説明

プロジェクタ型ヘッドランプ

【課題】対向車線での眩惑を防止しつつ主配光パターンに対する適切な高さ位置に補助配光パターンを形成することができるプロジェクタ型ヘッドランプを提供する。
【解決手段】メイン反射面11aと光源13と投影レンズ14とシェード15とを備え、主配光パターンIを形成するプロジェクタ型ヘッドランプ10である。メイン反射面11aは、光源13の下方に位置する箇所の少なくとも一部がバルブ13から出射された光束をシェード15の下端部側へ向けて反射する補助反射面16とされ、シェード15の下端部側には、補助反射面16により反射された光束をシェード15の上端部15cへ向けて反射する下側反射面17が設けられ、シェード15の上端部15cは、上端縁15aを形成する板状を呈し、投影レンズ14側に位置する面に、下側反射面17により反射された光束を投影レンズ14へ向けて反射する上側反射面18が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配光上不要となる光束をシェードにより遮蔽する自動車用のプロジェクタ型ヘッドランプの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車用の照明灯具として、回転楕円面を基本とする自由曲面とされた反射面を有するリフレクタの第1焦点に光源が配置され、当該リフレクタの第2焦点に後側焦点が位置するように投影レンズ(凸レンズ)が配置され、光源から出射された光束を、投影レンズから出射するプロジェクタ型ヘッドランプが知られている。このプロジェクタ型ヘッドランプでは、リフレクタの第2焦点の近傍にシェード(遮光板)が設けられ、該シェードにより投影レンズから配光上不要な部分に光束が出射されることが防止されて、対向車線での眩惑を防止する構成とされているものがある。
【0003】
このプロジェクタ型ヘッドランプでは、配光上不要な部分が、投影レンズから出射される光束の断面で見た略上半部であることから、当該ランプの高さ位置よりも高い位置に存在する道路標識等を照射することができず、道路標識等の視認が困難となってしまう。
【0004】
このため、対向車線での眩惑を防止しつつ道路標識等の照射することができるプロジェクタ型ヘッドランプが考えられている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
ここで、図8は、特許文献1のプロジェクタ型ヘッドランプ1を説明するための説明図であり、図9は、特許文献2のプロジェクタ型ヘッドランプ1´を説明するための説明図である。プロジェクタ型ヘッドランプ1とプロジェクタ型ヘッドランプ1´とは、シェードを除くと基本的に同じ構成であることから、同一機能部分には同一の符号を付す。
【0006】
プロジェクタ型ヘッドランプ1およびプロジェクタ型ヘッドランプ1´は、リフレクタ2と光源3と投影レンズ4とを有する。リフレクタ2は、全体に回転楕円面とされた楕円反射面2aを有する。光源3は、リフレクタ2の第1焦点光源3に配置されている。投影レンズ4は、平凸レンズで構成されており、後側焦点fがリフレクタ2の第2焦点の近傍に位置するように配置されている。このため、光源3から出射されてリフレクタ2の楕円反射面2aにより反射された光束は、縦断面で見ると、投影レンズ4からその光軸Lに沿う光束として出射される。
【0007】
このプロジェクタ型ヘッドランプ1およびプロジェクタ型ヘッドランプ1´では、第2焦点の近傍に上端縁5a(5a´)が位置するように、シェード5(5´)が設けられている。このシェード5(5´)は、図示は略すが、図8および図9に直交する方向に所定の幅を有しており、投影レンズ4から出射される光束の断面で見た略上半部を遮蔽する。このため、投影レンズ4からは、対向車線での眩惑を防止しつつ前方を照射する主配光パターンIを形成する光束が出射される。また、シェード5(5´)は、図示は略すが、上端縁5aで主配光パターンI(図10参照)の上端となる明暗の境界線(以下、カットオフラインという)を形成する。このカットオフラインは、上端縁5aの形状が明確に反映されたものとなる。
【0008】
プロジェクタ型ヘッドランプ1のシェード5には、その中間部に窓部6が設けられている。このため、プロジェクタ型ヘッドランプ1では、光源3から出射され楕円反射面2aにより反射された光束のうち、シェード5により遮蔽される箇所の一部の光束が窓部6を通って投影レンズ4に到達し、この窓部6を通った光束で主配光パターンI(図10参照)の上方に補助配光パターンを形成する。
【0009】
また、プロジェクタ型ヘッドランプ1´のシェード5´には、その中間部に対を為す棚状の上側反射面7と下側反射面8とが設けられている。このため、プロジェクタ型ヘッドランプ1´では、光源3から出射され楕円反射面2aにより反射された光束のうち、シェード5´により遮蔽される箇所の一部の光束が、上側反射面7で反射したのちに下側反射面8で反射され、光軸Lに沿う平行光束として投影レンズ4に到達し、この平行光束で主配光パターンIの上方に補助配光パターンIa(図10参照)を形成する。
【0010】
このため、プロジェクタ型ヘッドランプ1およびプロジェクタ型ヘッドランプ1´では、当該ランプの高さ位置よりも高い位置に存在する道路標識等に対する視認性を向上させることができる。
【特許文献1】特開平5−66807号公報
【特許文献2】特開平7−11702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記したプロジェクタ型ヘッドランプ1およびプロジェクタ型ヘッドランプ1´では、主配光パターンI(図10参照)に対する適切な高さ位置に補助配光パターンIa(図10参照)を形成することが困難である。これについて図10を用いて説明する。図10は、プロジェクタ型ヘッドランプ1およびプロジェクタ型ヘッドランプ1´の問題点を説明するための説明図である。なお、ここでは、主配光パターンIに対する補助配光パターンIaの高さ位置を問題にしていることから、以下の説明では、光軸Lを含む縦断面で見た図10を用いて、当該縦断面で見た作用について述べる。
【0012】
プロジェクタ型ヘッドランプ1およびプロジェクタ型ヘッドランプ1´では、図10に示すように、投影レンズ4の後側焦点fを含み光軸Lと直交する焦点面fsで見て、後側焦点fから離間した位置vを通る光束により補助配光パターンIaが形成されている。これは、プロジェクタ型ヘッドランプ1では、シェード5に設けた窓部6を通過した光束により補助配光パターンIaが形成されるが、シェード5はその上端縁5aで上記したカットオフラインを形成する役割を有していることから、その上端縁5aに高さ方向に所定の寸法を持たせる必要があるので、焦点面fsで見ると窓部6を通過した光束が後側焦点fから離間してしまうことによる(図8参照)。また、プロジェクタ型ヘッドランプ1´では、上側反射面7で反射したのちに下側反射面8で反射され、光軸Lに沿う平行光束により補助配光パターンIaが形成されることによる(図9参照)。
【0013】
ここで、焦点面fsの任意の点から出射されて投影レンズ4に入射した光束は、当該点と投影レンズ4の中心4aとを結ぶ直線に平行な光束として投影レンズ4から出射される。このため、焦点面fsで見た出射位置が後側焦点fから離間するに連れて、焦点面fsの任意の点から出射される光束の進行方向(以下、補助照射軸線Laという)の、主配光パターンIを形成する光束の出射方向となる光軸L(方向)に対する傾斜が大きくなってしまう。このように、焦点面fsで見て、後側焦点fから離間した位置vを通る光束は、光軸Lに対して大きな傾斜とされた補助照射軸線Laに平行な光束として投影レンズ4から出射される。
【0014】
このため、例えば、プロジェクタ型ヘッドランプ1´のように、位置vを通り光軸Lに平行な光束Pは、補助照射軸線Laに平行な光束P´として投影レンズ4から出射されることとなる。この光束P´で補助配光パターンIaを形成する場合、当該ランプから任意の距離のa地点において、主配光パターンIの上方の適切な位置に補助配光パターンIaを形成できるように設定しても、当該ランプからa地点よりも離れたb地点では主配光パターンIと補助配光パターンIaとの間隔が所望のもの(設定されたもの)よりも大きくなってしまう。このことにより、上記したプロジェクタ型ヘッドランプ1およびプロジェクタ型ヘッドランプ1´では、主配光パターンIに対して適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成することができず、当該ランプの高さ位置よりも高い位置に存在する道路標識等に対する視認性を向上させることができない。
【0015】
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたもので、対向車線での眩惑を防止しつつ主配光パターンに対する適切な高さ位置に補助配光パターンを形成することができるプロジェクタ型ヘッドランプを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明のプロジェクタ型ヘッドランプは、上下方向の断面で見て楕円を基本とするメイン反射面と、該メイン反射面の一方の前記焦点に配置された光源と、前記メイン反射面の他方の前記焦点の近傍に後側焦点が位置するように前記光軸上に配置された投影レンズと、前記メイン反射面の他方の前記焦点の近傍に上端縁が位置するように前記光源と前記投影レンズとの間に配置されたシェードとを備え、前記投影レンズから出射された光束で所定の主配光パターンを形成するプロジェクタ型ヘッドランプであって、前記メイン反射面は、前記光源の下方に位置する箇所の少なくとも一部が、前記光源から出射された光束を前記シェードの下端部側へ向けて反射する補助反射面とされ、前記シェードの前記下端部側には、前記補助反射面により反射された光束を前記シェードの上端部へ向けて反射する下側反射面が設けられ、
前記シェードの前記上端部は、前記上端縁を形成する板状を呈し、前記投影レンズ側に位置する面に、前記下側反射面により反射された光束を前記投影レンズへ向けて反射する上側反射面が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載のプロジェクタ型ヘッドランプは、請求項1に記載のプロジェクタ型ヘッドランプであって、前記上側反射面は、前記光軸上における前記投影レンズから見た所定の間隔位置において、前記主配光パターンの上方であって該主配光パターンに対する適切な位置に補助配光パターンを形成すべく前記下側反射面により反射された光束を前記投影レンズへ向けて反射することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載のプロジェクタ型ヘッドランプは、請求項1または請求項2に記載のプロジェクタ型ヘッドランプであって、前記補助反射面は、前記光源から出射された光束を前記下側反射面へ向かう平行光束とすることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載のプロジェクタ型ヘッドランプは、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプロジェクタ型ヘッドランプであって、前記下側反射面は、前記光軸方向で見て、前記上側反射面よりも前記投影レンズ側に位置されていることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載のプロジェクタ型ヘッドランプは、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のプロジェクタ型ヘッドランプであって、前記下側反射面は、前記シェードと一体的に設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載のプロジェクタ型ヘッドランプは、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のプロジェクタ型ヘッドランプであって、前記上側反射面は、前記シェードの前記上端部の前記投影レンズ側に位置する面に光反射処理が施されて形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のプロジェクタ型ヘッドランプでは、下側反射面により反射された光束を投影レンズへ向けて反射する上側反射面が、投影レンズの後側焦点の近傍に上端縁が位置されたシェードの上端部における投影レンズ側に位置する面に設けられていることから、当該上側反射面により投影レンズヘ向けて反射される光束を、焦点面で見て後側焦点から極めて近い位置から出射されたものと同等とすることができる。これにより、上側反射面により投影レンズヘ向けて反射される光束の進行方向は、光軸(方向)と略平行となる。このため、上側反射面で反射した光束で、当該ランプから任意の距離の地点において、主配光パターンの上方の適切な位置に補助配光パターンを形成できるように設定すれば、当該ランプから見て任意の設定地点とは異なる距離の地点であっても、主配光パターンに対する補助配光パターンの位置関係を、設定した位置関係に極めて近いものとすることができる。
【0023】
上記した構成に加えて、前記上側反射面は、前記光軸上における前記投影レンズから見た所定の間隔位置において、前記主配光パターンの上方であって該主配光パターンに対する適切な位置に補助配光パターンを形成すべく前記下側反射面により反射された光束を前記投影レンズへ向けて反射することとすると、当該ランプから見て任意の設定地点とは異なる距離の地点であっても、主配光パターンの上方であって当該主配光パターンに対する適切な位置に補助配光パターンを形成することができる。
【0024】
上記した構成に加えて、前記補助反射面は、前記光源から出射された光束を前記下側反射面へ向かう平行光束とすることとすると、光源から出射された光束の一部を下側反射面へ向けて効率よく反射することができる。
【0025】
上記した構成に加えて、前記下側反射面は、前記光軸方向で見て、前記上側反射面よりも前記投影レンズ側に位置されていることとすると、下側反射面から反射された光束を上側反射面で投影レンズへ向けて反射できるように、下側反射面および上側反射面の傾斜角度を設定することが容易となる。
【0026】
上記した構成に加えて、前記下側反射面は、前記シェードと一体的に設けられていることとすると、下側反射面および上側反射面がシェードにより構成されていることとなるので、部品点数を減らすことができる。
【0027】
上記した構成に加えて、前記上側反射面は、前記シェードの前記上端部の前記投影レンズ側に位置する面に光反射処理が施されて形成されていることとすると、シェードの上端部における投影レンズ側に位置する面に上側反射面を容易に設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
先ず、本発明に係るプロジェクタ型ヘッドランプの基本的な概念を、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10を用いて説明する。図1は、本発明に係る実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10の構成を断面で示す模式的な説明図であり、図2は、プロジェクタ型ヘッドランプ10に設けられたシェード15を模式的な斜視図である。また、図3は、プロジェクタ型ヘッドランプ10の作用を説明するための説明図である。図4は、プロジェクタ型ヘッドランプ10により当該ランプから任意の距離の地点における光軸Lに直交する面に形成された、主配光パターンIおよび補助配光パターンIaの様子を説明するための説明図である。
【0030】
プロジェクタ型ヘッドランプ10は、自動車等の車両の前照灯として用いられるものであり、対向車線での眩惑を防止することができるすれ違い配光(ロービーム)を形成するものである。プロジェクタ型ヘッドランプ10は、リフレクタ11とフレーム12とバルブ13と投影レンズ14とシェード15とを有する。
【0031】
リフレクタ11は、一端(11b)が開放された全体に楕円体状を呈し、内方に楕円を基本とする自由曲面とされたメイン反射面11aを有する。このメイン反射面11aは、上下方向で見た断面すなわち縦断面でみると楕円を基本として形成され、光軸L上に第1焦点および第2焦点を有する。このリフレクタ11は、開放端11bが車両の前方側に位置するように配置され、当該開放端11bとは反対側(車両の後方側)に取付開口部11cが設けられている。
【0032】
このリフレクタ11の内方にバルブ13が配設されている。バルブ13は、発光部13aがメイン反射面11a(リフレクタ11)の第1焦点に位置するように、基部13bが取付開口部11cに挿通されて配置されている。バルブ13は、図示は略すが基部13bに設けられた接続部が制御機構に接続され、当該制御機構の制御下で発光部13aが点灯されることにより光源として機能する。
【0033】
また、リフレクタ11の開放端11bにフレーム12が取り付けられている。フレーム12は、リフレクタ11の開放端11bに略等しい内径寸法の筒状を呈し、内面が反射面とされている。フレーム12は、一方の端部12aがリフレクタ11の開放端11bに取り付けられている。
【0034】
このフレーム12の他方の端部12bに投影レンズ14が設けられている。投影レンズ14は、後側焦点f(車両の前方側を前方とする)(図3参照)がリフレクタ11の第2焦点の近傍に位置するように配設されている。投影レンズ14は、実施例1では平凸レンズにより構成されている。このため、バルブ13(発光部13a)から出射されてリフレクタ11のメイン反射面11aにより反射された光束は、縦断面で見ると、投影レンズ14から光軸Lに略沿うように出射されることとなる。
【0035】
このリフレクタ11の内方にシェード15が設けられている。シェード15は、光の透過を阻む部材から構成されており、リフレクタ11の内方において、底面から上方へと延在する板状を呈し、図1に直交する方向(車両の幅方向)に所定の幅を有している(図2参照)。このシェード15の上端縁15aは、車両の幅方向に延在しており、当該上端縁15aの中央に段差部15bが設けられている(図2参照)。シェード15は、投影レンズ14から出射され得る光束のうち、光軸Lに直交する断面で見て略上半部に位置する光束が投影レンズ14から出射されることを防止するように、リフレクタ11のメイン反射面11aから投影レンズ14に至る光路上に配置されている。また、シェード15は、その上端縁15aがリフレクタ11の第2焦点の近傍に位置されている。
【0036】
このため、プロジェクタ型ヘッドランプ10では、投影レンズ14の前方において、光軸Lに直行する面における略上半部を照射することなく略下半部を照射する主配光パターンI(図4参照)を形成することができる。この主配光パターンIの上端となる明暗の境界線(以下、カットオフラインIL(図4参照)という)は、シェード15の上端縁15aの形状が明確に反映された(投影レンズ14により上下左右に反転されている)ものとなる。
【0037】
本発明に係るプロジェクタ型ヘッドランプ10では、上記した構成に加えて、補助反射面16と下側反射面17と上側反射面18とが設けられている。
【0038】
補助反射面16は、リフレクタ11のメイン反射面11aのうち、バルブ13(発光部13a)の下方に位置する箇所の少なくとも一部が、メイン反射面11aとは異なる傾斜面とされて構成されている。補助反射面16は、バルブ13(発光部13a)から出射された光束をシェード15の下端部15bへ向けて反射するように設定されている。この補助反射面16は、実施例1では、バルブ13の発光部13a(メイン反射面11aの第1焦点)を焦点とする回転放物面(縦断面で見ると放物面)とされ、バルブ13(発光部13a)からの光束を、シェード15の下端部15bへ向けて平行光束として反射する。
【0039】
下側反射面17は、シェード15の下端部15b側、すなわち補助反射面16により反射された光束の進路上に位置するように設けられている。下側反射面17は、補助反射面16により反射された光束をシェード15の上端部15c(上端縁15aの近傍)へ向けて反射するように設定されている。この下側反射面17は、実施例1では、補助反射面16からの光束を、シェード15の上端部15cへ向けて平行光束として反射する。
【0040】
上側反射面18は、シェード15の上端部15cのうち、投影レンズ14側に位置する面に設けられている。上側反射面18は、補助反射面16により反射された光束を投影レンズ14へ向けて反射するように設定されている。この上側反射面18により投影レンズ14へ向けて反射された補助反射面16からの光束は、投影レンズ14から出射されて後述する補助配光パターンIa(図4参照)を形成する。この上側反射面18は、補助反射面16および下側反射面17を経た光束を投影レンズ14へ向けて反射するものであれば、平行光束として反射するものであってもよく、拡散させて反射するものであってもよい。また、上側反射面18は、投影レンズ14へ向けて反射した光束が投影レンズ14に入射するものであれば、投影レンズ14における上下方向で見た入射位置は、適宜設定すればよい。この上側反射面18から反射された光束の投影レンズ14への入射位置を調整することにより、後述する補助配光パターンIaの主配光パターンI(図4参照)に対する設定位置を調整することができる。また、上側反射面18から反射された光束の投影レンズ14への入射領域の大きさを調整することにより、後述する補助配光パターンIa(図4参照)の大きさを調整することができる。
【0041】
なお、実施例1では、下側反射面17は、シェード15の下端近傍に位置されているが、上述したように、補助反射面16により反射された光束を、上側反射面18へ向けて反射すればよいものである。このため、下側反射面17が設けられるシェード15の下端部側とは、補助反射面16により反射された光束の進路上に位置するものであって、上下方向で見て上側反射面18が設けられるシェード15の上端部15cよりも下方すなわち下端部側であることをいい、例えば、上下方向で見てシェード15の中央近傍であってもよい。
【0042】
この下側反射面17および上側反射面18は、板部材に光反射処理(例えば、反射膜を蒸着する等)を施すことにより形成するものであってもよく、反射率の高い板部材を用いて形成するものであってもよい。また、下側反射面17および上側反射面18の反射率は、後述する補助配光パターンIa(図4参照)の明るさを勘案して、すなわち対向車線での眩惑を防止することができかつ道路標識等に対する視認性を向上させることができる明るさとなるように適宜設定すればよい。
【0043】
このような構成であることから、本発明のプロジェクタ型ヘッドランプ10では、主配光パターンIに対して適切な位置に補助配光パターンIaを形成することができる。これについて図3を用いて説明する。なお、ここでは、主配光パターンIに対する補助配光パターンIaの高さ位置を問題にしていることから、以下の説明では、光軸Lを含む縦断面で見た図3を用いて、当該縦断面で見た作用について述べる。
【0044】
プロジェクタ型ヘッドランプ10では、シェード15の上端部15cのうち投影レンズ14側に位置する面に設けられた上側反射面18により投影レンズ14へ向けて反射された光束により補助配光パターンIaが形成されている。この補助配光パターンIaを形成する光束は、図3に示すように、投影レンズ14の後側焦点fを含み光軸Lと直交する焦点面fsで見ると、後側焦点fに極めて近接する位置wを通ることとなる。
【0045】
ここで、焦点面fsの任意の点から出射されて投影レンズ14に入射した光束は、当該点と投影レンズ14の中心14aとを結ぶ直線(以下、補助照射軸線Laとする)に平行な光束として投影レンズ14から出射される。このため、焦点面fsで見た出射位置が後側焦点fに近接するに連れて、当該出射位置を通って投影レンズ14から出射される光束の出射方向(補助照射軸線La)は、光軸L(方向)に対して小さな傾斜、すなわち光軸Lと略平行になる。このように、焦点面fsで見て後側焦点fに近接した位置wを通る光束は、光軸Lと略平行な補助照射軸線Laに沿う光束として投影レンズ14から出射される。詳細には、位置wを通る光束は、投影レンズ14への入射位置に応じて、投影レンズ14の上端(有効径の上端)から出射され得る上端光束La1と、投影レンズ14の下端(有効径の下端)から出射され得る下端光束La2との間で、補助照射軸線Laに平行な光束として投影レンズ14から出射される。
【0046】
このため、プロジェクタ型ヘッドランプ10では、当該ランプ(投影レンズ14)から任意の距離のa地点において、主配光パターンIの上方の適切な位置に補助配光パターンIaを形成できるように設定すると、当該ランプからa地点よりも離れた地点(例えば符号bの地点)であっても主配光パターンIと補助配光パターンIaとの間隔が所望のもの(設定されたもの)に略等しくなる。このことにより、プロジェクタ型ヘッドランプ10では、図4に示すように、主配光パターンIに対して適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成することができ、当該ランプの高さ位置よりも高い位置に存在する道路標識等に対する視認性を向上させることができる。
【0047】
このように、本発明に係るプロジェクタ型ヘッドランプでは、基本的に、補助反射面16、下側反射面17および上側反射面18により、バルブ13から出射された光束のうちシェード15により遮蔽されることで主配光パターンIを形成するのに寄与していない光束を用いて補助配光パターンIaを形成するものであって、上側反射面18を、主配光パターンIを形成するためのシェード15の上端部15cにおける投影レンズ14側に位置する面に設けるものである。このようにシェード15の上端部15cにおける投影レンズ14側に位置する面に上側反射面18を形成することで、上側反射面18により反射されて投影レンズ14へ向かう光束の進行方向を、焦点面fsで見て投影レンズ14の後側焦点fの近傍から出射された光束と等しくすることができる。この上側反射面18により反射されて投影レンズ14から出射される光束で補助配光パターンIaを形成することで、当該光束の進行方向(補助照射軸線La)を光軸Lと略平行とすることができる。
【0048】
よって、本発明に係るプロジェクタ型ヘッドランプでは、主配光パターンIに対する補助配光パターンIaの高さ位置を設定した位置とは離間した地点であっても、主配光パターンIに対する補助配光パターンIaの高さ位置を設定した状態に近いものとすることができ、当該ランプの高さ位置よりも高い位置に存在する道路標識等に対する視認性を向上させることができる。すなわち、主配光パターンIは、高さ方向(縦断面)で見ると、プロジェクタ型ヘッドランプが設けられた高さ位置を維持するように投影レンズから出射された光束により形成されていることから、当該主配光パターンIに対する補助配光パターンIaの高さ位置は、形成される補助配光パターンIaの絶対的な高さ位置に略等しくなる。このため、設定位置とは離間した地点であっても補助配光パターンIaの高さ位置を略一定とすることができ、道路標識等を適切に照射することができる。このことから、上側反射面18が形成されるシェード15の上端部15c(上端縁15aの近傍)とは、投影レンズ14へ向けて反射した光束の進行方向を、焦点面fsで見て投影レンズ14の後側焦点fの近傍から出射された光束と等しくすることができる位置をいう。
【0049】
特に上記したプロジェクタ型ヘッドランプ10では、補助反射面16から下側反射面17に至る間、および下側反射面17から上側反射面18に至る間が、平行光束とされていることから、バルブ13(発光部13a)から出射された光束を効率良く利用して補助配光パターンIaを形成することができる。
【0050】
また、上記したプロジェクタ型ヘッドランプでは、補助反射面16から下側反射面17に至る間、および下側反射面17から上側反射面18に至る間が、平行光束とされていることから、上側反射面18での反射により形成する補助配光パターンIaの領域(形状)および明るさの分布の設定を容易なものとすることができる。
【0051】
したがって、本発明に係るプロジェクタ型ヘッドランプでは、対向車線での眩惑を防止しつつ主配光パターンIに対する適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【0052】
ここで、上側反射面18により反射されて投影レンズ14へ向かう光束の進行方向(補助照射軸線La)を、光軸Lと略等しいものとするためには、上記した方法の他に、後側焦点までの間隔が大きな投影レンズを用いることが考えられる。しかしながら、後側焦点までの間隔が大きな投影レンズを用いると、プロジェクタ型ヘッドランプの大型化を招くこととなる。このため、本願発明のように、上側反射面18を、主配光パターンIを形成するためのシェード15の上端部15cにおける投影レンズ14側に位置する面に設けることにより、上側反射面18により投影レンズ14ヘ向けて反射される光束を、焦点面fsで見て後側焦点fから極めて近い位置から出射されたものと同等とする構成とすると、より小さな構成で、対向車線での眩惑を防止しつつ主配光パターンIに対する適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成することができる。換言すると、本発明に係るプロジェクタ型ヘッドランプでは、ヘッドランプのための設置スペースが狭小な場合であっても、主配光パターンIに対する適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成する、例えば、主配光パターンIの上方であってその近傍に補助配光パターンIaを形成することができる。
【0053】
次に、本発明に係るプロジェクタ型ヘッドランプの具体的な構成の例について説明する。
【実施例1】
【0054】
先ず、上述した実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10について、図1、図2および図4を用いて説明する。
【0055】
実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10では、シェード15は、上側板部20と下側板部21と屈曲板状部材22とにより構成されている。
【0056】
下側板部21は、リフレクタ11の底面から上方へ延在する板状を呈し、互いに締着されるリフレクタ11の開放端11bとフレーム12の一方の端部12aとにより狭持されている。下側板部21の下部には、下側反射面17を形成する屈曲板状部材22が取り付けられている。屈曲板状部材22は、上部分22aと下部分22bとで任意の角度を為すように中間位置で屈曲された板状を呈している。屈曲板状部材22は、上部分22aが下側板部21に取り付けられ、下部分22bで下側反射面17を形成している。この下側板部21の上方に位置するように上側板部20が設けられている。
【0057】
上側板部20は、上部分20aと下部分20bとで任意の角度を為すように中間位置で屈曲された板状を呈している。この上側板部20は、図示は略すが、幅方向で見た両端がリフレクタ11に取り付けられており、主配光パターンIを形成すべく投影レンズ14から配光上不要な部分に光束が出射されることが防止する。この上側板部20は、上部分20aの上縁がシェード15の上端縁15aとされており、投影レンズ14の後側焦点f(図3参照)の近傍に位置されている。また、上側板部20は、上部分20aの上端部(上端縁15aの近傍)において投影レンズ14側に位置する面が上側反射面18とされている。
【0058】
このように、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10では、リフレクタ11とフレーム12との間に設けられたシェード15により、下側反射面17および上側反射面18が形成されている。このため、プロジェクタ型ヘッドランプ10では、上側板部20の上部分20a(上側反射面18)の設定位置および角度と、屈曲板状部材22の下部分22b(下側反射面17)の設定位置および角度とを、適宜設定したシェード15を設けるだけで、任意の距離のa地点において、主配光パターンIの上方の適切な位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【0059】
また、プロジェクタ型ヘッドランプ10では、シェード15に下側反射面17および上側反射面18が設けられていることから、組み付け工数を低減することができるとともにコストの増加を抑制することができる。
【0060】
よって、プロジェクタ型ヘッドランプ10では、対向車線での眩惑を防止しつつ主配光パターンIに対する適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【実施例2】
【0061】
次に、実施例2のプロジェクタ型ヘッドランプ102について、図5を用いて説明する。プロジェクタ型ヘッドランプ102は、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10と基本的に同じ構成であることから、同一機能部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0062】
プロジェクタ型ヘッドランプ102では、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10とは、異なる構成のシェード152が設けられている。
【0063】
シェード152は、主板部30に副板部31が取り付けられて構成されている。主板部30は、上部分30aが投影レンズ14側から見て凹状となるように屈曲されており、下部分30bが互いに締着されるリフレクタ11の開放端11bとフレーム12の一方の端部12aとにより狭持されている。この上部分30aは、上縁がシェード152の上端縁15aとされており、投影レンズ14の後側焦点fの近傍に位置されている。また、上部分30aは、上縁の近傍(上端部)において投影レンズ14側に位置する面が上側反射面18とされている。下部分30bには、補助反射面16により反射された光束を通過させるための開口30cが設けられている。この下部分30bに副板部31が取り付けられている。
【0064】
副板部31は、下側反射面17が設けられた上部分31aと、主板部30の下部分30bへの取り付け箇所となる下部分31bとを有する。
【0065】
この実施例2のプロジェクタ型ヘッドランプ102では、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10と同様に、リフレクタ11とフレーム12との間に設けられたシェード152により、下側反射面17および上側反射面18が形成されている。このため、プロジェクタ型ヘッドランプ102では、副板部31の上部分31a(下側反射面17)の設定位置および角度と、主板部30の上部分30a(上側反射面18)の設定位置および角度とを、適宜設定したシェード152を設けるだけで、任意の距離のa地点において、主配光パターンIの上方の適切な位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【0066】
よって、プロジェクタ型ヘッドランプ102では、対向車線での眩惑を防止しつつ主配光パターンIに対する適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【実施例3】
【0067】
次に、実施例3のプロジェクタ型ヘッドランプ103について、図6を用いて説明する。プロジェクタ型ヘッドランプ103は、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10と基本的に同じ構成であることから、同一機能部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0068】
プロジェクタ型ヘッドランプ103では、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10とは、異なる構成のシェード153が設けられている。
【0069】
シェード153は、主板部40に第1副板部41と第2副板部42とが取り付けられて構成されている。
【0070】
主板部40は、全体に平坦な板状を呈し、上部分40aの上縁がシェード153の上端縁15aとされており、投影レンズ14の後側焦点fの近傍に位置されている。また、主板部40は、下部分40bが互いに締着されるリフレクタ11の開放端11bとフレーム12の一方の端部12aとにより狭持されている。この下部分40bには、補助反射面16により反射された光束を通過させるための開口40cが設けられている。この下部分40bに第1副板部41が取り付けられている。
【0071】
第1副板部41は、下側反射面17が設けられた上部分41aと、主板部40の下部分40bへの取り付け箇所となる下部分41bとを有する。
【0072】
また、主板部40の上部分40aにおいて投影レンズ14側に位置する面に第2副板部42が設けられている。第2副板部42は、上側反射面18が設けられた上部分42aと、主板部40の上部分40aへの取り付け箇所となる下部分42bとを有する。この上側反射面18(第2副板部42の上部分42a)は、投影レンズ14へ向けて反射した光束の進行方向が、焦点面fs(図3参照)上で見ると投影レンズ14の後側焦点fの近傍となるように、設定されている。
【0073】
この実施例3のプロジェクタ型ヘッドランプ103では、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10と同様に、リフレクタ11とフレーム12との間に設けられたシェード153に、下側反射面17および上側反射面18が形成されている。このため、プロジェクタ型ヘッドランプ103では、第1副板部41の上部分41a(下側反射面17)の設定位置および角度と、第2副板部42の上部分42a(上側反射面18)の設定位置および角度とを、適宜設定したシェード153を設けるだけで、任意の距離のa地点において、主配光パターンIの上方の適切な位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【0074】
よって、プロジェクタ型ヘッドランプ103では、対向車線での眩惑を防止しつつ主配光パターンIに対する適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【実施例4】
【0075】
次に、上述した実施例4のプロジェクタ型ヘッドランプ104について、図7を用いて説明する。プロジェクタ型ヘッドランプ104は、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10と基本的に同じ構成であることから、同一機能部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0076】
プロジェクタ型ヘッドランプ104では、実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプ10とは異なる構成のシェード154が設けられているとともに、副反射板51が設けられている。
【0077】
シェード154は、全体に平坦な板状を呈する板部材50からなり、上部分50aの上縁がカットオフラインIL(図4参照)を形成するための上端縁15aとされている。また、板部材50は、下部分50bが互いに締着されるリフレクタ11の開放端11bとフレーム12の一方の端部12aとにより狭持されて、上端縁15aが投影レンズ14の後側焦点f(図3参照)の近傍に位置されている。この上部分50aは、投影レンズ14側に位置する面が上側反射面18とされている。下部分50bには、補助反射面16により反射された光束を通過させるための開口50cが設けられている。この開口50cの前方に副反射板51が設けられている。
【0078】
副反射板51は、全体に板状を呈し、下側反射面17が設けられた上部分51aと、フレーム12への取り付け箇所となる下部分51bとを有する。
【0079】
この実施例4のプロジェクタ型ヘッドランプ104では、リフレクタ11とフレーム12との間に設けられたシェード154に上側反射面18が形成され、フレーム12に取り付けられた副反射板51に下側反射面17が形成されている。このプロジェクタ型ヘッドランプ104では、副反射板51の上部分51a(下側反射面17)の設定位置および角度を適宜設定するだけで、任意の距離のa地点において、主配光パターンIの上方の適切な位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【0080】
また、プロジェクタ型ヘッドランプ104では、実施例1ないし実施例3のプロジェクタ型ヘッドランプに比較すると別個に副反射板51を設ける構成であることから部品点数が増えてしまうが、従来から用いられるシェードに開口(50c)を形成することでシェード154とすることができる。このため、プロジェクタ型ヘッドランプ104では、新たな構成のシェードを用いることなく従来のシェードに開口を形成し、簡易な構成の副反射板51を設けるだけで良い。
【0081】
よって、プロジェクタ型ヘッドランプ104では、対向車線での眩惑を防止しつつ主配光パターンIに対する適切な高さ位置に補助配光パターンIaを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る実施例1のプロジェクタ型ヘッドランプの構成を断面で示す模式的な説明図である。
【図2】プロジェクタ型ヘッドランプに設けられたシェードを模式的な斜視図である。
【図3】プロジェクタ型ヘッドランプの作用を説明するための説明図である。
【図4】プロジェクタ型ヘッドランプにより当該ランプから任意の距離の地点に形成された、主配光パターンおよび補助配光パターンの様子を説明するための説明図である。
【図5】本発明に係る実施例2のプロジェクタ型ヘッドランプの構成を断面で示す模式的な説明図である。
【図6】本発明に係る実施例3のプロジェクタ型ヘッドランプの構成を断面で示す模式的な説明図である。
【図7】本発明に係る実施例4のプロジェクタ型ヘッドランプの構成を断面で示す模式的な説明図である。
【図8】従来(特許文献1)のプロジェクタ型ヘッドランプを説明するための説明図である。
【図9】従来(特許文献2)のプロジェクタ型ヘッドランプを説明するための説明図である。
【図10】従来のプロジェクタ型ヘッドランプの問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0083】
10、101、102、103、104 プロジェクタ型ヘッドランプ
11a メイン反射面
13 (光源としての)バルブ
14 投影レンズ
15、152、153、154 シェード
15a 上端縁
16 補助反射面
17 下側反射面
18 上側反射面
I 主配光パターン
Ia 補助配光パターン
L 光軸
f 後側焦点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向の断面で見て楕円を基本とするメイン反射面と、該メイン反射面の一方の前記焦点に配置された光源と、前記メイン反射面の他方の前記焦点の近傍に後側焦点が位置するように前記光軸上に配置された投影レンズと、前記メイン反射面の他方の前記焦点の近傍に上端縁が位置するように前記光源と前記投影レンズとの間に配置されたシェードとを備え、前記投影レンズから出射された光束で所定の主配光パターンを形成するプロジェクタ型ヘッドランプであって、
前記メイン反射面は、前記光源の下方に位置する箇所の少なくとも一部が、前記光源から出射された光束を前記シェードの下端部側へ向けて反射する補助反射面とされ、
前記シェードの前記下端部側には、前記補助反射面により反射された光束を前記シェードの上端部へ向けて反射する下側反射面が設けられ、
前記シェードの前記上端部は、前記上端縁を形成する板状を呈し、前記投影レンズ側に位置する面に、前記下側反射面により反射された光束を前記投影レンズへ向けて反射する上側反射面が設けられていることを特徴とするプロジェクタ型ヘッドランプ。
【請求項2】
前記上側反射面は、前記光軸上における前記投影レンズから見た所定の間隔位置において、前記主配光パターンの上方であって該主配光パターンに対する適切な位置に補助配光パターンを形成すべく前記下側反射面により反射された光束を前記投影レンズへ向けて反射することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。
【請求項3】
前記補助反射面は、前記光源から出射された光束を前記下側反射面へ向かう平行光束とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。
【請求項4】
前記下側反射面は、前記光軸方向で見て、前記上側反射面よりも前記投影レンズ側に位置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。
【請求項5】
前記下側反射面は、前記シェードと一体的に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。
【請求項6】
前記上側反射面は、前記シェードの前記上端部の前記投影レンズ側に位置する面に光反射処理が施されて形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のプロジェクタ型ヘッドランプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−272129(P2009−272129A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121302(P2008−121302)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】