説明

プリンタ及びプリント方法

【課題】 小型化及び軽量化を図ることができるプリンタを提供する。
【解決手段】 サーマルプリンタは、ロール状に巻回された感熱性粘着シート1を保持するロール収納ユニット2と、感熱性粘着シート1を切断するカッターユニット3と、感熱性粘着シート1の印字面への印字と感熱性粘着面の熱活性化を兼用する印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13が配設された印字及び熱活性化兼用ユニットと、感熱性粘着シート1を巻き取りローラ6aに巻き取って一時的に保留する巻き取り装置6を含む保留ユニットと、で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材に記録を行うプリンタ及びプリント方法に関し、特に、印字などの記録が行われる記録面(印字面)と、この記録面の裏側に、加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面を持つシート材に使用するプリンタ及びプリント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、片面が記録面であり、もう片面が熱活性粘着面であるシート材に記録を行うプリンタとして、特許文献1に示される装置がある。
【0003】
このプリンタは、シート材の記録面に印字する印字用サーマルヘッドを含む印字ユニットと、この印字ユニットの後段に設けられ、シート材を所定長で切断するカッターユニットと、このカッターユニットの後段に設けられ、シート材の記録面とは反対側の熱活性粘着面を熱活性化させる熱活性化用サーマルヘッドを含む熱活性化ユニットとを備えている。また、印字ユニット及び熱活性化ユニットにはそれぞれシート材の搬送手段として、シート材をサーマルヘッドの発熱部に押し付けながら搬送するためのプラテンローラや、これを回転駆動するためのモータ等が備えられている。
【0004】
このような構成のプリンタでは、シート材が印字ユニットのプラテンローラで搬送されつつ、該シート材の記録面に印字ユニットの印字用サーマルヘッドが印字を行なった後、この記録された所定長のシート材がカッターユニットにより切断される。その後、一枚の記録済みシート材が熱活性化ユニットのプラテンローラで搬送されつつ、シート材の記録面とは反対側の熱活性粘着面が熱活性化ユニットの熱活性化用サーマルヘッドで加熱される。これにより、熱活性粘着面の粘着力が発現され、そのままダンボールや食品ラップ、ガラス瓶やプラスチック容器などに一枚の記録済みシート材が貼り付け可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−316265号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日、上述したようなシート材を扱うプリンタは、片手で容易に持ち運ぶことのできるモバイルプリンタとして小型化および軽量化が益々期待されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたプリンタは印字ユニットと熱活性化ユニットを別々に構成しているため、印字ユニット及び熱活性化ユニットの各々に、サーマルヘッド、シート材を搬送するためのプラテンローラ、及びこれを回転駆動するためのモータ等を用意する必要があった。
【0008】
このため、特許文献1に開示されたプリンタの構成では小型化および軽量化に限界があった。
【0009】
この問題を解決できる装置として、従来、プラテンローラ上に一つのサーマルヘッドを配置し、このサーマルヘッドで印字と熱活性を選択的に行なうサーマルプリンタがある。このプリンタでは、感熱性粘着シートの表面(印字面)に印字後、当該感熱性粘着シートを反転用ローラにより表裏反転し、この表裏反転された感熱性粘着シートを再びサーマルヘッドの排出側より挿入し裏面(熱活性粘着面)を熱活性していた。
【0010】
しかしながら、上記のプリンタでは反転用ローラを別途設ける必要があるため、装置サイズの小型化を妨げてしまう問題があった。
【0011】
また、一般に、サーマルプランタでは図9に示すようにサーマルヘッド21の発熱部21aの部分をプラテンローラ22の外周面に密着させる構成が採られているとともに、サーマルヘッド21の構造はヘッドの小型化のために発熱部21aがヘッドの一方の端部21b近傍に設けられている。このため、サーマルヘッド基板とプラテンローラ外周面との間の密着部分以外の間隔は、サーマルヘッド21の発熱部21aが設けられた端部21b側の方がこの端部と反対側の端部21cに比べて極端に狭い。したがって、サーマルヘッド21の発熱部21aが設けられた端部21b側から記録用シートを挿入することは難しかった。
【0012】
なお、端部21b側からシートを挿入できる構成にするためには、発熱部21aから端部21bまでの距離を長くするとよい。しかし、このように長くするとサーマルヘッドのサイズが大きくなり、コストアップに繋がる。
【0013】
そこで本発明は上述した従来技術の問題に鑑み、装置の小型化および軽量化を図ることができ、また、装置コストの低減を可能にするプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明の一つは、印字が行われる印字面と、当該印字面の裏側に形成された加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面と、を持つシートに印字を行なうプリンタであって、一つのプラテンローラ上に、前記印字面に印字を行なう印字用ヘッドと前記熱活性粘着面を熱活性化する熱活性化用ヘッドとが配設された印字及び熱活性化兼用ユニットを備えたことを特徴とする。この構成では、従来は別々に設けられていた印字ユニットおよび熱活性化ユニットのプラテンローラが一つで兼用できるため、装置の小型化および軽量化に繋がる。
【0015】
また、本発明の他の一つは、印字が行われる印字面と、当該印字面の裏側に形成された加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面と、を持つシートに印字を行なうプリンタであって、プラテンローラ上に、前記印字面への印字と前記熱活性粘着面の熱活性化を兼用する印字及び熱活性化兼用ヘッドが配設された印字及び熱活性化兼用ユニットと、前記印字及び熱活性化兼用ユニットの後段に設けられ、前記印字及び熱活性化兼用ヘッドにより前記印字面が印字された前記シートの一時保留を行ない、また一時保留された前記シートの前記印字及び熱活性化兼用ヘッドへの搬送を行なう保留ユニットとを備えたことを特徴とする。
【0016】
そして、前記印字及び熱活性化兼用ユニットは、前記プラテンローラの外周面に沿って形成された、前記シートを搬送するための搬送通路を有し、該搬送通路の出口は、前記印字面の印字時に前記シートを前記プラテンローラと前記印字及び熱活性化兼用ヘッドの間に挿入するときの挿入口に接続されていることを特徴とする。
【0017】
この構成では、感熱性粘着シートの印字面を印字する時はシートが印字及び熱活性化兼用ヘッドとプラテンローラの間を通って保留ユニットに搬送され、一時保留される。一方、シートの裏側の熱活性粘着面を熱活性化する時は、印字された感熱性粘着シートが保留ユニットから印字及び熱活性化兼用ユニットに送出される。この送出されたシートは、プラテンローラ外周に沿って設けられた搬送通路を通して表裏反転され、印字面の印字時と同じ挿入口から印字及び熱活性化兼用ヘッドとプラテンローラの間に挿入される。このようにして、一つのサーマルヘッドで印字および熱活性を行なうことができる。
【発明の効果】
【0018】
上述した構成によれば、一つのプラテンローラに印字用ヘッドと熱活性化用ヘッドを配設する、あるいは一つの印字及び熱活性兼用ヘッドを配設することにより、従来は別々に設けられていた印字ユニットと熱活性化ユニットが一つのユニットに集約されたため、装置の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0019】
また、上述した構成によれば、プラテンローラに印字と熱活性化を兼用する一つのサーマルヘッドを配置することで、従来は別々に設けられていた印字ユニットと熱活性化ユニットが一つのユニットに集約されたので、装置の小型化及び軽量化を図ることができる。特に、表側の印字面が印字された感熱性粘着シートの裏側の感熱性粘着面を熱活性化する際に表裏反転するための機構としてプラテンローラを使用しているため、反転用ローラを別途設ける必要がなく、部品点数の削減、ひいては装置コストの低減ができる。
【0020】
さらに、印字時と熱活性時の両方とも、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッドとプラテンローラの間に感熱性粘着シートを挿入するときに同じ方向から挿入することにより、サーマルヘッドとプラテンローラとの間隔が広い、サーマルヘッドの発熱部が設けられていない端部側からシートを挿入することができる。つまり、印字時と熱活性時の両方とも、特別な機構を設けずに、サーマルヘッドとプラテンローラとの間へのシートの挿入が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態によるサーマルプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】図1のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図3】図1のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図4】図1のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図5】本発明の第2の実施形態によるサーマルプリンタの構成を示す概略図である。
【図6】図5のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図7】図5のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図8】図5のサーマルプリンタの動作を説明するための概略図である。
【図9】一般的なサーマルヘッドの発熱部とプラテンローラとの位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態によるプリンタの構成を示す概略図である。
【0023】
図1に示す形態のプリンタは、ロール状に巻回された感熱性粘着シート1を保持するロール収納ユニット2と、感熱性粘着シート1を切断するカッターユニット3と、感熱性粘着シート1の印字面に印字する印字用サーマルヘッド4および感熱性粘着シート1の感熱性粘着面を熱活性化する熱活性化用サーマルヘッド5を含む印字及び熱活性化兼用ユニットと、感熱性粘着シート1を巻き取りローラ6aに巻き取って一時的に保留する巻き取り装置6を含む保留ユニットと、で構成される。なお、本明細書でいう「印字」には、文字や数字以外に絵や模様などの画像を形成することを含む。
【0024】
感熱性粘着シート1は、例えばシート基材の表面側に断熱層および感熱発色層(印字可能層)とが形成され、裏面側に感熱性粘着剤が塗布乾燥されてなる感熱性粘着剤層が形成された構造を有している。なお、感熱性粘着剤層は、熱可塑性樹脂、固体可塑性樹脂等を主成分とする感熱性粘着剤からなる。また、感熱性粘着シート1は、前記断熱層を有しないものや、感熱発色層の表面に保護層または有色印字層(予め印字されている層)が設けられているものでも良い。
【0025】
印字用サーマルヘッド4は、ドット印字が可能なように幅方向に配設された複数の比較的小さな抵抗体で構成された複数の発熱素子を有する。また、熱活性化用サーマルヘッド5は、この実施形態では印字用サーマルヘッド4と同様の構成のもの、すなわちセラミック基板の上に薄膜技術で形成された複数の発熱抵抗体表面に結晶化ガラスの保護膜を設けてなる、公知のサーマルプリンタの印字ヘッドと同様の構成のものを使用している。このように、熱活性化用サーマルヘッド5として印字用サーマルヘッド4と同じ構成のものを用いることにより部品を共通化してコストの低廉化を図ることができる。ただし、熱活性用サーマルヘッド5の発熱素子は、印字用サーマルヘッド4の発熱素子のようにドット単位で分割されている必要はなく、連続した抵抗体としてもよい。
【0026】
ロール収納ユニット2の後段には、感熱性粘着シート1をロール収納ユニット2から引き出して搬送するための搬送手段である搬送ローラ7とこれに押圧されて従動回転する従動ローラ8とが配置されている。搬送ローラ7は例えばステッピングモータとギア列等からなる図示しない駆動系を備えており、この駆動系で搬送ローラ7を時計周りに回転させることにより、ロール収納ユニット2に装着されている感熱性粘着シート1をロールから引き出し、図面で見ると右側へ送出するようになっている。
【0027】
搬送ローラ7の後段には、カッターユニット3が配置されている。カッターユニット3は、印字用サーマルヘッド4によって印字が行われた感熱性粘着シート1を所望の長さで切断するためのものであり、電動モータ等の駆動源(図示省略)によって作動される可動刃(図示省略)と、この可動刃と対向された固定刃(図示省略)等から構成されている。
【0028】
カッターユニット3の後段には印字及び熱活性化兼用ユニットが配置されている。印字及び熱活性化兼用ユニットにおいて、印字用サーマルヘッド4および熱活性化用サーマルヘッド5の両方が一つのプラテンローラ12の外周面に配置されている。このとき、印字用サーマルヘッド4とプラテンローラ12の間に感熱性粘着シート1を挿入するときの挿入口と、熱活性化用サーマルヘッド5とプラテンローラ12の間に感熱性粘着シート1を挿入するときの挿入口とが互いに反対方向に向いている。言い換えると、印字用サーマルヘッド4と熱活性化用サーマルヘッド5は、同一プラテンローラ12上の概ね反対側に位置しており、プラテンローラ12の外円周上として考えると、同じ方向に向いている。
【0029】
また、印字用サーマルヘッド4および熱活性化用サーマルヘッド5はそれぞれ、コイルバネや板バネなどからなる図示しない加圧手段の弾撥力によりプラテンローラ12に圧接されている。特に、印字用サーマルヘッド4および熱活性化用サーマルヘッド5の発熱素子の部分がプラテンローラ12の外周面に密着している。また、発熱素子は各サーマルヘッド4,5の端部に設けられているため、上記の挿入口は、発熱素子が設けられた端部とは反対側の端部と、プラテンローラ12との間に形成されている。
【0030】
さらに、上記の印字及び熱活性化兼用ユニットは、プラテンローラ12を回転駆動する例えばステッピングモータとギア列等からなる図示しない駆動系を備えており、この駆動系でプラテンローラ12を反時計周りに回転させることにより、ロール収納ユニット2から引き出された感熱性粘着シート1を印字用サーマルヘッド4で印字しながら後段の保留ユニットへ送出、または保留ユニットから引き出された感熱性粘着シート1を熱活性化用サーマルヘッド5で熱活性化しながら装置外側へ送出するようになっている。
【0031】
上記の印字及び熱活性化兼用ユニットの後段には保留ユニットが配設されている。この保留ユニットの巻き取り装置6は、印字され搬送されてきた感熱性粘着シート1を筒状に巻き取るための巻き取りローラ6aと、巻き取りローラ6aの外周面を囲むように配設された複数のガイド6bとを備えている。巻き取りローラ6aはモータ等の回転駆動手段を用いて制御されている。また、巻き取りローラ6aの外側面の感熱性粘着シート1との摩擦抵抗が、感熱性粘着シート1とガイド6bとの摩擦抵抗よりも大きく設定されている。
【0032】
各ガイド6bは巻き取りローラ6aの外周面に対して弾性部材で付勢された状態で取り付けられている。これにより、各ガイド6bが巻き取りローラ6aの外周面に密着している。そして、巻き取りローラ6aに感熱性粘着シート1を巻き取るにしたがって巻き取りローラ6a上の感熱性粘着シート1の重なりによる厚みが増えた場合、その厚み分だけ各ガイド6bが巻き取りローラ6aの径方向外側に移動して、巻き取りローラ6aの外周面と各ガイド6bとの間が拡がるようになっている。このような機能を実現するために例えば、巻き取りローラ6aの周りの全てのガイド6bによって形成される外周にゴムバンドやばねを掛け回すことにより、各ガイド6bが巻き取りローラ6aの外周面に対してゴムバンドやばねで付勢された状態で取り付けられる。
【0033】
また、巻き取り装置6には、感熱性粘着シート1を巻き取りローラ6aの外周面と各ガイド6bとの間に挿入させるための挿入口6cが設けられている。そして、この挿入口6cの直前には、感熱性粘着シート1を搬送するための搬送ローラ9と、この搬送ローラ9に押圧されて従動回転する従動ローラ10とが配設されている。搬送ローラ9及び従動ローラ10は、印字及び熱活性化兼用ユニットを通って搬送されてきた感熱性粘着シート1を巻き取り装置6の挿入口6cに搬入、または巻き取り装置6に巻き取られた感熱性粘着シート1を挿入口6cから印字及び熱活性化兼用ユニットに向けて搬出する。この感熱性粘着シート1の搬入および搬出の切り換えは搬送ローラ9の回転方向を切り換えることで行われる。なお、搬送ローラ9は巻き取りローラ6aの回転動作と同期している。
【0034】
さらに、この搬送ローラ9とプラテンローラ12の間には、感熱性粘着シート1の搬送方向を規制する搬送方向規制手段11が備えられている。搬送方向規制手段11は、印字時に印字及び熱活性化兼用ユニットの印字用サーマルヘッド4とプラテンローラ12の間を通して印字用サーマルヘッド4によって印字された感熱性粘着シート1が巻き取り装置6の中に搬送されるようにシート搬送方向を規制するとともに、熱活性化時には巻き取り装置6の中から印字及び熱活性化兼用ユニットの熱活性化用サーマルヘッド5とプラテンローラ12の間に向けて感熱性粘着シート1が搬送されるようにシート搬送方向を規制する。この構成により、巻き取り装置6の中に一時保留された感熱性粘着シート1が熱活性化時に印字及び熱活性化兼用ユニットの熱活性化用サーマルヘッド5とプラテンローラ12の間に搬送される際に、印字用サーマルヘッド4とプラテンローラ12の間に搬送されることを防いでいる。
【0035】
次に、図2から図4に基づき、本実施形態のサーマルプリンタの動作について説明する。図2から図4は図1のプリンタにおける動作を示した概略図である。
【0036】
まず、ロール状に巻回された感熱性粘着シート1がロール収納ユニット2に装着され、図2(a)に示すように搬送ローラ7及び従動ローラ8によって挟持されつつロール収納ユニット2から引き出される。
【0037】
しかる後、図2(b)に示すように、感熱性粘着シート1はカッターユニット3を通って搬送されると、プラテンローラ12が反時計周りに回転し、印字用サーマルヘッド4の印字制御が始まる。感熱性粘着シート1はプラテンローラ12と印字用サーマルヘッド4の間に挟み込まれ、プラテンローラ12の回転駆動によって搬送されながら、印字用サーマルヘッド4により印字可能層(感熱発色層)に印字が行われる。
【0038】
感熱性粘着シート1の先端が印字及び熱活性化兼用ユニットの印字用サーマルヘッド4を通過した後、搬送方向規制手段11によって保留ユニット側に向けられ、搬送ローラ9及び従動ローラ10の間に挟みこまれる。
【0039】
そして、搬送ローラ9及び従動ローラ10の回転駆動によって感熱性粘着シート1は搬送され、巻き取り装置6の挿入口6cに挿入される。このとき、巻き取りローラ6aは搬送ローラ9と同じ回転速度で回転する。
【0040】
挿入口6cに挿入された感熱性粘着シート1は図3(a)に示すように、その進入につれて巻き取り装置6の巻き取りローラ6aに巻かれていく。このとき、各ガイド6bが弾性部材の付勢力によって感熱性粘着シート1を巻き取りローラ6aの外周面に押し付けているため、感熱性粘着シート1が巻き取りローラ6に確実に巻きつけられる。そして、巻き取りローラ6aに感熱性粘着シート1が巻き取られるにしたがって巻き取りローラ6a上の感熱性粘着シート1の重なりによる厚みが増えるが、その厚み分だけ各ガイド6bが巻き取りローラ6aの径方向外側に移動して、巻き取りローラ6aの外周面と各ガイド6bとの間が拡がる。
【0041】
しかる後、印字用サーマルヘッド6による印字動作が終了すると、巻き取りローラ6a、搬送ローラ7、搬送ローラ9およびプラテンローラ12の回転動作が停止し、感熱性粘着シート1が所望の位置でカッターユニット3により切断される。
【0042】
切断後、搬送ローラ7は停止したままで、巻き取りローラ6a、搬送ローラ9およびプラテンローラ12の回転動作が再び開始され、切断された感熱性粘着シート1の後端が図3(b)に示すように搬送ローラ9と従動ローラ10の間に到達するまで、巻き取りローラ6a、搬送ローラ9およびプラテンローラ12が駆動される。このとき、切断された感熱性粘着シート1の先端側は巻き取りローラ6aにさらに巻き取られる。
【0043】
その後、図4に示すように巻き取りローラ6b及び搬送ローラ9の回転方向が逆転する。これにより、巻き取り装置6内に巻き取られて一時保留されている感熱性粘着シート1が、巻き取り装置6から挿入口6cを通して引き出される。この際、一時保留されている感熱性粘着シート1の搬送方向が搬送方向規制手段11によって熱活性化用サーマルヘッド5とプラテンローラ12の間に向けられる。
【0044】
感熱性粘着シート1が再び印字及び熱活性化用ユニットに搬送されると、プラテンローラ12が反時計回りに回転し、熱活性化用サーマルヘッド5の加熱制御が始まる。このとき、印字用サーマルヘッド4の印字制御は中断したままである。
【0045】
巻き取り装置6から送出された感熱性粘着シート1はプラテンローラ12と熱活性化用サーマルヘッド5の間に挟み込まれて、巻き取りローラ6a、搬送ローラ9およびプラテンローラ12の回転駆動によって搬送されながら、熱活性化用サーマルヘッド5により感熱性粘着剤層が加熱される。この加熱工程が終了したとき、巻き取り装置6に一時保留されていた感熱性粘着シート1は全て引き出されているため、巻き取り装置6の各ガイド6bは図2(b)に示したように、弾性部材によって巻き取りローラ6aの外周面に接触した状態に戻る。
【0046】
上述したように印字、切断、および加熱が行われた所定長の感熱性粘着シート1は装置外部に排出され、そのままダンボールや食品ラップ、ガラス瓶やプラスチック容器などへ表示ラベルとして貼り付けられる。
【0047】
以上説明したとおり、本実施形態のサーマルプリンタでは、一つのプラテンローラに印字用サーマルヘッド4と熱活性化用サーマルヘッド5を配置することで、従来は別々に設けられていた印字ユニットと熱活性化ユニットが一つのユニットに集約されたので、装置の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0048】
なお、上記の実施の形態では、印字用ヘッドにサーマルプリンタのような感熱方式の印字ヘッドを適用したものを説明したが、本発明は、熱転写方式、インクジェット方式、レーザープリント方式等の印字用ヘッドを適用することも可能である。その場合には、シート材の印字可能層に感熱印字層に代えて各印字方式に適した加工が施されたシート材が用いられることとなる。
【0049】
また、上記の実施形態のプリンタは、熱活性化用サーマルヘッド5を印字用ヘッドに代えた両面印字のプリンタとすることも可能である。この場合には、感熱性粘着シートに代えて、普通紙が用いられることになる。
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態によるプリンタの構成を示す概略図である。
【0050】
上述した第1の実施形態では、従来は別々に設けられていた印字ユニットと熱活性化ユニットを一つのユニットに集約する目的で、一つのプラテンローラに印字用サーマルヘッド及び熱活性化用サーマルヘッドを配設したが、本実施形態は、一つのプラテンローラに印字及び熱活性化兼用の一つのサーマルヘッドを配設した構成となっている。
【0051】
以下、第2の実施形態のプリンタについて説明する。但し、本実施形態のプリンタを説明するにあたって、第1の実施形態のプリンタの構成部品と同一の構成部品には同一符号を用い、その説明は省略する。
【0052】
本実施形態のプリンタは、図5に示すように、ロール状に巻回された感熱性粘着シート1を保持するロール収納ユニット2と、感熱性粘着シート1を切断するカッターユニット3と、感熱性粘着シート1の印字面への印字、または感熱性粘着シート1の感熱性粘着面の熱活性化を行なう印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13を含む印字及び熱活性化兼用ユニットと、感熱性粘着シート1を巻き取りローラ6aに巻き取って一時的に保留する巻き取り装置6を含む保留ユニットと、図示しない、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13に印加するエネルギーを制御する印加エネルギー制御部から構成される。本エネルギー制御部は、公知のサーマルプリンタに用いるエネルギー制御手段と同様のものであるが、印字を行う時にサーマルヘッドに与えるエネルギー条件と、熱活性化を行う時にサーマルヘッドに与えるエネルギー条件とを、1つのサーマルヘッドにその時々で選択的に与えることが出来る。これにより、ひとつのサーマルヘッドを用いて印字及び熱活性化を効果的に行なうことが出来る。
【0053】
印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13は、ドット印字が可能なように幅方向に配設された複数の比較的小さな抵抗体で構成された複数の発熱素子を有する。この発熱素子は、セラミック基板の上に薄膜技術で形成された複数の発熱抵抗体表面に、結晶化ガラスの保護膜を設けてなる公知のサーマルプリンタの印字ヘッドと同様の構成を有している。
【0054】
上記の印字及び熱活性化兼用ユニットは、カッターユニット3と、巻き取り装置6を含む保留ユニットとの間に配設されている。印字及び熱活性化兼用ユニットでは、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13が一つのプラテンローラ12の外周面に配置されている。そして、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13は、コイルバネや板バネなどからなる図示しない加圧手段の弾撥力によりプラテンローラ12に圧接されている。特に、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13の発熱素子の部分がプラテンローラ12の外周面に密着している。また、発熱素子はサーマルヘッド13の端部に設けられているため、印字及び熱活性化用サーマルヘッド13とプラテンローラ12の間に感熱性粘着シート1を挿入するときの挿入口15が、サーマルヘッド13の発熱素子が設けられた端部とは反対側の端部と、プラテンローラ12との間に形成されている。
【0055】
さらに、感熱性粘着シート1を反転させるための搬送通路14がプラテンローラ12の外周面に沿って半周ほど、設けられている。搬送通路14の入口は保留ユニット側にある。そして、搬送通路14の出口は印字時に印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13とプラテンローラ12の間に感熱性粘着シート1を挿入するときの挿入口15に続いている。これにより、印字時と熱活性化時とで印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13とプラテンローラ12の間に感熱性粘着シート1を挿入するときの搬送方向を同じにしている。
【0056】
上記の印字及び熱活性化兼用ユニットは、プラテンローラ12を回転駆動する例えばステッピングモータとギア列等からなる図示しない駆動系を備えており、この駆動系でプラテンローラ12を時計周りに回転させることにより、ロール収納ユニット2から引き出された感熱性粘着シート1を印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13で印字しながら後段の保留ユニットへ送出、または保留ユニットから引き出された熱活性粘着シート1を搬送通路14で表裏反転させた後に印字及び熱活性化用サーマルヘッド13で熱活性化しながら装置外側へ送出するようになっている。
【0057】
また、搬送ローラ9とプラテンローラ12の間には、感熱性粘着シート1の搬送方向を規制する搬送方向規制手段11が備えられている。搬送方向規制手段11は、印字時に印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13とプラテンローラ12の間を通って印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13によって印字された感熱性粘着シート1が巻き取り装置6の中に搬送されるようにシート搬送方向を規制するとともに、熱活性化時には巻き取り装置6から感熱性粘着シート1がプラテンローラ12の外周面の搬送通路14を経て印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13とプラテンローラ12の間に搬送されるようにシート搬送方向を規制する。この構成により、保留ユニットに一時保留された感熱性粘着シート1を熱活性化時に印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド5とプラテンローラ12の間に搬送する際に、保留ユニットの巻き取り装置6からのシート搬送方向が搬送通路14への搬送方向のみに規制される。
【0058】
次に、図6から図8に基づき、本実施形態のサーマルプリンタの動作について説明する。図6から図8は図1のプリンタにおける動作を示した概略図である。
【0059】
まず、ロール状に巻回された感熱性粘着シート1がロール収納ユニット2に装着され、図6(a)に示すように搬送ローラ7及び従動ローラ8によって挟持されつつロール収納ユニット2から引き出される。
【0060】
しかる後、図6(b)に示すように、感熱性粘着シート1はカッターユニット3を通って搬送されると、プラテンローラ12が時計周りに回転し、印字及び熱活性化用サーマルヘッド13の印字制御が始まる。感熱性粘着シート1はプラテンローラ12と印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13の間に挟み込まれ、プラテンローラ12の回転駆動によって搬送されながら、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13により印字可能層(感熱発色層)に印字が行われる。
【0061】
感熱性粘着シート1の先端が印字及び熱活性化兼用ユニットを通過した後、搬送方向切換手段11によって保留ユニット側に向けられ、搬送ローラ9及び従動ローラ10の間に挟みこまれる。
【0062】
そして、搬送ローラ9及び従動ローラ10の回転駆動によって感熱性粘着シート1は搬送され、巻き取り装置6の挿入口6cに挿入される。このとき、巻き取りローラ6aは搬送ローラ9と同じ回転速度で回転する。
【0063】
挿入口6cに挿入された感熱性粘着シート1は図7(a)に示すように、その進入につれて巻き取り装置6の巻き取りローラ6aに巻かれていく。このとき、各ガイド6bが弾性部材の付勢力によって感熱性粘着シート1を巻き取りローラ6aの外周面に押し付けているため、感熱性粘着シート1が巻き取りローラ6に確実に巻きつけられる。そして、巻き取りローラ6aに感熱性粘着シート1が巻き取られるにしたがって巻き取りローラ6a上の感熱性粘着シート1の重なりによる厚みが増えるが、その厚み分だけ各ガイド6bが巻き取りローラ6aの径方向外側に移動して、巻き取りローラ6aの外周面と各ガイド6bとの間が拡がる。
【0064】
しかる後、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド6による印字動作が終了すると、巻き取りローラ6a、搬送ローラ7、搬送ローラ9およびプラテンローラ12の回転動作が停止し、感熱性粘着シート1が所望の位置でカッターユニット3により切断される。
【0065】
切断後、搬送ローラ7は停止したままで、巻き取りローラ6a、搬送ローラ9およびプラテンローラ12の回転動作が再び開始され、切断された感熱性粘着シート1の後端が図7(b)に示すように搬送ローラ9と従動ローラ10の間に到達するまで、巻き取りローラ6a、搬送ローラ9およびプラテンローラ12が駆動される。このとき、切断された感熱性粘着シート1の先端側は巻き取りローラ6aにさらに巻き取られる。
【0066】
その後、図8(a)に示すように巻き取りローラ6b及び搬送ローラ9の回転方向が逆転する。これにより、巻き取り装置6内に巻き取られて一時保留されている感熱性粘着シート1が、巻き取り装置6から挿入口6cを通して引き出される。この際、一時保留されている感熱性粘着シート1の搬送方向が搬送方向切換手段11の上昇により搬送通路14の入口側に切り換えられる。
【0067】
感熱性粘着シート1が再び印字及び熱活性化用ユニットに搬送されると、プラテンローラ12が時計回りに回転し、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13の加熱制御が始まる。
【0068】
巻き取り装置6から送出された感熱性粘着シート1は図8(b)に示すように搬送通路14を通ってプラテンローラ12と印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13の間に挟み込まれて、巻き取りローラ6a、搬送ローラ9およびプラテンローラ12の回転駆動によって搬送されながら、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13により感熱性粘着剤層が加熱される。この加熱工程が終了したとき、巻き取り装置6に一時保留されていた感熱性粘着シート1は全て引き出されているため、巻き取り装置6の各ガイド6bは図6(b)に示したように、弾性部材によって巻き取りローラ6aの外周面に接触した状態に戻る。
【0069】
上述したように印字、切断、および加熱が行われた所定長の感熱性粘着シート1は搬送ローラ9と従動ローラ10の間を経由して巻き取り装置6の挿入口6cに挿入されないように搬送方向規制手段11でそのシート搬送方向が曲げられてから装置外部に排出され、そのままダンボールや食品ラップ、ガラス瓶やプラスチック容器などへ表示ラベルとして貼り付けられる。
【0070】
以上説明したとおり、本実施形態のサーマルプリンタでは、プラテンローラに印字と熱活性化を兼用する一つのサーマルヘッド12を配置することで、従来は別々に設けられていた印字ユニットと熱活性化ユニットが一つのユニットに集約されたので、装置の小型化及び軽量化を図ることができる。特に、表側の印字面が印字された感熱性粘着シート1の裏側の感熱性粘着面を熱活性化する際に表裏反転するための機構としてプラテンローラ12を使用しているため、反転用ローラを設ける必要がなく、部品点数の削減、ひいては装置コストの低減ができる。
【0071】
また、印字時と熱活性時の両方とも、印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド13とプラテンローラ12の間に感熱性粘着シート1を挿入するときに同じ方向から挿入することにより、サーマルヘッド13とプラテンローラ12との間隔が広い、サーマルヘッド13の発熱部が設けられていない端部側から記録用シートを挿入することができる。つまり、印字時と熱活性時の両方とも、特別な機構を設けずに、サーマルヘッド13とプラテンローラ12との間へのシートの挿入が容易となる。
【0072】
なお、上記の実施の形態のプリンタでは、片面が感熱印字面でもう片面が感熱性粘着面であるシート材に感熱式のサーマルヘッドを用いて片面に印字を行ない、もう片面を熱活性化させたが、両面とも感熱印字面であるシート材を用いて両面印字を行なうこともできる。
【0073】
また、両面印字用のプリンタとする場合、感熱式のサーマルヘッドに代えて、熱転写方式、インクジェット方式、レーザープリント方式等の印字用ヘッドを適用することも可能である。その場合には、普通紙が用いられることになる。
【0074】
以上、本発明について2つの実施形態を挙げて具体的に説明したが、本発明のプリンタは上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 感熱性粘着シート
2 ロール収納ユニット
3 カッターユニット
4 印字用サーマルヘッド
5 熱活性化用サーマルヘッド
6 巻き取り装置
6a 巻き取りローラ
6b ガイド
6c、15 挿入口
7、9搬送ローラ
8、10 従動ローラ
11 搬送方向規制手段
12 プラテンローラ
13 印字及び熱活性化兼用サーマルヘッド
14 搬送通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字が行われる印字面と、当該印字面の裏側に形成された加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面と、を持つシートに印字を行なうプリンタであって、プラテンローラ上に、前記印字面への印字と前記熱活性粘着面の熱活性化を兼用する印字及び熱活性化兼用ヘッドと、前記プラテンローラの後段に設けられ、前記印字及び熱活性化兼用ヘッドにより前記印字面が印字された前記シートの一時保留を行ない、また、一時保留した前記シートの前記印字及び熱活性化兼用ヘッドへの搬送を行なう保留ユニットとを備えたプリンタ。
【請求項2】
前記プラテンローラと、印字及び熱活性化兼用ヘッドとが、印字及び熱活性化ユニットを形成している請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記プラテンローラと、印字及び熱活性化兼用ヘッドとは前記プラテンローラの外周面に沿って形成された、前記シートを搬送するための搬送通路を有し、前記搬送通路の出口は、前記印字面の印字時に前記シートを前記プラテンローラと前記印字及び熱活性化兼用ヘッドの間に挿入するときの挿入口に接続されている、請求項1または2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記保留ユニットは、前記シートを巻き取る巻き取り装置を有する、請求項1乃至3のうち1項に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記保留ユニットの前段に、前記シートを搬送する搬送ローラを有し、前記搬送ローラは反転駆動可能であり、前記保留ユニットへの前記シート挿入時と、前記保留ユニットからの送出時とで、前記搬送ローラが反対方向に駆動する、請求項4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記保留ユニットに一時保留された前記シートが前記印字及び熱活性化兼用ヘッドと前記プラテンローラの間に搬送される際に、前記シートの搬送方向を前記保留ユニットから前記搬送通路への搬送方向のみに規制する規制手段を有する、請求項2乃至5のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項7】
印字が行われる印字面と、当該印字面の裏側に形成された加熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面とを持つシートの、前記印字面への印字と前記熱活性粘着面の熱活性化を兼用する印字及び熱活性化兼用ヘッドと、
前記印字及び熱活性化兼用ヘッドと対向して配置され、前記印字及び熱活性化兼用ヘッドとの間を前記シートを通過させるプラテンローラと、
前記プラテンローラの後段に配置され、前記印字後のシートの一時保留を行ない、一時保留後に前記印字及び熱活性化兼用ヘッドと前記プラテンローラの間に向けて前記シートを送出する保留ユニットと、
前記プラテンローラの外周面に沿って、前記印字及び熱活性化兼用ヘッドとは概ね前記プラテンローラを挟んで反対側に形成され、出口が前記印字面の印字時に前記シートを前記プラテンローラと前記印字及び熱活性化兼用ヘッドの間に挿入するときの挿入口に接続されている搬送通路と、
前記プラテンローラと前記保留ユニットの間に配置され、前記保留ユニットに一時保留された前記シートが前記印字及び熱活性化兼用ヘッドと前記プラテンローラの間に再び搬送される際に、前記シートの搬送方向を前記保留ユニットから前記搬送通路への搬送方向のみに規制する規制手段と、を備えたプリンタ。
【請求項8】
シートの一方の面に印字及び熱活性化兼用ヘッドによって印字を行なう印字工程と、
前記印字及び熱活性化兼用ヘッドと対向して配置されたプラテンローラによって、前記シートを前記印字工程と同期させて、前記印字及び熱活性化兼用ヘッドと前記プラテンローラの間を通過させる第1の搬送工程と、
前記シートを一時保留する保留工程と、
前記シートが、前記プラテンローラとプラテンローラの外周面に沿って形成された、前記シートを搬送するための搬送通路によって、再び前記印字及び熱活性化兼用ヘッドと前記プラテンローラの間に搬送される第2の搬送工程と、
前記シートの他方の面に形成された過熱されることで粘着力が生じる熱活性粘着面を前記印字及び熱活性化兼用ヘッドによって熱活性化する熱活性化工程と、
前記プラテンローラによって、前記シートを前記熱活性化工程と同期させて前記印字及び熱活性化兼用ヘッドと前記プラテンローラの間を通過させる第3の搬送工程と、
を含むプリント方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−56959(P2011−56959A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231788(P2010−231788)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【分割の表示】特願2005−75155(P2005−75155)の分割
【原出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】