プレゼンス情報管理装置、プレゼンス情報管理方法及びプレゼンス情報管理プログラム
【課題】不特定多数のプレゼンス利用者にプレゼンス情報を公開する。
【解決手段】プレゼンス提供者の端末装置からプレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信したプレゼンス情報をプレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録手段と、プレゼンス利用者の端末装置からプレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行ったプレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、role属性記憶手段と相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、プレゼンス情報記憶手段からプレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を要求を行ったプレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供手段とを備えた。
【解決手段】プレゼンス提供者の端末装置からプレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信したプレゼンス情報をプレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録手段と、プレゼンス利用者の端末装置からプレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行ったプレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、role属性記憶手段と相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、プレゼンス情報記憶手段からプレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を要求を行ったプレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供手段とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンス情報を活用した日常生活コミュニケーション支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話は、電話機能以外に、メール、カメラ、音楽鑑賞、インターネットへの接続機能などを搭載したコンパクトで便利なツールとして、小学生から高齢者に至るまで幅広く使用されている。携帯電話は、本来、外出先でも電話に出られるように開発されたツールであるが、相手が何をしているかわからないので電話かけることを躊躇してしまうケースが多々ある。そこで、いきなり電話をするのではなく、携帯電話のメール機能やメッセンジャーを用いて相手が電話可能かを確かめたり、要件を直接メールで伝えたりする。携帯電話から送信するメールは、基本的に電話の代わりとして使っている場合が多いので、メールの送信相手が何をしているかに関係なく素早い返信が暗黙のうちに求められる。中には、数分返ってこない場合でイライラしてしまう人もいる。
【0003】
10代の若者の多くは、携帯電話のネットワーク環境を用いて"ホムペ"と呼ばれる個人のホームページを作成して活用している。ホムペは、無料で使用でき、プロフや掲示板、日記機能が使えるというメリットがある。ホムペの掲示板にも、携帯電話のメールと同様に、短時間のうちに返信しなければならないという暗黙のルールがある。自分が書き込みをした直後に、友達が返事の書き込みをしない場合、友人関係が悪くなる場合もある。
【0004】
このように、自分の都合で出したメールや掲示板の書き込みにも関わらず、相手の都合を考えることなく、比較的短時間で返事を求められる風潮は、携帯電話の利用者にとって大きな負担になる場合がある。また、電話ならば短時間で済む用件にもかかわらず、メールや掲示板の入力時間と返事待ちの時間を要するため、同じ要件も電話の何倍もの時間が必要となる。もし、電話やメールをする前に、相手が今どんな状況にあるのか(プレゼンス)が分かれば、従来のメールや掲示板依存型のコミュニケーションではなく、電話で要件を済ますことができる。また、メールの返信がすぐに来ない場合でも、相手のプレゼンスを知ることができれば、多くの人がイライラから解消されると考えられる。
【0005】
プレゼンスを使った技術には、会社や大学などのオフィシャルな場面での使用を想定したプレゼンス表示システムがある(例えば、非特許文献1、2参照)。プレゼンス管理に関係する部分だけの簡単なシステム構成を図1に示す。プレゼンス情報を提供するプレゼンス提供者の端末2とプレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者の端末3やプレゼンス利用者の端末4が、SIP(Session Initiation Protocol)サーバのようなプレゼンス情報の管理と公開を制御するプレゼンス情報管理サーバ1にネットワークを介して接続されている。プレゼンス情報管理サーバ1では、プレゼンス情報をプレゼンス提供者のID毎に管理している(図1に示す例では3名の提供者)。プレゼンス提供者は、会議中から食事中へと自分の状況が変化する度に、プレゼンス情報管理サーバ上のプレゼンス情報を手動または人感センサなどのセンサ情報をトリガに更新する。プレゼンス利用者は、知りたいプレゼンス提供者のIDを指定して、プレゼンス情報管理サーバ1へプレゼンス情報の開示を求める。プレゼンス情報管理サーバ1は、プレゼンス利用者に対して要求されたプレゼンス提供者IDのプレゼンス情報を通知する。
【0006】
プレゼンス表示システムは、仕事や研究を円滑に進めるため、コミュニケーションをとりたい相手が、現在会議中なのか、電話に出られる状況にあるのかを知る目的で構成されている。よって、メンバ全員のプレゼンス情報は、常に携帯電話やPCから確認できる。オフィシャルなシーンでの利用なので、プレゼンス情報の公開には、基本的にプライバシーやコミュニケーションを取りたくないといったような個人の感情を考慮する必要はない。
【0007】
このようなシステムを、冒頭で述べたような一般の生活の中で使用する場合、入浴中や来客中といったプライバシーに関わる情報もそのまま表示することになる。また、職場や学校の仲間か、親族なのかによっても表示パターンを切り替えられるようにする必要がある。さらに、ビジネス利用に比べて、買い物中、就寝中なども含めると、プレゼンス種別が膨大になる。
【0008】
しかし、携帯電話でプレゼンスを確認することを考えれば、プレゼンス種別は少ないが的確に状況を表現している方がよい。プレゼンス情報は、高齢者見守りシステムでも活用されている。例えば、非特許文献3の技術は、高齢で一人暮らしをしている親の宅内に、赤外線で人間の動きを感知する「人感センサ」等を何カ所か設置し、採取した親のプレゼンス情報をインターネット経由で携帯電話やPCに送信し、宅内で親の様子を知ることができるサービスが知られている。他にも類似のシステムがあるが(例えば、非特許文献4参照)、いずれも1人暮らしの高齢者を子らが見守る事を目的としているため、親のプレゼンス情報は、基本的に親族という限られた人にしか公開されない。このような技術を日常生活へ適用するには、友人や職場関係といった不特定多数の人への公開ができるよう改良する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】高橋他、"ライブカメラ画像を用いたプレゼンス情報の表示手法"、WISS2005
【非特許文献2】NTTデータ、Air Messenger(R)+、http://www.nttdata.co.jp/services/s090111.html
【非特許文献3】NTTコムウェア、Tangibleリモートケア、http://www.nttcom.co.jp/case/project/017_tangible_rc/
【非特許文献4】象印、みまもりホットライン、http://www.mimamori.net/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、これまでのプレゼンス情報は、会社の同僚のようなグループ単位か、高齢者を見守る子のような限られた人を単位に出し分けていた。しかしながら、不特定多数のプレゼンス利用者にプレゼンス情報を公開するためには、プライバシーを考慮したプレゼンス提供者の要求にあったプレゼンス情報の出し分けが必要であるともに、簡単なプレゼンスの登録技術が必要である。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、不特定多数のプレゼンス利用者にプレゼンス情報を公開するために、プライバシーを考慮したプレゼンス提供者にあったプレゼンス情報の出し分けができるとともに、簡単なプレゼンスの登録を行うことができるプレゼンス情報管理装置、プレゼンス情報管理方法及びプレゼンス情報管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するプレゼンス情報管理装置であって、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段と、プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録手段と、前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するために、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段とを備えるプレゼンス情報管理装置におけるプレゼンス情報管理方法であって、プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録ステップと、前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明は、コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するために、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段とを備えるプレゼンス情報管理装置上のコンピュータにプレゼンス情報管理処理を行わせるプレゼンス情報管理プログラムであって、プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録ステップと、前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供ステップとを前記コンピュータ行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、不特定多数のプレゼンス利用者にプレゼンス情報を公開するために、プライバシーを考慮したプレゼンス提供者にあったプレゼンス情報の出し分けができるとともに、簡単なプレゼンスの登録を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態のシステム全体の構成を示す図である。
【図2】図1に示すプレゼンス情報管理サーバ1の構成を示す図である。
【図3】初期設定動作を示すフローチャートである。
【図4】プレゼンス表示モデルの一例を示す説明図である。
【図5】運用動作を示すフローチャートである。
【図6】プレゼンス表示モデルに新しいモデルを追加する一例を示す説明図である。
【図7】淘汰動作を示すフローチャートである。
【図8】利用回数が閾値以下のモデルを削除する一例を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態のシステム全体の構成を示す図である。
【図10】図9に示すプレゼンス情報管理サーバ1の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態によるプレゼンス情報管理装置を説明する。まず、次の3つの生活シーンを想定する。
(1)シーン1:子供を寝かしつけている時や来客対応のときは、電話でコミュニケーションを取りたくないが、少し手が空いたときは、誰かとコミュニケーションを取りたい(状況)。
(2)シーン2:親や先生など自分に対してなんらかの役割を持つ人に対しては、優先的にコミュニケーションを取りたい(role)。
(3)シーン3:別居中の夫からの電話は、できればあまり受けたくない(相性)。
【0018】
これらのシーンは、プレゼンス提供者個別に起こる状況でなく、多少の個人差はあるものの同様の状況のプレゼンス提供者に共通的な状況である。ここでは、プレゼンス提供者の置かれている状況とプレゼンス利用者との人間関係に着目し、共通的な属性を抽出し、それを元にプレゼンス表示モデルを生成する。
【0019】
上記3つのシーンの分析から、プレゼンス提供者の置かれている"状況"、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者の間の"role"、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者の間の"相性"の3種類をプレゼンス表現決定属性として用いる。図2に示すように、プレゼンス情報管理サーバ1は、プレゼンス表現決定属性と利用回数から成るプレゼンス表示モデルテーブル11aと、プレゼンス利用者ID毎に相性属性とrole属性を関係付けたプレゼンス提供者のプレゼンス利用者に対する属性値テーブル11bと、プレゼンス提供者ID毎にプレゼンスを格納するプレゼンス提供者のプレゼンステーブル11cを記憶するデータベース11を備えている。また、プレゼンス情報管理サーバ1は、データベース11の情報の書き換え、追加、削除を行うデータベース管理手段12、プレゼンス提供者の状況の変化をセンサや提供者からの手入力により検知し、プレゼンス提供者のプレゼンスをその都度書き換えるためのプレゼンス提供者/プレゼンス利用者管理手段13、教師データを使ってモデルを作成とモデルの追加/修正するためのモデル管理手段14、モデルの利用状況を監視するライフタイム管理手段15を備えている。なお、システム全体の構成は、図1に示すシステム構成と同様である。
【0020】
次に、図3を参照して、初期設定動作を説明する。図3は、初期設定動作を示すフローチャートである。プレゼンス提供者は、端末2をプレゼンス情報管理サーバ1に接続し、予め携帯電話の電話帳などを元に、プレゼンス利用者との間のrole、相性属性をプレゼンス利用者/プレゼンス提供者管理手段13を介してデータベース11に登録しておく(ステップS1)。
【0021】
次に、予め蓄積しておいた教師データを用いて、role、相性、状況の3つのプレゼンス表現決定属性と実際に表示したプレゼンス情報をモデル管理手段14により抽出し、表示とプレゼンス表現決定属性の対応を示したモデルを作成する(図4参照)。作成したモデルのデータはデータベース11に登録する(ステップS2)。教師データの取得方法は、複数の協力者を募り、本技術に必要なプレゼンス利用者とプレゼンス提供者の間のrole、相性、状況の関係が分かる情報を収集する。例として、webアンケートを用いて教師データを作成する場合、自身がプレゼンス提供者になった場合、親や友達になら、どのレベルのプレゼンス情報を公開してもよいか、気の合わない人や会社関係の人にはどこまで公開しても良いかなど、日常生活の様々なシーンにおけるプレゼンス公開情報を収集する。アンケートの最後に、face sheetと呼ぶアンケートに答えてくれた人の性別や職業、子供や介護者がいるなどの家庭環境に関する情報を採取する。データベースには、年齢層、職業種別、家庭環境等に分類したプレゼンス提供者の個人情報と公開してもよいプレゼンス情報をプレゼンス利用者のroleや相性別に分類し、プレゼンス公開モデルを作成する。
【0022】
次に、プレゼンス情報管理サーバ1では、そのモデル自体とそのモデルの妥当性をライフタイム管理手段15により管理する。ライフタイムは、あらかじめ定めた期間の使用回数が閾値以下ならばそのモデルは消滅し淘汰される。閾値以上だと、そのまま継続利用する。初期設定で設定したモデルのライフタイムは、1年間の利用回数とし、閾値は5とする(ステップS3)。
【0023】
次に、運用動作を説明する。図5は、運用動作を示すフローチャートである。まず、プレゼンス利用者1が、プレゼンス提供者に電話をかけたい場合を考える。プレゼンス提供者の属性は、「30代、主婦、5歳未満の子供あり」とする。プレゼンス提供者は、学校から帰宅のような自分のプレゼンスが変わる度に、端末2を使用してこのプレゼンス情報を送信し、プレゼンス情報管理サーバ1のプレゼンス利用者/プレゼンス提供者管理手段13を介してデータベース11へ登録する(ステップS4)。
【0024】
一方、プレゼンス利用者1は、端末3からプレゼンス提供者のプレゼンス情報をプレゼンス情報管理サーバ1に要求する(ステップS5)。プレゼンス情報管理サーバ1では、プレゼンス利用者1のプレゼンス提供者とのroleと相性、およびプレゼンス提供者の状況をプレゼンス利用者/プレゼンス提供者管理手段13を介して読み込む(ステップS6)。
【0025】
次に、初期設定で作成したプレゼンス表示モデルの中に、この属性値と一致する(属性、属性値)のモデルがあるか検索する。該当するモデルが存在した場合、そのモデルの利用回数を確認する。もし、利用回数が0の場合、そのモデルは、プレゼンス利用者1が一度も利用したことがないモデルだと判断し、プレゼンス提供者の端末2に、プレゼンス利用者1への表示するプレゼンス情報が初期設定で作成した表示でよいかを確認する情報を送信する。よければ、プレゼンス情報管理サーバ経由でプレゼンス利用者1の端末3にプレゼンス提供者のプレゼンス情報を送信する(ステップS7)。そして、プレゼンス情報管理サーバ1は、モデル管理手段14を介してこのモデルの利用回数を+1とする。プレゼンス利用者1は、プレゼンス情報管理サーバから端末1へ送られたプレゼンス提供者のプレゼンス情報を見て、電話受信可能を表すプレゼンス表示"on−line"であれば、電話をする(ステップS8)。
【0026】
一方、属性値が一致するモデルが存在しないか否かの判定(ステップS9)の結果、この表示では適当でない場合、プレゼンス提供者は、プレゼンス情報管理サーバ1に表示してほしいプレゼンスをif/thenルールを用いて通知する。プレゼンス情報管理サーバ1は、新規モデルとして、"表示するプレゼンス"をプレゼンス提供者の指示にしたがって書き換えたものを作成し、利用回数を+1とする。
【0027】
もし初期設定で生成したプレゼンス表示モデルがプレゼンス提供者に合っていない場合、プレゼンス提供者は、モデル管理手段14を介して、新規にモデルを作成してデータベース11に登録する(ステップS10)。図6に示すように、1つの状況属性だけであると、表示を限定できない場合がある。例えば、1人暮らしの人の場合、一人で食事をしている時は、"on−line"としてプレゼンス表示し、誰かと電話で話したいと思うが、友人が遊びにきている場合の食事中であれば電話には出たくないので"取り込み中"と表示したい。このような場合、友人が来ているという状況属性を追加することで、プレゼンス表示を変えることができる。
【0028】
逆に、初期設定で生成したプレゼンス表示モデルへ必要以上に属性が含まれている場合、プレゼンス提供者は、モデル管理手段14を介して、必要ない属性を削除した新しいモデルをデータベース11に追加する。例えば、プレゼンス提供者は、気の合わない友人からの電話を常に"取り込み中"と表示したい。もし、初期設定で、相性属性が悪いというプレゼンス表示モデルに状況属性やrole属性も追加されていた場合、プレゼンス提供者には合わないモデルなので、状況属性やrole属性を削除する。このようにして、初期設定で作ったモデルを自分にモデルに変更したい場合、属性の追加や削除を行う。このとき、このモデルの利用回数は+1とする(ステップS11)。
【0029】
次に、淘汰する動作について説明する。図7は、淘汰する動作を示すフローチャートである。ライフタイム管理手段15は、予め定めた期間のモデルの利用回数を確認し(ステップS21)、閾値以下であるか否かを判定する(ステップS22)。閾値以上の回数の利用がない場合(例えば5回以下)、そのモデルは、あまり有効なモデルではないと判断し、図8に示すように削除する(ステップS23)。一方、閾値以上ならば、そのモデルは有効と判断し、利用回数を0にリセットして(ステップS24)、次の更新時まで運用する。そして、全てのモデルの利用回数を確認したかを判定し(ステップS25)、全ての利用回数を確認していなければ、次のモデルの利用回数を確認し(ステップS26)、全ての利用回数を確認するまで処理を繰り返す。
【0030】
これにより、個々のプレゼンス利用者やプレゼンス提供者毎に開示するプレゼンス情報を管理しなくとも、表示するプレゼンス情報をシステム自動で決定できるため、プレゼンス提供者の設定負荷を軽減することができる。また、コミュニケーションをとりたい相手のプレゼンスが分かるので、コミュニケーンが現状より円滑に行うことができる。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態によるプレゼンス情報管理装置を説明する。図9は、第2の実施形態におけるシステム全体の構成を示す図である。図9に示すシステム構成が図1に示すシステム構成と異なる点は、プレゼンス情報管理サーバ1をインターネット6に接続し、個々のサーバで生成したプレゼンス表示モデルをサーバ間で共有するようにした点である。図10は、第2の実施形態におけるプレゼンス情報管理サーバ1の構成を示す図である。図10に示すプレゼンス情報管理サーバ1が、図2に示すプレゼンス情報管理サーバ1と異なる点は、情報を共有するために、モデル共有手段16が追加されている点である。共有しているサーバの1台を親サーバとし、子サーバは、単位時間あたりのモデル情報の差分を親サーバに通知する。次に親サーバは、モデル共有手段16を介して、集まったすべての子サーバの差分情報をマージし、マージした情報を子サーバへ送信する。子サーバのモデル共有手段16は、差分のモデルデータをデータベース11に書き込む。このようにして、プレゼンス情報管理サーバ1は、定期的に、サーバ間のプレゼンス表示モデルの同期を取るようにする。これにより、ローカルな環境で自動生成したモデル情報をより広域な環境で共有できるため、個々のプレゼンス提供者が新規モデルを追加する回数を減らすことができる。
【0032】
大学の研究室の教授と学生がメッセンジャーを使ってプレゼンス情報を公開する例を考えた場合、学生は、教授に対しては、学校のどこにいるかとか帰宅中といった学校に関するプレゼンス情報しか出さないが、親しい友人には、アルバイト中であるとか就寝中であるといったようなより細かなプレゼンス情報を公開することができる。すなわち、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者の間の関係と公開するプレゼンス情報の関係は、共通化できる属性が存在する。そこで、本発明では、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者個別に表示するプレゼスを設定しなくても、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者のプレゼンス表現を決める属性(プレゼンス表現決定属性)の組とプレゼンス表示を対応付けるプレゼンス表示の汎用モデルを、教師データを用いた学習により作成する。その後、個別のプレゼンス利用者とプレゼンス提供者が、プレゼンス表示モデルのどれに当てはまるかをプレゼンス決定属性の一致で検索することにより、プレゼンス情報の出し分けとプレゼンス利用者のグルーピングを行うことができる。
【0033】
また、ビジネスなどのオフィシャルなシーンと日常生活でのシーンの違いは、公開するプレゼンス情報を主観的に決められようにするため、この主観情報を"相性"と呼び、プレゼンス表現決定属性の1つに加え、プレゼンス情報の出し分けの判定に、"相性"属性を追加して、公開するプレゼンス情報を主観的に決められようにすることができる。
【0034】
また、個々のプレゼンス提供者にあったプレゼンス表示モデルを学習によって生成するのは、一般に、時間がかかる。そこで、本発明では、おおまかなモデルを学習により生成し、カスタマイズは、if/thenルールを用いて登録することで迅速にプレゼンス提供者の要求に適応させる。生成したモデルが使用している環境に適応しているかは、ライフタイム手段により確認する。ライフタイム手段では、定期的にモデルの利用状況を確認し、利用頻度の高いモデルは残すが、利用頻度の低いモデルは削除する。これによって、システムが自律的に環境にあったモデルのみ残すことができる。
【0035】
以上説明したように、従来は、プレゼンスの利用目的がはっきりしていたため、プレゼンス利用者の属性に関係なく、一律に公開するプレゼンス情報を設定していたが、日常生活で利用する場合は、プレゼンス利用者がどのような目的で自分のプレゼンスを知りたいのかが分からないため、プレゼンス利用者個別に公開するプレゼンス情報を設定する必要があり、プレゼンス提供者の設定が煩雑であった。本発明では、同様のプレゼンス決定属性を持つ他人がどのようなプレゼンスを表示したかの学習データを利用することで、プレゼンス提供者がプレゼンス利用者個別に公開するプレゼンス情報を設定する手間を省くことができる。一旦生成したプレゼンス表示モデルは、利用頻度を定期的に確認することで、少ない利用頻度のモデルは削除し、よく使われるモデルのみ残していくことで、時間の流れや環境の変化に対しても適応可能である。
【0036】
なお、図2、図10に示すプレゼンス情報管理サーバ1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりプレゼンス情報管理処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0037】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
プレゼンス情報を活用して日常生活コミュニケーションを図ることが不可欠な用途に適用できる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・プレゼンス情報管理サーバ、2、3、4、5・・・端末、6・・・インターネット、11・・・データベース、12・・・データベース管理手段、13・・・プレゼンス利用者/プレゼンス提供者管理手段、14・・・モデル管理手段、15・・・ライフタイム管理手段、16・・・モデル共有手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンス情報を活用した日常生活コミュニケーション支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話は、電話機能以外に、メール、カメラ、音楽鑑賞、インターネットへの接続機能などを搭載したコンパクトで便利なツールとして、小学生から高齢者に至るまで幅広く使用されている。携帯電話は、本来、外出先でも電話に出られるように開発されたツールであるが、相手が何をしているかわからないので電話かけることを躊躇してしまうケースが多々ある。そこで、いきなり電話をするのではなく、携帯電話のメール機能やメッセンジャーを用いて相手が電話可能かを確かめたり、要件を直接メールで伝えたりする。携帯電話から送信するメールは、基本的に電話の代わりとして使っている場合が多いので、メールの送信相手が何をしているかに関係なく素早い返信が暗黙のうちに求められる。中には、数分返ってこない場合でイライラしてしまう人もいる。
【0003】
10代の若者の多くは、携帯電話のネットワーク環境を用いて"ホムペ"と呼ばれる個人のホームページを作成して活用している。ホムペは、無料で使用でき、プロフや掲示板、日記機能が使えるというメリットがある。ホムペの掲示板にも、携帯電話のメールと同様に、短時間のうちに返信しなければならないという暗黙のルールがある。自分が書き込みをした直後に、友達が返事の書き込みをしない場合、友人関係が悪くなる場合もある。
【0004】
このように、自分の都合で出したメールや掲示板の書き込みにも関わらず、相手の都合を考えることなく、比較的短時間で返事を求められる風潮は、携帯電話の利用者にとって大きな負担になる場合がある。また、電話ならば短時間で済む用件にもかかわらず、メールや掲示板の入力時間と返事待ちの時間を要するため、同じ要件も電話の何倍もの時間が必要となる。もし、電話やメールをする前に、相手が今どんな状況にあるのか(プレゼンス)が分かれば、従来のメールや掲示板依存型のコミュニケーションではなく、電話で要件を済ますことができる。また、メールの返信がすぐに来ない場合でも、相手のプレゼンスを知ることができれば、多くの人がイライラから解消されると考えられる。
【0005】
プレゼンスを使った技術には、会社や大学などのオフィシャルな場面での使用を想定したプレゼンス表示システムがある(例えば、非特許文献1、2参照)。プレゼンス管理に関係する部分だけの簡単なシステム構成を図1に示す。プレゼンス情報を提供するプレゼンス提供者の端末2とプレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者の端末3やプレゼンス利用者の端末4が、SIP(Session Initiation Protocol)サーバのようなプレゼンス情報の管理と公開を制御するプレゼンス情報管理サーバ1にネットワークを介して接続されている。プレゼンス情報管理サーバ1では、プレゼンス情報をプレゼンス提供者のID毎に管理している(図1に示す例では3名の提供者)。プレゼンス提供者は、会議中から食事中へと自分の状況が変化する度に、プレゼンス情報管理サーバ上のプレゼンス情報を手動または人感センサなどのセンサ情報をトリガに更新する。プレゼンス利用者は、知りたいプレゼンス提供者のIDを指定して、プレゼンス情報管理サーバ1へプレゼンス情報の開示を求める。プレゼンス情報管理サーバ1は、プレゼンス利用者に対して要求されたプレゼンス提供者IDのプレゼンス情報を通知する。
【0006】
プレゼンス表示システムは、仕事や研究を円滑に進めるため、コミュニケーションをとりたい相手が、現在会議中なのか、電話に出られる状況にあるのかを知る目的で構成されている。よって、メンバ全員のプレゼンス情報は、常に携帯電話やPCから確認できる。オフィシャルなシーンでの利用なので、プレゼンス情報の公開には、基本的にプライバシーやコミュニケーションを取りたくないといったような個人の感情を考慮する必要はない。
【0007】
このようなシステムを、冒頭で述べたような一般の生活の中で使用する場合、入浴中や来客中といったプライバシーに関わる情報もそのまま表示することになる。また、職場や学校の仲間か、親族なのかによっても表示パターンを切り替えられるようにする必要がある。さらに、ビジネス利用に比べて、買い物中、就寝中なども含めると、プレゼンス種別が膨大になる。
【0008】
しかし、携帯電話でプレゼンスを確認することを考えれば、プレゼンス種別は少ないが的確に状況を表現している方がよい。プレゼンス情報は、高齢者見守りシステムでも活用されている。例えば、非特許文献3の技術は、高齢で一人暮らしをしている親の宅内に、赤外線で人間の動きを感知する「人感センサ」等を何カ所か設置し、採取した親のプレゼンス情報をインターネット経由で携帯電話やPCに送信し、宅内で親の様子を知ることができるサービスが知られている。他にも類似のシステムがあるが(例えば、非特許文献4参照)、いずれも1人暮らしの高齢者を子らが見守る事を目的としているため、親のプレゼンス情報は、基本的に親族という限られた人にしか公開されない。このような技術を日常生活へ適用するには、友人や職場関係といった不特定多数の人への公開ができるよう改良する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】高橋他、"ライブカメラ画像を用いたプレゼンス情報の表示手法"、WISS2005
【非特許文献2】NTTデータ、Air Messenger(R)+、http://www.nttdata.co.jp/services/s090111.html
【非特許文献3】NTTコムウェア、Tangibleリモートケア、http://www.nttcom.co.jp/case/project/017_tangible_rc/
【非特許文献4】象印、みまもりホットライン、http://www.mimamori.net/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、これまでのプレゼンス情報は、会社の同僚のようなグループ単位か、高齢者を見守る子のような限られた人を単位に出し分けていた。しかしながら、不特定多数のプレゼンス利用者にプレゼンス情報を公開するためには、プライバシーを考慮したプレゼンス提供者の要求にあったプレゼンス情報の出し分けが必要であるともに、簡単なプレゼンスの登録技術が必要である。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、不特定多数のプレゼンス利用者にプレゼンス情報を公開するために、プライバシーを考慮したプレゼンス提供者にあったプレゼンス情報の出し分けができるとともに、簡単なプレゼンスの登録を行うことができるプレゼンス情報管理装置、プレゼンス情報管理方法及びプレゼンス情報管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するプレゼンス情報管理装置であって、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段と、プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録手段と、前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するために、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段とを備えるプレゼンス情報管理装置におけるプレゼンス情報管理方法であって、プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録ステップと、前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明は、コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するために、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段とを備えるプレゼンス情報管理装置上のコンピュータにプレゼンス情報管理処理を行わせるプレゼンス情報管理プログラムであって、プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録ステップと、前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供ステップとを前記コンピュータ行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、不特定多数のプレゼンス利用者にプレゼンス情報を公開するために、プライバシーを考慮したプレゼンス提供者にあったプレゼンス情報の出し分けができるとともに、簡単なプレゼンスの登録を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態のシステム全体の構成を示す図である。
【図2】図1に示すプレゼンス情報管理サーバ1の構成を示す図である。
【図3】初期設定動作を示すフローチャートである。
【図4】プレゼンス表示モデルの一例を示す説明図である。
【図5】運用動作を示すフローチャートである。
【図6】プレゼンス表示モデルに新しいモデルを追加する一例を示す説明図である。
【図7】淘汰動作を示すフローチャートである。
【図8】利用回数が閾値以下のモデルを削除する一例を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態のシステム全体の構成を示す図である。
【図10】図9に示すプレゼンス情報管理サーバ1の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態によるプレゼンス情報管理装置を説明する。まず、次の3つの生活シーンを想定する。
(1)シーン1:子供を寝かしつけている時や来客対応のときは、電話でコミュニケーションを取りたくないが、少し手が空いたときは、誰かとコミュニケーションを取りたい(状況)。
(2)シーン2:親や先生など自分に対してなんらかの役割を持つ人に対しては、優先的にコミュニケーションを取りたい(role)。
(3)シーン3:別居中の夫からの電話は、できればあまり受けたくない(相性)。
【0018】
これらのシーンは、プレゼンス提供者個別に起こる状況でなく、多少の個人差はあるものの同様の状況のプレゼンス提供者に共通的な状況である。ここでは、プレゼンス提供者の置かれている状況とプレゼンス利用者との人間関係に着目し、共通的な属性を抽出し、それを元にプレゼンス表示モデルを生成する。
【0019】
上記3つのシーンの分析から、プレゼンス提供者の置かれている"状況"、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者の間の"role"、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者の間の"相性"の3種類をプレゼンス表現決定属性として用いる。図2に示すように、プレゼンス情報管理サーバ1は、プレゼンス表現決定属性と利用回数から成るプレゼンス表示モデルテーブル11aと、プレゼンス利用者ID毎に相性属性とrole属性を関係付けたプレゼンス提供者のプレゼンス利用者に対する属性値テーブル11bと、プレゼンス提供者ID毎にプレゼンスを格納するプレゼンス提供者のプレゼンステーブル11cを記憶するデータベース11を備えている。また、プレゼンス情報管理サーバ1は、データベース11の情報の書き換え、追加、削除を行うデータベース管理手段12、プレゼンス提供者の状況の変化をセンサや提供者からの手入力により検知し、プレゼンス提供者のプレゼンスをその都度書き換えるためのプレゼンス提供者/プレゼンス利用者管理手段13、教師データを使ってモデルを作成とモデルの追加/修正するためのモデル管理手段14、モデルの利用状況を監視するライフタイム管理手段15を備えている。なお、システム全体の構成は、図1に示すシステム構成と同様である。
【0020】
次に、図3を参照して、初期設定動作を説明する。図3は、初期設定動作を示すフローチャートである。プレゼンス提供者は、端末2をプレゼンス情報管理サーバ1に接続し、予め携帯電話の電話帳などを元に、プレゼンス利用者との間のrole、相性属性をプレゼンス利用者/プレゼンス提供者管理手段13を介してデータベース11に登録しておく(ステップS1)。
【0021】
次に、予め蓄積しておいた教師データを用いて、role、相性、状況の3つのプレゼンス表現決定属性と実際に表示したプレゼンス情報をモデル管理手段14により抽出し、表示とプレゼンス表現決定属性の対応を示したモデルを作成する(図4参照)。作成したモデルのデータはデータベース11に登録する(ステップS2)。教師データの取得方法は、複数の協力者を募り、本技術に必要なプレゼンス利用者とプレゼンス提供者の間のrole、相性、状況の関係が分かる情報を収集する。例として、webアンケートを用いて教師データを作成する場合、自身がプレゼンス提供者になった場合、親や友達になら、どのレベルのプレゼンス情報を公開してもよいか、気の合わない人や会社関係の人にはどこまで公開しても良いかなど、日常生活の様々なシーンにおけるプレゼンス公開情報を収集する。アンケートの最後に、face sheetと呼ぶアンケートに答えてくれた人の性別や職業、子供や介護者がいるなどの家庭環境に関する情報を採取する。データベースには、年齢層、職業種別、家庭環境等に分類したプレゼンス提供者の個人情報と公開してもよいプレゼンス情報をプレゼンス利用者のroleや相性別に分類し、プレゼンス公開モデルを作成する。
【0022】
次に、プレゼンス情報管理サーバ1では、そのモデル自体とそのモデルの妥当性をライフタイム管理手段15により管理する。ライフタイムは、あらかじめ定めた期間の使用回数が閾値以下ならばそのモデルは消滅し淘汰される。閾値以上だと、そのまま継続利用する。初期設定で設定したモデルのライフタイムは、1年間の利用回数とし、閾値は5とする(ステップS3)。
【0023】
次に、運用動作を説明する。図5は、運用動作を示すフローチャートである。まず、プレゼンス利用者1が、プレゼンス提供者に電話をかけたい場合を考える。プレゼンス提供者の属性は、「30代、主婦、5歳未満の子供あり」とする。プレゼンス提供者は、学校から帰宅のような自分のプレゼンスが変わる度に、端末2を使用してこのプレゼンス情報を送信し、プレゼンス情報管理サーバ1のプレゼンス利用者/プレゼンス提供者管理手段13を介してデータベース11へ登録する(ステップS4)。
【0024】
一方、プレゼンス利用者1は、端末3からプレゼンス提供者のプレゼンス情報をプレゼンス情報管理サーバ1に要求する(ステップS5)。プレゼンス情報管理サーバ1では、プレゼンス利用者1のプレゼンス提供者とのroleと相性、およびプレゼンス提供者の状況をプレゼンス利用者/プレゼンス提供者管理手段13を介して読み込む(ステップS6)。
【0025】
次に、初期設定で作成したプレゼンス表示モデルの中に、この属性値と一致する(属性、属性値)のモデルがあるか検索する。該当するモデルが存在した場合、そのモデルの利用回数を確認する。もし、利用回数が0の場合、そのモデルは、プレゼンス利用者1が一度も利用したことがないモデルだと判断し、プレゼンス提供者の端末2に、プレゼンス利用者1への表示するプレゼンス情報が初期設定で作成した表示でよいかを確認する情報を送信する。よければ、プレゼンス情報管理サーバ経由でプレゼンス利用者1の端末3にプレゼンス提供者のプレゼンス情報を送信する(ステップS7)。そして、プレゼンス情報管理サーバ1は、モデル管理手段14を介してこのモデルの利用回数を+1とする。プレゼンス利用者1は、プレゼンス情報管理サーバから端末1へ送られたプレゼンス提供者のプレゼンス情報を見て、電話受信可能を表すプレゼンス表示"on−line"であれば、電話をする(ステップS8)。
【0026】
一方、属性値が一致するモデルが存在しないか否かの判定(ステップS9)の結果、この表示では適当でない場合、プレゼンス提供者は、プレゼンス情報管理サーバ1に表示してほしいプレゼンスをif/thenルールを用いて通知する。プレゼンス情報管理サーバ1は、新規モデルとして、"表示するプレゼンス"をプレゼンス提供者の指示にしたがって書き換えたものを作成し、利用回数を+1とする。
【0027】
もし初期設定で生成したプレゼンス表示モデルがプレゼンス提供者に合っていない場合、プレゼンス提供者は、モデル管理手段14を介して、新規にモデルを作成してデータベース11に登録する(ステップS10)。図6に示すように、1つの状況属性だけであると、表示を限定できない場合がある。例えば、1人暮らしの人の場合、一人で食事をしている時は、"on−line"としてプレゼンス表示し、誰かと電話で話したいと思うが、友人が遊びにきている場合の食事中であれば電話には出たくないので"取り込み中"と表示したい。このような場合、友人が来ているという状況属性を追加することで、プレゼンス表示を変えることができる。
【0028】
逆に、初期設定で生成したプレゼンス表示モデルへ必要以上に属性が含まれている場合、プレゼンス提供者は、モデル管理手段14を介して、必要ない属性を削除した新しいモデルをデータベース11に追加する。例えば、プレゼンス提供者は、気の合わない友人からの電話を常に"取り込み中"と表示したい。もし、初期設定で、相性属性が悪いというプレゼンス表示モデルに状況属性やrole属性も追加されていた場合、プレゼンス提供者には合わないモデルなので、状況属性やrole属性を削除する。このようにして、初期設定で作ったモデルを自分にモデルに変更したい場合、属性の追加や削除を行う。このとき、このモデルの利用回数は+1とする(ステップS11)。
【0029】
次に、淘汰する動作について説明する。図7は、淘汰する動作を示すフローチャートである。ライフタイム管理手段15は、予め定めた期間のモデルの利用回数を確認し(ステップS21)、閾値以下であるか否かを判定する(ステップS22)。閾値以上の回数の利用がない場合(例えば5回以下)、そのモデルは、あまり有効なモデルではないと判断し、図8に示すように削除する(ステップS23)。一方、閾値以上ならば、そのモデルは有効と判断し、利用回数を0にリセットして(ステップS24)、次の更新時まで運用する。そして、全てのモデルの利用回数を確認したかを判定し(ステップS25)、全ての利用回数を確認していなければ、次のモデルの利用回数を確認し(ステップS26)、全ての利用回数を確認するまで処理を繰り返す。
【0030】
これにより、個々のプレゼンス利用者やプレゼンス提供者毎に開示するプレゼンス情報を管理しなくとも、表示するプレゼンス情報をシステム自動で決定できるため、プレゼンス提供者の設定負荷を軽減することができる。また、コミュニケーションをとりたい相手のプレゼンスが分かるので、コミュニケーンが現状より円滑に行うことができる。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態によるプレゼンス情報管理装置を説明する。図9は、第2の実施形態におけるシステム全体の構成を示す図である。図9に示すシステム構成が図1に示すシステム構成と異なる点は、プレゼンス情報管理サーバ1をインターネット6に接続し、個々のサーバで生成したプレゼンス表示モデルをサーバ間で共有するようにした点である。図10は、第2の実施形態におけるプレゼンス情報管理サーバ1の構成を示す図である。図10に示すプレゼンス情報管理サーバ1が、図2に示すプレゼンス情報管理サーバ1と異なる点は、情報を共有するために、モデル共有手段16が追加されている点である。共有しているサーバの1台を親サーバとし、子サーバは、単位時間あたりのモデル情報の差分を親サーバに通知する。次に親サーバは、モデル共有手段16を介して、集まったすべての子サーバの差分情報をマージし、マージした情報を子サーバへ送信する。子サーバのモデル共有手段16は、差分のモデルデータをデータベース11に書き込む。このようにして、プレゼンス情報管理サーバ1は、定期的に、サーバ間のプレゼンス表示モデルの同期を取るようにする。これにより、ローカルな環境で自動生成したモデル情報をより広域な環境で共有できるため、個々のプレゼンス提供者が新規モデルを追加する回数を減らすことができる。
【0032】
大学の研究室の教授と学生がメッセンジャーを使ってプレゼンス情報を公開する例を考えた場合、学生は、教授に対しては、学校のどこにいるかとか帰宅中といった学校に関するプレゼンス情報しか出さないが、親しい友人には、アルバイト中であるとか就寝中であるといったようなより細かなプレゼンス情報を公開することができる。すなわち、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者の間の関係と公開するプレゼンス情報の関係は、共通化できる属性が存在する。そこで、本発明では、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者個別に表示するプレゼスを設定しなくても、プレゼンス利用者とプレゼンス提供者のプレゼンス表現を決める属性(プレゼンス表現決定属性)の組とプレゼンス表示を対応付けるプレゼンス表示の汎用モデルを、教師データを用いた学習により作成する。その後、個別のプレゼンス利用者とプレゼンス提供者が、プレゼンス表示モデルのどれに当てはまるかをプレゼンス決定属性の一致で検索することにより、プレゼンス情報の出し分けとプレゼンス利用者のグルーピングを行うことができる。
【0033】
また、ビジネスなどのオフィシャルなシーンと日常生活でのシーンの違いは、公開するプレゼンス情報を主観的に決められようにするため、この主観情報を"相性"と呼び、プレゼンス表現決定属性の1つに加え、プレゼンス情報の出し分けの判定に、"相性"属性を追加して、公開するプレゼンス情報を主観的に決められようにすることができる。
【0034】
また、個々のプレゼンス提供者にあったプレゼンス表示モデルを学習によって生成するのは、一般に、時間がかかる。そこで、本発明では、おおまかなモデルを学習により生成し、カスタマイズは、if/thenルールを用いて登録することで迅速にプレゼンス提供者の要求に適応させる。生成したモデルが使用している環境に適応しているかは、ライフタイム手段により確認する。ライフタイム手段では、定期的にモデルの利用状況を確認し、利用頻度の高いモデルは残すが、利用頻度の低いモデルは削除する。これによって、システムが自律的に環境にあったモデルのみ残すことができる。
【0035】
以上説明したように、従来は、プレゼンスの利用目的がはっきりしていたため、プレゼンス利用者の属性に関係なく、一律に公開するプレゼンス情報を設定していたが、日常生活で利用する場合は、プレゼンス利用者がどのような目的で自分のプレゼンスを知りたいのかが分からないため、プレゼンス利用者個別に公開するプレゼンス情報を設定する必要があり、プレゼンス提供者の設定が煩雑であった。本発明では、同様のプレゼンス決定属性を持つ他人がどのようなプレゼンスを表示したかの学習データを利用することで、プレゼンス提供者がプレゼンス利用者個別に公開するプレゼンス情報を設定する手間を省くことができる。一旦生成したプレゼンス表示モデルは、利用頻度を定期的に確認することで、少ない利用頻度のモデルは削除し、よく使われるモデルのみ残していくことで、時間の流れや環境の変化に対しても適応可能である。
【0036】
なお、図2、図10に示すプレゼンス情報管理サーバ1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりプレゼンス情報管理処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0037】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
プレゼンス情報を活用して日常生活コミュニケーションを図ることが不可欠な用途に適用できる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・プレゼンス情報管理サーバ、2、3、4、5・・・端末、6・・・インターネット、11・・・データベース、12・・・データベース管理手段、13・・・プレゼンス利用者/プレゼンス提供者管理手段、14・・・モデル管理手段、15・・・ライフタイム管理手段、16・・・モデル共有手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するプレゼンス情報管理装置であって、
プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、
前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、
前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、
前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段と、
プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録手段と、
前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供手段と
を備えたことを特徴とするプレゼンス情報管理装置。
【請求項2】
コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するために、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段とを備えるプレゼンス情報管理装置におけるプレゼンス情報管理方法であって、
プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録ステップと、
前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供ステップと
を有することを特徴とするプレゼンス情報管理方法。
【請求項3】
コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するために、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段とを備えるプレゼンス情報管理装置上のコンピュータにプレゼンス情報管理処理を行わせるプレゼンス情報管理プログラムであって、
プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録ステップと、
前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供ステップと
を前記コンピュータ行わせることを特徴とするプレゼンス情報管理プログラム。
【請求項1】
コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するプレゼンス情報管理装置であって、
プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、
前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、
前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、
前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段と、
プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録手段と、
前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供手段と
を備えたことを特徴とするプレゼンス情報管理装置。
【請求項2】
コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するために、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段とを備えるプレゼンス情報管理装置におけるプレゼンス情報管理方法であって、
プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録ステップと、
前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供ステップと
を有することを特徴とするプレゼンス情報管理方法。
【請求項3】
コミュニケーションを取る相手の状況を示すプレゼンス情報を管理するために、プレゼンス提供者のプレゼンス情報を記憶するプレゼン情報記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス情報を利用するプレゼンス利用者との役割関係を示すrole属性を記憶するrole属性記憶手段と、前記プレゼンス提供者と前記プレゼンス利用者との相性を示す相性情報を記憶する相性属性記憶手段と、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれに、前記プレゼンス提供者の前記role属性と、前記相性属性とを予め登録する属性登録手段とを備えるプレゼンス情報管理装置上のコンピュータにプレゼンス情報管理処理を行わせるプレゼンス情報管理プログラムであって、
プレゼンス提供者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報が送信される度に、受信した前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報記憶手段に登録するプレゼンス情報登録ステップと、
前記プレゼンス利用者の端末装置から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報提供の要求を受信した場合に、該要求を行った前記プレゼンス利用者のrole属性及び相性属性を、前記role属性記憶手段と前記相性属性記憶手段のそれぞれから読み出すとともに、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス提供者のプレゼンス情報を読み出し、前記読み出したrole属性及び相性属性に基づき、読み出したプレゼンス情報を表示するべきプレゼンス情報に変換し、変換したプレゼンス情報を前記要求を行った前記プレゼンス利用者の端末装置へ送信するプレゼンス情報提供ステップと
を前記コンピュータ行わせることを特徴とするプレゼンス情報管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−139343(P2011−139343A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298649(P2009−298649)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504133110)国立大学法人電気通信大学 (383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504133110)国立大学法人電気通信大学 (383)
【Fターム(参考)】
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