説明

プロセッサ性能計測のための重み付けされたイベント計数方法、プロセッサ、および重み付け性能カウンタ回路(プロセッサ性能計測のための重み付けされたイベント計数システムおよび方法)

【課題】短い待ち時間と、低い誤り性能測定能力とを提供する。
【解決手段】プロセッサの性能を測定するための重み付けされたイベント計数システムおよび方法において、重み付け性能カウンタ(WPC)は、プロセッサ内の機能部から与えられる複数のイベント信号に従って性能カウントを累積する。各イベントとプロセッサ性能との相関に従って、互いに異なる重みがイベント信号に印加される。重みは、プログラム制御で調整可能なように、プログラム可能なレジスタから与えられてもよい。イベント信号を合成して、互いに排他的なイベントは組み合わせ結果の単一のフィールドにマージさせ、同一の重みを有するイベントは小計に従ってマージさせて、イベント信号のセットのビット幅を減少させてもよい。重みは、組み合わせ結果に印加され、性能カウントを更新するために使用される。その後、性能カウントを、プロセッサの動作パラメータの調整のために、電源管理ソフトウェアまたはハードウェアが使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、プロセッサ性能計測システムに関し、より特定的には、待ち時間および誤りが低い性能計数システムに関する。
【背景技術】
【0002】
処理部の性能計測は、典型的には、プロセッサ内の部品の使用についての情報を累積するカウンタのセットによって行われる。そのような使用情報を得ることによって、高度な電力管理アルゴリズムが、プロセッサ周波数および電圧、アイドル時間、または他のエネルギ使用制御機構などの動作条件を調整して、電力消費または損失を減少させることができる一方で、理想的には、処理性能に対する影響を最小限にすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高精度の性能評価システムが複雑な多項式による計量に基づいて提案されているが、数多くの並行イベントを計測する必要がある。性能計測に寄与するイベントが、上述のような処理部の個別の使用である場合には、使用を計測しているカウンタが各部に提供される。そのような実施においては、数十の処理部、キャッシュ部、およびプロセッサの性能全体に寄与する他の部を有する複数のパイプラインを有することもある現代のプロセッサにおいて性能を計測するには、数多くのカウンタが必要となる。しかしながら、既存の性能計測の実施は、典型的には、計量が行われるごとに別個のカウンタが必要となり、典型的には、数多くのイベントを並行して処理することができない。したがって、そのような性能計測の実施では、電力管理制御がプロセッサの動作パラメータを変更する場合に、性能変化の正確な予測を提供することができなくなる。
【0004】
計量毎に使用カウンタを提供する上述の手法に対する一代替策は、少ないセットのカウンタ(または単一のカウンタ)を時間多重して個別の計測を行うことである。しかしながら、そのような手法の総待ち時間は、きめの細かい制御を要するエネルギ管理システムにとって大きすぎる。さらに、内部計量による計測遅延によって、計測値に誤りが生じる。個別のカウンタを使用する場合であっても、典型的には、これらのカウンタを同時にアクセスすることはなく、これによっても、内部計量による遅延誤りおよび待ち時間の両方が生じる。
【0005】
したがって、誤りおよび待ち時間の少ない使用情報を提供する性能計数方法およびシステムを提供することが望ましい。さらに、性能計測に寄与する計量毎にカウンタを必要としないシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
計量毎にカウンタを必要としない、待ち時間および誤りの少ない性能計測を提供するという目的は、重み付けされた性能カウンタ回路および方法において達成され、これらはプロセッサ内に内蔵されていてもよい。
【0007】
重み付けされた性能カウンタは、プロセッサ内の複数の機能部において生じるイベントを示す複数のイベント信号を受信する。信号は、イベントとプロセッサの性能との相関性に従って重み付けされ、結果生じた重み付けされたイベント値が性能カウンタによって累積される。カウントは、プロセッサのクロック周期毎に累積されてもよい。重みは、プログラム制御下で調整可能なように、プログラム可能なレジスタから提供されてもよいし、または、回路内で提供される固定値であってもよい。
【0008】
組み合わせ論理が、同一の重みを有するイベントを小計フィールドに累積して、複数のイベント信号を結合してもよい。互いに排他的なイベントは、組み合わせ結果内の単一のフィールドにマージされてもよい。
【0009】
結果生じた重み付けされた性能カウントは、性能を最大限にするためにプロセッサの動作パラメータを調整し、電力消費を推測し、または電力消費の変化を予想するために、システム管理ソフトウェアまたはハードウェアもしくはその両方によって使用されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面に示すように、以下の特に本発明の好ましい実施形態の説明から明らかだろう。
【0011】
本発明の特徴と思われる新規の特徴を添付の請求項に記載する。しかしながら、本発明自体は、その好ましい使用態様、目的および利点と共に、例示の実施形態についての以下の詳細な説明を参照して添付の図面と共に読むと、最もよく理解されるだろう。図面において、同様の参照番号は、同様の構成要素を示す。
【0012】
本発明は、単一の性能カウンタを使用して複数のイベント型のイベントを同時に計測することによって、少ない性能測定誤りおよび待ち時間を提供する、性能計測のための回路および方法に関する。各イベント型のシステムまたはプロセッサ性能に対する相関を正確に反映するために、イベントは、計測する前に重み付けされる。すなわち、これに基づいて、単一のプロセッサ周期または各イベントが計測される他の期間でイベントが計測される。カウンタが増分される値は、各イベント型の数およびイベント型それ自体の両方によって異なる。例えば、L1キャッシュ・ミスは、L2キャッシュ・ミスとは異なる性能ペナルティを示すので、性能カウントが異なる変化を表すように、互いに異なるように重み付けがなされることになる。イベントの総レートは、一般的には、性能に対して単調である。しかしながら、完了した命令などの他のイベントに比例したキャッシュ・ミスなどというあるイベントの増加は、性能の低下を示す。
【0013】
プロセッサまたは他の装置/システムの性能は、別個の計測を使用して、性能との相関に従ってイベントを調節することによって、プロセッサ内の未処理の各性能依存型のイベントのカウントを結合するという、複雑な多項式による計量から判断できる。しかしながら、上述のように、そのようなイベント計測は、数多くのカウンタを必要とし、または、全体としての測定待ち時間と内部イベント・カウント遅延誤りとを生じさせる多重手法を必要とする。したがって、本発明の重み付けされた性能カウンタによってサポートされる複雑な多項式による計量は、回路領域と監視のために必要な電力との削減と、多重化手法に対する測定待ち時間と誤りとの削減と伴う、互いに異なるイベントについての性能カウントに対して異なる効果を提供することによって、改良された性能モデルを提供する。そして、結果生じた性能情報は、米国特許出願第11/538131号である「METHOD AND SYSTEM FOR IMPROVING PROCESSING PERFORMANCE BY USING ACTIVITY FACTOR HEADROOM」に記載されているような電力管理制御システムに対する入力として印加できる。
【0014】
今度は図面を参照して、特に図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る、プロセッサを内蔵するシステムのブロック図が示されている。本システムは、プロセッサ・グループ8を含み、スーパー・スカラ・プロセッサを形成するブリッジ17を介して他のプロセッサ・グループに結合されていてもよい。プロセッサ・グループ8は、システム・ローカル・メモリ19と、2つのサービス・プロセッサ6Aおよび6Bと共に様々な周辺機器15に接続される。サービス・プロセッサ6Aおよび6Bは、故障の監視、支援、およびテスト機能をプロセッサ・グループ8に対して提供し、すべてのプロセッサ12A〜12Dを接続すると共に他のプロセッサ・グループへの自身の相互接続パスを有してもよい。さらに、サービス・プロセッサ6Aおよび6Bのうちの1つまたは両方は、性能および電力測定/管理を行ってもよく、そのような制御を、本発明の一実施形態に係る1つ以上の重み付けされた性能カウンタから読み出された性能カウントと整合するように行ってもよい。
【0015】
プロセッサ・グループ8の内部には、複数のプロセッサ12A〜12Dがあり、それぞれ、通常、単一の部で製造され、L2キャッシュ14およびメモリ・コントローラ16とに結合された複数のプロセッサ・コア10Aおよび10Bを含む。プロセッサ・コア10Aおよび10Bは、汎用処理機能に関するデータ値に対する命令実行および動作を提供する。別個のL3キャッシュ18A〜18Dが、各プロセッサ12A〜12Dに提供される。ブリッジ17は、システム内の他のブリッジとともに、他の処理グループを伴う広いバス上の通信を提供し、バス11は、プロセッサ12A〜12Dと、ブリッジ17と、周辺機器15と、L3キャッシュ18A〜18Dと、システム・ローカル・メモリ19の接続を提供する。他のグローバル・システム・メモリをブリッジ17の外部に結合して、すべてのプロセッサ・グループによる対称的なアクセスを行ってもよい。
【0016】
図2を参照すると、プロセッサ・コア10Aおよび10Bと同一の特徴を有するプロセッサ・コア10の詳細が示されている。バス・インターフェース部33は、プロセッサ・コア10を他のプロセッサおよび周辺機器に接続し、データ値を記憶するためのL1 Dキャッシュ32と、プログラム命令を記憶するためのL1 Iキャッシュ30と、キャッシュ・インターフェース部31とを外部メモリ、プロセッサ、および他の装置に接続する。L1 Iキャッシュ30は、命令フェッチ部IFU26と共に命令ストリームのロードを提供する。命令フェッチ部IFU26は、命令を予め取り出すものであり、見込みロードおよび分岐予測機能を含んでもよい。命令シーケンサ部(ISU)22は、一般的な演算を実行するための固定点部(FXU)24および浮動点演算を実行するための浮動点部(FPU)25などの様々な内部部品に対して発行される命令のシーケンシングを制御する。グローバル完了テーブル(GCT)23は、ISU22によって発行された命令を、命令によって対象となった特定の実行部が命令実行完了を示すまで追跡する。
【0017】
固定点部24および浮動点部25は、汎用レジスタ(GPR)28A、浮動点レジスタ(FPR)28B、条件レジスタ(CR)28C、再命名バッファ28D、カウント・レジスタ/リンク・レジスタ(CTR/LR)28E、および例外レジスタ(XER)28Fなどの様々なリソースに結合される。GPR28AおよびFPR28Bは、ロード記憶部(LSU)29によってL1 Dキャッシュ22からロードおよび記憶されたデータ値に対してデータ値の記憶を提供する。CR28Cは、条件分岐情報を記憶し、再命名バッファ28D(様々な内部実行部に関連したいくつかの再命名部を備えてもよい)は、実行部にとってのオペランドおよび結果の記憶を提供する。XER28Fは、分岐と固定点例外情報とを記憶し、CTR/LR28Eは、分岐リンク情報とプログラム分岐実行のためのカウント情報とを記憶する。制御論理21は、プロセッサ・コア10内の様々な実行部およびリソースに結合されて、実行部およびリソースの広範な制御を行うために使用される。SCOM/XSCOMインターフェース部35は、外部サービス・プロセッサ34Aおよび34Bに対する接続を提供する。
【0018】
また、プロセッサ・コア10は、通常の性能カウンタ(PCs)37と、本発明の一実施形態に係る重み付け性能カウンタ(WPC)40Aおよび40Bとのセットによって提供される性能カウント値を収集する性能監視部(PMU)36を含む。性能カウンタ37を使用して、重み付け性能カウンタ40Aおよび40Bによってカウントされない追加のイベントをカウントする。多項式の性能計量は、性能監視部36によって計算することができる。または、性能監視部36は、性能カウンタ37および重み付け性能カウンタ40Aおよび40Bから、図1の処理システム内の1つ以上のプロセッサ12A〜12D内で実行するハイパーバイザーなどの外部ソフトウェアへ、またはサービス・プロセッサ6Aまたは6Bによって実行されるサービス・プロセッサ・プログラムへのカウント値の表示を提供することができる。また、性能測定部36、性能カウンタ37、重み付け性能カウンタ40A,40Bは、プロセッサ・コア10の外部に位置していてもよい。例えば、図1のプロセッサ12A〜12Dは、各コア10Aおよび10Bからイベント信号が提供される性能測定部と、メモリ・コントローラ16と、L2キャッシュ14とをそれぞれ含んでもよい。
【0019】
性能カウンタ37および重み付けされた性能カウンタ40Aおよび40Bは、プロセッサ・コア10内部での様々なイベントの発生を信号で知らせる入力を受信する。実施形態例において、重み付け性能カウンタ40Aは、ISU22、IFU26、FPU25、およびキャッシュ・インターフェース部31などの様々な機能処理ブロックからイベントを受信する。重み付け性能カウンタ40Bは、イベントバス入力をLSU29から受信する。性能カウンタ37は、一般的には、プロセッサ周期数に対するイベント・カウントすべて評価を行うことができるように、プロセッサ周期をカウントするカウンタを含む。イベント監視手法例は、二重カウンタ重み付けイベント計数手法を例示しており、メモリ待ち時間に依存するイベントは、重み付け性能カウンタ40Bによって計数される一方で、重み付け性能カウンタ40Aは、プロセッサのクロック周波数に依存するイベントをカウントする。主な電力管理手法は、プロセッサのクロック周波数および電圧を調整し、メモリ待ち時間は変更しないので、プロセッサのクロック周期のメモリ待ち時間は、プロセッサのクロック周波数が変更されると変化する。メモリ待ち時間に依存するイベントと、プロセッサのクロック周波数に依存するイベントとについての別個の重み付けされた性能カウンタ40Aおよび40Bを使用することによって、2つの互いに異なる型のイベント上のプロセッサ周波数変化の影響を独立して評価するための機構を提供する。実施形態例は、プロセッサ周期数と、完了命令数と、メモリ階層の各レベルのミス・レートを追跡する。結果生じたカウントから、プロセッサの周波数に依存するメモリ待ち時間が識別でき、プロセッサ周波数に対する性能の推定値が、毎秒の命令または他の性能指数として判断される。そして、電力管理アルゴリズムは、周波数の結果に対する推定性能を使用して、電力管理に関する決定をその場で行うことができる。
【0020】
図示の実施形態において、性能監視部36は、バス・インターフェース部33およびSCOMインターフェース35に結合される出力を有し、重み付け性能カウンタ40Aおよび40Bならびに性能カウンタ37から結果生じた性能測定値を、サービス・プロセッサ6Aおよび6Bのうちの1つまたはバス11に結合された他のプロセッサによって読み出すことができる。代わりに、プログラム読み出し可能なレジスタを性能監視部36から提供してもよい。重み付け性能カウンタ40Aおよび40Bは、バス・インターフェース部33およびSCOMインターフェース35のうちの1つまたは両方にオプションとしてさらに結合される入力を有し、各イベント型の性能カウントに対する寄与を判断するのに使用される重みは、プログラム制御によって調整されてもよい。調整は、性能監視によって提供される現行の結果の判断に基づいて動的に行われてもよいし、実行中の作業負荷の型の決定と適合するように設定されてもよいし、または、性能推定において使用される固定値のさらなる改良のために提供されてもよい。
【0021】
今度は図3を参照すると、本発明の一実施形態にかかる重み付け性能カウンタ40の詳細であって、図2の性能カウンタ40Aおよび40Bを実施するために使用されてもよいものが図示されている。組み合わせ論理部42は、プロセッサ10内の機能部から受信されたイベント信号のセット、または性能を測定中の回路またはシステムの型に従った他のイベント信号を組み合わせる。結果生じた出力数値は、イベントを組み合わせ、これは、イベント毎にフィールドを含むバイナリ数値であってもよく、または以下に詳細に述べるように、出力値のビット幅を減少させるフィールドを含んでもよい。組み合わされたイベント結果は、重みのセット{W0’,W1’...WN’}を加算器46の入力に選択的に印加するセレクタ45の制御入力に与えられる。加算器46は、性能カウント・ラッチ47の現在の値と共に組み合わされた重みを加算する。例えば、イベント0が所定のプロセッサ周期で生じ、イベント1が生じない場合に、重みW0がカウントに加算されるが、W1は加算されない。加算器46は、各重み重み{W0’,W1’...WN’}を性能カウント・ラッチ47の現在の値に加算するのに充分な幅の充分な入力を有し、セレクタ45は、組み合わせ回路部42の組み合わせ出力によって与えられる制御信号に従って、ゼロ値入力と各重み入力{W0’,W1’...WN’。}との間で選択をおこなう
【0022】
重み{W0’,W1’...WN’}は、重みマッピング器44によって決定される。重みマッピング器44は、上述のようなプログラム制御によって設定されてもよいような重みレジスタ43のセットにプログラムされた値を調節する。性能計測手法の分析を保存するために、イベント毎のカウントに加算される値は、重みの差が性能とイベントの発生との間の相関の差分を真に表すように、調整されなければならない。例えば、イベント重みが1という値に設定され、他のイベントが1.5という相対性能相関を有した場合、他のイベントについての相対重みは、固定点加算によっては正確に表現することができなかったはずである。したがって、重みの範囲{W0’,W1’...WN’}は、性能に対するイベントの相対相関の細かい差を表現するのに充分なほど大きくあるべきである。しかしながら、0〜3(2ビット)のような小さな重みの範囲であっても、少ない数のイベントをカウントするシステムに対して誤りの減少を提供し、ここにおいて、イベントは、一様にカウントされるか、多項式による性能計量への個々の寄与を同一に収集しないように、多重化されたやり方でカウントされる。
【0023】
組み合わせ論理(ユニット)42は、出力選択信号のビット幅を減少させてもよいので、セレクタ45の複雑性およびサイズ、ならびに重み付け性能カウンタ40を実施するのに必要な重み数をも減少させる。減少は、同一の重みを有する互いに排他的なイベントによって提供される。同一の重みで互いに排他的なイベント入力は、論理和演算によって組み合わせることができる。なぜならば、当該イベントのセットから結果生じる重みは、常にゼロか、または単一の重み値となるからである。出力選択信号のビット幅が減少するような他のやり方は、互いに排他的ではない同一の重みのイベントを加算して、同一の重みのイベントに対応するフィールドがイベント数を表す2進数であるようにすることである。この型のフィールドについて、セレクタ45は、重み値の選択を受信して、重み値と単一のフィールドにおいて組み合わせられている同一の重みのイベント数との積を表す数を加算器46に与えるのに充分な重み値を決定する。
【0024】
本発明をその好ましい実施形態を参照して特に図示および説明してきたが、形式および詳細についての上記および他の変更を本発明の精神および範囲から逸脱することなく行ってもよいことは、当業者によって理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロセッサを内蔵する処理システムのブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るプロセッサ・コアのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る重み付けされた性能カウンタの回路図である。
【符号の説明】
【0026】
6A サービス・プロセッサA
6B サービス・プロセッサB
8 プロセッサ・グループ
10A,10B コア
12A,12B,12C,12D プロセッサ
14 L2キャッシュ
15 周辺機器
16 メモリ・コントローラ
17 ブリッジ
18A,18B,18C,18D L3キャッシュ
19 システム・ローカル・メモリ
20A,20B,40A,40B WPC(重み付け性能カウンタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサの性能レベルを判断する方法であって、
前記プロセッサ内の互いに異なるイベントに対応する前記プロセッサ内の機能部から、複数のイベント信号を受信するステップと、
前記複数のイベント信号の総計と適合するように、性能カウンタを更新するステップであって、互いに異なる重みを、前記複数のイベント信号のうちの少なくとも2つに割り当てて、前記イベントに対応する性能計量の収集間の待ち時間が減少し、前記イベントは、前記プロセッサの性能に対する相関に従ってさらに別個に重み付けされる、前記更新するステップと、
前記性能カウンタを周期的な間隔で読み出して、性能カウントを取得するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記受信および更新ステップは、前記プロセッサの各クロック周期におこなわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセッサに入力される値と適合するように前記重みを調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の受信イベント信号を符号化して、組み合わせ値を提供するステップと、
前記重みを前記組み合わせ値に印加して更新値を提供するステップであって、前記更新ステップは、前記更新値を前記性能カウントの現在の値に加算して次の性能カウントを取得する、ステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記符号化は、前記重みのうちの等しいものに対応する前記イベントをマージする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記符号化は、前記組み合わせ値のフィールド内のコードに従って、互いに排他的なイベントを符号化する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記性能カウントと適合するように、前記プロセッサについての電力管理数値を決定するステップと、
前記決定の結果と適合するように、前記プロセッサの動作パラメータを調整するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサ内の複数のイベントの発生を示すための複数のイベント信号のうちの少なくとも1つの出力イベント信号をそれぞれ有する複数の機能部と、
前記複数のイベント信号を受信して、前記複数のイベント信号の状態に従って性能カウントを更新するための重み付け性能カウンタとを備え、前記複数のイベントのうちの少なくとも2つに従った前記性能カウントの変更は、互いに異なるように重み付けされる、プロセッサ。
【請求項9】
前記重み付け性能カウンタは、
前記複数のイベント信号を受信して、前記複数のイベントのうち前記プロセッサの現在の周期で生じたものを表す組み合わせ値を提供するための組み合わせ論理と、
互いに異なる重みを前記プロセッサの前記現在の周期で生じた前記重みに適合させるための重み付け論理と、
前記性能カウントを提供するために前記重み付け論理の出力を累積するための加算/累算器とを備える、請求項8に記載のプロセッサ。
【請求項10】
前記重み付け論理は、前記互いに異なる重みがプログラム制御下で変更されてもよいプログラム可能なレジスタを備える、請求項9に記載のプロセッサ。
【請求項11】
前記組み合わせ論理は、前記重みのうちの等しいものに対応するイベント信号をマージする、請求項9に記載のプロセッサ。
【請求項12】
前記組み合わせ論理は、前記組み合わせ値のフィールドにおける前記イベント信号のうちで互いに排他的なものを符号化する、請求項9に記載のプロセッサ。
【請求項13】
前記重み付け性能カウンタに応答して電力管理制御部をさらに備え、これによって、前記プロセッサの動作パラメータが、前記性能カウントに適合するように調整される、請求項8に記載のプロセッサ。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記重み付け性能カウンタを読み出し、かつ前記性能カウントに適合するように前記プロセッサの動作パラメータを調整するパラメータ命令を実行する、請求項8に記載のプロセッサ。
【請求項15】
前記重み付け性能カウンタは、前記プロセッサのクロック周期毎に更新される、請求項8に記載のプロセッサ。
【請求項16】
複数の機能部と、
前記複数の機能部で生じたイベントに従って、さらに前記イベントのうちの少なくとも2つの互いに異なるものに適用する互いに異なる重みに従って、性能計量値を更新するための手段と
を備える、プロセッサ。
【請求項17】
前記機能部から提供されたイベント信号全体に対応するデータのビット幅を減少させるための手段をさらに備える、請求項16に記載のプロセッサ。
【請求項18】
更新のための前記手段は、前記プロセッサのクロック周期毎の前記性能計量値を更新する、請求項16に記載のプロセッサ。
【請求項19】
重み付けされた性能カウンタ回路であって、
計測中の性能計量値に対する互いに異なる効果を有するイベントに対応するイベント信号を受信するための複数のイベント入力と、
前記イベント信号の状態の組み合わせに対応する組み合わせ値を生成するための前記イベント入力に結合される状態符号化器と、
前記組み合わせ値に従った複数の互いに異なる重みを印加して、重み付けされた総合性能結果を提供するための重み付け論理と、
規則的な間隔で前記重み付けされた総合性能結果を累積するための加算器/累積器とを備え、これによって、重み付けされた性能カウントが保持される、重み付け性能カウンタ回路。
【請求項20】
前記複数の互いに異なる重みを記憶するためのプログラム可能な重みレジスタをさらに備え、前記プログラム可能な重みレジスタは、プログラム制御に応答して、前記互いに異なる重みを調整するための入力を有する、請求項19に記載の重み付け性能カウンタ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−140380(P2008−140380A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281412(P2007−281412)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】