説明

プローブ

【課題】励起光などの照射光を照射し、蛍光等が含まれる放射光を受光するプローブの測定部の回動軸を管空内のできるだけ中心に保持し、広範囲の測定情報を高効率、高精度、かつ迅速に得る。
【解決手段】プローブは、インナーチューブ4と、アウターチューブ5と、インナーチューブの先端に設けられたインナーチューブバルーン6と、アウターチューブに設けられたアウターチューブバルーン7と、インナーチューブ内に充填された可撓性充填材8とを備える。2つのバルーンが管腔内で膨張することによってインナーチューブの延出部4bが管腔中央に保持される。インナーチューブは、アウターチューブに対して長手軸方向の移動及び長手軸回りに回動自在にされる。照射光を照射し放射光を受光する測定部10は延出部の回動とともに一体的に回動し、延出部に曲げ変形があっても可撓性充填材により延出部内の径方向の定位置にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体管腔内の測定対象部位に照射光を照射して測定対象部位から放射される放射光を受光するための光学系を含む測定部を備えて当該放射光を測定するためのプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体管腔内における生体組織の測定対象部位へ励起光などの照射光を照射し、この照射光によって生体組織や、予め生体に注入しておいた薬物から発生する蛍光などの放射光を検出するプローブが開発されており、生体組織の変性や癌等の疾患状態(例えば、疾患の種類や浸潤範囲)の診断に用いられている。
このようなプローブは、光源装置からの照射光を導光して生体の測定対象部位に照射し病変部から放射される放射光を受光し、分析装置に導光するために光ファイバー、プリズム等の光学系を含む測定部を有する。
【0003】
このプローブによって測定を行う際にはプローブを管腔内に安定的に保持する必要がある。
特許文献1には、プローブと体腔組織表面とを安定した位置関係に保つために、互いに軸方向に離れた先端バルーンと基端バルーンとを備えたプローブが記載されている。同ブローブにあっては、照射光を照射し放射光を受光する光学レンズがプローブ外筒の内側の空間に配置されている。そして、プローブ外筒の光学レンズよりも先端側に先端バルーンが固定されている。基端バルーンは棒部材の連結された移動部材上に設けられ、プローブ外筒の外表面に沿ってプローブ外筒の長手方向に進退可能に構成されている。したがって、基端バルーンに対して、先端バルーン及び光学レンズを離したり近づけたりすることができる。なお、同ブローブにあっては、光学レンズは長手軸を中心に回動するように構成されているが、プローブ外筒は光学レンズとともに回動せず、プローブ外筒内で光学レンズのみが回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−125274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、以上の従来技術においては、次のような問題があった。
生体管腔には屈曲部が存在しており、この屈曲部にプローブが位置する場合は、2つのバルーン間でプローブを湾曲させなければならないことがある。特許文献1に記載されるプローブにおいては、プローブ外筒に対して光学レンズを回動し得るように構成しているため、光学レンズの周囲とプローブ外筒との間には空間が設けられている。従って、上述のように、2つのバルーン間でプローブ外筒が湾曲すると、光学レンズがプローブ外筒の湾曲に追従せず、生体管腔との距離が意図したものにならない恐れがある。特に、光学レンズを長手軸中心に回動させて測定する場合は、回動位置によって光学系を含む測定部と生体管腔との間の距離が変化し、正確に測定を行えない可能性がある。
【0006】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、生体管腔内の測定対象部位に照射光を照射して測定対象部位から放射される放射光を受光するための光学系を含む測定部を備えた当該放射光を測定するためのプローブであって、プローブが湾曲した場合であっても、精度よく測定が行えるプローブを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、生体管腔内の測定対象部位に照射光を照射して測定対象部位から放射される放射光を受光するための光学系を含む測定部を備えた当該放射光を測定するためのプローブにおいて、
前記測定部が先端部に内装された可撓性を有するインナーチューブと、
前記インナーチューブが内部に挿通され、少なくとも前記インナーチューブの先端部が延出可能に前記インナーチューブを長手方向に移動自在に支持するアウターチューブと、
前記インナーチューブの先端部に設けられた膨張収縮自在のインナーチューブバルーンと、
前記アウターチューブに設けられた膨張収縮自在のアウターチューブバルーンと、を備え、
前記インナーチューブは、曲げ変形時に前記測定部を前記インナーチューブの径方向における所定位置に保持する保持部材を含み、
前記生体管腔内において、前記インナーチューブの先端部が前記アウターチューブから延出しかつ前記インナーチューブバルーン及び前記アウターチューブバルーンが膨張して前記生体管腔表面に当接した状態とすることにより、前記プローブが前記生体管腔内に位置決めされたときに、前記測定部は前記生体管腔の径方向における中心領域に保持されることを特徴とするプローブである。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記保持部材は、前記インナーチューブ内に充填された可撓性充填材である請求項1に記載のプローブである。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記インナーチューブは、前記アウターチューブによって前記アウターチューブの長手軸回りに回動自在に支持され、前記測定部は前記インナーチューブの回動とともに一体的に回動する請求項1又は請求項2に記載のプローブである。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記インナーチューブバルーンは、前記インナーチューブに対して回動自在に取り付けられている請求項3に記載のプローブである。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記測定部は前記インナーチューブバルーンと前記アウターチューブバルーンとの間に配置されている請求項1〜4のいずれか一に記載のプローブである。
【0012】
請求項6記載の発明は、前記測定部は単数又は円周上に点在する複数で構成されている請求項1〜5のいずれか一に記載のプローブである。
【0013】
請求項7記載の発明は、前記測定部は、被験者の体外に設置される光源から前記照射光を導光する光ファイバーを備える請求項1〜6のいずれか一に記載のプローブである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アウターチューブからインナーチューブを延出させて測定を行う場合に、照射光を照射し放射光を受光する測定部は、2つのバルーンによって生体管腔内に安定して位置決めされ、しかも、インナーチューブに曲げ変形があっても、保持部材によりインナーチューブ内の径方向の所定位置に保持されるので、測定部と生体管腔との間隔を意図した距離におくことができ、高精度で測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るプローブの縦断面図であり、(a)はインナーチューブが収容された状態、(b)はインナーチューブが繰り出された状態を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係るプローブの縦断面図(a)並びにA−A断面(b)(c)で、図(b)と図(c)とは異なる構成例を示す。
【図3】本発明の一実施形態に係る測定システムの構成ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る測定手順例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るプローブの測定部付近の縦断面図であり、図(a)と図(b)とは異なる構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。以下の実施形態においては、蛍光測定用のプローブを例として説明する。
【0017】
図1は、本実施形態のプローブ1の縦断面図であり、プローブ1における可動部分の動きを図示している。図2においては、本実施形態のプローブ1が生体の管腔の大径部2からその先の小径部3にかけて挿入された状態が示される。
本プローブ1は、インナーチューブ4と、アウターチューブ5と、インナーチューブバルーン6と、アウターチューブバルーン7と、可撓性充填材8と、光ファイバーペア9と、測定部10とを備えて構成されている。
そして、本プローブ1を用いた測定システム全体としては、図3に示すようにさらに励起光の光源11と、蛍光を検出する検出器12と、データ処理と各部の制御を行うCPU13と、インナーチューブ4の駆動機構14と、駆動力伝達部材15とを備える。
【0018】
本プローブ1の体内への挿入形態は、内視鏡に形成されたチャネルを通して行う形態のものであっても良いし、内視鏡とは独立して単体で体内に挿入される形態であってもよい。
【0019】
光ファイバーペア9は、励起光導光用の光ファイバーと、受光光導光用の光ファイバーとからなる。
光源11からの励起光が光ファイバーペア9の励起光導光用の光ファイバーによって導光され、測定部10に至る。
測定部10は、本プローブ1において励起光を出射して生体組織の測定対象部位に照射し測定対象部位から放射される放射光を受光する部分である。
そのために測定部10にはプリズムや集光レンズなどの光学部品からなる光学系が設けられている。
光ファイバーペア9の励起光導光用の光ファイバーによって導光された励起光は、測定部10で進行方向がインナーチューブ4の側方に向けられインナーチューブ4から出射して測定対象部位上に集光される。図2においてLはインナーチューブ4からの出射光を示す。
【0020】
照射された励起光により測定対象部位では、病変状態に従って蛍光が発生する。発生した蛍光と生体組織表面での反射光が含まれる測定対象部位からの放射光が本プローブ1のインナーチューブ4を透過して測定部10に入射する。
本プローブ1に受光される放射光は、測定部10を介して光ファイバーペア9の受光光導光用の光ファイバーに入射される。
さらに同光ファイバーに取り込まれた放射光は、同光ファイバーにより導光され、検出器12に入力される。
【0021】
蛍光は、広義には、X線や紫外線、可視光線が照射された被照射物が、そのエネルギーを吸収することで電子が励起し、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波として放出するものである。ここでは、励起光(参照光)によって、その波長とは異なった波長の蛍光が戻り光として生じるので、検出器12において入力された放射光をスペクトル分析して蛍光の強度を測定し、その測定値をデジタルデータ化してCPU13に入力する。
CPU13は、この蛍光測定データをデータ記録装置に記録したり、画像表示装置に表示したりするデータ処理を行う。また、CPU13は、内視鏡撮影などで得た測定対象部位の表面画像と蛍光測定データとを重ね合わせた画像を合成するデータ処理を行い、またこれをデータ記録装置に記録したり、画像表示装置に表示したりするデータ処理を行う。
【0022】
さて、本プローブ1おいてアウターチューブ5はその両端が開口した構成を有し、インナーチューブ4はアウターチューブ5の内部に挿通されている。インナーチューブ4及びアウターチューブ5は、可撓性材料で形成されており、生体管腔の屈曲部に沿って湾曲し得るものである。
光ファイバーペア9及び測定部10はインナーチューブ4に内装されている。
インナーチューブ4の先端部4aには、基端側から延在する光ファイバーペア9の先端部が光学的に接続された測定部10が配置されている。
インナーチューブバルーン6は、インナーチューブ4の先端部4aの先端面にインナーチューブ4に対して相対回転自在に付設されている。具体的には先端部4aの先端面にインナーチューブ4に対して回転自在に取り付けられた部材の全周を囲むようにインナーバルーン6が設けられている。
アウターチューブバルーン7は、アウターチューブ5の先端部の外周に周設されている。
【0023】
インナーチューブバルーン6及びアウターチューブバルーン7は、プローブに設けられた図示しないエア流路を通じて本プローブ1の基端側からのエアの供給とその排出とを行うことにより、膨張収縮自在である。アウターチューブバルーン7は、アウターチューブ5の先端部を管腔中央に保持するように、周囲に均等な厚みで膨張する。インナーチューブバルーン6は、インナーチューブ4の先端部を管腔中央に保持するように、周囲に均等な厚みで膨張する。したがって、図2に示すようにインナーチューブバルーン6及びアウターチューブバルーン7が管腔内で膨張することによってインナーチューブ4の先端部4aが管腔中央に保持される。
【0024】
インナーチューブ4内には可撓性充填材8が充填されている。可撓性充填材8は、光ファイバーペア9及び測定部10の周囲を覆うことにより、インナーチューブ4の径方向における定位置に保持する保持部材として機能する。なお、測定部10の測定を妨げないようにするために、図5に示すように、測定部10に面する側に配される充填材を透光性の弾性材料8aにしたり(図5(a)参照)、充填材8に測定部10のサイズよりも小さい開口部8bを設けるようにしたりしている(図5(b)参照)。
インナーチューブ4は、図1に示すように、アウターチューブ5に対して長手軸方向に移動自在にされ、かつ、長手軸回りに回動自在にされている。インナーチューブ4とともに測定部10を回動させることにより、測定対象の広範囲の測定情報を効率よく得ることができる。また、インナーチューブ4はそれ自体が可撓性であるため、アウターチューブ5から延出した部位(延出部4b)が湾曲可能であり、図1(b)の矢印Bで示すように、アウターチューブの長手軸に対して揺動することもできる。
インナーチューブ4の基端は、駆動力伝達部材15を介して駆動機構14に接続されている。駆動機構14は、出力軸を回転及び直動駆動する機構である。駆動機構14の出力軸に軸回りのトルク及び軸方向力を伝達可能な駆動力伝達部材15が接続される。駆動力伝達部材15によって、駆動機構14の回転及び直動の駆動出力がインナーチューブ4に伝達される。したがって、駆動機構14の出力によりインナーチューブ4は、アウターチューブ5に対して長手軸方向に移動したり、長手軸回りに回動したりする。
【0025】
測定部10は、インナーチューブ4とともに一体的に回動するようにインナーチューブ4内の所定位置に保持されている。
また、図2に示すように、インナーチューブ4の延出部4bが曲げ変形するときも測定部10は可撓性充填材8により先端部4a内の径方向の定位置に保持されている。すなわち、インナーチューブ4の延出部4bがいかに変形しても、また回動及び直動しても、測定部10は、例えば、図2(b)に示すように先端部4aのほぼ中心(半径0位置)、図2(c)に示すように中心からほぼ一定の半径位置に保持されている。すなわち、生体管腔の径方向における中心領域に保持される。したがって、延出部4bの湾曲によって生体管腔内面に対する測定部10の位置が意図した距離にならないということが回避され、また、回動走査時における測定部10と管腔内面との距離の変化が抑えられる。
なお、図2(b)は、測定部10を単数として中心に配置した例を、図2(c)は測定部10を円周上に点在する複数とした例を示す。図2(c)の構成例にあっては、測定方向は放射状に均等に配置される。前者は、高精度な測定部を用いたり、測定部を小型化したりする場合に有利である。後者は、短時間で測定を終えたい場合に有利である。
【0026】
インナーチューブ4は、内部は中空ではなく、内部に可撓性充填材8が充填されていることによって軸方向の圧縮・引張剛性、捩り剛性が適度に高められている。そのため、インナーチューブ4の根元部に駆動機構14から回動・直動の駆動力が与えられたとき、途中で縒れたり皺になったりすることなく、延出部4bにその駆動力が円滑に伝達される。したがって、インナーチューブ4の根元部の回動量及び直動量に応じた回動・直動運動を延出部4bにさせることができる。すなわち、駆動機構14により延出部4bの回動・直動動作を精度良く制御することができる。そして、可撓性充填材8の可撓性によってインナーチューブ4をしなやかに曲げ変形自在にする適度な曲げ剛性が達成されている。
【0027】
CPU13は、光源11、検出器12、駆動機構14並びにインナーチューブバルーン6及びアウターチューブバルーン7の膨張収縮を制御する。
測定方法は例えば以下による。
図4に示すように、まず本プローブ1を体内に挿入し(ステップS1)、例えば図2(a)に示す位置にくるような初期基準位置まで挿入する(ステップS2)。延出部4bはアウターチューブ5から延出しているため、アウターチューブ5を含めて挿入する場合よりも、より細い小径部3に延出部4bを挿入可能である。
次に、操作入力によりCPU13に指示を入力し、これを受けてCPU13はアウターチューブバルーン7を膨張させ(ステップS3)、必要に応じてインナーチューブ4を直動させてアウターチューブ5から繰り出し(ステップS4)、さらにインナーチューブバルーン6を膨張させ(ステップS5)、管腔に励起光を照射する(ステップS6)。そして放射光を検出し(ステップS7)、CPU13は必要な解析やデータ処理を実行して放射光に関する情報を取得する(ステップS8)。この後、全周の測定が終了するまで、インナーチューブを所定量回動させる動作(ステップS10)と、励起光照射(S6)〜放射光情報取得までの工程(S8)を繰り返す(ステップS9でNOの場合)。ここで、アウターチューブ5はアウターチューブバルーン7により管腔大径部2に位置決めされ、インナーチューブ4の先端側はインナーチューブバルーン6によって管腔小径部3に位置決めされている。インナーチューブバルーン7の近傍に測定部10が位置しているため、インナーチューブ4の延出部4bが曲がっていても測定部10はほぼ管腔小径部3の中心部に位置しており、精度よく測定を行うことができる。なお、管腔の所定位置において全周を測定する場合に必要なインナーチューブ4の長手軸周りの回動量は、図2(b)の構成例にあっては、360度程度、図2(c)の構成例にあっては90度程度であり。測定部10を円周上に点在する複数とした図2(c)の構成例の方が全周の測定に必要な回動量は小さくて済み、より迅速に測定を行える。本実施形態では、所定量ずつインナーチューブ4を回動させているが、一定の速度で回動させながら励起光照射と放射光検出を行うようにしてもよい。
【0028】
CPU13は、以上の回動走査により全周の測定が終了すると(ステップS9でYES)、インナーチューブバルーン6を収縮させ(ステップS11)、測定を終了するか否か判断し(ステップS12)、ステップS12でNOの場合、インナーチューブ4を直動させて測定部10の軸方向の位置を移動し(ステップS13)、ステップS5に処理を帰還させて測定を続行する。
CPU13は、ステップS12でYESの場合、インナーチューブ4を基端方向に直動させてアウターチューブ5内に収容し(ステップS14)、さらに、アウターチューブバルーン7を収縮させる(ステップS15)。
その後、本プローブ1を体内から抜き出し測定を終了する(ステップS16)。
なお、ステップS16にてアウターチューブバルーン7の位置(基準位置)を移動する場合は、その移動を行った後ステップS3に処理を帰還させる。
【0029】
以上の実施形態においては、励起光を測定対象部位へ照射するとともに、この励起光に起因して生じる蛍光を受光することとして説明したが、照射光に起因して生じる散乱光またはラマン散乱光を受光することとしてもよい。これらの場合であっても、生体組織の変性や癌などの疾患状態の診断を行うことができる。
【符号の説明】
【0030】
1 プローブ
4 インナーチューブ
4a 先端部
4b 延出部
5 アウターチューブ
6 インナーチューブバルーン
7 アウターチューブバルーン
8 可撓性充填材
9 光ファイバーペア
10 測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体管腔内の測定対象部位に照射光を照射して測定対象部位から放射される放射光を受光するための光学系を含む測定部を備えた当該放射光を測定するためのプローブにおいて、
前記測定部が先端部に内装された可撓性を有するインナーチューブと、
前記インナーチューブが内部に挿通され、少なくとも前記インナーチューブの先端部が延出可能に前記インナーチューブを長手方向に移動自在に支持するアウターチューブと、
前記インナーチューブの先端部に設けられた膨張収縮自在のインナーチューブバルーンと、
前記アウターチューブに設けられた膨張収縮自在のアウターチューブバルーンと、を備え、
前記インナーチューブは、曲げ変形時に前記測定部を前記インナーチューブの径方向における所定位置に保持する保持部材を含み、
前記生体管腔内において、前記インナーチューブの先端部が前記アウターチューブから延出しかつ前記インナーチューブバルーン及び前記アウターチューブバルーンが膨張して前記生体管腔表面に当接した状態とすることにより、前記プローブが前記生体管腔内に位置決めされたときに、前記測定部は前記生体管腔の径方向における中心領域に保持されることを特徴とするプローブ。
【請求項2】
前記保持部材は、前記インナーチューブ内に充填された可撓性充填材である請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記インナーチューブは、前記アウターチューブによって前記アウターチューブの長手軸回りに回動自在に支持され、前記測定部は前記インナーチューブの回動とともに一体的に回動する請求項1又は請求項2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記インナーチューブバルーンは、前記インナーチューブに対して回動自在に取り付けられている請求項3に記載のプローブ。
【請求項5】
前記測定部は前記インナーチューブバルーンと前記アウターチューブバルーンとの間に配置されている請求項1〜4のいずれか一に記載のプローブ。
【請求項6】
前記測定部は単数又は円周上に点在する複数で構成されている請求項1〜5のいずれか一に記載のプローブ。
【請求項7】
前記測定部は、被験者の体外に設置される光源から前記照射光を導光する光ファイバーを備える請求項1〜6のいずれか一に記載のプローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−125310(P2012−125310A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277612(P2010−277612)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】