本実施形態の熱活性化部6によると、感熱性粘着シート16が熱活性化用プラテンローラ11によって熱活性化用サーマルヘッド10に押し付けられつつ、熱活性化用サーマルヘッド10が作動して発熱することによって、それに接する感熱性粘着剤層16aが加熱されて熱活性化する。それと同時に熱活性化用プラテンローラ11が回転して感熱性粘着シート16が搬送されて、感熱性粘着剤層16aの全面が熱活性化用サーマルヘッド2に当接しながら通過することによって、感熱性粘着シート16の片面の感熱性粘着剤層16aに全面的に粘着性が発現する。
【0040】
このようにして、一方の面に所望の記録が施され他方の面に粘着性が発現し、所定の長さに切断された、感熱性粘着シート16からなる粘着ラベルが製造される。この粘着ラベルは、熱活性化用プラテンローラ11と1対の排出ローラ14によって搬送され、図7に示すように第2の排出口15からプリンタ外部に排出される(ステップ39)。
【0041】
なお、感熱性粘着シート16のうち、まだ記録されていない部分が、カッター部5のカッター部材5a,5bの位置まで引き出されている場合(図5参照)には、記録および切断が行われたラベル状の感熱性粘着シート16を熱活性化部6に送る一方で、適当なタイミングで記録用プラテンローラ9を逆回転させて、未記録の感熱性粘着シート16をロール体16eに巻き戻す(図6参照)。こうして、次の粘着ラベル製造に備える。
【0042】
次に、本実施形態のプリンタによって、熱活性化を行う必要がない記録媒体を処理する場合の記録方法について説明する。なお、前記した感熱性粘着シート16からなる粘着ラベルの製造方法と同様な工程については、同じ図面を参照して説明する。
【0043】
熱活性化を行う必要がない記録媒体としては、粘着剤層を持たない記録用紙、または、感熱性でない粘着剤層が設けられておりこの粘着剤層が剥離紙で覆われている、いわゆる通常ラベル19が挙げられる。以下の説明では、記録媒体7として通常ラベル19を用いる場合を例にとって説明する。この通常ラベル19は、図8に示すように、シート状基材19bの表面(一方の面)側に断熱層19cおよび感熱発色層(記録可能層)19dが形成され、裏面(他方の面)側に粘着剤層19aが形成され、さらにこの粘着剤層19aを覆うとともに容易に剥がすことができる剥離紙(台紙)19eが貼り付けられた構成である。
【0044】
記録媒体7として感熱性粘着シート16を用いる場合と同様に、ロール体収納部3に通常ラベル19のロール体19fを収容する。そして、図1に示すように、ロール体19fから引き出した通常ラベル19を、記録部4の記録用サーマルヘッド8と記録用プラテンローラ9の間に挿入してセットする(ステップ31)。記録用サーマルヘッド8の複数の発熱素子が適宜のタイミングで選択的に駆動されて発熱して、通常ラベル19の記録可能層19dに記録を行う。それと同時に、記録用プラテンローラ9が駆動されて回転し、通常ラベル19をカッター部5側へ搬送する。記録用サーマルヘッド8による1ライン分の記録と、記録用プラテンローラ9による通常ラベル19の所定量(1ライン分)の搬送とが交互に繰り返されることにより、通常ラベル19に所望の記録が行われる(ステップ32)。
【0045】
このようにして記録された通常ラベル19は、カッター部5を通過して1対の搬送ローラ13の位置に到達し、搬送ローラ13と記録用プラテンローラ9とが協働して通常ラベル19を搬送する(ステップ33)。そして、通常ラベル19の切断すべき位置がカッター部材5a,5bに対向する位置に到達したら、記録用プラテンローラ9および搬送ローラ13を一旦停止して、図4に示すように、カッター部材5a,5bによる通常ラベル19の切断を行う(ステップ34)。切断が完了したら、搬送ローラ13が再び回転して、記録および切断が行われた通常ラベル19をさらに搬送する(ステップ35)。
【0046】
記録媒体として、熱活性化すべき感熱性粘着剤層を持たない通常ラベル19が用いられている場合には(ステップ36)、制御装置17が搬送ローラ13の正回転を続行させる。したがって、図5に示すように通常ラベル19が第1の排出口12から突出した状態から、そのまま通常ラベル19を搬送し続けてプリンタ外部に排出する(ステップ40)。
【0047】
このようにして、本実施形態のプリンタによって、一方の面に所望の記録が施され、所定の長さに切断された通常ラベル19が製造される。この通常ラベル19の使用時には、剥離紙19eを剥がして貼り付けることになる。
【0048】
以上説明した通り、本実施形態のプリンタによると、感熱性粘着シート16に記録および熱活性化を施し、第2の排出口15からプリンタ外部に円滑に排出することができるとともに、通常ラベル19に記録のみを施し、第1の排出口12からプリンタ外部に円滑に排出することができる。特に、後者の場合に、通常ラベル19は熱活性化部6を通ることなく第1の排出口12から排出されるので、無駄な時間がかからない。通常ラベル19は熱活性化用サーマルヘッド10に接触しないため、仮に熱活性化用サーマルヘッド10に感熱性粘着剤層のかけらが付着して残留していたとしても、通常ラベル19に再付着するおそれはない。また、熱活性化用サーマルヘッド10に余熱が残っていたり、あるいは誤って熱活性化用サーマルヘッド10が駆動されたとしても、通常ラベル19に不要な熱が加えられることはない。さらに、通常ラベル19は、記録部4とカッター部5と1対の搬送ローラ13と第1の排出口12からなる直線的な経路を通過して排出されるため、搬送中に屈曲させられることがなく、したがって、プリンタの内部で剥離紙19eが剥がれるおそれがない。
【0049】
なお、図3に示すフローチャートでは、便宜上、ステップ36において、記録媒体の他方の面への加熱が必要であるか否か(感熱性粘着剤層の熱活性化が必要であるか否か)を確認するように記載されている。しかし実際には、記録動作の開始前、または使用者が記録媒体をセットする時点で、他方の面への加熱が必要であるか否かを制御装置17に入力して設定しておけばよい。記録媒体への記録工程後に、確認のための特別な工程を行う必要はない。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前記した第1の実施形態と同様の部分には同一の符号を付与し、説明を省略する。
【0051】
図9に示すように、本実施形態では、1対の搬送ローラ13と第1の排出口12の間に、一時保留部20が設けられている。一時保留部20は、下部フレーム1に設けられた凹部1a内に挿入されて保持されている。そして一時保留部20は、感熱性粘着剤シート16を円滑に導入する入口20aと、入口20aから導入された感熱性粘着シート16を丸めながら収容する、輪郭が円形の収容空間20bを有している。この構成によると、感熱性粘着シート16の、搬送ローラ13を通過した部分は、一時保留部20の入口20aから導入されて収容空間20bに収容され、第1の排出口12からプリンタ外部に突出しない。そして、制御装置17が1対の搬送ローラ13の逆回転を開始させると、収容空間20b内に収容されていた感熱性粘着シート16が、再び収容空間20bの外に引き出され、ガイド溝18に沿って熱活性化部6へ送られる。
【0052】
本実施形態では、感熱性粘着剤シート16が熱活性化部6に送られる前、すなわち、1対の搬送ローラ13が逆回転を開始する前に、感熱性粘着シート16が第1の排出口12からプリンタ外部に突出した状態になることがない。したがって、粘着ラベルの完成前に、使用者が誤って、第1の排出口12からプリンタ外部に突出した部分を掴んで引っ張って感熱性粘着シート16を破ってしまう危険性がない。
【0053】
図9に示す状態では、搬送ローラ13の正回転により、感熱性粘着シート16は、一時保留部20の入口20aから収容空間20b内へ導かれる。しかし、図8に示す通常ラベル19を記録媒体として用いる場合には、搬送ローラ13の正回転により通常ラベル19を、一時保留部20の収容空間20b内に収容するのではなく、そのまま第1の排出口12からプリンタ外部に排出しなければならない。そこで本実施形態では、通常ラベル19など、記録媒体の両面に加熱を行う必要がない記録媒体を用いる場合には、予め一時保留部20に替えて排出ガイド21を設置する。具体的には、一時保留部20を下部フレーム1の凹部1aから取り出して、排出ガイド21を凹部1a内に挿入しておく。そして、通常ラベル19を処理する際には、一方の面に記録された通常ラベル19を、搬送ローラ13の正回転によって、排出ガイド21上を進行させ、そのまま第1の排出口12から排出する。本実施形態では、一時保留部20の下部の外形と、排出ガイド21の下部の外形が同一であり、凹部1aに嵌合する形状である。したがって、記録媒体の種類に応じて、一時保留部20と排出ガイド21とを容易に取り替えることができる。
【0054】
図9〜10に示す構成の変形例として、図示しないが、一時保留部20と搬送ローラ13との間に、可動ガイド部材を設けた構成が考えられる。可動ガイド部材は、記録媒体を一時保留部20の入口20aへ案内する位置と、一時保留部20の入口20aを塞いで記録媒体を第1の排出口12へ案内する位置とを移動可能である。したがって、記録媒体の他方の面に加熱すべき場合には、可動ガイド部材によって記録媒体を一時保留部20の入口20aへ案内でき、記録媒体の他方の面に加熱する必要がない場合には、可動ガイド部材を移動させて一時保留部20の入口20aを塞ぎ、記録媒体を第1の排出口12へ案内できる。
【0055】
なお、本実施形態において、記録媒体として感熱性粘着シート16を用いる場合であっても、一時保留部の収容空間20bの容量よりも大きい(長い)粘着ラベルを製造する際には、記録後の感熱性粘着シート16を収容空間20b内に収容せず、図10に示す状態と同様に、第2の排出口15からプリンタ外部に突出させる。そして、1対の搬送ローラ13により、感熱性粘着シート16の後端部を狭持した状態から、搬送ローラ13を逆回転させて感熱性粘着シートを熱活性化部6へ搬送すればよい。すなわち、第1の実施形態と実質的に同じ動作を行えばよい。このように、製造すべきラベルの大きさ(長さ)を、一時保留部20の収容空間20bへ感熱性粘着シート16を収容するか否かを決定するための要因としてもよい。
【0056】
以上説明した通り、本発明のプリンタによると、記録媒体7の一方の面に記録するとともに他方の面の熱活性化を行う必要がある場合には、記録後の記録媒体7を熱活性化部6へ導いて熱活性化させてから、第2の排出口15から排出する。一方、記録媒体7の一方の面に記録するが他方の面の加熱を行う必要がない場合には、記録後の記録媒体7をそのまま第1の排出口12から排出し、熱活性化部6を通過させない。
【0057】
前記した説明では、熱活性化を行う必要がない記録媒体7として、粘着剤層を持たない記録用紙と、前記した通常ラベル19を例示している。この他に、感熱性粘着シート16を用いるが、記録だけを行う場合や、記録だけを先に行っておいて、実際の使用時に、他部材に貼り付ける直前に粘着性を発現させたい場合にも、前記したのと同様に、感熱性粘着シート16を、熱活性化部6を通過させることなく第1の排出口12から排出してもよい。実際の使用時に、他部材に貼り付ける直前に粘着性を発現させたい場合には、カッター部5による切断も行わず、長い感熱性粘着シート16全体に記録を行い、貼り付けの直前に切断と熱活性化を行うようにしてもよい。
【0058】
逆に、記録媒体7として、粘着剤層を持たない記録用紙を用いる場合であっても、記録動作と同時に、または記録直後に記録用紙をプリンタ外部に排出するのではなく、記録が完了した後に所定のタイミングで記録用紙をプリンタ外部に排出させることが望まれる場合がある。そのような場合には、感熱性粘着シート16を取り扱う場合と同様に、1対の搬送ローラ13が、記録後の記録用紙の後端部を狭持した状態から、逆回転を開始し、記録用紙を、熱活性化部6を通過させて第2の排出口15からプリンタ外部に排出してもよい。ただし、熱活性化用サーマルヘッド10は駆動しない。このような排出形態を、プレゼンタ機能と称する。
【0059】
なお、図示しないが、熱活性化部6、排出ローラ14、および第2の排出口15が、一体的に取り外し可能なユニットとして設けられていると、記録媒体7の他方の面を加熱する必要がない場合にはこのユニットを予め取り外しておくこともできる。
【0060】
以上の説明では、1対の搬送ローラ13を用いているが、この構成に限られず、1つの搬送ローラ13にローラ以外の形状の対向部材が対向して配置されている構成にすることもできる。また、記録媒体7は、一方の面に感熱発色層(記録可能層)以外の記録面、すなわち、加熱によって記録されるのではなくそれ以外の方法で記録される記録面が設けられている構成であってもよい。その場合、記録部4には、記録用サーマルヘッド8に代えて、他の方式(例えばインクジェット方式やワイヤドット方式など)の記録ヘッドを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施形態のプリンタの概略断面図である。
【図2】記録媒体の一例である感熱性粘着シートの拡大図である
【図3】本発明の第1の実施形態の記録方法を示すフローチャートである。
【図4】図1に示すプリンタにおいて記録媒体を切断した状態を示す概略断面図である。
【図5】図1に示すプリンタにおいて1対の搬送ローラが記録媒体の後端部を狭持した状態を示す概略断面図である。
【図6】図1に示すプリンタにおいて記録媒体を熱活性化する状態を示す概略断面図である。
【図7】図1に示すプリンタにおいて熱活性化された記録媒体を排出する状態を示す概略断面図である。
【図8】記録媒体の一例である通常ラベルの拡大図である
【図9】本発明の第2の実施形態のプリンタにおいて1対の搬送ローラが感熱性粘着シートを狭持した状態を示す概略断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態のプリンタにおいて通常ラベルを排出する状態を示す概略断面図である。
【図11】従来のプリンタの概略断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 下部フレーム
1a 凹部
2a,2b,2c 上部フレーム
3 ロール体収納部
4 記録部
5 カッター部
6 熱活性化部
7 記録媒体
7a,16e,19f ロール体
8 記録用サーマルヘッド(記録ヘッド)
9 記録用プラテンローラ
10 熱活性化用サーマルヘッド(熱活性化用ヘッド)
11 熱活性化用プラテンローラ
12 第1の排出口
13 搬送ローラ
14 排出ローラ
15 第2の排出口
16 感熱性粘着シート
16a 感熱性粘着剤層
16b,19b シート状基材
16c,19c 断熱層
16d,19d 感熱発色層(記録可能層、記録面)
17 制御装置
18 ガイド溝
19 通常ラベル
19a 粘着剤層
19e 剥離紙(台紙)
20 一時保留部
20a 入口
20b 収容空間
21 排出ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の一方の面に記録を行う記録ヘッドと前記記録媒体の搬送機構とを含む記録部と、
前記記録部の前記搬送機構によって搬送される前記記録媒体の進路から屈曲した位置に配置され、前記記録媒体の他方の面を加熱する熱活性化用ヘッドと前記記録媒体の搬送機構とを含む熱活性化部と、
前記記録部の前記搬送機構によって搬送される前記記録媒体の進路の下流側に設けられている第1の排出口と、
前記熱活性化部の前記搬送機構によって搬送される前記記録媒体の進路の下流側に設けられている第2の排出口と、
前記記録部と前記第1の排出口との間に配置されており、正回転によって前記記録媒体を前記記録部から前記第1の排出口へ搬送可能であり、かつ、逆回転によって、前記記録部から搬送されて来た前記記録媒体の進路を変更して該記録媒体を前記熱活性化部へ搬送可能である搬送ローラと
を有するプリンタ。
【請求項2】
前記一方の面に記録が行われる記録面が設けられており前記他方の面に感熱性粘着剤層が設けられている記録媒体が供給されると、前記記録面に記録が行われた前記記録媒体の後端部が前記搬送ローラに到達するまで前記搬送ローラを正回転させ、前記記録媒体の後端部を狭持した状態から前記搬送ローラに逆回転を開始させ、
前記一方の面に記録が行われる記録面が設けられており前記他方の面への加熱が不要な記録媒体が供給されると、前記搬送ローラに、前記記録面に記録が行われた前記記録媒体を前記第1の排出口から排出するまで前記搬送ローラを正回転させる、制御装置を有する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記熱活性化用ヘッドは、前記搬送ローラの前記逆回転によって進路変更されて搬送された前記記録媒体の前記感熱性粘着剤層を加熱して粘着性を発現させ、
前記熱活性化部の前記搬送機構は前記記録媒体を前記第2の排出口から排出する、請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記一方の面に記録が行われる記録面が設けられており前記他方の面の加熱が不要な記録媒体は、粘着剤層が設けられていない記録用紙、または、粘着剤層が設けられ該粘着剤層が剥離紙で覆われている通常ラベルである、請求項2または3に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記記録部の前記記録ヘッドおよび前記熱活性化部の前記熱活性化用ヘッドがサーマルヘッドである場合、前記記録部の前記搬送機構は記録用プラテンローラであり、前記熱活性化部の前記搬送機構は熱活性化用プラテンローラである、請求項1から4のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記搬送ローラの下流側に、前記一方の面に記録が行われた前記記録媒体を一時的に保持可能な一時保留部を有している、請求項1から5のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記一時保留部は、前記搬送ローラの前記逆回転によって前記記録媒体を前記熱活性化部へ搬送する前の該記録媒体を一時的に保持するものであり、前記搬送ローラの前記正回転によって前記第1の排出口から排出される前記記録媒体は導入されないものである、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記搬送ローラの下流側に、前記搬送ローラの前記逆回転によって前記記録媒体を前記熱活性化部へ搬送する前の該記録媒体を一時的に保持可能な一時保留部と、前記搬送ローラの前記正回転によって前記第1の排出口から排出される前記記録媒体を案内する排出ガイドとが、着脱交換可能に取り付けられる、請求項1から5のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記熱活性化部と前記第2の排出口が、プリンタの筐体に対して着脱可能なユニットに設けられており、該ユニットは、前記記録媒体を前記第1の排出口から排出する場合には前記筐体から取り外しておくことができる、請求項1から8のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項10】
記録媒体の一方の面に記録を行う記録ヘッドと前記記録媒体の搬送機構とを含む記録部と、
前記記録部の前記搬送機構によって搬送される前記記録媒体の進路から屈曲した位置に配置され、前記記録媒体の他方の面を加熱する熱活性化用ヘッドと前記記録媒体の搬送機構とを含む熱活性化部と、
前記記録部の前記搬送機構によって搬送される前記記録媒体の進路の下流側に設けられている第1の排出口と、
前記熱活性化部の前記搬送機構によって搬送される前記記録媒体の進路の下流側に設けられている第2の排出口と、
前記記録部と前記第1の排出口との間に配置されている搬送ローラとを有するプリンタを用い、
記録媒体の一方の面に記録を行うとともに他方の面の熱活性化を行う場合には、
前記記録ヘッドによって該記録媒体の前記一方の面に記録を行い、前記記録部の前記搬送機構と前記搬送ローラによって前記記録媒体を、前記搬送ローラに前記記録媒体の後端部が到達するまで搬送するステップと、
前記搬送ローラが前記記録媒体の前記後端部を狭持した状態から、前記搬送ローラが逆回転して前記記録媒体を前記熱活性化部に向けて搬送するステップと、
前記搬送ローラの前記逆回転によって搬送された前記記録媒体に対し、前記熱活性化用ヘッドによって前記他方の面を加熱するとともに、前記熱活性化部の前記搬送機構によって搬送して、前記第2の排出口から排出するステップとを実施し、
記録媒体の一方の面に記録を行い他方の面の加熱を行わない場合には、
前記記録ヘッドによって該記録媒体の前記一方の面に記録を行い、前記記録部の前記搬送機構と前記搬送ローラによって前記記録媒体を搬送して、前記第1の排出口から排出するステップを実施する、
記録方法。
【請求項11】
記録媒体の一方の面に記録を行うとともに他方の面の熱活性化を行う場合に、前記搬送ローラの前記逆回転によって前記記録媒体を前記熱活性化部へ搬送する前の該記録媒体を、前記搬送ローラの下流側に設けられた一時保留部によって一時的に保持する、請求項10に記載の記録方法。
【請求項12】
前記熱活性化部と前記第2の排出口が、プリンタの筐体に対して着脱可能なユニットに設けられており、前記記録媒体を前記第1の排出口から排出する場合には該ユニットを予め前記筐体から取り外しておく、請求項10または11に記載の記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−185801(P2007−185801A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3976(P2006−3976)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】