説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】現実世界の様子を上手くゲームに取り込んで現実世界とゲーム世界とを融合させた新たなゲームを実現する。
【解決手段】プレーヤが撮影したオリジナル2次元画像の中から類似する特徴(例えば輪郭が四角形)を有する特徴画像部分を抽出する。ゲームを開始したら、オリジナル2次元画像をゲームステージの背景として表示させつつ、抽出した特徴画像部分からランダムな出現頻度と出現速度で標的キャラクタ4が出たり引っ込んだりするように重畳表示制御をする。プレーヤが標的キャラクタ4を上手くタッチできたら得点が加算される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに所定のキャラクタを表示制御させてゲームを進行制御させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像機能を備えた情報処理装置で、アプリケーションソフトの起動時にアプリケーションソフト側から撮影機能を利用することのできるものが知られるようになった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4181211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、従来のビデオゲームではゲーム画面は予めゲーム制作者側で用意したものを使用する形態がほとんどである。例えば、シューティングゲームにしろRPG(ロールプレイングゲーム)にしろ、ゲーム画面の背景はそれぞれのゲーム作品の世界観にマッチした画像である。プレーヤにしてみれば、ゲームプレイすることで日常を離れて日常とは異なる世界観を楽しむことができた。
【0005】
本発明は、現実世界の様子を上手くゲームに取り込んで現実とゲーム世界とを融合させた新たなゲームを実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための第1の発明は、コンピュータ(例えば、図1の携帯型ゲーム装置1400、制御ユニット1450)に、所定のキャラクタを表示制御させてゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
画像記憶手段(例えば、図1の制御ユニット1450、メモリカード1440、図12の処理部200、画像取得部212、記憶部500、オリジナル2次元画像フォルダ512、図17のステップS6)に記憶された撮影画像の中から、前記キャラクタを重畳表示させる画像部分の特徴条件として予め定められた特徴画像部分条件を満たす画像部分を検出する画像部分検出手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図12の処理部200、ゲーム演算部210、特徴画像部分検出部214、図17のステップS12)、
前記撮影画像を表示制御する画像表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図12の処理部200、ゲーム演算部210、図18のステップS76)、
前記画像表示制御手段により表示制御された撮影画像中の前記画像部分検出手段により検出された画像部分から前記キャラクタを出現表示させるキャラクタ出現表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図12の処理部200、ゲーム演算部210、キャラクタ出現表示制御部218、図18のステップS78)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また、別形態として、所定のキャラクタを表示制御してゲームを進行制御するゲーム装置であって、
画像記憶手段に記憶された撮影画像の中から、前記キャラクタを重畳表示させる画像部分の特徴条件として予め定められた特徴画像部分条件を満たす画像部分を検出する画像部分検出手段と、
前記撮影画像を表示制御する画像表示制御手段と、
前記画像表示制御手段により表示制御された撮影画像中の前記画像部分検出手段により検出された画像部分から前記キャラクタを出現表示させるキャラクタ出現表示制御手段と、を備えたゲーム装置として構成することができる。
【0008】
第1の発明によれば、撮影された画像の中から同じような特徴を有する部分を検出し、そこからキャラクタを出現表示させるゲームを実現することができる。特徴画像部分条件は、画像処理によって判断できる種々のパラメータを利用することができる。例えば、近似輪郭線の外形、色、コントラスト差、画面内における位置などである。
本発明によれば、現実世界を撮影した画像をゲームの背景として利用することで、現実世界とゲーム世界とを融合させた斬新なゲームを実現することができる。
【0009】
第2の発明は、前記キャラクタ出現表示制御手段により出現表示されたキャラクタに対するユーザの所定の操作入力に基づいて得点計算を行う得点計算手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図12の処理部200、ゲーム演算部210、図18のステップS90〜S94)として前記コンピュータを機能させるための第1の発明のプログラムである。
【0010】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するとともに、出現表示されるキャラクタを標的としたゲームを実現することができる。
【0011】
第3の発明は、前記キャラクタ出現表示制御手段が、前記画像部分検出手段により検出された画像部分それぞれから、時間差をおいて前記キャラクタを出現表示させるように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の発明のプログラムである。
【0012】
第3の発明によれば、第1又は第2の発明と同様の効果を奏するとともに、類似する特徴を有する画像部分から時間差を置いてキャラクタを出現させるゲームを実現できる。例えば、モグラ叩き風のゲームを実現できる。
【0013】
第4の発明は、前記キャラクタ出現表示制御手段が、前記画像部分検出手段により検出された画像部分の大きさに基づいて、前記キャラクタの大きさを拡縮して出現表示させるように前記コンピュータを機能させるための第1〜第3の何れかの発明のプログラムである。
【0014】
第4の発明によれば、第1〜第3の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、類似する特徴を備えた画像部分の大きさに基づいて、キャラクタのサイズを可変出来る。従って、写っている画像の内容に応じて出現するキャラクタのサイズにバリエーションを持たせることができる。出現するキャラクタを狙う操作入力を要求するゲームであれば、出現するキャラクタのサイズでゲームに難易度を作り出すことができる。
【0015】
第5の発明は、前記特徴画像部分条件には複数種類の条件があり、前記キャラクタ出現表示制御手段が、前記画像部分検出手段により検出された画像部分が満たした前記特徴画像部分条件の種類に応じて、キャラクタの種類及び/又は数を変更して当該画像部分から出現表示させるように前記コンピュータを機能させるための第1〜第4の何れかの発明のプログラムである。
【0016】
第5の発明によれば、第1〜第4の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、特徴画像部分条件を満たす画像部分から、それぞれ合致した条件に応じた種類/数のキャラクタをそこから出現するように表示制御することができる。つまり、撮影した画像の内容に関連性のあるキャラクタをゲームに登場させることで、ゲームの趣向を凝らすことができる。
例えば、撮影した画像の特徴部分からその部分の特徴に応じたキャラクタを出現させ、これをプレーヤが捕獲しコレクションするといったコレクションゲームを実現することが可能になる。
【0017】
第6の発明は、前記画像部分検出手段が、前記撮影画像中の形状及び/又は色情報が所定条件を満たす画像部分を検出するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第5の何れかの発明のプログラムである。
【0018】
第6の発明によれば、第1〜第5の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、例えば、撮影した画像中に写っている物の形状や色が類似するところからキャラクタを出現させるといったことが可能となる。そのため、例えば、プレーヤにどこからキャラクタが出てくるかプレイ開始とともに法則性をすぐ認識させるのに好都合である。
【0019】
第7の発明は、前記画像記憶手段が、複数の撮影画像を記憶するように前記コンピュータを機能させるとともに、前記複数の撮影画像を順番に、前記画像表示制御手段による当該撮影画像の表示制御と、前記出現表示制御手段による当該撮影画像からの前記キャラクタの出現表示制御とを実行させることでゲームを進行制御するゲーム進行制御手段(例えば、図12の処理部200、ゲーム演算部210、ゲームステージ画像選択部216、図16のゲームステージ番号516e、図17のループA、ステップS58、S60)として前記コンピュータを機能させるための第1〜第6の何れかの発明のプログラムである。
【0020】
第7の発明によれば、第1〜第6の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、撮影された画像が複数の場合、それぞれの画像を順にゲーム画面の背景として利用しつつゲームを進行できる。つまり、複数のゲームステージやシーンを備えたゲームでも撮影した画像を次々に利用するゲームを実現できる。
【0021】
第8の発明は、前記画像部分検出手段が、前記複数の撮影画像それぞれについて前記画像部分を検出するように前記コンピュータを機能させ、
前記画像部分検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の撮影画像の中から前記ゲームに使用するゲーム使用画像を複数選択するゲーム使用画像選択手段(例えば、図12の処理部200、ゲーム演算部210、ゲームステージ画像選択部216、図16のゲームステージ番号516e、図17のループA、ステップS58、S60)として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記ゲーム使用画像選択手段により選択されたゲーム使用画像を用いてゲームの進行制御を行うように前記コンピュータを機能させるための第7の発明のプログラムである。
【0022】
第8の発明によれば第7の発明と同様の効果を奏するとともに、同じような特徴を有する画像部分の有無・数・位置・大きさなど検出結果に基づいて、撮影された画像の中からゲームに使用する画像を自動的に選択・使用することができる。よって、実際にゲームに使用する場合にゲームバランスの観点から不適当な場合にはこれを除外したり、ゲーム難易度を想定して分類すると言ったことが可能になり、手当たり次第にゲームで使用する場合に比べてプレイ時のバランスを考慮した良質なゲームを実現できる。
【0023】
第9の発明は、前記画像部分検出手段による検出結果に基づいて、前記ゲーム使用画像の使用順番を判断する使用順番判断手段(例えば、図12の処理部200、ゲーム演算部210、ゲームステージ画像選択部216、図16のゲームステージ番号516e、図17のループA、ステップS58、S60)として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記使用順番判断手段により判断された使用順番に従って前記ゲーム使用画像を使用してゲームの進行制御を行うように前記コンピュータを機能させるための第8の発明のプログラムである。
【0024】
第9の発明によれば、第8の発明と同様の効果を奏するとともに、特徴画像部分条件を満たす画像部分の検出結果に応じてその画像のゲームでの使用順番を自動的に決定することができる。例えば、検出された画像部分はキャラクタの出現箇所となるから、出現するキャラクタを標的扱いとするゲーム内容では、検出された画像部分の数はゲーム難易度に影響するといえる。従って、そうしたゲームでは画像部分の検出結果に応じてその画像のゲームでの使用順番を自動的に決定することで、例えばゲームステージが進むほど徐々に難易度が上がってゆくといった定石を自動的に実現することができる。
【0025】
第10の発明は、第1〜第9の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第10の発明によれば、第1〜第9の何れか一つの発明のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第9の何れか一つの発明と同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】携帯型ゲーム装置のシステム構成例を示す図。
【図2】ゲームで使用する画像の撮影時に表示される画面表示例を示す図。
【図3】ゲームプレイ中の画面表示例を示す図。
【図4】撮影されたオリジナル2次元画像の例を示す図。
【図5】オリジナル2次元画像から近似輪郭線を抽出した例を示す図。
【図6】特徴画像部分の抽出例を示す図。
【図7】特徴画像部分の統合例を示す図。
【図8】オリジナル2次元画像から3次元モデルを自動生成する例を示す図。
【図9】3次元モデルに基づいて各特徴画像部分について求められたキャラクタの出現方向の例を示す図。
【図10】特徴画像部分からキャラクタを出現させる手法例を示す図。
【図11】オリジナル2次元画像の特徴画像部分にキャラクタを重畳表示させたゲーム画面例を示す図。
【図12】第1実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図13】キャラクタ初期設定データのデータ構成例を示す図。
【図14】難易度ポイント設定TBL(テーブル)のデータ構成例を示す図。
【図15】特徴画像部分設定データのデータ構成例を示す図。
【図16】ゲームステージ画像候補データのデータ構成例を示す図。
【図17】主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図18】図17よりつづくフローチャート。
【図19】第1実施形態における特徴画像部分検出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】第2実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図。
【図21】第2実施形態における操作入力方法の概念を示す図。
【図22】第2実施形態における特徴画像部分検出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図23】第2実施形態におけるループB前後の処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図24】第3実施形態におけるゲームで使用する画像の撮影時に表示される画面表示例を示す図。
【図25】第3実施形態におけるガイド付撮影処理の流れを説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔第1実施形態〕
次に、本発明を適用した第1実施形態として、デジタルカメラ機能をアプリケーションソフトから呼び出して利用することのできる携帯型ゲーム装置において、モグラ叩き風ゲームを実行する例を説明する。
【0028】
[ゲーム装置の構成]
図1は、携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための外観図である。本実施形態における携帯型ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在なフリップフロップ型の装置本体1401に備えている。
そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示面上には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示画面の任意位置を接触入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されている。
【0029】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440にデータを読み書きできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、装置本体1401には図示されていない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0030】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤがスタイラスペン1416(或いは指など)で触れる接触操作を行うと、左上を原点とする直交Xt,Yt軸座標系における接触位置座標を制御ユニット1450へ出力することができる。
【0031】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
また、制御ユニット1450は、無線通信モジュール1412や、3軸加速度センサ1422、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0032】
3軸加速度センサ1422は、携帯型ゲーム装置1400の姿勢変化や位置変化を検出するために直交するX軸・Y軸・Z軸の3軸方向の加速度を検出し、検出信号を制御ユニット1450へ出力する。尚、加速度センサの代わり、又は更なる機能追加としてジャイロセンサを備える構成としても良い。或いは地磁気を基準として位置や姿勢変化を検出する磁気センサを更に機能追加してもよい。
【0033】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御して、ゲームを実行する。
【0034】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部の装置からダウンロードする構成としても良い。
【0035】
また、携帯型ゲーム装置1400は、装置本体1401の外面にデジタル式の撮影部の一種であるイメージセンサモジュール1430を搭載している。そして、ボタンスイッチ1404の所定スイッチにシャッター等の機能割り当て、第1液晶ディスプレイ1406或いは第2液晶ディスプレイ1408にライブビュー表示をすることで、公知のライブビューファインダー型のデジタルカメラと同様に、ユーザが任意の撮影対象を撮影し、デジタルイメージデータをメモリカード1440等に記憶することができる。こうしたデジタルカメラ機能は、携帯型ゲーム装置1400の基本システムに予め組み込まれており、アプリケーションソフトから適宜機能を呼び出して利用することができる。
【0036】
[ゲームの概要]
本実施形態では、ゲームを開始するに当って先ずプレーヤ自身にゲームステージとして使用する画像を撮影・取得してもらう。
例えば、図2に示すように、第2液晶ディスプレイ1408に撮影を促すメッセージとともに、どのボタンスイッチ1404にどういった機能が割り当てられているかと言った撮影操作ガイドを含む撮影操作画面W2を表示させるとともに、携帯型ゲーム装置1400のデジタルカメラ機能を読み出し、第1液晶ディスプレイ1406に今現在イメージセンサモジュール1430で検出中のイメージ、所謂ライブビュー画像W4を略リアルタイムに表示させて、ライブビューファインダーとして機能させる。
図2の例では、ライブビュー画像W4には一軒の住宅が写されている。また、菱形配置されたボタンスイッチ1404の下側のスイッチがシャッター、同スイッチと右端のスイッチを同時押しで撮影を終了するように操作が割り振られている。
【0037】
プレーヤが、イメージセンサモジュール1430を所望する撮影対象に向けてフレーミングし、ボタンスイッチ1404の下側のスイッチでシャッター操作をして撮影すると、公知のデジタルカメラと同様に所定フォーマットの2次元画像データが生成され、メモリカード1440の所定フォルダ内に格納される。ゲームステージとして使用する画像の撮影は、プレーヤの希望により単数でも複数でも良い。以下、本明細書ではこうして撮影された画像を「オリジナル2次元画像」と称する。
【0038】
尚、オリジナル2次元画像の取得方法は、撮影に限るものではなく、メモリカード1440に記憶されているデータやフォルダを指定して取得したり、無線通信モジュール1412を介して外部記憶装置からダウンロードして取得するとしても良い。
【0039】
オリジナル2次元画像が取得できたならば、オリジナル2次元画像毎に、モグラ叩きゲームの「モグラ」に相当する標的キャラクタが出現するポイントを決定する。
そして、図3に示すように、オリジナル2次元画像を背景として、オリジナル2次元画像から選択された画像部分から標的キャラクタ4を出現させたり引っ込めたりする出入表示の制御をするとともに、出現した標的キャラクタ4がスタイラスペン1416等でタッチされた場合に得点を加算するようにゲーム進行を制御して、モグラ叩き風のゲームを実行する。
【0040】
本実施形態では、第1液晶ディスプレイ1406に、現在のゲームステージ番号表示10や現在の得点12、現在プレイ中のゲームステージでのプレイ可能残時間14を含む情報表示画面W6を表示させ、第2液晶ディスプレイ1408にゲーム画面W8を表示させる。ゲーム画面W8では、背景となったオリジナル2次元画像のうち、所定の特徴条件を満たす特徴画像部分(図3の例では、住宅の四角形の窓)から、標的キャラクタ4が出現するように制御される。
【0041】
[特徴画像部分の抽出原理の説明]
図4〜図7は特徴画像部分の抽出原理について説明するための図である。
図4は、ゲームに先だって撮影(取得)されたオリジナル2次元画像を示す図である。このオリジナル2次元画像に輪郭線抽出処理を実行する。すると、図5にて実線で示されているように、屋根や窓、壁、庭木などの各部の近似輪郭線が得られる。
【0042】
次に、得られた近似輪郭線の中から、所定の特徴条件を満たす輪郭線を抽出する。
特徴条件は、(1)近似輪郭線の外形形状(例えば、三角形、四角形(四角形の中でも菱形や台形、長方形、正方形等のそれぞれを認識・判定させることとしてもよい。)、星形、楕円、十字形など)や、(2)近似輪郭線で囲まれた部分の統計色(例えば、平均色、最彩度の色など該当部分に含まれるピクセルの色情報から統計的に求められる色)、(3)近似輪郭線で囲まれた部分と当該部分の周囲とのコントラスト差、(4)近似輪郭線で囲まれた部分の統計色と当該部分の周囲の統計色との類似や補色と言った色に関する相対関係など、オリジナル2次元画像を画像処理することで得られる種々のパラメータを適宜設定できる。
【0043】
本実施形態では、異空間或いは霊界との通路から幽霊や妖怪といった標的キャラクタ4が出現するゲーム設定であるので、四角形の外形を有する近似輪郭線を抽出する。例えば図6の太実線で示すように窓部分が抽出される。破線は抽出されなかった近似輪郭線を示している。
オリジナル2次元画像(図4参照)では、2階部分に丸形窓6も備えているが、外形が本実施形態の特徴条件を満たさないので抽出されていない。勿論、特徴条件を近似輪郭線の外形形状を四角形又は楕円とすれば、丸形窓6部分も抽出されることとなる。
【0044】
さて、図6に示すように複数枚の窓ガラスを備えた窓の場合、各窓ガラスそれぞれが特徴画像部分として抽出されることになる。撮影対象の形状や配色が異なれば同じ住宅でも場合によっては、窓を備えた壁面自体も抽出されるかもしれない。
【0045】
特徴画像部分が近接しすぎては、標的キャラクタが集中して出現することになるのでゲーム性が乏しくなり得る。また、特徴画像部分の画面全体に対するサイズが大き過ぎても標的キャラクタに直ぐタッチすることができるのでこれまたゲーム性が乏しくなり得る。反対に、特徴画像部分の画面全体に対するサイズが小さ過ぎてもタッチしにくくゲームの難易度がいたずらに高くなってしまうと考えられる。
そこで本実施形態では、1次選択された特徴画像部分の相互位置関係や画面全体に対するサイズに基づいて、ゲームプレイに適した特徴画像部分を適宜選別し、また場合によっては特徴画像部分同士を統合して利用する。
【0046】
具体的には、図6の特徴画像部分20,22,24,26は、それぞれ窓枠、3枚の窓ガラスに相当する。特徴画像部分20と特徴画像部分22,24,26は入れ子構造を成し、特徴画像部分22,24,26は互いに近接していると判断されるので、これらを図7に示すように1つの特徴画像部分28に統合する。他の特徴画像部分についても同様である。
【0047】
具体的には、例えば、比較する特徴画像部分の一方の中心位置が他方の特徴画像部分に内在している場合には入れ子構造を成していると判定する。また、特徴画像部分の近似輪郭線の距離が所定近接判定基準値を下回る場合にそれら近接する特徴画像部分は統合が必要なほど近接していると判定する。
そして、入れ子構造を成す特徴画像部分は、内在側の特徴画像部分に統合することとし他方を除外する。勿論その逆でも良い。
近接している特徴画像部分については、近接している該当部分をその間隙部分を含めて1つの特徴画像部分として統合する。勿論、近接する特徴画像部分群の何れか一方のみを残し他を除外するとしても良い。
【0048】
[標的キャラクタの出現方向についての説明]
そして、本実施形態は、こうして抽出・統合された特徴画像部分から標的キャラクタを出現させる。その際、標的キャラクタがオリジナル2次元画像に写っている被写体周辺の実際の立体関係と整合させるために特徴画像部分毎に適切な出現方向を決定する。
標的キャラクタの出現をオリジナル2次元画像における立体関係と整合させるとは、例えば図4のオリジナル2次元画像の例では建屋の中から外に向けて出てくるように見せることである。
【0049】
そのためには、オリジナル2次元画像を元に、同画像で撮影されている3次元空間の立体構造を求め、各特徴画像部分の置かれている立体関係に整合する出現方向ベクトルVc(2次元ベクトル)を求める。3次元空間の立体構造を求める方法は、1枚の2次元画像から3次元画像を生成するための公知技術や、1枚の2次元画像から3次元空間モデルを構築する公知技術を利用することで実現できる。
【0050】
例えば図4のオリジナル2次元画像から3次元モデルを求めると、例えば図8に示すような結果が得られる。図8では、地表面29に設置されている主たる被写体である住宅の立体モデル27に立体構造が取得されていることを示している。尚、図8の住宅の立体モデル27は細部の構造を省略している。また、住宅の立体モデル27の周辺に求められるであろう植え込みなどのモデルを省略している。
【0051】
先に統合された各特徴画像部分28(28a〜28g)は、住宅の立体モデル27の側面に配置されていることになる。よって、図9に示すように、各特徴画像部分28の出現方向ベクトルVcは、それぞれが配置されている住宅の立体モデル27の側面の法線ベクトルを画面座標へ投影した投影ベクトルとして求めることができる。
【0052】
そして図10に示すように、標的キャラクタ4が、特徴画像部分28から出現方向ベクトルVc方向へ出現し、また元に戻って隠れるような出入に係る重畳表示制御がなされる。基本の出現位置は特徴画像部分28の例えば中心とするが、特徴画像部分28の内ならばその他の場所でも良い。
【0053】
その際、標的キャラクタ4の出現サイズは、出現する特徴画像部分28のサイズに応じて決定する。具体的には図11に示すように、出現する特徴画像部分28となる窓の大きさが大きいほど、標的キャラクタ4が大きくなるように設定される。
当然、標的キャラクタ4が大きければそれだけプレーヤはその標的キャラクタ4をタッチし易くなり、ゲーム難易度は低くなると考えられる。よって、抽出される特徴画像部分28のサイズと数によってゲームステージとしてのゲーム難易度が概ね決まることになる。
【0054】
本実施形態では、オリジナル2次元画像が複数用意されている場合、特徴画像部分28のサイズと数に基づいてゲーム難易度を推定し、推定されるゲーム難易度が低い方から順番にゲームステージ番号を割り当てることで、ゲームを進めると少しずつ難しくなるゲーム進行が実現される。
【0055】
[機能ブロックの説明]
次に、上述のようなゲームを実行するための機能構成例について説明する。
図12は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、撮像部110と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0056】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。本実施形態では、接触位置検出部102と、加速度検出部104とを含む。
【0057】
操作入力部100は、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図1の方向入力キー1402やボタンスイッチ1404はこれに該当する。
【0058】
接触位置検出部102は、表示画面範囲への接触位置を検出することのできるデバイスである。図1のタッチパネル1407,1409がこれに該当する。
加速度検出部104は、図1の3軸加速度センサ1422が該当する。
【0059】
撮像部110は、撮影対象からの光を受光して電気信号に変換し、デジタル画像データを生成し、処理部200へ出力する。例えば、レンズ、メカシャッター、シャッタードライバ、CCDイメージセンサモジュールやCMOSイメージセンサモジュールといった光電変換素子、光電変換素子から電荷量を読み出し画像データを生成するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ICメモリなどで実現される。図1ではイメージセンサモジュール1430がこれに該当する。
【0060】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む携帯型ゲーム装置1400の各機能部との間でデータの入出力を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図1では制御ユニット1450がこれに該当する。そして本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0061】
ゲーム演算部210は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。本実施形態では画像取得部212と、特徴画像部分検出部214と、ゲームステージ画像選択部216と、キャラクタ出現表示制御部218とを含む。
【0062】
画像取得部212は、ゲームステージの背景画像として使用するオリジナル2次元画像の取得に関する処理を実行する。本実施形態では、撮影操作画面W2(図2参照)を画像表示部360に表示させてプレーヤに撮影を促すとともに、操作入力部100にシャッター操作を割り当てる。そして、シャッター操作のタイミングで撮像部110で受光したイメージの画像データをオリジナル2次元画像として記憶部500に記憶させる。
【0063】
尚、本実施形態では撮像部110による撮影で画像を取得する構成としているが、通信部370を介して外部装置から既存の画像データをダウンロードする機能を実現するとしても良い。或いは、記憶部500に予め記憶されている既存の画像データを読み出し、プレーヤに選択させる機能を実現するとしても良い。
【0064】
特徴画像部分検出部214は、オリジナル2次元画像の中から所定の特徴条件を満たす部分(特徴画像部分)を検出する。更に、検出した特徴画像部分の内、所定の近接条件や入れ子構造条件を満たす特徴画像部分群を統合する処理と、統合された特徴画像部分毎のキャラクタの出現方向を求める処理を実行する(図5〜図9相当)。
尚、本実施形態における特徴条件は、近似輪郭線の外形形状が4角形であることとするが、前述のように近似輪郭線の外形形状を他の形状としたり、近似輪郭線に囲まれた領域内の色に基づく条件を代替的或いは追加的に設定することもできる。
【0065】
ゲームステージ画像選択部216は、画像取得部212で取得したオリジナル2次元画像が複数ある場合に、特徴画像部分検出部214により検出された特徴画像部分に基づいてゲームステージとしての適正さの観点から画像を選択し、特徴画像部分の検出結果(数、大きさ、場所、色など)に基づいてゲームステージ番号を付与する。
【0066】
キャラクタ出現表示制御部218は、特徴画像部分から標的キャラクタ4を出現させたり隠したりするように重畳表示制御する(図10〜図11相当)。更に、特徴画像部分のサイズに応じて出現させる標的キャラクタ4の大きさを決定する処理や、特徴画像部分に囲まれる領域の色の特徴(例えば前述の統計色)に基づいてキャラクタの種類や数を決定する処理を実行する。
【0067】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、音声合成ICなどのプロセッサや、音声ファイル再生可能なオーディオコーデックによって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0068】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1410がこれに該当する。
【0069】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0070】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408がこれに該当する。
【0071】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0072】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0073】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0074】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。システムプログラム501は、携帯型ゲーム装置1400の基本機能を実現するいわゆる組込システムを実現するためのプログラムであり、各機能部をアプリケーションソフト側で呼び出して利用可能な各種ファームウェアを含む。例えば、撮像部110を利用したデジタルカメラ機能などが実現される。ゲームプログラム502は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム演算部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトである。
【0075】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、キャラクタ初期設定データ504と、難易度ポイント設定TBL(テーブル)510とが記憶されている。
更にゲームの準備や進行に伴って随時生成や更新が行われるデータとして、オリジナル2次元画像フォルダ512と、特徴画像部分設定データ514と、ゲームステージ画像候補データ516と、得点518とを記憶する。
また、ゲームの進行に係る処理を実行するにあたり必要となるデータ(例えば、タイマー値やカウンタ)なども適宜記憶されるものとする。
【0076】
キャラクタ初期設定データ504は、特徴画像部分に重畳表示されるキャラクタに関する初期設定情報を格納する。例えば、図13に示すように、キャラクタ種類504a毎に選択条件504bと、出現中にタッチした場合の得点504cとが対応づけて格納されている。選択条件504bの設定される条件のパラメータとしては、特徴画像部分の色属性(統計的に求められた該当部分の代表色の系統)や特徴画像部分の外形形状、特徴画像部分の画像全体に対するサイズ割合などを設けることができる。そして、条件のパラメータに応じて異なる種類の標的キャラクタCR1〜CR4を設定することができる。
具体的には、標的キャラクタCR1及びCR2は、選択条件504bの色属性の色と類似色をベースにデザインされている。この場合、特徴画像部分から生まれてきたようなイメージを持たせるのに好適である。標的キャラクタCR3及びCR4は特徴画像部分のサイズが5%以下の場合に選択され、出現する特徴画像部分と補色をベースにデザインされているが、特徴画像部分の形状違いによって異なるデザインとなっている。
なお、キャラクタ種類504aに加えてそのキャラクタ種類594aのキャラクタの出現数を対応付けて設定してもよいし、キャラクタ種類504aに代えて出現させるキャラクタの数を対応付けて設定してもよい。その場合には、例えば、同じ種類のキャラクタでありながら、選択条件504bが異なれば出現する数が変化するといったことが可能となる。
【0077】
また、キャラクタ初期設定データ504は、キャラクタサイズ設定データ504dを含む。同データは出現させる標的キャラクタを初期設定のサイズを100%としてどの大きさに拡大/縮小して表示させるかを定義する。図13の例では、オリジナル2次元画像のフル画面サイズに対する特徴画像部分のサイズ割合を100%として、そのサイズ割合が5%未満では標的キャラクタの出現サイズを初期設定サイズの10%の大きさとし、サイズ割合が5%〜20%未満の範囲ではサイズ割合が大きくなるほど標的キャラクタの出現サイズを徐々に大きく設定している。更に、特徴画像部分のサイズ割合が20%を越える範囲では、標的キャラクタを初期設定サイズの出現サイズに固定し、過大な大きさの標的を画面に表示することでいたずらにゲーム難易度が低くなることを抑制するように考慮されている。
【0078】
難易度ポイント設定TBL510は、オリジナル2次元画像をゲームステージとして使用した場合に推定されるゲーム難易度を示すポイントの基礎値を定義する。このポイントは、オリジナル2次元画像フォルダ512に複数の画像が格納されている場合に、ゲームステージとして使用するのに不適当な画像を除外する条件や、ゲームステージとして使用する順番を設定するための条件として使用される。
【0079】
例えば、難易度ポイント設定TBL510は、図14に示すように、特徴画像部分数条件510aと出現場所ポイント510bとを対応づけた第1のテーブルと、特徴画像部分サイズ条件510cと出現サイズポイント510dとを対応づけた第2のテーブルとを含む。本実施形態の第1のテーブルでは、標的キャラクタの出現数が多くなるほどゲーム難易度が高くなるとの考え方に基づいて、対象とするオリジナル2次元画像に含まれる(最終的に統合処理が済んだ)特徴画像部分の数が多くなるほど高ポイントが付与されるように定義されている。また、第2のテーブルでは、小さい標的キャラクタが出現するほどゲーム難易度が高くなるとの考え方に基づいて、対象とするオリジナル2次元画像に含まれる特徴画像部分が画面サイズに対して小さいほど高ポイントが付与されるように定義されている。
【0080】
特徴画像部分設定データ514は、オリジナル2次元画像毎に設けられ、内在する特徴画像部分に関する情報を格納する。例えば図15に示すように、特徴画像部分設定データ514は、画像データ名514aを含む。また、特徴画像部分毎に設定されたラベル514bに対応づけて、部分特定データ514cと、出現方向ベクトル514dと、色属性514eと、特徴画像部分サイズ514fと、出現キャラクタ種類514gと、出現キャラクタサイズ514hとを格納する。勿論、これら以外のパラメータをラベル514bと対応づけて格納することができる。
【0081】
ラベル514bは、特徴画像部分の個別識別のための情報である。
部分特定データ514cは、特徴画像部分を特定するための情報であり、例えば当該部分を囲む近似輪郭線の情報や、当該部分に含まれる全ドットの座標、当該部分に含まれる中心位置など代表ドットの座標を格納することができる。
【0082】
色属性514eは、特徴画像部分に含まれる全ドット(或いは選択された複数ドット)について統計的に求められる代表色の系統を所定の基準に基づいて判断した結果を格納する。例えば、赤系、青系、黄色系といった大まかな属性である。
【0083】
特徴画像部分サイズ514fは、フル画像サイズを100%とした場合の当該部分のサイズ割合を格納する。
出現キャラクタ種類514gは、キャラクタ初期設定データ504に従って当該部分に割り当てられるキャラクタ種類を格納する。
出現キャラクタサイズ514hは、キャラクタ初期設定データ504のキャラクタサイズ設定データ504dに従って決定される当該部分から出現する標的キャラクタの出現サイズ(初期設定サイズを100%とする)を格納する。
【0084】
ゲームステージ画像候補データ516は、オリジナル2次元画像フォルダ512に格納されている画像の中から、ゲームステージ画像選択部216によってゲームステージ画像として使用する画像として選抜されたオリジナル2次元画像に関する情報を格納する。
例えば図16に示すように、画像データ名516aと対応づけて、難易度ポイント設定TBL510に基づいて決定された出現場所ポイント516b及び出現サイズポイント516c、これらの合算値である難易度ポイント516d、難易度ポイント516dに基づいてゲームステージ画像選択部216により決定されたゲームステージ番号516eとを格納する。
【0085】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理の流れは、処理部200がゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。
【0086】
図17〜図18は、主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず、オリジナル2次元画像を取得するために、第1液晶ディスプレイ1406にイメージセンサ1430のライブビューを表示させるとともに、第2液晶ディスプレイ1408に操作ガイド画面W2を表示させてプレーヤに撮影を要求する(ステップS2)。そして、プレーヤが所定の撮影手順に従って撮影操作したのを検知したならば(ステップS4のYES)、処理部200は撮影処理を実行し、撮影した画像をオリジナル2次元画像フォルダ512に格納する(ステップS6)。処理部200は、撮影終了操作を検知するまでこのステップS4〜S6を繰り返す(ステップS8のNO)。
【0087】
尚、通信部370を介して外部装置から既存の画像データを取得する構成とする場合には、ステップS2〜S6に代えて、所定の外部装置との接続ステップと、同外部装置に記憶されている既存の画像データの中からプレーヤに取得する画像を選択させるステップと、選択された画像をダウンロードしてオリジナル2次元画像フォルダ512に格納するステップに置き換えれば良い。或いは、そもそも記憶部500に既存の画像データが格納されているならば、それらの中からプレーヤに取得する画像を選択させるステップに置き換えれば良い
【0088】
さて、本実施形態において撮影終了操作を検知した場合は(ステップS8のYES)、処理部200はオリジナル2次元画像フォルダ512に格納されている画像が単数の場合(ステップS10のNO)、その画像を対象に特徴画像部分検出処理を実行する(ステップS12)。
【0089】
図19は、本実施形態における特徴画像部分検出処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、対象とするオリジナル2次元画像から近似輪郭線を抽出しラベリングする(ステップS20)。
次に、抽出された近似輪郭線の中から所定の特徴条件を満たす近似輪郭線を1次選択する(ステップS22)。本実施形態では、近似輪郭線の外形形状が四角形のものを選択する。
【0090】
更に、処理部200は1次選択された近似輪郭線の中から更に所定の適正サイズ条件を満たすものを2次選択する(ステップS24)。ここで言う「適正サイズ条件」とは、近似輪郭線で囲まれた領域が、標的キャラクタを出現させてモグラ叩き風にプレーヤにタッチさせるのには小さすぎると判断される極小領域、ゲーム画面に占める割合が大き過ぎると判断される極大領域を除外する条件であり、携帯型ゲーム装置1400の画面サイズや解像度、主たるプレーヤ年齢層などの諸条件を加味して適宜設定される。つまり、ステップS24では、極小領域や極大領域を除外する。
【0091】
適正サイズ条件に適合する近似輪郭線を2次選択したならば、処理部200は2次選択された近似輪郭線の中から所定の近接条件を満たすもの(図6の特徴画像部分22,24,26相当)、及び入れ子構造を成すもの(図6の特徴画像部分20と、特徴画像部分22,24,26相当)を抽出しそれぞれ統合する(ステップS26)。この統合処理を経て残っている近似輪郭線に囲まれ部分が標的キャラクタを出現させるのに適当な最終的な特徴画像部分ということになる。記憶部500には、対象としているオリジナル2次元画像に対応づけられた特徴画像部分設定データ514が生成され、ラベル514b及び部分特定データ514cが格納される。
【0092】
次に、処理部200は特徴画像部分毎にキャラクタを出現させる方向を求めるために、対象としている一枚のオリジナル2次元画像から被写体及びその周辺空間の3次元構造を取得する(ステップS28)。本実施形態では、2次元画像から3次元モデルを自動生成する公知技術を利用する。
【0093】
そして、3次元モデルが生成されたならば、この3次元モデルを元にして被写体及びその周辺空間の3次元構造において各特徴画像部分における3次元法線ベクトルを算出し(ステップS30)、更にそれぞれの3次元法線ベクトルについて、ゲーム画面へ投影した2次元投影ベクトルを算出して対応する各特徴画像部分におけるキャラクタの出現方向ベクトルVcとする(ステップS32)。
【0094】
次に、処理部200は各特徴画像部分の色属性を決定する(ステップS34)。具体的には、特徴画像部分に含まれるドットの色の平均値を求め、それがどの色相(例えば、R,G,B,C,M,Y,Kの7種)に該当するかを判定する。更に続いて、各特徴画像部分のサイズを算出し(ステップS36)、特徴画像部分検出処理を終了する。
【0095】
図17のフローチャートに戻って、ステップS10においてオリジナル2次元画像フォルダ512に格納されている画像が複数の場合(ステップS10のYES)、処理部200はそれらの画像それぞれにループAの処理を実行する(ステップS14〜S56)。
【0096】
ループAでは、処理部200は先ず、対象とするオリジナル2次元画像に特徴画像部分検出処理を実行する(ステップS16)。次いで、難易度ポイント設定TBL510を参照して、ステップS16で検出された特徴画像部分の数に基づいて出現場所ポイントを決定し(ステップS50)、更にステップS16で検出した特徴画像部分それぞれについて、そのサイズに基づいて出現サイズポイントを決定する(ステップS52)。
【0097】
そして、処理部200は、対象とするオリジナル2次元画像の難易度ポイントを出現ポイントと出現サイズポイントとを合算して求め(ステップS54)、ループAを終了する(ステップS56)。尚、ループAで求められた各種ポイントは、一旦、全てのオリジナル2次元画像を登録対象としたゲームステージ画像候補データ516を記憶部500に生成して、そこに格納される。
【0098】
全てのオリジナル2次元画像についてループAを実行したならば、処理部200は次に、難易度ポイントが適正ポイント条件を満たさず、ゲームステージとしては極度に難易度が低過ぎる或いは高過ぎると判断される場合には、該当するオリジナル2次元画像をゲームステージ画像候補から除外する(ステップS58)。具体的には、ゲームステージ画像候補データ516から登録を抹消する。
そして、残ったゲームステージ画像候補のオリジナル2次元画像を、それぞれの難易度ポイントの低い順から昇順にゲームステージ番号516eを決定する(ステップS60)。これで、オリジナル2次元画像はゲームステージ画像と認識されることになる。
【0099】
図18のフローチャートに移って、処理部200はゲームステージ番号516eの昇順に各ゲームステージ画像を対象にループBを実行して、モグラ叩き風ゲームを実現する(ステップS70〜S100)。
【0100】
ループBでは、処理部200は先ず、キャラクタ初期設定データ504を参照して、対象とするゲームステージ画像の各特徴画像部分について出現する標的キャラクタの種類と出現サイズを決定し、対応する特徴画像部分設定データ514(図15参照)の出現キャラクタ種類514g及び出現キャラクタサイズ514hとして登録する(ステップS72)。
そして、得点518をリセットして(ステップS74)、ゲーム開始処理を実行する(ステップS76)。対象とするゲームステージ画像となるオリジナル2次元画像がゲームステージの背景画像として表示され、ゲームステージ毎のプレイ可能時間のカウントダウンが開始される。
【0101】
ゲームを開始したならば、処理部200は対象とするゲームステージ画像の各特徴画像部分からランダムな出現頻度と出現速度で標的キャラクタを出現させたり元に戻して隠したりといった具合に出入させる表示制御を開始する(ステップS78)。この時、出現する敵キャラクタの種類及びサイズは、対象とするゲームステージ画像に対応づけられる特徴画像部分設定データ514の出現キャラクタ種類514g及び出現キャラクタサイズ514hに従う。
【0102】
ゲーム中、接触位置検出部102で検出された位置座標が出現中の標的キャラクタを示している場合、つまりプレーヤが出現中の標的キャラクタにタッチした場合(ステップS90のYES)、処理部200は被タッチ標的キャラクタが霧散して消えるなどのやられ表示制御を実行し(ステップS92)、キャラクタ初期設定データ504(図13参照)を参照して当該被タッチ標的キャラクタのキャラクタ種類504aに設定された得点504cを加算する(ステップS94)。
【0103】
次に、処理部200はプレイ時間が終了したか否かを判定する。終了していなければ(ステップS96のNO)、ステップS90に戻りゲームを継続する。終了していれば(ステップS96のYES)、現在の得点518が所定のゲームクリア条件を満たすか否かを判定する(ステップS98)。
【0104】
ゲームクリア条件を満たしていれば(ステップS98のYES)、ステップS70に戻って次のゲームステージ画像についてループBの処理を実行する。つまり、次のゲームステージで同じようにモグラ叩き風のアクションゲームを実行する。そして、全てのゲームステージ画像についてループBを実行した場合には、所定のゲーム終了処理を実行して(ステップS102)、一連の処理を終了する。
一方、ゲームクリア条件を満たしていなければ(ステップS98のNO)、処理部200はループBを抜け、ゲーム終了処理を実行して(ステップS102)、一連の処理を終了する。
【0105】
以上、本実施形態によれば、実写されたオリジナル2次元画像を背景として、同画像内で共通する特徴を有する部分(特徴画像部分)から標的キャラクタが出現するように重畳表示されるゲームを実現することができる。
【0106】
オリジナル2次元画像は、プレーヤ自身が撮影することができるので、例えば自宅や通勤・通学路の風景、職場や学校、身の回りの物など任意のものをゲームステージとすることができるので、見慣れた風景からキャラクタが出現する斬新なゲームを楽しむことができる。
【0107】
また、オリジナル2次元画像を単にそのままゲーム画面の背景とするのでなく、共通する特徴画像部分を自動的に選択し、特徴部分の数やサイズからゲームとして適当な画像を自動的に選択することができる。よって、プレーヤは、ゲーム開始前に単に好みの被写体を撮影しさえすればよいので煩わしい思いをせずにゲームを楽しむことができる。
【0108】
しかも、オリジナル2次元画像が複数枚ある場合には、特徴画像部分に基づいて自動的にゲーム難易度を想定してゲームステージ番号を付与することができる。よって、公知のアクションゲームと同様に、ゲームステージをクリアすると少しずつゲーム難易度が上がっていくといったトータルでのゲーム性をきちんと実現することができる。
【0109】
尚、本実施形態の特徴画像部分検出処理では、輪郭線の1次選択を所定の特徴条件に基づいて一回のみ行っているが、複数回繰り返す構成としても良い。
例えば、最初に「近似輪郭線の外形形状が四角形」を第1の特徴条件として1次選択を実行し、1次選択された近似輪郭線の数がゲームとして適当数に満たない場合に、「近似輪郭線の外形形状が楕円」の第2の特徴条件で追加の1次選択を実行し、楕円の近似輪郭線の数だけで適当数に達すれば、四角形の近似輪郭線を破棄して楕円の近似輪郭線のみを1次選択の結果とする2段構成にもできる。勿論、1次選択は特徴条件を更に設けて3段以上の構成としても良い。こうした1次選択の多段構成を採用すると、利用できる被写体の構成をより多様にできる。プレーヤは被写体の形状等を気にすることなく撮影するだけで良く、それでいてゲームステージのバリエーションが豊富になる。
【0110】
また、本実施形態ではオリジナル2次元画像を静止画像として扱っているが、動画の1フレームを利用することもできる。その場合、ゲームプレイ時間分の動画の1フレーム毎に特徴部分画像検出処理を実行し、特徴画像部分を検出して1フレーム分のゲームステージ画像とすることで、動画を背景にしたモグラ叩き風のゲームを実現できる。
【0111】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、ゲーム装置としてアプリケーションソフトを実行可能な携帯電話機を使用する点と、ダイヤルキーを用いた操作入力の仕方が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成については同じ符合を付与して説明は省略するものとし、第1実施形態との差異についてのみ説明する。
【0112】
図20は、本実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す正面外観図である。本実施形態のゲーム装置は、アプリケーションソフトを実行可能な携帯電話機1400Bである。携帯電話機1400Bは、スピーカ1410と、マイクロフォン1411と、通話開始ボタン1462と、通話終了ボタン1464と、ダイヤルキー群1466と、無線通信アンテナ1468とを備える。携帯電話機1400Bは、それ自体で無線通信を利用した無線電話として機能するとともに、メモリカード読取り装置1418でメモリカード1440に記憶されているアプリケーションソフトを読み出して、電話機能とは別に実行することができる。本実施形態ではこのアプリケーションソフトとして、ゲームプログラムを実行させる。
【0113】
ゲーム操作の入力は、携帯電話機の第1液晶ディスプレイ1406に設けられたタッチパネル1407が素早いゲーム操作を入力するには小さいことを考慮して、ダイヤルキー群1466を用いることとする。
具体的には、図21の本実施形態における操作入力方法を説明するための概念図に示すように、ゲーム画面を3×3の9つのエリア(AR1〜AR9)に分割し、ダイヤルキー群1466のうち「1」〜「9」の各キーそれぞれに1つずつエリアを割り当てる。エリア相互の相対位置関係は、「1」〜「9」の各キーの相対位置関係に置き換えられる。プレーヤは、出現した標的キャラクタ4をタッチ操作する代わりに、当該標的キャラクタが出現しているエリアに対応づけられた「1」〜「9」の各キーを操作する。例えば図21の例では画面右の標的キャラクタ4を攻撃しようとした場合、第6のエリアAR6に対応する「6」のダイヤルキーを操作する。
【0114】
本実施形態の機能構成及び処理の流れは、第1実施形態のそれと基本的には同様である。但し、ダイヤルキーを用いた操作入力を実現するために、図22に示すように、特徴画像部分検出処理のステップS36の後に、オリジナル2次元画像の全範囲を3×3に分割した9エリアの中から特徴画像部分毎に所属するエリアを決定し、特徴画像部分設定データ514に登録する処理を実行する(ステップS38)。
【0115】
また、主たる処理の流れにおいても本実施形態では第1実施形態と比べるとループBの処理が一部異なる。図23は、本実施形態におけるループB前後の処理の流れについて説明するためのフローチャートである。本実施形態では、処理部200は第1実施形態のステップS76,S90,S92に代えてステップS80〜S86を実行する。
【0116】
具体的には、ゲームをスタートさせたならば、処理部200はランダムな出現頻度で何れかのエリアを選択し(ステップS80)、選択されたエリアに所属する特徴画像部分の何れかから標的キャラクタの出現・隠れ表示制御を開始する(ステップS82)。そして、標的キャラクタが出現中のエリアに対応するダイヤルキーが操作されたのを検知したならば(ステップS84のYES)、処理部200は操作されたダイヤルキーに対応するエリアに出現中の標的キャラクタの1つをやられ表示制御し(ステップS86)、得点を加算する(ステップS94)。
【0117】
このように、本実施形態によれば画面サイズの小さな装置でも第1実施形態と同様の効果を実現することができる。
尚、本実施形態のように画像の全範囲をエリアに分割して、エリアを選択させて標的キャラクタを攻撃する操作はダイヤルキーを備えたゲーム装置に限らない。例えば、パソコンをゲーム装置として機能させる場合には、テンキーを同様に利用する構成とすることができる。また、実体としてのダイヤルキーは備えず、タッチパネルに仮想のダイヤルキーを表示させて代用する携帯電話機であっても、仮想のダイヤルキーを利用する構成とすることもできる。
【0118】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は基本的に第1実施形態と同様に実現されるが、オリジナル2次元画像の撮影時にガイド表示をする機能を有する点が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与することとし、第1実施形態との差異についてのみ説明する。
【0119】
図24は、本実施形態における撮影時の画面表示例を示す図である。操作ガイド画面W3に示されるように、本実施形態ではボタンスイッチ1404の1つに、ガイド表示のON/OFFが割り当てられている。第1液晶ディスプレイ1406にライブビュー画像W4が表示されている間に「ガイド表示」に割り当てられているボタンスイッチ1404を操作すると、操作時点のライブビュー画像の1フレームについて特徴画像部分検出処理と、出現する標的キャラクタの決定処理が実行され、検出された特徴画像部分を強調するようにマーカ30や、出現が予測される標的キャラクタの情報表示32が追加表示される。
【0120】
本実施形態の機能構成は、基本的に第1実施形態と同様であるが処理部200はマーカ30や情報表示32を表示制御する機能部を備える。
【0121】
そして、本実施形態の処理の流れでは、第1実施形態のステップS2〜S8(図17参照)に代えて、図25に例示するガイド付撮影処理を実行する。
具体的には、処理部200はライブビュー表示を開始した後(ステップS130)、ガイド表示に割り当てられているボタンスイッチ1404の操作を検知すると(ステップS132のYES)、現在ライブビューされている1フレームについて近似輪郭線を抽出する(ステップS134)。そして、抽出した近似輪郭線の中から所定の特徴条件を満たす近似輪郭線を1次選択し(ステップS136)、更に1次選択された近似輪郭線の中から適正サイズ条件を満たす近似輪郭線を2次選択し(ステップS138)、近接条件又は入れ子構造条件を満たす近似輪郭線を統合し、統合した近似輪郭線で囲まれた部分を特徴画像部分とする(ステップS140)。
【0122】
特徴画像部分が検出できたならば、処理部200は次に、それら特徴画像部分を強調表示する(ステップS142)。例えば、特徴画像部分の輪郭を特定色で表示したり、特徴画像部分内を特定色で塗り潰す、或いは図24で示したように、特徴画像部分を囲むようにして所定のマーカ30を表示させる。
【0123】
次いで処理部200は、キャラクタ初期設定データ504を参照して、特徴画像部分毎に出現予定の標的キャラクタの種類を決定する(ステップS144)。そして、出現予定の標的キャラクタに、出現頻度が低いとされる特別な標的キャラクタ(特別標的キャラクタ)が含まれる場合には(ステップS146のYES)、処理部200はその特別標的キャラクタが出現する予定の特徴画像部分の近傍に、当該キャラクタの情報表示32を追加表示させる(ステップS148)。
【0124】
ステップS132で「ガイド表示」に割り当てられたボタンスイッチ1404が操作されなければ、処理部200はステップS134〜S148の処理をスキップする。
【0125】
そして、シャッター操作が検知されたならば(ステップS150)、処理部200がシャッタータイミングにおけるライブビューの1フレームをオリジナル2次元画像として記憶部500に記憶する撮影処理を実行し(ステップS152)、所定の撮影終了操作を検知したらガイド付撮影処理を終了し、ステップS10(図17参照)に移行する。
【0126】
以上、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、プレーヤに予めこれから撮影しようとする被写体とアングルで、どのようなゲームステージとすることができるかの目安を提供することができる。
【0127】
尚、本実施形態のガイド付撮影処理は、第2実施形態にも同様に適用できる。
また、本実施形態では「ガイド表示」に割り当てられたボタンスイッチ1404を押している間、マーカ30や情報表示32が表示される構成としているが、「ガイド表示」に割り当てられたボタンスイッチ1404がガイド表示のON/OFFを切替えるとしても良い。
【0128】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した第1〜第3実施形態について説明したが、本発明の実施形態はこれらの構成に限定されるものではなく、適宜、構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0129】
例えば、ゲーム装置は、実際に“ゲーム装置”として販売されている電子機器に限らず、アプリケーションソフトが実行可能な携帯電話機やコンパクトデジタルカメラ、音楽プレーヤと言った電子機器も、ゲームプログラムを実行することでゲーム装置として機能するため、本発明に係るゲーム装置ということができる。
【0130】
また、ゲーム内容はモグラ叩き風ゲームに限らず、シューティングゲームやRPGとしても良いし、仮想のペット育成ゲームや仮想の生物を捕獲するコレクションゲームとすることもできる。
例えば、ペット育成ゲームでは、黄色く四角い特徴画像部分からはケーキが出現したり隠れたりするとともに、赤くて楕円の特徴画像部分からはリンゴが出現したり隠れたりするように重畳表示し、プレーヤがそれらを上手くタッチできればそれを入手し、育成するペットのエサとして与えることが出来るように構成することもできる。勿論、エサに限らずペットが使用するアイテムを取得するとしても良い。コレクションゲームでは、出現するキャラクタをコレクション対象の仮想生物として、撮影した風景の中から出現する仮想キャラクタをタッチして捕える構成としても良い。
【0131】
また例えば、オリジナル2次元画像を撮影する際に、プレーヤに何らかの要求を出す構成を追加することもできる。例えば、特徴画像部分を指定数含む画像をプレーヤに撮影させる要素を追加しても良い。その場合、撮影前に「四角形のもの100個を写せ!」といった具合にクリア条件を提示する処理を実行すると好適である。勿論、そうして撮影されたオリジナル2次元画像をゲームステージ画像として利用しても良い。
【符号の説明】
【0132】
4 標的キャラクタ
20,22,24,26 特徴画像部分
28 (統合された)特徴画像部分
100 操作入力部
102 接触位置検出部
110 撮像部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 画像取得部
214 特徴画像部分検出部
216 ゲームステージ画像選択部
218 キャラクタ出現表示制御部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
504 キャラクタ初期設定データ
510 難易度ポイント設置TBL
512 オリジナル2次元画像フォルダ
514 特徴画像部分設定データ
516 ゲームステージ画像候補データ
1400 携帯型ゲーム装置
1401 装置本体
1404 ボタンスイッチ
1406 第1液晶ディスプレイ
1407 タッチパネル
1408 第2液晶ディスプレイ
1409 タッチパネル
1430 イメージセンサモジュール
1450 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、所定のキャラクタを表示制御させてゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
画像記憶手段に記憶された撮影画像の中から、前記キャラクタを重畳表示させる画像部分の特徴条件として予め定められた特徴画像部分条件を満たす画像部分を検出する画像部分検出手段、
前記撮影画像を表示制御する画像表示制御手段、
前記画像表示制御手段により表示制御された撮影画像中の前記画像部分検出手段により検出された画像部分から前記キャラクタを出現表示させるキャラクタ出現表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記キャラクタ出現表示制御手段により出現表示されたキャラクタに対するユーザの所定の操作入力に基づいて得点計算を行う得点計算手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記キャラクタ出現表示制御手段が、前記画像部分検出手段により検出された画像部分それぞれから、時間差をおいて前記キャラクタを出現表示させるように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記キャラクタ出現表示制御手段が、前記画像部分検出手段により検出された画像部分の大きさに基づいて、前記キャラクタの大きさを拡縮して出現表示させるように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記特徴画像部分条件には複数種類の条件があり、
前記キャラクタ出現表示制御手段が、前記画像部分検出手段により検出された画像部分が満たした前記特徴画像部分条件の種類に応じて、キャラクタの種類及び/又は数を変更して当該画像部分から出現表示させるように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記画像部分検出手段が、前記撮影画像中の形状及び/又は色情報が所定条件を満たす画像部分を検出するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記画像記憶手段が、複数の撮影画像を記憶するように前記コンピュータを機能させるとともに、
前記複数の撮影画像を順番に、前記画像表示制御手段による当該撮影画像の表示制御と、前記出現表示制御手段による当該撮影画像からの前記キャラクタの出現表示制御とを実行させることでゲームを進行制御するゲーム進行制御手段として前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記画像部分検出手段が、前記複数の撮影画像それぞれについて前記画像部分を検出するように前記コンピュータを機能させ、
前記画像部分検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の撮影画像の中から前記ゲームに使用するゲーム使用画像を複数選択するゲーム使用画像選択手段として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記ゲーム使用画像選択手段により選択されたゲーム使用画像を用いてゲームの進行制御を行うように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記画像部分検出手段による検出結果に基づいて、前記ゲーム使用画像の使用順番を判断する使用順番判断手段として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記使用順番判断手段により判断された使用順番に従って前記ゲーム使用画像を使用してゲームの進行制御を行うように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項11】
所定のキャラクタを表示制御してゲームを進行制御するゲーム装置であって、
画像記憶手段に記憶された撮影画像の中から、前記キャラクタを重畳表示させる画像部分の特徴条件として予め定められた特徴画像部分条件を満たす画像部分を検出する画像部分検出手段と、
前記撮影画像を表示制御する画像表示制御手段と、
前記画像表示制御手段により表示制御された撮影画像中の前記画像部分検出手段により検出された画像部分から前記キャラクタを出現表示させるキャラクタ出現表示制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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