説明

プログラマブル表示器

【課題】制御対象の動作状態の把握、異常発生の際の検証の容易化を可能とするプログラマブル表示器を得ること。
【解決手段】動画データ記憶手段4と、ログデータ記憶手段8と、動画データによる映像とログデータの内容とを表示する表示手段12と、動画データとログデータとを共通の時間軸により一元管理するために動画データとログデータとに付与される時刻データを生成する時刻データ生成手段21と、表示手段12に表示されている映像に基づいて時間軸における検索対象時点が指定されることにより、当該検索対象時点に対応する時刻データが付与されたログデータを検索し、または、表示手段12に表示されているログデータの内容に基づいて時間軸における検索対象時点が指定されることにより、当該検索対象時点に対応する時刻データが付与された動画データを検索するデータ検索手段22と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブル表示器、特に、制御装置による制御内容に対応した表示を可能とするプログラマブル表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プログラマブル表示器は、FA関連等でのシーケンサのHMI(Human Machine Interface)デバイスのインターフェース機器として使用されている。プログラマブル表示器に対しては、制御対象機器の状態変化を報知し、状態変化の原因を分析する等の対策に関する支援を可能とすることについて要請がなされている。制御対象機器に異常が生じた際の状態を確認することを目的として、例えば、特許文献1には、時刻データが関連付けられた動画データを生成し、格納する技術が提案されている。特許文献1に係る技術によると、プログラマブル表示器は、制御プログラムにおける各命令に対応するシンボルが選択されることにより、選択されたシンボルに関連付けされている時刻を検索し、その時刻に近い時間帯の映像を表示する。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、状態データに同期させた動画データを格納し、状態データをキーワードとして動画データを検索可能とする技術が提案されている。特許文献2に係る技術によると、プログラマブル表示器は、制御状態に対応する状態データをキーワードとして動画データを検索する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第05/91098号
【特許文献2】特開2005−56098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術のいずれも、制御対象機器の制御状態から動画データを検索するものであるから、制御対象機器の動作状態の確認のためにログデータの確認が必要となる。このため、制御対象機器に生じた何らかの異常に対して、制御対象機器の動作状態を即座に把握することが困難な場合が生じ得る。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、制御対象の動作状態の把握、異常発生の際の検証の容易化を可能とするプログラマブル表示器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御対象を撮像することにより取得された動画データを保持する動画データ記憶手段と、前記制御対象の動作状態を内容とするログデータを保持するログデータ記憶手段と、前記動画データ記憶手段に保持された前記動画データによる映像と、前記ログデータ記憶手段に保持された前記ログデータの内容と、を表示する表示手段と、前記動画データ記憶手段に保持された前記動画データと前記ログデータ記憶手段に保持された前記ログデータとを共通の時間軸により一元管理するために前記動画データと前記ログデータとに付与される時刻データを生成する時刻データ生成手段と、前記表示手段に表示されている前記映像に基づいて前記時間軸における検索対象時点が指定されることにより、当該検索対象時点に対応する前記時刻データが付与された前記ログデータを検索し、または、前記表示手段に表示されている前記ログデータの内容に基づいて前記時間軸における検索対象時点が指定されることにより、当該検索対象時点に対応する前記時刻データが付与された前記動画データを検索するデータ検索手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動画データとログデータとを相互に検索し、検索されたデータに基づく表示を可能とすることにより、制御対象の動作状態の把握、異常発生の際の検証を容易化させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施の形態1に係るプログラマブル表示器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、表示手段の表示画面における表示の一例を説明する図である。
【図3】図3は、実施の形態2に係るプログラマブル表示器の特徴部分の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、入力手段への入力指示と、その対応機能との一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係るプログラマブル表示器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るプログラマブル表示器100の概略構成を示すブロック図である。プログラマブル表示器100は、PLC(Programmable Logic Controller)等の外部制御装置6が制御する制御対象機器の動作状態を表示する。プログラマブル表示器100は、動画データ処理手段3、動画データ記憶手段4、時刻データ管理部5、外部装置接続インターフェース(I/F)7、ログデータ記憶手段8、総括処理手段9、入力手段10、表示生成部11、表示手段12および音響生成部13を有する。プログラマブル表示器100は、撮像手段1、集音手段2、外部制御装置6および発音手段14に接続されている。
【0011】
外部制御装置6は、制御対象機器(図示省略)に接続されている。撮像手段1は、制御対象機器の動作の様子を撮像するカメラである。撮像手段1は、制御対象機器を撮像可能な位置に設置される。集音手段2は、音声を取得するマイクである。集音手段2は、制御対象機器で発生した音声を取得可能な位置に設置される。
【0012】
動画データ処理手段3は、撮像手段1において取得された撮像データと、集音手段2において取得された音声データとを同期させる処理により、動画データを生成する。外部装置接続I/F7は、制御対象機器の動作状態を内容とするログデータを生成する。ログデータは、例えば、制御対象機器で異常が生じた際のアラームや、外部制御装置6による制御対象機器の操作ログ履歴である。
【0013】
時刻データ管理部5は、時刻データ生成手段21およびデータ検索手段22を備える。時刻データ生成手段21は、時刻データを生成する。動画データ記憶手段4は、動画データ処理手段3から出力された動画データを、時刻データ生成手段21から出力される時刻データを付与して保持する。ログデータ記憶手段8は、外部装置接続I/F7から出力されたログデータを、時刻データ生成手段21から出力される時刻データを付与して保持する。時刻データは、動画データ記憶手段4に保持された動画データとログデータ記憶手段8に保持されたログデータとを共通の時間軸により一元管理するために、動画データとログデータとに付与される。データ検索手段22は、動画データ記憶手段4に保持されている動画データと、ログデータ記憶手段8に保持されているログデータとを検索する。
【0014】
総括処理手段9は、入力手段10への入力操作により生成された入力指示データに基づいて、表示生成部11における表示の生成、音響生成部13による音声の生成のための処理を行う。また、総括処理手段9は、入力手段10からの指示により、データ検索手段22に動画データおよびログデータを検索させ、動画データ記憶手段4から取り出された動画データ、ログデータ記憶手段8から取り出されたログデータを処理する。表示生成部11は、総括処理手段9からの出力に応じて、表示データを生成する。音響生成部13は、総括処理手段9からの出力に応じて、音声データを生成する。
【0015】
表示手段12は、表示生成部11において生成された表示データをグラフィック表示する。表示手段12は、例えば、液晶表示装置を備える。発音手段14は、音響生成部13で生成された音声データを音声に変換して発生させるスピーカを備える。発音手段14から発生させる音声は、例えばアラーム音である。また、動画データの再生において、表示手段12による映像の再生と、発音手段14による音声の再生とを同時に行うこととしても良い。
【0016】
入力手段10は、オペレータによる入力操作を受け付ける。入力手段10は、例えば、表示手段12の表示画面上に配設されているタッチパネルを備える。入力手段10は、タッチパネルに代えて、マウスその他のポインティングデバイスを操作させるものとしても良い。プログラマブル表示器100は、外部制御装置6に対する操作を入力手段10で受け付け、入力手段10への入力操作により生成された入力指示データを外部制御装置6に伝送することとしても良い。
【0017】
図2は、表示手段12の表示画面200における表示の一例を説明する図である。動画表示ウィンドウ300は、動画データによる映像を表示するウィンドウである。タッチパネルが配設された表示画面200表面のうち、動画操作ボタン301が表示されている部分は、動画表示ウィンドウ300における動画の再生に関する入力操作を受け付ける。動画操作ボタン301は、動画の再生、停止、早送り、頭出しなどの各キーを備える。
【0018】
タイムバー302は、動画データ記憶手段4に保持されている動画データの時間軸を表している。タイムバー302上に示されているインジケータ303は、動画表示ウィンドウ300に表示されている映像が、動画データ記憶手段4に保持されている動画データの時間軸のうちのどの時点のものであるか、時間軸における再生ポイントを示す。また、インジケータ303は、タイムバー302上で移動させることにより、動画の再生ポイントを調整するためのキーでもある。インジケータ303は、動画表示ウィンドウ300で表示させる映像の、時間軸における再生ポイントを調整するための再生ポイント調整手段として機能する。
【0019】
オペレータがタイムバー302上でインジケータ303を移動させると、インジケータ303が示す再生ポイントにおける映像が動画表示ウィンドウ300に表示される。時刻表示ウィンドウ400は、動画表示ウィンドウ300に表示されている映像が、動画データの時間軸におけるどの時点のものであるか、動画の再生ポイントを時刻で表示する。ランプ・スイッチ表示401は、点灯、消灯、色の変更等によって、制御対象機器のON/OFFや、制御対象機器で異常が生じたことを報知する警告の有無などを表示する。
【0020】
数値入力表示ウィンドウ402は、外部制御装置6の制御に関して入力された数値を表示する。アラームログ表示ウィンドウ403は、制御対象機器で異常が生じた際のアラームや、外部制御装置6による制御対象装置の操作ログ履歴を表示する。グラフ表示ウィンドウ404は、ログデータ記憶手段8に保持されたログデータの内容を、時間軸を用いたトレンドグラフとして表示するウィンドウである。トレンドグラフは、折れ線の高低によって各種数値の変化を示したグラフであって、所定の方向、例えば表示画面200上の左右方向を時間軸として表されている。
【0021】
トレンドグラフは、グラフ表示ウィンドウ404において時間軸の方向、例えば左右方向へタッチ位置を移動させることにより、アラームログ表示ウィンドウ403内でスクロールされる。タッチパネルが配設された表示画面200表面のうち、グラフ表示ウィンドウ404が表示されている部分は、時間軸のうちトレンドグラフを表示させる範囲を指定するための表示範囲指定手段として機能する。なお、トレンドグラフは、折れ線グラフ以外のグラフであっても良く、時間軸の向きを例えば上下方向とするなど適宜変形しても良い。
【0022】
ここで、動画表示ウィンドウ300に表示されている映像からログデータを検索する手法を説明する。オペレータは、動画表示ウィンドウ300に表示される映像を見ながらタイムバー302上でインジケータ303を移動させ、動画表示ウィンドウ300に表示させている映像から、所望とする検索対象時点を指定する。データ検索手段22は、動画表示ウィンドウ300に表示されている動画データに付与されている時刻データを参照する。
【0023】
データ検索手段22は、参照された時刻データと同じ時刻データが付与されているログデータをログデータ記憶手段8から検索する。総括処理手段9は、ログデータ記憶手段8から取り出されたログデータがグラフ表示ウィンドウ404の基準位置となるようなトレンドグラフを、グラフ表示ウィンドウ404に更新表示させる。グラフ表示ウィンドウ404の基準位置とは、例えば、グラフ表示ウィンドウ404の左右方向における中央位置とする。図中、グラフ表示ウィンドウ404の基準位置は、ウィンドウの外縁部分に三角形を付して示した実線の位置とする。このように、表示手段12に表示された映像に基づいて、時間軸における検索対象時点が指定されることにより、データ検索手段22は、当該検索対象時点におけるログデータを検索する。
【0024】
次に、グラフ表示ウィンドウ404に表示されているグラフから動画データを検索する手法を説明する。オペレータは、グラフ表示ウィンドウ404のトレンドグラフを見ながらトレンドグラフをスクロールすることにより、所望とする検索対象時点を指定する。データ検索手段22は、グラフ表示ウィンドウ404の基準位置となるログデータに付与されている時刻データを参照する。
【0025】
データ検索手段22は、参照された時刻データと同じ時刻データが付与されている動画データを動画データ記憶手段4から検索する。総括処理手段9は、動画データ記憶手段4から取り出された動画データによる映像を、動画表示ウィンドウ300に更新表示させる。このように、表示手段12に表示されたログデータの内容に基づいて、時間軸における検索対象時点が指定されることにより、データ検索手段22は、当該検索対象時点における動画データを検索する。
【0026】
プログラマブル表示器100は、動画データとログデータとを共通の時間軸により一元管理するための時刻データを動画データとログデータとに付与することにより、映像を元にするログデータの検索と、ログデータの内容を元にする動画データの検索とが可能となる。プログラマブル表示器100は、動画データとログデータとの相互における検索を可能とし、検索されたデータに基づく表示が可能となる。アラームログ表示ウィンドウ403におけるアラーム、操作ログの選択や、動画操作ボタン301の操作により一意的に動画データの頭出し処理をするのではなく、時間軸における任意の箇所の映像、ログデータを表示させることが可能であるので、異常発生時の前後の状況を把握し易くし、状況把握が容易となる。これにより、制御対象の動作状態の把握、異常発生の際の検証を容易化させることができるという効果を奏する。
【0027】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係るプログラマブル表示器の特徴部分の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るプログラマブル表示器は、入力指示データが特定入力指示データに合致する場合に、表示手段12による映像の表示に対して、特定入力指示データに対応する機能を実行させることを特徴とする。プログラマブル表示器のうち本実施の形態で説明する構成以外の構成は、実施の形態1に係るプログラマブル表示器100(図1参照)と同様である。本実施の形態において、実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
入力判断手段15は、総括処理手段9に設けられている。入力判断手段15は、入力手段10で受け付けた入力操作に基づいて生成された入力指示データが、映像の再生についての機能に対応させて予め設定されている特定入力指示データに合致するか否かを判断する。入力判断手段15は、入力指示データが特定入力指示データに合致すると判断した場合に、特定入力指示データに対応する機能に応じた表示を表示生成部11に生成させ、特定入力指示データに対応する機能を実行させる。
【0029】
図4は、入力手段10への入力指示と、その対応機能との一例を示す図である。プログラマブル表示器には、タッチパネルが配設された表示画面200(図2参照)表面におけるタッチ位置の移動軌跡と、それに対応する機能とが予め設定されている。例えば、動画表示ウィンドウ300が表示されている部分において、図中「No.1」に示すように、「Z」の文字と同様の軌跡でタッチ位置を移動させる特定入力指示データに対して、映像の一部を拡大して表示する「拡大表示」機能が設定されているとする。また、映像のうち拡大表示する範囲は、タッチ位置の始点1000の座標と終点1001の座標とで決定されるものとする。
【0030】
動画表示ウィンドウ300に映像が表示されている状態において、オペレータが「Z」の文字と同様の軌跡でタッチ位置を移動させたとする。入力手段10は、タッチ位置を移動させた軌跡、動画表示ウィンドウ300内におけるタッチ位置の始点1000の座標、終点1001の座標を含む入力指示データを出力する。この場合、タッチ位置を移動させた軌跡は、上記の「No.1」で示す特定入力指示データと一致することから、入力判断手段15は、入力手段10からの入力指示データが特定入力指示データに合致すると判断する。入力判断手段15は、特定入力指示データのうち始点1000の座標と終点1001の座標とに応じて、映像のうち拡大表示させる範囲と、拡大倍率とを決定し、総括処理手段9へ出力する。表示手段12は、総括処理手段9による制御に応じて、映像を拡大表示させる。
【0031】
例えば、動画表示ウィンドウ300の左右方向をX方向、上下方向をY方向とする。映像を拡大表示させる範囲は、例えば、始点1000および終点1001の間のX方向の長さ、またはY方向の長さを一辺とする矩形領域とする。拡大倍率は、例えば、始点1000および終点1001の間のX方向長さに対する動画表示ウィンドウ300のX方向長さの倍率、または、始点1000および終点1001の間のY方向長さに対する動画表示ウィンドウ300のY方向長さの倍率とする。動画表示ウィンドウ300は、オペレータによる入力操作によって指示された範囲について、指示された拡大倍率で、映像を拡大表示する。
【0032】
また、図中No.2に示すように、「W」の文字と同様の軌跡でタッチ位置を移動させる場合の入力指示に対して、映像の拡大表示を解除させる「拡大表示解除」機能が設定されているとする。「W」の文字と同様の軌跡でタッチ位置を移動させる特定入力指示データに対して、入力手段10は、タッチ位置を移動させた形状、動画表示ウィンドウ300内におけるタッチ位置の始点1000の座標、終点1001の座標を含む入力指示データを出力する。
【0033】
オペレータが「W」の文字と同様の軌跡でタッチ位置を移動させた場合、入力判断手段15は、入力手段10からの入力指示データが特定入力指示データに合致すると判断する。動画表示ウィンドウ300は、オペレータによる入力指示に応じて、拡大表示を解除し、映像を拡大前の倍率に戻す。なお、特定入力指示データとして設定されるタッチ位置の移動軌跡は、本実施の形態で説明するものに限られず、いずれの機能の実行を指示する入力操作であるかを識別可能であれば良く、適宜変形しても良い。
【0034】
一般に、従来のプログラマブル表示器は、表示画面上に表示される映像の再生操作には、所定の動作を実行する固有の操作部が使用される。固有の操作部を使用する場合、映像の部分拡大表示は、操作部の操作により予め指定された倍率でなされることとなる。本実施の形態に係るプログラマブル表示器は、表示画面200上でタッチ位置を移動させることにより、映像のうち任意の箇所について、任意の倍率でクローズアップすることが可能となる。映像の詳細部分が即座に確認可能となることにより、制御対象の動作状態の把握、異常発生の際の検証の容易化が可能となるという効果を奏する。また、特定入力指示データが設定されている機能について、固有の操作部を不要とすることができる。
【0035】
なお、特定入力指示データが設定される機能は、拡大表示機能および拡大表示解除機能である場合に限られない。例えば、拡大表示機能については特定入力指示データを設定することとし、拡大表示解除機能は、入力手段における他の入力操作により実行することとしても良い。また、特定入力指示データは、映像の再生についての他の機能、例えば、再生、再生停止、再生一時停止、早送り、巻き戻しなどの機能に対して設定しても良い。タッチパネル上でタッチ位置を移動させる軌跡ごとにこれらの機能を対応させることにより、映像の再生についての固有の操作部をさらに少なくすることができる。
【0036】
なお、上述したプログラマブル表示器の動作は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。これらのプログラムは、コンピュータで読取可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、これらのプログラムは、インタネットなどのネットワーク(通信回線)を介して配布することとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明に係るプログラマブル表示器は、外部制御装置の制御に関するさまざまなログデータと動画データとの関連を検証する場合に有用である。
【符号の説明】
【0038】
4 動画データ記憶手段
8 ログデータ記憶手段
10 入力手段
12 表示手段
15 入力判断手段
21 時刻データ生成手段
22 データ検索手段
100 プログラマブル表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象を撮像することにより取得された動画データを保持する動画データ記憶手段と、
前記制御対象の動作状態を内容とするログデータを保持するログデータ記憶手段と、
前記動画データ記憶手段に保持された前記動画データによる映像と、前記ログデータ記憶手段に保持された前記ログデータの内容と、を表示する表示手段と、
前記動画データ記憶手段に保持された前記動画データと前記ログデータ記憶手段に保持された前記ログデータとを共通の時間軸により一元管理するために前記動画データと前記ログデータとに付与される時刻データを生成する時刻データ生成手段と、
前記表示手段に表示されている前記映像に基づいて前記時間軸における検索対象時点が指定されることにより、当該検索対象時点に対応する前記時刻データが付与された前記ログデータを検索し、または、前記表示手段に表示されている前記ログデータの内容に基づいて前記時間軸における検索対象時点が指定されることにより、当該検索対象時点に対応する前記時刻データが付与された前記動画データを検索するデータ検索手段と、
を有することを特徴とするプログラマブル表示器。
【請求項2】
前記検索対象時点を指定するための入力操作を受け付ける入力手段を有し、
前記入力手段は、前記表示手段で表示させる前記映像の、前記時間軸における再生ポイントを調整するための再生ポイント調整手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル表示器。
【請求項3】
前記検索対象時点を指定するための入力操作を受け付ける入力手段を有し、
前記表示手段は、前記ログデータの内容をグラフとして表示し、
前記入力手段は、前記時間軸のうち前記グラフを表示させる範囲を指定するための表示範囲指定手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のプログラマブル表示器。
【請求項4】
制御対象を撮像することにより取得された動画データを保持する動画データ記憶手段と、
前記動画データ記憶手段に保持された前記動画データによる映像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される動画の再生についての入力操作を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた前記入力操作に基づいて生成された入力指示データが、前記映像の再生についての機能に対応させて予め設定されている特定入力指示データに合致するか否かを判断する入力判断手段と、を有し、
前記入力判断手段は、前記入力指示データが前記特定入力指示データに合致すると判断した場合に、前記表示手段による前記映像の表示に対して、前記特定入力指示データに対応する機能を実行させることを特徴とするプログラマブル表示器。
【請求項5】
前記特定入力指示データに対応する機能として、前記映像の一部を拡大表示させる拡大表示機能を含むことを特徴とする請求項4に記載のプログラマブル表示器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−118567(P2012−118567A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79693(P2009−79693)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】