説明

プリンタ

【課題】 プリンタの設置の自由度や操作性を向上させ、筐体内の制御部等に商用電源に由来するノイズが悪影響を及ぼさないように対策を施す。
【解決手段】 ラベルプリンタ20は、筐体21の前面部23に電源スイッチ4を設け、筐体21内部に設けた電源部5と、筐体21表面に設けられ、筐体21の外部から供給される電源ケーブル7のプラグ8とを着脱可能に接続するインレットコネクタ6とを備える。インレットコネクタ6を筐体21の底面部22であって、かつ、筐体21の前面部23寄りに設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内の電源ケーブルより発生するノイズを低減できるようにしたプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
図3、図4に従来技術によるラベルプリンタを示す。
【0003】
図3は、ラベルプリンタ1を背面側から見た透過斜視図であり、図4は図3中の矢示IV−IV方向の断面図である。
【0004】
ラベルプリンタ1は、筐体2の前面部3に電源スイッチ4が設けられ、背面部11には電源コード7の(メス型)プラグ8と係合、接続されるインレットコネクタ6(オス型)が設けられている。
【0005】
前記筐体2の内部には、電源部5、制御部10が格納されている。
【0006】
前記電源スイッチ4とインレットコネクタ6とは、内部電源ケーブル12により結線されている。なお、図中9は筐体2の底面部に設けられた脚部である。
【0007】
【特許文献1】特開2001−38943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ラベルプリンタは前面操作が基本であるため、電源スイッチ4は前面部3側に設ける必要がある。
【0009】
また、インレットコネクタ6は設置上あるいはデザイン上の要請により背面部11に設けられていた。
【0010】
然るに、図4に示す如く、電源スイッチ4を前面部3に、インレットコネクタ6を背面部11に設けることにより、内部電源ケーブル12の長さが筐体2の奥行寸法の2倍程度と長くなり、この部位より発生するコンダクティブノイズや、ラディエーションノイズが制御部10の動作に悪影響を及ぼす恐れがあった。これを防止するにはノイズフィルターを挿入するのが一般的であるが、部品の増加と取付工数の増加を招き、コストアップを招いていた。
【0011】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、本発明は設置の自由度や操作性を向上させると共に、筐体内部の制御部等に商用電源に由来するノイズが悪影響を及ぼさないように対策を施したプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明のプリンタは、筐体と、該筐体前面部寄りに設けられた電源スイッチと、前記筐体内部に設けられた電源部と、前記筐体表面に設けられ、筐体外部から供給される電源ケーブルのプラグと着脱可能に接続されるインレットコネクタとを有するプリンタにおいて、前記インレットコネクタを筐体底面部、かつ、筐体前面部寄りに設けたことを特徴とする。
【0013】
ここで、前記筐体には底面部を接置面から離間させる脚部を設け、該脚部が設置面との間に形成する隙間より筐体の前後左右自在に電源ケーブルを引き出せるようにするのと共に、前記隙間の大きさは、電源ケーブルのプラグがインレットコネクタから抜けるのを許容するように、前記脚部の高さを、インレットコネクタとプラグの差込深さよりも大きく設定するのが好ましい。
なお、上記「前面部寄り」とは、前面部およびその近傍を含む概念であって、前面部近傍の側面等も含むものである。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、筐体内の電源ケーブルの引き回し距離が短縮できるので、この部分から放射されるノイズを低減できる。
【0015】
そして、筐体と脚部との間の隙間から電源ケーブルを引き出すことにより、壁面などに背面部を接近させてプリンタを設置することができる。
さらに、脚部の高さをインレットコネクタと電源ケーブルのプラグとの差込深さよりも大とすることにより、電源ケーブルの自重でプラグがインレットコネクタから抜けるのを防止できるのと共に、電源ケーブルに不意の引っ掛けなどの事故がおきた場合には、電源ケーブルのプラグがインレットコネクタから抜けるので、落下を未然に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図1および図2の図示例を用いて説明する。
【0017】
図1および図2は発明を実施する形態の一例であって、図中、前記従来例で述べたのと同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0018】
図1は前述した図3と同様の、ラベルプリンタ20を背面部側から見た透過の斜視図であり、図2は図1中の矢示II−II方向の断面図である。
図1に示すように、ラベルプリンタ20は、従来のラベルプリンタ1と同様筐体21と、該筐体21の前面部23に設けられた電源スイッチ4と、前記筐体21内部に設けられた電源部5と、筐体21表面に設けられ、該筐体21外部から供給される電源ケーブル7のプラグ8と着脱可能に接続されるインレットコネクタ6とを備えて構成されるものの、当該プリンタ20では、前記インレットコネクタ6を筐体21の底面部22であり、かつ、筐体21の前面部23寄りに設けている。
【0019】
また、前記筐体21の底面部22を接置面から離間させる脚部9には、該脚部9が設置面と筐体21の底面部22との間に隙間を形成し、この隙間より筐体の前後左右自在に電源ケーブル7が引き出せるような働きを持たせている。
【0020】
そして、前記隙間の大きさは、電源ケーブル7の自重で電源ケーブル7のプラグ8がインレットコネクタ6から抜けるのを防止できるのと共に、電源ケーブル7への不意の足引っ掛けなどに際しては、電源ケーブル7のプラグ8がインレットコネクタ6から抜けるのを許容するように、インレットコネクタ6とプラグ8との差込深さよりも大きく設定している。
【0021】
本実施の形態によるラベルプリンタ20は以上の如き構成を有するもので、ラベルプリンタとしての基本的な動作については従来技術によるものと格別の際はない。
【0022】
然るに、本実施の形態のラベルプリンタ20では、筐体21内の内部電源ケーブル12の引き回し距離が短縮できるので、フィルタなどを用いなくても、この部分から放射されるコンダクティブノイズやラディエーションノイズを低減でき、制御部10等の動作に悪影響を及ぼす危険性を可及的に小さくできる。
【0023】
また、筐体21の底面部22と脚部9が設置面との間に形成する隙間から電源ケーブル7を引き出せるので、壁面などに背面部24を接近させてラベルプリンタ20を設置することができる。
【0024】
さらに、脚部9の高さをインレットコネクタ6と電源ケーブル7のプラグ8との差込深さよりも大とすることにより、電源ケーブル7が自重で抜けるのを防止できるのと共に、電源ケーブル7に足引っ掛け等が起きた場合には電源ケーブル7のプラグ8がインレットコネクタ6から抜けるので、ラベルプリンタ20が落下するような事故を未然に防止できる等、種々の効果を奏する。
【0025】
尚、本発明に係るプリンタは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、ドットインパクトプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ、レーザープリンタおよびそれ以外の印字方式のプリンタやファックスなどにも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係るラベルプリンタの背面側からの透過斜視図である。
【図2】図1中の矢示II-II方向断面図である。
【図3】従来技術に係るラベルプリンタを示す図1と同様の透過斜視図である。
【図4】図3中の矢示IV-IV方向断面図である。
【符号の説明】
【0028】
4…電源スイッチ、5…電源部、6…インレットコネクタ、7…電源ケーブル、8…プラグ、9…脚部、10…制御部、12…内部電源ケーブル、20…ラベルプリンタ、21…筐体、22…底面部、23…前面部、24…背面部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、該筐体前面部寄りに設けられた電源スイッチと、前記筐体内部に設けられた電源部と、前記筐体表面に設けられ、筐体外部から供給される電源ケーブルのプラグと着脱可能に接続されるインレットコネクタとを有するプリンタにおいて、前記インレットコネクタは、筐体底面部であり、かつ、筐体前面部寄りに設けたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記筐体には、底面部を接置面から離間させる脚部を設け、該脚部が設置面との間に形成する隙間より筐体の前後左右自在に電源ケーブルを引き出せるようにするのと共に、前記隙間の大きさは、電源ケーブルのプラグがインレットコネクタから抜けるのを許容するように、前記脚部の高さがインレットコネクタとプラグの差込深さよりも大きく設定したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−232765(P2007−232765A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50752(P2006−50752)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】