説明

プリンタ装置およびその保守システム

【課題】インクリボンを用いて媒体に取引データを印字、印刷するプリンタ装置1において、記録濃度のバラツキの影響を受けることなく、正確にインクリボンの交換時期を判定できるようにする。
【解決手段】印字文字数を計数する印字文字数カウンタ13と、媒体に印字された文字またはマークを読取る光学読取部6と、所定の間隔で、光学読取部6にて読取ったデータに基づいて印字濃度が正常か否かを判定する印字濃度判定部10と、印字濃度の判定を行った回数を計数する判定回数カウンタ14と、印字濃度判定部10により正常記録濃度と判定された回数を計数する正常判定回数カウンタ15と、を備え、印字文字数カウンタ13にて計数された文字数が所定の印字文字数以上のときに、判定回数カウンタ14の値に対する正常判定回数カウンタ15の値の割合を正常判定率として算出し当該正常判定率が所定の基準値以下となったときを記録剤の寿命と判定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクリボン、トナー、インク等の記録剤を用いて記録媒体に印刷を行うプリンタ装置およびその保守システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、記録剤としてインクリボン、トナー、インク等を用いて用紙等の記録媒体に印刷して記録するプリンタ装置では、印刷とともに当該記録剤が少なくなったり、リボンのインクが薄くなったりして、印刷かすれ、印刷不良が発生するため、定期的に印刷後の印刷濃度を検出し、所定の印刷濃度以下となるとアラームを出力して、記録剤の交換を促すガイダンスを表示してオペレータに知らせるようになっている。
【0003】
例えば、印字文字を光学センサにより検出し、当該検出結果を2つのスライスレベルで2値化し、最終印字行における日付印字のハイフォンなどの印字濃度を検出し、当該印字濃度が高い側のスライスレベル以下となりかつ前記低い側のスライスレベル以上であるときにアラーム信号を出力し、インクリボンの交換を促す技術はあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
或いは、1つ前の印字により印字されたマークの印字濃度を検知し、当該印字濃度が基準とした濃度以下となったと判定してからあらかじめ定めた印字数の印字を行ったときに、オペレータにインクリボンの交換を促す技術もあった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭54−036014号公報
【特許文献2】特開平05−020478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、印刷濃度は、一般に、厚さや折れ、シワ、膨らみなどの印刷媒体の状態、印刷する文字等の種類、印刷する位置、温湿度環境、さらにはリボンのキズ、乾きなどの状態の影響を受けやすく、バラツキが発生し、特許文献1の技術では、一回の濃度判定により判定を行うため、上記バラツキにより一回でも所定の印字濃度以下になりアラームが発生すると、まだ使用できる状態であるにも拘わらず、交換してしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献2の技術でも同様に上記バラツキによる判定誤差が発生するうえ、当該判定から所定の印字文字数の印字後に交換を促すアラームを出力するため、上記バラツキに印字文字によるバラツキも加わり、さらに交換時期に誤差が発生してしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題を解決するために次の構成を採用する。すなわち、記録剤を用いて記録媒体に取引データを記録するプリンタ装置であって、前記記録を行った記録量を記憶する記録量計数手段と、前記記録媒体の記録された文字またはマークを読取る光学読取部と、所定の間隔で、前記光学読取部にて読取ったデータに基づいて記録濃度が正常か否かを判定する記録濃度判定手段と、前記記録濃度の判定を行った回数を記憶する判定回数計数手段と、前記記録濃度判定部により正常記録濃度と判定された回数を記憶する正常判定回数計数手段と、を備え、前記記録量計数手段の所定の計数量ごとに判定回数計数手段の値に対する正常判定回数の値の割合を正常判定率として算出し当該算出した正常判定率が所定の基準値以下となったときを記録剤の寿命と判定するようにした。
【0009】
或いは、さらに、前記記録量計数手段の所定の計数量ごとに判定回数計数手段に対する正常判定回数の割合を正常判定率として記憶する正常判定率記憶手段と、当該判定日を記憶する判定日記憶手段と、を備え、前記記憶した正常判定率および判定日に基づいて、判定日に対する正常判定率の変化を直線近似し当該近似した正常判定率が所定の基準値以下となる時を記録剤の寿命と予測するようにした。
【0010】
或いは、別の発明では、前記プリンタ装置と、当該プリンタ装置を保守する保守端末を備える保守システムであって、前記保守端末は、前記プリンタ装置の記録量計数手段、判定回数計数手段および正常判定回数計数手段の計数値を取得して記憶できる記録濃度データ記憶手段を備え、前記保守端末にて、前記記録量計数手段の所定の計数量ごとに前記判定回数計数手段の値に対する前記正常判定回数の値の割合を正常判定率として算出し当該算出した正常判定率が所定の基準値以下となったときを記録剤の寿命と判定するようにした。
【0011】
或いは、前記保守端末は、前記正常判定率と当該判定日を記憶できる記録濃度データ記憶手段を備え、前記保守端末にて、前記正常判定率および判定日に基づいて、前記判定日に対する正常判定率の変化を直線近似し当該近似した正常判定率が所定の基準値以下となる時を記録剤の寿命と予測するようにした。
【0012】
或いは、前記プリンタ装置は、所定の取引を行って取引内容を印字する自動取引装置のプリンタ装置であって、前記保守端末は、所定の期間ごとの前記記録を伴う取引量に応じた事前アラーム発生判定率を記憶する事前アラーム発生判定率記憶手段を備え、当該記憶した事前アラーム発生判定率に基づいて前記取引量に応じた事前アラームを発生するようにした。
【発明の効果】
【0013】
本発明のプリンタ装置およびプリンタ装置保守システムによれば、以上のように構成したので、印字や印刷による記録濃度の推移のバラツキの影響を受けることなく、正確に記録剤の交換時期を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1のプリンタ装置の構成図である。
【図2】実施例1のプリンタ装置のプリンタ装置制御部の構成図である。
【図3】実施例1のプリンタ装置の印字動作フローチャート図である。
【図4】実施例1のプリンタ装置の印字濃度判定動作フローチャート図である。
【図5】実施例1のプリンタ装置のインクリボン寿命判定動作フローチャート図である。
【図6】実施例1のプリンタ装置のインクリボンの寿命判定動作説明図である。
【図7】実施例2のプリンタ装置の印字濃度判定結果記憶部の構成図である。
【図8】実施例2のプリンタ装置のインクリボン寿命予測動作説明図である。
【図9】実施例2のプリンタ装置の印字濃度判定動作フローチャート図である。
【図10】実施例2のプリンタ装置のインクリボン寿命判定および記憶動作フローチャート図である。
【図11】実施例2のプリンタ装置のインクリボン寿命予測動作フローチャート図である。
【図12】実施例3のプリンタ装置保守システムの構成図である。
【図13】実施例4のプリンタ装置保守システムの構成図である。
【図14】実施例4のプリンタ装置保守システムの動作説明図である。
【図15】実施例4のプリンタ装置保守システムのインクリボン寿命判定動作フローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0016】
なお、以下の説明では、金融機関等に設置され、顧客等の操作により入出金等の取引を行う自動取引装置に搭載される通帳伝票プリンタを例として説明し、記録剤としてインクリボンを用いて印字する例として説明するが、その他の一般のプリンタ装置や専用プリンタであってもよく、トナーやインクを用いて印刷する場合であってもよい。
【実施例1】
【0017】
(構成)
図1は、実施例1のプリンタ装置の構成図であり、図2は、実施例1のプリンタ装置制御部8の構成図である。
【0018】
図1に示したように、実施例1のプリンタ装置1は、例えば通帳などの媒体20を吸入/排出する媒体吸排口2と、媒体20の搬送をガイドする搬送路3と、媒体20に貼付された図示しない磁気ストライプの磁気情報のリードライトを行う磁気R/W部5と、媒体20に印字された文字やマークを光学的に読取る光学読取部6と、インクリボンを使用してインパクトドットヘッドにて媒体20に印字する印字部7と、媒体20を搬送する媒体搬送機構部4と、前述各部への動作指示や監視を行い上位制御装置9との通信を行う詳細後述のプリンタ装置制御部8を備える。
【0019】
次に、図2を用いて、前述のプリンタ装置制御部8の構成を説明する。同図に示したように、プリンタ装置制御部8は、光学読取部6にて媒体20の印字やマークを光学的に読取ったデータから印字濃度が正常か薄くなっているかどうかを判定する印字濃度判定手段としての印字濃度判定部10と、当該印字濃度判定結果を記憶する印字濃度判定結果記憶部11と、印字文字数を記憶する印字量記憶部16と、印字濃度正常判定率RD0を算出し寿命の判定制御を行う主制御部12を備える。
【0020】
そして、印字量記憶部16は、印字した文字数を記憶する記録量計数手段としての印字文字数カウンタ13を備え、印字濃度判定結果記憶部11は、印字文字数カウンタ13で計数された印字に対して行った印字濃度の判定回数を記憶する判定回数計数手段としての判定回数カウンタ14と、印字濃度判定回数カウンタ14内で正常印字濃度と判定された回数を記憶する正常判定回数計数手段としての印字濃度正常判定回数カウンタ15を備える。
【0021】
(動作)
以上の構成により実施例1のプリンタ装置は、以下のように動作する。この動作を、図3の印字動作フローチャート図、図4の印字濃度判定動作フローチャート図および図5のインクリボン寿命判定動作フローチャート図、図6のインクリボン寿命判定動作説明図を用いて以下詳細に説明する。
【0022】
最初に、印字動作を図3の印字動作フローチャート図を用いて印字動作を説明する。まず、顧客の操作により、プリンタ装置1の媒体吸排出口2より媒体20が挿入されると、媒体20は、媒体搬送機構部4により搬送路3にガイドされて搬送され、磁気R/W部5、光学読取部6を経て、印字部7に搬送され、取引データ等の印字が行われる(ステップS01)。
【0023】
このとき、主制御部12は、印字動作による印字文字数を算出し(ステップS02)、印字量記憶部16内の印字文字数カウンタ13の計数値を前記算出した印字文字数分増加させる(ステップS03)。
【0024】
そして、以上のように印字された媒体20は、光学読取部6に搬送され、印字濃度の判定を行う。この印字濃度判定動作を、図4を用いて以下説明する。
【0025】
まず、プリンタ装置制御部8の印字濃度判定部10は、光学読取部6で読取られた画像データを用いて印字濃度が正常レベルか、薄いレベルであるかを判定し、主制御部12は、当該判定結果を読取る(ステップS11)。なお、印字濃度が正常レベルか、薄いレベルかの判定は、所定の間隔として各取引データの印字ごとや各ページの印字ごととし、各取引データの最終行や各ページの最後に印字される取引日付のハイフォンやマークの印字濃度を、後述の図6(a)のように所定の閾値、すなわち印字薄判定レベルPD1にて判定すればよい。
【0026】
そして、主制御部12は、印字濃度判定結果記憶部11内の印字濃度判定回数カウンタ14のカウンタ値に+1を加え(ステップS12)、次に、前記印字濃度判定結果が正常であったか否かを判定し(ステップS13)、正常レベルの場合、印字濃度判定結果記憶部11内の印字濃度正常判定回数カウンタ15のカウンタ値に+1を加える(ステップS14)。なお、前記印字濃度判定結果が正常レベルでない場合は、印字濃度正常判定回数カウンタ15のカウンタ値を変えることなく次のステップS15に進む。
【0027】
次に、主制御部12は、印字量記憶部16の印字文字数カウンタ13の値をあらかじめ設定した規定印字文字数Nαと比較し(ステップS15)、規定印字文字数Nα以上の場合は、後述のインクリボン寿命判定処理を行う(ステップS16)。なお、前記規定印字文字数Nαは、印字濃度判定部10による印字濃度判定を数回から数十回行う印字文字数であって、インクリボンの印字濃度の変化を検出できる印字文字数として、1000文字程度とすればよい。
【0028】
一方、ステップS15にて印字文字数カウンタ13の値が規定印字文字数Nαより少ないときは、まだ、インクリボンの寿命判定をする必要がないとして、ステップS16のインクリボン寿命判定処理およびステップS17のカウンタクリア処理を行うことなく本処理を終了する。
【0029】
そして、後述するステップS16のインクリボン寿命判定処理を終了した後、印字文字数カウンタ13、印字濃度判定回数カウンタ14および印字濃度正常判定回数カウンタ15の各カウンタをクリアし(ステップS17)、印字濃度判定処理を終了する。
【0030】
次に、ステップS16のインクリボン寿命判定処理を、図5の動作フローチャートおよび図6のインクリボン寿命判定動作説明図を用いて説明する。
【0031】
最初に、図6のインクリボン寿命判定動作説明図を用いてインクリボン寿命判定動作の概要を説明する。
【0032】
図6の上段のグラフは、印字文字数に対する印字濃度の推移を示すグラフであり、初期値PD0の濃度から印字文字数が増えるに従い印字濃度PDは徐々に減少し、印字濃度が薄いと判定される印字濃度薄判定レベルPD1となり、さらに印字がないと判定される印字濃度なし判定レベルPDXへと変化する。
【0033】
そして、初期値PD0の濃度から印字濃度薄判定レベルPD1を正常印字濃度判定範囲とし、印字濃度薄判定レベルPD1から印字濃度なし判定レベルPDXを印字薄濃度判定範囲とし、印字濃度なし判定レベルPDXより低いレベルを印字なし濃度判定範囲として印字濃度が判定される。
【0034】
一方、下段のグラフは、横軸を印字文字数とし前記規定印字文字数Nα単位内ごとの印字濃度判定結果を印字濃度判定率RDとして示したものであり、印字濃度が正常と判定される印字濃度正常判定率RD0は実線のように推移し、印字濃度が薄いと判定されるレベルである印字濃度薄判定レベルPD1を印字濃度PDが下回るに従い、100%から徐々に減少し、インクリボンアラーム規定値RDαを経て、0%まで減少する。
【0035】
一方、印字濃度が薄いと判定される印字濃度薄判定率RD1は破線で示したように0%から徐々に上昇する。なお、印字濃度なし判定レベルPDX以降は、印字濃度薄判定率RD1と印字濃度なし判定率RDXが背反するように推移する。
【0036】
次に、前述のステップ16のインクリボン寿命判定処理を、図5と前述の図6を用いて以下詳細に説明する。
【0037】
最初に、規定印字文字数Nα単位内で、印字濃度判定結果が正常と判定された印字濃度正常判定率RD0を、印字濃度正常判定回数カウンタ15の値/印字濃度判定回数カウンタ14の値×100として算出する(ステップS21)。
【0038】
そして、算出した印字濃度正常判定率RD0をインクリボン寿命アラーム規定値RDαと比較し(ステップS22)、印字濃度正常判定率RD0がインクリボン寿命アラーム規定値RDαより少ないときはインクリボン寿命と判定し、インクリボン寿命アラーム等を上位制御装置9に通知し(ステップS23)、これを受信した上位制御装置9はインクリボンの寿命をオペレータに表示等して知らせる。
【0039】
なお、上記インクリボン寿命アラーム規定値RDαは、図6の印字濃度なし判定レベルPDXまでのマージンとなる交換用インクリボンを準備するための期間等を考慮して、例えば40%程度に設定すればよい。
【0040】
以上のように、一回の印字濃度判定結果に基づいてインクリボンの寿命を判定するのではなく、所定の印字文字数内ごとの印字濃度正常判定率RD0に基づいてインクリボンの寿命を判定するようにしたので、厚さや折れ、シワ、膨らみなどの印字媒体の状態、印字する文字の種類、印字する位置、温湿度環境およびインクリボンのキズ、乾きなどの状態の影響を受けることなく、正確なインクリボンの交換時期を検知してオペレータに知らせることができる。
【0041】
(実施例1の効果)
以上のように、実施例1のプリンタ装置によれば、所定の印字文字数内ごとの印字濃度正常判定率に基づいてインクリボンの寿命を判定するようにしたので、印字濃度のバラツキの影響を受けることなくインクリボンの交換時期を判定することができる。
【実施例2】
【0042】
(構成)
実施例2のプリンタ装置の構成は、図1に示した実施例1の構成と同様であるので、簡略化のためにその詳細な説明は省略する。
【0043】
実施例2のプリンタ装置1のプリンタ装置制御部8の構成は図2に示した実施例1のプリンタ装置制御部8の印字濃度判定結果記憶部11を印字濃度判定結果記憶部21に替えた構成となっている。
【0044】
すなわち、実施例2のプリンタ装置制御部8の印字濃度判定結果記憶部21は、図7に示したように、印字濃度判定回数カウンタ14と印字濃度正常判定回数カウンタ15に加え、規定印字文字数Nα単位内ごとに算出する印字濃度正常判定率RD0の結果を、判定日とともに、直近の数回分(例えば、5回分)を記憶する正常判定率記憶部17と判定日記憶部18を備え、当該印字濃度正常判定率RD0と判定日に基づいてインクリボン寿命到達日を予測できる構成となっている。
【0045】
(動作)
以上の構成により、実施例2のプリンタ装置1は以下のように動作する。この動作を図8のインクリボン寿命予測動作説明図および図9の印字濃度判定動作フローチャート図、図10のインクリボン寿命判定および記憶動作フローチャート図、図11のインクリボン寿命予測動作フローチャート図を用いて以下説明する。なお、印字動作は図3を用いて説明した実施例1の動作と同様であるので、簡略化のためにその詳細な説明は省略する。
【0046】
まず、図8のインクリボン寿命予測動作説明図を用いて、実施例2のプリンタ装置のインクリボン寿命予測の概要を説明する。なお、図8は、判定日を横軸として、実施例1にて説明した規定印字文字数Nα単位内での印字濃度正常判定率RD0をプロットした図である。
【0047】
同図に示したように、印字濃度PDが薄くなり始めると、印字文字数が多くなるに従い、印字濃度正常判定率RD0は徐々に減少し始める。そして、短い期間では、印字濃度正常判定率RD0の減少は、図中一点鎖線のように直線近似することができる。
【0048】
この直線近似は、図7のように印字濃度判定結果記憶部21に記憶されている直近判定日TnからN回前まで、本例ではN=4回前までの規定印字文字数Nα単位内ごとの印字濃度正常判定率RD0と判定日記憶部18に記憶された当該判定日を用いて、例えば、最小二乗法などで直線近似する。
【0049】
そして、近似した直線式を用いて、印字濃度正常判定率RD0がインクリボン寿命アラーム規定値RDαまで減少する日数を寿命到達予定日数Txとして予測する。
【0050】
以下、図7に示したように印字濃度判定結果記憶部21に記憶されている直近判定日Tn、すなわち5月31日から4回前の基準日とする4月21日までの印字濃度正常判定率RD0を用いて直線近似し、寿命到達予定日数Txを予測する具体例を以下説明する。
【0051】
まず、図7(b)のように、基準とする判定日D0(4月21日)からの経過日数を算出し、印字濃度正常判定率RD0との対応表を作成し、当該対応表に基づいて下記AないしDを算定し、下記Eをデータ数、本例では5回のデータであるので「5」とする。なお、データ数は5回分のデータでなく、4回以下としてもよいし、逆に6回以上のデータにより直線近似するようにしてもよい。本例の5回分のデータの場合では以下のように求められる。
【0052】
A=直近5回の印字濃度正常判定率RD0の和=399
B:直近5回の日数の和=100
C=直近5回の日数の2乗の和=3000
D=直近5回の日数×印字濃度正常判定率RD0の=7470
E:データ数=5
【0053】
そして、直線近似式を、y=ax+bとすると、以下のように算出される。
傾きa=(E×D−A×B)/(E×C−B×B)=−0.51
切片b=(C×A−D×B)/(E×C−B×B)=90
【0054】
すなわち、直線近似式は、y=−0.51x+90として求められ、直近の4回前の基準日D0に相当するx=0にて90%の印字濃度正常判定率RD0となり、傾きが約1/2の直線で近似されることになる。
【0055】
次に、印字濃度正常判定率RD0がインクリボン寿命アラーム規定値RDαとなるインクリボン寿命到達予測日Dxは以下のように算出する。
【0056】
すなわち、インクリボン寿命アラーム規定値RDαを40%とすると、インクリボン寿命到達予測日数Txは、Tx=(40%−b)/aで求められ、本例ではTx=(40%−90%)/−0.51=98日となり、印字濃度正常判定率RD0が直近の4回前である基準となる判定日D0では90%で、Tx=98日経過後に40%となるとして予測され、インクリボン寿命到達予測日Dxは、D0+Txで求められる。
【0057】
本例では、直近の4回前の基準日D0は4月21日であり、インクリボン寿命到達予測日数Txが98日であるので、4月21日から98日後となる7月28日がインクリボン寿命到達予測日Dxとなると予測される。
【0058】
次に、図9の印字濃度判定動作フローチャート図、図10のインクリボン寿命判定および記憶動作フローチャート図および図11のインクリボン寿命予測動作フローチャート図を用いて実施例2の動作を詳細に説明する。なお、図9の印字濃度の判定動作のステップS11〜S15、S17は実施例1の濃度判定動作と同様であるのでその説明を簡略化する。
【0059】
まず、プリンタ装置制御部8の印字濃度判定部10は、光学読取部6で読取られた画像データを用いて印字濃度が正常レベルか、薄いレベルであるかを判定し、主制御部12は、当該判定結果を読取り、印字濃度判定結果記憶部21内の印字濃度判定回数カウンタ14のカウンタ値に+1を加え、次に、前記印字濃度判定結果が正常であったか否かを判定し、正常レベルの場合、印字濃度判定結果記憶部21内の印字濃度正常判定回数カウンタ15のカウンタ値に+1を加え、印字量記憶部16の印字文字数カウンタ13の値をあらかじめ設定した規定印字文字数Nαと比較する(ステップS11〜S15)。
【0060】
そして、規定印字文字数Nα以上の場合は、後述する図10のインクリボン寿命判定記憶処理を行った後(ステップS36)、印字文字数カウンタ13、印字濃度判定回数カウンタ14および印字濃度正常判定回数カウンタ15の各カウンタをクリアし(ステップS17)、印字濃度判定処理を終了する。
【0061】
次に、図10を用いて、前記ステップS36のインクリボン寿命判定記憶処理を説明する。規定印字文字数Nα内ごとにステップS11〜S14にてカウントされた印字濃度判定回数カウンタ14、印字濃度正常判定回数カウンタ15の値を用いて、規定印字文字数Nα単位内ごとに印字濃度正常判定率RD0を算出し図7のように正常判定率記憶部17の「直近」の記録順番位置に算出した印字濃度正常判定率RD0を記憶し(ステップS31)、判定日記憶部18の同じ記録順番位置に当該判定日を記憶する(ステップS32)。
【0062】
このとき、直近より前のデータはひとつずつシフトし、最も古いデータは削除する。これにより直近のN回分の印字濃度正常判定率RD0および判定日が記憶されることになる。
【0063】
そして、図9の印字濃度判定処理および図10のインクリボン寿命判定記憶処理を終了すると、実施例2の主制御部12は、図11に示したインクリボン寿命予測処理を実施する。
【0064】
すなわち、前述の図8を用いて説明したように、正常判定率記憶部17および判定日記憶部18に記憶された直近のN回の判定日および印字濃度正常判定率RD0を用いて、判定日に対する印字濃度正常判定率RD0の減少を最小二乗法で直線近似し、インクリボン寿命アラーム規定値RDα以下となる寿命到達予定日数Txを算出する(ステップS41)。
【0065】
そして、算出したインクリボンの寿命到達予定日数Txに基準日D0を加算して求められるインクリボンの寿命到達予定日Dxを上位制御装置9に通知する(ステップS42)。
【0066】
これを受信した上位制御装置9は、寿命到達予定日Dxを上位制御装置9の表示部等にてこれを表示してオペレータに知らせる。その結果、オペレータは、事前にインクリボンの寿命到達予定日Dxを知ることができ、交換するインクリボンの手配を確実に行うことができる。
【0067】
(実施例2の効果)
以上のように、実施例2によれば、規定印字文字数ごとの印字濃度正常判定率および判定日を直近の所定の回数分記憶する判定日記憶部および正常判定率記憶部を備え、前記所定の回数分の印字濃度正常判定率および判定日を用いて印字濃度正常判定率の減少を直線近似し、印字濃度正常判定率が所定のインクリボン寿命アラーム規定値まで減少する寿命到達予定日を予測できるようにしたので、事前にインクリボンの寿命到達予定日を正確に知ることができ、交換するインクリボンの手配も確実に行うことができる。
【実施例3】
【0068】
(構成)
図12は、実施例3のプリンタ装置1の保守システムの構成図であり、入出金等の取引を行う自動取引装置100における通帳伝票プリンタとしてプリンタ装置1を設けた場合の構成図である。
【0069】
すなわち、実施例3のプリンタ装置1の保守システムは、図1に示した実施例1のプリンタ装置1および上位制御装置9とからなる自動取引装置100が通信手段40を介して自動取引装置100の状態監視を行うリモート保守端末30に接続された構成となっている。
【0070】
なお、本図ではリモート保守端末30に1台の自動取引装置1を接続した例を示したが、複数台の自動取引装置1を接続した構成であってもよい。また、プリンタ装置1を自動取引装置100の上位制御装置9を経由してリモート保守端末30に接続した例を示したが、プリンタ装置1をリモート保守端末30に、直接、接続する構成であってもよい。
【0071】
また、プリンタ装置1のプリンタ制御部8には、実施例1にて説明した図2のプリンタ制御部8の構成と同様に、印字量記憶部16に印字文字数カウンタ13を備え、印字濃度判定結果記憶部11に印字濃度判定回数カウンタ14と印字濃度正常判定回数カウンタ15を備える。
【0072】
一方、リモート保守端末30には、通信手段40を介してプリンタ装置1から後述する印字濃度データを取得して記憶する印字濃度データ記憶部31を設け、文字数カウンタ13のカウンタ値を印字文字数カウンタ値33に、印字濃度判定回数カウンタ14のカウンタ値を印字濃度判定回数カウンタ値34に、印字濃度正常判定回数カウンタ15のカウンタ値を印字濃度正常判定回数カウンタ値35に記憶できるようになっている。なお、自動取引装置1が複数台設けられる保守システムの場合では、リモート保守端末30の印字濃度データ記憶部31に設けられる印字文字数カウンタ値33、印字濃度判定回数カウンタ値34および印字濃度正常判定回数カウンタ値35は自動取引装置1の台数分備えるようにすればよい。
【0073】
(動作)
以上の構成により、実施例3のプリンタ装置1の保守システムは以下のように動作する。なお、プリンタ装置1の印字動作は実施例1にて説明した図3の動作と同様であり、プリンタ装置1にて行う印字濃度判定動作についてもステップS15、S16を除き実施例1にて説明した図4の動作と同様である。
【0074】
まず、実施例3のプリンタ装置1の保守システムにおけるプリンタ装置1では、リモート保守端末30は、通信手段40により上位制御装置9を介して図4のステップS11〜S14によりそれぞれカウントされたプリンタ装置1内の印字文字数カウンタ13のカウンタ値、印字濃度判定回数カウンタ14および印字濃度正常判定回数カウンタ15のカウンタ値を所定の時間ごとに取得し、印字濃度データ記憶部31の印字文字数カウンタ値33、印字濃度判定回数カウンタ値34および印字濃度正常判定回数カウンタ値35にそれぞれ記憶する。
【0075】
そして、図4のステップS15に相当する処理として、リモート保守端末30の制御プログラムにより、印字濃度データ記憶部31に記憶した印字文字数カウンタ値33が規定印字文字数Nα以上になったかどうかを判定し、規定印字文字数Nα以上の場合、インクリボン寿命判定を行う。なお、印字文字数が規定印字文字数Nα以上になったかどうかの判定をプリンタ装置1にて行い、規定印字文字数Nα以上になったときに、通信手段40にてリモート保守端末30にその旨通知するようにしてもよい。
【0076】
そして、図4のステップS16に相当する処理として、リモート保守端末30の制御プログラムにより実施するインクリボン寿命判定動作は、図5を用いて説明した実施例1のインクリボン寿命判定動作と同様であるが、この判定に用いるカウンタ値はプリンタ装置1内の各カウンタのカウンタ値ではなく、リモート保守端末30の印字濃度データ記憶部31に記憶された各カウンタ値を用いる。
【0077】
すなわち、規定印字文字数Nα単位内で印字濃度判定結果が正常と判定された印字濃度正常判定率RD0を、印字濃度正常判定回数カウンタ値35を印字濃度判定回数カウンタ値34にて除算して算出して求め、インクリボン寿命アラーム規定値RDαと比較し、インクリボン寿命アラーム規定値RDαより少ないときはインクリボン寿命と判定し、リモート保守端末30の表示部への表示やブザー等にてオペレータに知らせる(ステップS21〜S23)。
【0078】
このとき、インクリボン寿命アラームを自動取引装置1の上位制御装置9にも通知して自動取引装置100でもオペレータにインクリボン寿命アラームを表示等するようにするとなおよい。
【0079】
なお、以上の実施例3の説明では、プリンタ装置1を実施例1のプリンタ装置とした例を説明したが、プリンタ装置1を実施例2のプリンタ装置とし、リモート保守端末30にて、図7に示したプリンタ装置1の印字濃度判定結果記憶部21の正常判定率記憶部17および判定日記憶部18に記憶される正常判定率および判定日を所定の時間ごとに取得して印字濃度データ記憶部31に記憶し、リモート保守端末30の制御プログラムにより当該取得して記憶した正常判定率および判定日を用いて前述図11のインクリボン寿命予測処理を行うようにしてもよい。
【0080】
或いは、リモート保守端末30にて、プリンタ装置1の印字濃度判定回数カウンタ14および印字濃度正常判定回数カウンタ15のカウンタ値を取得し、正常判定率を算出し、当該算出結果と当該判定日を記憶して前記インクリボン寿命予測処理を行うようにしてもよい。
【0081】
(実施例3の効果)
以上のように、実施例3のプリンタ装置保守システムによれば、リモート保守端末にて、プリンタ装置の印字文字数カウンタ、印字濃度判定回数カウンタおよび印字濃度正常判定回数カウンタのカウンタ値を所定の時間ごとに取得して記憶し当該取得して記憶した各カウンタ値に基づいてインクリボン寿命判定を行えるようにしたので、プリンタ装置側のファームウェアを変更することなく、インクリボン寿命アラーム規定値等の判定閾値をリモート保守端末側にて容易に変更することができる。
【実施例4】
【0082】
(構成)
図13は、実施例4のプリンタ装置1の保守システムの構成を示した構成図である。実施例4のプリンタ装置1の保守システムでは、リモート保守端末30の印字濃度データ記憶部41に装置毎の取引量に応じた事前アラーム発生判定率36を記憶できる構成となっている。なお、自動取引装置1が複数台設けられる保守システムの場合は、実施例3と同様にリモート保守端末30の印字濃度データ記憶部31に設けられる印字文字数カウンタ値33、印字濃度判定回数カウンタ値34および印字濃度正常判定回数カウンタ値35を自動取引装置1の台数分備え、さらに事前アラーム発生判定率36も当該台数分備えるようにする。その他の構成は、実施例3の構成と同様であるので、簡略化のためにその詳細な説明は省略する。
【0083】
(動作)
以上の構成により、実施例4のプリンタ装置保守システムは以下のように動作する。この動作を図14の動作説明図および図15の動作フローチャート図を用いて以下詳細に説明する。
【0084】
なお、実施例3のプリンタ装置保守システムと同様、プリンタ装置1の印字動作は図3に示した実施例1のプリンタ装置の動作と同様であり、プリンタ装置1にて行う印字濃度判定動作についてもステップS15およびステップS16を除き図4の動作と同様であるので、同様の動作については簡略化のためにその詳細な説明は省略する。
【0085】
まず、図14の動作説明図を用いて、実施例4のプリンタ装置保守システムの発明の本旨となる、所定の期間ごとの印字を伴う装置毎の取引量に応じたインクリボン寿命アラームを発生させる動作の概要を説明する。なお、前記印字を伴う取引としては、通帳記帳取引がその一例であるが、取引明細等の印字を伴う取引としてもよいし、両方の取引としてもよい。そして、取引量は、過去の取引履歴より印字を伴う取引の頻度或いはさらにその推移を求め、当該取引の頻度或いはさらにその推移を当該自動取引装置の取引量とするようにすればよい。
【0086】
図14は、運用日数を横軸とし、取引量が異なる場合の、前記規定印字文字数Nα単位内ごとに算出する印字濃度正常判定率RD0の結果をプロットしたものである。同図に示したように、運用日数が経過、すなわち印字量が多くなるに従って印字濃度の正常判定率RD0は徐々に低下するが、その低下する速さは印字を伴う取引量(所定の期間ごとの印字量)の多少によって異なる。
【0087】
このため、インクリボン寿命を印字濃度正常判定率RD0が印字なし濃度判定率がRD_0以下となった時点とし、インクリボン寿命アラームを印字なし濃度判定率RD_0以下となるT日前に発生させるようにした場合、取引量が標準のときの事前アラーム発生判定率はRD_Nとなる。そして、取引量が標準より多いときの事前アラーム発生判定率はRD_Eとなり標準のRD_Nの値より大きな値とする必要があり、取引量が標準より少ないときの事前アラーム発生判定率はRD_Dとなり標準のRD_Nの値より小さい値とする必要がある。
【0088】
すなわち、インクリボン寿命アラームを事前に(T日前に)発生させるとした場合、印字を伴う取引量に応じて、すなわち、装置ごとに事前アラーム発生判定率を設定する必要があるということになる。
【0089】
実施例4のプリンタ装置保守システムでは、図13の印字濃度データ記憶部41の事前アラーム発生判定率36に、上記装置毎の取引量に応じた事前アラーム発生判定率をあらかじめ設定して置く。
【0090】
図15の動作フローチャート図は、以上述べた事前アラーム発生判定率を用いて、装置毎の取引量に応じたインクリボン寿命アラームを発生させる動作フローチャート図を示したものである。
【0091】
最初に、前記規定印字文字数Nα単位内で、印字濃度判定結果が正常と判定された印字濃度正常判定率RD0を次のように算出する。
【0092】
すなわち、印字濃度正常判定回数カウンタ値35を印字濃度判定回数カウンタ値34により除算し印字濃度正常判定率RD0を算出する(ステップS41)。そして、算出した印字濃度正常判定率RD0を、装置毎の取引量に応じてあらかじめ設定した事前アラーム発生判定率36と比較する(ステップS42)。
【0093】
そして、比較した結果が装置毎の取引量に応じた事前アラーム発生判定率36より少ない場合は、T日後に印字なし濃度判定率RD_0となると判断し、インクリボン寿命アラーム等を発生させる(ステップS43)。一方、比較した結果が装置毎の取引量に応じた事前アラーム発生判定率36以上の場合は、T日後は印字なし濃度判定率RD_0にはならないと判定し、アラームを発生することなく、本処理を終了する。
【0094】
なお、以上の実施例4の説明では、自動取引装置毎に事前アラーム発生判定率を設定するように説明したが、取引量が増減する期間(季節)ごとに事前アラーム発生判定率を設定しておき、インクリボンの濃度を判定する時期に応じて事前アラーム発生判定率を変えるようにしてもよい。
【0095】
また、以上の実施例4のプリンタ装置保守システムの説明では、事前アラーム発生判定率36を装置毎の取引量に応じてあらかじめ設定する例を説明したが、標準取引量に対する事前アラーム発生判定率のみ設定しておき、標準取引量に対する取引量の比率を求め、当該比率と標準取引量に対する事前アラーム発生判定率を乗算して事前アラーム発生判定率を求めるようにしてもよい。
【0096】
(実施例4の効果)
以上のように、実施例4のプリンタ装置保守システムによれば、リモート保守端末の印字濃度データ記憶部に装置毎の事前アラーム発生判定率を記憶できる構成としたので、実施例3のプリンタ装置保守システムの効果に加え、装置毎の取引量に応じて事前の適時にインクリボン寿命アラームを発生させることができる。
【0097】
《その他の変形例》
なお、以上の実施例のプリンタ装置の説明では、規定印字文字数Nαごとの印字濃度正常判定率に基づいてインクリボンの寿命を判定するように説明したが、印字行数または印字頁数をカウントし所定の印字行数ごとまたは印字頁数ごとの印字濃度正常判定率に基づいてインクリボンの寿命を判定するようにしてもよい。
【0098】
また、以上の実施例のプリンタ装置の説明では、規定印字文字数Nαや印字濃度正常判定率を判定するインクリボン寿命アラーム規定値RDαを固定値として説明したが、上位制御装置9の所定の操作によりこれらを任意に設定できるようにしてもよい。
【0099】
また、以上の実施例のプリンタ装置の説明では、印字濃度正常判定率RD0の推移にてインクリボンの寿命判定やインクリボンの寿命到達予定日Dxを求めるように説明したが、印字濃度薄判定率RD1の推移に基づいてインクリボンの寿命判定やインクリボンの寿命到達予定日Dxを求めるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上述べたように、本発明は、インクリボン、トナー、インク等の記録剤を用いて印刷媒体に印刷を行うプリンタ装置およびその保守システムに広く用いることができる。
【符号の説明】
【0101】
1 プリンタ装置
4 媒体搬送機構部
6 光学読取部
7 印字部
8 プリンタ装置制御部
9 上位制御装置
10 印字濃度判定部
11、21 印字濃度判定結果記憶部
12 主制御部
13 印字文字数カウンタ
14 印字濃度判定回数カウンタ
15 印字濃度正常判定回数カウンタ
16 印字量記憶部
17 正常判定率記憶部
18 判定日記憶部
20 媒体
30 リモート保守端末
31、41 印字濃度データ記憶部
33 印字文字数カウンタ値
34 印字濃度判定回数カウンタ値
35 印字濃度正常判定回数カウンタ値
36 取引量に応じた事前アラーム発生判定率
100 自動取引装置
PD 印字濃度
RD0 印字濃度正常判定率
RDα インクリボン寿命アラーム規定値
Nα 規定印字文字数
D0 基準判定日
Tx 寿命到達予定日数
Dx 寿命到達予定日

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録剤を用いて記録媒体に取引データを記録するプリンタ装置であって、
前記記録を行った記録量を計数する記録量計数手段と、
前記記録媒体の記録された文字またはマークを読取る光学読取部と、
所定の間隔で、前記光学読取部にて読取ったデータに基づいて記録濃度が正常か否かを判定する記録濃度判定手段と、
前記記録濃度の判定を行った回数を計数する判定回数計数手段と、
前記記録濃度判定部により正常記録濃度と判定された回数を計数する正常判定回数計数手段と、を備え、
前記記録量計数手段の所定の計数量ごとに判定回数計数手段の値に対する正常判定回数の値の割合を正常判定率として算出し当該算出した正常判定率が所定の基準値以下となったときを記録剤の寿命と判定するようにしたことを特徴とするプリンタ装置。
【請求項2】
前記記録量計数手段の所定の計数量ごとに判定回数計数手段に対する正常判定回数の割合を正常判定率として記憶する正常判定率記憶手段と、当該判定日を記憶する判定日記憶手段と、を備え、
前記記憶した正常判定率および判定日に基づいて、判定日に対する正常判定率の変化を直線近似し当該近似した正常判定率が所定の基準値以下となる時を記録剤の寿命と予測するようにしたことを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
【請求項3】
前記記録濃度を判定する所定の間隔は、各取引データの最終行の記録または各ページの最後の記録ごととしたことを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
【請求項4】
請求項1記載のプリンタ装置と、当該プリンタ装置を保守する保守端末を備える保守システムであって、
前記保守端末は、前記プリンタ装置の記録量計数手段、判定回数計数手段および正常判定回数計数手段の計数値を取得して記憶できる記録濃度データ記憶手段を備え、
前記保守端末にて、前記記録量計数手段の所定の計数量ごとに前記判定回数計数手段の値に対する前記正常判定回数の値の割合を正常判定率として算出し当該算出した正常判定率が所定の基準値以下となったときを記録剤の寿命と判定するようにしたことを特徴とする保守システム。
【請求項5】
請求項2記載のプリンタ装置と、当該プリンタ装置を保守する保守端末を備える保守システムであって、
前記保守端末は、前記正常判定率と当該判定日を記憶できる記録濃度データ記憶手段を備え、
前記保守端末にて、前記正常判定率および判定日に基づいて、前記判定日に対する正常判定率の変化を直線近似し当該近似した正常判定率が所定の基準値以下となる時を記録剤の寿命と予測するようにしたことを特徴とする保守システム。
【請求項6】
前記プリンタ装置は、所定の取引を行って取引内容を記録する自動取引装置のプリンタ装置であって、
前記保守端末は、所定の期間ごとの前記記録を伴う取引量に応じた事前アラーム発生判定率を記憶する事前アラーム発生判定率記憶手段を備え、当該記憶した事前アラーム発生判定率に基づいて前記取引量に応じた事前アラームを発生するようにしたことを特徴とする請求項4記載の保守システム。
【請求項7】
前記取引量に応じた事前アラーム発生判定率は、前記自動取引装置ごとに記憶できるようにしたことを特徴とする請求項6記載の保守システム。
【請求項8】
前記記録は印字または印刷であって、前記記録剤はインクリボン、トナーまたはインクであり、前記記録量は印字文字数または印字行数であることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載のプリンタ装置または請求項4乃至請求項6いずれか記載の保守システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−45930(P2012−45930A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161350(P2011−161350)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】