説明

プロコラーゲンまたはコラーゲンおよびヒアルロン酸の合成を刺激する方法

本発明は皮膚の外観、テクスチャおよび/または湿り気を改善するために有用な方法に関する。特には、本発明の方法は、皮膚中のコラーゲン、ヒアルロン酸の合成を刺激し、またはインターロイキン−1bの合成を低減させるために、チアシードオイル、オプンチア属団扇サボテン大型宝剣、または両者を含む組成物を投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明の技術分野は、皮膚の処理のための植物と種子の抽出物の使用に関する。特には本発明は、植物および種子の抽出物の使用を含み、例えば、セル蛋白質および巨大分子の合成を増加させるためのチアシードオイル(Chia Seed oil)およびオプンチア属団扇サボテン大型宝剣(Opuntia Ficus Indica:以下、単に大型宝剣と呼ぶ)の抽出物の使用に関する。
【0002】
コラーゲンは人体で最も豊富な蛋白質で、結合組織の主成分である。コラーゲンは、軟骨、骨、靱帯、腱、歯および皮膚に見つかる。プロコラーゲン(コラーゲンの前駆体:procollagen)は細胞中で組み立てられ、分子内結合によって安定化された三重螺旋を形成する3つのポリペプチド鎖から成る。三重螺旋のプロコラーゲン分子は次いで細胞中で変成され、細胞外マトリックスへ分泌される。そこで成熟したフォーム(トロポコラーゲン:tropocollagen)に処理される。その後、成熟コラーゲン分子(mature collagen molecules)は寄り集まりコラーゲン小繊維(collagen fibril)を形成し、コラーゲン小繊維が寄り集まりコラーゲン繊維(collagen fiber)を形成する。生じるコラーゲン繊維は大きな引張り強度を有している。
【0003】
コラーゲンは皮膚の重大な成分で、その構造の結果、皮膚の強さ、構造および堅さに寄与する。皮膚のコラーゲンの損失、典型的には酵素の分解を介して起こる損失は、皮膚のしわおよび皮膚の老けて見える外観の主な要因である。
【0004】
ヒアルロン酸は、硫酸化されていないグリコサミノグリカンであり、結合組織、上皮組織および神経組織に見出され、皮膚の細胞外マトリックスの主成分である。ヒアルロン酸は不可欠な膜蛋白のクラスによって合成され、細胞外マトリックスへ分泌される。ヒアルロン酸は、D−グルクロン酸およびN−アセチルグルコサミンの二糖類の繰り返し単位を有するポリマーである;この高い炭水化物含有量は「粘質分子」を形成し、また、その結果水を引きつけ、そのため組織の水和、潤滑、圧縮に対する抵抗および細胞機能に寄与する。ヒアルロン酸は長さで、およそ25,000の二糖類繰り返し単位を含むことができる。ヒアルロン酸の水和特性は、皮膚の増加した平滑性、柔軟性、減少した線およびしわに帰着する。ヒアルロン酸の量は、老化および紫外線への暴露により減少する。またヒアルロン酸量の低下は皮膚のしわに帰着する。
【0005】
インターロイキン−1b(interleukin−1b)は、インターロイキン1サイトカイニンファミリーの要素であるシグナル伝達分子(cell signaling molecule)である。それはプロプロテイン(proprotein)として活性化マクロファージによって生産され、蛋白質分解性に開裂され、活性体になる。このサイトカイニンは炎症性反応の重要な介在物質である。皮膚の増加した炎症は赤みと膨潤を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許6,497,889
【特許文献2】米国特許出願2004/0022839
【特許文献3】米国特許6,555,118
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、コラーゲンおよびヒアルロン酸の合成を増加するように作用する皮膚処理は、皮膚の外観、テクスチャおよび湿めり気を改善するのに、および一般的な皮膚の健康を維持するのに役立つ。更に、皮膚のインターロイキン−1b合成の低減は皮膚の外観を良くするために望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概略
多くの要因が皮膚の老化を引き起こす;最も重要なもののうちの1つは、コラーゲンおよびヒアルロン酸のような細胞分子(cellular molecules)の分解である。本発明はチアシードオイル、大型宝剣の抽出物、または両方を含む組成物を投与し、皮膚の湿り気、テクスチャおよび外観を、皮膚蛋白質、たとえばコラーゲンおよび皮膚の細胞外マトリックスに見出される巨大分子、たとえばヒアルロン酸の合成を増大させることにより改善する方法に関する。さらに、本発明は、インターロイキン−1bの合成を減少させるための、チアシードオイルおよび/または大型宝剣の親油性の抽出物の使用に関する。本発明の方法は、局所的な投与または経口投与する工程を含むことができる。
【0009】
1例において、本発明はチアシードオイルを含む配合物である。より好ましくは、本発明は、チアシードオイルおよび下記の1つ以上を含む組成物である:紅花種子(Carthamus tinctorius)油;ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);メドウフォーム(meadowfoam)種子油;ごま種子(seamum indicum)油;ミネラルオイル;スクアラン;シアバター(butyrospermum parkii)油;トコフェリル(tocopheryl)酢酸;芳香剤;ルリヂサ油;または米ぬか油。別の例において、本発明はコラーゲン合成を刺激するため、インターロイキン−1bの合成を減少させるため、またはその両方のためにこの組成物を使用する方法に関する。
【0010】
本発明の別の例は皮膚細胞中のコラーゲン合成を増加させる方法であり、皮膚細胞へチアシードオイルを含む組成物を投与し、チアシードオイルが皮膚細胞中のコラーゲン合成を増加する方法に関する。
【0011】
さらなる例において、本発明は皮膚へチアシードオイルを含む配合物を投与することにより、皮膚の外観、テクスチャまたは湿り気を改善する方法であり、チアシードオイルがコラーゲン合成を増加し、もしくはインターロイキン−1bの合成を減少させ、またはその両方である方法に関する。
【0012】
本発明のさらなる例は、皮膚へチアシードオイルを含む配合物を投与することを含む、皮膚細胞中のインターロイキン−1b合成を減少させる方法であり、チアシードオイルが皮膚細胞中のインターロイキン−1b合成を減少させる方法に関する。
【0013】
本発明の別の例は大型宝剣抽出物を含む配合物である。
本発明のさらなる例は、皮膚へ大型宝剣抽出物を含む組成物を投与することを含む皮膚細胞中のヒアルロン酸の合成を増加させる方法であり、大型宝剣抽出物が皮膚細胞中のヒアルロン酸合成を増加させる方法である。
【0014】
本発明のさらなる例は、皮膚へ大型宝剣抽出物を含む組成物を投与することを含む皮膚細胞中のコラーゲンの合成を増加させる方法であり、大型宝剣抽出物が皮膚細胞中のコラーゲン合成を増加させる方法である。
【0015】
本発明のさらなる例は、皮膚へ大型宝剣親油性抽出物を含む組成物を投与することを含む、皮膚細胞中のインターロイキン−1b合成を減少させる方法であり、大型宝剣抽出物が皮膚細胞中のインターロイキン−1b合成を減少させる方法に関する。
【0016】
本発明のさらなる例は、皮膚へ大型宝剣抽出物を含む配合物を投与することにより、皮膚の外観、テクスチャまたは湿り気を改善する方法であり、大型宝剣抽出物が皮膚中のコラーゲン合成を増加し、もしくは皮膚中のヒアルロン酸の合成を増加し、またはその両方である方法に関する。
【0017】
本発明のさらなる例は、皮膚へ大型宝剣親油性抽出物を含む配合物を投与することにより、皮膚の外観、テクスチャまたは湿り気を改善する方法であり、大型宝剣親油性抽出物が皮膚中のインターロイキン−1b合成を減少させる方法に関する。
【0018】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物を含む配合物である。より好ましくは、本発明は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;水;ポリクアテルニウム−10(polyquaternium−10);メチルパラベン;ポリエチレングリコール(PEG)−8;ラウロアンフォダセテート ジナトリウム(disodium lauroamphodacetate);トリデセス 硫酸ナトリウム;ヘキシレングリコール;ナトリウム メチルココリル タウレート(sodium methyl cocoyl taurate);ティー−ラウリル硫酸塩(tea−lauryl sulfate);ラウリルベタイン;ナトリウム ミリストイル サルコシネート(sodium myristoyl sarcosinate);ポリエチレングリコール(PEG)−150 ジステアレート;無水クエン酸;クエン酸ナトリウム−二水和物;ジアゾリジニル尿素;および芳香剤。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0019】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;水;ジナトリウム EDTA;メチルパラベン;プロピルパラベン;グリセリン;ポリソルベート60;パンテノール;イソプロピルパルミチン酸;オクチルパルミチン酸;C12−15 アルキルベンゾエート;ジプロピレングリコールジベンゾエート;PPG−15 ステアリルエーテルベンゾエート;イソドデカン;イソエイコサン;スクアラン;シアバター(butylspermum parkii)油;ホホバ油;ジメチコーン(dimethicone);ステアリン酸グリセリル;ステアリン酸PEG−100;セチルアルコール;ブチレングリコール;クロロフェネシン(chlorphenesin);芳香剤;ポリアクリルアミド;C13−14 イソパラフィン;およびラレス−7(Laureth−7)。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0020】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;水;グリセリン;アロエベラパウダー;パンテノール;メチルパラベン;プロピルパラベン;ヒドロキシエチルアクリレート;ナトリウム アクリロイルジメチルタウレートコポリマー;ポリソルベート60;スクアラン;ベヘニルアルコール;セチルアルコール;トコフェニル酢酸;イソデシル ネオペンタノエート;グリセリル トリオクタノエート;セテアリールアルコール;セテアリールグルコシド;ジメチコン;ブチレングリコール;クロロフェネシン;カミツレ花(chamomilla recutita flower)抽出物;バイオサッカライドガム−1;ペンタデカラクトン;およびジプロピレングリコール。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0021】
本発明の別の例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;シクロメチコン;ポリエチレングリコール(PEG)/PPG−18/18 ジメチコン;シクロペンタシロキサン;ジステアルジモニウム ヘクトライト(disteardimonium hectorite);SDアルコール40;フェノキシエタノール;メチルパラベン;エチルパラベン;プロピルパラベン;トリメチルシロキシシリケート;酸化亜鉛;トリエトキシカプリリシラン(triethoxycaprylysilane);微粉化二酸化チタン;二酸化チタン;酸化鉄(黄色;赤色;黒;など);カプリリシラン(caprylysilane);浄水;および塩化ナトリウム。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0022】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;ジイソプロピル ダイマー ジリノレート;スクアラン;シクロメチコン;フェノキシエタノール;プロピルパラベン;シクロメチコン;ポリエチレングリコール(PEG)/PPG−18/18 ジメチコン;トリメチルシロキシシリケート;シクロペンタシロキサン;ジステアルジモニウム ヘクトライト;SDアルコール40;二酸化チタン;水酸化アルミニウム;ステアリン酸;カプリリシラン;酸化亜鉛;トリエトキシカプリリシラン;酸化鉄(黄色;赤色;黒;など);ポリエチレンビーズ;浄水;塩化ナトリウム;ブチレングリコール;メチルパラベン;およびグリセリン。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0023】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;浄水;C12−15 アルキルベンゾエート;アクリレート/C10−30アルキルアクリレート;キサンタンガム;メチルパラベン;ブチレングリコール;グリセリン;ソルビタン ラウレート;パンテノール;ベヘニルアルコール;ペトロラタム;スクアラン;イソプロピル イソステアレート;ジメチコン;アルギニン;フェノキシエタノール;プロピルパラベン;エチルパラベン;および芳香剤。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0024】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;浄水;ナトリウムEDTA;グリセリン;メチルパラベン;プロピルパラベン;ペンテノール;ナトリウムアクリレート/アクリロイルジメチル タウレートコポリマー;イソヘキサデカン;ポリソルベート80;ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウム アクリロイルジメチル タウレートコポリマー;スクアラン;ポリソルベート60;C12−15 アルキルベンゾエート;ジプロピレングリコール ジベンゾエート;PPG−15 ステアリルエーテルベンゾエート;オクチノセート(octinoxate)(オクチル メトキシシンニメート(octyl methoxycinnimate));オキシベンゾン;ジカプリリルエーテル;イソデシル ネオペンタノエート;酸化亜鉛;トリエトキシカプリリシラン;トコフェニル酢酸;セチルアルコール;ベヘニルアルコール;ペトロラタム;セテアリールアルコール;セテアリールグルコシド;ブチレングリコール;クロロフェネシン;ベンジルアルコール;および芳香剤。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0025】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;浄水;ジナトリウム EDTA;キサンタンガム;グリセリン;パンテノール;メタクリル酸メチル クロスポリマー(crosspolymer);シリカ;HDI/トリメチロール ヘキシルラクトン クロスポリマー;シリカ;C12−15 アルキルベンゾエート;イソデシル ネオペンタノエート;オクチノセート(オクチル メトキシシンニメート);セテアリールアルコール;ココ−グルコシド;C20−22 アルキルリン酸;C20−22アルコール;オキシベンゾン;酸化亜鉛;トリエトキシカプリリシラン;パルミトイルプロリン;マグネシウムパルミトイルグルタミン酸塩;ナトリウムパルミトイル サルコシネート;シクロペンタシロキサン;C30−45アルキルセテアリールクロスポリマー;ポリアクリレート 13;ポリイソブテン;ポリソルベート20;ジアゾリジニル尿素;ヨードプロピニル ブチルカーバメイト;トコフェニル酢酸;および芳香剤。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0026】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;浄水;グリセリン;ジナトリウム EDTA;パンテノール;クエン酸ナトリウム;クエン酸;ブチレングリコール;クロロフェネシン;メチルパラベン;セテス−20(ceteth−20);および芳香剤。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−1b合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0027】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物および下記の1つ以上を含む組成物である;浄水;ナトリウムマグネシウムシリケート;メチル グルセス−20(gluceth−20);ジメチルイソソルバイド(dimethly isosorbide);パンテノール;シリカ;SDアルコール40−B;サリチル酸;メチルパラベン;クロロフェネシン;セテス−20;芳香剤;アメリカマンサク(witch hazel);およびグリセリン。さらなる例において、本発明は、皮膚中のコラーゲンおよび/またはヒアルロン酸合成を増加させるかまたは皮膚中のIL−Ib合成を減少させるために前記の組成物を投与する方法を含む。
【0028】
本発明の別の例はチアシードオイルと大型宝剣抽出物を含む組成物を皮膚細胞に投与することを含む皮膚細胞のコラーゲン合成を増加させる方法であり、チアシードオイルおよび大型宝剣抽出物が皮膚細胞中のコラーゲン合成を増加させる方法に関する。
【0029】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルと大型宝剣抽出物を含む組成物を皮膚に投与することを含む皮膚の外観、テクスチャまたは湿り気を改善する方法であり、チアシードオイルおよび大型宝剣抽出物がコラーゲン合成もしくは、ヒアルロン酸合成またはその両方を増加させる方法に関する。
【0030】
本発明のさらなる例は、チアシードオイルと大型宝剣親油性抽出物を含む組成物を皮膚に投与することを含む皮膚の外観、テクスチャまたは湿り気を改善する方法であり、チアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物がコラーゲン合成を増大し、またはヒアルロン酸合成を増大し、および/またはインターロイキン−1b合成を減少し、またはそのすべてを達成する方法に関する。
詳細な説明
【0031】
本発明は本明細書に記載された特定の方法論またはプロトコルに制限されない。さらに、もし異なるように定義されなければ、本明細書に使用される技術用語および科学用語はすべて、この発明が属する技術分野における当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有している。さらに、本明細書に使用される用語は、特別の実施態様を記載するためだけにあり、本発明の範囲を制限するようには意図されない。それは特許請求の範囲によってのみ制限される。
【0032】
本発明は、皮膚の湿り気、テクスチャおよび外観の改善に対するユニークな成分の驚くべき影響に基づく。より詳細には、本発明は、例えばチアシードオイルおよび/または大型宝剣抽出物であるユニークな成分を使用する方法であり、たとえばコラーゲンまたはヒアルロン酸のような細胞外巨大分子のような皮膚蛋白質の合成を増加させることにより、皮膚の湿り気、テクスチャおよび外観を改善する方法に関する。
【0033】
チアシードオイルはチア種子(サルビアヒスパニカ(Salvia hispanica))から抽出される。チアは、オメガ3脂肪酸、例えばアルファリノレン酸に非常に富んだ食品である種子のために営利的に栽培される。歴史上、チア種子は、中央メキシコのアステカの集落の主食として役立った。サラダ、サンドイッチおよび他の副菜においてアルファルファスパウトと同様に、チアスパウトは使用される。オメガ3はチア油に見られる必須脂肪酸(EFA)である。EFAは健康な皮膚の調整にとって不可欠である。人体はEFAを生産できず、食事によって、または直接の投与によって供給されなければならない。化粧品では、アルファリノレン酸は、抗炎症性、抗アレルギー特性のような利点を示す。
【0034】
チアシードオイルの化粧品およびスキンクリームにおける使用、および創傷治癒における使用は知られている(例えば米国特許6,497,889および米国特許出願2004/0022839)が、本発明は、チアシードオイルがコラーゲン合成を増加させ、インターロイキン−1b合成を減少させることができるという驚くべき発見に基づく。
【0035】
大型宝剣からのパルプはグルコースおよびフルクトースのような炭水化物を含むことが知られている。グルコースとフルクトースは皮膚中の湿り気を保持するのを支援する湿潤剤系成分である。オプンティア(Opuntia)の葉からのパルプは軟膏として歴史上使用され、若葉様の茎も粉砕され熱と炎症を弱めるために湿布として適用された。大型宝剣の果実および若い茎も食料源として使用される。
【0036】
化粧品および皮膚科の用途のための大型宝剣抽出物の使用は知られている(例えば米国特許6,555,118)が、本発明は大型宝剣抽出物がヒアルロン酸合成を増加させることができ、大型宝剣の親油性抽出物がインターロイキン−1b合成を減少させることができるという驚くべき発見に基づく。
【0037】
本発明で使用される抽出物の各々は商業的に利用可能であるが、本発明で使用される抽出物を生産するために使用できる多数の抽出方法が存在する。本発明で使用される抽出物を生産するために使用できる抽出方法のいくつかの例は、以下に記載される。他の例も公知であり、様々な出版物および特許に記載されている。より詳細に以下に記載された抽出方法は例示であり、当該技術分野における当業者は、本発明において有用な抽出物を得るために、他の抽出技術および方法が使用されてもよいことを認識するであろう。植物的化合物は特に多数の抽出方法により得ることができ、たとえば浸軟/溶剤、消化、パーコレーション、およびエクスプレッション/圧縮/圧搾により得ることができる。抽出のための溶剤は極性(親水性)または無極性(親油性)のものとして広く分類できる。また溶剤の例としてはエチルアルコール、エーテルおよびアセトンがあげられる。水も抽出物溶剤として使用されてもよい。
【0038】
1例において、本発明のユニークな組成物において有用な抽出物は水性溶剤による抽出テクニックを使用して得られることができる。より詳細には、大型宝剣抽出物のような本発明に有用な抽出物は、水性の溶剤(例えば水)による大型宝剣パッドの抽出により生産できる。大型宝剣植物の他の部品としては茎、葉、根、果物、皮なども抽出され、本発明の組成物および方法において有用な大型宝剣抽出物を生産することができる。
【0039】
ハイドロ−エタノール性(hydro−ethanolic)抽出技術も、本発明のユニークな組成物に役立つ抽出物を得るために使用されることができる。一般に、これは一括抽出(lump−sum extraction)と呼ばれる。このプロセスで生成された抽出物は、油溶解性物質および水溶解性物質を始めとする抽出物中の種々様々なフィトケミカルを含む。抽出物溶液の収集に続いて、溶剤は蒸発され、抽出物が得られる。1例において、大型宝剣抽出物はこの技術を使用して抽出されることができる。
【0040】
エタノール抽出の合計も本発明の中で使用されることができる。この技術は溶剤として、ハイドロ−エタノールではなく、エタノールを使用する。この抽出技術は、水可溶性化合物に加えて油溶性および/または親油性の化合物を含む。大型宝剣の抽出物はこの技術を使用して得られることができる。この抽出方法を使用して得られた大型宝剣抽出物は、インターロイキン−1b合成を減少させるために、本発明の組成物および方法において使用されることができる。
【0041】
本発明に有用な抽出物を得るために使用されることができる抽出技術の別の例は、超臨界流体二酸化炭素抽出(SFE)である。この抽出手順では、抽出される物質はどんな有機溶媒にも暴露されない。正しくは、抽出溶剤は、超臨界条件(>31.3℃および>73.8バー)の、改質剤を含むか、または改質剤を含まない二酸化炭素である。当該技術分野における当業者は、抽出物の最良の収率を得るために温度と圧力の条件を変えることができることを認識するであろう。この技術は、上記のヘキサンおよび酢酸エチル抽出技術の合計と同様に、油溶性および/または親油性の化合物の抽出物を生成する。この抽出方法を使用して得られた大型宝剣抽出物は、インターロイキン−1b合成を減少させるために、本発明の組成物および方法において使用されることができる。
【0042】
別の例において、大型宝剣抽出物の抽出およびチアシードオイルは、エタノール抽出物を含まない。例えば、大型宝剣抽出物は室温で水を使用することにより得られることができる。本発明に有用なチアシードオイルはチア種子の常温圧縮によって得られることができる。チア種子は、抽出に先立ち他の植物材料から分離されることができる。
【0043】
さらに、多くの植物の化合物が商業的に利用可能である。チアシードオイルはグリーン グローン プロダクツ社(Green Grown Products,Inc)(http://www.greengrownproducts.com/Chia−Seed−meal−oil.htm#Chiaoil)のようなサプライヤから商業的に得ることができる。大型宝剣抽出物も、ハンズー ニュー アジア インターナショナル社(Hangzhou New Asia International Co.Ltd.)(http://www.tradekey.com/selloffer view/id/406281.htm)のようなサプライヤから商業的に得ることができる。
【0044】
当該技術分野における当業者は、本発明を実施するために使用される抽出物を得るために使用できる、様々な特許および出版物に記述された公知の他の多くの抽出過程が存在することを理解するであろう。
【0045】
本発明の配合物
【0046】
本発明の配合物は、植物または種子の抽出物に加えて、成分の組み合せを提示するように設計されている。特に、本発明の配合物は、皮膚の健康に関連し、改善された皮膚の健康を促進するために皮膚細胞の活性を調整する多くの鍵となる分子をターゲットとする成分のユニークな組み合せを含む。特には、本発明の配合物を構成する成分は、コラーゲンおよび/またはヒアルロン酸の合成を刺激する。例えば、チアシードオイルと大型宝剣抽出物は、単独又は組み合わせでコラーゲン合成を誘発するインデューサーである。また大型宝剣はヒアルロン酸合成を誘発するインデューサーである。その一方でチアシードオイルおよび大型宝剣の親油性抽出物は、インターロイキン−1bの合成を阻害するのに有効である。
【0047】
本明細書に使用される「コラーゲン合成の刺激」はその最も広い意味で使用され、コラーゲンの生産、コラーゲンを含んでいる組織内への取り込み(たとえば合成、処理、架橋、分泌およびコラーゲン小繊維のアセンブリ)、および健康なコラーゲンを含んでいる組織の存在をいう。コラーゲン合成を「刺激する」または「誘発する」とは、本明細書に記載された配合物の、コラーゲンの生産を促進する影響を与える能力をいう。コラーゲン合成の刺激は、本明細書に記載された配合物の、たとえば生化学的工程のような工程を促進し、コラーゲン小繊維の形成に導く能力によって引き起こされることがある。
【0048】
本明細書では「ヒアルロン酸合成の刺激」は、その最も広い意味で使用され、ヒアルロン酸の生産、ヒアルロン酸を含んでいる組織内への取り込み(たとえば合成、分泌、処理およびヒアルロン酸分子のアセンブリ)、および健康なコラーゲンを含んでいる組織の存在をいう。ヒアルロン酸合成を「刺激する」または「誘発する」とは、本明細書に記載された配合物の、ヒアルロン酸の生産を促進する影響を与える能力をいう。ヒアルロン酸合成の刺激は、本明細書に記載された配合物の、たとえば生化学的工程のような工程を促進し、ヒアルロン酸の形成に導く能力によって引き起こされることがある。
【0049】
本明細書では「インターロイキン−1b合成の減少」は、その最も広い意味で使用され、皮膚中でのインターロイキン−1bの生産に関する。インターロイキン−1bの「減少」または「低減」は、したがって、皮膚中のインターロイキン−1bの生産を禁止する、本明細書に記載された配合物の能力をいう。インターロイキン−1b合成を減少させることは、本明細書に記載された配合物の、たとえば生化学的工程のような工程を促進し、皮膚中のインターロイキン−1bの合成を低減または禁止する能力によって引き起こされることがある。
【0050】
本発明の1つの例では、配合物はおよそ0.001−30%のチアシードオイルおよびおよそ0.01−15%の大型宝剣抽出物を含む。
【0051】
本発明の別の例では、配合物はおよそ0.001−30%のチアシードオイルを含む。より好ましくは、チアシードオイルの範囲はおよそ1−5%である。
【0052】
本発明のさらなる例では、配合物はおよそ0.01−15%の大型宝剣抽出物を含む。より好ましくは、大型宝剣抽出物の範囲はおよそ0.5〜3.0%である。
投与方法
【0053】
改善された皮膚外観、テクスチャおよび湿り気は、本発明の配合物を外部的に、内部的に、あるいはそれらの組み合せで投与することにより達成できる。好ましくは、本発明の配合物は受理可能なキャリアとともに投与される。例えば、本発明の配合物は、ゲル、ローション、クリーム、トニック、エマルションなどの形で受理可能なキャリアとともに外部的に投与することができる。さらなる例として、本発明の配合物は、錠剤、タブレット、粉末、棒、飲料などの形で受理可能なキャリアとともに内部的に投与することができる。したがって、本明細書に記載された配合物は種々様々の最終製品において有用であり、たとえば医薬品、食品および飲料組成物として有用である。好ましくは、生成物は、哺乳類の皮膚に改善されたテクスチャ、外観、湿り気を提供するのに有用である。
【0054】
本発明の配合物が液体として経口的に投与される場合には、液体は水ベース、ミルクベース、ティーベース、フルーツジュースベース、またはそれらの組み合せであることができる。本発明の内服用の固体および液体の配合物は、さらに増粘剤を含むことができる。この増粘剤としては、キサントンガム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドルキシプロピルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、デキストリン、発酵したホエー、豆腐、マルトデキストリン、糖アルコール(例えばソルビトールおよびマンニトール)を包含するポリオール、例えばラクトースを包含する炭水化物、プロピレングリコールアルギネート、ゲランガム、グアー、ペクチン、トラガカントゴム、アカシアガム、イナゴマメゴム、アラビアゴム、ゼラチン、およびこれらの増粘剤の混合物があげられる。これらの増粘剤は、具体的に使用される増粘剤および所望の粘度結果に応じて、本発明の配合物中に典型的には約0.1%以下で含まれる。
【0055】
本発明の固体および液体配合物(食品および飲料)は、有効な量の1以上の、炭水化物甘味料および天然および/または人工のゼロ/低カロリー甘味料を始めとする甘味料を含むことができ、典型的には甘味料を含む。本発明の配合物中で使用される甘味料の量は変化する。しかし典型的には甘味料のタイプおよび所望の甘味の強さに応じて変化する。
【0056】
別の例において、本発明の配合物は以下の形態で局所投与される:溶液、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、オイル‐イン‐ウォーターエマルション、ウォーター‐イン‐オイルエマルション、粘着液、スプレー、ペースト、ムース、トニック、ファンデーションまたは他の化粧または局所薬として好適な形態。
【0057】
好ましくは、局所的な投与にふさわしい本発明の配合物は受理可能なキャリアと混合される。受理可能なキャリアは、組成物の成分の溶剤、希釈剤または分散剤として種々の役割をすることができ、適切な稀釈で皮膚の表面への構成物質の均一な投与が許容される。受理可能なキャリアは、さらに皮膚への組成物の浸透を促進することができる。
【0058】
局所投与のための配合物の1つの例では、受理可能なキャリアは、組成物全体の約70重量%から約99.99重量%までを構成する。他の例において、受理可能なキャリアは、組成物全体の約85重量%から約99.99重量%までを構成する。受理可能なキャリアは、組成物全体の約90重量%から約99.99重量%までを構成することもできる。あるいは組成物全体の約99.95重量%から約99.999重量%までを構成することもできる。受理可能なキャリアは、他の化粧用の付属物または添加剤がない状態で、組成物の残部を形成できる。
【0059】
本発明を実施するために使用される様々な成分は、受理可能なキャリアに可溶または不溶であることができる。配合物の成分がすべて受理可能なキャリアに可溶の場合、ビヒクルは溶剤の役割をする。しかしながら、配合物のすべての成分またはいくつかの成分が受理可能なキャリアに不溶な場合、それらの成分は、例えばサスペンション、エマルション、ゲル、クリームまたはペーストなどの手段によってビヒクル中に分散される。
【0060】
したがって、可能な受理可能なキャリアの範囲が非常に広いことは当業者には明白である。例えば、受理可能なキャリアはエマルション、ローション、クリームまたはトニックであることができる。受理可能なキャリアは、皮膚への浸透を助ける水、エタノール、ブチレングリコールまたは他の様々な溶剤を含むことができる。好適なビヒクルのいくつかの例は、米国特許6,184,247および米国特許6,579,516に記載される。それらの全ての内容は本明細書に組込まれ参照される。
【0061】
好ましくは、本発明を実施するために使用される受理可能なキャリアは水とエタノールを含む。任意に、受理可能なキャリアはさらにブチレングリコールを含む。例えば、受理可能なキャリアは組成物の重量の2−5%のブチレングリコールを含むことができる。本発明を実施する際に、好ましくは、この受理可能なキャリアは、組成物全体の2重量%を構成する本発明の配合物と混合される。他の例において、受理可能なキャリアは、組成物全体の0.001重量%から30重量%;組成物全体の1重量%から5重量%;組成物全体の0.01重量%から15重量%;組成物全体の0.5重量%から1.0重量%;を構成する本発明の配合物と混合される。
【0062】
しかしながら、一般に、本発明の受理可能なキャリアは、制限されるものではないが、以下の例示の任意のものを含む:水;ヒマシ油;エチレングリコールモノブチルエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル;トウモロコシ油;ジメチルスルホキシド;エチレングリコール;イソプロピルアルコール;大豆油;グリセリン;可溶性コラーゲン;サフラワー種子油;メドーフォーム種子油;ミネラルオイル;スクアレン;シアバター;ルリヂサ油;米ぬか油;ポリクワテルニウム−10;メチルパラベン;PEG−8;ジナトリウム ラウロアンフォデセテート;ナトリウム トリデセス 硫酸塩;ヘキシレングリコール;ナトリウムメチル ココイル タウレート;ティー−ラウリル硫酸塩;ラウリルベタイン;ナトリウム ミリストイル サルコシネート;PEG−150 ジステアレート;無水クエン酸;クエン酸ナトリウム−二水和物;ジアゾリシニル尿素;ジナトリウム EDTA;プロピルパラベン;ポリソルベート60;イソプロピルパルミチン酸塩;オクチルパルミチン酸塩;C12−15アルキルベンゾエート;ジプロピレングリコールジベゾエート;PPG−15 ステアリルエーテルベンゾエート;イソドデカン;イソエイコサン;スクアラン;ホホバ油;ジメチコン;グリセリルステアレート;PEG−100ステアレート;セチルアルコール;ブチレングリコール;クロルフェネジン;芳香剤;ポリアクリルアミド;C13−14 イソパラフィン;ラウレス−7;アロエベラパウダー;アロエベラゲル、ヒドロキシエチルアクリレート;ナトリウム アクリロイル ジメチル タウレート コポリマー;ベヘニルアルコール;トコフェリル酢酸;イソデシル ネオペンタノエート;グリセリル トリオクタノエート;セテアリールアルコール;セテアリールグルコシド;カミツレ花抽出物;バイオ蔗糖エステルガム−1;ペンタデカラクトン;ジプロピレングリコール;シクロメチコン;PEG/PPG−18/18 ジメチコン;シクロペンタシロキサン;ジステアルジモニウムヘクトライト;SDアルコール40;フェノキシエタノール;エチルパラベン;トリメチルシロキシシリケート;トリエトキシカプリリルシラン;微粉化二酸化チタン;二酸化チタン;酸化亜鉛;酸化鉄(黄色;赤色;黒;など);カプリリルシラン;塩化ナトリウム;ジイソプロピルダイマージリノレエート;水酸化アルミニウム;ステアリン酸;ポリエチレンビーズ;C12−15 アルキルベンゾエート;アクリレート/C10−30アルキルアクリレート;キサントンガム;ソルビタンラウレート;ペンテノール;ペトロラタム;イソプロピルイソステアレート;ジメチコン;アルギニン;フェノキシエタノール;アクリロイルジメチル タウレートコポリマー;イソヘキサデカン;ポリソルベート80;ヒドロキシエチルアクリレート;ナトリウム アクリロイル ジメチル タウレートコポリマー;オクチノキサート(オクチル メトキシシンニメート);オキシベンゾン;ジカプリリルエーテル;イソデシル ネオペンタノエート;セテアリールアルコール;セテアリールグルコシド;ベンジルアルコール;HDI/トリメチロール ヘキシルラクトン クロスポリマー;シリカ;イソデシル ネオペンタノエート;ココヤシ−グルコシド;C20−22アルキルリン酸塩;C20−22アルコール;パルミトイルプロリン;マグネシウムパルミトイルグルタミン酸塩;ナトリウムパルミトイル サルコシネート;C30−45アルキル セテアリール クロスポリマー;ポリアクリレート 13;ポリイソブテン;ポリソルベート20;ヨードプロピニル ブチルカルバメート;ナトリウムマグネシウムシリケート;メチルグルセス−20;ジメチル イソソルバイド;シリカ;SDアルコール40−B;サリチル酸;セテス−20;芳香剤;またはアメリカマンサク。
【0063】
さらに、本発明の中で使用される受理可能なキャリアは、任意に、これらに限定されるものではないが、以下の1つ以上の湿潤剤を含むことができる:フタル酸ジブチル;可溶性コラーゲン;ソルビトール;またはナトリウム2−ピロリドン−5−カルボン酸塩。本発明を実施するのに使用されることができる湿潤剤の他の例はCFTAの化粧用成分ハンドブックに見出すことができる。それらの関連する部分は、本明細書に組込まれ参照される。
【0064】
さらに、本発明中の受理可能なキャリアは、任意に、これらに限定されるものではないが、以下の1つ以上の皮膚軟化剤を含むことができる:ブタン−1,3ジオール;セチルパルミチン酸塩;ジメチルポリシロキサン;グリセリルモノリシノール酸エステル;グリセリルモノステアリン酸塩;イソブチルパルミチン酸塩;イソセチルステアリン酸塩;イソプロピルパルミチン酸塩;イソプロピルステアリン酸塩;ブチルステアリン酸塩;イソプロピルラウレート;ヘキシルラウレート;デシルオレイン酸塩;イソプロピルミリステート;ラウリル乳酸塩;オクタデカン−2−オール;カプリリックトリグリセリド;カプリックトリグリセリド;ポリエチレングリコール;プロパン−1,2−ジオール;トリエチレングリコール;ごま油;やし油;サフラワー油;イソアミル ラウレート;ノノキシノール−9;パンテノール;水素化植物油;トコフェニル酢酸塩;トコフェニルリノール酸塩;アラントイン;プロピレングリコール;落花生油;ヒマシ油;イソステアリル酸;パルミチン酸;イソプロピルリノール酸塩;ラウリル乳酸塩;ミリスチル乳酸塩;デシルオレイン酸;またはミリスチルミリステート。本発明を実施するのに使用されることができる皮膚軟化剤の他の例はCFTAの化粧用成分ハンドブックに見出すことができる。それらの関連する部分は、本明細書に組込まれ参照される。
【0065】
さらに、本発明中の受理可能なキャリアは、任意に、これらに限定されるものではないが、以下の1つ以上の浸透促進剤を含むことができる:ピロリドン類、たとえば2−ピロリドン;エタノールのようなアルコール;デカノールのようなアルカノール類;グリコール類、たとえばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール;界面活性剤;またはテルペン類。
【0066】
本発明を実施するのに使用されることができる他の受理可能なキャリアは当業者には明白であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0067】
例えば、受理可能なキャリアは局所的に塗られるローションであることができる。ローションはカボマー(cabomer)981、水、グリセリン、イソプロピルミリステート、ミネラルオイル、シアバター、ステアリン酸、グリコールステアリン酸塩、セチルアルコール、ジメチコン、防腐剤、茶、および本発明の配合物の様々な成分を含むことができる。
【0068】
それらが配合物によって提供される所望の皮膚改善および湿潤効果に有害に影響を与えない限り、本発明の配合物はさらに様々な既知の従来より使用されている化粧用の添加剤を含むことができる。例えば、本発明の配合物はさらに1つ以上の添加剤または当業者に公知の他の任意の成分を含むことができる。限定するものではないが、それらには以下のものが含まれる;フィラー(例えば固体、半固体、液体など);キャリア;希釈剤;増粘剤;ゲル化剤;ビタミン、レチノイド類およびレチノール類(例えばビタミンB、ビタミンAなど);ピグメント;芳香剤;日焼け防止剤および日焼け止め剤;酸化防止剤およびラジカルスカベンジャー;有機ヒドロキシ酸;エクスフォリエント(exfoliants);スキンコンディショナー;モイスチャライザー;セラミド、偽セラミド、リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロール、グルコサミン、薬学的に受理可能な浸透剤(例えばn−デシルメチルスルホキシド、レシチンオルガノゲル類、チロシン、リシンなど);防腐剤;抗菌剤;アミノ酸、たとえばプロリン、ピロリドンカルボン酸、その誘導体および塩類、蔗糖エステル異性体、パンテノール、およびトリエタノールアミンまたは水酸化ナトリウムのような塩基と共に使用される緩衝剤;みつろう、オゾケライトワックス、パラフィンワックスのようなワックス;アロエベラ、ヤグルマソウ、アメリカマンサク、ニワトコの花またはキュウリの抽出物およびそれらの組み合わせ。他の好適な添加剤および/または付属物は米国特許6,184,247に記載される。それらの全ての記載は本明細書に組込まれ、参照される。
【0069】
配合物は、限定するものではないが、界面活性剤、共溶剤および付形剤を始めとする追加の不活性の添加物を含むことができる。親水性および疎水性の界面活性剤のような界面活性剤を配合物に含むことができる。配合物の全体的な組成および配合物の意図した用途に応じて特定の界面活性剤が使用できる。有用な界面活性剤としては、ポリエトキシル(PEG)化脂肪酸、PEG脂肪酸ジエステル、PEG脂肪酸モノエステルおよびジ−エステル混合物、ポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、アルコール−油エステル交換反応生成物、ポリグリセライズド脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル−グリセロールエステルの混合物、モノ−およびジグリセリド、ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、多糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、イオン性界面活性剤およびそれらの混合物。
【0070】
配合物は共溶剤、たとえばアルコールとおよび多価アルコール、ポリエチレングリコールエーテル、アミド、エステル、他の好適な共溶剤およびそれらの混合物を含むことができる。配合物はさらに付形剤または添加剤、たとえば甘味料、香味剤(flavorants)、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、粘度調整剤、等張剤(tonicifier)、香料、乳白剤、沈殿防止剤、バインダーおよびそれらの混合物を含むことができる。
【0071】
一般に、本発明の配合物は、皮膚の外観、テクスチャおよび湿り気における改善が所望のレベルに至るのに十分な期間、少なくとも一日単位で局所的にまたは経口的に投与でされる。本発明の配合物の局所投与または経口投与は、任意の好適な期間継続することができる。より具体的には、最初の投与または摂取の数時間から数日以内に、ユーザーは、皮膚の外観、テクスチャおよび湿り気が改善されたことに気づくことができる。本発明の配合物が投与または摂取される頻度は、改善された外観、テクスチャおよび湿り気の所望のレベルに依存して変わることが認識されるべきである。特に、化粧的な向上の程度は、使用される組成物の合計量に直接的に正比例する。
【0072】
有用な投与形態は当業者によってよく理解される方法および技術によって調製でき、タブレット、カプセルまたは液体の投薬形態を生産するために追加の成分の使用ができる。
【0073】
本明細書の記載は制限ではなく例示であることが意図される。本発明は、以下の実施例および例によりさらに例証される。それは制限として解釈されるべきではない。本出願の全体にわたって引用されたすべての参考文献、特許および公開された出願の内容は、本明細書に組込まれ、参照される。
実施例
【0074】
実施例1:
本発明の成分を使用するプロコラーゲン合成の刺激
【0075】
人間の線維芽細胞株であるHs27、および人間のケラチン細胞株であるHEKが、96ウエルプレート中に置かれた。細胞は、1μg/ml−10μg/mlの濃度で、本発明の配合物の様々な成分に暴露された。その後、共同株は一晩インキュベートされた。翌日、上澄みが集められた。上澄みはコラーゲン合成のプロセスにおいて線維芽細胞によって形成されたコラーゲンの可溶性前駆体であるプロコラーゲンの存在について分析された。プロコラーゲン合成は商業的に利用可能なELISAキットを使用して分析された。例えばHasan A、Murata H、Falabella A、 Ochoa S、Zhou L、Badiavas E、Falanga V、「静脈の潰瘍からの皮膚の線維芽は、トランスフォーミング成長因子ベータ1の作用に応答性がない(Dermal fibroblasts from venous ulcers are unresponsive to the action of transforming growth factor−beta 1)」J Dermatol Sci.1997.16(1):59−66を参照。これらの全ての内容は、本明細書に組込まれ、参照される。Takara EIAキット(http://catalog.takara−bio.co.jp/en/product/manual_info.asp? unitid=U100005420)。
【0076】
下記の表1は、コラーゲン合成に対するチアシードオイルおよび大型宝剣抽出物の影響を示す。データは処理されていない対照細胞からの対照コラーゲンに対する%として記載される。表1は、単独で使用された時、チアシードオイルおよび大型宝剣抽出物はコラーゲン合成を誘発することを示す。
【表1】

【0077】
表1中に示されるように、チアシードオイルおよび大型宝剣抽出物は、線維芽細胞/ケラチン細胞株共同株中のプロコラーゲン合成の強力な刺激者だった。
【0078】
実施例2:
本発明の成分を使用するヒアルロン酸合成の刺激
【0079】
人間の線維芽細胞株であるHs27、および人間のケラチン細胞株であるHEK1が、96ウエルプレート中に置かれた。細胞は、1μg/mlの濃度で、大型宝剣抽出物に暴露された。その後、共同株は一晩インキュベートされた。翌日、上澄みが集められた。 上澄みはヒアルロン酸の存在について分析された。ヒアルロン酸合成は商業的に利用可能なELISAキットを使用して分析された。この手続きのためのプロトコルは、Lindqvist U.,Chichibu K.,Delpech B.,Goldberg RL, Knudson W.,Poole AR,Laurent TC.1992、「臨床のユーティリティ用に比較されたヒアルロン酸の異なる7つのアッセイ(Seven different assays of hyaluronan compared for clinical utility)」Clin.Chem.38(1):127−32,によってより詳細に説明される。これらの全ての内容は、本明細書に組込まれ、参照される。
【0080】
下記の表2は、ヒアルロン酸合成に対する大型宝剣抽出物の影響を示す。データは処理されていない対照細胞からの対照ヒアルロン酸に対する%として記載される。表2は、大型宝剣抽出物がヒアルロン酸合成の強力な誘発物質であることを示す。
【表2】

【0081】
表2中で示されるように、大型宝剣抽出物は処理していない対照細胞より多量のヒアルロン酸合成を引き起こした。
【0082】
実施例3:
本発明の成分を使用するインターロイキン−1b合成の阻害
【0083】
人間の線維芽細胞株であるHs27、および人間のケラチン細胞株であるHEKが、96ウエルプレート中に置かれた。細胞は、100μg/mlの濃度で、チアシードオイルに暴露された。その後、共同株は一晩インキュベートされた。翌日、上澄みが集められた。上澄みはインターロイキン−1bの存在について分析された。インターロイキン−1b合成は商業的に利用可能なELISAキットを使用して分析された。この手続きのためのプロトコルは、Allen−Hall L、Cano P、Arnason JT、Rojas R、Lock O、Lafrenie RMによってより詳細に説明される。ウンカリア トメントサ(Uncaria tomentosa)抽出物によるTHP−1細胞の処理は、IL−1betaおよびTNFアルファを異なるように規制する。J Ethnopharmacol.2007 Jan 19;109(2):312−7,を参照。これらの全ての内容は、本明細書に組込まれ、参照される。
【0084】
表3は、インターロイキン−1b合成への、チアシードオイルおよび大型宝剣の親油性の抽出物の影響を示す。データは処理していない対照細胞からの対照インターロイキン−1bに対する%として示される。表3は、チアシードオイルおよび大型宝剣の親油性の抽出物がインターロイキン−1b合成を低減させたことを示す。
【表3】

【0085】
表3に示されるように、単独で使用された時、チアシードオイルおよび親油性の大型宝剣抽出物は、未処理の対照の細胞と比較して、インターロイキン−1b合成のレベルを低減させた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
チアシードオイルを含む組成物を皮膚細胞に投与することを含む皮膚細胞中のコラーゲン合成を増加させる方法であって、該チアシードオイルがコラーゲン合成を誘発する方法。
【請求項2】
チアシードオイルが局所的に、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、エマルション、ペーストまたはムースの形で投与される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
チアシードオイルの濃度は組成物のほぼ0.001重量%から30重量%である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
チアシードオイルの濃度は組成物のほぼ1重量%から5重量%である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
該組成物はさらに大型宝剣抽出物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
大型宝剣抽出物の濃度は組成物のほぼ0.01重量%から15重量%である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
大型宝剣抽出物の濃度は組成物のほぼ0.05重量%から3重量%である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
大型宝剣抽出物を含む組成物を皮膚細胞へ投与することを含む皮膚細胞中のヒアルロン酸合成を増加させる方法であって、該大型宝剣抽出物がヒアルロン酸合成を誘発する方法。
【請求項9】
大型宝剣抽出物が局所的に、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、エマルション、ペーストまたはムースの形で投与される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
大型宝剣抽出物の濃度はほぼ0.01重量%から15重量%である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
大型宝剣抽出物の濃度はほぼ0.5重量%から3.0重量%である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
組成物はさらにチアシードオイルを含む、請求項8記載の方法。
【請求項13】
チアシードオイルの濃度は組成物のほぼ0.001重量%から30重量%である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
チアシードオイルの濃度は組成物のほぼ1重量%から5重量%である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
チアシードオイル、大型宝剣抽出物またはその両方を含む組成物を投与することを含む皮膚の外観を改善する方法であって、該組成物がコラーゲン合成を増加するか、ヒアルロン酸合成を増加するか、または両方を増加させる方法。
【請求項16】
存在する場合にはチアシードオイルは、組成物のおよそ0.001重量%から30重量%を構成し、存在する場合には大型宝剣抽出物は、組成物のおよそ0.01重量%から15重量%を構成する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
チアシードオイルは組成物のほぼ1から5重量%を構成する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
大型宝剣抽出物は組成物のほぼ0.05重量%から3重量%を構成する、請求項16記載の方法。


【公表番号】特表2011−503078(P2011−503078A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533145(P2010−533145)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/080596
【国際公開番号】WO2009/058613
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(505416588)アクセス ビジネス グループ インターナショナル エルエルシー (14)
【氏名又は名称原語表記】ACCESS BUSINESS GROUP INTERNATIONAL LLC
【Fターム(参考)】