説明

プログラム、情報記憶媒体、及びゲーム装置

【課題】移動体が移動するコースに関する情報をプレーヤに対して効果的に認識させることが可能なプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置を提供すること。
【解決手段】移動体がオブジェクト空間内のコース上を移動する画像を生成するためのプログラムであって、前記コースに関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトをオブジェクト空間に配置するオブジェクト空間設定部と、操作部からの操作データに基づいて、前記移動体の移動を制御する移動制御部と、前記移動体の位置又は前記移動体の移動に追従する仮想カメラの位置に基づいて、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うコース表示オブジェクト制御部としてコンピュータを機能させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体、及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、移動体がオブジェクト空間内のコースを移動する画像を生成するゲーム装置が知られている。
【0003】
このようなゲーム装置では、プレーヤに対して前方に存在するコース情報を視覚的に知らせるために、道路標識をプレーヤレーシングカー(移動体)の走行位置に合せてゲーム画像においてスクロール表示又は拡大表示するものが知られている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−70482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来のゲーム装置では、道路標識がオブジェクト空間に配置されたものではなく、ゲーム画像に重畳して表示されるものであるため、移動体が走行するコースと道路標識との関係が把握し難いといった問題点があった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移動体が移動するコースに関する情報を効果的にプレーヤに対して認識させることが可能なプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、移動体がオブジェクト空間内のコース上を移動する画像を生成するためのプログラムであって、
前記コースに関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトをオブジェクト空間に配置するオブジェクト空間設定部と、
操作部からの操作データに基づいて、前記移動体の移動を制御する移動制御部と、
前記移動体の位置又は前記移動体の移動に追従する仮想カメラの位置に基づいて、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うコース表示オブジェクト制御部としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記各部を含むゲーム装置に関係する。また本発明はコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶した情報記憶媒体に関係する。
【0008】
本発明において、コース表示オブジェクトの表示態様とは、例えばコース表示オブジェクトの大きさ、色、透明度、表示位置、向き、点滅及び表示の有無等をいう。
【0009】
本発明によれば、移動体が移動するコースに関する情報を移動体又は仮想カメラの位置に応じて効果的にプレーヤに認識させることができる。
【0010】
(2)このプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置は、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記移動体の位置又は前記移動体の移動に追従する仮想カメラの位置が前記コース上の所定の位置にあるか否かを判断し、前記コース上の所定の位置にあると判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0011】
このようにすると、移動体が移動するコースに関する情報を移動体又は仮想カメラの位置に応じて効果的にプレーヤに認識させることができる。
【0012】
(3)このプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置は、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記移動体の速度又は前記移動体の移動に追従する仮想カメラの速度が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たすと判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0013】
このようにすると、移動体が移動するコースに関する情報を移動体又は仮想カメラの速度に応じて効果的にプレーヤに認識させることができる。
【0014】
(4)このプログラム及び情報記憶媒体は、
前記移動体の順位、ゲーム成績及びゲーム履歴の少なくとも1を演算するゲーム演算部としてコンピュータを機能させ、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記ゲーム演算部によって演算された前記移動体の順位、ゲーム成績及びゲーム履歴の少なくとも1が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たすと判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0015】
またこのゲーム装置は、
前記移動体の順位、ゲーム成績及びゲーム履歴の少なくとも1を演算するゲーム演算部をさらに含み、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記ゲーム演算部によって演算された前記移動体の順位、ゲーム成績及びゲーム履歴の少なくとも1が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たすと判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0016】
このようにすると、移動体が移動するコースに関する情報を移動体の順位、ゲーム成績等に応じて効果的にプレーヤに認識させることができる。
【0017】
(5)このプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置は、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記コース表示オブジェクトの大きさ、色、透明度、表示位置、向き、点滅及び表示の有無の少なくとも1を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0018】
(6)このプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置は、
前記コース表示オブジェクトは、前記コースの形状又は前記コースに配置された静止オブジェクトに関する情報を表示するためのオブジェクトであってもよい。
【0019】
コースの形状に関する情報とは、例えばコース上にコーナー(カーブ)が存在することを示す情報や、コースが分岐していることを示す情報等をいう。またコースに配置された静止オブジェクトとは、例えばコースに配置された踏切、信号等を表すオブジェクトをいう。
【0020】
このようにすると、移動体が移動するコースの形状又はコースに配置された静止オブジェクトに関する情報に関する情報をプレーヤに認識させることができる。
【0021】
(7)このプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置は、
前記コース表示オブジェクトは、前記コースの進行方向に沿って移動する所定の方向指示マークを表示するためのオブジェクトであってもよい。
【0022】
このようにすると、移動体が移動するコースの形状を効果的にプレーヤに認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0024】
1.構成
図1に本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のゲーム装置は図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0025】
操作部160は、プレーヤがオブジェクト(移動体、プレーヤキャラクタ)の操作データを入力するためのものであり、その機能は、キーボート、マウス、レバー、ボタン、ステアリングホイール(ハンドル)、ペダル、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、或いは筺体などにより実現できる。
【0026】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部170は、ワーク領域として使用される主記憶部172と、最終的な表示画像等が記憶されるフレームバッファ174と、オブジェクトのモデルデータが記憶されるオブジェクトデータ記憶部176と、各オブジェクトデータ用のテクスチャが記憶されるテクスチャ記憶部178と、オブジェクトの画像の生成処理時にZ値が記憶されるZバッファ179と、を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0027】
特に本実施形態のオブジェクトデータ記憶部176は、コース表示オブジェクトのデータを記憶する。ここでコース表示オブジェクトとは、オブジェクト空間内のコースに関する情報を表示するためのオブジェクトである。またコース表示オブジェクトは、前記コースの形状又は前記コースに配置された静止オブジェクトに関する情報を表示するためのオブジェクトであってもよいし、前記コースの進行方向に沿って移動する所定の方向指示マークを表示するためのオブジェクトであってもよい。
【0028】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0029】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0030】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0031】
通信部196は外部(例えば他のゲーム装置、サーバ)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0032】
なお、サーバが有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体180や記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信してゲーム装置を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0033】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。この処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0034】
処理部100は、ゲーム演算部102、描画部120、音生成部130を含む。
【0035】
ゲーム演算部102は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいてゲーム処理を行う。ここでゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、キャラクタやマップなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0036】
本実施形態のゲーム演算部102は、プレーヤの操作に基づいて車両などの移動体の移動を制御し、オブジェクト空間に形成されるコースに従ってレースを実行するための各種の処理を行う。
【0037】
ゲーム演算部102は、オブジェクト空間設定部110、移動・動作処理部112(移動制御部)、コース表示オブジェクト制御部113、仮想カメラ制御部114を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0038】
オブジェクト空間設定部110は、移動体、キャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(コース、地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。例えば、ワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義であり、例えば、ワールド座標系でのX、Y、Z軸の各軸の正方向からみて時計回りに回る場合における回転角度)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0039】
特に本実施形態のオブジェクト空間設定部110は、前記コースに関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトをオブジェクト空間に配置する。
【0040】
移動・動作処理部112は、オブジェクト(キャラクタ、移動体等)の移動・動作演算(移動・動作シミュレーション)を行う。すなわち操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)、物理法則などに基づいて、オブジェクトをオブジェクト空間内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。具体的には、オブジェクトの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(オブジェクトを構成する各パーツの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、オブジェクトの移動・動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0041】
特に本実施形態の移動・動作処理部112(移動制御部)は、操作部160からの操作データに基づいて、前記コース上の前記移動体の移動を制御する。
【0042】
仮想カメラ制御部114は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)等に基づいて、ワールド座標系における仮想カメラの位置(X、Y、Z)、回転角度(例えば、X、Y、Z軸の各軸の正方向からみて時計回りに回る場合における回転角度)、速度、或いは加速度を制御する処理を行う。要するに、視点位置、視線方向、画角を制御する処理を行う。
【0043】
特に本実施形態の仮想カメラ制御部114は、仮想カメラを移動体オブジェクトの移動に追従させる制御を行う。すなわち、仮想カメラによりオブジェクト(例えばキャラクタ、移動体)を後方から撮影するために、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度を制御する。この場合には、移動・動作処理部112で得られたオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
【0044】
コース表示オブジェクト制御部113は、移動・動作処理部112によって求められた前記移動体の位置に基づいて、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行う。またコース表示オブジェクト制御部113は、仮想カメラ制御部114によって求められた仮想カメラの位置に基づいて、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0045】
またコース表示オブジェクト制御部113は、移動・動作処理部112によって求められた前記移動体の位置が前記コース上の所定の位置にあるか否かを判断し、前記コース上の所定の位置にあると判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。またコース表示オブジェクト制御部113は、仮想カメラ制御部114によって求められた仮想カメラの位置が前記コース上の所定の位置にあるか否かを判断し、前記コース上の所定の位置にあると判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0046】
またコース表示オブジェクト制御部113は、移動・動作処理部112によって求められた前記移動体の速度が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たすと判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。またコース表示オブジェクト制御部113は、仮想カメラ制御部114によって求められた仮想カメラの速度が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たすと判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0047】
またゲーム演算部102は、移動・動作処理部112によって求められた前記移動体の移動情報又は仮想カメラ制御部114によって求められた仮想カメラの位置に基づいて、前記移動体の順位、ゲーム成績及びゲーム履歴の少なくとも1を演算し、コース表示オブジェクト制御部113は、ゲーム演算部102によって演算された前記移動体の順位、ゲーム成績及びゲーム履歴の少なくとも1が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たすと判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0048】
またコース表示オブジェクト制御部113は、前記コース表示オブジェクトの大きさ、色、透明度、表示位置、向き、点滅及び表示の有無の少なくとも1を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0049】
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。いわゆる3次元ゲーム画像を生成する場合には、まずオブジェクトの各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理(頂点シェーダによるシェーディング)が行われる。なお頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0050】
頂点処理では、頂点処理プログラム(頂点シェーダプログラム、第1のシェーダプログラム)に従って、頂点の移動処理や、座標変換、例えばワールド座標変換、視野変換(カメラ座標変換)、クリッピング処理、射影変換(透視変換、投影変換)、ビューポート変換(スクリーン座標変換)、光源計算等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。ジオメトリ処理後のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)は、オブジェクトデータ記憶部176に保存される。
【0051】
そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(ピクセルシェーダによるシェーディング、フラグメント処理)が行われる。
【0052】
ピクセル処理では、ピクセル処理プログラム(ピクセルシェーダプログラム、第2のシェーダプログラム)に従って、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を描画バッファ174(ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0053】
なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるように画像を生成することができる。また、仮想カメラが複数存在する場合には、仮想カメラ毎に前記コース表示オブジェクトを関連づけておき、ある仮想カメラから見える画像を生成する際には、当該仮想カメラに関連づけられたコース表示オブジェクトのみを描画し、他のカメラに関連づけられたコース表示オブジェクトを描画しないようにしてもよい。
【0054】
なお頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセルシェーダ)により実現される。プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、従来のハードウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0055】
そして描画部120は、オブジェクトを描画する際に、テクスチャマッピング、隠面消去処理、αブレンディング等を行う。
【0056】
テクスチャマッピングは、記憶部170のテクスチャ記憶部178に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングするための処理である。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部170のテクスチャ記憶部178からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出す。そして、2次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
【0057】
隠面消去処理としては、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ179(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行うことができる。すなわちオブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファ179に格納されるZ値を参照する。そして参照されたZバッファ179のZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラから見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファ179のZ値を新たなZ値に更新する。
【0058】
αブレンディング(α合成)は、α値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、加算αブレンディング又は減算αブレンディング等)のことである。
【0059】
なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
【0060】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0061】
なお、本実施形態のゲーム装置は、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用の装置にしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備える装置にしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
【0062】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0063】
2−1.移動体又は仮想カメラの位置、速度に基づく制御
図2、図3(A)、図3(B)、図4、図5(A)、図5(B)は、移動体又は仮想カメラの位置と速度に応じてコース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御の一例について説明するための図である。
【0064】
本実施形態では、操作部からの操作データに基づき移動体MO(レーシングカー)をコースに沿って走行させるレースゲームを行うもので、移動体MOを含むオブジェクト空間を仮想カメラVCからみた画像が生成され、ゲーム画像GIとして表示される。
【0065】
また本実施形態では、コースに関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトCOをオブジェクト空間に配置し、移動体MO又は仮想カメラの位置がコース上の所定の位置にあり、且つ移動体MO又は仮想カメラの速度が所定の条件を満たす場合に、コース表示オブジェクトCOの表示態様を変化させる制御を行う。
【0066】
図2、図3(A)、図3(B)に示す例では、移動体MOが走行するコースCSの左折コーナー(左カーブ)付近のコース右端に、前方に左折コーナーが存在することを示すコース表示オブジェクトCO(コースの形状に関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトの一例)が配置されている。
【0067】
そして移動体MOがコーナー手前の所定位置P1に達したときの移動体MOの速度が所定の速度以下である場合には、図3(A)に示すようにコース表示オブジェクトCOを通常の大きさで表示し、移動体MOの速度が所定の速度を越えている場合には、図3(B)に示すようにコース表示オブジェクトCOの大きさが図3(A)に示すコース表示オブジェクトCOよりも大きくなるように表示態様を変化させる制御を行う。
【0068】
また、移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCがコーナー手前の所定位置P1に達したときの仮想カメラVCの速度が所定の速度以下である場合には、図3(A)に示すようにコース表示オブジェクトCOを通常の大きさで表示し、仮想カメラVCの速度が所定の速度を越えている場合には、図3(B)に示すようにコース表示オブジェクトCOの大きさが図3(A)に示すコース表示オブジェクトCOよりも大きくなるように表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0069】
なおコース表示オブジェクトCOは、移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCから見える位置に配置される。またコーナーが存在することを示すコース表示オブジェクトCOは、右折コーナー(右カーブ)においてはコース左端に配置される。
【0070】
このように本実施形態によれば、コーナー手前に位置する移動体又は仮想カメラの速度が所定の速度を超えている場合に、コース表示オブジェクトの表示サイズを大きくする制御を行うことで、コーナー手前において所定速度を超える速度で走行する移動体を操作するプレーヤに対して、ブレーキ操作が必要なコーナーが存在することを認識させ易くすることができる。
【0071】
また本実施形態のコース表示オブジェクトCOは、コースの進行方向に沿って移動する所定の方向指示マークを表示するように構成してもよい。すなわち、図2、図3(A)、図3(B)に示すように、コーナーが存在することを示すコース表示オブジェクトCOは、コースCSの形状に沿って歪曲した板状のオブジェクト(ポリゴン)により構成され、複数の方向指示マークDMが表されたテクスチャがマッピングされている。そしてテクスチャ座標を変化させて当該テクスチャをコースの進行方向D(コースCSの形状に沿った方向)にスクロールさせることにより、複数の方向指示マークDMがコースの進行方向Dに沿って連続的に移動するように構成している。このようにコース表示オブジェクトCOを構成することにより、コーナーのカーブの形状をプレーヤに効果的に認識させることができる。
【0072】
また図4、図5(A)、図5(B)に示す例では、コースCSが分岐する地点の近くに、前方でコースが分岐することを示すコース表示オブジェクトCO(コースの形状に関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトの一例)が配置されている。
【0073】
そして移動体MOが分岐地点手前の所定位置P4に達したときの移動体MOの速度が所定の速度以下である場合には、図5(A)に示すようにコース表示オブジェクトCOを通常の大きさで表示し、移動体MOの速度が所定の速度を越えている場合には、図5(B)に示すようにコース表示オブジェクトCOの大きさが図5(A)に示すコース表示オブジェクトCOよりも大きくなるように表示態様を変化させる制御を行う。
【0074】
また、移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCが分岐地点手前の所定位置P4に達したときの仮想カメラVCの速度が所定の速度以下である場合には、図5(A)に示すようにコース表示オブジェクトCOを通常の大きさで表示し、仮想カメラVCの速度が所定の速度を越えている場合には、図5(B)に示すようにコース表示オブジェクトCOの大きさが図5(A)に示すコース表示オブジェクトCOよりも大きくなるように表示態様を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0075】
なおコースが分岐することを示すコース表示オブジェクトCOは、走行面から上方向に離れた位置であって、移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCから見える位置に配置される。
【0076】
このようにすると、コースが分岐する地点の手前において所定速度を超える速度で走行する移動体を操作するプレーヤに対して、コースが分岐することを認識させ易くすることができる。
【0077】
図6(A)、図6(B)は、コースに配置された静止オブジェクトに関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトCOの一例である。
【0078】
本実施形態では、移動体MOが走行するコースCSに設けられた踏切(鉄道とコースが交差する場所)の近くに、図6(A)に示すような、前方に踏切が存在することを示すコース表示オブジェクトCOを配置するようにしてもよい。またコースCSに設けられた信号機の近くに、図6(B)に示すような、前方に信号機が存在することを示すコース表示オブジェクトCOを配置するようにしてもよい。
【0079】
そして移動体MOが踏切又は信号機が設けられた地点手前の所定位置に達したときの移動体MOの速度が所定の速度以下である場合には、コース表示オブジェクトCOを通常の大きさで表示し、移動体MOの速度が所定の速度を越えている場合には、コース表示オブジェクトCOの表示サイズを大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0080】
また移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCが踏切又は信号機が設けられた地点手前の所定位置に達したときの仮想カメラVCの速度が所定の速度以下である場合には、コース表示オブジェクトCOを通常の大きさで表示し、仮想カメラVCの速度が所定の速度を越えている場合には、コース表示オブジェクトCOの表示サイズを大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0081】
なお前方に踏切又は信号機が存在することを示すコース表示オブジェクトCOは、走行面から上方向に離れた位置であって、移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCから見える位置に配置される。
【0082】
このようにすると、踏切又は信号機手前において所定速度を超える速度で走行する移動体を操作するプレーヤに対して、ブレーキ操作が必要な踏切又は信号機が存在することを認識させ易くすることができる。
【0083】
なお、プレーヤに対してコーナー、分岐、踏切、信号機が存在することを認識させ易くするために、コース表示オブジェクトCOの色、透明度、表示の有無、点滅の有無を変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0084】
例えば移動体又は仮想カメラの速度が所定速度以下である場合には、コース表示オブジェクトを黄色で表し、移動体の速度又は仮想カメラが所定の速度を超えている場合にはコース表示オブジェクトを赤色で表すようにしてもよい。また、移動体又は仮想カメラの速度が所定速度以下である場合には、コース表示オブジェクトの透明度を低くし、移動体又は仮想カメラの速度が所定の速度を超えている場合にはコース表示オブジェクトの透明度を高くするようにしてもよい。また、移動体又は仮想カメラの速度が所定の速度を超えている場合にはコース表示オブジェクトを点滅させる(一定周期で表示・非表示を繰り返す)ようにしてもよい。また、移動体又は仮想カメラの速度が所定速度以下である場合には、コース表示オブジェクトを非表示とし、移動体又は仮想カメラの速度が所定の速度を超えている場合にはコース表示オブジェクトを表示するようにしてもよい。
【0085】
2−2.移動体又は仮想カメラの位置に基づく制御
図7(A)、図7(B)は、移動体又は仮想カメラの位置に応じてコース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御の一例について説明するための図である。
【0086】
本実施形態では、移動体MO又は仮想カメラVCの位置に基づきコース表示オブジェクトCOの表示位置を変化させる制御を行う。
【0087】
図7(A)、図7(B)に示す例では、コースCSの上り坂の先にある右折コーナー付近に、前方に右折コーナーが存在することを示すコース表示オブジェクトCOが配置されている。
【0088】
そして移動体MOが上り坂の始点P2から終点P3までの範囲A1に位置する場合(移動体MOが上り坂を走行している場合)には、図7(A)に示すように、コース表示オブジェクトCOを走行面から上方向(オブジェクト空間のY軸方向)に離れた位置に配置し、移動体MOが範囲A1に位置しない場合(移動体MOが上り坂を上りきった場合)には、図7(B)に示すように、コース表示オブジェクトCOを走行面に近い位置に配置するように制御している。
【0089】
また移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCが上り坂の始点P2から終点P3までの範囲A1に位置する場合には、図7(A)に示すように、コース表示オブジェクトCOを走行面から上方向(オブジェクト空間のY軸方向)に離れた位置に配置し、移動体MOが範囲A1に位置しない場合には、図7(B)に示すように、コース表示オブジェクトCOを走行面に近い位置に配置するように制御してもよい。
【0090】
このように本実施形態によれば、移動体MOが上り坂を走行している場合であっても、コース表示オブジェクトCOを移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCの視界に入れることができ、上り坂を走行する移動体を操作するプレーヤに対して、当該上り坂の先にコーナーが存在することを認識させ易くすることができる。
【0091】
また移動体MO又は仮想カメラVCの位置に基づきコース表示オブジェクトCOの向きを変化させる制御を行うようにしてもよい。
【0092】
図8(A)、図8(B)に示す例では、コースCSの上り坂を上りきった位置に、前方に分岐、踏切又は信号機が存在することを示すコース表示オブジェクトCOが配置され、移動体MO又は仮想カメラVCが上り坂の始点P2から終点P3までの範囲A1に位置する場合には、図8(A)に示すように、コース表示オブジェクトCOの向きをコース後方に傾けて配置し、移動体MO又は仮想カメラVCが範囲A1に位置しない場合には、図8(B)に示すように、コース表示オブジェクトCOの向きを傾けずに垂直に配置するように制御している。このようにすると、移動体MOが上り坂を走行している場合であっても、コース表示オブジェクトCOの向きを移動体MOの移動に追従する仮想カメラVCから見易い向きにすることができ、上り坂を走行する移動体を操作するプレーヤに対して、当該上り坂の先に分岐、踏切又は信号機が存在することを認識させ易くすることができる。
【0093】
2−3.ゲームパラメータに基づく制御
また本実施形態では、移動体MO又は仮想カメラVCの位置がコース上の所定の位置にあり、且つ移動体MOの順位、ゲーム成績、ゲーム履歴等のゲームパラメータの値が所定の条件を満たす場合に、コース表示オブジェクトCOの表示態様を変化させる制御を行う。
【0094】
図9は、移動体の順位、ゲーム成績、ゲーム履歴等のゲームパラメータを格納したテーブルの一例である。
【0095】
図9に示すテーブル200には、レースゲームに参加するプレーヤ210毎に、レースにおける移動体の現在の順位を示す現在順位220、前回のレースにおける最終的な順位を示す前回順位230(ゲーム成績)、コース上の第1のコーナーの通過に成功したか失敗したかを示す第1コーナー履歴240(ゲーム履歴)等のゲームパラメータが格納されている。なおコーナーの通過に成功したか否かは、コース両端に設置された壁等に接触せずにコーナーを通過したか否かに基づき判断するようにしてもよい。またテーブル200に、プレーヤ210毎の前回のレースにおける周回タイムをゲーム成績として格納するようにしてもよい。
【0096】
そしてコース表示オブジェクト制御部113は、移動体MO又は仮想カメラVCがコーナー手前の所定位置に達したときに記憶部170に記憶されたテーブル200を参照し、例えば当該移動体MOの現在順位220が上位の順位である場合には、当該コーナー付近に配置されたコース表示オブジェクトCOを通常の大きさで表示し、当該移動体MOの現在順位220が下位の順位である場合には、当該コーナー付近に配置されたコース表示オブジェクトCOの表示サイズを大きくする制御を行う。
【0097】
また、移動体MO又は仮想カメラVCがコーナー手前の所定位置に達したときの移動体MOの前回順位230が下位の順位である場合には、当該コーナー付近に配置されたコース表示オブジェクトCOの表示サイズを大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0098】
また移動体MO又は仮想カメラVCが第1のコーナー手前の所定位置に達したときの当該移動体MOの第1コーナー履歴240が「成功」である場合には、第1のコーナー付近に配置されたコース表示オブジェクトCOを通常の大きさで表示し、当該移動体MOの第1コーナー履歴240が「失敗」である場合には、第1のコーナー付近に配置されたコース表示オブジェクトCOの表示サイズを大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0099】
また移動体MO又は仮想カメラVCが分岐、踏切又は信号機手前の所定位置に達したときの現在順位220や前回順位230に基づき、分岐、踏切又は信号機付近に配置されたコース表示オブジェクトCOの表示サイズを大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0100】
このようにすると、順位の低いプレーヤやゲーム成績の悪いプレーヤに対して、所定の操作が必要なコーナー、分岐、踏切又は信号機の存在を認識させ易くすることができる。また所定のコーナーの通過に失敗したプレーヤに対して、当該コーナーの存在を認識させ易くすることができる。なおプレーヤに対してコーナー、分岐、踏切又は信号機が存在することを認識させ易くするために、コース表示オブジェクトの色、透明度、表示の有無、点滅の有無を変化させるように制御してもよい。
【0101】
3.本実施形態の処理
次に、本実施形態の処理の一例について図10のフローチャートを用いて説明する。ここでは、コーナーが存在することを示すコース表示オブジェクトCOの表示態様を変化させる場合について説明する。
【0102】
まず、移動動作処理部112(移動制御部)は、操作部160からの操作データに基づいて移動体MOの位置、速度を求める(ステップS10)。
【0103】
次に、コース表示オブジェクト制御部113は、移動体MOの位置がコースCSのコーナー手前の所定位置にあるか否かを判断する(ステップS12)。なお、コースCSのコーナーと移動体MOとの距離が所定の距離であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0104】
ステップS12の処理において、移動体MOの位置がコーナー手前の所定位置にあると判断した場合には、コース表示オブジェクト制御部113は、移動体MOの速度が所定の速度を超えたか否かを判断し(ステップS14)、所定の速度を超えたと判断した場合には、コーナー付近に配置されたコース表示オブジェクトCOの表示サイズを大きくする制御を行う(ステップS16)。具体的には、コース表示オブジェクトCOを拡大する処理を行うようにしてもよいし、大きさの異なる複数のコース表示オブジェクトを用意しておき、より大きなコース表示オブジェクトを配置するようにしてもよい。
【0105】
次に、描画部120は、仮想カメラから見える画像を生成する処理を行う(ステップS18)。
【0106】
次に、処理を続けるか否か判断し(ステップS20)、続けるのであればステップS10に戻り、ステップS10以下の処理を1/60秒毎に繰り返す。
【0107】
なお、ステップS14の処理において、移動体MOの順位、ゲーム成績、ゲーム履歴等のゲームパラメータの値が所定の条件を満たすか否かを判断するようにしてもよい。
【0108】
また、ステップS16の処理において、コース表示オブジェクトCOの色、透明度、表示の有無、点滅の有無を変化させる制御を行うようにしてもよい。コース表示オブジェクトCOの色を変化させる場合には、コース表示オブジェクトCOの頂点色を変化させるようにしてもよいし、コース表示オブジェクトCOに異なる色で表されたテクスチャをマッピングするようにしてもよい。
【0109】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図。
【図2】移動体又は仮想カメラの位置と速度に応じてコース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御の一例について説明するための図。
【図3】図3(A)、図3(B)は、移動体又は仮想カメラの位置と速度に応じてコース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御の一例について説明するための図。
【図4】移動体又は仮想カメラの位置と速度に応じてコース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御の一例について説明するための図。
【図5】図5(A)、図5(B)は、移動体又は仮想カメラの位置と速度に応じてコース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御の一例について説明するための図。
【図6】図6(A)、図6(B)は、コースに配置された静止オブジェクトに関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトの一例。
【図7】図7(A)、図7(B)は、移動体又は仮想カメラの位置に応じてコース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御の一例について説明するための図。
【図8】図8(A)、図8(B)は、移動体又は仮想カメラの位置に応じてコース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御の一例について説明するための図。
【図9】移動体の順位、順位、ゲーム成績、ゲーム履歴等のゲームパラメータを格納したテーブルの一例。
【図10】本実施形態の処理の流れを示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0111】
100 処理部、102 ゲーム演算部、110 オブジェクト空間設定部、112 移動・動作処理部、113 コース表示オブジェクト制御部、114 仮想カメラ制御部、120 描画部、130 音生成部、160 操作部、170 記憶部、180 情報記憶媒体、190 表示部、192 音出力部、196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体がオブジェクト空間内のコース上を移動する画像を生成するためのプログラムであって、
前記コースに関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトをオブジェクト空間に配置するオブジェクト空間設定部と、
操作部からの操作データに基づいて、前記移動体の移動を制御する移動制御部と、
前記移動体の位置又は前記移動体の移動に追従する仮想カメラの位置に基づいて、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うコース表示オブジェクト制御部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記移動体の位置又は前記移動体の移動に追従する仮想カメラの位置が前記コース上の所定の位置にあるか否かを判断し、前記コース上の所定の位置にあると判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記移動体の速度又は前記移動体の移動に追従する仮想カメラの速度が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たすと判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記移動体の順位、ゲーム成績及びゲーム履歴の少なくとも1を演算するゲーム演算部としてコンピュータを機能させ、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記ゲーム演算部によって演算された前記移動体の順位、ゲーム成績及びゲーム履歴の少なくとも1が所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たすと判断した場合に、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記コース表示オブジェクト制御部は、
前記コース表示オブジェクトの大きさ、色、透明度、表示位置、向き、点滅及び表示の有無の少なくとも1を変化させる制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記コース表示オブジェクトは、前記コースの形状又は前記コースに配置された静止オブジェクトに関する情報を表示するためのオブジェクトであることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記コース表示オブジェクトは、前記コースの進行方向に沿って移動する所定の方向指示マークを表示するためのオブジェクトであることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1乃至7のいずれかのプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項9】
移動体がオブジェクト空間内のコースを移動する画像を生成するゲーム装置であって、
前記コースに関する情報を表示するためのコース表示オブジェクトをオブジェクト空間に配置するオブジェクト空間設定部と、
操作部からの操作データに基づいて、前記移動体の移動を制御する移動制御部と、
前記移動体の位置又は前記移動体の移動に追従する仮想カメラの位置に基づいて、前記コース表示オブジェクトの表示態様を変化させる制御を行うコース表示オブジェクト制御部とを含むことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−213741(P2009−213741A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62059(P2008−62059)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】