説明

プリント基板製造用離型フィルム

【課題】 FPC製造時の補強板貼付け工程(加熱プレス)において、FPC仕上がり外観、メッキ付き性などの要求特性を満たしつつ、従来のポリエステルフィルムでは発現することのできなかったプレス板とFPC材料に対する優れた離形性を有する、FPC製造用離型フィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの両面に塗布層を有するフィルムであり、当該塗布層表面の水滴接触角が80〜120度の範囲であることを特徴とするプリント基板製造用離型フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板製造時の熱プレス成形工程で用いられる、離型フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の急速な進歩に伴い、ICの集積度が増大するにつれ、より高精度、高密度、高信頼性化への要求に対応する目的でプリント配線板が多用されてきている。このプリント配線板としては、片面プリント配線板、両面プリント配線板、多層プリント配線板、およびフレキシブルプリント配線板があるが、なかでも、3層以上の導体の中間に絶縁層をおいて一体化し、任意の導体層相互および実装する電子部品のリードと任意の導体層との接続ができる点で多層フレキシブルプリント配線基板(以後FPCという)の応用分野は広がっている。
【0003】
FPCの製造工程においては、絶縁基材上、例えば、ポリイミド樹脂フィルム表面に所定の回路を有するフレキシブル回路板上を、絶縁および回路保護を目的として接着剤付き耐熱樹脂フィルム(一般にはポリイミドフィルム)であるカバーレイ(以下、CLという)で被覆し、離型フィルムを介して、プレスラミネートによる成形を行う。さらにコネクター部等には、強度向上を目的に、同様に補強板(一般には厚番手のポリイミドフィルム)をプレスラミネートしている。これらの製造工程において、FPC材料およびプレス板との離型性、対形状追従性、均一な成形性、FPCの仕上がり外観、後工程での回路へのメッキ付き等に優れた離型フィルムが求められている。
【0004】
このような状況で、その耐熱性を利して、不活性の添加粒子により適度の表面粗度を付与したポリエステル(PET)フィルムが、同様の離型フィルムとして提案されている(特許文献1)。PETフィルムは、融点が約260℃と高いため、CLのプレス成形においても優れた耐熱性を示す。ところが、近年では、FPCの生産性の観点から、成型時のプレス温度を上昇させる傾向があり、その際に、離型フィルムとFPC材料との離型性が不十分となる問題がある。
【特許文献1】特開2002−252458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、FPC製造時の補強板貼付け工程(加熱プレス)において、FPC仕上がり外観、メッキ付き性などの要求特性を満たしつつ、従来のポリエステルフィルムでは発現することのできなかったプレス板とFPC材料に対する優れた離形性を有する、FPC製造用離型フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、本発明は、ポリエステルフィルムの両面に塗布層を有するフィルムであり、当該塗布層表面の水滴接触角が80〜120度の範囲であることを特徴とするプリント基板製造用離型フィルムに存する。
【0008】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、代表的には、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。そのほかには、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0009】
上記の優位構成成分以外の共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびオキシモノカルボン酸などのエステル形成性誘導体を使用することができる。また、ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほかに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することができる。
【0010】
本発明のポリエステルフィルムに安定した離型性能を付与することを目的に、フィルム表面の水滴接触角を特定範囲すべく、適宜塗布層を設ける。以下に、本発明のポリエステルフィルムの水滴接触角を特定範囲とするための塗布層形成の方法について説明する。
【0011】
本発明においては、塗布層中に、ポリビニルアルコールと離型剤とを適宜比で混合して配合することにより、水滴接触角を特定範囲に調整する方法が好ましく用いられる。ポリビニルアルコールを塗布層中に含有しないと、水滴接触角が120度を超え、プレス加工においてフィルム表面(塗布層)からFPC材料表面に離型成分の転移が生じやすく、後工程でのメッキ付き性が阻害される傾向がある。一方、塗布層中に離型剤を含有しないと、水滴接触角が80度未満となり、プレス加工において、FPCもしくはプレス板との離型が困難となり、本用途での加工適性に支障をきたす傾向がある。
【0012】
塗布層中に使用する離型剤としては下記に限定されるものではないが、例えば、フッ素系アクリル樹脂、長鎖アルキル化合物、シリコーン、ワックス等が挙げられる。またこれらの化合物を併用することも可能である。
【0013】
さらに塗布層中には、本発明の主旨を損なわない範囲において、架橋剤を併用することが好ましく、具体例としてはメチロール化またはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋成分はバインダーポリマーと予め結合していてもよい。
【0014】
また、塗布層の固着性、滑り性改良を目的として、不活性粒子を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、有機粒子等が挙げられる。
【0015】
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料等が含有されてもよい。
【0016】
本発明におけるプリント基板製造用離型フィルムを構成する塗布層中のポリビニルアルコールの合計に関しては、下記式(1)を満足するのが好ましい。
10≦W≦90 …(1)
(上記式中、Wは、プリント基板製造用離型フィルムを構成する塗布層中におけるポリビニルアルコールの重量%を表す)
【0017】
上述の一連の化合物を溶液または分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にてプリント基板製造用離型フィルムを製造するのが好ましい。
【0018】
さらにインラインコーティングの場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にてプリント基板製造用離型フィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
【0019】
本発明におけるプリント基板製造用離型フィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の塗布量(乾燥後)に制限はないが、通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/mの範囲である。塗布量が0.005g/m未満であると、塗布厚みの均一性が不十分な場合がある。一方、1g/mを超えて塗布する場合には、滑り性低下、ブロッキング等の不具合を生じる場合がある。
【0020】
本発明のポリエステルフィルムの水滴接触角は、80〜120度であることが必要である。水滴接触角の上限に関しては、好ましくは117度、さらに好ましくは115度である。水滴接触角が120度を超える場合には、プレス加工においてフィルム表面(塗布層)からFPC材料表面に離型成分の転移が生じやすく、後工程でのメッキ付き性が阻害される傾向にある。一方、水滴接触角が80度未満では、目的とする剥離性が得られない傾向にある。
【0021】
本発明のポリエステルフィルムの厚みは特に限定されないが、プレス加工時における作業性からみた適度の腰強さ、シワの発生回避の観点から、通常10〜100μm、好ましくは15〜75μm、さらに好ましくは20〜50μmの範囲である。
【0022】
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の要旨を越えない限り、2層以上の多層フィルムであってもよく、例えば製造原価低減や強度向上のために不活性粒子をほとんど含有しない層を積層しても差し支えない。
【0023】
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、一般に所定に配合されたポリマーを溶融、押出しした後、少なくとも一軸方向にロール延伸法、テンター法等に従って延伸を施せばよい。なお機械的強度や熱寸法安定性を適度に満足させるためには、二軸延伸方法および熱処理方法を併用することが好ましい。
【0024】
ここで二軸延伸を用いた場合の一例を詳細に説明する。
まず原料を配合して押出機に供給し溶融混練後、溶融ポリマーを通常Tダイへ導き、スリット状に押し出す。次に、ダイから押し出された溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面均一性、冷却効果を向上させるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法が好ましく採用される。次いで、得られたシートを二軸方向に延伸してフィルム化する。本発明のポリエステルフィルムの表面凹凸は、かかる延伸によって生成される。
【0025】
まず、通常70〜150℃、好ましくは75〜130℃の延伸温度、通常2.5〜6.0倍、好ましくは3.0〜5.0倍の延伸倍率の条件下、前記未延伸シートを一方向(縦方向)に延伸する。かかる延伸にはロールおよびテンター方式の延伸機を使用することができる。さらに、通常75〜150℃、好ましくは80〜140℃の延伸温度で、通常2.5〜6.0倍、好ましくは3.0〜5.0倍の延伸倍率の条件下、一段目と直交する方向(横方向)に延伸を行い、二軸配向フィルムを得る。かかる延伸には、テンター方式の延伸機を使用することができる。上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が7〜30倍になるように同時二軸延伸することも可能である。次いで、テンター内熱処理を、通常200〜250℃、好ましくは220〜240℃で、1秒〜3分間行う。この熱処理工程では、熱処理の最高温度のゾーンおよび/または熱処理出口直前の冷却ゾーンにおいて、横方向および/または縦方向に0.1〜30%の弛緩を行うことが、熱寸法安定性付与の点で好ましい。特に横方向に1〜30%の弛緩を行うことが好ましい。
【0026】
なお、上記においては、縦延伸後のフィルム(両面)に塗布層を設ける。
塗布層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
【0027】
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではないが、通常、塗布後の後工程において、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
【0028】
また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明におけるプリント基板製造用離型フィルムを構成するポリエステルフィルムには予め、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
【0029】
本発明のポリエステルフィルムは、その特徴を生かし、フレキシブルプリント配線基板の製造において、熱プレス成形用の離型フィルムとして好適に使用される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、FPC製造時の補強板貼付け工程(加熱プレス)において、FPC仕上がり外観、メッキ付き性などの要求特性を満たしつつ、従来のポリエステルフィルムでは発現することのできなかったプレス板とFPC材料に対する優れた離形性を有する、FPC製造用離型フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお、本発明における各種の物性およびその測定方法、定義は下記のとおりである。また、実施例および比較例中、「部」および「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意味する。
【0032】
(1)添加物の平均粒径(μm)
(株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。
【0033】
(2)ポリエステルの固有粘度(dl/g)
ポリエステル1gに対し、フェノール/テトラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒を100mlの比で加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0034】
(3)中心線平均粗さRa(μm)
小坂研究所製の万能表面形状測定器SE−3Fを用いて測定した。下記の条件でサンプルの片面(キャスト面)につき7回測定し、最大最小の2点を除いた5点の平均値をとった。
・触針先端径:2μm ・測定力:30mgf
・測定長 :2.5mm ・カットオフ値:0.08mm
【0035】
(4)熱収縮率(%)
フィルムを長手方向(MD)または幅方向(TD)に幅15mm長さ150mmに切り出し、100mm間隔にマーキングし、無張力状態で180℃の熱風循環式オーブン内で5分間熱処理した。熱処理前のマーキング間隔:a、熱処理後のマーキング間隔:bを測定し、下記式により熱収縮率を求めた。測定数nは3とし、その平均値をとった。
熱収縮率(%)=(a−b)×100/a
【0036】
(5)水滴接触角(°)
イオン交換水を2μL滴下し、1分後のフィルム表面における水滴接触角をθ/2法により、接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA−A型)を使用して測定した。
【0037】
(6)熱プレスによる工程適性試験
・プレス熱板への付着物について。
(離型)フィルム/FPC/(離型)フィルムの順に重ねたものをプレス熱板で加圧(170℃、30kg/cm2、60分)後、50℃になるまで加圧冷却した後、以下の項目を評価した。
【0038】
「FPC離型性」
〇:FPCとの離型が容易であった。
×:FPCとの離型が困難であり、加工適性に問題が認められた。
【0039】
「プレス板離型性」
○:熱板との付着は認められず、良好であった。
×:熱板への付着が生じ、加工適性に問題があった。
【0040】
「メッキ付き性」
○:必要メッキ面積の90%以上にメッキが付いているもの
×:メッキ付きが必要メッキ面積の90%未満のもの
【0041】
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
・フッ素系アクリル樹脂
ガラス製反応容器中に、CF(CFCHCHOCOCH=CH(n=5〜11、nの平均=9)80.0g、アセトアセトキシエチルメタクリレート20.0g、ドデシルメルカプタン0.8g、脱酸素した純水354.7g、アセトン40.0g、C1633N(CHCl1.0gおよびC17O(CHCHO)nH(n=8)3.0gを入れ、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩0.5gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しつつ60℃で10時間共重合反応させて、共重合体エマルションを得た。
【実施例1】
【0042】
平均粒径2.4μmの無定型シリカ粒子を0.07%含有する、固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレートチップをベント付二軸押出機に直接投入して270℃で溶融、混練し、得られた溶融体をTダイを経由してスリット状に押出し、30℃の冷却ドラム上で冷却して無延伸シートを得た。次いで当該無延伸シートを縦方向に82℃で3.3倍延伸したフィルムの両面に、ポリビニルアルコール:フッ素系アクリル樹脂:ヘキサメトキシメチルメラミンの尿素共重合体=50:30:20の比率で混合させた液をバーコート方式により塗布した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.1倍延伸し、段階的に昇温後、232℃で3秒間熱処理した。次いで180℃の雰囲気下、幅方向に2%の弛緩処理(テンターレール幅を狭める)を行った。最終的に、両面に塗工量(乾燥後)が0.02g/mの塗布層が設けられた、厚さ38μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【実施例2】
【0043】
実施例1において、塗布層の配合比率をポリビニルアルコール:フッ素系アクリル樹脂:ヘキサメトキシメチルメラミンの尿素共重合体=35:45:20の比率に変更した以外は同様にして、両面に塗工量(乾燥後)が0.02g/mの塗布層が設けられた、厚さ38μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【実施例3】
【0044】
実施例1において、塗布層の配合比率をポリビニルアルコール:フッ素系アクリル樹脂:ヘキサメトキシメチルメラミンの尿素共重合体=70:10:20の比率に変更した以外は同様にして、両面に塗工量(乾燥後)が0.02g/mの塗布層が設けられた、厚さ38μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0045】
(比較例1)
実施例1において、塗布層を設けない以外は同様にして、厚さ38μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0046】
(比較例2)
実施例1において、塗布層の配合比率をポリビニルアルコール:フッ素系アクリル樹脂:ヘキサメトキシメチルメラミンの尿素共重合体=−(配合しない):80:20の比率に変更した以外は同様にして、両面に塗工量(乾燥後)が0.02g/mの塗布層が設けられた、厚さ38μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0047】
(比較例3)
実施例1において、塗布層の配合比率をポリビニルアルコール:フッ素系アクリル樹脂:ヘキサメトキシメチルメラミンの尿素共重合体=1:79:20の比率に変更した以外は同様にして、両面に塗工量(乾燥後)が0.02g/mの塗布層が設けられた、厚さ38μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
以上、得られた結果を纏めて下記表1に示す。
【0048】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のフィルムは、例えば、フレキシブルプリント配線板製造時の熱プレス成形工程で用いられる、離型フィルムとして好適に利用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルフィルムの両面に塗布層を有するフィルムであり、当該塗布層表面の水滴接触角が80〜120度の範囲であることを特徴とするプリント基板製造用離型フィルム。

【公開番号】特開2006−175672(P2006−175672A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369764(P2004−369764)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000108856)三菱化学ポリエステルフィルム株式会社 (187)
【Fターム(参考)】