説明

プルーフ作成方法及びプルーフ画像形成装置

【課題】プルーフの各網点の大きさと印刷物の各網点の大きさとが同一となるようにするとともに、色調を印刷物との違いが認識されない程度に近似させ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができ、信頼性の高いプルーフを得ることができるプルーフ作成方法及びプルーフ画像形成装置を提供する。
【解決手段】プルーフ画像を形成する画像形成部2と、印刷物に現される各色の色調をプルーフで各網点面積率において再現するために画像形成部2により出力させる露光量を入力する入力操作部3と、入力操作部3より入力された露光量に基づいて画像形成部2に画像を形成させる制御部4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物を印刷する前に校正を行うための印刷物のプルーフを作成するプルーフ作成方法及びプルーフ画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、商業印刷の分野においては、印刷物を実際に使用される印刷機器で印刷する前に、印刷物の内容や仕上がり品質をチェックして校正する目的で、印刷物の画像を再現した校正用カラー画像を形成し、所謂、プルーフを作成することが行われている。
【0003】
近年では、パーソナルコンピュータ等を用いて画像処理やレイアウトを行うDTP(Desk Top Publishing)が行われるとともに、DTPにより作成された画像データに基づいて、レーザ等により直接刷版を作成するCTP(Computer To Plate)方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。これに伴い、従来の刷版を作成するためのフィルムを用いることなく、DTPデータから直接プルーフを作成するプルーフ作成方法が用いられている。
【0004】
このようにDTPデータから直接プルーフを作成するプルーフ作成方法として、紫外線を露光することによりインクシートに形成した画像を、印刷用紙に転写してプルーフを作成するプルーフ作成方法や(例えば、特許文献2)、ハロゲン化銀感光材料にB(Blue),G(Green),R(Red)の光を露光することにより画像を形成してプルーフを作成するプルーフ作成方法が知られている(例えば、特許文献3)。
【0005】
このようなプルーフ作成方法においては、各色の出力方式や色材、画像を記録する記録媒体等が、印刷物の場合と異なるため、プルーフと印刷物とでは色の見え方が違ってしまう。一般に、入出力デバイスの違いによる色の見え方の違いをなくすために、均等色空間値を用いて色変換を行うカラーマネージメントシステムが知られており(例えば、特許文献4参照)、プルーフ作成方法においても、このようなカラーマネージメントシステムを用いることにより、プルーフに現れる色を網点面積率を変えることで印刷物に現れる色と近似させることが行われている。なお、この色調整は、各色についてベタに記録させた場合、すなわち、網点が一定面積に占める面積の割合である網点面積率が100%である場合の色調を合わせることにより行われている。
【0006】
ところが、プルーフに現れる色調は、網点の大きさによって異なるため、網点面積率100%網点で色調を合わせても、他の網点面積率の網点においては、印刷物に現れる色調とずれてしまう。例えば、ハロゲン化銀感光材料にレーザ光を露光して作成するプルーフにおいては、網点面積率が小さい網点ほど濃度が低くなる傾向がある。このため、従来のプルーフ作成方法においては、最終的には、網点の大きさを変更することによって色調を近似させていた。
【特許文献1】特開平11−125897号公報
【特許文献2】特開平06−222571号公報
【特許文献3】特開平11−205622号公報
【特許文献4】特開平10−341349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のプルーフ作成方法では、網点面積率100%の網点以外の網点においては、色調を近似させるために網点の大きさが変更されるため、網点の周期と絵柄の周期とが干渉して生じる縞模様であるモアレや、網点の形状に起因して発生する周期的な格子状の干渉ムラ、絵柄のメリハリ感といった質感が、印刷物とは異なった状態でプルーフに現れてしまい、印刷物の仕上がり品質の確認や校正を正確に行うことができず、プルーフとしての信頼性に欠けるという問題があった。
【0008】
また、プルーフ画像を、例えば1bitTIFFデータといったCTP方式により刷版するために用いる2値化データに基づいて形成する場合、印刷物ではインクが印刷用紙に転写される際に押圧されて網点の大きさがデータ上の大きさより大きくなるドットゲインが生じるため、プルーフと印刷物とでは網点の大きさが相違してしまうことからも、モアレや干渉ムラ、質感が、印刷物とは異なった状態でプルーフに現れてしまい、プルーフとしての信頼性に欠けるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、プルーフの各網点の大きさと印刷物の各網点の大きさとが同一となるようにするとともに、色調を印刷物との違いが認識されない程度に近似させ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができ、信頼性の高いプルーフを得ることができるプルーフ作成方法及びプルーフ画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明によるプルーフ作成方法は、印刷物のプルーフを、画像を形成する画像形成装置を用いて作成するプルーフ作成方法であって、前記印刷物に現される各色の色調を、前記プルーフで、網点が一定面積に占める面積の割合である網点面積率の各々において再現するために必要な前記画像形成装置の出力値を、予め決定する出力値決定工程と、前記出力値決定工程により決定された各出力値に基づいて、前記画像形成装置によりプルーフ画像を形成する画像形成工程とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、印刷物に現される各色を、プルーフで網点面積率の各々において再現するために必要な出力値を決定しておき、この出力値によりプルーフ画像を形成するため、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調が再現されて、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプルーフ作成方法において、前記画像形成工程は、前記印刷物を印刷する刷版を作成するための2値化データを用いて、前記プルーフ画像を形成することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、画像形成工程においてRIP(Raster Image Processor)処理を行う必要がないため、RIP処理の最終段階で行われるスクリーニング処理の方式が、製版用の2値化データを作成する際のRIP処理におけるスクリーニング処理の方式と異なることに起因するモアレやドットジャンプも防止することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のプルーフ作成方法において、前記出力値は、各色の網点の輪郭部と非輪郭部とにおいてそれぞれ出力させた場合に、全ての網点面積率において、前記印刷物に現される各色の色調と近似するように予め決定され、前記画像形成装置は、前記2値化データに基づいてプルーフ画像における各網点の輪郭部を認定し、認定された輪郭部又は非輪郭部に応じた前記出力値により、前記プルーフ画像を形成することを特徴とする。
【0015】
ここで、輪郭部とは、網点を構成する画素であって網点を構成しない画素との境界に位置する画素群をいい、網点が小さくなるほど輪郭部が網点に占める割合は大きくなる。したがって、例えば、網点が小さくなるほど濃度が低くなる傾向にある場合には、輪郭部が非輪郭部よりもある一定濃度だけ高くなるようにすれば、網点面積が低い網点ほど濃度の高い部分の面積が増えるため、網点が小さくなることによる濃度の低下が防止される。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、全ての網点面積率において、印刷物に現される各色の色調と近似する輪郭部及び非輪郭部の出力値をそれぞれ決定しておき、この出力値によりプルーフ画像を形成するため、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調が再現されて、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載のプルーフ作成方法において、前記画像形成装置は、前記2値化データに基づいてプルーフ画像における各網点の輪郭部を認定し、認定された輪郭部の外縁部を当該網点の輪郭部として、前記プルーフを作成することを特徴とする。
【0018】
ここで、外縁部とは、網点を構成しない画素であって網点を構成する画素との境界に位置する画素群をいう。請求項4に記載の発明によれば、刷版を作成するための2値化データを用いてプルーフ画像を形成する場合であっても、網点が外縁部まで拡大されるため、ドットゲインが生じる印刷物と、網点の大きさを近似させることができることからも、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のプルーフ作成方法において、前記出力値は、前記印刷物に現される各色を測色して得られた測色値に基づいて、前記網点面積率毎に予め決定され、前記画像形成装置は、プルーフ画像における網点の網点面積率に応じた前記出力値により、前記プルーフ画像を形成することを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、印刷物に現される各色の色調を、プルーフで網点面積率の各々において再現するために必要な出力値を網点面積率毎に決定しておき、この出力値によりプルーフ画像を形成するため、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調が再現されて、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプルーフ作成方法において、前記画像形成装置は、ハロゲン化銀感光材料を記録媒体として画像を形成する走査露光式の画像形成装置であり、前記出力値は、露光量であることを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、印刷物に現される各色を、ハロゲン化銀感光材料に光で画像を形成するプルーフで網点面積率の各々において再現するために必要な光の露光量を決定しておき、この露光量によりプルーフ画像を形成するため、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調が再現されて、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【0023】
請求項7に記載の発明によるプルーフ画像形成装置は、プルーフ画像を形成する画像形成部と、印刷物に現される各色の色調を、プルーフで、網点が一定面積に占める面積の割合である網点面積率の各々において再現するために前記画像形成部により出力させる出力値を入力する入力操作部と、前記入力操作部より入力された前記出力値に基づいて前記画像形成部に画像を形成させる制御部とを有することを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、印刷物に現される各色を、プルーフで網点面積率の各々において再現するために必要な出力値を入力操作部より入力し、この出力値によりプルーフ画像を形成するため、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調が再現されて、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のプルーフ画像形成装置において、前記画像形成部は、ハロゲン化銀感光材料に対してB(Blue),G(Green),R(Red)の光を露光して画像を形成する露光部を備えており、前記出力値は、前記光の露光量であることを特徴とする。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、印刷物に現される各色を、ハロゲン化銀感光材料に光で画像を形成するプルーフで網点面積率の各々において再現するために必要な光の露光量を入力操作部より入力し、この露光量によりプルーフ画像を形成するため、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調が再現されて、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に記載の発明によれば、予め決定したプルーフで各網点面積率において再現するために必要な出力値によりプルーフ画像を形成することにより、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調を再現することができ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0028】
請求項2に記載の発明によれば、画像形成工程においてRIP処理を行わないため、プルーフ作成時と製版用の2値化データ作成時とでスクリーニング処理の方式と異なることによるモアレやドットジャンプも防止することができ、より信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0029】
請求項3に記載の発明によれば、予め決定された全ての網点面積率において印刷物に現される各色の色調と近似する輪郭部及び非輪郭部の出力値によりプルーフ画像を形成することにより、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調を再現することができ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、刷版を作成するための2値化データを用いてプルーフ画像を形成する場合であっても、網点が外縁部まで拡大され、ドットゲインが生じる印刷物と、網点の大きさを同一にすることができることからも、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現され、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、網点面積率毎に決定された、印刷物に現される各色をプルーフで各網点面積率において再現するために必要な出力値によりプルーフ画像を形成することにより、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調を再現することができ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、予め決定したプルーフで各網点面積率において再現するために必要な露光量によりプルーフ画像を形成することにより、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調を再現することができ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0033】
請求項7に記載の発明によれば、予め入力操作部より入力したプルーフで各網点面積率において再現するために必要な出力値によりプルーフ画像を形成することにより、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調を再現することができ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0034】
請求項8に記載の発明によれば、予め入力操作部より入力したプルーフで各網点面積率において再現するために必要な光の露光量によりプルーフ画像を形成することにより、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調を再現することができ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明によるプルーフ作成方法を適用したプルーフ画像形成装置1の一実施形態の概略構成を示す図である。
【0036】
本実施形態によるプルーフ画像形成装置1は、図1に示すように、画像を形成する画像形成部2と、ユーザの指示を入力する入力操作部3と、プルーフ画像形成装置1を構成する各構成要素を統括的に制御する制御部4とを有している。
【0037】
画像形成部2は、印刷物を印刷する刷版を作成するための2値化データである1bitTIFFデータに基づいて強度変調されたB、G、RのLED(光源)からの光をハロゲン化銀感光材料(色材)上に照射することにより露光して、ハロゲン化銀感光材料にプルーフ画像に係る潜像を形成する露光部21と、露光部21にて潜像が形成されたハロゲン化銀感光材料に現像処理を行う現像処理部22とを備えている。なお、画像形成部2は、露光部21からの光の照射タイミングを調整するためのバッファを備えても良い。
【0038】
入力操作部3は、例えば、液晶ディスプレイと兼用されるタッチパネル、操作ボタン、及び文字を入力する為の各種キーボタン等により構成され、ユーザによるこれらの操作に応じた入力信号を制御部4に出力するようになっている。
【0039】
特に本実施形態によるプルーフ画像形成装置1においては、入力操作部3は、印刷物に現される各色を、プルーフで、網点が一定面積に占める面積の割合である網点面積率の各々において再現するために露光部21により出力させるB、G、Rの露光量が入力可能とされている。
【0040】
ここで、入力操作部3より入力される露光量は、各色の網点の輪郭部と非輪郭部とにおいてそれぞれ露光させた場合に、全ての網点面積率において、印刷物に現される各色の色調と近似するように予め決定される。輪郭部とは、網点を構成する画素であって網点を構成しない画素との境界に位置する画素群をいう。
【0041】
以下、輪郭部及び非輪郭部における露光量の決定方法について具体的に述べる。まず、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各一次色について、網点面積率が100%である場合の色調をプルーフで再現するために露光部21より露光させる各基準露光量を求める。次に、求められた基準露光量で、各色について、例えば10%,30%,50%,70%,90%,100%等複数の網点面積率の網点を形成したプルーフ用カラーパッチを作成する。そして、このプルーフ用カラーパッチ及び同様に作成された印刷物に係る印刷物用カラーパッチについて、各網点の色調をそれぞれ測色する。色調としては、例えば、L***表色系にて規定される色相と彩度を示す色度a*や色度b*等が挙げられるが、ハンターLab表色系や、マンセル表色系、Lu**表色系等にて規定される色調を測色するようにしてもよい。
【0042】
ここで、図2に示すように、網点が小さくなるほど輪郭部が網点に占める割合は大きくなる。なお、図2は、網点面積率0%から100%までの段階的な網点面積率の網点を示したもので、輪郭部は黒色で示した部分である。一方、ハロゲン化銀感光材料に光により露光を行って網点を形成する場合、網点が小さくなるほど濃度が低くなる傾向にある。したがって、輪郭部が非輪郭部よりもある一定濃度だけ高くなるようにすれば、網点面積率が低い網点ほど濃度の高い部分の面積が増え、網点が小さくなることによる濃度の低下が防止される。
【0043】
そこで、露光部21より輪郭部に照射される各光の露光量を、基準露光量より一定量高くした場合における各網点の色調の変化量を、各網点面積率及び各色毎に求め、基準変化量とする。そして、基準変化量に基づいて、印刷物用カラーパッチの各色の色調とプルーフ用カラーパッチの各色の色調とが、全ての網点面積率において最近似する調整露光量を各色毎に算出する。
【0044】
そして、基準露光量を非輪郭部における露光量として、調整露光量を輪郭部における露光量として決定する。
【0045】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の組合せである2次色、さらに1次色及び2次色の組合せである3次色についても、同様に、基準露光量及び調整露光量を決定するとなおよい。
【0046】
制御部4は、CPUによりROMに記録された処理プログラムをRAMに展開し、展開した処理プログラムに規定された手順に従って各構成要素に対して制御信号を出力して処理プログラムを実行するようになっている。
【0047】
具体的には、本実施形態においては、1bitTIFFデータの0,1の配列状態に基づいてプルーフ画像における各網点の輪郭部を認定し、輪郭部の外縁部を当該網点の輪郭部とみなして、輪郭部においては調整露光量により露光を行い、非輪郭部においては基準露光量により露光を行うように露光部21を制御するようになっている。ここで、外縁部とは、網点を構成しない画素であって網点を構成する画素との境界に位置する画素群をいう。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0049】
プルーフを作成する際には、各色の網点の輪郭部と非輪郭部とにおいてそれぞれ露光させた場合に、全ての網点面積率において、印刷物に現される各色の色調と近似する露光量が予め決定され(出力値決定工程)、決定された露光量が入力操作部3より入力される。
【0050】
そして、制御部4により、1bitTIFFデータに基づいてプルーフ画像における各網点の輪郭部が認定され、この輪郭部の外縁部が当該網点の輪郭部とされる。そして、露光部21により、輪郭部においては調整露光量で露光がなされ、非輪郭部においては基準露光量で露光がなされることにより、プルーフ画像が形成される(画像形成工程)。
【0051】
これにより、網点面積率が低い網点ほど濃度の高い部分の面積が増え、網点が小さくなることによる濃度の低下が防止されるため、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調が再現されて、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【0052】
また、製版用の1bitTIFFデータを用いてプルーフ画像を形成するため、RIP(Raster Image Processor)処理を行う必要がなく、RIP処理の最終段階で行われるスクリーニング処理の方式が、製版用のデータを作成する際のRIP処理におけるスクリーニング処理の方式と異なることに起因するモアレやドットジャンプも防止される。
【0053】
さらに、1bitTIFFデータを用いてプルーフ画像を形成しても、網点が外縁部まで拡大されるため、ドットゲインが生じる印刷物と、網点の大きさを近似させることができることからも、モアレや干渉ムラ、質感が印刷物に忠実に再現される。
【0054】
以上より、本実施形態によれば、プルーフの各網点の大きさと印刷物の各網点の大きさとを近似させるとともに、プルーフの各網点面積における色調を印刷物との違いが認識されない程度に近似させて、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0055】
なお、本実施形態においては、1bitTIFFデータの0,1の配列状態に基づいてプルーフ画像における各網点の輪郭部を認定し、輪郭部の外縁部を当該網点の輪郭部とみなして、輪郭部においては調整露光量により露光を行い、非輪郭部においては基準露光量により露光を行うように露光部21を制御したが、外縁部を当該網点の輪郭部とみなした上で、輪郭部及び非輪郭部の両方について基準露光量により露光させるようにしてもよい。
【0056】
このようにしても、網点が外縁部まで拡大されるため、網点の大きさがデータ上の大きさより大きくなるドットゲインが生じる印刷物と、網点の大きさを近似させることができる上、網点面積率の小さい網点ほど外縁部が網点に占める割合が高いことから、網点を外縁部まで拡大させることにより、各色の濃度の低下が抑えられる。これにより、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0057】
次に、本発明によるプルーフ作成方法を適用したプルーフ画像形成装置の第2実施形態について、図3を参照して説明する。
【0058】
本実施形態によるプルーフ画像形成装置5は、図3に示すように、画像を入力する画像入力部6と、画像データを面積階調画像データに変換するラスター変換部7と、画像を形成する画像形成部2と、ユーザの指示を入力する入力操作部3と、プルーフ画像形成装置5を構成する各構成要素を統括的に制御する制御部8とを有している。
【0059】
画像入力部6は、例えば、画像を読み取って画像データを取得する画像読取部装置により構成されている。即ち、画像入力部6は、光源、レンズ、CCD(Charge Coupled Device)、A/D変換部を有しており、原稿画像に対して光源から照明走査し、この反射光をCCDにより読み取って光を光電変換し、このアナログ信号をA/D変換部にてデジタル信号に変換することにより、画像データを取得するようになっている。
【0060】
なお、画像入力部6は、例えば、所定の外部機器から送信された画像データを受信するためのUSB(Universal Serial Bus)や無線LAN等のインターフェースにより構成されていてもよい。
【0061】
ラスター変換部7は、RIP(Raster Image Processor)を備え構成されており、画像入力部6より入力された画像データを面積階調画像データに変換処理するようになっている。
【0062】
画像形成部2は、第1実施形態における画像形成部2と同様に、露光部21と現像部とを備えて構成されており、面積階調画像データに基づいて強度変調されたB、G、Rの光を露光して形成された潜像を現像して画像を形成するようになっている。
【0063】
入力操作部3は、第1実施形態における入力操作部3と同様の構成を有しており、特に本実施形態によるプルーフ画像形成装置5においては、印刷物に現される各色を、プルーフで各網点面積率において再現するために露光部21により出力させるB、G、Rの光の露光量が入力可能とされている。
【0064】
ここで、入力操作部3より入力される露光量は、印刷物に現される各色を測色して得られた測色値に基づいて、網点面積率毎に予め決定される。
【0065】
以下、各網点面積率毎の露光量の決定方法について具体的に述べる。まず、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各一次色について、網点面積率が100%である場合の色調をプルーフで再現するために露光部21より露光させる各光の基準露光量を求める。次に、求められた基準露光量で、各色について、例えば10%,30%,50%,70%,90%,100%等複数の網点面積率の網点を形成したプルーフ用カラーパッチを作成する。そして、このプルーフ用カラーパッチ及び同様に作成された印刷物に係る印刷物用カラーパッチについて、各網点の色調をそれぞれ測色する。色調としては、例えば、L***表色系にて規定される色相と彩度を示す色度a*や色度b*等が挙げられるが、ハンターLab表色系や、マンセル表色系、Lu**表色系等にて規定される色調を測色するようにしてもよい。
【0066】
そして、露光部21より照射される各光の露光量を、基準露光量に対して一定量変化させた場合における各網点の色調の変化量を、各網点面積率及び各色毎に求め、基準変化量とする。そして、基準変化量に基づいて、各網点面積率毎に、印刷物用カラーパッチの各色の色調とプルーフ用カラーパッチの各色の色調とが近似する露光量を算出する。
【0067】
また、本実施形態においては、入力操作部3は、印刷用カラーパッチの各色各網点面積率の網点の濃度に基づいて、濃度から網点面積を換算する式であるMurray−Daviesの式を用いて算出した、実際に印刷された網点の網点面積率が入力可能とされている。
【0068】
制御部8は、CPUによりROMに記録された処理プログラムをRAMに展開し、展開した処理プログラムに規定された手順に従って各構成要素に対して制御信号を出力して処理プログラムを実行するようになっている。
【0069】
具体的には、本実施形態においては、制御部8は、印刷物におけるデータ上の網点の網点面積率と実際に印刷される網点の網点面積率とを対応付けるための網点面積率LUT(Lock UP Table)を有しており、この網点面積率LUTに基づいて、面積階調画像データにおける各網点の網点面積率を、印刷物において実際に印刷される網点の網点面積率となるように補正するようになっている。そして、制御部8は、補正された各網点の網点面積率に応じた露光量で各光を照射するように、露光部21を制御するようになっている。
【0070】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0071】
プルーフを作成する際には、印刷物に現される各色を測色して得られた測色値に基づいて、印刷物に現される各色をプルーフで再現するための露光量が、網点面積率毎に予め決定され(出力値決定工程)、決定された露光量が入力操作部3より入力される。
【0072】
また、各色各網点面積率毎に実際に印刷された網点の網点面積率が、Murray−Daviesの式を用いて算出され、算出結果が入力操作部3より入力される。これにより、網点面積率LUTが調整される。
【0073】
そして、制御部8により、網点面積率LUTが参照され、面積階調画像データにおける各網点の網点面積率が、印刷物において実際に印刷される網点の網点面積率となるように補正される。これにより、印刷物において生じるインクが印刷用紙に転写される際に押圧されて網点の大きさがデータ上の大きさより大きくなるドットゲインを含めた大きさの網点が、プルーフにおいてそれぞれ形成されることになる。
【0074】
そして、制御部8の制御により、補正された網点面積率に応じた露光量で露光部21から各光が照射され、プルーフ画像が形成される(画像形成工程)。
【0075】
以上より、本実施形態によれば、網点面積率毎に決定された、印刷物に現される各色をプルーフで各網点面積率において再現するために必要な露光量によりプルーフ画像を形成することにより、網点の大きさを変更させることなく、全ての網点面積率の網点において印刷物に現される各色の色調を再現することができ、モアレや干渉ムラ、質感を印刷物に忠実に再現することができるため、信頼性の高いプルーフを得ることができる。
【0076】
なお、本実施形態においては、印刷物に現される各色を測色して得られた測色値に基づいて、網点面積率毎に決定された露光量を入力操作部3より入力し、入力された露光量に基づいて、面積階調画像データの各網点の補正された網点面積率に応じた露光量の各光を露光部21より照射させるようにしたが、第1実施形態において記載したように、輪郭部と非輪郭部においてそれぞれ露光させた場合に全ての網点面積率において印刷物に現される各色の色調と近似するように決定されたそれぞれの露光量を入力操作部3より入力し、制御部8により面積階調画像データにおける各網点の輪郭部を検出して、入力操作部3から入力された露光量に基づいて、検出した輪郭部又は非輪郭部に応じた露光量の各光を露光部21より照射させるようにしてもよい。
【0077】
また、本実施形態においては、画像データを入力し、入力された画像データを面積階調画像データに変換して、この面積階調データにおける各網点の網点面積率を補正した上で、この各網点の網点面積率に応じた露光量の光をそれぞれ照射するようにしたが、1bitTIFFデータを入力し、この1bitTIFFデータの0,1の配列状態に基づいて各網点の網点面積率を算出して、算出された各網点の網点面積率を補正した上で、この各網点の網点面積率に応じた露光量の光をそれぞれ照射するようにしてもよい。
【実施例1】
【0078】
以下に、本発明の実施例について説明する。
【0079】
まず、プルーフが印刷物をどの程度再現しているかの試験を行うために、ターゲットとなる印刷物であるターゲット印刷物として、社団法人日本電子製版工業会(NDK)により規定される印刷工程管理用のテストチャートの製作条件に準拠した印刷条件で印刷したNDK工程管理用デジタルテストチャートを用いた。
【0080】
プルーフとして、特開2003−087441号公報の実施例1に記載の多層ハロゲン化銀感光材料に対して、露光装置としてコニカグラフィックイメージング株式会社製のデジタルコンセンサスプロ(商品名)を用い、以下の条件により、NDK工程管理用デジタルテストチャートを露光し、次いで特開2003−08441号公報の実施例1に記載の現像処理を行って、それぞれ実施例1,実施例2,比較例1に係るプルーフを作成した。
【0081】
まず、上記露光装置による露光量の最大出力値を2000階調に分割し、印刷物のC,M,Y,K各色の色調をプルーフで再現するために最適な露光量の階調数を、網点面積率が100%である場合について求めた。その結果を表1に示す。
【表1】

【0082】
印刷物におけるデータ上の網点の網点面積率と、Murray−Daviesの式を用いて算出した実際に印刷される網点の網点面積率とを対応関係から、プルーフの印刷工程管理用のテストチャートを構成する各網点について、網点面積率が、印刷物において実際に印刷される網点の網点面積率となるように補正を行った後、全ての網点について、網点面積率に関わりなく、表1に規定される露光量により露光を行い、これを現像して比較例1を得た。
【0083】
次に、表1に規定される露光量で、各色について、10%,30%,50%,70%,90%,100%の網点面積率の網点を形成したプルーフ用カラーパッチを作成し、このプルーフ用カラーパッチ及び同様に作成された印刷物に係る印刷物用カラーパッチについて、各網点の色調をそれぞれ測色した。シアン(C)についての測色結果を、例として表2に示す。
【表2】

【0084】
次に、各網点の露光量を、表1に規定する露光量より10高くした場合における各網点の色調の変化量を、各網点面積率および各色毎に求めて基準変化量とし、基準変化量に基づいて、各網点面積率毎に、印刷用カラーパッチの各色の色調とプルーフ用カラーパッチの各色が近似する露光量を算出した。以下にシアン(C)についての基準変化量を、例として表3に示すとともに、各網点毎に算出された露光量を表4に示す。
【表3】

【表4】

【0085】
そして、比較例1と同様に、プルーフの印刷工程管理用のテストチャートを構成する各網点について、網点面積率が、印刷物において実際に印刷される網点の網点面積率となるように補正を行った後、表4に規定される露光量から、この間を補完することで網点面積率に応じた露光量を設定した。設定した露光量で露光を行い、これを現像して実施例1を得た。
【0086】
次に、各網点の輪郭部に照射される各光源からの露光量を表1に規定する露光量より100高くした場合における各網点の色調の変化量を、各網点面積率および各色毎に求めて基準変化量とし、基準変化量に基づいて、各網点面積率毎に印刷用カラーパッチの各色の色調とプルーフ用カラーパッチの各色の色調とが近似する輪郭部の露光量を算出した。以下にシアン(C)についての基準変化量を、例として表5に示すとともに、輪郭部及び非輪郭部における露光量を表6に示す。
【表5】

【表6】

【0087】
そして、比較例1と同様に、プルーフの印刷工程管理用のテストチャートを構成する各網点について、網点面積率が、印刷物において実際に印刷される網点の網点面積率となるように補正を行った後、全ての網点について、輪郭部又は非輪郭部に応じて、表6に規定される露光条件により露光を行い、これを現像して実施例2を得た。
【0088】
上記条件で作成した実施例1,実施例2及び比較例1に係る各プルーフについて、ターゲット印刷物との色調の差異、質感の差異、ターゲット印刷物と比較したモアレの発生の程度、及び干渉ムラの発生の程度についてそれぞれ評価を行った。その結果を表7に示す。
【表7】

【0089】
各プルーフとターゲット印刷物との色調の差異についての評価は、目視により、プルーフに現れたNDK工程管理用デジタルテストチャートの絵柄の色調とターゲット印刷物に現れたNDK工程管理用デジタルテストチャートの絵柄の色調とを比較することにより行い、プルーフの絵柄の色調がターゲット印刷物に非常に近似しており、違いが認識できない場合を◎、詳細に観察するとわずかに違いが認められる場合を○、プルーフの絵柄の色調がターゲット印刷物の絵柄の色調との違いが若干認められるが、プルーフとして実用上問題のない範囲である場合を△、色調の違いが大きく、プルーフとして使用できない範囲である場合を×とした。
【0090】
ターゲット印刷物との質感の差異についての評価は、目視により、プルーフに現れたNDK工程管理用デジタルテストチャートの絵柄のメリハリ感といった質感とターゲット印刷物に現れたNDK工程管理用デジタルテストチャートの絵柄の質感とを比較することにより行い、プルーフの絵柄の質感がターゲット印刷物に非常に近似しており、違いが認識できない場合を◎、詳細に観察するとわずかに違いが認められる場合を○、プルーフの絵柄の質感がターゲット印刷物の絵柄の質感との違いが若干認められるが、プルーフとして実用上問題のない範囲である場合を△、質感の違いが大きく、プルーフとして使用できない範囲である場合を×とした。
【0091】
ターゲット印刷物と比較したモアレの発生の程度についての評価は、C,M,Y,Kの各網点部分を目視で観察して比較することにより行い、印刷物と同様のモアレが発生しており、違いが認識できない場合を◎、モアレの発生の程度にわずかな差が認められる場合を○、モアレの発生の程度に差が認められるが、プルーフとして実用上問題のない範囲である場合を△、モアレの発生の程度に明らかな差が認められ、プルーフとして使用できない範囲である場合を×とした。
【0092】
干渉ムラの発生の程度についての評価は、C,M,Y,Kの各網点部分を目視で観察することにより行い、印刷物と同様に、干渉ムラが発生していない場合を◎、格子状の干渉ムラがわずかに認められる場合を○、格子状の干渉ムラが発生しているが、プルーフとして実用上問題のない範囲である場合を△、格子状の干渉ムラが明確に認められ、プルーフとして使用できない範囲である場合を×とした。
【0093】
表7に示すように、比較例1では、プルーフとして使用できない程度にターゲット印刷物との質感の違いが認められたのに対し、実施例2では、質感がターゲット印刷物と非常に近似しており質感の違いが認識されず、プルーフとしての信頼性が向上した。実施例1においても、わずかな質感の違いが認められる程度であり、プルーフとしての信頼性が改善された。また、色調、モアレ、干渉ムラについても、実施例1及び実施例2においては、比較例1に比してターゲット印刷物により近似しており、プルーフとしての信頼性が改善された。
【実施例2】
【0094】
以下に、本発明の他の実施例について説明する。
【0095】
ターゲット印刷物は、[実施例1]におけるターゲット印刷物と同様に作成し、プルーフについては、以下の条件により、[実施例1]と同様のハロゲン化銀感光材料に[実施例1]と同様の露光装置により露光を行い[実施例1]と同様の現像処理を行って、それぞれ実施例3,実施例4,比較例2に係るプルーフを作成した。
【0096】
まず、ターゲット印刷物の製版に用いた1bitTIFFに基づいて、[実施例1]に記載の表1に規定される露光量により露光を行い、これを現像して比較例2を得た。
【0097】
次に、1bitTIFFより網点の面積率を算出し、網点の面積率に応じて[実施例1]に記載の表4に規定される露光量により露光を行い、これを現像して実施例3を得た。
【0098】
次に、1bitTIFFより各網点の輪郭部を検出し、輪郭部の外縁部を当該網点の輪郭部とみなして、[実施例1]に記載の表6に規定される露光量により、輪郭部又は非輪郭部に応じた露光を行い、これを現像して実施例4を得た。
【0099】
上記条件で作成した実施例3,実施例4及び比較例2に係る各プルーフについて、ターゲット印刷物との色調の差異、質感の差異、ターゲット印刷物と比較したモアレの発生の程度、及び干渉ムラの発生の程度について、[実施例1]と同様にそれぞれ評価を行った。その結果を表8に示す。
【表8】

【0100】
表8に示すように、比較例2では、プルーフとして使用できない程度にターゲット印刷物との色調の違いが認められたのに対し、実施例3では、プルーフとして使用できない程度に改善され、実施例4では、色調がターゲット印刷物と非常に近似しており質感の違いが認識されず、プルーフとしての信頼性が向上した。また、比較例2では、プルーフとして使用できない程度にターゲット印刷物との質感の違いが認められたのに対し、実施例4では、質感がターゲット印刷物と非常に近似しており質感の違いが認識されず、プルーフとしての信頼性が向上した。実施例3においても、わずかな質感の違いが認められる程度であり、プルーフとしての信頼性が改善された。また、モアレ、干渉ムラについても、実施例3及び実施例4においては、比較例2に比してターゲット印刷物により近似しており、プルーフとしての信頼性が改善された。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明によるプルーフ作成方法を適用したプルーフ画像形成装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】0%から100%までの段階的な網点面積率の網点において、それぞれ輪郭部を示した説明図である。
【図3】本発明によるプルーフ作成方法を適用したプルーフ画像形成装置の他の実施形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0102】
1 プルーフ画像形成装置
2 画像形成部
3 入力操作部
4 制御部
5 プルーフ画像形成装置
8 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物のプルーフを、画像を形成する画像形成装置を用いて作成するプルーフ作成方法であって、
前記印刷物に現される各色の色調を、前記プルーフで、網点が一定面積に占める面積の割合である網点面積率の各々において再現するために必要な前記画像形成装置の出力値を、予め決定する出力値決定工程と、
前記出力値決定工程により決定された各出力値に基づいて、前記画像形成装置によりプルーフ画像を形成する画像形成工程とを有することを特徴とするプルーフ作成方法。
【請求項2】
前記画像形成工程は、前記印刷物を印刷する刷版を作成するための2値化データを用いて、前記プルーフ画像を形成することを特徴とする請求項1に記載のプルーフ作成方法。
【請求項3】
前記出力値は、各色の網点の輪郭部と非輪郭部とにおいてそれぞれ出力させた場合に、全ての網点面積率において、前記印刷物に現される各色の色調と近似するように予め決定され、
前記画像形成装置は、前記2値化データに基づいてプルーフ画像における各網点の輪郭部を認定し、認定された輪郭部又は非輪郭部に応じた前記出力値により、前記プルーフ画像を形成することを特徴とする請求項2に記載のプルーフ作成方法。
【請求項4】
前記画像形成装置は、前記2値化データに基づいてプルーフ画像における各網点の輪郭部を認定し、認定された輪郭部の外縁部を当該網点の輪郭部として、前記プルーフを作成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプルーフ作成方法。
【請求項5】
前記出力値は、前記印刷物に現される各色を測色して得られた測色値に基づいて、前記網点面積率毎に予め決定され、
前記画像形成装置は、プルーフ画像における網点の網点面積率に応じた前記出力値により、前記プルーフ画像を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプルーフ作成方法。
【請求項6】
前記画像形成装置は、ハロゲン化銀感光材料を記録媒体として画像を形成する走査露光式の画像形成装置であり、
前記出力値は、露光量であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプルーフ作成方法。
【請求項7】
プルーフ画像を形成する画像形成部と、
印刷物に現される各色の色調を、プルーフで、網点が一定面積に占める面積の割合である網点面積率の各々において再現するために前記画像形成部により出力させる出力値を入力する入力操作部と、
前記入力操作部より入力された前記出力値に基づいて前記画像形成部に画像を形成させる制御部と
を有することを特徴とするプルーフ画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部は、ハロゲン化銀感光材料に対してB(Blue),G(Green),R(Red)の光を露光して画像を形成する露光部を備えており、
前記出力値は、前記光の露光量であることを特徴とする請求項7に記載のプルーフ画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−30277(P2006−30277A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204729(P2004−204729)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】