説明

プレート部材の取付具

【課題】建物の外装となる大型の石材板等をその上下端の係止溝を利用して支持する場合に、地震その他の揺動等でその係止溝に力が加わった場合に、その係止溝に応力が集中して損傷を生じるのを防止する。
【解決手段】石材プレート1の上下端の係止溝1a、1bに係合する舌片2a、舌片2aから直角方向に延長する腕片2b、その後端から石材プレート1の背後側に延びる平行片2c、その先端の斜辺部2d、斜片部2dから延びる接合片2eを構成し、かつ腕片2bに遊嵌合用スリット部2fを形成した係止片2と、係止片2の遊嵌合用スリット部2fに遊嵌合する上向き及び下向きの遊嵌合舌片3a、3b、その端部から延長するアーム片3c及びその後端に接続した取付板3dを備えた取付片3と、相互に接続した石材プレート1、係止片2、取付片3、ベース金具4の間に充填する弾性接着剤5とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の躯体の外側に配する大型の石材版、タイル、その他の大型プレート部材を、その上下端に形成したスリットを利用して支持する場合に、躯体に加わる地震その他の揺動等で該スリットに無用の力が加わって該大型プレート部材に損傷が生じるのを防止し得るプレート部材の取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の石材等を建築物の外装に取り付ける取付手段又はそれを用いた取付構造に関しては多くの提案がある。
【0003】
その一は、一枚の固定プレート部材と、一個以上の石板装着部材とからなり、前記固定プレート部材が、アンカーボルト挿入孔を有するプレート部と、このプレート部に固定され、且つその裏面からそれにほぼ直角に延び出ているボルト部を有し、更にその石板装着部材が、ボルト挿入孔を有する基板部と、この基板部から延び出てほぼL字形又はJ字形をなして折れ曲がっている鉤部とを有し、前記固定プレート部材のボルト部を、前記石板装着部材のボルト挿入孔に通し、前記石板装着部材を、前記固定プレート部座に装着固定することが可能な石板取付固定具(特許文献1)である。
【0004】
従ってこの特許文献1の石板取付固定具によれば、固定プレート部材を、そのプレート部を建築物の壁面に当接し、かつアンカーボルトを挿入孔に挿入してナットで固定することにより、取り付け、そのボルト部に石板装着部材の基板部のボルト挿入孔を挿入し、該ボルト部に、二つのナットで該基板部を挟持状態にして不陸を調節しつつ固定し、該基板部の先端の鉤部を石板の上端又は可端の嵌合溝に挿入して、該石板を建築物の壁面に所定の間隔で平行に取り付けるものである。
【0005】
それ故、該石板は、建築物の外壁に取り付ける際に、二つのナットを調節することで、その不陸を適切に調節することが可能である。しかし、地震等の際に、この石板取付固定具が、建築物の躯体と共に動くと、その鉤部の動きが、支持対象である石板に無理な力を加え、その結合部位である嵌合溝に無用に大きな力を加え、ここから損傷を生じさせる虞がある。建築物の低い位置では、人や物が外装の石板に強く接触することもあり、そのような場合に、該石板は、自由に動くことは許容されていないので、応力が、該石板の嵌合溝の部分に集中し、この部分から損傷を生じさせる虞がある。
【0006】
またその二は、断面T字型長尺金物(T桁状金物)の基部が外装板材の取り付け下地壁面に垂直に固設され、また前記断面T字型長尺金物の左右の天板部(平行板部)に、上下又は左右端面に全長溝を有する外装板材の全長溝が嵌合・固定され、かつ前記外装板材の裏面と取り付け下地壁面との間には弾力性の緩衝材板が挟装・接合されてなる外装板材の壁面取り付け構造(特許文献2)である。
【0007】
この特許文献2の外装板材の壁面取付構造では、この文献2によれば、地震等における下地壁面と外装板材との層間変位は、その間の弾力性の緩衝材板によって十分に吸収できると記述されているが、天板部の一方側及び他方側はそれぞれ対応する外装板材の端部の長溝に嵌合状態となっており、そのような層間変位の際に、該長溝に応力が集中してその部位に損傷が生じる虞があり、この点の問題は全く解消されているようには見えない。
【0008】
更にその三は、プレート係止片を、取付け板と、上記取付け板から水平方向に突き出したアーム部と、アーム部の先端に配した係止上板及び係止下板とで構成し、正面から見て四辺形であるプレート部材の上端と下端とにそれぞれ係止溝を構成し、前記プレート係止片を、下地に、係止上板と係止下板の中間付近が前記下地に於けるプレート部材の取付け予定位置の上下の目地相当位置に位置し、かつ上記係止上板及び係止下板がそれぞれ取付け予定のプレート部材の上端又は下端の係止溝の位置に対応するように、前記取付け板を前記下地に固定することで、取付け、前記プレート部材を、その下端の係止溝には、下方の目地相当位置に位置する前記プレート係止片の係止上板を装入させ、かつ上端の係止溝には、上方の目地相当位置に位置する前記プレート係止片の係止下板を装入させ、更に上記プレート部材の背面と前記下地の表面とは、その間の数箇所にスポット的に配した接着剤で結合し、更に前記目地相当位置に目地材を充填したプレート部材の取付け構造である。
【0009】
この特許文献3のプレート部材の取付け構造によれば、下地との間にそれ程広い間隔を取らずに、プレート部材を設置可能であり、それ故、該プレート部材は、風圧その他の外部からの圧力に対してかなり強度を確保できるものではあるが、地震の際などで建物躯体が揺動乃至振動した場合に、係止上板又は係止下板と係合する係止溝に応力が集中する虞があり、これによって該プレート部材が該係止溝の部位から損傷を生じる虞がないとは云えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平07−04000号公報
【特許文献2】特開2002−054293号公報
【特許文献3】特開平05−195610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、建物の躯体の外側に外装材として配する大型の石材板、タイル、その他の大型プレート部材を、その上下端に形成した係止溝を利用して支持する場合に、躯体に加わる地震その他の揺動等で該係止溝に無用の力が加わった場合、或いは、風圧、外部を移動する人等が外部から該大型プレート部材に強く接触した場合などに、それによって、特に該係止溝に応力が集中して損傷を生じるのを防止し得るプレート部材の取付具を提供することを解決の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1は、プレート部材の上端又は下端の係止溝に係合する舌片を備えた係止片であって、該舌片の一端から直角方向に延長する腕片、該腕片の後端から該プレート部材の背後側に向かって該プレート部材の背面と平行に延長し、延長途中から該プレート部材の背面に近接すべく屈曲し、その先端部に該プレート部材の背面への当接状態で該背面と平行に延長する接合片を延長構成し、かつ前記腕片に、取付片の舌片を遊嵌合する遊嵌合用スリット部を形成した係止片と、
該係止片の腕片の遊嵌合用スリット部に、遊嵌合する上向き及び下向きの遊嵌合舌片、該両遊嵌合舌片の端部から直角方向に屈曲して延長するアーム片、及び該延アーム片の後端から直角方向に屈曲した取付板を備えた取付片と、
前記プレート部材の上端の係止溝に舌片を係止した係止片と該プレート部材との間、該係止片と該係止片の遊嵌合用スリット部に遊嵌合舌片を遊嵌合させた取付片及び該取付片の取付板を固設した下地との間、並びに該プレート部材の下端の係止溝に舌片を係止した他の係止片と該プレート部材との間、該係止片と該係止片の遊嵌合用スリット部に遊嵌合舌片を遊嵌合させた取付片及び該取付片の取付板を固設した下地との間のそれぞれに充填する弾性接着剤と、
で構成したプレート部材の取付具である。
【0013】
本発明の2は、本発明の1のプレート部材の取付具に於いて、前記取付片を、四辺形の板状のアーム片と、該アーム片の先端の半分には下向きに、残りの半分には上向きに、それぞれ形成した遊嵌合舌片と、該アーム片の後端に直角方向に屈曲して形成した取付板と、で構成したものである。
【発明の効果】
【0014】
したがって、本発明の1のプレート部材の取付具によれば、これによって建築物の外装に大型の石材等のプレート部材を取り付けた場合は、例えば、地震等により建築物の躯体が揺動しても、或いは、プレート部材が強い風圧を受けたり、建築物外部を移動する人や物から強い衝撃を受けたりしたとしても、該プレート部材は、係止片及び取付片並びに前記弾性接着剤を介して該建築物の躯体に結合し、かつ該係止片と該取付片との結合に余裕があり、更にその結合が弾力的に保持されているため、該取付具との結合部である係止溝に応力が集中するような問題が生じることはない。それ故、該プレート部材の係止溝付近に損傷を生じさせてしまうような虞はない。
【0015】
少し詳しく述べると、プレート部材の係止溝に舌片で結合する係止片は、その腕片に開口した遊嵌合用スリット部に遊嵌合した遊嵌合舌片を介して取付片と結合し、該取付片は、建物躯体に固定した下地に、直接又は間接に固定し、該プレート部材、該係止片、該取付片及び下地は、弾性接着剤で、弾力的に結合されるものである。そのため、前記のように、地震による躯体の振動乃至揺動、風圧によるプレート部材に対する圧力、人や物の衝突等によるプレート部材に対する衝撃乃至圧力等が加わった場合であっても、前記遊嵌合舌片と腕片の遊嵌合用スリット部と遊嵌合及び弾性接着剤による弾力的接続により、それらの力が吸収され、前記係止片の舌片と直接に結合する該プレート部材の係止溝の部位に応力が集中するような問題の生じることはない。従って、このような場合に、プレート部材の係止溝付近に損傷を生じ、これが壁面から離脱落下するような虞は生じない。
【0016】
プレート部材は、以上のように、地震、風圧、その他の外力がプレート部材に掛かった場合に、弾力的に結合を確保することで、その取付具への直接の結合部への応力の集中を回避して、その部位の損傷の虞をなくすと共に、弾性接着剤との結合が、剥離等によって解消されても、取付具を構成する金具類によって落下が防止されるようになっているものでもある。
【0017】
本発明の2のプレート部材の取付具によれば、簡単な構成で、その一部の部材である取付片を構成し、プレート部材を余裕のある状態で支持し得るものとしている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態のプレート部材の取付具で大型の石材プレートを支持している状態を示す断面説明図。
【図2】(a)は、実施の形態のプレート部材の取付具で大型の石材プレートを支持している状態を示す平面概略説明図、(b)は、一部切欠正面説明図。
【図3】実施の形態のプレート部材の取付具で大型の石材プレートを支持している状態を示す断面概略説明図。
【図4】(a)は、図2(a)のA部拡大図、(b)は、図2(b)のB部拡大図、(c)は、図2(b)のC部拡大図、(d)は、図2(b)のD部拡大図。
【図5】(a)は、図3のE部拡大図、(b)は図3のF部拡大図、(c)は、図3のG部拡大図。
【図6】(a)は、係止片の平面図、(b)は、係止片の正面図、(c)は、係止片の側面図。
【図7】(a)は、最上部用の取付片の正面図、(b)は、最上部用の取付片の側面図、(c)は、中間部用の取付片の平面図、(d)は、中間部用の取付片の正面図、(e)は、中間部用の取付片の側面図、(f)は、最下部用の取付片の平面図、(g)は、最下部用の取付片の正面図、(h)は、最下部用の取付片の側面図。
【図8】(a)は中間部用のベース金具の平面図、(b)は中間部用のベース金具の正面図、(c)は、中間部用のベース金具の側面図。
【図9】(a)は最上部用のベース金具の平面図、(b)は最上部用のベース金具の正面図、(c)は、最上部用のベース金具の側面図。
【図10】(a)は最下部用のベース金具の平面図、(b)は最下部用のベース金具の正面図、(c)は、最下部用のベース金具の側面図。
【図11】(a)は、実施の形態で採用した石材プレートの平面図、(b)は正面図、(c)は(a)のH部の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための一つの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
この実施の形態のプレート部材の取付具は、大型の石材プレート1の取付具に構成した物であり、
図1に示すように、該石材プレート1の上下端の係止溝1a、1bに係止する舌片2a、該舌片2aの一端から延長する腕片2b、該腕片2bの後端から延長する平行片2c、該平行片2cの先端から斜め方向に延びる斜辺部2d、該斜辺部2dの先端から更に延長する接合片2e及び前記腕片2bに開口した遊嵌合用スリット部2fを備えた係止片2と、
該係止片2の腕片2bの遊嵌合用スリット部2fに、遊嵌合する上向き及び下向きの遊嵌合舌片3a、3b、該両遊嵌合舌片3a、3bの端部から延長するアーム片3c、及び該延アーム片3cの後端に接続した取付板3dを備えた取付片3と、
前記石材プレート1の上端の係止溝1aに舌片2aを係止した係止片2と該石材プレート1との間、該係止片2と該係止片2の遊嵌合用スリット部2fに遊嵌合舌片3bを遊嵌合させた取付片3及び該取付片3の取付板3dを固設したベース金具(下地)4との間、並びに該石材プレート1の下端の係止溝1bに舌片2aを係止した他の係止片2と該石材プレート1との間、該係止片2と該係止片2の遊嵌合用スリット部2fに遊嵌合舌片3aを遊嵌合させた取付片3及び該取付片3の取付板3dを固設したベース金具4との間のそれぞれに充填する弾性接着剤5と、で構成したものである。
【0021】
前記係止片2は、前記し、かつ図1、図4(a)〜(d)、図5(a)〜(c)及び図6(a)〜(c)に示すように、舌片2a、腕片2b、平行片2c、斜辺部2d、接合片2e及び遊嵌合用スリット部2fを備えたものであり、該舌片2aは、この実施の形態では、僅かに長方形状に延長した上で、その先端を部分円弧状に構成し、前記石材プレート1の係止溝1a、1bの溝底部形状とほぼ相似形の形状に構成したものである。
【0022】
前記腕片2bは、特に図1、図5(a)〜(c)及び図6(c)に示すように、該舌片2aの反対側端部から直角方向に延長した部分であり、該腕片2bには、その後端側に位置させて前記遊嵌合用スリット部2fを開口してある。この遊嵌合用スリット部2fは、前記取付片3の遊嵌合舌片3a、3bを、前後方向(該腕片2bの延長方向)に十分な余裕を持たせて嵌合できるものとする。該遊嵌合用スリット部2fの前後方向の幅は、具体的には、該遊嵌合舌片3a、3bの厚さの7〜8倍程度とする。
【0023】
前記平行片2cは、特に図6(c)に示すように、前記腕片2bの後端から前記舌片2aと対面する側にほぼ直角に折曲して構成する。また前記斜辺部2dは、該平行片2cの先端から斜め方向に延長し、図1に示すように、前記舌片2aを石材プレート1の係止溝1a、1bに装入係止した状態で、該斜辺部2dの先端が該石材プレート1の背面に当接するようにする。この実施の形態では、該平行片2cから該斜辺部2dにわたって、特に図6(b)に示すように、前記弾性接着剤5を貫通連結させるための四辺形切欠2gが開口してある。
【0024】
前記接合片2eは、図1及び図6(b)、(c)に示すように、前記斜辺部2dの先端から前記舌片2a及び平行片2cと平行に延長する。図1に示すように、前記舌片2aを石材プレート1の係止溝1a、1bに装入係止した状態で、該接合片2eの前面が該石材プレート1の背面に当接状態となるようにする。また該接合片2eには、図6(b)に示すように、二つの長穴状切欠2h、2hを開口し、上記のような石材プレート1との結合状態で、該係止片2の背後側の弾性接着剤5が、該長穴状切欠2h、2hを貫通して該石材プレート1の背面に接着接合可能であるようにするものである。
【0025】
前記取付片3は、図1、図5(b)及び図7(c)〜(e)に示すように、上向き及び下向きの遊嵌合舌片3a、3b、アーム片3c、及び取付板3dで構成したものであり、上向きの遊嵌合舌片3aは、前記アーム片3cの前端中央付近に僅かに直角に立ち上げて構成し、下向きの遊嵌合舌片3bは、該アーム片3cの、正面から見て前端右側に直角に垂下させて構成したものである。この実施の形態では、下向きの遊嵌合舌片3bの垂下長さは、上向きの遊嵌合舌片3aの約3.5倍ほどとした。該アーム片3cの前後方向の長さは、該遊嵌合舌片3a、3bが、前記係止片2の腕片2bに開口した遊嵌合用スリット部2fの中を、弾性接着剤5の弾力を利用して前後方向に動く場合に、それを妨げない長さとする。
【0026】
また前記取付板3dは、図1、図5(b)及び図7(c)〜(e)に示すように、アーム片3cの後端から直角に立ち上げた部位であり、その両側の、中間部より僅かに上方の部位に長孔状の二つの結合孔3e、3eを開口したものである。この取付板3dは、この実施の形態では、図5(b)に示すように、前記ベース金具4の前面やや上方に当接し、これに開口してある多数の取付孔4a、4a…の内から該当する位置のそれらを選んで該二つの結合孔3e、3eを一致させ、タッピングボルトであるボルトb、bを該結合孔3e、3eから該取付孔4a、4a中に装入し、後者にタップを形成しながらねじ込んで固定するものである。なお、この実施の形態では、以上のようなタッピングボルトであるボルトb、bを用いたが、一般のボルト・ナットを用いることも、場合により、リベットを用いることも可能である。
【0027】
この実施の形態では、壁面の最上部の石材プレート1の上部及び壁面の最下部の石材プレート1の下部には、以上に説明した取付片3に代えて上部用取付片13又は下部用取付片23を使用することとした。前記取付片3でも、そのまま又は使用態様を代えて使用することにより、それぞれへの使用も可能であるが、より適切な構成のそれを用いることとしたものである。
【0028】
該上部用取付片13は、図5(a)及び図7(a)、(b)に示すように、下向きの遊嵌合舌片13b、アーム片13c、及び取付板13dで構成したものである。該下向きの遊嵌合舌片13bは、該アーム片13cの前端から直角に折曲して垂下させたものであり、その垂下長さは、前記取付片3の下向きの遊嵌合舌片3bのそれと同一とした。該アーム片13cの前後方向の長さも、前記取付片3のアーム片3cの前後方向のそれと同一寸法とした。また前記取付板13dは、同図に示すように、取付片3の取付板3dと異なり、前記アーム片13cの後端から直角に折曲して垂下させたものである。
【0029】
この取付板13dは、図5(a)に示すように、この実施の形態では、後述する最上部のベース金具14に、その絡み片14cと該ベース金具14の前面との間に、上方から挿入することで、固定されるようにする。上部用取付片13は、このように、この実施の形態では、ボルトbを用いることなく、ベース金具14に固定するものである。
【0030】
また前記下部用取付片23は、図5(c)及び図7(f)〜(h)に示すように、上向きの遊嵌合舌片23a、アーム片23c、及び取付板23dで構成したものであり、上向きの遊嵌合舌片23aは、前記アーム片23cの前端中央付近に僅かに直角に立ち上げて構成したものである。この実施の形態では、該上向きの遊嵌合舌片23aの高さは、前記取付片3の上向きの遊嵌合舌片3aのそれと全く同一とした。該アーム片23cの前後方向の長さも、取付片3のアーム片3cと同一寸法とした。更に該取付板23dの構成も取付片3の取付板3dのそれと同一であり、同一寸法形状の二つの結合孔23eを同一位置に備えたものとした。
【0031】
この取付板23dは、図5(c)に示すように、この実施の形態では、後述する最下部のベース金具24の前面下部に当接し、これに開口してある多数の取付孔24a、24a…の内から対応する位置のそれらを選んで該結合孔23e、23eを一致させ、ボルトb、bを、該結合孔23e、23eから該取付孔24a、24aにタップを形成しながらねじ込んで固定するものである。なお、この場合も、この実施の形態では、以上のようなタッピングボルトであるボルトb、bを用いたが、先に説明した場合と同様に、一般のボルト・ナットを用いることも、場合により、リベットを用いて固定することも可能である。
【0032】
前記ベース金具4は、以上の説明から理解されるように、壁面の最上部と最下部以外の取付片3をこれ及び胴縁等を介して建築物の壁面に取り付けるための手段である。
【0033】
このベース金具4は、図8(a)、(b)、(c)に示すように、横長の長尺部材であり、その上下端に前方に折曲した補強片4b、4bを構成し、上下の補強片4b、4bの間の部位には、上から順に絡み片4cを備えた切欠4dの列、取付孔4aの列、固定円孔4e及び固定長孔4fの列、絡み片4cを備えた切欠4dの列が構成してある。
【0034】
個々の絡み片4cを備えた切欠4dは、同図に示すように、ベース金具4の該当する部位に横長の長方形状の切欠穴を形成することとし、その際にその高さ方向中央に両側辺をブリッジ状に繋ぐように帯片を残し、該帯片を、特に図8(a)及び(c)に示すように、該ベース金具4の正面側に押し出したものであり、切欠穴の部分が切欠4dであり、正面側に押し出された帯片が絡み片4cである。切欠4d及び絡み片4cは、弾性接着剤5がこれらに絡んで良好に結合するようにする趣旨のものである。なお、特に図8(b)に示すように、この絡み片4cを備えた切欠4dは、ベース金具4の上方の補強片4bの直下及び下方の補強片の直上の部位に、各々横方向一列にその多数が定間隔で配されているものである。
【0035】
前記取付孔4aは、前記のように、取付片3の取付板3dをボルトbを介して取り付けるためのボルト孔であり、その径に対応する孔に構成され、特に図8(b)に示すように、ベース金具4の高さ方向中央部より若干上方で、上方の絡み片4cを備えた切欠4d列の下方に、定間隔で横一列に配したものである。
【0036】
前記固定円孔4eは、円形の孔で、ベース金具4を縦胴縁6に該固定円孔4eを通じてビス(タッピングビス)Vをねじ込むことにより、固定するための孔であり、固定長孔4fは、横長の長孔であるが、同趣旨の孔であり、同径のビスVをこれを通じてねじ込むのに適した長孔に構成してあるものである。これらの固定円孔4e及び固定長孔4fは横に並べて2個一単位とし、更にこの一単位を多数並べた列を、ベース金具4の高さ方向中央部より下方で下方の絡み片4cを備えた切欠4d列の上方に、定間隔で横一列に配したものである。
【0037】
壁面の最上部に用いる最上部のベース金具14は、図9(a)、(b)、(c)に示すように、横長の長尺部材であり、その上下端に前方に折曲した補強片14b、14bを備え、上下の補強片14b、14bの間の部位には、上から順に絡み片14cを備えた切欠14dの列、固定円孔14e及び固定長孔14fの列が構成してある。
【0038】
このベース金具14は、前記補強片14b、14bの内の上部の補強片14bを正面側への突出長さが短くなるように構成してある。これは、前記したように、上部用取付片13の取付板13dを絡み片14cの内側に装入する際に、該補強片14bがその操作の邪魔にならないようにする趣旨である。なお、該絡み片14cを備えた切欠14dの列は、中間部に用いるベース金具4の絡み片4cを備えた切欠4dの列と全く同様の構成であり、固定円孔14e及び固定長孔14fの列も、中間部のベース金具4の固定円孔4e及び固定長孔4fの列と全く同様である。このベース金具14は、中間のベース金具4と比べて、取付孔4aの列が無いこと、及び絡み片14cを備えた切欠14dの列が一列しかないため、その分だけ幅が狭くなっている。
【0039】
壁面の最下部に用いる最下部のベース金具24は、図10(a)、(b)、(c)に示すように、横長の長尺部材であり、その上下端に前方に折曲した補強片24b、24bを構成し、上下の補強片24b、24bの間の部位には、上から順に絡み片24cを備えた切欠24dの列、固定円孔24e及び固定長孔24fの列、取付孔24aの列が構成してある。
【0040】
該絡み片24cを備えた切欠24dの列は、中間部のベース金具4の絡み片4cを備えた切欠4dの列と全く同様の構成であり、固定円孔24e及び固定長孔24fの列も中間部のベース金具4の固定円孔4e及び固定長孔4fの列と全く同様の構成である。更に取付孔24aの列も中間部のベース金具4の取付孔4aの列と全く同様の構成である。
【0041】
なお、以上の係止片2、取付片3、上部用取付片13、下部用取付片23、ベース金具4、最上部のベース金具14及び最下部のベース金具24は、この実施の形態では、いずれもステンレスチールで、それぞれ一体に構成したものである。
【0042】
前記弾性接着剤5は、石材プレート1、係止片2と取付片3、上部用取付片13、下部用取付片23、ベース金具4、最上部のベース金具14及び最下部のベース金具24とを結合可能であり、かつ必要な弾力性を備えたものであれば、種々のそれを自由に採用可能である。例えば、弾性系有機質接着剤である変性エポキシ樹脂接着剤、変性シリコン接着剤、或いはポリウレタン接着剤などを採用することができる。
【0043】
以下にこの実施の形態のプレート部材の取付具の用法を説明する。
この実施の形態のプレート部材の取付具は、これを使用する前に若干の準備作業をしておく必要がある。先ず準備作業から説明する。
【0044】
その一つは、対象の石材プレート1の上下端に係止溝1a、1bを形成しておくことである。石材プレート1のサイズに応じて上下端の各々の2箇所〜3箇所に形成する。この実施の形態では、図11(a)、(b)に示すように、該石材プレート1が大型であるため、その上端の3箇所に係止溝1a、1a、1aを、下端の3箇所に係止溝1b、1b、1bを形成したものである。各係止溝1a、1bは、図11(a)〜(c)に示すように、丸鋸状のカッターで部分円弧状の底面を持つ溝に形成したものである。こうして係止溝1a、1bは、極めて容易にかつスピーディに構成することもできる。なお、前記係止片2の舌片2aは、これらの係止溝1a、1bの形状に対応させて、その先端を部分円弧状に構成してあるものである。
【0045】
もう一つは、建築物の外装に適当な間隔で縦胴縁6、6…を設置しておくことである。
図2及び図3(b)に示すように、これらに設置する石材プレート1、1…の配列に合わせ、それらの横方向の目地の予定位置に合わせて、最上部には、最上部のベース金具14、14…を、中間部にはベース金具4、4…を、最下部には最下部のベース金具24、24…を、それぞれビスV、V…を利用して、該縦胴縁6、6…に固定する。ビスV、V…は、各ベース金具4、14、24の固定円孔4e、14e、24e又は固定長孔4f、14f、24fを通じて縦胴縁6、6…側に装入し、該縦胴縁6、6…にねじ込み固定するものである。
【0046】
この後の手順は、幾つかあり得るが、その一つが分かれば、他は想定できるはずであるので、その一つを説明する。
【0047】
先ず壁面の最下部から石材プレート1の取り付け作業を行う。最下部のベース金具24に下部用取付片23を取り付ける。図3、図4(d)及び図5(c)に示すように、該下部用取付片23は、アーム片23cを下にして遊嵌合舌片23aが上向きになるように配し、その取付板23dを該ベース金具24の前面に当接させ、前者の結合孔23e、23eから後者の取付孔24a、24aに、ボルトb、bを装入し、該取付孔24a、24aにタップを形成しながらねじ込み、該取付片23を該ベース金具24に固定する。
【0048】
また、最下部に配置する石材プレート1の上端相当位置(中間位置、下から2番目)のベース金具4に、図3、図4(c)及び図5(b)に示すように、最下部のベース金具24に取り付けてある前記下部用取付片23に上下対応させて、取付片3を取り付ける。該取付片3は、その取付板3dをベース金具4の前面に当接させ、その結合孔3e、3eを該ベース金具4の対応する取付孔4a、4aと一致させ、ボルトb、bを、該結合孔3e、3eから該取付孔4a、4aに挿入し、該取付孔4a、4aにタップを形成しつつねじ込んで相互を結合固定する。
【0049】
他方、石材プレート1の下端の係止溝1b、1b、1bに、図5(c)に示すように、それぞれ係止片2の舌片2aを挿入し、接合片2eを該石材プレート1の背面に当接させた上で、前記弾性接着剤5を施し、その状態を保持させる。このとき、該係止片2、2、2は、いずれもその腕片2bを下方に位置させ、舌片2aが上向きになるようにするのは云うまでもない。また該石材プレート1の上端の係止溝1a、1a、1aにも、図5(b)に示すように、係止片2の舌片2aを挿入し、接合片2eを該石材プレート1の背面に当接させた上で、同様に、前記弾性接着剤5を施し、その状態を保持させる。いずれの場合も弾性接着剤5は、背後方向に膨らむ程度に多量に施しておく。
【0050】
この後、該石材プレート1の上端を、以上の下から2番目のベース金具4に対応させ、図5(b)に示すように、これを若干持ち上げて、前者の係止片2の腕部2bに形成してある遊嵌合用スリット部2fに、後者の取付片3のアーム片3cの先端に形成してある下向きの遊嵌合舌片3bを挿入状態にし、次いで、該石材プレート1の下端を最下部のベース金具24に対応させ、前者の下部に配した係止片2の腕部2bに形成してある遊嵌合用スリット部2fに、後者の下部用取付片23の遊嵌合舌片23aを挿入する。該石材プレート1を下降させることで、該遊嵌合舌片23aを該係止片2の遊嵌合用スリット部2fに挿入する。なお、該石材プレート1の上部に対応するベース金具4に配した取付片3の下向き遊嵌合舌片3bは、上向きのそれより3.5倍ほども長く構成してあるため、石材プレート1を以上のように下降させた程度では、云うまでもなく、その上部に配した係止片2の遊嵌合用スリット部2fから離脱するようなことはない。
【0051】
また以上の取り付け操作により、石材プレート1の上下の該当部位に配した弾性接着剤5は、図5(b)及び(c)に示すように、石材プレート1の該当背面に接着し、係止片2、下部用取付片23及び取付片3に絡み、更に中間の及び最下部のベース金具4、24それ自体に接着し、更にそれらの絡み片4c、24cに絡む状態となる。
【0052】
最下部の他の石材プレート1、1…を、同様の工程で取り付けた後、前記下から2番目のベース金具4の更に上のベース金具4に、先に述べ、図3、図4(c)及び図5(b)に示すように、下方のベース金具4に配した取付片3に上下対応させて、取付片3を取り付ける。取り付け方は、当然、下から2番目のベース金具4へのその取り付け方と同様である。
【0053】
次いで、また石材プレート1の上下端にそれぞれ3個ずつ係止片2、2、2を取り付け、弾性接着剤5を施す。係止片2、2、2は、最下部に取り付けた石材プレート1について説明したのと全く同様に取り付け、弾性接着剤5も、全く同様に施す。
【0054】
次いで、以上のように準備した石材プレート1を最下部に取り付けた石材プレート1、1…の直上の位置に取り付ける。図5(b)に示すように、先ず該石材プレート1の上部を下から3番目のベース金具4に対応させ、該石材プレート1上部の係止片2の腕部2bに開口した遊嵌合用スリット部2fに、該ベース金具4に配した取付片3の下向きの遊嵌合舌片3aを挿入する。これは、石材プレート1を上昇させることによって行う。その後、該石材プレート1の下端を下方(下から2番目の)のベース金具4に対応させ、前者の下部に配した係止片2の腕部2bに形成した遊嵌合用スリット部2fに、後者の取付片3の遊嵌合舌片3aを挿入する。該石材プレート1を下降させることで、該遊嵌合舌片3aを該係止片2の遊嵌合用スリット部2fに挿入する。
【0055】
こうして、石材プレート1は、壁面に固定状態となる。弾性接着剤5も、図5(b)に示すように、石材プレート1、係止片2、取付片3及びベース金具4に、接着乃至絡み結合して、石材プレート1のベース金具4への弾力的な結合を確保するものである。
【0056】
この段の残りの石材プレート1、1…の取り付けを、同様の作業工程を繰り返すことで完了させ、更に順次上方の段の石材プレート1、1…の取り付けを同様の工程を繰り返すことで完了させる。こうして中間の全ての石材プレート1、1…の取り付けを完了させた上で、最後に、壁面の最上部の石材プレート1、1…の取り付け作業を行う。
【0057】
最上部では、初めに、それより下方の取付片3の取付位置に上下対応させて、上部用取付片13を、最上部のベース金具14に取り付ける。この取り付けは、図5(a)に示すように、上部用取付片13の取付板13dを、上方から、該ベース金具14の前面と絡み片14cとの間に装入することによって行う。こうして該ベース金具14の前面と絡み片14cの背面との間で挟持固定されるようにする訳である。
【0058】
この後、石材プレート1の上下端の各々3箇所ずつの係止溝1a、1bに、それぞれ係止片2を取り付け、弾性接着剤5を施す。該係止片2は、壁面の最下部に取り付けた石材プレート1について説明したのと全く同様の取り付け方で取り付け、弾性接着剤5も全く同様に施す。
【0059】
以上の石材プレート1を、壁面の最上部に取り付ける。図5(a)に示すように、先ず該石材プレート1の上部を最上部のベース金具14に対応させ、該石材プレート1上部の係止片2の腕部2bに開口した遊嵌合用スリット部2fに、該ベース金具14に配した上部用取付片13の下向きの遊嵌合舌片13aを挿入する。これは、該石材プレート1を上昇させることによって行う。その後、該石材プレート1の下端を下方(上から2番目)のベース金具4に対応させ、前者の下部に配した係止片2の腕部2bに形成した遊嵌合用スリット部2fに、後者の取付片3の上向きの遊嵌合舌片3aを挿入する。該石材プレート1を下降させることで、該遊嵌合舌片3aを該係止片2の遊嵌合用スリット部2fに挿入する訳である。
【0060】
最上部の石材プレート1、1…を、それらの全てについて同様の作業を繰り返すことで取り付ければ、壁面への全ての石材プレート1、1…の取り付け作業は完了である。この後は、各石材プレート1、1間の縦目地及び横目地に目地材を充填すれば、全ての作業は完了である。
【0061】
この実施の形態のプレート部材の取付具によれば、以上のように、簡単な手順で石材プレート1、1…を建築物の壁面に取り付けることができるが、これらの石材プレート1、1…は、例えば、地震等により建築物の躯体が振動乃至揺動しても、或いは、プレート部材が強い風圧を受けたり、建築物外部を移動する人や物から強い衝撃を受けたりしたとしても、係止片2、取付片3(上部取付片13、下部取付片23)及び前記弾性接着剤5を介してベース金具4(最上部のベース金具14、最下部のベース金具24)に弾力的に結合し、かつ該ベース金具4等は該建築物に胴縁6を介して固定してあるものであり、更に該係止片2と該取付片3等との結合は、遊嵌合舌片3a等と遊嵌合用スリット部2fとの遊嵌合によるものであって、余裕があり、更にその余裕のある結合が、前記弾性接着剤5により弾力的に保持されているため、該プレート部材の取付具と石材プレート1、1…との結合部である係止溝1a、1bに応力が集中するような問題が生じることはない。それ故、該石材プレート1、1…の係止溝1a、1b付近に損傷を生じさせてしまうような虞はない。また、それ故、この損傷に起因して該石材プレート1、1…が落下してしまうような虞は当然無い。
【0062】
また、石材プレート1、1…は、以上のように、地震、風圧、その他の外力がこれに掛かった場合に、弾力的に結合を確保することで、その係止溝1a、1bへの応力の集中を回避して、その部位の損傷の虞をなくすと共に、弾性接着剤5との結合が、剥離等によって解消されても、プレート部材の取付具を構成する係止片2及び取付片3等によって落下が防止されるようになっているものでもある。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のプレート部材の取付具は、建材の製造業の分野及び建築の分野で利用できるものである。
【符号の説明】
【0064】
1 石材プレート
1a 上端の係止溝
1b 下端の係止溝
2 係止片
2a 舌片
2b 腕片
2c 平行片
2d 斜辺部
2e 接合片
2f 遊嵌合用スリット部
2g 四辺形切欠
2h 長穴状切欠
3 取付片
3a 上向きの遊嵌合舌片
3b 下向きの遊嵌合舌片
3c アーム片
3d 取付板
3e 結合孔
4 ベース金具(下地)
4a 取付孔
4b 補強片
4c 絡み片
4d 切欠
4e 固定円孔
4f 固定長孔
5 弾性接着剤
6 縦胴縁
13 上部用取付片
13b 下向きの遊嵌合舌片
13c アーム片
13d 取付板
14 上部のベース金具
14b 補強片
14c 絡み片
14d 切欠
14e 固定円孔
14f 固定長孔
23 下部用取付片
23a 上向きの遊嵌合舌片
23c アーム片
23d 取付板
23e 結合孔
24 下部のベース金具
24a 取付孔
24b 補強片
24c 絡み片
24d 切欠
24e 固定円孔
24f 固定長孔
b ボルト(タッピングボルト)
V ビス(タッピングビス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート部材の上端又は下端の係止溝に係合する舌片を備えた係止片であって、該舌片の一端から直角方向に延長する腕片、該腕片の後端から該プレート部材の背後側に向かって該プレート部材の背面と平行に延長し、延長途中から該プレート部材の背面に近接すべく屈曲し、その先端部に該プレート部材の背面への当接状態で該背面と平行に延長する接合片を延長構成し、かつ前記腕片に、取付片の舌片を遊嵌合する遊嵌合用スリット部を形成した係止片と、
該係止片の腕片の遊嵌合用スリット部に、遊嵌合する上向き及び下向きの遊嵌合舌片、該両遊嵌合舌片の端部から直角方向に屈曲して延長するアーム片、及び該延アーム片の後端から直角方向に屈曲した取付板を備えた取付片と、
前記プレート部材の上端の係止溝に舌片を係止した係止片と該プレート部材との間、該係止片と該係止片の遊嵌合用スリット部に遊嵌合舌片を遊嵌合させた取付片及び該取付片の取付板を固設した下地との間、並びに該プレート部材の下端の係止溝に舌片を係止した他の係止片と該プレート部材との間、該係止片と該係止片の遊嵌合用スリット部に遊嵌合舌片を遊嵌合させた取付片及び該取付片の取付板を固設した下地との間のそれぞれに充填する弾性接着剤と、
で構成したプレート部材の取付具。
【請求項2】
前記取付片を、四辺形の板状のアーム片と、該アーム片の先端の半分には下向きに、残りの半分には上向きに、それぞれ形成した遊嵌合舌片と、該アーム片の後端に直角方向に屈曲して形成した取付板と、で構成した請求項1のプレート部材の取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−38327(P2011−38327A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186883(P2009−186883)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(500332984)株式会社ヒロコーポレーション (15)
【Fターム(参考)】