説明

プリント受付装置

【課題】実際のプリントサイズがイメージし易く、プリントサイズの選択が容易なプリント受付装置を提供する。
【解決手段】プリント処理する画像データのプリントサイズを選択するプリントサイズ選択部と、このプリントサイズ選択部において選択されたプリントサイズを含む各種情報をディスプレイ上に表示する表示部とを備えたプリント受付装置において、基準となるプリントサイズを設定する基準プリントサイズ設定部と、設定された基準プリントサイズと選択されたプリントサイズとに対して、夫々のプリントサイズと相似し、かつ、略同一の相似比を有するアイコンを作成する機能を有するアイコン作成部と、このアイコン作成部により作成された夫々のアイコン62a、62bを同一表示画面62上において比較可能に表示するプリントサイズ比較表示部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント処理する画像データのプリントサイズを選択するプリントサイズ選択部と、前記プリントサイズ選択部において選択されたプリントサイズを含む各種情報をディスプレイ上に表示する表示部とを備えたプリント受付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影した写真などの撮影画像を画像データとして読み込み、その画像データに基づいてプリント処理の実行をするプリント受付装置においては、読み込んだ画像をインデックス表示などによりプリント受付装置のディスプレイ上に表示し、オペレータはこの表示された各画像に対して、所望のプリントサイズやプリント枚数などの入力を行っている。
【0003】
このようにプリント処理する各画像に対してプリントサイズなどを指定するプリント受付装置において、プリント処理の実行に際してプリント受付装置のディスプレイ上にプリントサイズを選択するための画面を表示し、その画面上に選択可能なプリントサイズの名称(L版など)を表示するとともに、そのプリントサイズの縦横長さの数値を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1)。そして、オペレータは、このプリントサイズ選択画面においてプリントサイズを指定することにより、所望のサイズのプリントを得ることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−76772号公報(第〔0025〕段落、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のプリントサイズ選択画面に表示される各プリントサイズの表示は、プリントサイズの名称とその縦横長さの数値のみであり、オペレータにとって実際のプリントサイズを具体的にイメージし難いという問題がある。
【0006】
特に、オペレータが初心者や一般の顧客などの場合、プリントサイズ選択画面における選択可能なプリントサイズに馴染みのないプリントサイズが含まれていると、その縦横長さの数値が示されていたとしても、そのプリントサイズについて具体的にイメージし難く、その結果プリントサイズの選択に時間を要してしまう。また、実際にプリント処理された写真などのプリントサイズが、オペレータの入力時のイメージと異なる場合、再度プリント処理をし直す必要もあり、プリント処理に要する時間や用紙の無駄が発生する。
【0007】
本発明は、かかる問題点に着目してなされたものであり、その目的は、実際のプリントサイズがイメージし易く、プリントサイズの選択が容易なプリント受付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るプリント受付装置の第一特徴構成は、プリント処理する画像データのプリントサイズを選択するプリントサイズ選択部と、前記プリントサイズ選択部において選択されたプリントサイズを含む各種情報をディスプレイ上に表示する表示部とを備えたプリント受付装置において、基準となるプリントサイズを設定する基準プリントサイズ設定部と、前記設定された基準プリントサイズと前記選択されたプリントサイズとに対して、夫々のプリントサイズと相似し、かつ、略同一の相似比を有するアイコンを作成する機能を有するアイコン作成部と、前記アイコン作成部により作成された夫々の前記アイコンを同一表示画面上において比較可能に表示するプリントサイズ比較表示部とを備えた点にある。
【0009】
本構成においては、まず、プリントサイズを示すアイコンについて、プリントサイズの形状をイメージし易いように、そのプリントサイズと相似する形状を有するものとして作成している。さらに、オペレータに馴染みのあるプリントサイズを基準プリントサイズとして設定し、この基準プリントサイズと相似するアイコンと、プリント処理する画像データに対して選択されたプリントサイズと相似するアイコンとを略同一の相似比で作成し、これらのアイコンを比較可能に表示するようにしている。
これにより、オペレータは選択したプリントサイズの形状をアイコンにより視覚的に把握することが容易にできるとともに、それを馴染みのあるプリントサイズのアイコンと比較することで実際のプリントサイズの形状や大きさについてイメージし易くなり、プリントサイズの選択を容易に行うことができ、また、選択ミスも回避することができる。
【0010】
本発明に係るプリント受付装置の第二特徴構成は、前記プリントサイズ比較表示部は、前記基準プリントサイズを示すアイコンと前記選択されたプリントサイズを示すアイコンとを並列して表示する点にある。
【0011】
基準プリントサイズを示すアイコンと選択されたプリントサイズを示すアイコンとの比較可能な表示の好適例として、両アイコンを並列して表示することが挙げられる。例えば、プリントサイズを示す矩形状のアイコンの一辺を同一直線上に揃えて、両アイコンを並列して配置することで両アイコンを比較し易くなり、オペレータは選択したプリントサイズをよりイメージし易くなる。
【0012】
本発明に係るプリント受付装置の第三特徴構成は、前記プリントサイズ比較表示部は、前記基準プリントサイズを示すアイコンと前記選択されたプリントサイズを示すアイコンとを少なくともその一部が重なるように表示する点にある。
【0013】
基準プリントサイズを示すアイコンと選択されたプリントサイズを示すアイコンとの比較可能な表示の他の好適例として、両アイコンを少なくともその一部が重なるように表示することが挙げられる。このように両アイコンを表示する場合、両アイコンが比較し易くなることに加え、アイコンを表示する画面上の領域が小さくて済み、表示画面を有効に利用することができる。
【0014】
本発明に係るプリント受付装置の第四特徴構成は、前記基準プリントサイズと前記選択されたプリントサイズとの関係値を算出する関係値算出部をさらに備え、前記プリントサイズ比較表示部は、前記関係値を前記アイコンと併せて表示する点にある。
また、本発明に係るプリント受付装置の第五特徴構成は、前記関係値は前記基準プリントサイズの縦横長さに対する前記選択されたプリントサイズの縦横長さ夫々の比率である点にある。
【0015】
基準となるプリントサイズと選択したプリントサイズとをより正確に比較するために、両プリントサイズの関係値をアイコンとともに表示するとよい。このような関係値としては、例えば、基準プリントサイズの縦横長さに対する選択されたプリントサイズの縦横長さ夫々の比率(割合[%]や倍率など)がある。すなわち、オペレータは、両アイコンの比較により選択したプリントサイズを直感的にイメージすることができるとともに、両プリントサイズの比率などを参照することで、選択したプリントサイズをより正確に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔写真プリント装置〕
図1及び図2に、本発明に係るプリント受付装置を組み込んだ写真プリント装置の全体構成を示す。この写真プリント装置は、デジタルミニラボとも称せられ、暗箱構造の筐体10の外部にオペレート部Aを備えるとともに、筐体10の内部に印画紙P(感光材料の一例)に対して画像データの露光を行う露光処理部Exと、この露光処理部Exからの印画紙Pを反転することで表裏を入れ換えて上方に搬送する縦搬送部CVと、この縦搬送部CVからの印画紙Pの現像処理を行う現像処理部Deと、この現像処理部Deからの印画紙Pの乾燥を行う乾燥処理部Drとを備え、この乾燥処理部Drで乾燥された印画紙Pを筐体10の端部の排出部11から排出し、搬送ベルト12で受け止めて水平方向に搬送し、複数のトレイ13Aのいずれかにオーダ単位で回収するソータ13を備えている。
【0017】
〔オペレート部〕
オペレート部Aは、本発明に係るプリント受付装置に相当するものであり、オペレータが画像データの取得と、プリント処理に必要な操作とを行う操作端末として機能する。このオペレート部Aは、テーブル部20に設置された汎用コンピュータで成るプリント制御ユニット21と、このプリント制御ユニット21の上面に設置されたディスプレイ22と、現像済みの写真フィルムFのコマ画像から画像データを取得するフィルムスキャナ23と、2つのキーボード24とマウス25とを備えている。プリント制御ユニット21の前面には、各種の半導体型の記憶媒体と、CD−ROM、DVD、MO等の光学式や磁気式の記憶媒体との間で情報のアクセスを行う複数のメディアドライブ26を備えている。
【0018】
なお、フィルムスキャナ23は、下部に配置した光源23Aからの光線をフィルムキャリア23Bに支持された写真フィルムFに照射し、この写真フィルムFからの光線をレンズユニット23Cから上部の光電変換ユニット23Dに導き、この光電変換ユニット23Dにおいて写真フィルムFのコマ画像の光電変換とA/D変換とを行うことにより、R(赤)・G(緑)・B(青)の3原色に色分解したデジタル型の画像データを取得する。
【0019】
〔露光処理部・縦搬送部・現像処理部・乾燥処理部〕
露光処理部Exは、2つの印画紙マガジンMにロール状に収容された長尺の印画紙Pのいずれか一方を圧着型の供給搬送ローラ41で上方に引き上げた後に水平方向に送り出し、カッターユニット42の排出ローラ43からチャッカーCに受け渡す。このチャッカーCは、印画紙Pを挟持する挟持状態と開放する開放状態とに切り換え自在なチャック部材(図示せず)を備えており、このチャック部材で印画紙Pの先端近くを挟持し、水平方向への搬送を開始する。この水平方向への搬送時にはチャッカーCの移動速度と同期した速度で供給搬送ローラ41と排出ローラ43とを駆動する。そして、カッターユニット42の切断位置を基準にして搬送された印画紙Pの長さが所定のプリントサイズに達すると、印画紙Pの搬送を一時停止しカッターユニット42によって印画紙Pを切断する。この切断の後に、チャッカーCを水平方向に更に移動させ、印画紙Pを露光ユニットGの露光搬送機構Gcに受け渡す。
【0020】
露光ユニットGは、圧着状態と開放状態とに切り換え自在な3つのローラを有する露光搬送機構Gcによって、受け取った印画紙Pを水平方向(副走査方向)に搬送しながら、露光ヘッドGhによって主走査方向に沿ったライン露光を行うように露光形態が設定されている。露光ヘッドGhとしては、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応した3種の真空ケースの内部に多数のドット状となる蛍光体をライン状に配置し、これらの蛍光体を独立して発光させるように構成したものを用いている。これに代えて、光源からの光線の照射を画素単位で制御する液晶型等のシャッターから印画紙Pの感光面に導くことでライン露光を行うものや、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザビームを走査する形態でライン露光を行うものを用いても良い。
【0021】
なお、露光処理部Exには、この露光処理部Exでの印画紙Pの切断・露光・搬送を制御するとともに、後述する縦搬送部CVでの印画紙Pの搬送と、現像処理部Deでの印画紙Pの搬送と現像処理液の管理と、乾燥処理部Drでの印画紙Pの搬送と温度管理とを制御するマイクロプロセッサを有したプリントコントローラ36が備えられている。
【0022】
縦搬送部CVは、露光処理部Exで露光された印画紙Pを圧着型のローラ15で受け取り、この圧着型のローラ15の姿勢の変換によって表裏を入れ換え、ガイドレール16に沿って上方に搬送し、現像処理部Deに送り出すように機能する。
【0023】
現像処理部Deは、発色現像槽と漂白定着槽と安定槽とで成る複数の処理槽を樹脂によって一体形成した現像処理槽30を備えるとともに、露光処理部Exから供給された印画紙Pを、現像処理液を収容した夫々の現像処理槽に搬送するために複数の圧着型のローラを有した現像搬送機構31を備えている。
【0024】
乾燥処理部Drは、現像処理部Deから送り出された印画紙Pを搬送する複数の圧着型のローラ32と、この圧着型のローラ32で搬送される印画紙Pに対して乾燥空気を供給するブロワ33とを備えている。
【0025】
〔制御構造〕
図3に示すように、この写真プリント装置の制御系が構成されている。プリント制御ユニット21は、マイクロプロセッサCPUと、このマイクロプロセッサCPUのデータバスに接続する入出力インタフェース(I/O)70とを備え、この入出力インタフェース70に対して、ディスプレイ22と、フィルムスキャナ23と、このフィルムスキャナ23にセットされたフィルムキャリア23Bを判別するフィルムキャリアセンサ23Sと、キーボード24と、マウス25と、メディアドライブ26と、ハードディスクHDとの間で情報がアクセスする信号系を形成し、また、入出力インタフェース70とプリントコントローラ36との間で信号をアクセスする通信系を形成している。
【0026】
マイクロプロセッサCPUのデータバスに対して、RAMやROMで成る半導体メモリ71と、GUI制御部72と、画像データ取得部73と、画像処理部74と、プリント実行部75と、基準プリントサイズ設定部76と、プリントチャンネル選択部77と、関係値算出部78とが接続している。さらに、GUI制御部72はプリントサイズ比較表示部72Aを、画像処理部74はアイコン作成部74Aを、プリントチャンネル選択部77はプリントサイズ選択部77Aを有している。
【0027】
表示部としてのGUI制御部72は、ディスプレイ22に後述するオーダ画面50やプリントメニュー詳細画面60などの各種情報を表示する処理とともに、その画面上においてマウス25の操作やキーボード24の操作に基づいて、ディスプレイ22に表示された画面を介して情報を取得する処理を実行する。なお、プリントサイズ比較表示部72Aが行う処理については、後に説明する。
【0028】
画像データ取得部73は、フィルムスキャナ23やメディアドライブ26などから画像データを取得する処理を実行する。画像処理部74は、取得した画像データの補正や合成などの画像処理を実行する。なお、この画像処理部74のアイコン作成部74Aは、ディスプレイ22の画面上に表示される各種アイコンを管理・作成する処理を行うものである。すなわち、外部から取得するなどしたアイコンの管理に加え、必要なアイコンを作成する機能も有している。そして、プリント実行部75は、画像データやオーダデータをプリントコントローラ36に伝送することによりプリント処理を実行する。
【0029】
基準プリントサイズ設定部76は、プリントサイズを比較するために基準となるプリントサイズを設定する処理を実行する。プリントチャンネル選択部77は、プリント処理する画像データに対して後述するプリントチャンネルを選択する処理を、プリントサイズ選択部77Aはそのプリントサイズを選択する処理を実行する。関係値算出部78は、上述した基準となるプリントサイズ(「基準プリントサイズ」と称する)と選択されたプリントサイズ(「選択プリントサイズ」と称する)との関係値を算出する処理を行う。
【0030】
なお、GUI制御部72と、画像データ取得部73と、画像処理部74と、プリント実行部75と、基準プリントサイズ設定部76と、プリントチャンネル選択部77と、関係値算出部78とはソフトウエアで構成されるものであるが、これらをハードウエアで構成することや、ハードウエアとの組み合わせで構成しても良い。
【0031】
プリントコントローラ36は、露光処理部Exの供給搬送ローラ41から乾燥処理部Drの圧着ローラ32に亘る搬送系全般と露光処理部Exでの印画紙Pの切断とを管理する切断・搬送制御部81と、露光ヘッドGhを制御して印画紙Pに対する画像データの露光を管理する露光制御部82と、現像処理槽30の現像処理液の温度管理や液面管理を行い、乾燥処理部Drの温度管理を行う現像・乾燥制御部83とを備えている。また、このプリントコントローラ36は、2つの印画紙マガジンMに備えたIDプレート(図示せず)の情報を取得するマガジンセンサMSからの信号が入力されるように構成されている。
【0032】
〔プリント処理形態〕
以下に、本実施形態における写真プリント装置のプリント処理形態について説明する。この写真プリント装置では、通常の同時プリント以外に、特殊なプリントサイズでの同時プリント、文字メッセージや他の画像との画像合成プリント、複数のコマ画像をレイアウトしたアルバム風プリントなど種々のプリント処理が可能に構成してある。このため、各プリント処理を実行制御するために要求される複数のパラメータ(制御パラメータ)がグループ化されたプリントチャンネル(制御チャンネル)が予め設定されている。具体的には、プリントチャンネルはプリント処理に使用する印画紙Pの幅の寸法、印画紙Pの送り長さ(カッターユニット42で切断するまでの印画紙Pの送り量:これによりプリントサイズの縦横比が決まる)、印画紙Pの面質(光沢や半光沢などの印画紙の表面の質)の値、プリント方式(自動プリントやプレジャッジプリントなど)、入力メディアの種類などのパラメータで構成されている。これらのプリントチャンネルは、ハードディスクHDに記憶されており、夫々のプリントチャンネルが後述する図4のオーダ画面(プリント処理選択画面)50のプリント選択アイコン51Aに関連付けられている。なお、プリントチャンネルは随時作成して登録することができる。したがって、この写真プリント装置でプリント処理を実行するにあたっては、予め用意されているプリントチャンネルを選択するか、あるいは新しいプリントチャンネルを作成登録して、それを選択する必要がある。
【0033】
図4には、ディスプレイ22に表示されるオーダ画面50が示されている。このオーダ画面50にはプリント選択部51と、機械情報表示部52と、プリント選択決定ボタン53などが表示されている。プリント選択部51には複数のプリント選択アイコン51Aが表示され、ページタブを操作することにより、別ページにあるプリント選択アイコン51Aを表示することができる。機械情報表示部52は、情報表示領域52Aに2つの印画紙マガジンMに収容されたロール状印画紙Pの幅の寸法と、面質と、残量とが数値で表示される。
【0034】
プリント選択アイコン51Aには、関連付けられているプリントチャンネルのパラメータの値の一部が表示されており、具体的には、プリントサイズ(印画紙Pの幅及び送り長さ)、印画紙Pの面質の値、入力メディアの種類などが表示されている。
【0035】
オーダ画面50において、オペレータはマウス25の操作やキーボード24の操作によって、このプリント選択部51に表示された複数のプリント選択アイコン51Aの表示内容から、所望のプリント条件を満たすプリント選択アイコン51Aを1つ選択する。そして、プリント選択決定ボタン53を操作することで、選択されたプリント選択アイコン51Aに対応するプリントチャンネルが設定される。
【0036】
このようにプリントチャンネルが設定されると、プリントチャンネルのパラメータに基づき、フィルムスキャナ23で写真フィルムFから、あるいは、メディアドライブ26で半導体型の記憶媒体などから画像データが取得され、このように取得した画像データに基づいて、露光処理部Exにおいて印画紙Pにプリント画像データを露光し、現像処理部Deで現像処理を行い、この現像処理後の印画紙Pを乾燥処理部Drで乾燥した後に排出を行うプリント処理が開始される。
【0037】
〔プリントメニュー詳細画面〕
プリント処理の内容をより詳しく見る場合には、プリント選択アイコン51Aを1つ選択した状態で詳細表示ボタン54を操作することにより、図5に示すプリントメニュー詳細画面60を表示する。このプリントメニュー詳細画面60には、入力メディア表示部61Aやプリント方式表示部61B、プリントサイズ表示部62などが表示されている。このプリントサイズ表示部62には、プリントサイズと相似する矩形状のアイコンが表示される。図7Aに拡大してより詳しく示すように、選択したプリント選択アイコン51Aにおけるプリントサイズ(選択プリントサイズ)を示すアイコン62aが、基準プリントサイズを示すアイコン62bとともに、その一隅を揃え重ねて表示される。なお、選択プリントサイズとそれを示すアイコンの相似比と、基準プリントサイズとそれを示すアイコンの相似比とが同一となるようにこれらのアイコンは作成されている。すなわち、これらのアイコンは実際のプリントサイズを同じように縮小したものとなっている。また、これらのアイコンには、基準プリントサイズの縦横長さに対する選択プリントサイズの縦横長さ夫々の割合(%)が、両プリントサイズの縦横長さ(mm)と併せて表示されるとともに、基準プリントサイズを示すアイコンにはその名称が表示されている。
【0038】
ここで、前記相似比は完全に同一に限られるわけではなく、誤差程度の若干の相違は許容される。また、両アイコンを区別し易いように、夫々を異なる色で表示したり、基準プリントサイズを示すアイコンを半透明状に表示するとよい。
【0039】
この基準プリントサイズとしては、選択プリントサイズをオペレータがイメージし易いように、オペレータに馴染みのあるプリントサイズを設定することができる。図6に、この基準プリントサイズを設定するための設定画面90を示す。オペレータは、まず、基準プリントサイズ設定欄91において、印画紙Pのペーパー幅、送り長さに所定の値を入力し、さらに基準プリントサイズの名称を入力して基準プリントサイズを設定する。図6では、例としてペーパー幅89mm、送り長さ127mm、サイズ名称L版が設定されている。さらに、基準プリントサイズを示すアイコンの表示方法について、表示方法欄92において、選択プリントサイズを示すアイコンに対して「並べて表示」、「重ねて表示」、又は「プリントサイズのみ表示」の中からいずれかを、さらに表示内容(両プリントサイズの関係値)について、表示内容欄93において、「基準プリントサイズに対する割合」、「基準プリントサイズに対する倍率」、「幅、送り長さのみ」の中からいずれかを夫々プルダウンメニューの中から選択する。最後に、右下欄における「Yes:OK」ボタン94を操作することにより、これらの条件が設定される。
【0040】
なお、表示方法欄92で「プリントサイズのみ表示」を選択した場合は、基準プリントサイズを示すアイコンは表示されず、選択プリントサイズを示すアイコンだけが表示される。この場合でも、基準プリントサイズに対する選択プリントサイズの関係値を併せて表示するようにすることができる。
【0041】
上述した処理形態において、プリントチャンネル選択部77は、ハードディスクHDに記憶されている複数のプリントチャンネルを取得し、これらのプリントチャンネルをオーダ画面50に表示されるプリント選択アイコン51Aに関連付けるとともに、選択されたプリント選択アイコン51Aに対応するプリントチャンネルを設定する処理を行う。この際、プリントサイズ選択部77Aは、選択されたプリント選択アイコン51Aに対応するプリントチャンネルに含まれるパラメータの一つであるプリントサイズ(選択プリントサイズ)について設定する処理を行う。
【0042】
また、基準プリントサイズ設定部76は、設定画面90の基準プリントサイズ設定欄91に入力された項目内容に基づいて、基準プリントサイズを設定する処理を行う。このようにして選択・設定された選択プリントサイズと基準プリントサイズ夫々のプリントサイズに相似し、かつ、同一の相似比を有するアイコンの作成処理は、アイコン作成部74Aにおいて行われる。また、選択プリントサイズ及び基準プリントサイズの縦横長さの比率(関係値)については、関係値算出部78において算出処理が行われる。そして、作成されたアイコン及び算出された比率などは、設定画面90の表示方法欄92及び表示内容欄93において設定された比較可能な表示方法・表示内容に基づき、プリントサイズ比較表示部72Aによりプリントメニュー詳細画面60のプリントサイズ表示部62に表示処理される。
【0043】
上述したように、プリントメニュー詳細画面60のプリントサイズ表示部62には、基準プリントサイズを示すアイコンと選択プリントサイズを示すアイコンとが、夫々のプリントサイズと相似するとともに同一の相似比を有するものとして表示されている。また、両アイコンは、その一隅を合わせて重ねて表示されるとともに、基準プリントサイズに対する選択プリントサイズの割合(%)も併せて表示されている。これにより、オペレータは馴染みのないプリントサイズを選択した場合でも、そのプリントサイズの形状を視覚的に把握できるとともに、馴染みのある基準プリントサイズを参考にすることにより、選択プリントサイズの形状や大きさを容易にイメージすることができる。その結果、プリントサイズの選択を容易に行うことができ、かつ、選択ミスも回避することができる。さらに、基準プリントサイズに対する選択プリントサイズの割合(%)も併せて表示されているので、選択したプリントサイズをより正確に把握することができる。
【0044】
〔別実施形態1〕
上述した実施形態では、比較可能な表示として、基準プリントサイズを示すアイコンと選択プリントサイズを示すアイコンとを、その一隅を合わせて重ねて表示したが、以下に説明する図7B〜図7Fのように表示してもよい。
(1)図7Bに示す表示形態では、基準プリントサイズを示すアイコンと選択プリントサイズを示すアイコンの配置関係は上記実施形態と同様だが、両プリントサイズの関係値として基準プリントサイズに対する選択プリントサイズの倍率(×2など)が表示されている。
(2)図7Cに示す表示形態では、基準プリントサイズを示すアイコンと選択プリントサイズを示すアイコンの配置関係は上記実施形態と同様だが、基準プリントサイズに対する選択プリントサイズの比率(関係値)を表示せず、ペーパー幅と送り長さのみが表示されている。
(3)図7Dに示す表示形態は、上記実施形態のように基準プリントサイズを示すアイコンと選択プリントサイズを示すアイコンの一隅を合わせることなく、両アイコンをその一辺(図では幅方向)が同一直線上にあるように並列に配置して表示している。
(4)図7Eに示す表示形態では、基準プリントサイズを示すアイコンと選択プリントサイズを示すアイコンの配置関係は上記(3)の表示形態と同様だが、両プリントサイズの関係値として基準プリントサイズに対する選択プリントサイズの倍率(×2など)が表示されている。
(5)図7Fに示す表示形態では、基準プリントサイズを示すアイコンと選択プリントサイズを示すアイコンの配置関係は上記(3)及び(4)の表示形態と同様だが、基準プリントサイズに対する選択プリントサイズの比率(関係値)を表示せず、ペーパー幅と送り長さのみが表示されている。
【0045】
〔別実施形態2〕
プリントサイズを示すアイコンの形状は上記実施形態における矩形状のものに限られず、例えば基準プリントサイズを示すアイコンを、図8に示すような矩形の枠状のアイコン62b’として作成して表示してもよい。特に選択プリントサイズを示すアイコン62a’が、プリント処理される画像を表示するように構成されている場合、基準プリントサイズを示すアイコンをこのような枠状に作成することで、プリント処理される画像の内容とともに、プリントサイズを具体的にイメージすることができる。
【0046】
〔別実施形態3〕
上述した実施形態では、写真プリント装置に組み込んだプリント受付装置を説明したが、プリント受付装置をプリンタと独立させて設置し、プリントデータやプリントオーダデータをプリンタに送信するように構成してもよい。また、写真プリント以外のプリント、例えば紙プリントなどに用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係るプリント受付装置を組み込んだ写真プリント装置を示す外観図
【図2】図1の写真プリント装置の概略説明図
【図3】制御構造を示すブロック図
【図4】プリント処理選択画面を示す図
【図5】プリントメニュー詳細画面を示す図
【図6】基準プリントサイズの設定画面を示す図
【図7】比較可能な表示形態を示す図
【図8】別実施形態における基準プリントサイズのアイコンを示す図
【符号の説明】
【0048】
72 GUI制御部(表示部)
72A プリントサイズ比較表示部
74A アイコン作成部
76 基準プリントサイズ設定部
77A プリントサイズ選択部
78 関係値算出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント処理する画像データのプリントサイズを選択するプリントサイズ選択部と、前記プリントサイズ選択部において選択されたプリントサイズを含む各種情報をディスプレイ上に表示する表示部とを備えたプリント受付装置において、
基準となるプリントサイズを設定する基準プリントサイズ設定部と、
前記設定された基準プリントサイズと前記選択されたプリントサイズとに対して、夫々のプリントサイズと相似し、かつ、略同一の相似比を有するアイコンを作成する機能を有するアイコン作成部と、
前記アイコン作成部により作成された夫々の前記アイコンを同一表示画面上において比較可能に表示するプリントサイズ比較表示部とを備えたプリント受付装置。
【請求項2】
前記プリントサイズ比較表示部は、前記基準プリントサイズを示すアイコンと前記選択されたプリントサイズを示すアイコンとを並列して表示する請求項1に記載のプリント受付装置。
【請求項3】
前記プリントサイズ比較表示部は、前記基準プリントサイズを示すアイコンと前記選択されたプリントサイズを示すアイコンとを少なくともその一部が重なるように表示する請求項1に記載のプリント受付装置。
【請求項4】
前記基準プリントサイズと前記選択されたプリントサイズとの関係値を算出する関係値算出部をさらに備え、前記プリントサイズ比較表示部は、前記関係値を前記アイコンと併せて表示する請求項1から3のいずれか一項に記載のプリント受付装置。
【請求項5】
前記関係値は前記基準プリントサイズの縦横長さに対する前記選択されたプリントサイズの縦横長さ夫々の比率である請求項4に記載のプリント受付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−172045(P2007−172045A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364866(P2005−364866)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】