説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】新たなキャラクタを登場させるための入力音声に対する新たな処理方法を、音声入力に対するプレーヤの興味を低下させることなく実現すること。
【解決手段】入力音から所定時間間隔の検出時刻毎に各音階の音階音を検出し、検出した音階音を基に、プレーヤによる入力音と、キャラクタを誕生させるとして選択したタマゴOBに設定されている基準メロディとの合致を判定し、合致すると判定した場合、このタマゴOBに設定されているキャラクタを誕生させる。入力音と基準メロディとの合致は、(1)入力音に含まれる音階音の時間経過に対する分布、(2)入力音に含まれる各音階の延べ数、を基に判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャラクタが登場するゲームを実行するゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のゲーム装置では、マイク等の音声入力手段を備え、この音声入力手段からの入力音声がゲーム処理に利用される構成がある。例えば、入力音声を基に、新規に登場させるキャラクタのパラメータを決定する技術が知られている。かかる技術では、アナログ信号である入力音声がデジタル信号化され、更に、周波数帯毎に数値化した数列データに変換される。そして、変換された数列データ中の任意の数値と、予め定められた判定基準データとの合致が判定され、この判定結果に応じてキャラクタのパラメータが決定される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2860097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の特許文献1の技術では、入力音声を基に新規に登場させるキャラクタのパラメータを決定するが、これは、入力音声の一部分のみを利用しているに過ぎず、また、その意味内容とは全く関係ないパラメータのキャラクタが登場する。即ち、入力音声と生成されるキャラクタのパラメータとの関係の予想が全くつかず、プレーヤから見れば、キャラクタのパラメータがランダムに決定されるに等しい。このため、キャラクタのパラメータを決定するための音声入力に対するプレーヤの興味を低下させるおそれがあった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、新たなキャラクタを登場させるための入力音声に対する新たな処理方法を、音声入力に対するプレーヤの興味を低下させることなく実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための第1の発明は、
音声入力手段(例えば、図4の音入力部200)を有するコンピュータに、キャラクタが登場するゲームを実行させるためのプログラム(例えば、図4のゲームプログラム710)であって、
前記音声入力手段からの入力音に含まれる音階音1つ1つを検出する音階音検出手段(例えば、図4の合致判定部312;図19のステップC1)、
前記音階音検出手段により検出された音階音に基づいて、前記入力音を分析する分析手段(例えば、図4の合致判定部312;図18のステップB7)、
前記分析手段による分析結果が、複数の音階音を含む一連の課題音を前記分析手段が分析した場合の分析結果と一致すると判定される条件として予め定められた課題音条件(例えば、図4の類似度判定用データ732cや基準音階数データ732h)を満たすかを判定する判定手段(例えば、図4の合致判定部312;図18のステップB9)、
前記判定手段により満たすと判定された場合、新たなキャラクタを登場させるキャラ登場制御手段(例えば、図4のキャラ誕生制御部311;図18のステップB13)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0006】
また、第12の発明は、
音声入力手段を有し、キャラクタが登場するゲームを実行するゲーム装置(例えば、図1,4の携帯型ゲーム機1)であって、
前記音声入力手段からの入力音に含まれる音階音1つ1つを検出する音階音検出手段(例えば、図4の合致判定部312)と、
前記音階音検出手段により検出された音階音に基づいて、前記入力音を分析する分析手段(例えば、図4の合致判定部312)と、
前記分析手段による分析結果が、複数の音階音を含む一連の課題音を前記分析手段が分析した場合の分析結果と一致すると判定される条件として予め定められた課題音条件を満たすかを判定する判定手段(例えば、図4の合致判定部312)と、
前記判定手段により満たすと判定された場合、新たなキャラクタを登場させるキャラ登場制御手段(例えば、図4のキャラ誕生制御部311)と、
を備えるゲーム装置である。
【0007】
この第1又は第12の発明によれば、入力音に含まれる音階1つ1つが検出され、検出された音階音に基づいて分析された分析結果が課題音条件を満たすかが判定され、満たすと判定された場合、新たなキャラクタが登場される。
【0008】
つまり、入力音から検出した1つ1つの音階音を基に入力音を分析し、その分析結果を基に新たなキャラクタを登場させるといった、新たなキャラクタを登場させるための入力音に対する新たな処理方法が実現される。また、入力すべき課題音が設定されており、この課題音を入力すると新たなキャラクタが登場するといったように、入力音とキャラクタの登場との関係が容易に把握できるため、音入力に対するプレーヤの興味を高めることが可能となる。また、課題音条件の定め方により、入力音が課題音に完全に一致しなくとも大まかに一致していれば一致するとみなして新たなキャラクタを登場させるといった、入力音と課題音との一致を厳密に判定するのではなく、ある程度の柔軟性を持たせた判定が可能となる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記音階音検出手段が、所定時間間隔で入力音の当該時点に含まれている音階音を検出し、
前記課題音条件には、前記課題音に含まれる音階音の時間経過に対する分布を示す音階音分布条件(例えば、図6の類似度判定用データ732c)が含まれ、
前記分析手段が、前記音階音検出手段により前記所定時間間隔で検出された音階音に基づいて、前記入力音に含まれる音階音の時間経過に対する分布を分析する分布分析手段(例えば、図4の合致判定部312;図19のステップC1、C13〜C17)を有し、
前記判定手段が、前記分布分析手段による分析結果が前記音階音分布条件を満たすかを判定する、
ように前記コンピュータに機能させるためのプログラムである。
【0010】
この第2の発明によれば、入力音から所定時間間隔で検出された音階音に基づいて入力音に含まれる音階音の時間経過に対する分布が分析され、その分析結果が、課題音に含まれる音階音の時間経過に対する分布を示す音階音分布条件を満たすかが判定される。つまり、入力音と課題音とが、部分的にではなく全体として一致しているかどうかにより、新たなキャラクタが登場するかが決定される。従って、入力音と課題音とが部分的には異なっていても全体としてほぼ一致していると思われる場合には一致すると判定して新たなキャラクタを登場させるといった、入力音と課題音との一致判定に柔軟性を持たせることが可能となる。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明のプログラムであって、
前記音階音検出手段が、所定時間間隔で入力音の当該時点に含まれている音階音を検出し、
前記課題音条件には、前記課題音に含まれる音階音の音階毎の延べ数を示す延べ数条件(例えば、図6の基準音階数データ732h)が含まれ、
前記分析手段が、前記音階音検出手段による音階毎の音階音の検出延べ数を分析する延べ数分析手段(例えば、図4の合致判定部312;図19のステップC9〜C11)を有し、
前記判定手段が、前記延べ数分析手段による分析結果が前記延べ数条件を満たすかを判定する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0012】
この第3の発明によれば、入力音から所定時間間隔で検出された音階音の検出延べ数が分析され、その分析結果が、課題音に含まれる音階音の音階毎の延べ数を示す延べ数条件を満たすかが判定される。つまり、入力音に含まれる各音階音の数を基に、入力音と課題音とが一致するかが判定される。これにより、例えば課題音として楽曲が定められている場合、たとえテンポがずれていても音を間違わずに入力できれば新たなキャラクタが登場されるといったように、入力音と課題音との一致判定に柔軟性を持たせることが可能となる。
【0013】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明のプログラムであって、
前記音階音条件には、前記課題音に含まれる各音階音の入力開始タイミングを示すタイミング条件(例えば、図8の立上り基準音階データ732e)が含まれ、
前記分析手段が、前記検出された音階音に基づいて、連続的に入力されている音階音の入力開始タイミングを検出するタイミング検出手段を有し、
前記判定手段が、前記タイミング検出手段により検出された入力開始タイミングに基づいて、入力音に含まれる各音階音の入力開始タイミングを分析するタイミング分析手段を有し、
前記判定手段が、前記タイミング分析手段による分析結果が前記タイミング条件を満たすかを判定する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
この第4の発明によれば、連続的に入力されている音階音の入力タイミングが検出され、検出された入力開始タイミングに基づいて入力音に含まれる各音階音の入力開始タイミングが分析され、その分析結果が、課題音に含まれる各音階音の入力開始タイミングを示すタイミング条件を満たすかが判定される。つまり、入力音に含まれる各音階音の入力開始タイミングを基に、入力音と課題音とが一致するかが判定される。これにより、例えば各音階音の入力の長さが合っていなくとも、定められた音をタイミング良く入力できれば新たなキャラクタを登場させるといったように、入力音と課題音との一致判定に柔軟性を持たせることが可能となる。
【0015】
第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明のプログラムであって、
前記音階音検出手段が、同じ音名の音階を同じ音階とみなして入力音に含まれる音階音を検出する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0016】
この第5の発明によれば、同じ音名の音階を同じ音階とみなして、入力音に含まれる音階音が検出される。つまり、オクターブの違いに関わらず音名が同じならば同じ音階とみなされて音階音が検出されるので、課題音条件がより満たされ易くなり、その結果、新たなキャラクタがより登場され易くなる。
【0017】
第6の発明は、第1〜第5の何れかの発明のプログラムであって、
前記音階音検出手段が、入力音に含まれる各音階音のうち、所定の強さに達した音階音のみを検出することで前記入力音をフィルタ処理するフィルタ処理手段(例えば、図4の合致判定部312;図19のステップC7)を有し、このフィルタ処理手段によりフィルタ処理された入力音に含まれている音階音を検出する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0018】
この第6の発明によれば、入力音に含まれる各音階音のうち、所定の強さに達した音階音のみを検出するフィルタ処理が行われ、このフィルタ処理された入力音に含まれている音階音が検出される。つまり、入力音に含まれる各音階音のうち、所定の強さに達していない弱い音階音は検出されない。
【0019】
第7の発明は、第6の発明のプログラムであって、
前記音階音検出手段が、入力音の同一時点に含まれる各音階音のうち、互いに整数倍音の関係にある音階音の強さを調整するレベル調整手段(例えば、図4の合致判定部312;図19のステップC5)を有し、
前記フィルタ処理手段が、前記レベル調整手段により各音階音のレベルが調整された入力音をフィルタ処理する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
この第7の発明によれば、入力音の同一時点に含まれる各音階のうち、互いに整数倍音の関係にある音階音の強さが調整され、この調整後の入力音がフィルタ処理される。
【0021】
第8の発明は、第1〜第9の何れかの発明のプログラムであって、
予め複数の課題音それぞれについて課題音条件とキャラクタとが対応付けられており、
前記判定手段が、前記複数の課題音条件それぞれについて前記分析手段による分析結果を満たすかを判定し、
前記キャラ登場制御手段が、前記判定手段により満たすと判定された課題音条件に対応するキャラクタを登場させる、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
この第8の発明によれば、複数の課題音条件それぞれについて入力音の分析結果が満たすかが判定され、満たすと判定された課題音条件に対応するキャラクタが新たに登場される。つまり、予め用意されている複数のキャラクタのうち、入力音に一致すると判定された課題音に対応するキャラクタが新たに登場される。従って、入力音によって新たに登場するキャラクタが異なり、これによりゲーム性を高めることが可能となる。
【0023】
第9の発明は、第1〜第8の何れかの発明のプログラムであって、
特別キャラクタと当該特別キャラクタが登場可能な日付及び/又は時刻に関する時期的条件とが予め対応付けられており、
前記キャラ登場制御手段が、前記音声入力手段から入力音が入力された日付及び/又は時刻が前記時期的条件を満足する場合には、前記特別キャラクタを登場させる、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
この第9の発明によれば、入力音が入力された日付及び/又は時刻が特別キャラクタに予め対応付けられている時期的条件を満足する場合、この特別キャラクタが登場されることになる。これにより、例えばクリスマスや元旦といった特定の日や正時といった特定の時刻に入力を行うと、通常とは異なる特別なキャラクタが登場するといったゲーム性を高めることが可能となる。
【0025】
第10の発明は、第1〜第9の何れかの発明のプログラムであって、
前記課題音を示唆する所定の表示を行う表示制御手段(例えば、図4のキャラ誕生制御部311;図18のステップB3)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0026】
この第10の発明によれば、課題音を示唆する表示が行われる。つまり、入力すべき課題音のヒントとなる表示がなされることにより、表示内容から課題音を判断し、判断した音を入力するといった楽しみをプレーヤに与えることができる。ここで、課題音を示唆する表示としては、例えば、課題音がメロディ(楽曲)の場合にはその音階(譜面)の一部又は全部の表示や、課題音が救急車のサイレンや蝉の鳴き声といったある物体から発せられる音の場合にはその発生源となる物体の画像の表示等がある。
【0027】
第11の発明は、第1〜第10の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば、図4の記憶部700)である。
【0028】
ここで、情報記憶媒体とは、記憶されている情報をコンピュータが読み取り可能な、例えばハードディスクやMO、CD−ROM、DVD、メモリカード、ICメモリ等の記憶媒体である。従って、この第11の発明によれば、情報記憶媒体に記憶されている情報をコンピュータに読み取らせて演算処理を実行させることで、第1〜第10の発明と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、入力音から検出した1つ1つの音階音を基に入力音を分析し、その分析結果を基に新たなキャラクタを登場させるといった、新たなキャラクタを登場させるための入力音に対する新たな処理方法が実現される。また、入力すべき課題音が設定されており、この課題音を入力すると新たなキャラクタが登場するといったように、入力音とキャラクタの登場との関係が容易に把握できるため、音入力に対するプレーヤの興味を高めることが可能となる。また、課題音条件の定め方により、入力音が課題音に完全に一致しなくとも大まかに一致していれば一致するとみなして新たなキャラクタを登場させるといった、入力音と課題音との一致を厳密に判定するのではなく、ある程度の柔軟性を持たせた判定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形
態を説明する。尚、以下では、携帯型ゲーム機において育成ゲームを実行する場合を説明するが、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0031】
[ゲーム装置の外観]
図1は、本実施形態における携帯型ゲーム機1の外観の一例を示す図である。同図によれば、携帯型ゲーム機1は、上側の筐体10Aと下側の筐体10Bとがヒンジ11を介して開閉可能に連結されて構成された折り畳み式であり、同図では、使用時である携帯型ゲーム機1の開状態を示している。
【0032】
各筐体10A,10Bの内側面には、使用時においてヒンジ11を挟んで上下に並ぶように配置された2つのディスプレイ12A,12Bやスピーカ13、マイク14、各種の操作ボタン15等が設けられている。また、ディスプレイ12Bには、その表示領域全体に亘ってタッチパネルが一体的に形成されている。タッチパネルは、感圧式や光学式、静電式、電磁誘導式等の検出原理によって、タッチ操作位置を、例えばディスプレイ12Bを構成するドット単位で検出する。プレーヤは、付属のスタイラスペン30や手指によるディスプレイ12B上のタッチ操作によって、各種の操作入力を行うことができる。
【0033】
携帯型ゲーム機1がゲーム処理を実行するために必要なプログラムやデータ等を含むゲーム情報は、筐体10Bの側面に設けられたスロット16に着脱自在なカートリッジ20に格納されている。尚、このゲーム情報は、携帯型ゲーム機1が内蔵する無線通信装置18を介して無線通信回線に接続し、外部機器から取得することにしても良い。
【0034】
また、携帯型ゲーム機1は、CPUやICメモリ類を搭載した制御装置17、無線LAN規格に従った無線通信を行うための無線通信装置18、カートリッジ20の読取装置等を内蔵する。制御装置17に搭載されたCPUは、ICメモリやカートリッジ20から読み出したプログラムやデータ、タッチパネルにより検出されたタッチ操作位置、マイク14から入力される音声信号、操作ボタン15から入力される操作信号、無線通信装置18による受信データ等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。そして、生成した画像信号をディスプレイ12A,12Bに出力してゲーム画面を表示させるとともに、音信号をスピーカ13に出力してゲーム音を出力させる。プレーヤは、ディスプレイ12A,12Bに表示されるゲーム画面を見ながら、操作ボタン15を操作或いはディスプレイ12B上をタッチ操作して育成ゲームを楽しむ。
【0035】
[ゲーム概要]
本実施形態の育成ゲームでは、ゲーム進行中、アイテムの一種として「タマゴ」が獲得される。そして、このタマゴに「メロディを聴かせる」ことでキャラクタを誕生(登場)させ、誕生したキャラクタを育成する。ここで、「メロディ」とは、複数の音階音から成る一連の課題音であり、「メロディを聴かせる」ことは、マイク14からメロディ音声(楽曲)を入力することで実現される。タマゴは、外見が異なる複数種類が用意されており、タマゴの種類毎に、メロディとキャラクタとが設定されている。そして、タマゴに設定されているメロディを聴かせると、該タマゴに設定されているキャラクタが誕生する。つまり、タマゴが異なれば、聴かせるべきメロディが異なり、また、誕生するキャラクタも異なる。
【0036】
具体的には、先ず、ディスプレイ12Bに、キャラクタを誕生させるタマゴを選択するためのタマゴ選択画面が表示される。図2に、タマゴ選択画面の一例を示す。同図によれば、タマゴ選択画面には、用意されている複数種類のタマゴOBが現在の所有数とともに一覧表示されている。そして、一覧表示されているタマゴOBのうち、1種類のタマゴOBが選択状態となっている。同図では、全種類のタマゴOBのうち、3種類のタマゴOBが表示されており、その他のタマゴOBについては、当該画面をスクロールさせることで表示される。また、表示されている3種類のタマゴOBのうち、画面中央のタマゴOBが選択状態となっており、選択状態であることを示す枠Mで囲まれている。
【0037】
プレーヤは、このタマゴ選択画面において所望のタマゴを選択し、選択を決定する。すると、選択したタマゴに設定されているメロディを入力するためのメロディ入力画面が表示される。図3に、メロディ入力画面の一例を示す。同図によれば、メロディ入力画面には、選択したタマゴOBと、このタマゴOBに設定されているメロディの音階が表示される。プレーヤは、続いて表示されるカウントダウン指示等に従い、表示されているメロディの音階に従った発声や楽器の演奏等を行ってマイク14からメロディ音声を入力する。
【0038】
すると、入力音に対する所定の分析処理が行われ、選択したタマゴOBに設定されているメロディ(以下、「基準メロディ」という)との合致が判定される。そして、入力音が基準メロディに合致すると判定されると、選択したタマゴOBに設定されているキャラクタが誕生する。また、合致しないと判定されると、失敗となってキャラクタは誕生しない。
【0039】
[機能構成]
図4は、携帯型ゲーム機1の機能構成を示すブロック図である。同図によれば、携帯型ゲーム機1は、機能的には、操作入力部100と、音入力部200と、処理部300と、画像表示部400と、音出力部500と、通信部600と、記憶部700とを備えて構成される。
【0040】
操作入力部100は、プレーヤによる操作指示入力を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部300に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやレバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサ等によって実現される。図1では、操作ボタン15や、ディスプレイ12Bに一体的に形成されたタッチパネルがこれに該当する。
【0041】
音入力部200は、プレーヤにより入力される音声等の音を集音し、集音した音に応じた音信号を処理部300に出力する。この機能は、例えばマイク等によって実現される。図1では、マイク14がこれに該当する。
【0042】
処理部300は、携帯型ゲーム機1の全体制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。図1では、制御装置17に実装されているCPU等がこれに該当する。
【0043】
また、処理部300は、主にゲームの実行に係る演算処理を行うゲーム演算部310と、ゲーム演算部310の処理によって求められた各種のデータに基づくゲーム画像を生成する画像生成部330と、効果音やBGM等のゲーム音を生成する音生成部340とを含んでいる。
【0044】
ゲーム演算部310は、操作入力部100から入力された操作信号や、音入力部200から入力された音信号、記憶部700から読み出したプログラムやデータ等に基づいて種々のゲーム処理を実行する。本実施形態では、ゲーム演算部310は、キャラ誕生制御部311を含み、ゲームプログラム710に基づくゲーム処理を実行することで育成ゲームを実現する。
【0045】
キャラ誕生制御部311は、合致判定部312を含み、キャラクタの誕生に関する処理を行う。具体的には、キャラ誕生制御部311は、所有アイテムデータ731を参照し、用意されている複数種類のタマゴそれぞれを現在の所有数とともに一覧表示させたタマゴ選択画面を、例えば図2に一例を示したように画像表示部400に表示させる。
【0046】
所有アイテムデータ731は、現在の所有アイテムに関するデータである。図5に、所有アイテムデータ731のデータ構成の一例を示す。同図によれば、所有アイテムデータ731は、所有キャラデータ731aと、所有タマゴデータ731dとを含んでいる。所有キャラデータ731aは、キャラクタの所有に関するデータであり、キャラ種別731bと、所有数731cとを対応付けて格納している。所有タマゴデータ731dは、タマゴの所有に関するデータであり、タマゴ種別731eと、所有数731fとを対応付けて格納している。
【0047】
タマゴ選択画面においてタマゴの選択が決定されると、キャラ誕生制御部311は、選択されたタマゴに該当するタマゴデータ732を参照して、該タマゴに設定されている基準メロディを示したメロディ入力画面を、例えば図3に一例を示したように画像表示部400に表示させる。
【0048】
タマゴデータ732は、各タマゴに設定されている基準メロディやキャラクタに関するデータテーブルである。図6に、タマゴデータ732のデータ構成の一例を示す。同図によれば、タマゴデータ732は、タマゴ種別毎に用意されており、各タマゴデータ732は、該当するタマゴ種別732aと、表示用音階データ732bと、類似度判定用データ732cと、基準音階数データ732hと、設定キャラデータ732kとを格納している。
【0049】
表示用音階データ732bは、該タマゴに設定されている基準メロディを表す表示用のデータであり、基準メロディの音階を格納している。
【0050】
類似度判定用データ732cは、該タマゴに設定されている基準メロディと入力音との合致を判定する課題音条件のひとつであり、基準メロディに含まれる音階音の時間経過に対する音階音の分布である音階音分布条件である。この類似度判定用データ732cは、基準音階データ732dと、立上り基準音階データ732eと、音名別基準データ732fと、音名別立上り基準データ732gとを含んでいる。
【0051】
基準音階データ732dは、該タマゴに設定されているメロディから、所定時間間隔(例えば、1/8秒間隔)で、所定のオクターブ範囲(例えば、3オクターブ)の音階を検出したデータである。ここで、音階は、「ド」、「ド♯」、「レ」、「レ♯」、「ミ」、「ファ」、「ファ♯」、「ソ」、「ソ♯」、「ラ」、「ラ♯」、「シ」の合計12種類を1オクターブとする所定のオクターブ範囲分(例えば、3オクターブ)である。尚、この12種類それぞれを音名という。
【0052】
図7に、基準音階データ732dのデータ構成の一例を示す。同図によれば、基準音階データ732dは、所定時間間隔の時刻732d−1毎に、各音階732d−2が含まれるか否かを格納している。同図において、「○」は含まれることを表し、「×」は含まれないことを表している。
【0053】
立上り基準音階データ732eは、基準音階データ732dにおける各音階のうち、立ち上がり(入力タイミング)と判定された音階のデータ、即ち基準メロディに含まれる各音階音の立上りのデータである。「立ち上がり」とは、その音階音の入力が開始されたタイミングである。例えば、「ド」の音が連続して数秒間入力された場合、その連続入力の開始タイミングがこの「ド」の音階音の立ち上がり(入力タイミング)となる。また、断続的に「ド」の音が入力された場合には、それぞれの入力の開始タイミングが立ち上がりと判断される。
【0054】
図8に、立上り基準音階データ732eのデータ構成の一例を示す。同図によれば、立上り基準音階データ732eは、基準音階データ732dと同様に、時刻732e−1毎に、各音階732e−2が立ち上がりの音階であるか否かを表している。同図において、「○」は立ち上がりであることを表し、「×」は立ち上がりでないことを表している。
【0055】
音名別基準データ732fは、基準音階データ732dを、同じ音名の音階を同じ音階として1オクターブに纏めたデータである。即ち、図9に示すように、基準音階データ732dにおいて、時刻t毎に、オクターブが異なっても同じ音名の音階ならば同じ音階として1オクターブに纏めたデータが、音名別基準データ732fである。
【0056】
音名別立上り基準データ732gは、音名別基準データ732fと同様に、立上り基準音階データ732eを、同じ音名の音階を同じ音階として1オクターブに纏めたデータである。
【0057】
図6において、基準音階数データ732hは、該タマゴに設定されている基準メロディと入力音との合致を判定する課題音条件のひとつであり、基準メロディに含まれる各音階の延べ数の条件である延べ数条件である。この基準音階数データ732hは、音階732i毎に、基準音階データ732d及び立上り基準音階データ732eそれぞれに含まれる音階の延べ数である基準音階数732jを対応付けて格納している。音階732iは、「ド」から「シ」までの12種類の音名別の各音階と、これらの全てである全音階と、黒鍵音階の全てである全黒鍵音階とを含む。黒鍵音階とは、音階のうち、半音記号「♯」が付いた音階であり、ここでは、「ド♯」、「レ♯」、「ファ♯」、「ソ♯」及び「ラ♯」の合計5種類である。そして、全音階の基準音階数は、「ド」から「シ」までの各音階の基準音階数の合計であり、全黒鍵音階の基準音階数は、黒鍵音階それぞれの基準音階数の合計である。尚、基準音階数732jは、オクターブが異なっても同じ音名ならば同じ音階として数えている。
【0058】
設定キャラデータ732kは、該当するタマゴOBに設定されているキャラクタのデータであり、該当するキャラ種別を格納している。
【0059】
キャラ誕生制御部311は、選択されたタマゴに該当するタマゴデータ732の表示用音階データ732bに従って、該タマゴに設定されている基準メロディの音階を示したメロディ入力画面を表示させる。そして、所定のカウントダウン表示等を行った後、入力音の録音を開始する。即ち、音入力部200からの入力音をデジタル信号に変換し、入力音データ721として記憶部700に蓄積記憶させる。
【0060】
録音が終了すると、合致判定部312が、入力音データ721に対する所定の分析処理を行い、先に選択したタマゴOBに設定されている基準メロディとの合致を判定する。
【0061】
具体的には、合致判定部312は、入力音データ721から、所定時間間隔で所定のオクターブ範囲の音階を検出する。この検出の時間間隔及びオクターブ範囲は、それぞれ、上述の基準音階データ732dの生成に用いられた時間間隔(例えば、1/8秒間隔)及びオクターブ範囲(例えば、3オクターブ)に等しい。音階の検出結果は、検出音階データ722に格納される。即ち、検出音階データ722には、図7に一例を示した基準音階データ732dと同様に、所定時間間隔の検出時刻t毎に、各音階の検出有無が格納されている。
【0062】
次いで、検出音階データ722において、検出時刻t毎に、検出された音階音を判断し、これらの音階音に互いに整数倍音の関係にある音階音が含まれているならば、これら整数倍音の関係にある音階音のレベルを調整する。具体的には、互いに整数倍音の関係にある音階音のうち、オクターブが高いほうの音階音のレベル(音の強さ)を減少(例えば、元のレベルの70%に減少)させる。
【0063】
続いて、検出した各音階音のレベルのうち、最大レベルを判定する。そして、検出音階データ722において、検出された音階音のうち、所定のレベル条件を満足しない音階音を非検出とする。
【0064】
レベル条件は、レベル条件データ733に格納されている。図10に、レベル条件データ733のデータ構成の一例を示す。同図によれば、レベル条件データ733は、検出された音階の最大レベルを基準とした音階のレベル条件を格納している。
【0065】
そして、検出音階データ722を基に、各音階が検出された延べ数(検出延べ数)を算出する。このとき、オクターブが異なっても同じ音名ならば同じ音階として数える。そして、各音階の検出延べ数を合計して、全音階の検出延べ数を算出する。また、各黒鍵音階の検出延べ数を合計して、全黒鍵音階の検出延べ数を算出する。
【0066】
算出された検出延べ数は、音階検出延べ数データ734に格納される。図11に、音階検出延べ数データ734のデータ構成の一例を示す。同図によれば、音階検出延べ数データ734は、音階734a毎に、検出音階データ722及び立上り検出音階データ723それぞれの検出延べ数734bを対応付けて格納している。音階734aには、「ド」から「シ」までの音名別の12種類音階と、全音階と、全黒鍵音階とを含んでいる。
【0067】
また、合致判定部312は、検出音階データ722を基に、検出された音階音の立ち上がり(入力タイミング)を判定する。即ち、検出音階データ722における各音階音について、次の条件A1〜A3の何れかを満たす場合、該音階音を「立ち上がり」と判定する。
条件A1:直前の検出時刻t−1において該音階が検出されておらず、且つ、直後の検出時刻t+1において該音階が検出されていないとともに、現在の検出時刻tにおいて検出された該音階のレベルが最大レベルの93%以上である。
条件A2:直前の検出時刻t−1において該音階が検出されておらず、且つ、直後の検出時刻t+1において該音階が検出されているとともに、直後の検出時刻t+1において検出された該音階のレベルが現在の検出時刻tにおいて検出された該音階のレベルより高い。
条件A3:直前の検出時刻t−1において該音階が検出されておらず、且つ、直後の検出時刻t+1において該音階が検出されているとともに、直後の検出時刻t+1において検出された該音階のレベルが現在の検出時刻tにおいて検出された該音階のレベルより低い。
【0068】
立ち上がりの判定結果は、立上り検出音階データ722に格納される。即ち、立上り検出音階データ722は、図8に一例を示した立上り基準音階データ732eと同様に、検出時刻t毎に、各音階が立ち上がりの音階であるか否かを格納している。
【0069】
続いて、複数オクターブ分のデータである検出音階データ722を音名別に1オクターブに纏め、音名別検出データ724とする。また、立上り検出音階データ723についても同様に、同じ音名の音階を同じ音階として1オクターブに纏め、音名別立上り検出データ725とする。
【0070】
その後、合致判定部312は、入力音と、選択したタマゴに設定されている基準メロディとの合致を判定する。具体的には、選択したタマゴに該当するタマゴデータ732を参照し、(1)類似度判定用データ732cに基づく、入力音から検出した音階音の分布の判定、或いは、(2)基準音階数データ732hに基づく、入力音から検出した各音階の検出延べ数の判定、により、入力音と基準メロディとの合致を判定する。
【0071】
入力音から検出した音階音の分布の判定は、次のように行う。即ち、類似度判定用データ732cに含まれる検出音階データ722と、基準音階データ732dとの類似度を、例えば公知のパターンマッチング等により算出する。ここで、類似度は、完全不一致を表す「0.0」から、完全一致を表す「1.0」の範囲で算出される。また、立上り検出音階データ723と立上り基準音階データ732eとの類似度、音名別検出データ724と音名別基準データ732fとの類似度、音名別立上り検出データ725と音名別立上り基準データ732gとの類似度を、それぞれ同様に算出する。そして、算出した4つの類似度の平均を算出する。
【0072】
算出された各類似度は、類似度判定データ735に格納される。図12に、類似度判定データ735のデータ構成の一例を示す。同図によれば、類似度判定データ735は、データ種別735aと、算出された類似度735bとを対応付けて格納している。データ種別735aには、検出音階データ722と、立上り検出音階データ723と、音名別検出データ724と、音名別立上り検出データ725と、これらの平均とが含まれている。
【0073】
そして、合致判定部312は、算出した類似度の平均が所定の類似度条件を満足する場合、入力音と基準メロディとが「合致する」と判定する。
【0074】
類似度条件は、類似度条件データ736に格納されている。図13に、類似度条件データ736のデータ構成の一例を示す。同図によれば、類似度条件データ736は、入力音と基準メロディとを「合致する」と判定する基準となる類似度の条件を格納している。
【0075】
また、入力音から検出した各音階の検出延べ数に基づく判定は、次のように行う。即ち、音階検出延べ数データ734を参照し、検出音階データ722における各音階の検出延べ数が、基準音階数データ732hで定められる基準音階数に対して所定の音階数条件を満足するかを判定する。また、立上り検出音階データ723についても同様に、音階検出延べ数データ734を参照して、各音階の検出延べ数が、基準音階数データ732hで定められる基準音階数に対して所定の音階数条件を満足するかを判定する。
【0076】
音階数条件は、音階数条件データ737に格納されている。図14に、音階数条件データ737のデータ構成の一例を示す。同図によれば、音階数条件データ737は、音階種別737aと、音階数条件737bとを対応付けて格納している。音階種別737aには、「ド」から「シ」までの音名別の12種類の各音階と、全音階と、全黒鍵音階とが含まれる。音階数条件737bは、基準音階数に対する検出延べ数の割合を格納している。
【0077】
判定結果は、音階数判定データ738に格納される。図15に、音階数判定データ738のデータ構成の一例を示す。同図によれば、音階数判定データ738は、音階738aと、検出音階データ722及び立上り検出音階データ723それぞれの判定結果738bとを対応付けて格納している。音階738aには、「ド」から「シ」までの音名別の12種類の各音階と、全音階と、全黒鍵音階とが含まれる。判定結果738bには、音階数条件を満たすことを表す「○」、或いは満たさないことを表す「×」が格納される。
【0078】
続いて、合致判定部312は、音階数判定データ738を参照し、検出音階データ722及び立上り検出音階データ723それぞれについて、音階数条件を満たすと判定した音階の種類数を算出する。そして、算出した音階の種類数が、ともに所定の音階種類数条件を満足する場合、入力音が基準メロディに「合致する」と判定する。
【0079】
音階種類数条件は、音階種類数条件データ739に格納される。図16に、音階種類数条件データ739のデータ構成の一例を示す。同図によれば、音階種類数条件データ739は、入力音と基準メロディとを「合致する」と判定する基準となる音階種類数の条件を格納している。
【0080】
図4において、画像生成部330は、ゲーム演算部310による演算結果に基づき、ゲーム画面を表示するためのゲーム画像を生成し、生成した画像の画像信号を画像表示部400に出力する。画像表示部400は、画像生成部330からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画面を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。図1では、ディスプレイ12A,12Bがこれに該当する。
【0081】
音生成部340は、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部500に出力する。音出力部500は、音生成部340からの音信号に基づいてBGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等によって実現される。図1では、スピーカ13がこれに該当する。
【0082】
通信部600は、処理部300からの制御信号に従って、他の携帯型ゲーム機1等の外部装置とのデータ通信を行う。この機能は、無線通信モジュール、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路などによって実現される。図1では、無線通信装置18がこれに該当する。
【0083】
記憶部700は、処理部300に携帯型ゲーム機1を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部300の作業領域として用いられ、処理部300が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。図1では、制御装置17に実装されているROMやRAM等がこれに該当する。
【0084】
また、記憶部700は、処理部300をゲーム演算部310として機能させるためのゲームプログラム710及びゲームデータを記憶している。ゲームプログラム710には、キャラ誕生制御部311として機能させるためのキャラ誕生制御プログラム711が含まれている。また、ゲームデータには、入力音データ721と、検出音階データ722と、立上り検出音階データ723と、音名別検出データ724と、音名別立上り検出データ725と、所有アイテムデータ731と、タマゴデータ732と、レベル条件データ733と、音階検出延べ数データ734と、類似度判定データ735と、類似度条件データ736と、音階数条件データ737と、音階数判定データ738と、音階種類数条件データ739とが含まれている。
【0085】
[処理の流れ]
図17は、本実施形態におけるゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。この処理は、ゲーム演算部310がゲームプログラム710を実行することで実現される。同図によれば、ゲーム演算部310は、操作入力部100からの操作入力等に従って、公知の育成ゲームの進行制御を行う(ステップA1)。そして、新たなタマゴを獲得したならば(ステップA3:YES)、獲得したタマゴを所有タマゴに追加して所有タマゴデータ731dを更新する(ステップA5)。また、キャラクタを誕生させるならば(ステップA7:YES)、キャラ誕生制御部311がキャラ誕生処理を行う(ステップA9)。
【0086】
図18は、キャラ誕生処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図によれば、キャラ誕生制御部311は、所有タマゴデータ731dを参照して現在所有しているタマゴを判断し、タマゴを1つ以上所有しているならば(ステップB1:YES)、用意されている複数種類のタマゴ及びその所有数の一覧であるタマゴ選択画面を画像表示部400に表示させる。そして、操作入力部100からの操作入力に従って、所有しているタマゴのうちから1つのタマゴを選択する(ステップB3)。
【0087】
タマゴの選択を決定すると、キャラ誕生制御部311は、所定のカウントダウン表示等を行ってプレーヤにメロディ音声を入力させ、音入力部200から入力される音声データを入力音データ721として蓄積記憶する音声入力処理を行う(ステップB5)。その後、合致判定部312が、入力音データ721に対するフィルタ処理を行う(ステップB7)。
【0088】
図19は、フィルタ処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図によれば、合致判定部312は、入力音データ721から所定オクターブ内の各音階を検出し、検出音階データ722を生成する(ステップC1)。次いで、検出音階データ722を基に、検出された各音階音のレベルのうち、最大レベルを判定する(ステップC3)。また、検出音階データ722において、検出時刻t毎に、検出された音階音を判断し、互いに整数倍音の関係にある音階音が含まれている場合、これら整数倍音の関係にある音階音のレベルを調整する(ステップC5)。そして、レベル条件データ733を参照し、検出音階データ722において、所定のレベル条件を満たさない音階を非検出とする(ステップC7)。
【0089】
次いで、検出音階データ722において、各音階の検出延べ数を算出し、算出した各音階の検出延べ数を加算して全音階の検出延べ数の合計を算出する(ステップC9)。また、検出音階データ722において、各黒鍵音階の検出延べ数を加算して全黒鍵音階の検出延べ数を算出する(ステップC11)。
【0090】
続いて、合致判定部312は、検出音階データ722を音名別に1オクターブに纏め、音名別検出データ724とする(ステップC13)。また、検出音階データ722において、検出された各音階音の立ち上がりを判定して立上り検出音階データ723を生成する(ステップC15)。そして、立上り検出音階データ723を音名別に1オクターブに纏め、音名別立上り検出データ725を生成する(ステップC17)。
以上の処理を行うと、合致判定部312はフィルタ処理を終了する。
【0091】
フィルタ処理を終了すると、合致判定部312は、続いて合致判定処理を行う(ステップB9)。
【0092】
図20は、合致判定処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図によれば、合致判定部312は、音階検出延べ数データ734を参照して、検出音階データ722における全音階の検出延べ数を判断し、「10」未満ならば(ステップD1:NO)、入力メロディと基準メロディとが「合致しない」と判定する(ステップD23)。
【0093】
一方、全音階の検出延べ数が「10」以上ならば(ステップD1:YES)、該当するタマゴデータ732を参照して、検出音階データ722と基準音階データ732dとの類似度、立上り検出音階データ723と立上り基準音階データ732eとの類似度、音名別検出データ724と音名別基準データ732fとの類似度、音名別立上り検出データ725と音名別立上り基準データ732gとの類似度をそれぞれ算出する(ステップD3)。次いで、算出した各類似度の平均を算出する(ステップD5)。そして、算出した類似度が、類似度条件データ736で定められる類似度条件を満足するかを判断し、満足するならば(ステップD7:YES)、入力音と基準メロディとが「合致する」と判定する(ステップD21)。
【0094】
また、類似度条件を満足しないならば(ステップD7:NO)、合致判定部312は、該当するタマゴデータ732を参照して、検出音階データ722の各音階の検出延べ数が、基準音階データ732dの各音階の基準音階数に対して、音階数条件データ737で定められる音階数条件を満たすかを判定し(ステップD9)、満たすと判定した音階の種類数を算出する(ステップD11)。そして、算出した種類数が音階種類数条件データ739で定められる音階種類数条件を満たすかを判断し、満たさないならば(ステップD13:NO)、入力音と基準メロディとが「合致しない」と判定する(ステップD23)。
【0095】
一方、算出した音階の種類数が音階種類数条件を満たすならば(ステップD13:YES)、合致判定部312は、続いて、立上り検出音階データ723の各音階の検出延べ数が、立上り基準音階データ732eの各音階の基準音階数に対して、音階数条件データ737で定められる音階数条件を満たすかを判定し(ステップD15)、満たすと判定した音階の種類数を算出する(ステップD17)。そして、算出した種類数が音階種類数条件データ739で定められる音階種類数条件を満たすかを判断する。
【0096】
音階種類数条件を満たすならば(ステップD19:NO)、入力音と基準メロディとが「合致する」と判定し(ステップD21)、一方、満たさないならば(ステップD19:NO)、入力音と基準メロディとが「合致しない」と判定する(ステップD23)。
以上の処理を行うと、合致判定部312は合致判定処理を終了する。
【0097】
合致判定処理が終了すると、キャラ誕生制御部311は、入力音と基準メロディとが「合致する」と判定されたならば(ステップB11:YES)、例えば、選択したタマゴから該当するキャラクタが誕生する様子を表示したキャラ誕生画面を画像表示部400に表示させるとともに、所定の演出音声を音出力部500から出力させるといった、キャラクタの誕生演出処理を行う(ステップB13)。また、選択した種別のタマゴを1つ消化(減少)して所有タマゴデータ731dを更新するとともに(ステップB15)、誕生させたキャラクタを所有キャラクタに追加して所有キャラデータ731aを更新する(ステップB17)。
【0098】
また、ステップB11において、入力音と基準メロディとが「合致しない」と判定されたならば(ステップB11:NO)、キャラ誕生制御部311は、例えばキャラクタの誕生が失敗であることを示す誕生失敗画面を画像表示部400に表示させるとともに、所定の演出音声を音出力部500から出力させるといった、キャラクタの誕生失敗処理を行う(ステップB19)。
以上の処理を行うと、キャラ誕生制御部311はキャラ誕生処理を終了する。
【0099】
キャラ誕生処理が終了すると、ゲーム演算部310は、ゲームを終了するかを判断し、終了しないならば(ステップA11:NO)、ステップA1に移行し、終了するならば(ステップA11:YES)、ゲーム処理を終了してゲームを終了する。
【0100】
[ハードウェア構成]
図21は、本実施の形態における携帯型ゲーム機1のハードウェア構成の一例を示す図である。同図によれば、携帯型ゲーム機1は、CPU1000と、ROM1002と、RAM1004と、情報記憶媒体1006と、画像生成IC1008と、音生成IC1010と、I/Oポート1012,1014とを有し、システムバス1016により相互にデータの入出力が可能に接続されている。また、画像生成IC1008には表示装置1018が接続され、音生成IC1010にはスピーカ1020が接続され、I/Oポート1012にはコントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には通信装置1215が接続されている。
【0101】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されているプログラムやデータ、ROM1002に格納されているシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)やデータ、コントロール装置1022によって入力される入力信号等に従って、装置全体の制御や各種データ処理を行う。このCPU1000は、図1の制御装置17に搭載されているCPU、図4の処理部300に該当する。
【0102】
ROM1002、RAM1004及び情報記憶媒体1006は、図4の記憶部700に該当する。ROM1002は、携帯型ゲーム機1のシステムプログラムや、図4の記憶部700に記憶されている情報の内、特に、予め設定されているプログラムやデータ等を記憶する。RAM1004は、CPU1000の作業領域として用いられ、例えば、ROM1002や情報記憶媒体1006の所与の内容、1フレーム分の画像データ、CPU1000による演算結果等が格納される。また、情報記憶媒体1006は、ICメモリカードや本体装置に着脱自在なハードディスクユニット、MO等によって実現される。
【0103】
画像生成IC1008は、CPU1000からの画像情報に基づいて表示装置1018に表示するゲーム画面の画素情報を生成する集積回路である。表示装置1018は、画像生成IC1008で生成された画素情報に基づくゲーム画面を表示する。この画像生成IC1008は、図4の画像生成部330に該当し、表示装置1018は、図4の画像表示部400、図1のディスプレイ12A,12Bに該当する。
【0104】
音生成IC1010は、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報に基づいて効果音やBGM等のゲーム音を生成する集積回路であり、生成されたゲーム音はスピーカ1020によって出力される。この音生成IC1010は、図4の音生成部340に該当し、スピーカ1231は、図4の音出力部500、図1のスピーカ13に該当する。
【0105】
尚、画像生成IC1008、音生成IC1010等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によってソフトウェア的に実行されることとしても良い。
【0106】
コントロール装置1022は、プレーヤがゲームの進行に応じて種々のゲーム操作を入力するための装置である。このコントロール装置1022は、図4の操作入力部100、図1の操作ボタン15や、ディスプレイ12Bに一体的に形成されたタッチパネルに該当する。
【0107】
通信装置1215は、携帯型ゲーム機1内部で使用される各種情報を外部とやり取りするための装置であり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受信したり、通信回線を介してゲームプログラム等の情報を送受信する等に利用される。この通信装置1215は、図1の無線通信装置18、図4の通信部600に該当する。
【0108】
[作用・効果]
本実施形態によれば、入力音から、所定時間間隔の検出時刻t毎に各音階の音階音が検出され、検出された音階音を基に、プレーヤによる入力音と、キャラクタを誕生させるとして選択されたタマゴに設定されている基準メロディとの合致が判定され、合致すると判定された場合、このタマゴに設定されているキャラクタが誕生する。入力音と基準メロディとの合致は、(1)入力音に含まれる音階音の時間経過に対する分布、(2)入力音に含まれる各音階の延べ数、を基に判定される。
【0109】
具体的には、(1)基準メロディに含まれる各音階の延べ数(基準延べ数)のデータである類似度判定用データ732cを基に、基準メロディに含まれる音階音の時間経過に対する分布と、入力音に含まれる音階音の時間経過に対する分布との類似度が算出され、この類似度が、所定の類似度条件を満たす場合、入力音と基準メロディとが「合致する」と判定される、
【0110】
また、(2)基準メロディに含まれる各音階の延べ数(基準延べ数)のデータである基準音階数データ732hを基に、入力音に含まれる各音階の検出延べ数が基準メロディに含まれる各音階の延べ数である基準音階数に対して所定の音階数条件を満たすかが判定され、音階数条件を満たすと判定した音階の種類数が所定の音階種類数条件を満たす場合、入力音と基準メロディとが「合致する」と判定される。
【0111】
つまり、入力音から検出した1つ1つの音階音を基に入力音を分析し、その分析結果を基に新たなキャラクタを登場させるといった入力音に対する新たな処理方法を用いて、キャラクタの誕生が決定される。また、上述の類似度条件や音階数条件、音階種類数条件といった、入力音と基準メロディとの合致を判定するための条件の定め方により、入力音が基準メロディに完全に合致しなくとも大まかに合致していれば合致するとみなしてキャラクタを誕生させるといった、ある程度の柔軟性を持たせた判定が可能となる。
【0112】
[変形例]
尚、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0113】
(A)タマゴに対する基準メロディ及びキャラクタの設定
例えば、上述の実施形態では、1つのタマゴに1つの基準メロディ及び1体のキャラクタが設定されており、選択したタマゴに設定されている基準メロディと入力音の合致を判定し、合致すると判定した場合、この選択したタマゴに設定されているキャラクタを誕生させることにしたが、これを次のようにしても良い。
【0114】
(A−1)タマゴを選択せず、現在所有している全てのタマゴそれぞれに設定されている基準メロディと入力音の合致を判定する。そして、合致すると判定された基準メロディのタマゴに設定されているキャラクタを誕生させる。
【0115】
(A−2)また、1つのタマゴに1つの基準メロディと複数のキャラクタとを設定しておく。そして、選択したタマゴに設定されている基準メロディと入力音との合致を判定し、合致すると判定した場合、この選択したタマゴに設定されている複数のキャラクタのうちから、例えばランダムに選択した1体のキャラクタを誕生させる。
【0116】
またこの場合、複数のキャラクタそれぞれに誕生可能な日付や時刻の条件である時期的条件を設定しておき、設定されている基準メロディと入力音とが合致すると判定した場合、これら複数のキャラクタのうちから、現在の日付や時刻が満足する時期的条件が設定されているキャラクタを誕生させる。具体的には、例えば、1つのタマゴに特別キャラクタと通常キャラクタとの2体のキャラクタを設定するとともに、特別キャラクタには時期的条件として特定の日付(例えば、元旦やクリスマス)を、通常キャラクタには時期的条件としてこの特定の日付以外を、それぞれ設定しておく。また、この時期的条件は、例えば1年365日を分けた季節(例えば、春、夏、秋及び冬)としても良いし、或いは1日24時間を分けた時間帯(例えば、朝、昼及び夜)としても良い。
【0117】
(A−3)また、1つのタマゴに複数の基準メロディと1体のキャラクタとを設定しておく。そして、選択したタマゴに設定されている複数の基準メロディそれぞれと入力音との合致を判定し、何れかの基準メロディと合致すると判定した場合、この選択したタマゴに設定されているキャラクタを誕生させる。
【0118】
(A−4)また、1つのタマゴに1つの基準メロディと1体のキャラクタとを対応付けた組を複数設定しておく。そして、選択したタマゴに設定されている各組の基準メロディそれぞれと入力音との合致を判定し、合致すると判定した基準メロディに対応するキャラクタを誕生させる。
【0119】
またこの場合、複数の組それぞれについて、キャラクタを誕生可能な時期的条件を設定しておく。そして、これらの各組のうち、現在時刻が満たす時期的条件が設定されている組について、基準メロディそれぞれと入力音との合致を判定する。具体的には、例えば、基準メロディとキャラクタとの組を2組設定するとともに、一方の組には時期的条件として特定の日(例えば、クリスマス)を、他方の組には時期的条件としてこの特定の日以外を、それぞれ設定しておく。尚この場合、基準メロディを、その組の時期的条件として設定されている日付や時刻等に関連するメロディとすることで、更にゲーム性を高めることが可能となる。
【0120】
(B)課題音
また、上述の実施形態では、課題音(メロディ)を具体的な楽曲であるとしたが、楽曲以外でも勿論かまわない。具体的には、例えば「鈴虫」や「みんみんぜみ」の鳴き声といった生き物の声、「消防車」や「救急車」のサイレンといった、身近にあり、且つ一定の音が繰り返されるような音が望ましい。この場合、メロディを入力するためのメロディ入力画面において、その課題音を示唆する画像、具体的には「鈴虫」や「みんみんぜみ」、「消防車」、「救急車」等の画像を表示すれば良い。
【0121】
(C)音階
また、上述の実施形態では、音階として、「ドレミファソラシド」といった西洋音楽の音階を例にあげて説明したが、他の音階に適用することにしても良い。
【0122】
(D)適用するゲーム装置
また、上述の実施形態では、本発明を携帯型ゲーム機に適用した場合について説明したが、家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置、携帯電話機といった、ゲームを実行可能な装置であれば同様に適用可能である。
【0123】
(E)適用するゲーム
更に、上述の実施形態では、本発明を育成ゲームに適用した場合について説明したが、ロールプレイングゲームといったキャラクタが登場する他のゲームについても同様に適用可能なのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】携帯型ゲーム機の外観例。
【図2】タマゴ選択画面の一例。
【図3】メロディ入力画面の一例。
【図4】携帯型ゲーム機の機能構成図。
【図5】所有アイテムデータのデータ構成例。
【図6】タマゴデータのデータ構成例。
【図7】基準音階データの一例。
【図8】立上り基準音階データの一例。
【図9】基準音階データから音名別基準データの生成を説明する図。
【図10】レベル条件データのデータ構成例。
【図11】音階検出延べ数データのデータ構成例。
【図12】類似度判定データのデータ構成例。
【図13】類似度条件データのデータ構成例。
【図14】音階数条件データのデータ構成例。
【図15】音階数判定データのデータ構成例。
【図16】音階種類数条件データのデータ構成例。
【図17】ゲーム処理の流れ図。
【図18】ゲーム処理中に実行されるキャラ誕生処理の流れ図。
【図19】キャラ誕生処理中に実行されるフィルタ処理の流れ図。
【図20】キャラ誕生処理中に実行される合致判定処理の流れ図。
【図21】携帯型ゲーム機のハードウェア構成例。
【符号の説明】
【0125】
1 携帯型ゲーム機
100 操作入力部
200 音入力部
300 処理部
310 ゲーム演算部
311 キャラ誕生制御部
312 合致判定部
330 画像生成部
340 音生成部
400 画像表示部
500 音出力部
600 通信部
700 記憶部
710 ゲームプログラム
711 キャラ誕生制御プログラム
721 入力音データ
722 検出音階データ
723 立上り検出音階データ
724 音名別検出データ
725 音名別立上り検出データ
731 所有アイテムデータ
732 タマゴデータ
733 レベル条件データ
734 音階検出延べ数データ
735 類似度判定データ
736 類似度条件データ
737 音階数条件データ
738 音階数判定データ
739 音階種類数条件データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声入力手段を有するコンピュータに、キャラクタが登場するゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記音声入力手段からの入力音に含まれる音階音1つ1つを検出する音階音検出手段、
前記音階音検出手段により検出された音階音に基づいて、前記入力音を分析する分析手段、
前記分析手段による分析結果が、複数の音階音を含む一連の課題音を前記分析手段が分析した場合の分析結果と一致すると判定される条件として予め定められた課題音条件を満たすかを判定する判定手段、
前記判定手段により満たすと判定された場合、新たなキャラクタを登場させるキャラ登場制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記音階音検出手段が、所定時間間隔で入力音の当該時点に含まれている音階音を検出し、
前記課題音条件には、前記課題音に含まれる音階音の時間経過に対する分布を示す音階音分布条件が含まれ、
前記分析手段が、前記音階音検出手段により前記所定時間間隔で検出された音階音に基づいて、前記入力音に含まれる音階音の時間経過に対する分布を分析する分布分析手段を有し、
前記判定手段が、前記分布分析手段による分析結果が前記音階音分布条件を満たすかを判定する、
ように前記コンピュータに機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記音階音検出手段が、所定時間間隔で入力音の当該時点に含まれている音階音を検出し、
前記課題音条件には、前記課題音に含まれる音階音の音階毎の延べ数を示す延べ数条件が含まれ、
前記分析手段が、前記音階音検出手段による音階毎の音階音の検出延べ数を分析する延べ数分析手段を有し、
前記判定手段が、前記延べ数分析手段による分析結果が前記延べ数条件を満たすかを判定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記音階音条件には、前記課題音に含まれる各音階音の入力開始タイミングを示すタイミング条件が含まれ、
前記分析手段が、前記検出された音階音に基づいて、連続的に入力されている音階音の入力開始タイミングを検出するタイミング検出手段を有し、
前記判定手段が、前記タイミング検出手段により検出された入力開始タイミングに基づいて、入力音に含まれる各音階音の入力開始タイミングを分析するタイミング分析手段を有し、
前記判定手段が、前記タイミング分析手段による分析結果が前記タイミング条件を満たすかを判定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記音階音検出手段が、同じ音名の音階を同じ音階とみなして入力音に含まれる音階音を検出する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記音階音検出手段が、入力音に含まれる各音階音のうち、所定の強さに達した音階音のみを検出することで前記入力音をフィルタ処理するフィルタ処理手段を有し、このフィルタ処理手段によりフィルタ処理された入力音に含まれている音階音を検出する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記音階音検出手段が、入力音の同一時点に含まれる各音階音のうち、互いに整数倍音の関係にある音階音の強さを調整するレベル調整手段を有し、
前記フィルタ処理手段が、前記レベル調整手段により各音階音のレベルが調整された入力音をフィルタ処理する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
予め複数の課題音それぞれについて課題音条件とキャラクタとが対応付けられており、
前記判定手段が、前記複数の課題音条件それぞれについて前記分析手段による分析結果を満たすかを判定し、
前記キャラ登場制御手段が、前記判定手段により満たすと判定された課題音条件に対応するキャラクタを登場させる、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
特別キャラクタと当該特別キャラクタが登場可能な日付及び/又は時刻に関する時期的条件とが予め対応付けられており、
前記キャラ登場制御手段が、前記音声入力手段から入力音が入力された日付及び/又は時刻が前記時期的条件を満足する場合には、前記特別キャラクタを登場させる、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記課題音を示唆する所定の表示を行う表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項12】
音声入力手段を有し、キャラクタが登場するゲームを実行するゲーム装置であって、
前記音声入力手段からの入力音に含まれる音階音1つ1つを検出する音階音検出手段と、
前記音階音検出手段により検出された音階音に基づいて、前記入力音を分析する分析手段と、
前記分析手段による分析結果が、複数の音階音を含む一連の課題音を前記分析手段が分析した場合の分析結果と一致すると判定される条件として予め定められた課題音条件を満たすかを判定する判定手段と、
前記判定手段により満たすと判定された場合、新たなキャラクタを登場させるキャラ登場制御手段と、
を備えるゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−54850(P2008−54850A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234163(P2006−234163)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】