説明

プロポリス含有キャンディ

【課題】プロポリスが持つ独特の漢方薬的臭気をマスキングしつつ、プロポリスが持つ効き目感はマスキングされずに残存したキャンディを提供すること。
【解決手段】プロポリスを含有するキャンディ部と、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を含有するキャンディ部とを組み合わせた構造を有し、前記プロポリスキャンディ部のプロポリス含有量が固形分で0.1重量%〜5.0重量%であり、前記プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部との表面積比率が1:5〜5:1であることを特徴とするプロポリス含有キャンディ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロポリスを含有するキャンディに関するもので、更に詳しくは、プロポリスを含有するキャンディ部又はプロポリス及び/又はアスコルビン酸又はその誘導体を含有するキャンディ部と、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を含有するキャンディ部からなることを特徴とするキャンディに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の健康ブームや自然派志向の高まりとともに、食品も多様化しており、天然食品素材も様々なものが存在する。その中でも、ミツバチによって生産されるプロポリスは、抗炎症効果・殺菌効果・抗酸化効果があると言われており、「天然の抗生物質」とも呼ばれ、健康維持・健康増進に寄与するものとして、あるいは、高い抗ガン効果が期待されるものとして、注目されている。
【0003】
一般的に、プロポリスはミツバチ等の蜂類によって樹木や草花より集められたフラボノイド系の成分を含む物質である樹脂、樹液、ワックス等を、蜂自身が、その分泌物を混合して巣を守るために固めたものであり、蜂蝋とも呼ばれている。
【0004】
このようなプロポリスの成分は、一般的に、樹脂・蝋状成分50〜55%、蜜蝋30%、精油8〜10%、エステル類5%前後であり、樹脂・蝋状物質中には、蜂類の巣内の雑菌繁殖防止に有益と考えられるフラボン、フラボノール等の約20種類のフラボノイドが含まれている。
【0005】
このようなプロポリスは、はちみつやローヤルゼリーと同様に健康に寄与する食品として古くから利用されてきたが、近年では、プロポリス含有の食品は多様化しており、例えばエタノールや水で抽出したエキスを飲料に混ぜて健康飲料にしたり、パウダー化したプロポリスを錠剤やカプセルとし健康食品として食されている。
【0006】
プロポリスの効き目は、のど元でのピリピリとした刺激として実感することが出来る。市場にはこのようにピリピリとした効き目感を感じる飲料やキャンディ等が流通している。しかしながら、効き目感を感じることができるくらいのプロポリスを添加したようなものは、プロポリス自身の持つ独特の漢方薬的臭気が全面に出ていて、風味においてマイナス要因となっており、ごく一部の人達向けのものにとどまっている。
【0007】
逆に風味のマイナス面を出さないように、プロポリスの添加量を減らした飲料やキャンディ等がある。このような食品は、確かに漢方薬的臭気は感じにくくなってはいるが、添加量を減らしているためプロポリスの効果・効能は弱くなり、また効き目感を実感として感じることは難しい。
【0008】
また、プロポリスをカプセルに内包して風味を感じなくしたような飲食品がある。このような飲み込み形態のものは、風味を感じないし、濃縮したプロポリスをカプセル内に含ませれば効果・効能として十分なプロポリスを摂取することができる。しかし、飲み込み式の形態ではプロポリスののどの殺菌機能や抗炎症機能をフルに発揮した形態とはなっていない。
【0009】
プロポリスの機能を十分に発揮することができる形態は、殺菌・抗炎症を発揮させたい器官である程度の滞在時間が必要で、特にのどでその機能は求められる。すなわち、風邪やのどが痛い時等に飲み込み形態のプロポリスではなく、のどである程度の滞在時間を有するようなプロポリス食品が最も好適と考えられる。
【0010】
このように、プロポリスは多くの健康機能を備えているにもかかわらず、臭気のため一般大衆には受け入れがたいものにとどまっていたり、この機能を存分に発揮できていないのが現状である。
【0011】
プロポリスの漢方薬的臭気改善を目的とした提案はいくつかなされている。
【0012】
例えば、プロポリス液に特定の植物由来の抽出物(ユーカリエキス、かんきつ系エキス、ハーブエキス)を添加したものがある(特許文献1)。これらの抽出物は、プロポリスの臭気をマスキングするという意味では確かに効果がある。しかし、プロポリスののど元での効き目であるピリピリとした刺激もマスキングしてしまうため、効き目感を実感として感じることは難しい。
【0013】
他にも、例えばプロポリスを含有する飲用物に食物繊維及び粉末茶を混合した提案がある(特許文献2)。こちらも上記と同様にプロポリスのマスキングには効果があるものの、効き目感を実感として感じることは難しい。
【0014】
他にもマスキングの提案としては、例えば、液状部とゼリー状部とからなる栄養成分含有飲料がある(特許文献3)。これは、プロポリス等の栄養成分をゼリー状のアルギン酸の皮膜に内包した飲料の提案であるが、アルギン酸皮膜は水分が多い系でしか機能しないため、水分が高い飲料やゼリーのようなものの使用に限られる。また、飲み込むような形態なので効き目感を実感として感じることは難しく、機能を存分に発揮できていない。
【0015】
このように、プロポリスの持つ漢方薬的臭気をマスキングしつつ、プロポリスの機能をのどで存分に発揮した提案は未だない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特許第3017419号公報
【特許文献2】特開平9−308471号公報
【特許文献3】特許第3420445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、プロポリスが持つ独特の漢方薬的臭気をマスキングしつつ、プロポリスが持つ効き目感はマスキングされずに残存したキャンディを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らはプロポリスの持つ漢方薬的臭気をマスキングしつつ、プロポリスの機能をのどで存分に発揮したプロポリス含有キャンディの作製に成功している(特願2008−140403号)。このプロポリス含有キャンディではプロポリスを含有するキャンディとミントエキス、ユーカリエキス、ハーブエキス又は柑橘系エキスから成るマスキング成分を含有するキャンディとを特定の表面積比率で組み合わせることで、プロポリス由来のピリピリとした効き目感は残しつつ、独特の嫌な香りをマスキングすることを実現している。ただし、このプロポリス含有キャンディでは、確かにプロポリスの持つ臭気に対するマスキング効果はあるものの、キャンディとしての味は、マスキング成分自体の味に影響する部分があり、例えばのど飴のような用途には向いているが、その他多様な味を十分に表現する点では改良の余地があった。
【0019】
そこで、本発明者らは上記課題解決のために鋭意検討を行った結果、一定量のプロポリスを含有するキャンディと、アスコルビン酸又はその誘導体を含有するキャンディとを特定の表面積比率で組み合わせることで、口中におけるプロポリスが持つ独特の嫌な香りをマスキングしながらも、プロポリスが持つピリピリとした効き目はマスキングされずに残るという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0020】
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕 プロポリスを含有するキャンディ部と、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を含有するキャンディ部とを組み合わせた構造を有し、前記プロポリスキャンディ部のプロポリス含有量が固形分で0.1重量%〜5.0重量%であり、前記プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部との表面積比率が1:5〜5:1であることを特徴とするプロポリス含有キャンディ、
〔2〕プロポリスキャンディ部に、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を8.0重量%以下含有する前記〔1〕に記載のプロポリス含有キャンディ、
に関する。
【発明の効果】
【0021】
本発明のプロポリス含有キャンディは、一定量のプロポリスが含有されたキャンディ部と、アスコルビン酸及び/又はその誘導体が含有されたキャンディ部とを特定の表面積比率で組み合わせることで、口中でプロポリスの持つ不快臭を感じることがなく、なおかつ、プロポリス独特ののど元でのピリピリとした刺激は残存しているため、風邪の時やのどが痛い時に美味しくかつ効き目を感じながら食することが可能となる。また、マスキング成分としてアスコルビン酸及び/又はその誘導体を使用しているため、酸味を有する食品の範囲内で、多様な味の表現が可能となる。
【0022】
また、前記プロポリスキャンディ部に、一定量のアスコルビン酸及び/又はその誘導体が含有されることで、さらにプロポリス独特の臭いがマスキングされたキャンディを得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、いずれも本発明のプロポリス含有キャンディA1〜A5の概略説明図であり、プロポリスキャンディ部1とアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部2とを組み合わせた態様を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のプロポリス含有キャンディは、プロポリスを含有するキャンディ部(プロポリスキャンディ部)と、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を含有するキャンディ部(アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部)とを組み合わせた構造を有し、前記プロポリスキャンディ部のプロポリス含有量が固形分で0.1重量%〜5.0重量%であり、プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部との表面積比率が1:5〜5:1であることを特徴としている。
【0025】
本発明では、上記のようにプロポリスを含有するキャンディとアスコルビン酸及び/又はその誘導体を含有するキャンディとを別々に作製し、特定の表面積比率で組み合わせているので、プロポリスの不快臭をマスキングし、なおかつのど元での効き目感は実感として感じることが可能となり、美味しくかつ効き目感を感じながら食することが可能となる。
【0026】
本発明に使用するプロポリスは、アルコール抽出のプロポリス、水抽出のプロポリス、又はそのパウダー品のいずれの使用も可能である。
【0027】
プロポリス含有キャンディ部中のプロポリス固形分は0.1重量%〜5.0重量%、好ましくは0.2重量%〜2.0重量%、より好ましくは0.3重量%〜1.0重量%である。プロポリス固形分が0.1重量%よりも少ないと、効き目を感じる量としては不十分であり、5.0重量%よりも多いと、前述のアスコルビン酸及び/又はその誘導体をもってしても風味のマスキングをすることは難しい。
【0028】
本発明に使用するアスコルビン酸及び/又はその誘導体としては、例えば、食品添加物として用いられるアスコルビン酸又はその誘導体、例えば、アスコルビン酸グリコシド、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム等が用いられる。アスコルビン酸を豊富に含む天然素材(例えば、レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、グァバ、パパイヤ、アセロラ、カムカム、等の果実由来の天然素材、あるいは、ブロッコリー、メキャベツ、ピーマン、コマツナ、カリフラワー、ホウレンソウ、パセリ等の野菜由来の天然素材)も、本発明においてアスコルビン酸として用いることができる。なお、これらの天然素材中のアスコルビン酸の含有量は、公知の分析装置を用いて測定すればよい。
【0029】
アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部中のアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有量は全量で0.1重量%〜10重量%が好ましく、0.5重量%〜5.0重量%がより好ましく、1.0重量%〜3.5重量%がさらに好ましい。アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有量が0.1重量%よりも少ないと、プロポリスの漢方薬的臭気をマスキングするには不十分であり、5.0重量%よりも多いと、べたつきが著しく、キャンディとしての成型が困難なため好ましくない。
【0030】
また、本発明では、のど元での効き目感を残しつつ、なおかつプロポリスの不快臭を完全にマスキングするためには、前記プロポリスキャンディ部にアスコルビン酸及び/又はその誘導体を含有することが好ましい。
【0031】
前記プロポリスキャンディ部中におけるアスコルビン酸及び/又はその誘導体の含有量は全量で8.0重量%以下が好ましく、より好ましくは5.0重量%以下、さらに好ましくは3.0重量%以下である。前記アスコルビン酸及び/又はその誘導体の含有量が8.0重量%よりも多いと、プロポリス由来ののど元での効き目感もマスキングしてしまうため好ましくない。
【0032】
また、本発明において、前記プロポリスキャンディ部及び前記アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部の主要な構成成分は、ハードキャンディ又はソフトキャンディで一般的に使用される糖類が主原料となる。例えば、砂糖、水飴、ぶどう糖、果糖等の糖類や、マルチトール、パラチニット、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコールが挙げられる。これらの糖類は1種類でもよいし、2種類以上を、所望するキャンディの性質に基づいて適宜選択してもよい。また、プロポリスキャンディ部又はアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部では、それぞれプロポリス又はアスコルビン酸及び/又はその誘導体以外に、果汁、植物油脂、食塩等を適宜添加してもよいし、添加物として、酸味料、香料、着色料、調味料、苦味料等任意に添加することも可能である。
【0033】
前記プロポリスキャンディ部及びアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部は、公知のハードキャンディ又はソフトキャンディの製造方法に準じて製造することができる。
【0034】
例えば、前記プロポリスキャンディ部は、前記糖類、プロポリスを水中で混合溶解し、必要に応じてアスコルビン酸及び/又はその誘導体、さらには添加物を加え、真空釜等の公知の手段で濃縮して製造することができる。
【0035】
また、前記アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部は、例えば、前記糖類、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を水中で混合溶解し、必要に応じて添加物を加え、真空釜等の公知の手段で濃縮して製造することができる。
【0036】
なお、前記アスコルビン酸及び/又はその誘導体は、前記プロポリスキャンディ部及びアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部のいずれの場合でも、真空釜によるキャンディの濃縮後に添加してもよい。
【0037】
本発明のプロポリス含有キャンディは、前記プロポリスキャンディ部と前記アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部とが組み合わさった構造を有し、前記プロポリスキャンディ部と前記アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部との表面積比率が1:5〜5:1であることに一つの大きな特徴がある。前記表面積比率が1:5よりもプロポリスキャンディ部表面積が少ないと、アスコルビン酸又はその誘導体主体の味となり、プロポリスの効き目を感じる形態としては好ましくなく、また、5:1よりもアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部表面積が少ないと、プロポリスを十分にマスキングすることが難しく好ましくない。また前記表面積比率は、好ましくは1:3〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1である。
【0038】
本発明において、表面積とは、最終品であるプロポリス含有キャンディにおける表面積をいう。例えば、プロポリスキャンディ部の表面積は、プロポリス含有キャンディの表面を構成している部分の表面積をいう。
なお、前記表面積は、常法により、測定することができる。例えば、表面積の測定は、目視で直接プロポリス含有キャンディの外形を測定してもよいし、オリンパス株式会社製のデジタルマイクロスコープ「MVX−XD System」等の市販の測定器を用いて測定してもよい。
【0039】
本発明のプロポリス含有キャンディの構造としては、前記のように、プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部の表面積比率が1:5〜5:1となるように組み合わされていればよく、様々な形態をとり得る。例えば、左右に別々のキャンディを組み合わせた形(図1(a))や、キャンディ表面を別の線状のキャンディで組み合わせた形(図1(b))、さらには、中心層のキャンディ上下を別のキャンディでサンドした形が挙げられる(図1(c))。また、円柱状のキャンディの中心部に別のキャンディが組み合わさった形(図1(d))や、円柱状のキャンディに別のキャンディが点在した形等が挙げられる(図1(e))。その他、上記表面積比率であれば形、大きさに制限はないが、舐めやすい形、大きさである方が好ましい。なお、図中においてはプロポリス含有キャンディA1〜A5がプロポリスキャンディ部1とアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部2からなるように説明しているが、両部材は取り替えてもよい。
【0040】
なお、本発明のプロポリス含有キャンディにおいては、前記のように組み合わせるプロポリス含有キャンディ部がソフトキャンディ、アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部がハードキャンディであったり、反対にプロポリス含有キャンディ部がハードキャンディ、アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部がソフトキャンディであったり、あるいはソフトキャンディ又はハードキャンディのいずれかに統一されていてもよい。
【0041】
前記のような構造を有する本発明のプロポリス含有キャンディは、例えば、別々に調製された前記プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部とをロープ状に成型した後、スタンピング成形することで、得ることができる。ロープ状とした場合に、断面積の大きさを変えたり、断面形状を変えたりすることで前記のような構造と有することが可能になる。
【0042】
また、本発明のプロポリス含有キャンディは、プロポリス由来の臭いが顕著に低減されたものであるため、従来のキャンディ菓子と同じように、他の菓子成分と組み合わせることができる。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
(実施例1)
砂糖500部、水飴425部、エタノール抽出プロポリスエキス(日新蜂蜜社製、プロポリス固形分10%)85部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、ハチミツ香料を少量加えて水分値2.5重量%のプロポリスキャンディ部を得た。別に、砂糖480部、水飴420部、アスコルビン酸25部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、レモン香料を少量加えて水分値2.5重量%のアスコルビン酸含有キャンディ部を得た。上記2種類のキャンディをロープ状に成型した後、プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸含有キャンディ部を表面積比率で1:1となるように70℃で図1(a)となるようにスタンピング成型し、単重4.5gのプロポリス含有キャンディを得た。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないハチミツレモン風味のキャンディとなっていた。
【0045】
(実施例2)
実施例1において、アスコルビン酸をアスコルビン酸ナトリウムに変更し、図1(b)の形でスタンピング成型した以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないハチミツレモン風味のキャンディとなっていた。
【0046】
(実施例3)
砂糖500部、水飴425部、エタノール抽出プロポリスエキス(日新蜂蜜社製、プロポリス固形分10%)85部、アスコルビン酸17部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、ヨーグルト香料を少量加えて水分値2.5重量%のアスコルビン酸を含むプロポリスキャンディ部を得た。別に、砂糖480部、水飴420部、アスコルビン酸17部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、ピーチ香料を少量加えて水分値2.5重量%のアスコルビン酸含有キャンディ部を得た。上記2種類のキャンディをロープ状に成型した後、アスコルビン酸を含むプロポリスキャンディ部とアスコルビン酸含有キャンディ部を表面積比率で1:1となるように70℃で図1(c)となるようにスタンピング成型し、単重4.5gのプロポリス含有キャンディを得た。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないピーチヨーグルト風味のキャンディとなっていた。
【0047】
(実施例4)
実施例3において、プロポリスキャンディ部及びアスコルビン酸含有キャンディ部のアスコルビン酸をアスコルビン酸ナトリウムに変更し、図1(d)の形でスタンピング成型した以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないピーチヨーグルト風味のキャンディとなっていた。
【0048】
(実施例5)
砂糖500部、水飴425部、エタノール抽出プロポリスエキス(日新蜂蜜社製、プロポリス固形分10%)85部、アスコルビン酸8.5部、アスコルビン酸ナトリウム8.5部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、ヨーグルト香料を少量加えて水分値2.5重量%のアスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムを含むプロポリスキャンディ部を得た。別に、砂糖480部、水飴420部、アスコルビン酸8.5部、アスコルビン酸ナトリウム8.5部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、アセロラ香料を少量加えて水分値2.5重量%のアスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウム含有キャンディ部を得た。上記2種類のキャンディをロープ状に成型した後、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムを含むプロポリスキャンディ部とアスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウム含有キャンディ部を表面積比率で1:1となるように70℃で図1(c)となるようにスタンピング成型し、単重4.5gのプロポリス含有キャンディを得た。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないアセロラヨーグルト風味のキャンディとなっていた。
【0049】
(実施例6)
実施例5において、プロポリスキャンディ部のアスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムをアセロラ果汁に変更し、図1(d)の形でスタンピング成型した以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。このようにして得られたプロポリス含有キャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を感じながらも、プロポリスの漢方薬的臭気をほとんど感じないアセロラヨーグルト風味のキャンディとなっていた。
【0050】
(実施例7、8)
実施例1において、プロポリスキャンディ部中のプロポリス固形分を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。実施例7で得られたキャンディは、実施例1と比べると幾分ピリピリ感は弱いものの十分な効き目感を有し、かつプロポリス由来の漢方薬的臭気をほとんど感じないハチミツレモン風味のキャンディとなっていた。また、実施例8で得られたキャンディは、実施例1と比べると幾分プロポリスのマスキングは弱いものの、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を十分感じるハチミツレモン風味のキャンディとなっていた。
【0051】
(実施例9、10)
実施例1において、プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸含有キャンディ部の表面積比率を表1になるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。実施例7で得られたキャンディは、実施例1と比べると幾分ピリピリ感は弱いものの十分な効き目感を有し、かつプロポリス由来の漢方薬的臭気をほとんど感じないハチミツレモン風味のキャンディとなっていた。また、実施例8で得られたキャンディは、実施例1と比べると幾分プロポリスのマスキングは弱いものの、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を十分感じるハチミツレモン風味のキャンディとなっていた。
【0052】
(比較例1、2)
実施例1において、プロポリスキャンディ部中のプロポリス固形分を表2となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。比較例1で得られたキャンディは、プロポリス由来のピリピリ感をほとんど感じないものとなっていた。比較例2で得られたキャンディは、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を十分感じるものの、プロポリスの漢方薬的臭気が全面に出ており、風味において好ましくなかった。
【0053】
(比較例3、4)
実施例1において、プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸含有キャンディ部の表面積比率を表2になるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重4.5gのキャンディを作製した。比較例3で得られたキャンディは、プロポリスのマスキングは十分されているものの、プロポリス由来のピリピリとした効き目感をほとんど感じないものとなっていた。また、比較例4で得られたキャンディは、プロポリス由来のピリピリとした効き目感を十分感じるものの、プロポリスの漢方薬的臭気が全面に出ており、風味において好ましくなかった。
【0054】
(比較例5)
砂糖500部、水飴425部、エタノール抽出プロポリスエキス(日新蜂蜜社製、プロポリス固形分10%)85部、アスコルビン酸62部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮した。レモン香料を少量加えて得られた水分値2.5重量%のプロポリス/アスコルビン酸含有キャンディを図1(a)となるようにスタンピング成型し、単重4.5gのプロポリス含有キャンディを得た。このようにして得られたプロポリスとアスコルビン酸を同時に混合したキャンディは、食した際に、プロポリス由来のピリピリとした効き目感は感じるものの、プロポリスの漢方薬的臭気が幾分出ており、風味において好ましくなかった。
【0055】
(比較例6)
比較例5において、アスコルビン酸の添加量を表2になるように変更し、それ以外は比較例5と同様にして単重4.5gのプロポリス/アスコルビン酸含有キャンディを得た。このようにして得られたキャンディは、食した際に、プロポリスの臭気のマスキングは十分されているものの、プロポリス由来のピリピリとした効き目感をほとんど感じないものとなっていた。
【0056】
実施例1〜10及び比較例1〜6で得られたプロポリス含有キャンディの評価を表1、2に示す。表1、2の結果より、実施例1〜10で得られたプロポリス含有キャンディはいずれもマスキング度、効き目感に優れたものであることがわかる。
【0057】
表1、2における評価基準は以下のとおり。
〈プロポリス臭気のマスキング〉
「◎」プロポリスの臭気を十分にマスキングしている。
「○」プロポリスの臭気をマスキングしている。
「×」プロポリスの臭気をマスキングしきれていない。

〈ピリピリ感〉
「◎」プロポリスの効き目感を非常に強く感じる。
「○」プロポリスの効き目感を強く感じる。
「×」プロポリスの効き目感をほとんど感じない。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【符号の説明】
【0060】
A1 A2 A3 A4 A5 プロポリス含有キャンディ
1 プロポリスキャンディ部
2 アスコルビン酸及び/又はその誘導体含有キャンディ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロポリスを含有するキャンディ部と、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を含有するキャンディ部とを組み合わせた構造を有し、前記プロポリスキャンディ部のプロポリス含有量が固形分で0.1重量%〜5.0重量%であり、前記プロポリスキャンディ部とアスコルビン酸又はその誘導体含有キャンディ部との表面積比率が1:5〜5:1であることを特徴とするプロポリス含有キャンディ。
【請求項2】
前記プロポリスキャンディ部に、アスコルビン酸及び/又はその誘導体を8.0重量%以下含有する請求項1に記載のプロポリス含有キャンディ。

【図1】
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【公開番号】特開2011−24511(P2011−24511A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175242(P2009−175242)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(390020189)ユーハ味覚糖株式会社 (242)
【Fターム(参考)】