説明

プロピレン系重合体組成物およびその用途

【課題】成形性、耐熱性、柔軟性、透明性、耐傷付き性に優れた組成物、該組成物からなる成形体を提供すること。
【解決手段】(A)シンジオタクティックペンタッド分率が85%以上、融点が156℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%を超える量で含有するシンジオタクティックプロピレン重合体 10〜95重量部と、(B)特定の条件を満たし、MFRが0.01〜100g/10分であり、プロピレンから導かれる構成単位を55〜90モル%の量で含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンから導かれる構成単位を10〜45モル%の量で含有するプロピレン・α-オレフィン共重合体 90〜5重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする)とを含んでなるプロピレン系重合体組成物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンジオタクティックプロピレン重合体(A) 10〜95重量部と、
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B) 90〜5重量部(ただし、(A)と(B
)との合計を100重量部とする)と
を含んでなり、該重合体(A)が下記要件(a)を、該共重合体(B)が下記要件(b)をそれぞれ充足するプロピレン系重合体組成物(X);
(a):13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率
)が85%以上でありかつDSCより求められる融点(Tm)が156℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%(ただし、該重合体(A)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量で含有する、
(b):プロピレンから導かれる構成単位を55〜90モル%(ただし、該共重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)の量で含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンから導かれる構成単位を10〜45モル%(ただし、プロピレンから導かれる構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)から導かれる構成単位との合計を100モル%とする)の量で含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b−1)または(b−2)のいずれか一つ以上を満たす;
(b−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である、
(b−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
【請求項2】
(A)シンジオタクティックプロピレン重合体を50重量部以上95重量部以下と、
(B)プロピレン・α-オレフィン共重合体を5重量部以上50重量部以下(ここで(A)と(B)の合計を100重量部とする)と
を含んでなる請求項1記載のプロピレン系重合体組成物(X)。
【請求項3】
(A)シンジオタクティックプロピレン重合体が10重量部以上50重量部未満と、
(B)プロピレン・α-オレフィン共重合体が50重量部を超えて90重量部以下(ここで(A)と(B)の合計を100重量部とする)と
を含んでなる請求項1記載のプロピレン系重合体組成物(X)。
【請求項4】
(1)示差走査型熱量計で求めた110℃での等温結晶化における半結晶化時間(t1/2)が1000sec以下の範囲にある請求項1に記載のプロピレン系重合体組成物(X)。
【請求項5】
(2)針侵入温度が145℃以上である
請求項1〜4のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X)。
【請求項6】
(2)針侵入温度が145℃以上であり、
(3)0℃のアイゾット衝撃強度が50J/m以上であり、
(4)引張り弾性率が100MPa〜2000MPaの範囲にあり、
(5)厚さ1mmのプレスシートの内部ヘイズ値が50%以下である
請求項2、4または5のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X)。
【請求項7】
(2)針侵入温度が145℃以上であり、
(4)引張り弾性率が1〜400MPaの範囲にあり、
(5)厚さ1mmのプレスシートの内部ヘイズ値が30%以下である
請求項3、4または5のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X)。
【請求項8】
前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dL/gの範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)測定により求めた融解熱量(ΔH)が40mJ/mg以上である請求項1〜7のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X)。
【請求項9】
前記プロピレン・α-オレフィン重合体(B)は、GPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn、Mn:数平均分子量、Mw:重量平均分子量)が3.5以下である請求項1〜7のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X)。
【請求項10】
シンジオタクティックプロピレン重合体(A1) 1〜65重量部と、
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B1) 99〜35重量部(ただし、(A1)と(B1)との合計を100重量部とする)と
を含んでなり、該重合体(A1)が下記要件(a1)を、該共重合体(B1)が下記要件(b1)をそれぞれ充足するプロピレン系重合体組成物(W)からなるペレット;
(a1):13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上でありかつDSCより求められる融点(Tm)が156℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%(ただし、該重合体(A1)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量で含有する、
(b1):プロピレンから導かれる構成単位を55〜90モル%(ただし、該共重合体(B1)中の構成単位の全量を100モル%とする。)の量で含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンから導かれる構成単位を10〜45モル%(ただし、プロピレンから導かれる構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)から導かれる構成単位との合計を100モル%とする)の量で含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b1−1)または(b1−2)のいずれか一つ以上を満たす;
(b1−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である、(b1−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と、前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
【請求項11】
請求項10に記載のプロピレン系重合体組成物のペレットからなる熱可塑性重合体用改質材。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物または請求項10に記載のペレットを用いてなる成形体。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物または請求項10に記載のペレットを用いてなるシート。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物または請求項10に記載のペレットを用いてなる未延伸または延伸フィルム。
【請求項15】
少なくとも1層が請求項1〜9のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物を含有してなる層である積層体。
【請求項16】
請求項1〜9のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物または請求項10に記載のペレットを用いてなる不織布。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−132024(P2012−132024A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−71153(P2012−71153)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【分割の表示】特願2006−155044(P2006−155044)の分割
【原出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】