説明

プログラム、記録媒体及びEラーニング・システム

【課題】配信側(たとえば社内コンプライアンス規定の徹底を図りたい企業など)の要望に応じて問題を配信(或いはいっせいに同報)し、社内リスクコントロールの人的対策手段として資すること、スキルアップのための社員教育の充実化を図ること。
【解決手段】出題ウィンドウと、選択肢と、送信ボタンと、解説ウィンドウとを少なくとも備える表示機能と、所定の状況に対応して出題に係る出題情報をネットワークを介してプッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバから受信し前記出題ウィンドウに表示する出題機能と、回答者の選択した選択肢に係る回答情報を前記送信ボタンの押下に対応して前記ネットワークを介して送信する回答機能と、前記サーバから前記回答情報に対応して送信される正解・解説に係る解説情報を前記ネットワークを介して受信し前記解説ウィンドウに表示する解説機能とをクライアント・コンピュータに果たさせることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば教育用のプログラム、記録媒体及びEラーニング・システムに係り、特に、個人情報保護法の学習もしくは社内コンプライアンス或いは各種資格取得学習等に用いることのできる教育用のプログラム、記録媒体及びEラーニング・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを利用して、受講者に問題を出題したり、遠隔授業を行ったりするための電子教育システムが開発されている。例えば、特開平10−274919号公報記載の技術は、問題・解説・解答等のデータをWWWサーバー上で一元管理し、学習者は、場所の制約を受けずに自宅でも会社でも、自分の都合のよい時間に、自分のペースで学習をすすめることができるというもので、教材データベースをネットワーク上の1個所のサーバーコンピュータ内に設置し、各学習者は職場あるいは自宅内の自席に設置してあるコンピュータにより、WWWブラウザを用いて教材データベースから教材を取得し、その教材に対する解答をサーバーコンピュータに返信し、サーバーコンピュータ内で採点評価し、学習者の端末に送信する。特開平11−282826号公報記載の「インターネットを利用した電子教育システム」においては、受講者端末と教育事業者端末とがインターネットを介して電子教育サーバーに接続されており、電子教育サーバーは、大きく分けて受講者向けサービスの仕組みと教育事業者向けサービスの仕組みとを備える技術が開示されている。
そうした中にあって、例えば特開2003―29613号公報(特許文献1)に見られるように、利用者ごとの採点結果や問題の配信履歴に応じ、所定の問題の難易度及びジャンルの問題を抽出して次回に配信することで、様々な抽出条件をあらかじめ設定し、あるいは利用者ごとに抽出条件をあらかじめ設定させ、あるいはこれらの抽出条件を組み合わせて、問題を抽出することができるような方向で改善がなされている。また、例えば特開2004―251951号公報(特許文献2)に見られるように、学習者(発電所の不特定多数の運転員)の階級に求められるレベルの分類を各学習者(運転員)にて絞り込み学習できるようにする方向で改善がなされている。
しかしながら、これら従来技術に係るオンライン教育問題配信システムは、いずれも、いわゆるプル型であり、学習者が問題配信の要求をするのに応じて配信するために、学習者の必ずしも意図しない場合にもいっせいに配信するような社員教育のような場合には適用することができなかった。
【特許文献1】特開2003―29613号公報
【特許文献2】特開2004―251951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように、これまでのオンライン教育問題配信システムは、いずれも、いわゆるプル型であり、学習者が問題配信の要求をするのに応じて配信するために、学習者の必ずしも意図しない場合にもいっせいに配信するような社員教育のような場合には適用することができなかった。
【0004】
本発明は上記の従来技術の問題を解決するためになされたもので、プッシュ型の問題配信を実現することで、学習者からの要求を待つのでなく、配信側(たとえば社内コンプライアンス規定の徹底を図りたい企業など)の要望に応じて問題を配信(或いはいっせいに同報)し、社内リスクコントロールの人的対策手段として資すること、スキルアップのための社員教育の充実化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため、本発明は、問題を表示するための出題ウィンドウと、選択肢と、送信ボタンと、解説を表示するための解説ウィンドウとを少なくとも備える所定のフレーム画面を表示する表示機能と、所定の状況に対応して出題に係る出題情報をネットワークを介してプッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバから受信し前記出題ウィンドウに表示する出題機能と、回答者の選択した選択肢に係る回答情報を前記送信ボタンの押下に対応してプッシュ型配信ミドルウェアを通じて前記サーバに対して前記ネットワークを介して送信する回答機能と、プッシュ型配信ミドルウェアを通じて前記サーバから前記回答情報に対応して送信される正解・解説に係る解説情報を前記ネットワークを介して受信し前記解説ウィンドウに表示する解説機能とをクライアント・コンピュータに果たさせることを特徴とする。
【0006】
かかる構成を備える本発明によれば、サーバとクライアントとの間で、プッシュ型配信ミドルウェア及びネットワークを介して問題配信を所定の条件にしたがって行い、クライアントの要望に必ずしも連動せずに行うので、運営側(企業側)の研修、学習、教育等のプログラムの実行、オンラインによるテスト等に幅広く活用することができる。
【0007】
また、このとき、前記出題機能は、前記クライアント・コンピュータのスイッチ・オンもしくは一定時間の経過のいずれかの状況に対応して前記出題情報を前記出題ウィンドウに表示するように構成しても良い。このようにすることで、さきの問題配信はクライアント側の要望に従属しないこととなり、社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0008】
さらに、前記問題及びこれに対応する正解・解説は個人情報保護法の学習もしくは社内コンプライアンス或いは各種資格取得学習に係るものであるように構成しても良い。このようにすることで、昨今保護の必要性が極めて高まっている個人情報保護法の学習もしくは社内コンプライアンス分野について、それに追随できる態勢の整っていない企業等の社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0009】
また、本発明は、問題に係るコンテンツの管理を司る問題配信エンジンと、回答者からの回答に係るスコアを個人ごとに記録・管理するスコア記録エンジンとを少なくとも備えるサーバと、問題若しくは正解・解説をサーバ及びネットワークとの間で配信・受信するためのプッシュ型配信ミドルウェアと、所定のフレーム画面の出題ウィンドウに問題を表示する問題表示部と、選択肢を入力するための選択肢入力部と、入力された選択肢に係る回答情報を前記ネットワークに対して送信する送信部と、前記フレーム画面の解説ウィンドウに正解・解説を表示する解説表示部とを少なくとも備えるクライアント・コンピュータとを少なくとも備えるEラーニング・システムであって、前記サーバは、予め定められたスケジュールにしたがって前記問題配信エンジンが問題を前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じてネットワークを介してクライアント・コンピュータに対して同報し、前記問題の配信を受けたクライアント・コンピュータの各々は、前記問題表示部が該問題を出題ウィンドウに問題を表示し、前記選択肢入力部で入力された選択肢に係る回答情報を前記送信部が前記ネットワークを介して前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバに対して送信し、前記回答情報の送信を受けたサーバは、前記スコア記録エンジンが該回答情報と正解とを対照し正解・解説に係る解説情報を前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じ前記ネットワークを介して前記クライアント・コンピュータに対して送信し、前記解説情報を受けた前記クライアント・コンピュータは、前記解説表示部が解説ウィンドウに正解・解説を表示することを特徴とする。
【0010】
このように構成することで、サーバ側の問題配信エンジンが予め定められたスケジュールにしたがって問題をクライアント・コンピュータに対して同報し、次に問題の配信を受けたクライアント・コンピュータの各々は、その問題表示部が該問題を出題ウィンドウに問題を表示し、これに回答者が前記選択肢入力部で選択肢を自身の回答として入力し、この入力された回答情報を送信部が前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバに対して送信し、さらに該回答情報の送信を受けたサーバは、そのスコア記録エンジンが該回答情報と正解とを対照し正解・解説に係る解説情報をクライアント・コンピュータに対して送信するので、サーバとクライアントとの間で、プッシュ型配信ミドルウェア及びネットワークを介して問題配信をクライアントの要望とは関係なく行うこととなり、運営側(企業側)の研修、学習、教育等のプログラムの実行、オンラインによるテスト等に幅広く活用することができる。
【0011】
このとき、前記サーバと前記クライアント・コンピュータとの間の通信を自動的に暗号化する暗号化機構をさらに備えるように構成しても良い。このように構成することで、一定権原を有しない者の本システムへのアクセスを防止でき、より機密性の高い情報を含む問題の配信・解答も可能となる。
【0012】
また、このとき、前記プッシュ型配信ミドルウェアは、保証配信機構を有するように構成しても良い。このように構成することで、確実な問題配信が可能となる。
【0013】
さらに、このとき、サーバによる前記問題配信が律せられる予め定められたスケジュールとは、ログインの際の画面自動起動もしくはスケジュールによる画面自動起動のいずれかであるように構成しても良い。このように構成することで、さきの問題配信はクライアント側の要望に従属しないこととなり、社内教育により適した形態・環境が実現される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サーバとクライアントとの間で、プッシュ型配信ミドルウェア及びネットワークを介して問題配信を所定の条件にしたがって行い、クライアントの要望に必ずしも連動せずに行うので、運営側(企業側)の研修、学習、教育等のプログラムの実行、オンラインによるテスト等に幅広く活用することができる。
【0015】
また、本発明によれば、問題配信はクライアント側の要望に従属しないこととなり、社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0016】
さらに、本発明によれば、昨今保護の必要性が極めて高まっている個人情報保護法の学習もしくは社内コンプライアンス分野について、それに追随できる態勢の整っていない企業等の社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0017】
また、本発明によれば、サーバ側の問題配信エンジンが予め定められたスケジュールにしたがって問題をクライアント・コンピュータに対して同報し、次に問題の配信を受けたクライアント・コンピュータの各々は、その問題表示部が該問題を出題ウィンドウに問題を表示し、これに回答者が前記選択肢入力部で選択肢を自身の回答として入力し、この入力された回答情報を送信部が前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバに対して送信し、さらに該回答情報の送信を受けたサーバは、そのスコア記録エンジンが該回答情報と正解とを対照し正解・解説に係る解説情報をクライアント・コンピュータに対して送信するので、サーバとクライアントとの間で、プッシュ型配信ミドルウェア及びネットワークを介して問題配信をクライアントの要望とは関係なく行うこととなり、運営側(企業側)の研修、学習、教育等のプログラムの実行、オンラインによるテスト等に幅広く活用することができる。
【0018】
さらに、本発明によれば、一定権原を有しない者の本システムへのアクセスを防止でき、より機密性の高い情報を含む問題の配信・解答も可能となる。
【0019】
また、本発明によれば、確実な問題配信が可能となる。
【0020】
さらに、本発明によれば、問題配信はクライアント側の要望に従属しないこととなり、社内教育により適した形態・環境が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るEラーニング・システム全体の構成を示すブロック図である。なお、以下では、本願発明の目的の達成のために説明に必要な範囲を模式的に示し、本願発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所に付いては公知技術によるものとする。
【0023】
同図に示すように、本発明の一実施形態に係るEラーニング・システム1は、問題配信エンジン11、スコア記録エンジン12及びプッシュ・エンジン13を有するサーバ10と、ユーザ端末30(PCT/PDA/携帯でもよい)と、サーバ10及びユーザ端末30を繋ぐネットワーク20(インターネット/イントラネットでもよい)とを少なくとも備えて構成される。プッシュ・エンジン13はここではサーバ10の一部を構成するような態様を示しているが、サーバ10から独立して配置しても良い。
【0024】
問題配信エンジン11は、問題集コンテンツの管理と問題のスケジュール配信を行う。スコア記録エンジン12は個人(学習者、被験者)のスコアを個人ごとに管理する。プッシュ・エンジン13は、プッシュ型配信ミドルウェアであり、クライアント(ユーザ端末30)側からの要求がなくとも一定の条件を満たしたときに問題の配信を行うプッシュ式による配信動作を司る。
【0025】
図2は、上で説明したサーバ10の有する各機能をさらに詳細に説明するための機能ブロック図である。同図に示すように、問題配信エンジン11は、設定時間に自動的に問題を配信する機能であるスケジューリング機能と、問題をランダムに抽出する機能である問題管理機能とを備えている。
【0026】
また、スコア記録エンジン12は、各問題の解答結果をユーザごとに管理する機能である解答結果管理機能と、個人/会社の解答率、正解率を管理・レポートする機能である統計管理機能とを備えている。
【0027】
また、プッシュ・エンジン13は、問題・解答の二重配信やロストを防ぐ機能である保証配信機能と、問題・解答を暗号化して通信する機能である暗号化機能とを備えている。
【0028】
次に、上記のように構成される本発明のEラーニング・システム1の動作を説明する。
【0029】
図3は、本発明のEラーニング・システム1の、特にサーバ10のイベント(サーバイベント10)とユーザ端末30側のイベント(ユーザイベント30)とのシーケンスを表すシーケンス図(タイミング・フローチャート)である。
【0030】
同図に示すように、まず、ユーザ端末30の(図示しない)PC(パーソナル・コンピュータ)を起動する(ステップ3001)。
【0031】
すると、ユーザ端末30から自動的に、サーバに対して接続要求を行う(ステップ30―10−1)。この要求を受けたサーバ10ではかかる接続要求情報に基づき認証を行う(ステップ1001)。この認証を通ったものについて、問題の抽出を行う(ステップ1002)。この抽出はランダムに行って良い。こうして抽出された問題を次にサーバ10からユーザ端末30側に対して配信する(ステップ10―30−2)。
【0032】
一方、ユーザ端末30側では、問題が配信されると、この問題に係る画面が自動的に立ちあがる(ステップ3002)。こうして解答者の前に問題が提示され、解答者がこれに対して答えを与える、つまり、選択肢で解答を選択する(ステップ3003)。こうして選択された解答に係る情報は(図示しない)ネットワーク20を介してサーバ10側に送信される(ステップ30―10−3)。
【0033】
一方、サーバ10側では、ユーザ端末30から送信された解答情報を受信すると、スコア記録エンジン12がスコア記録を行う(ステップ1003)。かかる解答情報を正答と比較し、解説を取得する(ステップ1004)。かかるのちに、こうして取得された正解と解説とを次にサーバ10からユーザ端末30側に対して配信する(ステップ10―30−4)。
【0034】
ユーザ端末30側では、正解と解説とが配信されると、この正解と解説とに係る画面が表示される(ステップ3004)。
【0035】
上記説明したような実施形態によれば、たとえば、出社した社員が会社の自PCに電源を入れたら必ず問題が出、それをしないと次の作業にいけない、というような使い方をすることも可能であり、このような使用法によれば、個人保護法のみならず、当該企業にとって重要度が高いと判断される分野について啓蒙度を上げることが可能となる。
【0036】
図4は、本発明のEラーニング・システム1の、スケジュールによる配信の場合の、サーバ10のイベント(サーバイベント10)とユーザ端末30側のイベント(ユーザイベント30)とのシーケンスを表すシーケンス図(タイミング・フローチャート)である。
【0037】
同図に示すように、まず、サーバ10側で、タイマーイベントにより一定の時間の経過がなされる(ステップ1011)と、それに連動して問題をサーバ10からユーザ端末30側に対して配信する(ステップ10―30−11)。この配信される問題については、抽出をランダムに行って良いし、或いは何らかの操作を加えて選択してもよい。
【0038】
一方、ユーザ端末30側では、問題が配信されると、この問題に係る画面が自動的に立ちあがる(ステップ3011)。こうして解答者の前に問題が提示され、解答者がこれに対して答えを与える、つまり、選択肢で解答を選択する(ステップ3012)。こうして選択された解答に係る情報は(図示しない)ネットワーク20を介してサーバ10側に送信される(ステップ30―10−12)。
【0039】
一方、サーバ10側では、ユーザ端末30から送信された解答情報を受信すると、スコア記録エンジン12がスコア記録を行う(ステップ1012)。かかる解答情報を正答と比較し、解説を取得する(ステップ1013)。かかるのちに、こうして取得された正解と解説とを次にサーバ10からユーザ端末30側に対して配信する(ステップ10―30−13)。
【0040】
ユーザ端末30側では、正解と解説とが配信されると、この正解と解説とに係る画面が表示される(ステップ3013)。
【0041】
図5は、上記のように配信される問題のユーザ端末30側の画面に表示される一例を描いた図である。同図に示されるように、画面50は、標題表示ウィンドウ500と、サーバ10側から与えられた問題に係る出題文が表示される出題ウィンドウ501と、この出題がたとえばある写真(イメージ)を見て答えさせるタイプのものである場合にはこの写真(イメージ)を表示するためのイメージ表示ウィンドウ502と、選択肢を表示する選択肢表示欄503と、選択肢表示欄503で一意に選択した選択肢を決定してサーバ10に対して送信するイベントを発動させる回答送信ボタン505と、サーバ10から送信される正解・解説を表示するための解説欄ウィンドウ507とを備えて構成される。
【0042】
図6は、上記のように構成される画面に実際の問題が表示された場合の例を示すものである。ここでは問題の種類に対応して、イメージ表示欄502は用いられていないため、背景色がそのまま表示されている。図6についての詳細の説明は図5の場合と重なるため、割愛する。
【0043】
以上詳細に説明したように、本願に係る発明によれば、サーバとユーザ端末(クライアント)との間で、プッシュ型配信ミドルウェア及びネットワークを介して問題配信を所定の条件にしたがって行い、クライアントの要望に必ずしも連動せずに行うので、運営側(企業側)の研修、学習、教育等のプログラムの実行、オンラインによるテスト等に幅広く活用することができる。
【0044】
また、本発明によれば、問題配信はクライアント側の要望に従属しないこととなり、社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0045】
さらに、本発明によれば、昨今保護の必要性が極めて高まっている個人情報保護法の学習もしくは社内コンプライアンス分野について、それに追随できる態勢の整っていない企業等の社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0046】
また、本発明によれば、サーバ側の問題配信エンジンが予め定められたスケジュールにしたがって問題をクライアント・コンピュータに対して同報し、次に問題の配信を受けたクライアント・コンピュータの各々は、その問題表示部が該問題を出題ウィンドウに問題を表示し、これに回答者が前記選択肢入力部で選択肢を自身の回答として入力し、この入力された回答情報を送信部が前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバに対して送信し、さらに該回答情報の送信を受けたサーバは、そのスコア記録エンジンが該回答情報と正解とを対照し正解・解説に係る解説情報をクライアント・コンピュータに対して送信するので、サーバとクライアントとの間で、プッシュ型配信ミドルウェア及びネットワークを介して問題配信をクライアントの要望とは関係なく行うこととなり、運営側(企業側)の研修、学習、教育等のプログラムの実行、オンラインによるテスト等に幅広く活用することができる。
【0047】
さらに、本発明によれば、一定権原を有しない者の本システムへのアクセスを防止でき、より機密性の高い情報を含む問題の配信・解答も可能となる。
【0048】
また、本発明によれば、確実な問題配信が可能となる。
【0049】
さらに、本発明によれば、問題配信はクライアント側の要望に従属しないこととなり、社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0050】
図7は、このような本発明に係るコンセプトを再確認・説明するためのコンセプト図である。同図に示すように、本発明は、e-Learning による学習効率を向上させる仕組みであり、個人のペースに合わせて問題を配信(最少単位は「一日一問(商標)」から)し、問題配信は強制的に(ログイン時、タイマー指定等)行うので、無理のないスケジュールで、確実にカリキュラムを消化することが可能となり、研修にありがちな「時間が無くて...」という言い訳の発生する余地をなくす効果も奏される。
【0051】
図8は、本発明の技術的特長を示す図である。同図に示すように、本発明は、次の特長を有する。
(1)
画面On/Offをサーバーからコントロールする
すなわち、ログインの際の画面自動起動やスケジュールによる画面自動起動等、ユーザーの登録したスケジュールにしたがって、サーバーから画面の起動・停止をコントロールする。
(2)Push型双方向通信
すなわち、画面とサーバ間は、プッシュ(Push)型ミドルウェアにより接続される。これにより、問題の配信、解答の受信をライトウェイトかつスピーディに実現する。
(3)通信のセキュリティ
画面とサーバ間の通信は自動的に暗号化される。また、保証配信機能により、通信のロストや二重配信というトラブルを回避する。
【0052】
さらに本願発明は、その技術思想の同一及び等価に及ぶ範囲において様々な変形、追加、置換、拡大、縮小等を許容するものである。また、本願発明を用いて生産される装置、方法、ソフトウェア、システムが、その2次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。
【0053】
たとえば、上記の問題は一日一問として地道に啓蒙を図るような使用法も可能である一方、一日二問、一日三問、一日五問などと、設定画面で自由に時間を設定できるようにしても良い。
【0054】
また、テストを想定した場合(たとえば100問の場合)、一日難問ずつ解くかは自由に設定できるようにすることも、一日十問で10日間(設定画面で個人で決められるようにし必ずテスト形式で日時を決め、その決まった日時には必ず問題が出てその問題をやらないとなにもできない。また問題の解く時間も一問単位またはトータル単位で設定する)というようにすることも、或いは、一日二十五問で4日、一日五十問で2日、一日百問で一日など、様々に設定することも可能である。
【0055】
さらに、上述したものは本願に係る技術思想を具現化するための実施形態の一例を示したにすぎないものであり、他の実施形態でも本願に係る技術思想を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本願に係る発明によれば、サーバとユーザ端末(クライアント)との間で、プッシュ型配信ミドルウェア及びネットワークを介して問題配信を所定の条件にしたがって行い、クライアントの要望に必ずしも連動せずに行うので、運営側(企業側)の研修、学習、教育等のプログラムの実行、オンラインによるテスト等に幅広く活用することができる。
【0057】
また、本発明によれば、問題配信はクライアント側の要望に従属しないこととなり、社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0058】
さらに、本発明によれば、昨今保護の必要性が極めて高まっている個人情報保護法の学習もしくは社内コンプライアンス分野について、それに追随できる態勢の整っていない企業等の社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0059】
また、本発明によれば、サーバ側の問題配信エンジンが予め定められたスケジュールにしたがって問題をクライアント・コンピュータに対して同報し、次に問題の配信を受けたクライアント・コンピュータの各々は、その問題表示部が該問題を出題ウィンドウに問題を表示し、これに回答者が前記選択肢入力部で選択肢を自身の回答として入力し、この入力された回答情報を送信部が前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバに対して送信し、さらに該回答情報の送信を受けたサーバは、そのスコア記録エンジンが該回答情報と正解とを対照し正解・解説に係る解説情報をクライアント・コンピュータに対して送信するので、サーバとクライアントとの間で、プッシュ型配信ミドルウェア及びネットワークを介して問題配信をクライアントの要望とは関係なく行うこととなり、運営側(企業側)の研修、学習、教育等のプログラムの実行、オンラインによるテスト等に幅広く活用することができる。
【0060】
さらに、本発明によれば、一定権原を有しない者の本システムへのアクセスを防止でき、より機密性の高い情報を含む問題の配信・解答も可能となる。
【0061】
また、本発明によれば、確実な問題配信が可能となる。
【0062】
さらに、本発明によれば、問題配信はクライアント側の要望に従属しないこととなり、社内教育により適した形態・環境が実現される。
【0063】
図9は、このような構成及び効果を有する本発明を適用可能な分野の一例を示す図である。同図に示すように、本発明は、たとえば、社内リスクコントロールの人的対策手段として、個人情報保護法の学習、社内コンプライアンス規定の徹底の目的(分野)で適用することが可能である。学習の対象としては、個人情報保護法に限らず、あらゆる分野を対象とする教育・研修等に結びつけることが可能である。また、最初に個人保護法の問題を取り上げた場合であっても、業種を金融・製造・流通・教育・その他に分けて業種に適合する問題を作成することも可能である。
【0064】
また本発明は、たとえば、スキルアップ向上のための社員教育として、各種資格取得のための学習の目的(分野)で適用することが可能である。こうした有用性は、銀行・証券(証券・銀行・保険・消費者金融・外資証券・外資銀行)等の情報管理に対する厳しい認識が求められる各産業・各企業の各部署、営業部隊などの外回り人材教育、教育産業における遠隔教育・管理、学校等における教育効果・達成度測定等、あらゆる産業・分野に幅広く適用することができる。さらには、金融・製造・流通などの対企業のみならず、教育・その他として対個人に向けて展開することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係るEラーニング・システム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るサーバ10の有する各機能をさらに詳細に説明するための機能ブロック図である。
【図3】本発明のEラーニング・システム1の、特にサーバ10のイベント(サーバイベント10)とユーザ端末30側のイベント(ユーザイベント30)とのシーケンスを表すシーケンス図(タイミング・フローチャート)である。
【図4】本発明のEラーニング・システム1の、スケジュールによる配信の場合の、サーバ10のイベント(サーバイベント10)とユーザ端末30側のイベント(ユーザイベント30)とのシーケンスを表すシーケンス図(タイミング・フローチャート)である。
【図5】本発明の一実施形態に係るユーザ端末30側の画面に表示される一例を描いた図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る画面に実際の問題が表示された場合の例を示すものである。
【図7】本発明に係るコンセプトを再確認・説明するためのコンセプト図である。
【図8】本発明の技術的特長を示す図である。
【図9】本発明を適用可能な分野の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 Eラーニング・システム
10 サーバ
11 問題配信エンジン
12 スコア記録エンジン
13 プッシュ・エンジン
20 ネットワーク(インターネット/イントラネット)
30 ユーザ端末30(PCT/PDA/携帯)
50 画面
500 標題表示ウィンドウ
501 出題ウィンドウ
502 イメージ表示ウィンドウ
503 選択肢表示欄
505 回答送信ボタン
507 解説欄ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題を表示するための出題ウィンドウと、選択肢と、送信ボタンと、解説を表示するための解説ウィンドウとを少なくとも備える所定のフレーム画面を表示する表示機能と、
所定の状況に対応して出題に係る出題情報をネットワークを介してプッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバから受信し前記出題ウィンドウに表示する出題機能と、
回答者の選択した選択肢に係る回答情報を前記送信ボタンの押下に対応してプッシュ型配信ミドルウェアを通じて前記サーバに対して前記ネットワークを介して送信する回答機能と、
プッシュ型配信ミドルウェアを通じて前記サーバから前記回答情報に対応して送信される正解・解説に係る解説情報を前記ネットワークを介して受信し前記解説ウィンドウに表示する解説機能と
をクライアント・コンピュータに果たさせることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記出題機能は、前記クライアント・コンピュータのスイッチ・オンもしくは一定時間の経過のいずれかの状況に対応して前記出題情報を前記出題ウィンドウに表示することを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記問題及びこれに対応する正解・解説は個人情報保護法の学習もしくは社内コンプライアンス或いは各種資格取得学習に係るものであることを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラムを記録した記録媒体。
【請求項5】
問題に係るコンテンツの管理を司る問題配信エンジンと、回答者からの回答に係るスコアを個人ごとに記録・管理するスコア記録エンジンとを少なくとも備えるサーバと、
問題若しくは正解・解説をサーバ及びネットワークとの間で配信・受信するためのプッシュ型配信ミドルウェアと、
所定のフレーム画面の出題ウィンドウに問題を表示する問題表示部と、選択肢を入力するための選択肢入力部と、入力された選択肢に係る回答情報を前記ネットワークに対して送信する送信部と、前記フレーム画面の解説ウィンドウに正解・解説を表示する解説表示部とを少なくとも備えるクライアント・コンピュータと
を少なくとも備えるEラーニング・システムであって、
前記サーバは、予め定められたスケジュールにしたがって前記問題配信エンジンが問題を前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じてネットワークを介してクライアント・コンピュータに対して同報し、
前記問題の配信を受けたクライアント・コンピュータの各々は、前記問題表示部が該問題を出題ウィンドウに問題を表示し、前記選択肢入力部で入力された選択肢に係る回答情報を前記送信部が前記ネットワークを介して前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じてサーバに対して送信し、
前記回答情報の送信を受けたサーバは、前記スコア記録エンジンが該回答情報と正解とを対照し正解・解説に係る解説情報を前記プッシュ型配信ミドルウェアを通じ前記ネットワークを介して前記クライアント・コンピュータに対して送信し、
前記解説情報を受けた前記クライアント・コンピュータは、前記解説表示部が解説ウィンドウに正解・解説を表示することを特徴とするEラーニング・システム。
【請求項6】
前記サーバと前記クライアント・コンピュータとの間の通信を自動的に暗号化する暗号化機構をさらに備えることを特徴とする請求項5記載のEラーニング・システム。
【請求項7】
前記プッシュ型配信ミドルウェアは、保証配信機構を有することを特徴とする請求項5記載のEラーニング・システム。
【請求項8】
サーバによる前記問題配信が律せられる予め定められたスケジュールとは、ログインの際の画面自動起動もしくはスケジュールによる画面自動起動のいずれかであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載のEラーニング・システム。
【請求項9】
前記問題及びこれに対応する正解・解説は個人情報保護法の学習もしくは社内コンプライアンス或いは各種資格取得学習に係るものであることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項記載のEラーニング・システム。
【請求項10】
請求項5乃至8のいずれか1項記載のEラーニング・システムをサーバ、プッシュ型配信ミドルウェア、クライアント・コンピュータをして実現させるためのプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−235388(P2006−235388A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51805(P2005−51805)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(505036870)
【Fターム(参考)】