説明

プログラム、および、画像処理装置

【課題】画像処理装置の機能が、使用されずに、埋没してしまうことを抑制する技術を提供すること。
【解決手段】 画像処理に関する複数種類の機能を実行可能な画像処理装置であって、
表示部と、ユーザの実行指示を受け付けるための設定画面を表示部に表示させる設定画面表示制御部と、ユーザから設定画面を介して特定の指示が指定された場合に満たされる実行条件を含む表示条件と、機能と、をそれぞれ対応付けて管理する管理部から、表示条件に対応付けられた機能である対応機能に関する情報を取得する取得部と、特定の指示が指定されることにより表示条件が満たされる場合であって、対応機能の使用頻度が所定値よりも低い場合に、対応機能に関連する関連情報を、取得した対応機能に関する情報を用いて表示部に表示させる関連情報表示制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理に関する複数種類の機能を実行させるための設定画面を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、プリンタは、様々な機能を備えている。例えば、印刷を行う場合には、通常の印刷機能に加えて、両面印刷機能、2 in 1機能、トナーセーブ機能、および、ウォーターマーク機能などの複数の機能が、プリンタで実行され得る。ユーザは、このような機能を説明書(マニュアル)やホームページなどを見て、把握し得る。しかし、ユーザにとって、一つ一つの機能を説明書(マニュアル)やホームページなどを見て確認し、理解することは、負担となる。この結果、ユーザにとって便利な機能がプリンタに搭載されている場合であっても、その機能が、使用されずに、埋没してしまう可能性があった。特許文献1では、プリンタにおいて、ユーザの使用頻度が低い機能がある場合に、その機能の内容を示すヒント表示情報を印刷設定画面上に表示する技術が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−48035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の技術のように、ユーザの使用頻度が低い機能についてヒント表示情報を表示しただけでは、多くの機能が、使用されずに、埋没してしまうという問題を解決するには十分でなかった。このような問題は、プリンタに限らず、他の画像処理装置(例えば、スキャナやデジカメ)にも共通する問題であった。
【0005】
本発明は、画像処理装置の機能が、使用されずに、埋没してしまうことを抑制する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
画像処理に関する複数種類の機能を実行可能な画像処理装置に実行指示するための設定画面を表示するためのプログラムであって、
(A)前記設定画面を表示部に表示させる手順と、
(B)ユーザから前記設定画面を介して特定の指示が指定された場合に満たされる実行条件を含む表示条件と、前記機能と、をそれぞれ対応付けて管理する管理部から、前記表示条件に対応付けられた機能である対応機能に関する情報を取得する手順と、
(C)前記特定の指示が指定されることにより前記表示条件が満たされる場合であって、前記対応機能の使用頻度が所定値よりも低い場合に、前記対応機能に関連する関連情報を、取得した前記対応機能に関する情報を用いて前記表示部に表示させる手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
上記構成によれば、表示条件が満たされた場合に、表示条件に対応付けられ、使用頻度が所定値より低い対応機能に関連する関連情報が、表示部に表示されるので、ユーザからの特定の指示が指定された場合に、所定の関連情報を表示することとなる。従って、ユーザが実行指示をしたタイミングで、有効な関連情報をユーザに認知させることができる。従って、ユーザによって、対応機能の使用が促進され得る。その結果、画像処理装置の機能が、使用されずに、埋没してしまうことを抑制することができる。
【0008】
[適用例2]
適用例1に記載のプログラムであって、
前記表示条件は、
前記画像処理装置の状態が特定状態である場合に満たされる装置状態条件、および、前記複数種類の機能のうちの特定機能の実行実績が特定レベル以上である場合に満たされる機能実績条件のうちの少なくとも一方を、を含む、
プログラム。
上記構成によれば、装置状態条件、および、機能実績条件のうちの少なくとも一方が満たされる場合に、これら条件を含む表示条件に対応付けられた機能の関連情報が、表示部に表示される。このようにすれば、関連情報は、ユーザの所望度が高い情報となり、画像処理装置の機能(関連情報に関連する対応機能)の使用がより促進され得る。
【0009】
[適用例3]
適用例1または2に記載のプログラムであって、
前記手順(C)は、
(C1)前記関連情報として、前記関連情報に関連する前記対応機能の設定項目の設定のための対応設定画面を、前記表示部に表示する手順を含み、
前記プログラムは、
(D)前記対応設定画面を介して前記ユーザから設定変更指示がなされた場合に、前記設定変更指示に基づいて、前記関連情報に関連する前記対応機能の設定項目の設定を変更する手順を、
前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
上記構成によれば、ユーザは、実行指示をした際に、対応機能に関連する関連情報(対応設定画面)に従って、対応機能の設定項目の設定変更を実行することができる。その結果、ユーザは、対応機能の設定項目の設定を、ユーザの所望の設定に容易に変更することができるので、ユーザによる画像処理装置の機能(対応機能)の使用が促進され得る。
【0010】
[適用例4]
適用例3に記載のプログラムであって、
前記手順(C1)は、
前記対応機能について複数の設定項目を設定可能な場合には、前記対応機能の前記複数の項目をそれぞれ設定するための複数の前記対応設定画面を、前記関連情報として、順番に前記表示部に表示する手順を含む、
プログラム。
上記構成によれば、ユーザは、実行指示をした際に、順番に表示される対応設定画面に従って、対応機能の複数の設定項目の設定変更を、混乱せずに円滑に実行することができる。
【0011】
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれかに記載のプログラムであって、
(E)前記複数種類の機能のうち、前記実行指示によって指示された機能を前記画像処理装置に実行させる手順と、
(F)前記複数種類の機能の実行実績に応じた実績レベルを前記表示部に表示する手順と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
上記構成によれば、複数種類の機能の実行実績に応じた実績レベルを表示部に表示するので、複数種類の機能を使うことに対するインセンティブをユーザに付与することができる。その結果、ユーザによる画像処理装置の機能の使用が促進され得る。
【0012】
[適用例6]
適用例5に記載のプログラムであって、
前記実績レベルの上限は、前記複数種類の機能のうち、実行された機能の種類の数が多いほど高い、
プログラム。
上記構成によれば、表示される実績レベルの上限は、実行された機能の種類の数が多いほど高いので、より高い実績レベルが表示されるためには、より多くの種類の機能の実行が要求される。従って、より多くの種類の機能を使うことに対するインセンティブをユーザに付与することができ、その結果、ユーザによる画像処理装置の機能の使用がより促進され得る。
【0013】
[適用例7]
適用例1ないし6に記載のプログラムであって、
(G)複数のユーザのうちの、特定のユーザを識別するユーザ識別情報を取得する手順を、前記コンピュータに実行させ、
前記複数種類の機能の前記使用頻度を表す頻度情報が、ユーザごとに管理部によって、管理されており、
前記実行条件は、前記ユーザ識別情報によって識別されたユーザである識別ユーザの前記実行指示に前記特定の指示が含まれている場合に満たされる条件であり、
前記手順(C)は、
(C2)前記頻度情報のうち、前記複数種類の機能のうちの前記表示条件に対応付けられた前記対応機能における前記識別ユーザの前記頻度情報を取得する手順と、
(C3)前記実行条件を含む前記表示条件が満たされる場合であって、取得した前記頻度情報が表す前記使用頻度が前記所定値より低い場合に、取得した前記頻度情報に対応する前記対応機能に関連する前記関連情報を、前記識別ユーザに対する情報として、前記表示部に表示させる手順と、
を含む、プログラム。
上記構成によれば、識別ユーザにおける対応機能の使用頻度が所定値より低い場合に、対応機能に関連する関連情報が、識別ユーザに対する情報として、表示される。すなわち、複数のユーザのうち、対応機能の使用頻度が所定値より低いユーザに対して、対応機能に関連する関連情報が、選択的に表示される。従って、対応機能の使用頻度が所定値より低いユーザによって、対応機能の使用が促進され、その結果、複数のユーザによる画像処理装置の機能の使用が促進され得る。
【0014】
[適用例8]
画像処理に関する複数種類の機能を実行可能な画像処理装置であって、
表示部と、
ユーザの実行指示を受け付けるための設定画面を前記表示部に表示させる設定画面表示制御部と、
ユーザから前記設定画面を介して特定の指示が指定された場合に満たされる実行条件を含む表示条件と、前記機能と、をそれぞれ対応付けて管理する管理部から、前記表示条件に対応付けられた機能である対応機能に関する情報を取得する取得部と、
前記特定の指示が指定されることにより前記表示条件が満たされる場合であって、前記対応機能の使用頻度が所定値よりも低い場合に、前記対応機能に関連する関連情報を、取得した前記対応機能に関する情報を用いて前記表示部に表示させる関連情報表示制御部と、
を備える画像処理装置。
上記構成によれば、表示条件が満たされる場合に、表示条件に対応付けられ、使用頻度が所定値より低い対応機能に関連する関連情報が、表示部に表示されるので、ユーザからの特定の指示が指定された場合に、所定の関連情報を表示することとなる。従って、ユーザが実行指示をしたタイミングで、有効な関連情報をユーザに認知させることができる。従って、ユーザによって、対応機能の使用が促進され得る。その結果、画像処理装置の機能が、使用されずに、埋没してしまうことを抑制することができる。
【0015】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、画像処理装置の設定画面を表示させるためのプログラムの他、画像処理装置の処理を実行するためにコンピュータ端末装置にインストールされたデバイスドライバなど、種々のプログラム形態で実現することができる。また、プログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。さらに、画像処理装置の他、例えば、プリンタ、スキャナ、デジタルカメラ、印刷システムなどの装置形態で実現することができる。また、画像処理装置の制御方法など種々の方法形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実績表の概要を示す図である。
【図3】条件機能対応表の一例を示す図ある。
【図4】状況一覧表を示す図である。
【図5】プリンタドライバ起動処理を示すフローチャートである。
【図6】操作画面の一例を示す図である。
【図7】アシストモード印刷処理を示すフローチャートである。
【図8】対応機能の設定項目を2つ変更する場合の操作画面を示す図である。
【図9】変形例における関連情報としてのナビゲーション動画を説明するための図である。
【図10】変形例における状況一覧表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.実施例:
A−1.画像処理システムの構成:
図1は、実施例における画像処理システムの構成を示すブロック図である。画像処理システム1000は、複合機(周辺機器)200と、パーソナルコンピュータ(ユーザ計算機とも呼ぶ)300と、サーバ400とを備えている。複合機200とユーザ計算機300とは、第1ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)500に接続されている。サーバ400は、第2ローカルエリアネットワーク600に接続されている。第1ローカルエリアネットワーク500と第2ローカルエリアネットワーク600とは、インターネット700に接続されている。
【0018】
ユーザ計算機300は、CPU(Central processing unit)310と、半導体メモリやハードディスクドライブなどの記憶装置340と、ネットワーク(例えば、第1ローカルエリアネットワーク500)に接続するためのインタフェース(I/F)を含む通信部350と、液晶ディスプレイなどの表示部360と、キーボードやポインティングデバイスなどの操作部370と、を備えている。
【0019】
記憶装置340は、複合機200のためのドライバプログラム342と、条件機能対応表343と、状況一覧表344と、関連情報345と、実績表346とが格納されている。また、記憶装置340は、各種のプログラムやデータも格納されている。これらプログラムやデータは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供され得る。ドライバプログラム342は、後述のプリンタドライバ起動処理、および、アシストモード印刷処理などをCPU310に実現させるためのプログラムである。条件機能対応表343、状況一覧344、関連情報345、および、実績表346についての詳細は、後述する。
【0020】
CPU310は、記憶装置340に格納されたプログラムを実行することにより、アプリケーション実行部N10と、プリンタドライバ部N20として機能する。アプリケーション実行部N10は、種々のアプリケーションを実行する。
【0021】
プリンタドライバ部N20は、ドライバプログラム342に基づいて、後述のプリンタドライバ起動処理およびアシストモード印刷処理を実行し得る。プリンタドライバ部N20は、これらの処理で、例えば、アプリケーション実行部N10から印刷対象の画像を表す画像データを取得し、取得した画像データを用いて印刷データを生成し、生成した印刷データを複合機200に供給する。
【0022】
プリンタドライバ部N20は、設定画面表示制御部N21と、取得部N22と、関連情報表示制御部N23と、設定変更部N25と、実績表示制御部N27と、識別情報取得部N28と、を含む。関連情報表示制御部N23は、対応設定画面表示制御部N23aと、履歴情報取得部N23bと、を含む。また、対応設定画面表示制御部N23aは、複数設定画面表示制御部N23a1と、ユーザ別表示制御部N23a2と、を含む。これら機能モジュールの処理については、後述のプリンタドライバ起動処理およびアシストモード印刷処理で、詳細を説明する。
【0023】
複合機200は、CPU210と、半導体メモリやハードディスクドライブなどの記憶装置240と、ネットワークに接続するためのインタフェース(I/F)を含む通信部250と、液晶パネルなどの表示パネル260と、ユーザの操作を受け付ける各種のボタンやタッチパネルなどの操作部270と、周知の方式(例えば、レーザー、インクジェット)で印刷媒体に画像を形成する印刷実行部280と、周知のセンサ(例えば、CIS(Contact Image Sensor)方式のイメージセンサ)によって原稿を読み取って、画像データを生成するスキャナ部290と、を備えている。
【0024】
記憶装置240は、パネル制御プログラム242と、条件機能対応表243と、状況一覧表244と、関連情報245と、実績表246と、印刷制御プログラム247と、が格納されている。また、記憶装置240は、各種のプログラムやデータも格納されている。これらプログラムやデータは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供され得る。パネル制御プログラム242は、後述のプリンタドライバ起動処理、および、アシストモード印刷処理などをCPU210に実現させるためのプログラムである。条件機能対応表243、状況一覧表244、関連情報245、および、実績表246は、記憶装置340に記憶される条件機能対応表343、状況一覧344、関連情報345、および、実績表346と、それぞれ、同一である。
【0025】
CPU210は、記憶装置240に格納されたパネル制御プログラム242を実行することにより、パネル制御部M20として機能し、印刷制御プログラム247を実行することにより、印刷制御部M10として機能する。パネル制御部M20は、パネル制御プログラム242に基づいて、後述のプリンタドライバ起動処理およびアシストモード印刷処理を実行し得る。
【0026】
印刷制御部M10は、プリンタドライバ部N20、または、パネル制御部M20からの印刷要求に基づいて、印刷実行部280を制御して、印刷を実行させる。具体的には、印刷制御部M10が受け付けるプリンタドライバ部N20からの印刷要求は、印刷データを含んでいる。印刷制御部M10は、プリンタドライバ部N20から受け取った印刷要求に含まれる印刷データを印刷実行部280に供給し、印刷を実行させる。一方、印刷制御部M10は、パネル制御部M20から印刷要求があった場合、パネル制御部M20からの印刷要求に応じた画像データを、例えば、複合機200に接続された外部メモリ(図示せず)から取得して、印刷データを生成する。パネル制御部M20は、生成した印刷データを印刷実行部280に供給して、印刷を実行させる。なお、印刷制御部M10は、画像データを、外部メモリの他、スキャナ部290から取得するようにしてもよい。
【0027】
印刷実行部280は、複数種類の印刷機能、および、これらの印刷機能の組合せを実行することができる。複数種類の印刷機能には、例えば、両面印刷機能、モノクロ印刷機能、カラー印刷機能、片面複数ページ印刷機能(例えば、2in1機能)、印刷材節約機能(例えば、レーザプリンタにおけるトナーセーブ機能)、および、透かし印刷機能(ウォーターマーク機能)などが含まれる。
【0028】
パネル制御部M20は、設定画面表示制御部M21と、取得部M22と、関連情報表示制御部M23と、設定変更部M25と、実績表示制御部M27と、識別情報取得部M28と、を含む。関連情報表示制御部M23は、対応設定画面表示制御部M23aと、履歴情報取得部M23bと、を含む。また、対応設定画面表示制御部M23aは、複数設定画面表示制御部M23a1と、ユーザ別表示制御部M23a2と、を含む。これらパネル制御部M20の各機能部M21〜M28は、上述したユーザ計算機300のプリンタドライバ部N20の同名の機能部N21〜N28と基本的に同一の機能を有する。ただし、プリンタドライバ部N20の各機能部N21〜N28は、ユーザ計算機300の表示部360上にユーザインタフェースを実現するのに対して、パネル制御部M20の各機能部M21〜M28は、複合機200の表示パネル260上にユーザインタフェースを実現する。
【0029】
サーバ400は、CPU410と、記憶装置440と、ネットワークインタフェース(I/F)を含む通信部450と、を備える。記憶装置440には、サーバプログラム(図示省略)とともに、ユーザ識別情報ファイル442と、履歴情報ファイル444とが格納されている。ユーザ識別情報ファイル442は、複合機200のユーザを識別するユーザ識別情報が格納されたファイルである。本実施例では、ユーザごとに登録されたログインパスワードが、ユーザ識別情報として用いられている。履歴情報ファイル444は、複合機200(印刷実行部280)における印刷機能の実行実績を表す履歴情報が格納されたファイルである。履歴情報は、履歴記録用変数の値と、日付対応変数の値とが、対応付けられて格納される。履歴情報は、ユーザIDごとに管理される。すなわち、ユーザ識別情報ファイル442に格納されたユーザ識別情報のそれぞれに、ユーザ1人分の履歴情報が対応付けられている。履歴情報(履歴記録用変数、および、日付対応変数)についての詳細は、後述する。
【0030】
CPU410は、サーバプログラムを実行することにより、識別情報管理部412、および、履歴情報管理部414として機能する。
【0031】
識別情報管理部412は、ユーザ識別情報ファイル442を管理している。具体的には、識別情報管理部412は、ユーザ計算機300のプリンタドライバ部N20、あるいは、複合機200のパネル制御部M20からログインパスワードを受信する。識別情報管理部412は、受信したログインパスワードと、ユーザ識別情報ファイル442に格納されたユーザ識別情報とを比較して、ログインを許容するか否かを判断する。また、識別情報管理部412は、プリンタドライバ部N20、または、パネル制御部M20から新規登録のログインパスワードを受信する。識別情報管理部412は、受信した新規登録のログインパスワードを、例えば、ユーザ情報(ユーザ名など)と関連付けて新たなユーザ識別情報としてユーザ識別情報ファイル442に格納する。
【0032】
履歴情報管理部414は、履歴情報ファイル444を管理している。具体的には、履歴情報管理部414は、識別情報管理部412によってログインが許容されたログインパスワードに対応付けられた履歴情報を、ログインパスワードの送信元であるプリンタドライバ部N20、または、パネル制御部M20に対して送信する。また、プリンタドライバ部N20、または、パネル制御部M20から更新された履歴情報を受信して、履歴情報ファイル444の内容を更新する。
【0033】
本実施例におけるドライバプログラム342、および、パネル制御プログラム242は、請求項におけるコンピュータプログラムの一例である。また、本実施例における複合機200は、請求項における画像処理装置の一例である。また、本実施例における記憶装置240および記憶装置340は、請求項における管理部の一例である。
【0034】
A−2.実績表、条件機能対応表、および、状況一覧表の説明:
以下に、ユーザ計算機300および複合機200が有する上述の実績表346、条件機能対応表343、および、実績表346について、この順に説明する。
【0035】
図2は、実績表の概要を示す図である。実績表346は、実績表示制御部N27によって参照される表である。実績表346は、カウント対象項目の欄と、履歴記録用変数の欄と、目標実績の欄と、実績ポイントの欄と、目標到達状況の欄と、を含んでいる。
【0036】
カウント対象項目の欄には、印刷機能の実行実績(実行履歴)としてカウントすべき複数の項目(カウント対象項目)が記述されている。例えば、図2に示すように、カウント対象項目には、「総印刷枚数」、「モノクロ印刷回数」、「カラー印刷回数」、「両面印刷回数」が含まれる。このように、カウント対象項目には、印刷機能の種類(例えば、モノクロ印刷機能、両面印刷機能、カラー印刷機能)ごとに使用回数がカウントされる機能別項目(例えば、「モノクロ印刷回数」、「カラー印刷回数」、「両面印刷回数」)が含まれる。また、カウント対象項目には、印刷機能の種類に関係なく印刷枚数がカウントされる一般項目(例えば、「総印刷枚数」)が含まれる。
【0037】
履歴記録用変数の欄には、カウント対象項目をカウントするための変数(印刷機能の使用回数および印刷機能による印刷枚数のうちのどちらか一方を表す変数)が記述されている。図2では、総印刷枚数をカウントする変数「total_print」、モノクロ印刷機能の使用回数をカウントする変数「mono」などが示されている。
【0038】
目標実績の欄には、1つのカウント対象項目に少なくとも1つずつ対応付けられた目標実績が記述されている。図2では、総印刷枚数には、2つの目標実績(「100枚」と「500枚」)が対応付けられており、モノクロ印刷回数には、1つの目標実績(10回)が対応付けられている。「モノクロ印刷回数」や「両面印刷回数」などの機能別項目に対応付けられている目標実績は、モノクロ印刷機能、両面印刷機能などの特定の印刷機能について定められた機能別目標実績ということができる。
【0039】
実績ポイントの欄には、目標実績にそれぞれ1つずつ対応付けられた実績ポイントが記述されている。全ての実績ポイントを合計した値が100となるように、各実績ポイントの値が設定されている。
【0040】
目標到達状況の欄には、実際の実行実績が各目標実績に到達しているか否かが、目標実績ごとに記録されている。
【0041】
図3は、条件機能対応表の一例を示す図ある。条件機能対応表343は、取得部N22によって参照される表である。条件機能対応表343は、印刷実行部280の印刷機能(対応機能とも呼ぶ)の欄と、履歴情報(上述の履歴記録用変数、および、日付対応変数)の欄と、紹介条件の欄とを含んでおり、対応機能と、履歴情報と、紹介条件とが対応付けられて記述される。
【0042】
対応機能の欄には、印刷に関する機能が記述され、図3では、例えば、両面印刷機能、トナーセーブ機能、2 in 1機能、高画質印刷機能、および、ウォーターマーク機能など種々の機能が記述されている。
【0043】
履歴記録用変数の欄には、上述したように、対応機能(印刷機能)の使用回数および印刷機能による印刷枚数のうちのどちらか一方を表す変数が記述され、図3では、両面印刷機能の使用回数をカウントする変数「Duplex」、トナーセーブ機能の使用回数をカウントする変数「TonerSave」などが示されている。
【0044】
日付対応変数の欄には、最後に対応機能を使用した日付けを表す数値(例えば、UNIX時間(UNIXは登録商標)で表される数値)を示す変数が記述され、図3では、両面印刷機能を最後に使用した日付けを表す数値を示す変数「Duplex_date」、トナーセーブ機能を最後に使用した日付けを表す数値を示す変数「TonerSave_date」などが示されている。
【0045】
紹介条件の欄には、紹介条件に対応付けられる対応機能を後述のアシストモード印刷処理で、ユーザに紹介するための紹介条件(頻度条件W、実行条件X、装置状態条件Y、および、機能実績条件Z)が記述される。図3では、両面印刷機能に対応する紹介条件の欄には、頻度条件W、および、実行条件Xのみが記述され、トナーセーブ機能に対応する紹介条件の欄には、頻度条件W、実行条件X、および、装置状態条件Yが示されている。紹介条件には、頻度条件Wおよび実行条件Xが必ず含まれている。紹介条件は、包含するすべての条件が満たされた場合に、満たされたと判断される。
【0046】
頻度条件Wは、紹介条件に対応付けられる対応機能の使用頻度が所定値よりも低い場合に満たされる条件である。具体的には、頻度条件Wは、履歴記録用変数の値が閾値より小さい場合(例えば、履歴記録用変数の値が0である場合)、および、日付対応変数の値が閾値よりも小さい場合のうちの少なくとも一方を満たす場合に満たされる条件である。例えば、図3に示すように、両面印刷機能に対応付けられる紹介条件の頻度条件Wは、履歴記録用変数「Duplex」が0である場合、および、日付対応変数「Duplex_date」が閾値Th1より小さい場合のうちの少なくとも一方を満たす場合に満たされる条件である。なお、頻度条件Wにおける閾値Th1は、現在の日付けを表す数値(例えば、UNIX時間で表される数値)から、所定日数遡った日付け(たとえば1年前など)を表す数値を用いる。この結果、頻度条件Wは、対応機能を最後に使用した日付けから、所定日数経過している場合(たとえば1年以上経過)に満たされる条件と言える。
【0047】
実行条件Xは、ユーザから後述する設定画面を介して特定の印刷指示が指定された場合に満たされる条件である。例えば、両面印刷機能および2 in 1機能に対応付けられる紹介条件の実行条件Xは、図3に示すように、ユーザからの印刷指示に、印刷枚数を2枚以上とする印刷指示が含まれている場合に、満たされる条件である。
【0048】
装置状態条件Yは、複合機200の状態が特定状態である場合に満たされる条件である。例えば、トナーセーブ機能に対応付けられる紹介条件の装置状態条件Yは、図3に示すように、複合機200の印刷材料(トナー)の残量が10%以下である場合に、満たされる条件である。
【0049】
機能実績条件Zは、特定の機能の実行実績が特定レベル以上である場合に満たされる条件である。例えば、2 in 1機能に対応付けられる紹介条件の機能実績条件Zは、図3に示すように、両面印刷機能の実行実績を表す指標として履歴記録用変数「Duplex」を用いて、この履歴記録用変数「Duplex」の値が0より大きい場合に、満たされる条件である。
【0050】
図4は、状況一覧表の一例を示す図である。この状況一覧表344は、複数の文章MCを含んでいる。1つの文章MCは、実績表346に記述された特定の印刷機能に関する目標実績の内容を表現した文章である。また、状況一覧表344は、複数の文章MCのうち、到達済み目標実績を表現した文章に対応付けられた文章MZ(本実施例では、「達成!!」)を含んでいる。この文章MZは、対応付けられた文章MCで表現された目標実績が到達済み目標実績であることを示している。本実施例では、状況一覧表344は、実績表346に設定されたすべての目標実績の内容と、それらの目標実績が到達済みであるか否かがユーザに識別可能に表示される。
【0051】
A−3.ドライバプログラム342の動作:
図5は、プリンタドライバ起動処理を示すフローチャートである。図6は、プリンタドライバ部N20が提供する操作画面の一例を示す図である。プリンタドライバ起動処理は、例えば、アプリケーション実行部N10がアプリケーションの実行中に、ユーザによって印刷指示がなされた場合に開始される。
【0052】
プリンタドライバ起動処理が開始されると、プリンタドライバ部N20の設定画面表示制御部N21は、ログイン画面を表示部360に表示する(ステップS110)。図6(a)には、ログイン画面UI1が示されている。このログイン画面UI1は、3つのチェックボックスCB1〜CB3と、パスワード入力フィールドSP1と、入力完了ボタンBT1とを含んでいる。第1チェックボックスCB1は、アシストモードを使用する場合にチェックされる。第2チェックボックスCB2は、アシストモードを使用しない場合にチェックされる。第3チェックボックスCB3は、新規にユーザ登録を行う際にチェックされる。パスワード入力フィールドSP1には、ユーザ識別情報であるパスワードが入力される。ユーザは、チェックボックスCB1〜CB3と、パスワード入力フィールドSP1に、適宜に入力を行ったうえで、入力完了ボタンBT1を操作(例えば、クリック)することによって、所望の情報を入力する。
【0053】
ステップS120では、設定画面表示制御部N21は、ユーザがアシストモードを選択したか否かを判断する。すなわち、ログイン画面UI1において、第1チェックボックスCB1にチェックされた状態で、入力完了ボタンBT1が操作された場合には、設定画面表示制御部N21は、アシストモードが選択されたと判断する。一方、ログイン画面UI1において、第2チェックボックスCB2にチェックされた状態で、入力完了ボタンBT1が操作された場合には、設定画面表示制御部N21は、通常モードが選択された(アシストモードが選択されなかった)と判断する。
【0054】
通常モードが選択された場合には(ステップS120:NO)、プリンタドライバ部N20は、通常モードでの印刷処理を実行し(ステップS220)、処理を終了する。通常モードでの印刷処理については説明を省略する。
【0055】
アシストモードが選択された場合には(ステップS120:YES)、識別情報取得部N28は、ユーザの新規登録が選択されたか否かを判断する(ステップS130)。すなわち、ログイン画面UI1において、ユーザが入力完了ボタンBT1を操作したときに、第3チェックボックスCB3にチェックがなされた状態であった場合には、識別情報取得部M46は、新規登録が選択されたと判断する。一方、第3チェックボックスCB3にチェックがなされていない場合には、識別情報取得部N28は、新規登録が選択されていないと判断する。
【0056】
新規登録である場合には(ステップS130:YES)、識別情報取得部N28は、新規登録情報をユーザから取得して、サーバ400に対して送信する。具体的には、識別情報取得部N28は、ログイン画面UI1のパスワード入力フィールドSP1に入力されたログインパスワードを取得して、新規登録情報として送信する。また、識別情報取得部N28は、ユーザ名やユーザIDなどのその他の新規登録情報をユーザから取得して、ログインパスワードとともに、新規登録情報として送信しても良い。この場合には、識別情報取得部N28は、これらの情報をユーザから取得するための新規登録画面(図示省略)を表示部360に表示する。サーバ400の識別情報管理部412は、受信した新規登録情報をユーザ識別情報ファイル442に格納して管理する。
【0057】
新規登録情報を送信すると、プリンタドライバ部N20は、新規登録を行ったユーザのための初期化された履歴情報(初期値の履歴記録用変数および日付対応変数の集合)を準備する(ステップS150)。初期化された履歴情報を準備すると、プリンタドライバ部N20は、ステップS180に処理を進める。
【0058】
新規登録でない場合には(ステップS130:NO)、識別情報取得部N28は、ログイン画面UI1のパスワード入力フィールドSP1に入力されたログインパスワードを取得して、サーバ400に送信する(ステップS160)。
【0059】
ステップS170では、プリンタドライバ部N20の履歴情報取得部N23bは、ステップS160において送信したログインパスワードに対する応答として、履歴情報を取得できたか否かを判断する。送信したログインパスワードが正しい場合には、サーバ400は、応答として、ログインパスワードに対応する履歴情報を送信するので、履歴情報取得部N23bは、当該履歴情報を取得することができる。一方で、送信したログインパスワードが正しくない場合には、履歴情報取得部N23bは、サーバ400から履歴情報を取得することができない。履歴情報は、ログインパスワードによって特定されるユーザの過去の印刷実績を表す情報であると言える。
【0060】
履歴情報が取得できない場合には(ステップS170:NO)、プリンタドライバ部N20は、ログインに失敗したと判断し、ステップS110に戻って、設定画面表示制御部N21に、ログイン画面UI1を表示させる。一方、履歴情報が取得できた場合には(ステップS170:YES)、プリンタドライバ部N20は、ステップS180に処理を進める。
【0061】
ステップS180では、履歴情報取得部N23bは、ステップS170においてサーバ400から取得した履歴情報、または、ステップS150において準備した初期化された履歴情報を、条件機能対応表343、および、実績表346に反映させる。具体的には、履歴情報取得部N23bは、条件機能対応表343(図3)における履歴記録用変数の欄の変数値と日付対応変数の欄の変数値、および、実績表346(図2)における履歴記録用変数の欄の変数値と目標到達状況の欄の内容を、履歴情報に基づいて更新する。
【0062】
ステップS190では、プリンタドライバ部N20は、実績表346(図2)に基づいて、実績レベルを計算する。具体的には、プリンタドライバ部N20は、到達済み目標実績に対応付けられた実績ポイント(到達済み実績ポイント)の合計値を、実績レベルを表す値として計算する。到達済み目標実績は、実績表346(図2)に記述された複数の目標実績のうち、履歴情報(履歴記録用変数)によって示される実行実績が到達済みの目標実績である。上述したように、複数の目標実績は、モノクロ印刷機能、両面印刷機能などの特定の印刷機能について定められた機能別目標実績を含む。機能別目標実績は、特定の印刷機能の実行実績がないと到達できない。この結果、特定の印刷機能の実行実績がないと、他の印刷機能の実行実績を大量に積み上げても、実績レベルを表す値(到達済み実績ポイント(%)の合計値)は頭打ちとなり、特定値より大きくならない。言い換えれば、実績レベルを表す値の上限は、機能別目標実績が定められた1以上の特定の印刷機能のうち、実行された印刷機能の種類の数が多いほど高くなる。
【0063】
ステップS200では、プリンタドライバ部N20は、アシストモード印刷処理を実行する。図7は、アシストモード印刷処理を示すフローチャートである。ステップS300では、プリンタドライバ部N20の設定画面表示制御部N21は、ユーザの実行指示を受け付けるための操作画面UI2を表示部360に表示する。このとき、実績表示制御部N27は、操作画面UI2上にて、実績レベル表示を行う。
【0064】
図6(b)には、操作画面の一例としての操作画面UI2が図示されている。この操作画面UI2は、タブTB1〜TB3を操作することによって表示内容を切替可能な設定受付ページPGと、指示確定ボタンBT2や印刷中止ボタンBT3を含む主要操作ボタンBT2〜BT5と、を含んでいる。
【0065】
図6(b)に示すように、設定受付ページPGは、印刷機能を実行する際に適用可能な様々な設定項目について、ユーザから設定を受け付ける複数の入力要素を含んでいる。ここでいう入力要素には、プルダウンメニューを用いて複数の選択肢の中から1つを選択的に入力させる選択フィールドPF1〜PF3や、ラジオボタンRB1や、チェックボックスCB5や、整数値を入力させる数値入力フィールドVFなどが含まれる(図6(b))。
【0066】
例えば、第1選択フィールドPF1は、1枚の用紙の片面に印刷されるページ数を選択するための入力要素である。すなわち、第1選択フィールドPF1は、片面複数ページ印刷機能(例えば、2 in 1機能、4 in 1機能)を実行するか否かの指示を受け付ける入力要素である。第2選択フィールドPF2は、両面印刷機能若しくはブックレット機能を実行するか否かの指示を受け付ける入力要素である。第3選択フィールドPF3は、カラー印刷機能を実行するか、モノクロ印刷機能を実行するかの選択を受け付けるための入力要素である。
【0067】
設定受付ページPGは、さらに、実績レベル表示JDを含んでいる(図6(b))。実績レベル表示JDは、実績レベル表示であることを示すメッセージMSと、視覚的に実績レベルの程度を表す画像GGと、数値で実績レベルの程度を表す数値表示PTとを含んでいる。画像GGは、メーターを模式的に表す画像が用いられており、メーターの針の位置によって実績レベルの程度を表すように構成されている。数値表示PTは、上述した実績レベルの値(到達済み実績ポイントの合計値)を、単位に%(パーセント)を用いて表示するように構成されている。
【0068】
さらに、設定受付ページPGは、実績レベル表示JDの近傍に、一覧表示ボタンBTXを含んでいる。ここで、操作画面UI2が表示されている間、一覧表示ボタンBTXが押された場合には、プリンタドライバ部N20の実績表示制御部N27は、ユーザの実行実績の状況を示す上述の状況一覧表344を示す画面を操作画面UI2とは別に表示部360に表示する。なお、実績表示制御部N27は、状況一覧344を示す画面において、閉鎖ボタンBTZが押された場合には、状況一覧344を示す画面の表示を終了する。
【0069】
ステップS310では、設定画面表示制御部N21は、ユーザによって印刷指示がなされたか否かを判断する。具体的には、操作画面UI2の指示確定ボタンBT2が押下された場合に、ユーザによって印刷指示がなされたと判断する。プリンタドライバ部N20は、ユーザによって印刷指示がなされない場合には(ステップS310:NO)、印刷指示がなされるまで待機する。
【0070】
ユーザによって印刷指示がなされた場合には(ステップS310:YES)、取得部N22は、条件機能対応表343(図3)で、ユーザからなされた印刷指示に基づいて、紹介条件が満たされた対応機能が存在するか否かを判断する(ステップS320)。具体的には、取得部N22は、各紹介条件のうち、まず、頻度条件Wが満たされているか否かを判断し、頻度条件Wが満たされていれば、続いて、ユーザからの印刷指示に基づいて実行条件Xが満たされているか否かを判断する。そして、取得部N22は、頻度条件Wおよび実行条件Xが満たされていると判断すると、装置状態条件Y、および、機能実績条件Zが存在する場合には、その条件が満たされているか否かを判断する。取得部N22は、頻度条件Wが満たされていないと判断した時点で、その紹介条件は、満たされていないと判断し、頻度条件Wが満たされた場合であっても、実行条件Xが満たされていないと判断した時点で、その紹介条件は、満たされていないと判断する。また、取得部N22は、頻度条件Wおよび実行条件Xが満たされた場合であっても、装置状態条件Y、機能実績条件Zが1つでも満たされていないと判断した時点で、その紹介条件は、満たされていないと判断する。
【0071】
例えば、履歴記録用変数「Two_in_one」が0であり、履歴記録用変数「Duplex」が0より大きい場合であり、ユーザによってなされた印刷指示が、両面印刷機能や2 in 1機能ではない通常印刷機能での印刷指示と、印刷枚数を5枚とする印刷指示とを含んでいる場合を仮定する。この場合には、対応付けられる対応機能が2 in 1機能である紹介条件のうちの、4つの条件(頻度条件W、実行条件X、装置状態条件Y、および、機能実績条件Z)は、すべて満たされるので、紹介条件が満たされた対応機能(2 in 1機能)が存在すると判断される。
【0072】
取得部N22は、包含するすべての条件が満たされていると判断した紹介条件がある場合には、紹介条件が満たされた対応機能が存在すると判断し(ステップS320:Yes)、対応機能に関連する関連情報345を記憶装置340から取得する(ステップS330)。関連情報345は、対応機能を推薦する情報(推薦情報とも呼ぶ)、対応機能の使用説明を示す情報(使用説明情報とも呼ぶ)、対応機能を使用した時の効果を示す情報(効果情報とも呼ぶ)、対応機能の設定を変更するための1つ以上の設定変更画面、対応機能の設定変更のやり方を指示するためのナビゲーション動画(ナビゲーション画面)などの情報を含んでいる。
【0073】
ステップS320で、取得部N22が、紹介条件が満たされた対応機能が存在しないと判断した場合(ステップS320:No)には、プリンタドライバ部N20は、ステップS395に移行し、ユーザに指定された印刷指示に基づく機能でそのまま印刷を実行すべく、複合機200(印刷実行部280)に印刷要求を送信する。具体的には、プリンタドライバ部N20は、ステップS300で表示した操作画面UI2における設定項目の設定内容を取得する。プリンタドライバ部N20は、アプリケーション実行部N10から印刷対象とする画像データを取得する。プリンタドライバ部N20は、印刷対象の画像データを、取得した設定内容に従って印刷するための印刷データを生成し、この印刷データを印刷要求として、複合機200に送信する。なお、ユーザによって印刷指示がなされた時点で、プリンタドライバ部N20は、設定変更画面UI4の表示を終了する。
【0074】
ステップS330では、ユーザ別表示制御部N23a2は、取得された関連情報345に基づいて、対応機能を紹介するための機能紹介画面UI3を表示する。図6(c)には、機能紹介画面の一例としての機能紹介画面UI3が図示されている。この機能紹介画面UI3は、推薦情報E1と、使用説明情報E2と、効果情報E3と、対応機能の設定を変更するための設定変更画面への移行を許可する許可ボタンBT6と、設定変更画面への移行を拒否する拒否ボタンBT7と、画面表示終了ボタンBTA1と、を含んでいる。図6(c)の例では、推薦情報E1は、両面印刷機能を推薦するための情報である。使用説明情報E2は、両面印刷機能の使用説明を示す情報である。効果情報E3は、両面印刷機能の効果を示す情報である。
【0075】
ステップS350では、ユーザ別表示制御部N23a2は、ユーザが設定変更画面の表示に合意したか否かを判断する。具体的には、ユーザ別表示制御部N23a2は、ユーザにより許可ボタンBT6が押されることにより、ユーザが設定変更画面の表示に合意したと判断し、ユーザにより拒否ボタンBT7が押されることにより、ユーザが設定変更画面の表示を合意しなかったと判断する。なお、機能紹介画面UI3の右上にある画面表示終了ボタンBTA1が押下された場合にも、ユーザ別表示制御部N23a2は、ユーザが設定変更画面の表示を合意しなかったと判断する。
【0076】
ユーザが設定変更画面の表示に合意しなかった場合(ステップS350:No)には、プリンタドライバ部N20は、ステップS395に移行する。
【0077】
ユーザが設定変更画面の表示に合意した場合(ステップS350:Yes)には、ユーザ別表示制御部N23a2は、設定変更画面UI4を表示する(ステップS360)。図6(d)には、設定変更画面の一例としての設定変更画面UI4が示されている。この設定変更画面UI4は、プルダウンメニューを用いて複数の選択肢の中から1つを選択的に入力させる選択フィールドPF2aと、対応機能の設定変更を許可する許可ボタンBT8と、設定変更画面UI4の右上にある画面表示終了ボタンBTA2と、を含んでいる。図6(d)の例では、選択フィールドPF2aは、両面印刷機能若しくはブックレット機能を設定するか否かの指示を受け付ける入力要素である。
【0078】
ステップS370では、ユーザ別表示制御部N23a2は、ユーザから設定変更指示がなされたか否かを判断する。具体的には、ユーザ別表示制御部N23a2は、ユーザにより許可ボタンBT8が押されることにより、対応機能の設定が選択フィールドPF2aで選択された設定へ変更されることを示す設定変更指示がなされたと判断する。ユーザ別表示制御部N23a2は、ユーザによって画面表示終了ボタンBTA2が押されると、ユーザからの設定変更指示がなされなかったと判断し(ステップS370:No)、ステップS395に移行する。図6(d)の例では、選択フィールドPF2aにおいて「Duplex」が指定され、すなわち、両面印刷機能が指定された状態である。
【0079】
ユーザ別表示制御部N23a2が、ユーザから設定変更指示がなされたと判断した場合(ステップS370:Yes)には、設定変更部N25は、設定変更指示に従って設定項目の設定変更を行う(ステップS380)。この場合、設定項目の変更内容は、操作画面UI2における設定に反映される。図6(d)の例では、印刷の際に両面印刷機能が選択されるように、設定変更が行われる。
【0080】
プリンタドライバ部N20は、ステップS310でなされた印刷指示(例えば、印刷枚数など)を参照し、設定変更した後の機能(対応機能)で印刷を実行すべく、複合機200(印刷実行部280)に印刷要求を送信する。具体的には、プリンタドライバ部N20は、操作画面UI2における設定項目の設定内容であって、ステップS380での設定項目の設定変更が反映された設定内容を取得する。プリンタドライバ部N20は、アプリケーション実行部N10から印刷対象とする画像データを取得する。プリンタドライバ部N20は、印刷対象の画像データを、取得した設定内容に従って印刷するための印刷データを生成し、この印刷データを印刷要求として、複合機200に送信する。なお、ユーザによって印刷指示がなされた時点で、プリンタドライバ部N20は、設定変更画面UI4の表示を終了する。
【0081】
ステップS400では、プリンタドライバ部N20は、複合機200が、ステップS390若しくはステップS395で行った印刷要求に基づく印刷を完了したか否かを判断する。具体的には、プリンタドライバ部N20は、複合機200から印刷完了を示す通知を受信した場合に、複合機200が印刷を完了したと判断する。複合機200が印刷を完了しない場合には(ステップS400:No)、プリンタドライバ部N20は、印刷が完了するまで待機する。
【0082】
複合機200が印刷を完了した場合には(ステップS400:Yes)、履歴情報取得部N23bは、印刷要求内容(完了した印刷の内容とも言える)に基づいて、ユーザの履歴情報を更新する(ステップS410)。具体的には、履歴情報取得部N23bは、印刷要求内容に対応する履歴記録用変数(図2、図3参照)の値を更新する。ここで、1回の印刷要求に対応して、複数の履歴記録用変数が更新される場合がある。例えば、印刷要求内容が、モノクロ印刷機能を用いた印刷、かつ、両面印刷機能を用いた印刷である場合には、総印刷枚数に関する変数Total_printと、モノクロ印刷回数に関する変数Monoと、両面印刷回数に関する変数Duplexと、が更新される。また、履歴情報取得部N23bは、日付対応変数の値を現在の日付けを表す数値に更新する。なお、ユーザが設定変更画面の表示に合意しない場合(S350:No)であっても、機能紹介画面により紹介した機能(対応機能)に対応する日付対応変数の数値を現在の日付けを表す数値に更新してもよい。このようにすれば、ユーザが所望しないにも関わらず、同じ機能に関する機能紹介画面(以前に紹介した機能紹介画面)が繰り返し表示されることを防止できる。
【0083】
ステップS420では、識別情報取得部N28は、更新された履歴情報をサーバ400に対して送信して、アシストモード印刷処理を終了する。サーバ400の履歴情報管理部414は、識別情報取得部N28から受信した履歴情報に基づいて、履歴情報ファイル444の内容を更新する。この結果、サーバ400において、ユーザによる複合機200の印刷機能の実行実績がユーザごとに管理される。
【0084】
上記では、ユーザ計算機300のプリンタドライバ部N20の具体的動作について説明したが、複合機200のパネル制御部M20によっても同様の動作を行うことによって、同様の作用・効果を実現することができる。この場合、パネル制御部M20が印刷制御部M10に送信する印刷要求は、取得した画像データに基づく印刷データを印刷実行部280に印刷させる指示コマンドである。また、プリンタドライバ部N20によってユーザ計算機300の表示部360に表示される内容(図4、図6)は、パネル制御部M20によって複合機200の表示パネル260に表示される。なお、印刷制御部M10は、スキャナ部290から印刷対象とする画像データを取得し、当該画像データに基づいて、印刷データを生成する場合、すなわち、コピー機能を実行する場合には、当該コピー機能を印刷機能の実行実績としてユーザごとに管理するようにしてもよい。
【0085】
以上説明した上記実施例によれば、アシストモード印刷処理において、対応付けられる紹介条件が満たされた対応機能であって、使用頻度が所定値より低い(頻度条件Wが満たされる)、対応機能に関連する関連情報345(関連情報245)が、表示部360(表示パネル260)に表示される。このようにすれば、ユーザからの特定の印刷指示が指定された場合に、所定の関連情報を表示することとなる。従って、ユーザが印刷指示をしたタイミングで、有効な関連情報をユーザに認知させることができる。従って、ユーザによって、印刷機能(対応機能)の使用が促進され得る。その結果、複合機200の印刷機能が、使用されずに、埋没してしまうことを抑制することができる。また、ユーザが印刷指示した場合の実行条件に対応する関連情報が表示されるため、ユーザは、どのような場面で関連情報により示される印刷機能を使用すべきかを容易に知ることができる。
【0086】
上記実施例によれば、頻度条件Wおよび実行条件Xが満たされる場合であって、装置状態条件Y、および、機能実績条件Zのうちの少なくとも一方が満たされる場合に、これら条件を包含する紹介条件(図3)に対応付けられた対応機能の関連情報345(関連情報245)が、表示部360(表示パネル260)に表示される。このようにすれば、表示部に表示される関連情報は、ユーザの所望度が高い情報となり、複合機200(印刷実行部280)の印刷機能(関連情報に関連する対応機能)の使用がより促進され得る。
【0087】
上記実施例によれば、アシストモード印刷処理をユーザ計算機300が実行することによって、対応機能の設定項目の設定画面(図6(d):設定変更画面UI4)を対応機能の関連情報として、表示部360に表示し、ユーザから設定変更指示がなされた場合には、設定変更指示に基づいて、関連情報に関連する対応機能の設定項目の設定を変更する。このようにすれば、ユーザは、印刷指示をした際に、対応機能に関連する関連情報(設定変更画面UI4)に従って、対応機能の設定項目の設定変更を実行することができる。その結果、ユーザは、対応機能の設定項目の設定を、ユーザの所望の設定に容易に変更することができるので、ユーザによる複合機200の印刷機能(対応機能)の使用が促進され得る。
【0088】
上記実施例によれば、複数種類の印刷機能(モノクロ印刷機能、カラー印刷機能、両面印刷機能など)の実行実績に応じた実績レベルを示す画像GGおよび数値PTが、表示部360(表示パネル260)に表示される(図6(b))。従って、複数種類の印刷機能を使うことに対するインセンティブをユーザに付与することができる。その結果、ユーザによる複合機200の印刷機能の使用が促進され得る。また、この画像GGおよび数値PTによって示される実績レベルの上限は、ログインしているユーザによって過去に実行された印刷機能の種類の数が多いほど高くされる。従って、より高い実績レベルを示す画像GGおよび数値PTをプリンタドライバ部N20に表示させるためには、ユーザには、より多くの種類の印刷機能を複合機200に実行させることが要求される。その結果、より多くの種類の印刷機能を使うことに対するインセンティブをユーザに付与することができ、ユーザによる複合機200の複数種類の印刷機能の利用がより促進され得る。
【0089】
上記実施例によれば、ログインパスワードによって識別されたユーザである特定ユーザにおける特定の印刷機能(対応機能)の使用頻度が所定値より低い場合に、当該印刷機能に関連する関連情報が、識別されたユーザに付与される情報として、表示部360(表示パネル260)に表示される。すなわち、複合機200を使用する複数のユーザのうち、特定の印刷機能(対応機能)の使用頻度が所定値より低いユーザに対して、印刷機能に関連する関連情報が、選択的に表示される。従って、特定の印刷機能の使用頻度が所定値より低いユーザによって、特定の印刷機能の使用が促進され、その結果、複数のユーザによる複合機200の印刷機能の使用が促進され得る。
【0090】
上記実施例によれば、ユーザに対して、状況一覧表344(状況一覧表244)を表示する(図4)。この状況一覧表には、複数の機能別目標実績を含む目標実績の内容の表示と、これらの目標実績が到達済みであるか否かを示す表示が含まれる。この結果、ユーザが実績レベルを高くする方法を容易に認識することができる。
【0091】
なお、上記実施例では、アシストモード印刷処理(図7)において、対応機能の設定を1つ変更する例を説明したが、アシストモード印刷処理において、対応機能の設定項目を2つ変更するようにしてもよい。この例を以下に説明する。
【0092】
図8は、対応機能の設定項目を2つ変更する場合の操作画面を示す図である。複数設定画面表示制御部N23a1は、アシストモード印刷処理(図7)におけるステップS330処理で、取得された関連情報345に基づいて、対応機能を紹介するための機能紹介画面UI5を表示する(ステップS340)。図8(a)には、機能紹介画面の一例としての機能紹介画面UI5が図示されている。この機能紹介画面UI5は、推薦情報E1と、使用説明情報E2と、効果情報E3と、対応機能の設定を変更するための設定変更画面への移行を許可する許可ボタンBT9と、設定変更画面への移行を拒否する拒否ボタンBT10と、画面表示終了ボタンBTA3と、を含んでいる。図8(a)の例では、推薦情報E1は、ウォーターマーク機能を推薦するための情報である。使用説明情報E2は、ウォーターマーク機能の使用説明を示す情報である。効果情報E3は、ウォーターマーク機能の効果を示す情報である。
【0093】
ステップS350では、複数設定画面表示制御部N23a1は、ユーザが設定変更画面の表示に合意したか否かを判断する。具体的には、複数設定画面表示制御部N23a1は、ユーザにより許可ボタンBT9が押されることにより、ユーザが設定変更画面の表示に合意したと判断し、ユーザにより拒否ボタンBT10が押されることにより、ユーザが設定変更画面の表示を合意しなかったと判断する。なお、機能紹介画面UI5の右上にある画面表示終了ボタンBTA3が押下された場合にも、複数設定画面表示制御部N23a1は、ユーザが設定変更画面の表示を合意しなかったと判断する。
【0094】
ユーザが設定変更画面の表示に合意しなかった場合(ステップS350:No)には、プリンタドライバ部N20は、ステップS395に移行する。
【0095】
ユーザが設定変更画面の表示に合意した場合(ステップS350:Yes)には、複数設定画面表示制御部N23a1は、設定変更画面UI6を表示する(ステップS360)。図8(b)には、設定変更画面の一例としての設定変更画面UI6が示されている。この設定変更画面UI6は、チェックボックスCB5と、対応機能の設定変更を許可する許可ボタンBT11と、設定変更画面UI6の右上にある画面表示終了ボタンBTA4と、を含んでいる。図8(b)の例では、チェックボックスCB5は、ウォーターマーク機能の設定を行うための入力要素である。
【0096】
ステップS370では、複数設定画面表示制御部N23a1は、ユーザから設定変更指示がなされたか否かを判断する。具体的には、複数設定画面表示制御部N23a1は、チェックボックスCB5にチェックがなされた状態で、ユーザにより許可ボタンBT11が押されることにより、ウォーターマーク機能を実行する設定へ変更する指示を示す設定変更指示がなされたと判断する。複数設定画面表示制御部N23a1は、ユーザによって画面表示終了ボタンBTA4が押されると、ユーザからの設定変更指示がなされなかったと判断し(ステップS370:No)、ステップS395に移行する。
【0097】
複数設定画面表示制御部N23a1が、ユーザから設定変更指示がなされたと判断した場合(ステップS370:Yes)には、設定変更部N25は、設定変更指示に従って設定項目の設定変更を行う(ステップS380)。この場合、設定項目の変更内容は、操作画面UI2における設定項目の設定に反映される。図8(b)の例では、印刷の際にウォーターマーク機能が実行されるように、設定変更が行われる。
【0098】
ここで、複数設定画面表示制御部N23a1は、再び、ステップS360に戻って、設定変更画面UI6とは異なる設定変更画面UI7を表示する。図8(c)には、設定変更画面の一例としての設定変更画面UI7が示されている。この設定変更画面UI7は、プルダウンメニューを用いて複数の選択肢の中から1つを選択的に入力させる選択フィールドPL1、PL2と、ウォーターマークとしての識別情報を入力可能な識別情報入力フィールドSP2と、対応機能の設定変更を許可する許可ボタンBT12と、設定変更画面UI7の右上にある画面表示終了ボタンBTA5と、を含んでいる。図8(c)の例では、選択フィールドPL1は、ウォーターマーク機能をどのようなページに入力するのかの指示を受け付ける入力要素である。選択フィールドPL2は、ウォーターマークとしての識別情報をいずれに選択するか受け付ける入力要素である。
【0099】
複数設定画面表示制御部N23a1は、2回目のステップS370において、ユーザから設定変更指示がなされたか否かを判断する。具体的には、複数設定画面表示制御部N23a1は、ユーザにより許可ボタンBT12が押されることにより、対応機能の設定が選択フィールドPL1、PL2で選択された設定へ変更されることを示す設定変更指示がなされたと判断する。複数設定画面表示制御部N23a1は、ユーザによって画面表示終了ボタンBTA5が押されると、ユーザからの設定変更指示がなされなかったと判断し(ステップS370:No)、ステップS395に移行する。図8(c)の例では、選択フィールドPL1において「On all page」が指定されている。また、選択フィールドPL2において「CONFIDENTIAL」が指定されている。
【0100】
複数設定画面表示制御部N23a1が、ユーザから設定変更指示がなされたと判断した場合(ステップS370:Yes)には、設定変更部N25は、設定変更指示に従って設定項目の設定変更を行う(ステップS380)。この場合、設定項目の変更内容は、操作画面UI2における設定に反映される。図8(c)の例では、すべてのページにウォーターマークが付される設定に変更される。また、ウォーターマークとして「CONFIDENTIAL」が付される設定に変更される。
【0101】
上記実施例によれば、アシストモード印刷処理をユーザ計算機300が実行することによって、対応機能について複数の設定項目を設定可能な場合には、対応機能の複数の項目をそれぞれ設定するための複数の対応設定画面(設定変更画面UI6および設定変更画面UI7)を、関連情報として、順番に表示部360に表示する。このようにすれば、ユーザは、印刷指示をした際に、順番に表示される対応機能に関連する関連情報(図8:設定変更画面UI6、UI7)に従って、対応機能の複数の設定項目の設定変更を、混乱せずに円滑に実行することができる。なお、上述の実施例では、対応機能の設定項目の設定を2つ変更する場合を説明したが、これに限られず、設定変更画面を順番に表示して、対応機能の3つ以上の項目の設定を変更するようにしてもよい。また、図8(c)に示す以外の設定項目、例えば、ウォーターマークとして設定される識別情報を印刷する位置や角度を設定する項目について、ユーザに設定させるようにしてもよい。
【0102】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や適用例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0103】
(1)図9は、変形例における関連情報としてのナビゲーション動画を説明するための図である。関連情報表示制御部N23は、アシストモード印刷処理(図7)のステップS340〜ステップS380で、関連情報として、設定変更画面を表示する処理に代えて、関連情報として、ナビゲーション画面UI8およびナビゲーション画面UI9を含むナビゲーション動画を表示部360に表示するようにしてもよい。ナビゲーション画面UI8およびナビゲーション画面UI9は、ナビゲーション動画において、ユーザに対応機能の1つ以上の項目の設定のやり方を指示するための1場面を表す画面である。以下に、関連情報表示制御部N23が、ナビゲーション動画を表示する処理を説明する。
【0104】
関連情報表示制御部N23は、関連情報を表示するタイミング(アシストモード印刷処理(図7)のステップS340など)で、ナビゲーション動画の表示を開始する。具体的には、関連情報表示制御部N23は、ナビゲーション画面UI8を表示部360に表示する。図9(a)には、ナビゲーション画面の一例としてのナビゲーション画面UI8が示されている。ナビゲーション画面UI8は、上述した図6(b)の操作画面UI2と基本的に同様であり、操作画面UI2と異なる点は、ユーザに対応機能の設定変更のやり方を順を追って指示するための矢印AR1が示されている点である。矢印AR1は、タブTB2を指示している。
【0105】
関連情報表示制御部N23は、矢印AR1がタブTB2を押すような動作を表示した後、ナビゲーション画面UI9を表示部360に表示する。図9(b)には、ナビゲーション画面の一例としてのナビゲーション画面UI9が示されている。ナビゲーション画面UI9は、タブTB2に対応する設定画面を示す図であり、プルダウンメニューを用いて複数の選択肢の中から1つを選択的に入力させる選択フィールドPL3、PL4と、チェックボックスCB6と、対応機能の設定変更を許可する許可ボタンBT13や設定変更をキャンセルキャンセルボタンBT14を含む主要操作ボタンBT13〜BT16と、矢印AR2〜AR4を含んでいる。図9(b)の例では、選択フィールドPL3は、ウォーターマーク機能をどのようなページに入力するのかの指示を受け付ける入力要素である。選択フィールドPL4は、ウォーターマークとしての識別情報をいずれに選択するか受け付ける入力要素である。チェックボックスCB6は、ウォーターマーク機能の設定を行うための入力要素である。矢印AR2は、選択フィールドPL3を指示し、矢印AR3は、選択フィールドPL4を指示し、矢印AR4は、チェックボックスCB6を指示している。
【0106】
その後、関連情報表示制御部N23は、ナビゲーション画面UI9において、矢印AR2が、選択フィールドPL3の中から一つの選択肢を選択する様子と、矢印AR3が、選択フィールドPL4の中から一つの選択肢を選択する様子と、矢印AR4が、チェックボックスCB6にチェックをする様子とを表示する。そして、関連情報表示制御部N23は、矢印AR2〜AR4を消去し、新たな矢印が、許可ボタンBT13を押す様子を表示し、このナビゲーション動画を終了する。
【0107】
上記変形例によれば、ユーザに対応機能の1つ以上の項目の設定のやり方を指示するためナビゲーション動画が、表示部360に対応機能の関連情報として表示される。このようにすれば、ユーザが印刷指示をした際に、ユーザにナビゲーション動画を見せることによって、ユーザに対して、対応機能の設定項目の設定のやり方を時系列に(順を追って)認知させることができる。なお、本変形例では、関連情報表示制御部N23は、関連情報としてナビゲーション動画を表示するようにしているが、これに限られず、ナビゲーション画面UI8やナビゲーション画面UI9を表す静止画を表示するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション画面UI8で示される矢印部分をユーザが操作すると、ナビゲーション画面UI9へ表示が切り替わるようにしてもよい。
【0108】
(2)上記実施例では、アシストモード印刷処理において、条件機能対応表で、紹介条件が満たされた場合に、その紹介条件に対応する対応機能に関連する関連情報345を、記憶装置340から取得して、表示部360にそのまま表示するようにしているが、これに限られることはない。例えば、紹介条件が満たされた場合に、その紹介条件に対応する対応機能に関連する関連情報345を、記憶装置340から取得し、取得した関連情報345に所定の加工を加えて、加工した関連情報345を、対応機能に関連する関連情報として表示部360に表示するようにしてもよい。また、紹介条件が満たされた場合に、その紹介条件に対応する対応機能に関連する関連情報345を、記憶装置340から取得し、取得した関連情報345に対応付けられる別の情報を、対応機能に関連する関連情報として表示部360に表示するようにしてもよい。
【0109】
(3)上記実施例では、アシストモード印刷処理は、ユーザごとに管理される履歴情報に基づいて実行されるが、これに限られない。例えば、履歴情報をユーザごとに管理せず、複合機200を用いた複数のユーザの履歴情報を区別せず管理し、この履歴情報に基づいて、アシストモード印刷処理が、実行されてもよい。このようにすれば、ログイン画面UI1の表示などのログイン関連処理や、ユーザ識別情報(ログインパスワードなど)の管理処理を、省略することができるので、より簡易な構成で、複合機200の印刷機能の利用を促進することができる。
【0110】
(4)上記実施例で、一覧表示ボタンBTX(図6(b))が押された場合に表示される状況一覧344を示す画面において、1つの文章MCに、この文章MCに対応する特定の印刷機能に関連する関連情報(例えば、ナビゲーション動画や設定変更画面)が対応付けられていてもよい。例えば、文章MCが、「両面印刷機能使用回数5回以上」(図4:No.4参照)である場合には、この文章MCに、この文章MCに対応する印刷機能である両面印刷機能に関連するナビゲーション動画(関連情報)が対応付けられていてもよい。この場合、実績表示制御部N27は、状況一覧344を示す画面において、ユーザによって1つの文章MCが選択されることにより(1つの文章MCがクリックされることにより)、この文章MCに対応付けられる関連情報を表示部360に表示する。このようにすれば、ユーザは、説明書(マニュアル)やホームページなどを見ることなく、特定の印刷機能に関連する関連情報を確認することができ、ユーザの複合機200の使用満足度を向上させることができる。
【0111】
(5)図10は、変形例における状況一覧表344aの一例を示す図である。プリンタドライバ部N20は、図4に示す状況一覧表344に代えて、図10に示す状況一覧表344aを表示部360に表示しても良い。本変形例における状況一覧表344aでは、目標実績の内容を表現した複数の文章MCのうち、ユーザの実行実績が到達していない未達目標実績についての文章の一部または全部が表示されない。表示されない文章の一部は、例えば、目標実績として設定されている印刷枚数や機能の使用回数の具体的な目標数値である。そして、この状況一覧表344aでは、表示されない文章MCの一部または全部に代えて、「?(クエスチョンマーク)」が表示されている。このようにクエスチョンマークが表示されることによって、ユーザは、未達目標実績が存在することは認識できるものの、その内容の一部または全部を認識できない。
【0112】
本変形例によれば、内容の一部または全部が解らない未達目標実績が存在することをユーザが認識できる。この結果、未達目標実績の内容を知りたいというユーザの探求意欲を刺激して、より多くの種類の印刷機能の使用を促すことができる。
【0113】
(6)上記実施例における画像処理システム1000は、ユーザ計算機300に加えて、図1において破線で示すように、他の1または複数のユーザ計算機800を備えても良い。他のユーザ計算機800の構成は、例えば、ユーザ計算機300の構成と同一である。この場合には、サーバ400の履歴情報管理部414は、複数のユーザ計算機300、800のそれぞれのプリンタドライバ部N20からの履歴情報をユーザごとに一元管理することが好ましい。
【0114】
本変形例によれば、同じユーザが複数のユーザ計算機300、800を介して、複合機200の印刷機能を利用する場合であっても、一元管理された履歴情報に応じてユーザごとにアシストモード印刷処理(図7)が実行されるので、ユーザごとに複数種類の印刷機能の利用を効果的に促進することができる。
【0115】
(7)上記実施例における画像処理システム1000は、複合機200に加えて、図1において破線で示すように、他の1または複数の複合機900を備えても良い。他の複合機900の構成は、例えば、複合機200の構成と同一である。この場合には、サーバ400の履歴情報管理部414は、複数の複合機200、900に対する履歴情報をユーザごとに一元管理しても良い。このようにすれば、同じユーザが複数の同じ機能を有する複合機200、900を利用する場合であっても、同じユーザの過去の履歴情報を参照してアシストモード印刷処理が実行されるので、ユーザごとに複数種類の印刷機能の利用を効果的に促進することができる。
【0116】
(8)上記実施例では、複数種類の印刷機能を実行可能な複合機200が採用されているが、これに代えて、他の画像処理装置が採用されても良い。他の画像処理装置としては、光学素子を用いて対象物を表す画像データを生成する画像生成装置(デジタルカメラ、スキャナなど)など採用可能である。例えば、デジタルカメラを採用すれば、デジタルカメラが備える複数種類の撮影機能(例えば、高画質撮影機能、逆光補正機能、被写体別色補正機能(例えば、人物用色補正、風景用色補正など)、オートフォーカス機能、マニュアルフォーカス機能)の利用を促進することができるユーザインタフェースを実現することができる。
【0117】
(9)サーバ400は、1つの筐体の装置に限らず、複数の計算機を含む計算機システム(例えば、いわゆるクラウドコンピューティングを実現する分散型の計算機システム)によって構成されていても良い。
【0118】
(10)上記実施例において、履歴情報(実行実績)の管理は、サーバ400に代えて、プリンタドライバ部N20において行っても良いし、履歴情報(実行実績)の管理は、複合機200において行ってもよい。このようにすれば、簡易な構成で、複合機200の印刷機能の利用を促進することができる。
【0119】
(11)上記実施例では、プリンタドライバ起動処理において、ログイン画面UI1を表示させて、ユーザからユーザ識別情報(ログインパスワード)を取得するようにしているが、これに限られない。例えば、ユーザ計算機300のOS(Operating System)起動時に、OSのログインパスワード(OSパスワードとも呼ぶ)をユーザから取得する場合には、ユーザから取得したOSパスワードを、プリンタドライバ起動処理におけるユーザ識別情報として用いるようにしてもよい。
【0120】
(12)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
200...複合機、210...CPU、240...記憶装置、250...通信部、260...表示部、270...操作部、280...印刷実行部、290...スキャナ部、300...ユーザ計算機、310...CPU、340...記憶装置、350...通信部、360...表示部、370...操作部、400...サーバ、410...CPU、450...通信部、500...第1ローカルエリアネットワーク、600...第2ローカルエリアネットワーク、700...インターネット、800...ユーザ計算機、900...複合機、1000...画像処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理に関する複数種類の機能を実行可能な画像処理装置に実行指示するための設定画面を表示するためのプログラムであって、
(A)前記設定画面を表示部に表示させる手順と、
(B)ユーザから前記設定画面を介して特定の指示が指定された場合に満たされる実行条件を含む表示条件と、前記機能と、をそれぞれ対応付けて管理する管理部から、前記表示条件に対応付けられた機能である対応機能に関する情報を取得する手順と、
(C)前記特定の指示が指定されることにより前記表示条件が満たされる場合であって、前記対応機能の使用頻度が所定値よりも低い場合に、前記対応機能に関連する関連情報を、取得した前記対応機能に関する情報を用いて前記表示部に表示させる手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記表示条件は、
前記画像処理装置の状態が特定状態である場合に満たされる装置状態条件、および、前記複数種類の機能のうちの特定機能の実行実績が特定レベル以上である場合に満たされる機能実績条件のうちの少なくとも一方を、を含む、
プログラム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプログラムであって、
前記手順(C)は、
(C1)前記関連情報として、前記関連情報に関連する前記対応機能の設定項目の設定のための対応設定画面を、前記表示部に表示する手順を含み、
前記プログラムは、
(D)前記対応設定画面を介して前記ユーザから設定変更指示がなされた場合に、前記設定変更指示に基づいて、前記関連情報に関連する前記対応機能の設定項目の設定を変更する手順を、
前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記手順(C1)は、
前記対応機能について複数の設定項目を設定可能な場合には、前記対応機能の前記複数の項目をそれぞれ設定するための複数の前記対応設定画面を、前記関連情報として、順番に前記表示部に表示する手順を含む、
プログラム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のプログラムであって、
(E)前記複数種類の機能のうち、前記実行指示によって指示された機能を前記画像処理装置に実行させる手順と、
(F)前記複数種類の機能の実行実績に応じた実績レベルを前記表示部に表示する手順と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記実績レベルの上限は、前記複数種類の機能のうち、実行された機能の種類の数が多いほど高い、
プログラム。
【請求項7】
請求項1ないし6に記載のプログラムであって、
(G)複数のユーザのうちの、特定のユーザを識別するユーザ識別情報を取得する手順を、前記コンピュータに実行させ、
前記複数種類の機能の前記使用頻度を表す頻度情報が、ユーザごとに管理部によって、管理されており、
前記実行条件は、前記ユーザ識別情報によって識別されたユーザである識別ユーザの前記実行指示に前記特定の指示が含まれている場合に満たされる条件であり、
前記手順(C)は、
(C2)前記頻度情報のうち、前記複数種類の機能のうちの前記表示条件に対応付けられた前記対応機能における前記識別ユーザの前記頻度情報を取得する手順と、
(C3)前記実行条件を含む前記表示条件が満たされる場合であって、取得した前記頻度情報が表す前記使用頻度が前記所定値より低い場合に、取得した前記頻度情報に対応する前記対応機能に関連する前記関連情報を、前記識別ユーザに対する情報として、前記表示部に表示させる手順と、
を含む、プログラム。
【請求項8】
画像処理に関する複数種類の機能を実行可能な画像処理装置であって、
表示部と、
ユーザの実行指示を受け付けるための設定画面を前記表示部に表示させる設定画面表示制御部と、
ユーザから前記設定画面を介して特定の指示が指定された場合に満たされる実行条件を含む表示条件と、前記機能と、をそれぞれ対応付けて管理する管理部から、前記表示条件に対応付けられた機能である対応機能に関する情報を取得する取得部と、
前記特定の指示が指定されることにより前記表示条件が満たされる場合であって、前記対応機能の使用頻度が所定値よりも低い場合に、前記対応機能に関連する関連情報を、取得した前記対応機能に関する情報を用いて前記表示部に表示させる関連情報表示制御部と、
を備える画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−68988(P2013−68988A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205185(P2011−205185)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】