プルタブオープナー
【課題】中身をこぼすことなく、1つの動作でプルタブを引き起こして飲み口を開封できるプルタブオープナーを提供する。
【解決手段】プルトップ缶の缶蓋と嵌合しその缶蓋に対して周方向に回転可能な円筒状のオープナー本体10を設け、そのオープナー本体10の小径内壁部13bに螺旋状の係合案内片20を形成する。そして、オープナー本体10を回転させることにより、プルタブは係合案内片20の係合始端21から係合終端22に到るまで係合して起立させられる。
【解決手段】プルトップ缶の缶蓋と嵌合しその缶蓋に対して周方向に回転可能な円筒状のオープナー本体10を設け、そのオープナー本体10の小径内壁部13bに螺旋状の係合案内片20を形成する。そして、オープナー本体10を回転させることにより、プルタブは係合案内片20の係合始端21から係合終端22に到るまで係合して起立させられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルタブオープナーに関する。
【背景技術】
【0002】
缶ビール、缶コーヒ等の飲料用の缶は、その缶蓋部分にプルタブが設けられている。このプルタブの先端リング部を摘んで引き起こすことで、容易に飲み口を開封することができる。ところで、このプルタブは摘み難いことから簡単な操作でプルタブを引き起こして飲み口を開封するプルタブオープナーが種々提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1のプルタブオープナーは、缶蓋に装着されるキャップの裏面に、片持ち状に支持された引っ掛け部材を設け、缶蓋に装着したキャップを、缶に対して缶の中心軸を回動中心に相対回転させ、その引っ掛け部材の先端部を、プルタブと缶蓋の間に滑り込ませる。そして、引っ掛け部材の先端部がプルタブと缶蓋との間に介在した状態で、キャップを缶蓋からは外すと、引っ掛け部材の先端部がプルタブの裏面と係合した状態で缶蓋から離間する方向に移動して、プルタブを引き起こすことができる。
【特許文献1】特開2002−87497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記プルタブオープナーは、キャップを缶に対して相対回転させて引っ掛け部材を位置決めする動作と、キャップを缶蓋から外して引っ掛け部材でプルタブを引き起こす動作の2つの動作で、飲み口を開封するようになっている。従って、飲み口を開封するのに2つの動作を必要としその操作が非常に面倒であった。
【0005】
また、キャップを外し引っ掛け部材でプルタブを引き起こす際、キャップの基端側を支点して先端側を引き上げるため、缶を安定して把持しにくくのバランスを崩し中身をこぼすことが多々生じる虞がある。
【0006】
本発明の目的は、中身をこぼすことなく、1つの動作でプルタブを引き起こして飲み口を開封できるプルタブオープナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、プルトップ缶の缶蓋に設けられたステイオンタブ式のプルタブを起こすことによって、前記缶蓋に形成した飲み口を開封するプルタブオープナーであって、プルトップ缶の上端部と嵌合し該上端部に対してプルトップ缶の周方向に回転可能な円筒部と、前記円筒部の内壁に、奥側に向けて螺旋状に突出形成され、前記円筒部に回転により、その係合始端が前記プルタブの一部に係合し、前記回転に伴って前記プルタブと係合しながら前記係合始端からその係合終端に到るまでの間で、前記プルタブを起立させる螺旋係合部とを有する。
【0008】
請求項1に記載のプルタブオープナーによれば、円筒部の内壁に螺旋状に突出形成した螺旋係合部は、円筒部の回転によりプルタブの一部に係合させてプルタブを起立させることができる。従って、回転動作という1つの動作のみでプルタブを起立させることができ、缶の缶蓋に形成した飲み口を容易に開けることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプルタブオープナーにおいて、前記螺旋係合部は、前記係合始端と係合終端との間に、前記内壁から前記円筒部の中心軸線に向かって突出する突出量が、前記奥側方向に沿って徐々に増大する領域を有する。
【0010】
請求項2に記載のプルタブオープナーによれば、円筒部の回転に応じて螺旋係合部の係合始端から係合終端に到るまでの間でプルタブをスムーズに起立させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプルタブオープナーにおいて、前記螺旋係合部は、前記係合終端に前記円筒部の中心軸線に向かって突出する爪を形成した。
【0011】
請求項3に記載のプルタブオープナーによれば、係合終端に設けられた爪によって、プルタブの起立姿勢を調整することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のプルタブオープナーにおいて、前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間のなす角度が90°〜360°の間の所定角度に設定されている。
【0012】
請求項4に記載のプルタブオープナーによれば、プルタブをスムーズに起立させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプルタブオープナーにおいて、前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間のなす角度が225°に設定されている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、前記円筒部に上端部を塞ぐカバーを有する。
請求項6に記載のプルタブオープナーによれば、缶本体の上端部に円筒部を載置した際、カバー部により円筒部内への異物侵入を防止できる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項2乃至6のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、前記円筒部及びカバーの少なくとも一方の外面には、前記螺旋係合部の前記係合始端に対応する目印を設けた。
【0015】
請求項7に記載したプルタブオープナーによれば、目印によりプルトップ缶の上端部に円筒部を嵌合する際、プルタブの位置と螺旋係合部の係合始端との回転方向に位置決めが容易となる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、前記円筒部は、缶本体に対する径方向のズレを規制する規制部を有する。
請求項8に記載のプルタブオープナーによれば、規制部により缶本体に対する円筒部の径は方向のズレを規制でき、螺旋係合部にプルタブを確実に係合させることができる。
【0017】
請求項9に記載の発明は、プルトップ缶の缶蓋に設けられたステイオンタブ式のプルタブを起こすことによって、前記缶蓋に形成した飲み口を開封するプルタブオープナーであって、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の前記螺旋係合部を備えた円筒部と、前記円筒部を、軸線方向及び周方向に移動に収容する有蓋円筒状の操作ケースと、前記操作ケースに収容された前記円筒部の上端と前記操作ケースの奥面との間に配設され、常に前記円筒部を前記操作ケースの下端開口側に弾性力を付与するスプリングと、前記円筒部と前記操作ケースの間に設けられ、前記円筒部が前記スプリングの弾性力に抗して前記奥面側に押圧されるとき、前記円筒部を前記周方向に回転させながら前記軸線方向に移動させる駆動手段とを有する。
【0018】
請求項9に記載の装置によれば、操作ケースを移動させるだけで、内部の円筒部が回転するため、操作ケースの下降動作のみでプルタブを起立させることができ、容易に飲み口を開けることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、中身をこぼすことなく、1つの動作でプルタブを引き起こして飲み口を開封ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明のプルタブオープナーを具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
【0021】
図1は、プルタブオープナー1を上方から見た全体斜視図であって、プルタブオープナー1は、飲料用のプルトップ缶2の缶蓋3に載置し、缶蓋3に設けたステイオンタブ式のプルタブ4を起立させ、飲み口29(図6(d)参照)を開封する。
【0022】
プルタブオープナー1は、図2〜図4に示すように、円筒部としての円筒状のオープナー本体10を有し、その上側開口部がカバー11にて閉塞され、下端開口部が装着口12となってプルトップ缶2の缶蓋3が載置される。
【0023】
円筒状のオープナー本体10の内周壁13は、装着口12側が拡開形成されその拡開された大径内壁部13aを形成している。そして、その大径内壁部13aより奥側(カバー11の裏面側)の内周壁13を小径内壁部13bとしている。
【0024】
ここで、大径内壁部13aの内径は、プルトップ缶2の缶本体の外径より大きく形成されている。小径内壁部13bは、プルトップ缶2の外径より小さくかつ缶蓋3の上面3aに設けたプルタブ4を内包できる径である。
【0025】
オープナー本体10の内周壁13において、大径内壁部13aと小径内壁部13bとの間に形成される環状の段差面14には、規制部としての環状溝15が形成されている。
そして、装着口12から大径内壁部13a内に、プルトップ缶2が収容されると、缶蓋3の外周に形成された環状のリップ部3bが環状溝15に収容される。また、リップ部3bが環状溝15に収容されることにより、環状溝15よりもオープナー本体10の中心軸L1側の環状の段差面14には、缶蓋3の上面3aが当接し、プルトップ缶2がそれ以上の奥側に貫挿されるのを規制している。
【0026】
そして、大径内壁部13a内にプルトップ缶2が収容され、缶蓋3のリップ部3bが環状溝15に収容されることにより、オープナー本体10は、プルトップ缶2に対して、前記中心軸L1を回転中心にして周方向にスムーズに回転する。
【0027】
小径内壁部13bには、螺旋係合部としての係合案内片20が突出形成されている。係合案内片20、小径内壁部13bの下端(段差面14とで形成される稜線)から奥側に向けて螺旋状に突出形成され、その上端はカバー11の裏面より離間した位置にまで延びている。そして、係合案内片20の下端を係合始端21とし、係合案内片20の上端を係合終端22としている。また、係合案内片20の奥側(カバー11の裏面側)に面した面を傾斜面23とし、前記中心軸L1側に面した面を案内面24としており、傾斜面23と案内面24との間にはエッジ28が形成されている。
【0028】
本実施形態では、小径内壁部13bに沿って螺旋状に形成された係合案内片20は、図5に示すように、オープナー本体10を平面視して、前記係合始端21から前記係合終端22に到るまでなす角度θ1が225°に設定されている。
【0029】
また、係合案内片20は、傾斜面23の幅が係合始端21から角度θ2(本実施形態では45°)進んだ位置までは同じ幅で形成された一定幅領域Z1と、その一定幅領域Z1より奥側(カバー11の裏面側)に行くほど傾斜面23の幅が広くなる幅広領域Z2を有している。従って、係合案内片20の幅広領域Z2に位置にある案内面24は、奥側(カバー11の裏面側)に行くほど前記中心軸L1に近づくようになる。
【0030】
ここで、係合案内片20の一定幅領域Z1での傾斜面23の幅は、図6(b)に示すように、オープナー本体10の装着口12からプルトップ缶2を貫挿し、段差面14に缶蓋3の上面3aが当接した状態で、缶蓋3に設けたプルタブ4の先端部と交差する幅に形成されている。
【0031】
また、係合案内片20の一定幅領域Z1での傾斜面23の傾きは、幅広領域Z2での傾斜面23の傾きより緩やかに形成されている。
さらに、一定幅領域Z1における係合案内片20の厚みは、楔状であって係合始端21から奥側に向かうほど厚くなり、後端は幅広領域Z2における係合案内片20の厚みと一致する。なお、幅広領域Z2における係合案内片20の厚みは、全範囲で一定の厚さで形成されている。
【0032】
係合案内片20の係合終端22の案内面24には、図5に示すように、爪25が、前記中心軸L1に向かって突出形成されている。爪25は、案内面24側の側面を案内側面25aとし、案内面24と連続した円弧面に形成されている。また、爪25は、図4に示すように、その先端が先細となるように形成されている。
【0033】
オープナー本体10のカバー11の外面としての上面11aには、図1に示すように、位置決め用目印26が形成されている。位置決め用目印26はプルタブの図形に形成され、オープナー本体10を嵌合させた場合に、平面視したとき缶蓋3に取着されたプルタブ4と互いに重なるように形成されている。位置決め用目印26の配置位置は、平面視して係合案内片20と重ならない位置であって、係合始端21から係合終端22に向かって45°に位置するように配置形成されている。
【0034】
また、カバー11の上面11aには、位置決め用目印26と対向する位置に操作用目印27が形成されている。操作用目印27は、オープナー本体10をプルトップ缶2に載置し、プルタブ4を起立させるために、オープナー本体10の回転方向を指標する矢印の図形である。矢印図形の操作用目印27の向きは、平面視したとき係合案内片20の係合終端22から係合始端21に向かった向きと一致させている。
【0035】
次に、上記のように構成したプルタブオープナー1の使用方法について説明する。
オープナー本体10をプルトップ缶2に嵌合させて、缶蓋3の上面3aとオープナー本体10の段差面14、即ち、係合案内片20の一定幅領域Z1の下面を当接させる。このとき、カバー11に表示した位置決め用目印26と缶蓋3に設けたプルタブ4とが平面視して重なり合うように位置合わせして嵌合させる。従って、係合案内片20とプルタブ4との相対位置は、図6(a)に示すように、回動角度45°離間した位置に配置される。
【0036】
この状態から、カバー11に表示した操作用目印27に示す方向に、オープナー本体10を回転させる。すると、係合案内片20の係合始端21は、缶蓋3の上面3aを摺接しながらプルタブ4に近づく。やがて、係合案内片20の係合始端21は、缶蓋3の上面3aとプルタブ4との間に侵入する。そして、図6(b)に示すように、プルタブ4の先端部分が係合案内片20の一定幅領域Z1部分に乗り上げられ、プルタブ4が少し起立される。
【0037】
そして、さらに、オープナー本体10を回転させると、図6(c)に示すように、係合案内片20は、その傾斜面23と案内面24とで形成されるエッジ28がプルタブ4の裏面と係合した状態で、缶蓋3の上面3aとプルタブ4との間を通過する。
【0038】
このとき、係合案内片20の幅広領域Z2の傾斜面23が螺旋状に傾斜しているとともに、案内面24(エッジ28)が係合終端22に向かうほど中心軸L1に側に突出しているため、エッジ28に係合しているプルタブ4は、益々引き起こされる。やがて、係合終端22に形成した爪25の直近までプルタブ4が案内されると、プルタブ4は缶蓋3の上面3aに対してほぼ直角に起立させる。この時点で、缶蓋3に形成されたスコアSが少し破断され開口片3cが缶内に折り曲げ始められる。
【0039】
この状態からオープナー本体10をさらに回転させると、エッジ28に係合していたプルタブ4が爪25の先端を通過するとき、爪25が指掛け孔に落ち込む。やがて、爪25は、回転して指掛け孔に反対側に開口縁に引っ掛かり、今まで摺動しながら係合していたのが規制される。その結果、プルタブ4は、図6(d)に示すように、指掛け孔に引っ掛けられている爪25により、さらに引き起こされ、スコアSが完全に破断され開口片3cが完全に缶内に押し込まれ、飲み口29が開封される。
【0040】
次に、上記のように構成した第1実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、プルトップ缶2の缶蓋3と嵌合しその缶蓋3に対して周方向に回転可能な円筒状のオープナー本体10を設け、そのオープナー本体10の小径内壁部13bに螺旋状の係合案内片20を形成した。そして、オープナー本体10の回転により、係合案内片20が係合始端21から係合終端22に到るまで前記プルタブ4と係合させて、プルタブ4を起立させるようにした。
【0041】
従って、オープナー本体10を回転させるという、1つの動作のみでプルタブ4を起立させことができる。
(2)しかも、上記実施形態によれば、係合案内片20に、奥側(カバー11の裏面側)に行くほど傾斜面23の幅が広くなる幅広領域Z2を形成し、幅広領域Z2に位置にある案内面24は、奥側(カバー11の裏面側)に行くほど中心軸L1に近づくようした。
【0042】
従って、プルタブ4の係合始端21から係合終端22に到るまでの間にスムーズに起立させることができる。
(3)上記実施形態によれば、係合案内片20の係合終端22に爪25を設けた。そして、回転操作の最後で、指掛け孔を爪25により、プルタブ4をさらに引き起すようにした。
【0043】
従って、オープナー本体10を回転させるという、1つの動作のみでスコアSを完全に破断させ開口片3cを完全に缶内に押し込み、飲み口29を開封させることができる。
(4)上記実施形態によれば、オープナー本体10の内周壁13に環状の段差面14を形成し、その段差面14に環状溝15を形成した。そして、装着口12からプルトップ缶2が嵌合されるとき、缶蓋3の外周に形成された環状のリップ部3bが環状溝15に嵌合するようにした。
【0044】
従って、オープナー本体10をプルトップ缶2に対して回転させた時、オープナー本体10はプルトップ缶2に対して中心軸L1を回転中心にして周方向にスムーズに回転することができる。
【0045】
(5)上記実施形態によれば、オープナー本体10の上側開口部にカバー11を設けたので、プルトップ缶2の缶蓋3のオープナー本体10を載置したとき、このカバー11によりオープナー本体10内への異物侵入を防止することできる。
【0046】
(7)上記実施形態によれば、カバー11の上面11aに位置決め用目印26を形成した。従って、オープナー本体10をプルトップ缶2に嵌合させる際の、オープナー本体10とプルトップ缶2の位置合わせが容易に行うことができる。
【0047】
(8)上記実施形態によれば、カバー11の上面11aに操作用目印27を形成した。従って、オープナー本体10の回転方向を即座に認識ででき、素早く飲み口を開封することできる。
【0048】
(9)上記実施形態によれば、係合案内片20の一定幅領域Z1は、その傾斜面23の傾き緩やかに形成し、厚みを係合始端21から奥側に向かうほど厚くなる楔状に形成した。従って、係合案内片20の係合始端21を、缶蓋3の上面3aとプルタブ4との間にスムーズに侵入させることができる。
【0049】
(10)上記実施形態によれば、係合始端21から係合終端22に到るまでなす角度θ1を225°とすることにより、プルタブ4をスムーズ且つ確実に引き起こすことが可能となる。
(第2実施形態)
以下、本発明のプルタブオープナーを具体化した第2実施形態を図7及び図8に従って説明する。
【0050】
図7は、本実施形態のプルタブオープナー1の断面図を示す。図7において、操作ケース30は、有蓋円筒状のケースであって、その筒内には第1実施形態のオープナー本体10が操作ケース30の中心軸L2方向に移動かつ中心軸L2を回動中心に周方向に回転可能に収容されている。本実施形態のオープナー本体10は、カバー11が設けられていないことと、外周面に半球状のボール収容凹部31が形成され点が第1実施形態と相違するだけなので、説明の便宜上、符号を同じにして各部分の詳細な説明は省略する。
【0051】
また、有蓋円筒状の操作ケース30は、下端開口端部の内側面が中心軸L2に向かって延出されて環状の案内壁32が形成されている。環状の案内壁32の内径は、装着するプルトップ缶2の外径と一致させている。
【0052】
従って、操作ケース30は、プルトップ缶2を下端開口端から筒内に収容し、その缶蓋3のリップ部3bをオープナー本体10の段差面14に形成した環状溝15に収容させることができるようになっている。また、操作ケース30内に収容されたオープナー本体10は、その大径内壁部13aの開口縁が案内壁32と係合して操作ケース30から抜ける出ることはない。
【0053】
操作ケース30は、その内周面30aには駆動手段を構成する断面円弧状の螺旋溝33が形成され、該螺旋溝33には、オープナー本体10の外周面に形成したボール収容凹部31に嵌合された駆動手段を構成するボールBが、嵌合して螺旋溝33に沿って転動するようになっている。
【0054】
このように構成することによって、操作ケース30内に収容されたオープナー本体10を、中心軸L2方向に力を加えると、ボール収容凹部31に収容されたボールBが螺旋溝33に沿って転動することから、オープナー本体10は、中心軸L2を回転中心に回転しながら力が加えられた方向に移動することになる。
【0055】
そして、本実施形態では、オープナー本体10が下方から上方に向かって力を受けたとき、オープナー本体10の係合案内片20がその係合終端22から係合始端21の方向の回転するように、螺旋溝33の螺旋の向き設定されて操作ケース30の内周面30aに形成されている。
【0056】
操作ケース30の奥面とオープナー本体10の上端との間には、スプリングSPが配設されている。スプリングSPは、オープナー本体10を下方に弾性力を付与し、案内壁32に係合する最下位置までオープナー本体10を押し下げることができるようになっている。そして、スプリングSPの弾性力に抗してオープナー本体10を操作ケース30に対して上方に押し上げると、図8に示すように、オープナー本体10は、回転しながら上動しスプリングSPを縮設するようになっている。
【0057】
なお、操作ケース30の上面には、図示しないが、第1実施形態でカバー11に形成した位置決め用目印26及び操作用目印27が形成されていて、操作に指標となるようにしている。
【0058】
次に、上記のように構成したプルタブオープナー1の使用方法について説明する。
今、操作ケース30の下端開口端から筒内にプルトップ缶2を回転不能に収容し、その缶蓋3のリップ部3bをオープナー本体10の段差面14に形成した環状溝15に収容させる。このとき、第1実施形態と同様に、係合案内片20とプルタブ4との相対位置は、図6(a)に示すように、回動角度45°離間した位置に配置される。
【0059】
この状態から、操作ケース30を下方に向かって、即ち、プルトップ缶2に向かって押し付ける。これによって、その反力でプルトップ缶2は、スプリングSPの弾性力に抗してオープナー本体10を上方に押し上げる。このオープナー本体10は、この押し上げによって、回転しながら上動する。
【0060】
オープナー本体10が回転すると、係合案内片20の係合始端21は、缶蓋3の上面3aとプルタブ4との間に侵入し、プルタブ4を少し起立させる。そして、さらに、オープナー本体10が回転すると、プルタブ4は係合案内片20によりさらに引き起こされ、缶蓋3の上面3aに対してほぼ直角に起立させるとともに、缶蓋3に形成されたスコアSが少し破断され開口片3cが缶内に折り曲げ始められる。
【0061】
この状態から、操作ケース30をさらに下方に向かって押し付け、オープナー本体10をさらに回転させると、プルタブ4は、爪25によりその指掛け孔が引っ掛けられ、さらに引き起こされ、スコアSが完全に破断され開口片3cが完全に缶内に押し込まれ、飲み口29が開封される。
【0062】
次に、上記のように構成した第2実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、第1実施形態の(2)〜(9)の効果に加えて、操作ケース30を下方に向かって、即ち、プルトップ缶2に向かって押し付けるという、1つの動作のみでプルタブ4を起立させことができる。
【0063】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記第1実施形態では、オープナー本体10の外周面には何も施すことはなかったが、その外周面を、図9に示すように、凹凸形状にして滑り止め部10aを設けてもよい。勿論、滑り止め用のシールを張り付けてもよい。これにより、操作性をより向上させることができる。
【0064】
○上記第1実施形態では、係合案内片20の係合終端22に爪25を設けたが、図10に示すように、これを省略してもよい。
○上記第1実施形態では、オープナー本体10の小径内壁部13bに係合案内片20を1つ設けたが、図11に示すように、2つの係合案内片20を左右対称に小径内壁部13bに設けてもよい。これによって、オープナー本体10をどちらの方向に回転させても、プルタブ4を起立させることができる。
【0065】
○上記第1実施形態では、カバー11に位置決め用目印26と操作用目印27の2つの目印を設けたが、これを2つ全て又はいずれか1つを省略して実施してもよい。
○上記実施形態では、カバー11に位置決め用目印26と操作用目印27の2つの目印を設けたが、これをオープナー本体10の外周面に形成して実施してもよい。
【0066】
○上記第1実施形態では、係合案内片20の一定幅領域Z1と幅広領域Z2の2つの領域を設け、それぞれその傾斜面23の傾斜角度を異ならせたが、これを一定幅領域Z1と幅広領域Z2の傾斜面23とも一様にしてもよい。又、一定幅領域Z1と幅広領域Z2の傾斜面23を連続する傾斜面にして、その傾斜角度を位置に応じて変化させるように実施してもよい。
【0067】
○上記第1実施形態では、係合案内片20の一定幅領域Z1の中心軸L1側への突出量を一様にしたが、これを幅広領域Z2のように、連続的に変化させて実施してもよい。
○上記第1実施形態では、小径内壁部13bに沿って螺旋状に形成された係合案内片20は、オープナー本体10を平面視して、係合始端21前記係合終端22に到るまでなす角度θ1を225°に設定したが、角度θ1を90°〜360°で適宜変更して実施してもよい。角度θ1が小さくなればなるほど、少ない回転でプルタブ4を起立させることができる反面、傾斜面23の傾斜角度が大きくなるため、大きな力が必要になる。また、角度θ1をある程度小さくすると、図11に示すように、2つの係合案内片20を形成することができる。
【0068】
○上記第1実施形態では、円筒状のオープナー本体10にカバー11を設けたプルタブオープナー1であったが、図12に示すように、このカバー11を省略したオープナー本体10に係合案内片20を備えたプルタブオープナー1に具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施形態のプルタブオープナーとプルトップ缶との斜視図。
【図2】プルタブオープナーの断面斜視図。
【図3】同じくプルタブオープナーの断面斜視図。
【図4】同じくプルタブオープナーの断面斜視図。
【図5】プルタブオープナーの平断面図。
【図6】(a)プルタブオープナーとプルタブとの位置関係を示す図、(b)、(c)、(d)プルタブオープナーとプルタブが係合する状態を示す図。
【図7】第2実施形態のプルタブオープナーの側断面図。
【図8】同じくプルタブオープナーの側断面図。
【図9】別例を説明するためのプルタブオープナーの平断面図。
【図10】別例を説明するためのプルタブオープナーの平断面図。
【図11】別例を説明するためのプルタブオープナーの平断面図。
【図12】別例を説明するためのプルタブオープナーの平断面図。
【符号の説明】
【0070】
1…プルタブオープナー、2…プルトップ缶、3…缶蓋、3a…上面、3b…リップ部、4…プルタブ、10…オープナー本体、11…カバー、13…内周壁、13b…小径内周壁、14…段差面、15…環状溝、20…係合案内片、21…係合始端、22…係合終端、23…傾斜面、24…案内面、25…爪、26…位置決め用目印、27…操作用目印、28…エッジ、29…飲み口、30…操作ケース、31…ボール収容凹部、33…螺旋溝、B…ボール、L1,L2…中心軸、S…スコア、SP…スプリング、Z1…一定幅領域、Z2…幅広領域、θ1…角度。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルタブオープナーに関する。
【背景技術】
【0002】
缶ビール、缶コーヒ等の飲料用の缶は、その缶蓋部分にプルタブが設けられている。このプルタブの先端リング部を摘んで引き起こすことで、容易に飲み口を開封することができる。ところで、このプルタブは摘み難いことから簡単な操作でプルタブを引き起こして飲み口を開封するプルタブオープナーが種々提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1のプルタブオープナーは、缶蓋に装着されるキャップの裏面に、片持ち状に支持された引っ掛け部材を設け、缶蓋に装着したキャップを、缶に対して缶の中心軸を回動中心に相対回転させ、その引っ掛け部材の先端部を、プルタブと缶蓋の間に滑り込ませる。そして、引っ掛け部材の先端部がプルタブと缶蓋との間に介在した状態で、キャップを缶蓋からは外すと、引っ掛け部材の先端部がプルタブの裏面と係合した状態で缶蓋から離間する方向に移動して、プルタブを引き起こすことができる。
【特許文献1】特開2002−87497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記プルタブオープナーは、キャップを缶に対して相対回転させて引っ掛け部材を位置決めする動作と、キャップを缶蓋から外して引っ掛け部材でプルタブを引き起こす動作の2つの動作で、飲み口を開封するようになっている。従って、飲み口を開封するのに2つの動作を必要としその操作が非常に面倒であった。
【0005】
また、キャップを外し引っ掛け部材でプルタブを引き起こす際、キャップの基端側を支点して先端側を引き上げるため、缶を安定して把持しにくくのバランスを崩し中身をこぼすことが多々生じる虞がある。
【0006】
本発明の目的は、中身をこぼすことなく、1つの動作でプルタブを引き起こして飲み口を開封できるプルタブオープナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、プルトップ缶の缶蓋に設けられたステイオンタブ式のプルタブを起こすことによって、前記缶蓋に形成した飲み口を開封するプルタブオープナーであって、プルトップ缶の上端部と嵌合し該上端部に対してプルトップ缶の周方向に回転可能な円筒部と、前記円筒部の内壁に、奥側に向けて螺旋状に突出形成され、前記円筒部に回転により、その係合始端が前記プルタブの一部に係合し、前記回転に伴って前記プルタブと係合しながら前記係合始端からその係合終端に到るまでの間で、前記プルタブを起立させる螺旋係合部とを有する。
【0008】
請求項1に記載のプルタブオープナーによれば、円筒部の内壁に螺旋状に突出形成した螺旋係合部は、円筒部の回転によりプルタブの一部に係合させてプルタブを起立させることができる。従って、回転動作という1つの動作のみでプルタブを起立させることができ、缶の缶蓋に形成した飲み口を容易に開けることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプルタブオープナーにおいて、前記螺旋係合部は、前記係合始端と係合終端との間に、前記内壁から前記円筒部の中心軸線に向かって突出する突出量が、前記奥側方向に沿って徐々に増大する領域を有する。
【0010】
請求項2に記載のプルタブオープナーによれば、円筒部の回転に応じて螺旋係合部の係合始端から係合終端に到るまでの間でプルタブをスムーズに起立させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプルタブオープナーにおいて、前記螺旋係合部は、前記係合終端に前記円筒部の中心軸線に向かって突出する爪を形成した。
【0011】
請求項3に記載のプルタブオープナーによれば、係合終端に設けられた爪によって、プルタブの起立姿勢を調整することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のプルタブオープナーにおいて、前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間のなす角度が90°〜360°の間の所定角度に設定されている。
【0012】
請求項4に記載のプルタブオープナーによれば、プルタブをスムーズに起立させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプルタブオープナーにおいて、前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間のなす角度が225°に設定されている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、前記円筒部に上端部を塞ぐカバーを有する。
請求項6に記載のプルタブオープナーによれば、缶本体の上端部に円筒部を載置した際、カバー部により円筒部内への異物侵入を防止できる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項2乃至6のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、前記円筒部及びカバーの少なくとも一方の外面には、前記螺旋係合部の前記係合始端に対応する目印を設けた。
【0015】
請求項7に記載したプルタブオープナーによれば、目印によりプルトップ缶の上端部に円筒部を嵌合する際、プルタブの位置と螺旋係合部の係合始端との回転方向に位置決めが容易となる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、前記円筒部は、缶本体に対する径方向のズレを規制する規制部を有する。
請求項8に記載のプルタブオープナーによれば、規制部により缶本体に対する円筒部の径は方向のズレを規制でき、螺旋係合部にプルタブを確実に係合させることができる。
【0017】
請求項9に記載の発明は、プルトップ缶の缶蓋に設けられたステイオンタブ式のプルタブを起こすことによって、前記缶蓋に形成した飲み口を開封するプルタブオープナーであって、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の前記螺旋係合部を備えた円筒部と、前記円筒部を、軸線方向及び周方向に移動に収容する有蓋円筒状の操作ケースと、前記操作ケースに収容された前記円筒部の上端と前記操作ケースの奥面との間に配設され、常に前記円筒部を前記操作ケースの下端開口側に弾性力を付与するスプリングと、前記円筒部と前記操作ケースの間に設けられ、前記円筒部が前記スプリングの弾性力に抗して前記奥面側に押圧されるとき、前記円筒部を前記周方向に回転させながら前記軸線方向に移動させる駆動手段とを有する。
【0018】
請求項9に記載の装置によれば、操作ケースを移動させるだけで、内部の円筒部が回転するため、操作ケースの下降動作のみでプルタブを起立させることができ、容易に飲み口を開けることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、中身をこぼすことなく、1つの動作でプルタブを引き起こして飲み口を開封ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明のプルタブオープナーを具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
【0021】
図1は、プルタブオープナー1を上方から見た全体斜視図であって、プルタブオープナー1は、飲料用のプルトップ缶2の缶蓋3に載置し、缶蓋3に設けたステイオンタブ式のプルタブ4を起立させ、飲み口29(図6(d)参照)を開封する。
【0022】
プルタブオープナー1は、図2〜図4に示すように、円筒部としての円筒状のオープナー本体10を有し、その上側開口部がカバー11にて閉塞され、下端開口部が装着口12となってプルトップ缶2の缶蓋3が載置される。
【0023】
円筒状のオープナー本体10の内周壁13は、装着口12側が拡開形成されその拡開された大径内壁部13aを形成している。そして、その大径内壁部13aより奥側(カバー11の裏面側)の内周壁13を小径内壁部13bとしている。
【0024】
ここで、大径内壁部13aの内径は、プルトップ缶2の缶本体の外径より大きく形成されている。小径内壁部13bは、プルトップ缶2の外径より小さくかつ缶蓋3の上面3aに設けたプルタブ4を内包できる径である。
【0025】
オープナー本体10の内周壁13において、大径内壁部13aと小径内壁部13bとの間に形成される環状の段差面14には、規制部としての環状溝15が形成されている。
そして、装着口12から大径内壁部13a内に、プルトップ缶2が収容されると、缶蓋3の外周に形成された環状のリップ部3bが環状溝15に収容される。また、リップ部3bが環状溝15に収容されることにより、環状溝15よりもオープナー本体10の中心軸L1側の環状の段差面14には、缶蓋3の上面3aが当接し、プルトップ缶2がそれ以上の奥側に貫挿されるのを規制している。
【0026】
そして、大径内壁部13a内にプルトップ缶2が収容され、缶蓋3のリップ部3bが環状溝15に収容されることにより、オープナー本体10は、プルトップ缶2に対して、前記中心軸L1を回転中心にして周方向にスムーズに回転する。
【0027】
小径内壁部13bには、螺旋係合部としての係合案内片20が突出形成されている。係合案内片20、小径内壁部13bの下端(段差面14とで形成される稜線)から奥側に向けて螺旋状に突出形成され、その上端はカバー11の裏面より離間した位置にまで延びている。そして、係合案内片20の下端を係合始端21とし、係合案内片20の上端を係合終端22としている。また、係合案内片20の奥側(カバー11の裏面側)に面した面を傾斜面23とし、前記中心軸L1側に面した面を案内面24としており、傾斜面23と案内面24との間にはエッジ28が形成されている。
【0028】
本実施形態では、小径内壁部13bに沿って螺旋状に形成された係合案内片20は、図5に示すように、オープナー本体10を平面視して、前記係合始端21から前記係合終端22に到るまでなす角度θ1が225°に設定されている。
【0029】
また、係合案内片20は、傾斜面23の幅が係合始端21から角度θ2(本実施形態では45°)進んだ位置までは同じ幅で形成された一定幅領域Z1と、その一定幅領域Z1より奥側(カバー11の裏面側)に行くほど傾斜面23の幅が広くなる幅広領域Z2を有している。従って、係合案内片20の幅広領域Z2に位置にある案内面24は、奥側(カバー11の裏面側)に行くほど前記中心軸L1に近づくようになる。
【0030】
ここで、係合案内片20の一定幅領域Z1での傾斜面23の幅は、図6(b)に示すように、オープナー本体10の装着口12からプルトップ缶2を貫挿し、段差面14に缶蓋3の上面3aが当接した状態で、缶蓋3に設けたプルタブ4の先端部と交差する幅に形成されている。
【0031】
また、係合案内片20の一定幅領域Z1での傾斜面23の傾きは、幅広領域Z2での傾斜面23の傾きより緩やかに形成されている。
さらに、一定幅領域Z1における係合案内片20の厚みは、楔状であって係合始端21から奥側に向かうほど厚くなり、後端は幅広領域Z2における係合案内片20の厚みと一致する。なお、幅広領域Z2における係合案内片20の厚みは、全範囲で一定の厚さで形成されている。
【0032】
係合案内片20の係合終端22の案内面24には、図5に示すように、爪25が、前記中心軸L1に向かって突出形成されている。爪25は、案内面24側の側面を案内側面25aとし、案内面24と連続した円弧面に形成されている。また、爪25は、図4に示すように、その先端が先細となるように形成されている。
【0033】
オープナー本体10のカバー11の外面としての上面11aには、図1に示すように、位置決め用目印26が形成されている。位置決め用目印26はプルタブの図形に形成され、オープナー本体10を嵌合させた場合に、平面視したとき缶蓋3に取着されたプルタブ4と互いに重なるように形成されている。位置決め用目印26の配置位置は、平面視して係合案内片20と重ならない位置であって、係合始端21から係合終端22に向かって45°に位置するように配置形成されている。
【0034】
また、カバー11の上面11aには、位置決め用目印26と対向する位置に操作用目印27が形成されている。操作用目印27は、オープナー本体10をプルトップ缶2に載置し、プルタブ4を起立させるために、オープナー本体10の回転方向を指標する矢印の図形である。矢印図形の操作用目印27の向きは、平面視したとき係合案内片20の係合終端22から係合始端21に向かった向きと一致させている。
【0035】
次に、上記のように構成したプルタブオープナー1の使用方法について説明する。
オープナー本体10をプルトップ缶2に嵌合させて、缶蓋3の上面3aとオープナー本体10の段差面14、即ち、係合案内片20の一定幅領域Z1の下面を当接させる。このとき、カバー11に表示した位置決め用目印26と缶蓋3に設けたプルタブ4とが平面視して重なり合うように位置合わせして嵌合させる。従って、係合案内片20とプルタブ4との相対位置は、図6(a)に示すように、回動角度45°離間した位置に配置される。
【0036】
この状態から、カバー11に表示した操作用目印27に示す方向に、オープナー本体10を回転させる。すると、係合案内片20の係合始端21は、缶蓋3の上面3aを摺接しながらプルタブ4に近づく。やがて、係合案内片20の係合始端21は、缶蓋3の上面3aとプルタブ4との間に侵入する。そして、図6(b)に示すように、プルタブ4の先端部分が係合案内片20の一定幅領域Z1部分に乗り上げられ、プルタブ4が少し起立される。
【0037】
そして、さらに、オープナー本体10を回転させると、図6(c)に示すように、係合案内片20は、その傾斜面23と案内面24とで形成されるエッジ28がプルタブ4の裏面と係合した状態で、缶蓋3の上面3aとプルタブ4との間を通過する。
【0038】
このとき、係合案内片20の幅広領域Z2の傾斜面23が螺旋状に傾斜しているとともに、案内面24(エッジ28)が係合終端22に向かうほど中心軸L1に側に突出しているため、エッジ28に係合しているプルタブ4は、益々引き起こされる。やがて、係合終端22に形成した爪25の直近までプルタブ4が案内されると、プルタブ4は缶蓋3の上面3aに対してほぼ直角に起立させる。この時点で、缶蓋3に形成されたスコアSが少し破断され開口片3cが缶内に折り曲げ始められる。
【0039】
この状態からオープナー本体10をさらに回転させると、エッジ28に係合していたプルタブ4が爪25の先端を通過するとき、爪25が指掛け孔に落ち込む。やがて、爪25は、回転して指掛け孔に反対側に開口縁に引っ掛かり、今まで摺動しながら係合していたのが規制される。その結果、プルタブ4は、図6(d)に示すように、指掛け孔に引っ掛けられている爪25により、さらに引き起こされ、スコアSが完全に破断され開口片3cが完全に缶内に押し込まれ、飲み口29が開封される。
【0040】
次に、上記のように構成した第1実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、プルトップ缶2の缶蓋3と嵌合しその缶蓋3に対して周方向に回転可能な円筒状のオープナー本体10を設け、そのオープナー本体10の小径内壁部13bに螺旋状の係合案内片20を形成した。そして、オープナー本体10の回転により、係合案内片20が係合始端21から係合終端22に到るまで前記プルタブ4と係合させて、プルタブ4を起立させるようにした。
【0041】
従って、オープナー本体10を回転させるという、1つの動作のみでプルタブ4を起立させことができる。
(2)しかも、上記実施形態によれば、係合案内片20に、奥側(カバー11の裏面側)に行くほど傾斜面23の幅が広くなる幅広領域Z2を形成し、幅広領域Z2に位置にある案内面24は、奥側(カバー11の裏面側)に行くほど中心軸L1に近づくようした。
【0042】
従って、プルタブ4の係合始端21から係合終端22に到るまでの間にスムーズに起立させることができる。
(3)上記実施形態によれば、係合案内片20の係合終端22に爪25を設けた。そして、回転操作の最後で、指掛け孔を爪25により、プルタブ4をさらに引き起すようにした。
【0043】
従って、オープナー本体10を回転させるという、1つの動作のみでスコアSを完全に破断させ開口片3cを完全に缶内に押し込み、飲み口29を開封させることができる。
(4)上記実施形態によれば、オープナー本体10の内周壁13に環状の段差面14を形成し、その段差面14に環状溝15を形成した。そして、装着口12からプルトップ缶2が嵌合されるとき、缶蓋3の外周に形成された環状のリップ部3bが環状溝15に嵌合するようにした。
【0044】
従って、オープナー本体10をプルトップ缶2に対して回転させた時、オープナー本体10はプルトップ缶2に対して中心軸L1を回転中心にして周方向にスムーズに回転することができる。
【0045】
(5)上記実施形態によれば、オープナー本体10の上側開口部にカバー11を設けたので、プルトップ缶2の缶蓋3のオープナー本体10を載置したとき、このカバー11によりオープナー本体10内への異物侵入を防止することできる。
【0046】
(7)上記実施形態によれば、カバー11の上面11aに位置決め用目印26を形成した。従って、オープナー本体10をプルトップ缶2に嵌合させる際の、オープナー本体10とプルトップ缶2の位置合わせが容易に行うことができる。
【0047】
(8)上記実施形態によれば、カバー11の上面11aに操作用目印27を形成した。従って、オープナー本体10の回転方向を即座に認識ででき、素早く飲み口を開封することできる。
【0048】
(9)上記実施形態によれば、係合案内片20の一定幅領域Z1は、その傾斜面23の傾き緩やかに形成し、厚みを係合始端21から奥側に向かうほど厚くなる楔状に形成した。従って、係合案内片20の係合始端21を、缶蓋3の上面3aとプルタブ4との間にスムーズに侵入させることができる。
【0049】
(10)上記実施形態によれば、係合始端21から係合終端22に到るまでなす角度θ1を225°とすることにより、プルタブ4をスムーズ且つ確実に引き起こすことが可能となる。
(第2実施形態)
以下、本発明のプルタブオープナーを具体化した第2実施形態を図7及び図8に従って説明する。
【0050】
図7は、本実施形態のプルタブオープナー1の断面図を示す。図7において、操作ケース30は、有蓋円筒状のケースであって、その筒内には第1実施形態のオープナー本体10が操作ケース30の中心軸L2方向に移動かつ中心軸L2を回動中心に周方向に回転可能に収容されている。本実施形態のオープナー本体10は、カバー11が設けられていないことと、外周面に半球状のボール収容凹部31が形成され点が第1実施形態と相違するだけなので、説明の便宜上、符号を同じにして各部分の詳細な説明は省略する。
【0051】
また、有蓋円筒状の操作ケース30は、下端開口端部の内側面が中心軸L2に向かって延出されて環状の案内壁32が形成されている。環状の案内壁32の内径は、装着するプルトップ缶2の外径と一致させている。
【0052】
従って、操作ケース30は、プルトップ缶2を下端開口端から筒内に収容し、その缶蓋3のリップ部3bをオープナー本体10の段差面14に形成した環状溝15に収容させることができるようになっている。また、操作ケース30内に収容されたオープナー本体10は、その大径内壁部13aの開口縁が案内壁32と係合して操作ケース30から抜ける出ることはない。
【0053】
操作ケース30は、その内周面30aには駆動手段を構成する断面円弧状の螺旋溝33が形成され、該螺旋溝33には、オープナー本体10の外周面に形成したボール収容凹部31に嵌合された駆動手段を構成するボールBが、嵌合して螺旋溝33に沿って転動するようになっている。
【0054】
このように構成することによって、操作ケース30内に収容されたオープナー本体10を、中心軸L2方向に力を加えると、ボール収容凹部31に収容されたボールBが螺旋溝33に沿って転動することから、オープナー本体10は、中心軸L2を回転中心に回転しながら力が加えられた方向に移動することになる。
【0055】
そして、本実施形態では、オープナー本体10が下方から上方に向かって力を受けたとき、オープナー本体10の係合案内片20がその係合終端22から係合始端21の方向の回転するように、螺旋溝33の螺旋の向き設定されて操作ケース30の内周面30aに形成されている。
【0056】
操作ケース30の奥面とオープナー本体10の上端との間には、スプリングSPが配設されている。スプリングSPは、オープナー本体10を下方に弾性力を付与し、案内壁32に係合する最下位置までオープナー本体10を押し下げることができるようになっている。そして、スプリングSPの弾性力に抗してオープナー本体10を操作ケース30に対して上方に押し上げると、図8に示すように、オープナー本体10は、回転しながら上動しスプリングSPを縮設するようになっている。
【0057】
なお、操作ケース30の上面には、図示しないが、第1実施形態でカバー11に形成した位置決め用目印26及び操作用目印27が形成されていて、操作に指標となるようにしている。
【0058】
次に、上記のように構成したプルタブオープナー1の使用方法について説明する。
今、操作ケース30の下端開口端から筒内にプルトップ缶2を回転不能に収容し、その缶蓋3のリップ部3bをオープナー本体10の段差面14に形成した環状溝15に収容させる。このとき、第1実施形態と同様に、係合案内片20とプルタブ4との相対位置は、図6(a)に示すように、回動角度45°離間した位置に配置される。
【0059】
この状態から、操作ケース30を下方に向かって、即ち、プルトップ缶2に向かって押し付ける。これによって、その反力でプルトップ缶2は、スプリングSPの弾性力に抗してオープナー本体10を上方に押し上げる。このオープナー本体10は、この押し上げによって、回転しながら上動する。
【0060】
オープナー本体10が回転すると、係合案内片20の係合始端21は、缶蓋3の上面3aとプルタブ4との間に侵入し、プルタブ4を少し起立させる。そして、さらに、オープナー本体10が回転すると、プルタブ4は係合案内片20によりさらに引き起こされ、缶蓋3の上面3aに対してほぼ直角に起立させるとともに、缶蓋3に形成されたスコアSが少し破断され開口片3cが缶内に折り曲げ始められる。
【0061】
この状態から、操作ケース30をさらに下方に向かって押し付け、オープナー本体10をさらに回転させると、プルタブ4は、爪25によりその指掛け孔が引っ掛けられ、さらに引き起こされ、スコアSが完全に破断され開口片3cが完全に缶内に押し込まれ、飲み口29が開封される。
【0062】
次に、上記のように構成した第2実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、第1実施形態の(2)〜(9)の効果に加えて、操作ケース30を下方に向かって、即ち、プルトップ缶2に向かって押し付けるという、1つの動作のみでプルタブ4を起立させことができる。
【0063】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記第1実施形態では、オープナー本体10の外周面には何も施すことはなかったが、その外周面を、図9に示すように、凹凸形状にして滑り止め部10aを設けてもよい。勿論、滑り止め用のシールを張り付けてもよい。これにより、操作性をより向上させることができる。
【0064】
○上記第1実施形態では、係合案内片20の係合終端22に爪25を設けたが、図10に示すように、これを省略してもよい。
○上記第1実施形態では、オープナー本体10の小径内壁部13bに係合案内片20を1つ設けたが、図11に示すように、2つの係合案内片20を左右対称に小径内壁部13bに設けてもよい。これによって、オープナー本体10をどちらの方向に回転させても、プルタブ4を起立させることができる。
【0065】
○上記第1実施形態では、カバー11に位置決め用目印26と操作用目印27の2つの目印を設けたが、これを2つ全て又はいずれか1つを省略して実施してもよい。
○上記実施形態では、カバー11に位置決め用目印26と操作用目印27の2つの目印を設けたが、これをオープナー本体10の外周面に形成して実施してもよい。
【0066】
○上記第1実施形態では、係合案内片20の一定幅領域Z1と幅広領域Z2の2つの領域を設け、それぞれその傾斜面23の傾斜角度を異ならせたが、これを一定幅領域Z1と幅広領域Z2の傾斜面23とも一様にしてもよい。又、一定幅領域Z1と幅広領域Z2の傾斜面23を連続する傾斜面にして、その傾斜角度を位置に応じて変化させるように実施してもよい。
【0067】
○上記第1実施形態では、係合案内片20の一定幅領域Z1の中心軸L1側への突出量を一様にしたが、これを幅広領域Z2のように、連続的に変化させて実施してもよい。
○上記第1実施形態では、小径内壁部13bに沿って螺旋状に形成された係合案内片20は、オープナー本体10を平面視して、係合始端21前記係合終端22に到るまでなす角度θ1を225°に設定したが、角度θ1を90°〜360°で適宜変更して実施してもよい。角度θ1が小さくなればなるほど、少ない回転でプルタブ4を起立させることができる反面、傾斜面23の傾斜角度が大きくなるため、大きな力が必要になる。また、角度θ1をある程度小さくすると、図11に示すように、2つの係合案内片20を形成することができる。
【0068】
○上記第1実施形態では、円筒状のオープナー本体10にカバー11を設けたプルタブオープナー1であったが、図12に示すように、このカバー11を省略したオープナー本体10に係合案内片20を備えたプルタブオープナー1に具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施形態のプルタブオープナーとプルトップ缶との斜視図。
【図2】プルタブオープナーの断面斜視図。
【図3】同じくプルタブオープナーの断面斜視図。
【図4】同じくプルタブオープナーの断面斜視図。
【図5】プルタブオープナーの平断面図。
【図6】(a)プルタブオープナーとプルタブとの位置関係を示す図、(b)、(c)、(d)プルタブオープナーとプルタブが係合する状態を示す図。
【図7】第2実施形態のプルタブオープナーの側断面図。
【図8】同じくプルタブオープナーの側断面図。
【図9】別例を説明するためのプルタブオープナーの平断面図。
【図10】別例を説明するためのプルタブオープナーの平断面図。
【図11】別例を説明するためのプルタブオープナーの平断面図。
【図12】別例を説明するためのプルタブオープナーの平断面図。
【符号の説明】
【0070】
1…プルタブオープナー、2…プルトップ缶、3…缶蓋、3a…上面、3b…リップ部、4…プルタブ、10…オープナー本体、11…カバー、13…内周壁、13b…小径内周壁、14…段差面、15…環状溝、20…係合案内片、21…係合始端、22…係合終端、23…傾斜面、24…案内面、25…爪、26…位置決め用目印、27…操作用目印、28…エッジ、29…飲み口、30…操作ケース、31…ボール収容凹部、33…螺旋溝、B…ボール、L1,L2…中心軸、S…スコア、SP…スプリング、Z1…一定幅領域、Z2…幅広領域、θ1…角度。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プルトップ缶の缶蓋に設けられたステイオンタブ式のプルタブを起こすことによって、前記缶蓋に形成した飲み口を開封するプルタブオープナーであって、
プルトップ缶の上端部と嵌合し該上端部に対してプルトップ缶の周方向に回転可能な円筒部と、
前記円筒部の内壁に、奥側に向けて螺旋状に突出形成され、前記円筒部に回転により、その係合始端が前記プルタブの一部に係合し、前記回転に伴って前記プルタブと係合しながら前記係合始端からその係合終端に到るまでの間で、前記プルタブを起立させる螺旋係合部と
を有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項2】
請求項1に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間に、前記内壁から前記円筒部の中心軸線に向かって突出する突出量が、前記奥側方向に沿って徐々に増大する領域を有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記螺旋係合部は、前記係合終端に前記円筒部の中心軸線に向かって突出する爪を形成したことを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間のなす角度が90°〜360°の間の所定角度に設定されていることを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項5】
請求項4に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間のなす角度が225°に設定されていることを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記円筒部に上端部を塞ぐカバーを有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記円筒部及びカバーの少なくとも一方の外面には、前記螺旋係合部の前記係合始端に対応する目印を設けたことを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記円筒部は、缶本体に対する径方向のズレを規制する規制部を有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項9】
プルトップ缶の缶蓋に設けられたステイオンタブ式のプルタブを起こすことによって、前記缶蓋に形成した飲み口を開封するプルタブオープナーであって、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の前記螺旋係合部を備えた円筒部と、
前記円筒部を、軸線方向及び周方向に移動に収容する有蓋円筒状の操作ケースと、
前記操作ケースに収容された前記円筒部の上端と前記操作ケースの奥面との間に配設され、常に前記円筒部を前記操作ケースの下端開口側に弾性力を付与するスプリングと、
前記円筒部と前記操作ケースの間に設けられ、前記円筒部が前記スプリングの弾性力に抗して前記奥面側に押圧されるとき、前記円筒部を前記周方向に回転させながら前記軸線方向に移動させる駆動手段と
を有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項1】
プルトップ缶の缶蓋に設けられたステイオンタブ式のプルタブを起こすことによって、前記缶蓋に形成した飲み口を開封するプルタブオープナーであって、
プルトップ缶の上端部と嵌合し該上端部に対してプルトップ缶の周方向に回転可能な円筒部と、
前記円筒部の内壁に、奥側に向けて螺旋状に突出形成され、前記円筒部に回転により、その係合始端が前記プルタブの一部に係合し、前記回転に伴って前記プルタブと係合しながら前記係合始端からその係合終端に到るまでの間で、前記プルタブを起立させる螺旋係合部と
を有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項2】
請求項1に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間に、前記内壁から前記円筒部の中心軸線に向かって突出する突出量が、前記奥側方向に沿って徐々に増大する領域を有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記螺旋係合部は、前記係合終端に前記円筒部の中心軸線に向かって突出する爪を形成したことを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間のなす角度が90°〜360°の間の所定角度に設定されていることを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項5】
請求項4に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記螺旋係合部は、前記係合始端と前記係合終端との間のなす角度が225°に設定されていることを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記円筒部に上端部を塞ぐカバーを有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記円筒部及びカバーの少なくとも一方の外面には、前記螺旋係合部の前記係合始端に対応する目印を設けたことを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプルタブオープナーにおいて、
前記円筒部は、缶本体に対する径方向のズレを規制する規制部を有することを特徴とするプルタブオープナー。
【請求項9】
プルトップ缶の缶蓋に設けられたステイオンタブ式のプルタブを起こすことによって、前記缶蓋に形成した飲み口を開封するプルタブオープナーであって、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の前記螺旋係合部を備えた円筒部と、
前記円筒部を、軸線方向及び周方向に移動に収容する有蓋円筒状の操作ケースと、
前記操作ケースに収容された前記円筒部の上端と前記操作ケースの奥面との間に配設され、常に前記円筒部を前記操作ケースの下端開口側に弾性力を付与するスプリングと、
前記円筒部と前記操作ケースの間に設けられ、前記円筒部が前記スプリングの弾性力に抗して前記奥面側に押圧されるとき、前記円筒部を前記周方向に回転させながら前記軸線方向に移動させる駆動手段と
を有することを特徴とするプルタブオープナー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−149905(P2010−149905A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331570(P2008−331570)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
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