説明

プールされた血液サンプルの試験方法

【課題】1組の流体サンプル中の特定の剤の存在について試験するのに使用するための
サブプールの形成方法の提供。
【解決手段】(a)前記流体サンプルのそれぞれをN−次元マトリックスの別個のマト
リックス要素と関連付け、該マトリックス要素の各々はN個の指数の値により同定され、
該N個の指数は該マトリックスのN個の次元に1:1で対応し;(b)前記流体サンプル
の各々からN個のアリコートを形成し;そして(c)アリコートを組合わせてサブプール
を形成し、該サブプールの各々が、N個の指数の1つについての同定値を有するマトリッ
クス要素と関連付けられる前記流体サンプルからの1つのアリコートを含むようにする;
ことを含んで成る方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ウィルス汚染されている供与物を特異的に同定するために、血漿
供与物から採取されたサンプルを調製し、そして分析するためのシステム及び方法に関す
る。特に、本発明は、供与体に含まれるのと同じ血漿のサンプルを保持する、それぞれ別
々に密封され、且つ連結された容器を形成するための装置及び方法に関する。本発明はま
た、前記容器から初期スクリーニング試験プールを形成し、そして最少数の試験サイクル
で個々の汚染された供与物を同定するためのアルゴリズムに従って、ウィルスの存在につ
いて前記プールを試験するための装置及び方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
血液、血漿及び生物学的流体供与プログラムは、生命の本質を改良し、そして種々の外
傷状況下での生命を助けるために使用される医薬及び血液製剤の製造における必須の最初
の段階である。そのような生成物は、免疫学的障害の治療、血友病の治療のために使用さ
れ、そしてまた、手術方法及び他の処理プロトコールにおいて血液体積を維持し、そして
回復することにも使用される。血液、血漿及び生物学的流体の療法的使用は、それらの材
料の供与物がウィルス汚染をできるだけ免れることを必要とする。
【0003】
典型的には、個々の血液、血漿又は他の流体供与物からの血清学的試験サンプルは、特
定のウィルス、例えばC型肝炎ウィルス(HCV)及び2種の形のヒト免疫欠損ウィルス(HIV
−1及び HIV−2)に対する応答に従って誘発される種々の抗体について試験される。さ
らに、血清学的試験サンプルは、特定のウィルス、たとえばB型肝炎ウィルス(HBV)と呼
ばれる抗原、及びそのようなウィルスに対する応答に従って誘発される抗体についても試
験され得る。サンプルが特異的抗体又は抗原のいづれかの存在について血清学的陽性であ
る場合、供与物はさらなる使用から排除される。
【0004】
一定のウィルス、たとえばB型肝炎ウィルスについての抗原試験は感染能に密接に関係
していると思われるが、抗体試験はそうだと思われない。血漿ドナーは実際、あるウィル
スに関連する抗体について血清学的陰性であると試験されるが、そのウィルスにより感染
されることは長く知られている。たとえば、ドナーがあるウィルスにより感染されるよう
になることができる時間と、そのウィルスに応答して誘発される、ドナーの免疫系におけ
る抗体の出現との間に、窓が存在する。血液におけるあるウィルスの最初の出現とそのウ
ィルスに応答して誘発される検出できる抗体の存在との間の時間は、“ウインド−ピリオ
ド (windowperiod)”として知られている。
【0005】
HIVの場合、平均のウインド−ピリオドは約22日であり、そしてHCVに関しては、その
平均のウインド−ピリオドは約98日と見積もられている。従って、抗体の検出に向けられ
る試験は、そのウインド−ピリオド、すなわちウィルス感染と抗体の生成との間の期間中
に実施される場合、感染されたドナーに関して誤った表示を与える。さらに、 HBVについ
ての従来の試験が抗体及び抗原の両者についての試験を包含したとしても、より敏感な方
法による試験は、HBV抗原試験において陰性であったサンプルにおける HBVウィルスの存
在を確認して来た。
【0006】
初期ウィルス汚染からの試験供与物の独立性をさらに確かめるために、利用できる抗体
及び抗原試験を通過して来た供与物を試験する1つの方法は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)
方法による供与物の試験を包含する。 PCRは、ウィルスゲノムを増幅することによって、
生物学的材料における注目のウィルスに関連する特定の DNA又は RNA配列の存在を検出す
るための非常に敏感な方法である。 PCR試験はウィルス自体の必須成分の存在の検出に向
けられるので、ドナーにおけるその存在は、感染の直後にほとんど見出され得る。従って
、理論的には、試験が感染能の独立性の誤った表示を与える間、ウインド−ピリオドは存
在しない。 PCR試験の方法論及び実際の用途の適切な記載は、引用により本明細書中に組
込まれるアメリカ特許第 5,176,995号に含まれる。
【0007】
しかしながら、 PCR試験は非常に高価であり、そして一般的なドナー集団は比較的少数
の PCR陽性ドナーを含むので、個々の供与物の個々の試験は費用効果的又は経済的に実施
可能ではない。従って、予定されたレベル以上のウィルス汚染を有するユニットを排除す
るために多数の血液又は血漿供与物を試験するための有効且つ費用効果的な方法が必要と
される。
【0008】
多数の血漿供与物を試験する1つの方法は、多数の個々の血漿供与物をプールすること
である。次に、そのプールが PCR試験され、そしてプールを含む個々の供与物が、 PCR試
験の結果に依存して、保持され、又は廃棄される。 PCR試験の数及びそれに関連する費用
を減じると共に、この方法は、ウィルスフリー供与物の有意な部分の実質的な廃棄をもた
らす。
【0009】
予定されたレベル以上のウィルス汚染を有する単一の供与物のみがプールの PCR陽性試
験を引き起こすであろうから、プールに寄与する、残存する供与物は、それぞれ PCR陰性
で十分にあり得る。この結果は、比較的少数の PCR陽性ドナーが一般的なドナー集団に存
在する場合、非常に有望である。従来のプールのアプローチにおいては、それぞれ PCR陰
性であるそれらの供与物を包含する、プールを含んで成るすべての供与物は、 PCR陽性結
果に基づいて処理される。
【0010】
さらに、血漿供与物は、それらが受容された後、すぐにしばしば凍結される。プールす
るために個々の血漿供与物のサンプルが必要とされる場合、個々の供与物が融解され、血
液又は血漿のアリコートがその供与物から除かれ、そして次に、供与物が保存のために再
び凍結される。複数回の凍結−融解は、興味ある RNA又は DNA、及び血漿内に含まれるタ
ンパク質の回収に悪影響を与え、従って、 PCR試験の完全性に悪影響を与える。さらに、
個々の血漿供与物のアリコートがプールを形成するために取り出されるたびに、供与物は
、周囲の環境及びアリコートを取り出すために使用される装置の両者からの汚染を受けや
すい。
【0011】
さらに、供与物がウィルスを含む場合、それは他の供与物を汚染する可能性がある。ウ
ィルスフリー供与体中へのウィルス汚染の導入を回避するために、サンプル採取装置は、
それぞれ個々の使用の後、殺菌されるか、又は単一の個々の供与物から単一のアリコート
のみを採取するために使用されるべきであり、そして新しいサンプル採取装置が続く個々
の供与物からアリコートを採取するために使用される。それらの方法のいづれも、相当に
高価であり、そしてまったくの時間の浪費である。
【0012】
従って、特定のサンプルが残存するサンプルを汚染しないでプールされ得るよう、個々
の供与物から複数の血液又は血漿サンプルを得るための方法及びシステムについての必要
性が存在する。また所望には、前記方法及びシステムは、臨床試験実験技術者又は試験実
験室環境のいづれも汚染しないで、早く且つ効果的な態様でどのようなプールをも形成す
ることができる。
【0013】
さらに、望ましくは、前記方法及びシステムは、可能な最少数の試験サイクルで特異的
な PCR陽性供与物のみを同定するために血液又は血漿供与物の有効且つ費用効果的試験を
提供する。
【発明の開示】
【0014】
従って、ウィルスにより感染された供与物を特異的に同定するために複数の血液又は血
漿供与物からのサンプルを調製し、そして試験するための費用効果的且つ有効な方法、及
び前記方法を実施するためのシステム及び装置が、本発明の実施において提供される。
本発明の方法は、血液又は血漿供給物におけるウィルス汚染について直接的に容易に試
験することができるので、実質的により安全である血液及び血漿生成物をもたらす。費用
効果的で高感度試験が、感染性ウインド−ピリオドに関係なく、即座に実施され得、そし
て汚染された供与物が同定され得る。
【0015】
本発明の実施の1つの態様においては、前記方法は、収集容器に血液又は血漿供与物を
供給する段階を含んで成る。柔軟な収集セグメントが容器に連結され、そして容器の内部
に開放される。収集セグメントが収集容器からの血液又は血漿により満たされ、そしてそ
の収集セグメントの部分が両端で密封される。収集セグメントの密封された部分が容器か
ら除かれ、そして密封された収集セグメント部分が除かれる前又は後、多くの互いに間隔
を開けられたシールが密封された端間の収集セグメントの長さにそって一定の間隔で供給
される。隣接するシール間の間隔におけるセグメント部分は容器を示し、ここで個々のそ
のような容器は血漿又は血液サンプルを含み、そしてシール間の間隔は計画された試験の
ための個々のそのような容器に十分な容積を提供する。
【0016】
本発明のより詳細な態様においては、個々血漿供与物が、柔軟な中空管セグメントによ
りその連結される試験容器を有する血漿収集ボトルに集められる。ドナーの血漿により満
たされた後、その血漿ボトルは試験容器及び柔軟な管セグメントに血漿を移行するために
傾けられ、それにより管セグメントを満たす。管セグメントがその長さにそって互いに間
隔を開けられて密封され、シール間の間隔における管セグメント部分が血漿供与物のサン
プルを個々に含むパウチを定義する。一連のパウチに転換された管セグメントは、次に、
血漿収集ボトルから切り離され、そして試験のために必要とされるまで、凍結される。
【0017】
本発明のさらなる観点においては、中空管セグメントは、Yの1つの脚上に供給される
注入部位を包含する、一連の一緒に連結されたY−部位を含んで成り、そしてここで注入
部位を含まない特定のY−部位の個々の分岐脚は柔軟なプラスチック管セグメントにより
次のY−部位の基部に連鎖して連結される。互いに間隔を開けられたヒートシールが、Y
−部位を分離する個々の柔軟なプラスチック管セグメントの長さにそって形成される。
【0018】
本発明のさらなる観点においては、血液又は血漿供与物により満たされる管セグメント
の長さにそって複数のヒートシールを供給する装置は、第1及び第2の対向するシール定
盤を含んで成る。個々のシール定盤は、くぼみ部分を交互にその長さにそって多くの互い
に間隔を開けられた突出部分を含む。第1定盤上の突出及びくぼみ部分は、第2定盤上の
対応する突出及びくぼみ部分と位置合せして存在する。
【0019】
対立するシール定盤は、突出部分間で圧縮される管セグメントのそれらの部分上にヒー
トシールを形成し、そして対立するくぼみ部分により定義されるチャンバーを形成するた
めに、血液又は血漿供与物により満たされるプラスチック管セグメント上に一緒に移動さ
れる。ヒートシールは、それらの間の多くの個々の及び連続的パウチを定義し、そして個
々の独立した対のくぼみ部分により定義される個々のチャンバーは、パウチを収容するよ
う形成される。
【0020】
特に、血液又は血漿供与物により満たされる管セグメントの長さにそって複数のヒート
シールを供給するための装置が、市場後変更として、市販のヒートシール装置上に固定さ
れるよう形成される。
【0021】
本発明のさらなる態様においては、試験のための血漿サンプルを収集し、そして調製す
るためのシステムは、血漿収集容器及びその容器に連結された中空プラスチック管を含ん
で成り、ここでそれらの個々はプラスチックにより構成され、そしてプラスチック中に成
形されるコードされた表示を含む。コードされた表示は、管セグメントの主軸にそって配
置され、そしてコードは、管セグメントがその長さにそって多くの互いに間隔を開けられ
たシールを供給し、それにより、シール間のパウチを定義するために、互いに間隔を開け
られて反復する。その表示のコード間隔は、パウチの間隔に対応し、その結果、個々のパ
ウチは少なくとも1つのコードサイクルを含むであろう。
【0022】
本発明の試験方法を開始するためには、第1パウチが、多くの別々の血漿供与物に対応
する管セグメントグループの個々から除去される。個々のそのような第1パウチの内容物
の一部が取り出され、そしてその内容物が容器にプールとして形成される。
【0023】
本発明の典型的な態様においては、第1プールがウィルスの徴候について試験される。
その第1プールがウィルス徴候について陽性であると試験される場合、次の又は第2の逐
次のパウチが第1プールを形成するために使用された管セグメントの個々から除去される
。第2パウチが2つのほぼ等しいサブグループに分割され、そしてサブグループプールの
1つの内容物が特定のウィルスの存在について試験される。試験されたサブグループがウ
ィルスについて陰性であると試験される場合、さらなる逐次のパウチが未試験のサブグル
ープを形成するために使用される対応する管セグメントから除去される。そのパウチが2
つのほぼ等しい次世代サブグループに分割され、そのサブグループのパウチの内容物がプ
ール中に形成される。次世代サブグループのプールの1つが、ウィルス徴候について試験
される。
【0024】
試験されたサブグループのプールがそのようなウィルス徴候について陽性であると試験
される場合、パウチがその試験されたサブグループを形成するために使用される対応する
管セグメントから除去される。その工程は、単一の血漿供与物に対応する最終パウチが同
定されるまで、連続的により小さなサブグループにさらに分割される個々の陽性プールに
よりくり返され、ここで前記連続的サブグループの個々は前記陽性サブグループのサンプ
ルの画分を含んで成る。
【0025】
本発明のさらなる態様においては、単一の PCR試験サイクルで陽性ウィルス徴候を有す
る供与物を特異的に同定するために多くの血漿供与物を試験するための追加の方法は、グ
リッドのn−次元の個々の交点で内部要素を定義するn−次元グリッドを定義する段階を
包含する。多くの血漿供与物の個々からのサンプルがグリッドの対応する要素に位置づけ
られ、そして個々のサンプルがマトリックス表示Xrcs により定義され、ここでマトリッ
クス要素表示の下付き文字はグリッドの次元指数を定義する。
【0026】
アリコートが血漿供与物の個々のサンプルから採取され、そしてサブプールに形成され
る。個々のサブプールは、次元指数の1つが固定されているすべての血漿供与物サンプル
のアリコートを含む。サブプールは、単一の PCR試験サイクルで、一度にすべて試験され
、そして陽性であることが試験されている個々のサブプールの次元指数がマイナーな方法
による縮小に従って評価され、それにより、個々の陽性サブプールの次元指数により定義
されるユニーク要素を明確に同定し、そして従って、特異的な陽性サンプルを明確に同定
する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、予定されるレベル以上のウィルス汚染を有するそれらの特定の供与物を検出
するために血液又は血漿供与物を試験するために有用なシステム、方法及び装置に関する
。次に、そのような汚染された供与物は廃棄され、それにより、医薬製品のための原料流
中へのそれらの組込み、及びヒト患者中へのそれらの移入が妨げられる。本発明の実施に
従って使用されるウィルス検出試験は、ウィルスに応答して誘発される抗体の代わりにウ
ィルスを直接的に検出するいづれかの試験であり得る。前記試験は、ポリメラーゼ鎖反応
(PCR)試験、及び複数の供与物からのサンプルをプールした後でさえ、ウィルスを直接的
に検出するために十分に敏感である他の試験を包含する。
【0028】
本発明の実施の1つの態様においては、多くの別々の血液又は血漿供与物が供給される
。血液又は血漿サンプルは、個々の供与物から対応する柔軟な中空管セグメント中に取ら
れる。多くの互いに間隔を開けられたシールが管セグメントの長さにそって一定の間隔で
供給され、その結果、シール間の間隔におけるセグメント部分がパウチを定義し、ここで
個々のパウチは血液又は血漿サンプルを含む。下記においてより詳細に論じられるように
、ユニークな方法論が、サンプルがプール中に形成された後、パウチからの血漿サンプル
を試験するために本発明に従って提供され、それにより、ウィルスにより汚染されるその
ようないづれかの血液又は血漿が効率良く且つ効果的に検出され、そして単離される。
【0029】
図1を参照すれば、サンプリング工程をもたらすために本発明の実施に従って供給され
るシステムの典型的な態様が示されている。前記システムは、非反応性材料、たとえばポ
リ塩化ビニル(PVC)から構成される標準の血漿供与物容器20を含む。その供与物容器20は
、その上部表面に結合されるそれぞれ2つの中空のエルボ形状継手23及び24を有するキャ
ップ22を含む。継手は、そのような目的のためにキャップ22に供給されるオリフィスを通
して供与物ボトルの内部と通じている。
【0030】
生物学的に中性の材料、たとえば PVCプラスチックから構成される柔軟な中空充填剤管
26がエルボ継手23に一端で連結され、そして他端で、たとえば、供与物を得るためにドナ
ー中に挿入される針に連結される。例示される態様においては、試験容器28がまた、血清
学的に試験されるべき供与物からのサンプルを収集するため供給される。試験容器28は一
般的に、試験管形成を有し、そしてまた、生物学的に非反応性の材料から構成される。試
験容器28は、一体キャップメンバー30を含み、このメンバーを通して、オリフィスが試験
容器の内部に通じるよう供給される。
【0031】
生物学的に非反応性のプラスチック材料から構成される、柔軟な中空管セグメント32が
、試験容器28のキャップメンバー30と血漿供与物容器キャップの中空エルボ継手24との間
に連結される。管セグメント32は、管セグメントを通して通過する流体がそのような目的
のためにキャップメンバー30に供給されるオリフィスを通して試験容器28に入るであろう
ような態様で、キャップメンバー30に連結される。管セグメント32は、前記オリフィス中
に摩擦嵌合され、それらに音波融着され、又は他方では、当業者に十分理解されている技
法によりオリフィスと同軸関係して結合され得る。
【0032】
第2オリフィスがまた、キャップメンバー30に供給され、これに、ベント管34が管セグ
メント32に類似する態様で連結される。ベント管34は典型的には、長さわずか1〜2イン
チであり、そして典型的には、挿入された摩擦嵌合細菌排除フィルター36により終結され
る。
【0033】
典型的な態様においては、血液又は血漿供与物がドナーから取られ、そして必要とされ
るまで、続く貯蔵のために血漿供与物容器20に収集される。血漿供与物の場合、血液が典
型的には、ドナーから採取され、そして連続的遠心分離装置に通され、ここで赤血球細胞
が支持血漿流体から遠心分離され、そしてドナーに戻される。次に、血漿が収集される。
血漿供与物がドナーから採取され、そして供与物容器20が充填された後、供与物容器は、
管セグメント32に連結されるエルボ継手24以上に流体レベルを高めるために傾けられる。
【0034】
血漿は、管セグメントに入り、管セグメントを通して流れ、そして試験容器28を充填す
る。充填の間、試験容器28内にトラップされる空気は、ベント管34を通して排出し、試験
容器の完全な充填を可能にする。細菌排除フィルター36は戻ってくる空気におけるいづれ
の細菌でも濾過し、従って、周囲環境によるサンプルの汚染を妨げる。試験容器が充填さ
れた後、供与物からの血漿は、管セグメント32の充填を可能にする。
【0035】
図2−Aを参照すれば、供与物からの血漿サンプルが管セグメント32中に引き抜かれた
後、管セグメントは、血漿供与物容器への管セグメントの連結に最とも近い位置で、熱溶
接38又は他の適切な密封手段、たとえば音波溶接により密封される。追加のヒートシール
40が、試験容器28へのセグメントの連結に最とも近い位置で、管セグメントに適用される
。従って、両端で密閉され、そして多量の血漿供与物を含む拡大された中空管が供給され
る。
【0036】
管セグメントの充填された部分が血漿供与物及び試験容器から、シール38及び40の中央
から管セグメントを切除することによって除かれる。次に、別の血漿供与物容器が凍結及
び貯蔵のために除かれ、そして別の試験容器が血清学的試験のために実験室に除かれる。
典型的には、その内容物が、特定ウィルス、たとえばC型肝炎(HCV)、又は HIV−1及び
HIV−2に応答して誘発される種々の抗体について試験される。
【0037】
追加のシール42がまた、中空管セグメント部分44を適切には個々に含んで成る、連続的
な個々の及び連結されたパウチを定義するために、管セグメントの長さにそって、互いに
間隔を開けられて供給される。個々のそのような部分44は、形成されるべき特定の発生プ
ールのために必要とされる特定量の血液又は血漿を含む。たとえば、 PCR試験のために形
成されるべきパウチに関しては、宿主供与物から約0.02〜0.5 mlの血液又は血漿が密封さ
れ得る。
【0038】
管セグメントは、5〜15個の個々の及び連結されたパウチを供給するような態様で密封
される。パウチを定義するための密封は、管セグメントが血漿供与物容器と血清学試験容
器との間から除かれた後、実施されるか、又は好ましくは、管セグメントが、静水圧発生
を回避するために、血漿供与物容器にまだ結合されている状態で実施され得る。
【0039】
密封は、圧縮され、そして密封される領域の長さが図3−A及び3−Bにより明確に示
されているように、いづれの側上のパウチの結合性を妨害しないで、シールの中央を通し
て切断することによってお互いからのその連結されたパウチの分離を可能にするのに十分
である限り、いづれか既知の方法、たとえば熱−圧縮密封(溶封)、音波溶接又は同様の
方法により実施され得る。血液又は血漿サンプル−含有アリコート部分に再分されるよう
適合された管セグメントの第2態様が、血漿供与物ボトル20とサンプル容器28との間で連
結され、そして本発明に従って、アリコート含有部分に分けられる収集管セグメント態様
の半−透視略図である図2−Bに示される。
【0040】
収集管セグメント50は、試験容器28のキャップメンバー30と血漿供与物容器キャップの
中空エルボ継手24との間に連結されている。その管セグメント50は適切には、柔軟な中空
の医学的品種のプラスチック管セグメント52により連続して一緒に連結される多くのY−
部位51を含んで成る。Y−部位51は、静脈内注入セットへの連結のために通常適合された
形のものであり、そしてそれらを通して定義される流路を有する円柱状本体部分53を含み
、これは流路の一端で出口54及び他端で入口部位55を有する。分岐口56は、Y−部位の本
体53にそって供給され、そして本体53を通して流体路に通じる流体路を含む。
【0041】
1つのY−部位は、1つのY−部位の底部上の出口54と次のY−部位の分岐口56との間
に、柔軟な中空の医学的品種のプラスチック管52を溶剤接着することによって、次のY−
部位に連結される。初期中空入口管57は連続して、初期Y−部位の分岐口に溶剤接着され
る。次に、初期入口管57は、血漿供与物容器キャップのエルボ継手24に連結される。連結
は、エルボ継手24上に初期入口管57を摩擦固定し、それに前記管を音波溶接し、又は他方
では、当業者により良く理解されている技法により継手と同軸関係で管を結合することに
よって実施され得る。さらに、初期入口管57は、エルボ24の末端で嵌め合いルアータイプ
コネクターを供給される供与物容器への直列接続されるY−部位の脱着しうる結合を可能
にする標準のルアータイプ継手58で終結する。
【0042】
同様な態様において、最終Y−部位は、その出口部分で最終Y−部位に溶剤接着される
柔軟な中空の最終出口管59を嵌合される。この管はまた、その遠位端で標準のルアータイ
プ継手にも連結され得る。
【0043】
第1の態様に関して記載される態様に類似する態様においては、血漿供与物がドナーか
ら取られ、そして供与物容器20が充填された後、その供与体容器は、入口管セグメント57
に連結されるエルボ継手24以上に流体レベルを高めるために傾けられる。血漿は管セグメ
ントに入り、そして直列接続されたY−部位を通して流れ、そして分岐口56を通して個々
のY−部位に入り、そして前のY−部位の出口54から次のY−部位中に流れる。血漿は、
試験容器28が満たされるまで、デカントされる。試験容器が充填された後、供与物はさら
に、管セグメント50を含んで成る直列接続されたY−部位がまた満たされるまで、デカン
トされる。
【0044】
供与物からの血漿サンプルが管セグメント50中に抜き取られた後、最終出口管セグメン
ト59は、試験容器28への最終出口管セグメントの連結に最とも近い、その長さにそっての
適切な位置で、ヒートシール又は溶接40a、又は他の適切な密封手段、たとえば音波溶接
により密閉される。
【0045】
充填された管セグメント50は、シール40aの中央を通して試験容器から最終出口管セグ
メント59を切断することによって、試験容器から除去される。他方では、管セグメント50
がルアータイプコネクターで終結する場合、その管セグメント50は、ルアーを分離するこ
とにより試験容器28から除去される。第2ヒートシール38aは、供与物容器20への初期セ
グメントの連結に最とも近い、その長さにそっての位置で初期入口管セグメント57に適用
される。
【0046】
管セグメント50の充填された部分は、シール38aの中央を通して初期入口セグメント57
を切断することによって、又はルアータイプ継手58(そのようなものが供給される場合)
を分離することによって、血漿供与物から除去される。両端で密封され、そして連続して
一緒に結合される多くのY−部位を含んで成る、拡張された、中空の分節管が提供される
。一緒に結合されたY−部位の個々は、血液又は血漿供与物のアリコートを含む。
【0047】
下記においてより詳細に記載されるように、前のY−部位出口を次のY−部位分岐口に
結合する管セグメントはまた、連続的な、個々の及び結合されたサンプルアリコートを定
義するためにヒートシール42aを供給され、ここで個々は適切には、個々のY−部位を含
んで成る。個々のそのようなY−部位は、形成されるべき特定の発生プールのために必要
とされる特定量の血液又は血漿を含む。個々のY−部位を単離するための密封は、管セグ
メント50が血漿供与物容器から除去された後、実施され得、又は管セグメントがまだ結合
されている間に実施され得る。好ましくは、Y−部位を単離するための密封は、管セグメ
ント50が血漿供与物容器にまだ結合している間に実施され、その結果、密封工程の間、管
の一部の偏平化を引き起こす体積減少がサンプルの内部静水圧の上昇を引き起こさない。
管セグメント50が血漿供与物容器に連結したまま存在する場合、ヒートシールにより創造
される管の体積低下により創造される過剰の流体が、供与物容器中への戻りを可能にされ
る。従って、サンプル抽出の間、危険な噴出を導びく過剰の静水圧が安全に軽減される。
【0048】
密封は、圧縮され、そして密封される領域の長さがシールのいづれかの側上の管セグメ
ントの結合性を妨害しないで、シールの中央を通して切断することによって、お互いから
の結合されたY−部位の分離を可能にするのに十分である限り、いづれかの既知方法、た
とえば熱−圧縮密封(溶封)、音波溶接、又は同様の方法により実施され得る。
【0049】
図3−A及び3−Bを参照すれば、好ましい態様においては、パウチ(図2−Aの42)
及び/又はY−部位(図2−Bの51)間のシールは、平らなパッド領域46を含み、そのパ
ッド領域は中央の狭い部分47を含み、これを通して、シールが連結されたパウチを分離す
るために切断又は裂かれる。切断は、個々の分離されたパウチが分離の後、いづれかの端
での圧縮されたタブ部分48で密封されたまま存続することを確かにするために、中央部分
を通して行なわれる。シールパッドの長さは、選択される分離方法に依存して、大きく又
は小さくされ得る。分離は、外科用メス、断裁カッター、又は単純な一対のハサミの使用
により行なわれ得る。
【0050】
図4−Aを参照すれば、パウチを容易に分離し、そしてセグメントにそってそれらの序
列番号を同定するための手段を包含する、特定の所望するサイズのパウチを供給するため
に有用な密封装置60の典型的な態様が示されている。密封装置60は適切には、それぞれ対
立する第1及び第2定盤を含んで成り、個々は定盤の対立する表面上で互いに間隔を開け
られた関係で配置される多くの突出されたシールヘッド部分63を含む。
【0051】
密封装置60は好ましくは、突出されるシールヘッド部分63が、1つの突出されるシール
ヘッド部分からもう1つのその部分までの空間が変化できるよう、それらのそれぞれの定
盤にそって移動できるよう構成される。突出されたシールヘッド63は、くぼみのシールヘ
ッド間の距離が段階的により小さくなり、その結果、密封が段階的により密接した空間の
間隔で管セグメントの長さにそって実施されるよう、定盤にそって配置され得る。従って
、段階的により小さなサイズのサンプルパウチ、及び従って、段階的により小さな容積含
有物が、所望する位置に、それらのそれぞれの定盤にそって対立するシールヘッドの対を
動かすことによって形成され得る。
【0052】
血液又は血漿サンプルにより充填されたプラスチック管セグメントの長さにそって複数
のヒートシールを形成するためには、管セグメントが、密封装置60内のそれぞれ、上方及
び下方の密封定盤61及び62間に配置される。対立する定盤がお互い密接せしめられ、従っ
て、管セグメントを圧縮し、そして密封する。図4−Aに示されるように、個々の定盤の
長さにそって多くの互いに間隔を開けられ、拡張され、又は突出されたシールヘッド部分
63は、くぼみ部分64と交互に存在する。
【0053】
対立する定盤が突出されたシールヘッド部分63間で圧縮される、血液又は血漿サンプル
により充填されるプラスチック管セグメントのそれらの部分上にヒートシールを形成する
ために一緒に移動されるにつれて、チャンバーがその対立するくぼみ部分64により形成さ
れる。チャンバーは、圧縮される予定でないが、しかしむしろパウチ中に形成される予定
である管セグメントのそれらの部分を適応するために供給される。個々の密封された対の
くぼみ部分により定義される個々のチャンバーは、パウチを収容するよう形状化される。
【0054】
ヒーター65は、密封装置が接近される場合、管セグメント上に対立する突出部分がヒー
トシールを形成するよう、定盤の個々のシールヘッド部分を加熱するよう形状化される。
ヒーター65は、良く知られたヒータータイプの1つ、たとえば輻射ヒーター、誘導又は抵
抗ヒーター、又は同様のものであり得る。ヒーター65は好ましくは、くぼみを過度に加熱
しないで、突出部分を加熱するよう、突出されたシールヘッド63の個々に直接的に連結さ
れる。
【0055】
所望には、絶縁が、突出された部分とくぼみ部分との間での熱伝達を減じるよう提供さ
れ得る。典型的な態様においては、冷却装置66、たとえば冷却又はラジエータフィン、移
動空気流、又は低温フィンガーがまた、密封装置60に連結され得る。冷却装置66は、くぼ
み部分64の個々に直接的に連結され、その結果、対立するくぼみ部分が一緒に移動する場
合に定義されるチャンバーが低温で維持される。従って、密封工程の間、チャンバー内に
形成されるパウチに含まれる血液又は血漿サンプルは、ヒートシールの高温により損傷を
受けない。
【0056】
シールのほぼ中央を通しての狭い領域(図3−Bの47)は、シール定盤の拡張されたシ
ールヘッド部分64の中央下に供給される延伸された隆起構造体67により形成される。管セ
グメントが上部及び下部密封ヘッド間で圧縮されるにつれて、隆起67がシール部分の上部
及び底部表面上にくぼみを強制する。くぼみはシールの中央を含んで成るプラスチック材
料を狭くし、従って、その分離を容易にする。
【0057】
本発明の1つの態様において、隆起67は、管セグメントの主軸に対して直交する方向に
配置されるパーホレーションを提供するためにのこ歯状にされ得る。パーホレーションは
、サンプル含有領域を通しての偶然な切断によるパウチの結合性を妨害することの、鋭い
目的物による切断に固有の危険性を伴わないで、個々の及び結合されたパウチのお互いか
らの除去を可能にする。パーホレーションは、好ましくは、シールヘッドにのこ歯を供給
することによって、密封工程の間に提供される。他方では、パーホレーションは、別々の
孔あけジグ又はダイの使用により、その後すぐに提供される。
【0058】
手段68はまた、密封定盤を一緒に圧縮し、そして従って、管セグメントの長さにそって
シールを形成するために、密封装置60を開放し、そして閉じるよう供給される。そのよう
な手段は、当業界において良く知られており、そして適切には、1つの支持フレームに結
合されるレバーハンドルにより開放し、そして閉じ、そしてたとえばヒンヂに対してその
フレームを動かす手動装置を含んで成る。他の適切な集成装置は、垂直ガイド、バネ、又
は水力学的に作動されるピストンプレス、又は他の通常の機械的、電気的又は水力学的プ
レスを含んで成る。
【0059】
図4−Bを参照すると、特定の所望するサイズのパウチを形成するために、又は一緒に
連結されたY−部位を個々のサンプル含有アリコートに単離するために、均等な互いに間
隔を開けられた間隔で熱−圧縮ヒートシールを提供するために有用な密封装置70の特定の
態様が半−略図で示されている。密封装置70は適切には、市販のインパルスシーラー、た
とえばSantaFe Springs, Californiaの ALINE Companyにより製造され、そして市販され
ているALINE M−シリーズのインパルスシーラーのそれぞれの圧力レバー及びシールバン
ドにそって固定されるよう適合された、それぞれ、上部及び底部定盤71及び72を含んで成
る。図4−Bに示される特定の態様は、ALINE MC−15 Impulser ヒートシーラーに結合さ
れるよう適合された二部分ヒートシールヘッドであり、そして本発明のシステム及び方法
に従ってさらに処理するためにMC−15による血漿の予備充填されたパウチの生成を可能に
する。
【0060】
ヒートシールヘッド70の底部定盤72は、適切な硬く、耐熱性材料、たとえばDuPont Cor
porationにより製造され、そして市販されている積層されたKevlar・により構成される。
示される態様においては、底部定盤72は好ましくは、MC−15 Impulseヒートシーラーの固
定表面上に固定するために約15インチの長さである。底部定盤72は、中心に配置され、そ
して底部定盤72の全体の長さにそって存在する縦スロット73を包含する。その縦スロット
73の幅は、スロットの長さにそっての嵌合された態様において、約0.1875(3/16)イン
チの外径を典型的には有する標準の医学用管を適合せしめるために約 0.2インチである。
【0061】
多くの横スロット74が、中央のスロット73の方向に対して直交する方向に配置される底
部定盤72の長さにそって互いに間隔を開けられた一定間隔で供給される。横スロット74は
、約 0.5インチの幅を有し、そして1.125(1−1/8)インチの中心上に位置する。従っ
て、個々の横スロットは、約0.625(5/8)インチの幅である中央の縦スロット73により
中心から分けられた定盤材料の残留ブロックによりその隣接物から分離される。
【0062】
それぞれ、縦及び横スロット73及び74の両者は、底部定盤72の材料を通して単に部分的
に切断され、それにより、縦及び横スロットの両者の底部表面を定義する実質的に平らな
ベッドが形成される。装置がヒートシールを形成するために使用される場合、長さ0.1875
(3/16)インチの標準の医学用管が、縦スロット73にそって正しい位置に嵌合され、そ
してヒートシール工程の間、軸受面として機能する底部定盤のベッド75上に位置する。
【0063】
加熱要素76、たとえばニッケル−クロム(NiCr)抵抗ワイヤがスロットからスロットに
スネーク−型で供給され、そしてスロットのほぼ中央に底部定盤を含んで成る個々の横ス
ロットにそって長く配置される。加熱要素76が横スロット74の中央を横切る場合、NiCrワ
イヤは、たとえばTiflon・テープの断片によりワイヤを被覆することによって、感温性プ
ラスチック管との接触を妨げられる。従って、密封工程の間、その密封装置内に形成され
るパウチに含まれる血液又は血漿サンプルは、ヒートシールの高温により損傷を受けない

【0064】
上部定盤71はまた、約15インチの長さであり、そしてMC−15ヒートシーラーの圧力レバ
ーにより、底部定盤72上に吊り下げらられている。上部定盤71は、耐熱性プラスチック材
料、たとえばLexan・又はミルドKevlar・から構成され、そしてその底部表面から突出し
、そして底部定盤の方向に延長する一組の等しく互いに間隔を開けられた、一般的に長方
形の歯を含んで成る。歯77は約 0.5インチの長さであり、そして中心から1.125(1−1/
8)インチの間隔で存在する。
【0065】
従って、歯77の個々は、底部定盤72の横スロット74により定義されるキャビティ中に嵌
合するよう必要な寸法にされていることが見出され得る。上部定盤71の歯77の個々は、底
部定盤72の横スロット74及び縦スロット73の対応する交点上に吊り下げられるよう位置す
る。従って、個々の歯77は、ヒートシール定盤がMC−15装置の移転操作により一緒に閉鎖
される場合に定義されるキャビティ中に嵌合するよう形状化される。
【0066】
柔軟な管セグメントが縦スロット73内に配置された後、上部定盤71が、MC−15ヒートシ
ール装置の蓋を下げることによって、底部定盤72と接触せしめられる。蓋が下げられるに
つれて、上部定盤71の歯77が、底部定盤72の横スロット74により定義されるキャビティ中
に入り、そして個々の横スロット74の交点でベッド75上に暴露されたまま存在する管セグ
メントの部分を、中央の縦スロット73と接触せしめる。電流が、管セグメントのプラスチ
ック材料の軟化を引き起こすニッケル−クロム耐熱性ワイヤに適用される。同時に、上部
定盤71が底部定盤上に圧縮され、従って、加熱要素76により軟化されるプラスチック材料
に圧力が適用される。
【0067】
密封した後、管セグメントは、元の血漿表示に対応するユニーク識別体により、少なく
とも1つの端上にラベルされる。これは、たとえばセグメント上にラベルを接着すること
によって、又は管材料上に直接、バーコードされた標識を付与することによって達成され
得る。調製されたくぼみ78は適切には、予備プリントされたバーコード識別体タッグを保
持し、そして並べるためにヒートシーラー70上に提供される。そのようなタッグは、適切
な溶封可能材料から形成され、そして同定目的のために第1のシール位置で管セグメント
に溶封される。次に、サンプル含有パウチを包含する管セグメントが保存のために凍結さ
れる。
【0068】
図2−Aに戻ると、個々の血漿表示を含んで成るシステムの種々の部分のすべてを明確
に同定することが重要である。従って、ユニーク識別体、たとえばコードされた糸状物、
コードされたドット、バーコード、又はユニーク識別体によりコードされる他の構造体が
、血漿収集システムの物理的構造体に配置され得る。
【0069】
たとえば、1つの態様においては、コードされた糸状物37が供与物容器20に成形され、
コードされた糸状物39がボトルキャップ22の縁にそって成形され、コードされた糸状物41
が試験容器28の側部にそって成形され、そしてコードされた糸状物43が互いに間隔を開け
られて管セグメント中に成形される。管セグメントにおけるユニーク識別体は、管セグメ
ントの長さにそって移動し、そしてコードが、そのように調製された個々のセグメントの
識別完全性を維持しながら、管セグメントの断片化を可能にするために反復される。さら
に、供与物システムの個々の部分が同じコードにより同定され、その結果、供与物の同一
性がシステムのすべての部分のために維持される。
【0070】
図3−A,3−B及び4−Aに戻ると、元の管セグメントの直線の長さにそってのパウ
チの位置に等しいα又は数字コードにより同定されるセグメントにそってそれぞれ個々の
パウチを有することがさらに所望される。そのようなコードは、たとえばスタンピングダ
イの使用により隣接するパウチ間に位置するシールパッドの圧縮された部分上にプリント
され得る。
【0071】
そのようなスタンピングダイは、図4−A及び4−Bに示されるように密封装置の一体
部分を含んで成り、その結果、密封、種々のサイズのパウチの形成、及び容易な分離のた
めへの狭いか又はパーホレートされた領域の供給、並びに番号の識別が、すべて単一の効
果的段階で達成され得る。他方では、α又は数字識別体は、パーホレートジグ又はダイの
部分を含んで成ることができる。管セグメントにおける連続的なパウチがα(a,b,c
,…)又は数字(1,2,3,…)特性の対応する連続的ストリングにより、それぞれ同
定されるように、α又は数字特性を次の連続的特性に進めるための手段を包含するスタン
ピングダイは知られている。
【0072】
従って、第1の試験プールがいくつかの供与物からのパウチから調製される場合、品質
管理検査は、個々の管セグメントからプールされるすべてのパウチが同じ位置コード、た
とえば番号1を有することを確かめることによって実施され得る。同様に、同じ供与物の
サンプルから第2の試験プールを調製する場合、品質管理検査は、個々の管セグメントか
らプールされるすべてのパウチが、たとえばパウチの圧縮された部分上にいくつかの点で
プリントされた番号2を有することを確かめることによって実施され得る。
【0073】
供与物の効果的 PCR試験をもたらすためには、試験容器28における個々の供与物から取
られる血清学的試験サンプルが、特定のウィルスに対して表示される種々の既知の抗原及
び/又は抗体について試験される。サンプルが1又は複数の既知の抗原又は抗体試験に関
して陽性である場合、個々の供与物及びその対応する管セグメントがさらなる試験から排
除され、そして両者が適切な態様で廃棄され得る。
【0074】
残存する血清学的陰性供与物に対応する管セグメントが同定されたグループに分割され
、ここで個々のグループは、選択された数の供与物を含んで成る。下記にさらに記載され
るように、グループ当たりの供与物の数は、特定の高感度試験、たとえば PCR試験の感度
、血漿サンプルにおける興味あるウィルス RNA又は DNAの予測される濃度、及び一般的な
ドナー集団内に存在する PCR陽性サンプルの予測される頻度により決定される。たとえば
、反復プラスマフェレーゼドナーの集団において興味ある RNAを含むC型肝炎ウィルスの
検出のためには、100〜700 の個々の供与物のサンプルをプールすることが適切である。
ウィルス汚染がしばしば生じる集団のためには、50〜100 の個々の供与物のより少ないプ
ールが適切である。
【0075】
本発明に従ってPCR試験プールを調製するための方法の1つの態様は、図5及び図6に
記載されるであろう。一般的に力価プレートへの適用において類似するが、しかし本発明
の実施に従って形状化されたサンプリングプレート80が供給される。サンプリングプレー
ト80は、一般的に規則的な配列でプレート上に水平に配置される半円柱状サンプルウェル
81を含むよう形状化される。本発明の方法を実施するために使用される適切なサンプリン
グプレートは、8×8(横/縦)の長方形態様で配列される64のそのようなサンプルウェ
ルを有する。サンプリングプレート80とほぼ同じ外寸を有するカバープレート82がまた供
給される。
【0076】
カバープレート82は、サンプリングプレート80の表面を、締り嵌め結合して被覆するよ
う適合される。貫通穴83は、サンプリングプレート80のサンプルウェルと同じ配列態様で
カバープレート上に配置される。カバー82がサンプリングプレート80の表面上に置かれる
場合、貫通穴83はサンプルウェル81上に垂直に位置し、それにより貫通穴を通してサンプ
ルウェルとの連結を可能にする。貫通穴の直径は、試験サンプルパウチ及びその対応する
サンプルウェルの表面積よりも実質的に小さい。しかしながら、貫通穴の直径は、針又は
他のカニューラ様物体が穴を通過し、そしてその下のサンプルウェルに入るよう十分に大
きい。
【0077】
図6に示されるように、最終(第1世代、“番号1")パウチ84は、試験されるべき特定
の PCRグループに属するものとして同定された個々の管セグメントから除去される。個々
の最終パウチ84は洗浄されるが、しかし開放されず、そしてサンプリングプレート80の対
応するサンプルウェル81に配置される。カバープレート82が、サンプリングプレート80の
上部に固定され、そしてプレート、カバー及びパウチが適切な温度で融解される。
【0078】
約0.02〜0.5mlの等体積の血漿が、個々のパウチから除去され、そして試験容器にプー
ルされる。針85又は他のカニューラ様装置が、カバープレートにおける貫通穴を通して、
そして下部のサンプリングプレートサンプルウェル中に直接的に挿入され、それにより、
パウチの側壁の管材料を突き刺し、そしてそこにおける血漿サンプルに近づく。典型的な
態様においては、針は、パウチに含まれる血液又は血漿のすべてを抽出し、そして周囲ト
レーへの流体のいづれかの漏れを最少にするために連続した真空又は吸込を提供する装置
に連結される。
【0079】
針は、針の貫通穴及びパウチの上部壁を通しての移動を可能にするが、しかしその下方
向への進行を制限する装置に保持され得、その結果、針は、パウチがサンプルウェルにあ
る場合、パウチの底壁の接触又は突刺しから保護される。カニューラが、サンプルを抽出
した後、抜き取られる場合、貫通穴を囲むカバープレート材料86は、図6に示されるよう
に、カニューラと共にパウチの偶発的抜取りを妨げる。
【0080】
PCR試験プールを調製するための方法は個々のサンプルウェル中にカニューラをそれぞ
れ挿入することによって、サンプルを手動的に抽出することにより記載されて来たが、そ
の方法は自動化された方法を用いて同等に実施され得る。個々のウェルにパウチを含むサ
ンプリングプレートは、カバープレートにおける貫通穴の配置に対応する態様で配列され
るカニューラのサンプリングプレート上への圧縮下降を可能にし、それにより、サンプル
パウチのすべての突き刺しを可能にし、そして同時に、サンプルがそれから抽出されるよ
う保持され得る。他方では、単一のカニューラ又はカニューラ保持装置が個々のパウチを
連続的に突き刺し、そして流体を抜き取るよう自動化されるか又はプログラムされ得る。
キャリーオーバーの汚染を防ぐために、きれいなカニューラが個々のプールのためのサン
プルを抜き取るために使用される。
【0081】
さらに、サンプリングプレート、サンプルウェル、カバー、貫通穴及びカニューラの組
合せが、サンプルパケットからのサンプル流体の抽出に関して記載されるが、図2−Bの
Y−部位サンプル容器からのサンプル流体の抽出に同等に適用できることは、当業者に明
らかであろう。図5及び図6のサンプルウェルの形状は、流体保持容器の形状により決定
され、そして単にマイナーの変更が、Y−部位のためにそれらを再形状化するために必要
とされる。たとえば、サンプルウェルは、個々のY−部位が挿入される、垂直に配向され
た、拡張されたシリンダーを含んで成る。
【0082】
ノッチが、Y−部位の分岐口が位置する戻り止めとして機能する個々のサンプルウェル
の上方周囲近くの適切な位置に供給され得る。これはまた、個々のY−部位を方向づけ、
そして追加の位置安全性を提供するよう機能することができる。図5及び図6に関して記
載されるのと同じ態様において、流体は、個々のY−部位の接近口を通して及びサンプル
との流体連絡中にカニューラを挿入することによって、個々のY−部位から抽出され得る
。カニューラがその接近口から除かれる場合、個々の貫通穴を取り囲むカバープレート材
料が止めとして作用し、そしてサンプルウェルからのY−部位の抜き取りを妨げる。
【0083】
この形状が自動化された方法を用いて本発明の実施のために同等に適切であることは、
当業者に明らかであろう。一群のカニューラがカバープレートにおける貫通穴の配置に対
応する態様で配置され得、それにより、Y−部位の接近口のすべての突き刺しを可能にし
、そしてサンプルがそれから同時に抽出される。他方では、単一のカニューラ又はカニュ
ーラ保持装置が、個々の接近口を連続的に突き刺し、そして個々のY−部位から流体を抜
き取るよう自動化されるか又はプログラムされ得る。
【0084】
本発明に従ってPCR試験プールを調製するために適切な装置及び方法のさらなる態様が
、図7,8,9−A,9−B及び10に記載されるであろう。まず、図7を参照すれば、複
数の血漿サンプルからの押し出された流体を含んで成る血漿供与物プールが、電動化され
た水圧プレス90において、多くの血漿供与物サンプルパケットから調製される。水圧プレ
ス90は適切には、サンプルパケットが配置される圧縮シリンダー91、及びサンプルパケッ
トを圧縮する水圧的に作動されるピストン92を含んで成る。パケット内に含まれるサンプ
ルは、適切な圧縮ガス、たとえば圧縮空気又は窒素により圧縮シリンダー91から押し出さ
れ、そしてプールとしてプール用容器に収集される。
【0085】
最初に、発生パウチ(たとえばパウチ#1)が、試験される特定の PCRグループに属す
るものとして同定されている個々管セグメントから除去される。個々の発生パウチは、洗
浄されるが、しかし開口されず、そしてプレス90の圧縮シリンダー91内に配置される。圧
縮シリンダーの負荷は、構造的結合性を失なっているパケットによる周囲環境の偶然な汚
染に対して安全にするために、クラス・生物安全フード及び空気−流路の環境内で実施さ
れる。
【0086】
下記でより詳細に記載されるべき態様においては、圧縮ピストン92は、その圧縮シリン
ダー91の内容物の封じ込めが確かめられ、そしてシリンダー91及びピストン92の組合せが
サンプルパケットを完全に密閉するような態様で、圧縮シリンダー91の開放スロート91a
中に堅く嵌合される。圧縮ピストン92が圧縮シリンダー91にかみ合う態様は、シリンダー
91の外部環境がサンプルパケットにより含まれるいづれかのサンプルに存在することがで
きるいづれかの有害なウィルスによる汚染から保護されることを確保するよう企画される

【0087】
圧縮シリンダー91は、次に、水圧プレス90上の正しい位置にシリンダーを配置し、そし
てさらに、水圧シリンダー95に操作的に連結される水圧軸94の圧縮ピストン92への配置及
び嵌合を可能にするシリンダー受座93上に固定される。下記でさらに詳細に記載されるで
あろう態様においては、圧縮ピストン92は、そのピストン92が水圧シリンダー95の操作に
より高められ、そして低められるよう、水圧軸94に開放可能的に結合される。
【0088】
シリンダー91及びピストン92がシリンダー受座93上に正しく配置され、そして軸94を通
して水圧シリンダー95に結合された後、制御弁96が圧縮シリンダー91内のサンプルパケッ
トを圧縮する軸94及びピストン92上への水圧シリンダーの力の発揮を引き起こすために作
動される。水圧シリンダー95は、流体溜め99に対して低圧流体をポンピングし、それによ
りシリンダー95を作動せしめる水圧往復ポンプを作動する4馬力の240ボルトAC電気モー
ター97により作動される。約4,000ポンドの力が、ピストン92によりサンプルパケットに
適用される約800〜900psiの圧力を展開する水圧軸94でポイント負荷される。
【0089】
サンプルパケットが圧縮された後、そこに含まれる流体供与物サンプルは、たとえば、
圧縮ピストン92に供給されるポプ−オフ(pop-off)弁 102に圧力調節器 101を通して連結
される圧縮された空気シリンダー 100により供給される圧縮ガスにより、圧縮シリンダー
91から抽出される。ポプ−オフ弁102の正しい作動を可能にするために、まず、ピストン
92がその十分に延長された圧縮ピストンからわずかに上げられる。
【0090】
圧縮された空気は、ポプ−オフ弁の限界圧力に達するまで、圧力調節器 101を通してシ
リンダー91中にガス抜きされる。次に、弁102が開き、シリンダーの底部に供給される収
集口 103を通して、圧縮シリンダー91から血漿プールを押出すシリンダーの内部のその圧
縮されたガスによる加圧を可能にする。次に、血漿プールは、流体が圧縮された空気によ
りシリンダーから押出されるにつれて、急送ライン又は管により収集口 103に連結される
プーリング容器に集められる。圧縮された空気は、ブリーチトラップを通過した後、クラ
ス・生物学的安全性フード中に排出される。
【0091】
図8を参照すれば、本発明の原理に従って構成された圧縮シリンダー91の部分的に切断
された断面図が示される。圧縮シリンダー91は適切には、上部及び底部表面を有する一般
的に円状のベースプレート 105、及び上部表面から上方に延長する円周方向リップ 106、
並びにその内面中に切られるねじ山を含んで成る。両端で開口する円柱状シリンダー壁 1
07がその底部端の外面上にねじ山が切られる。
【0092】
溝又はノッチ108がシリンダー壁 107の底部端の内面に切られ、その結果、ベースプレ
ート 105の上部表面に平行に配置され、そしてそれに対して反対の面を表わす環状リップ
109が定義される。シリンダー壁107がベースプレート 105中にねじ込まれるにつれて、
ベースプレート105の表面上に配置されるスクリーンプレート 110がシリンダー壁 107の
環状リップ 109により嵌合され、そして環状リップ109とベースプレートの上部表面との
間に圧縮される。
【0093】
図9−A及び9−Bを参照すると、スクリーンプレート 110は一般的に、サンプル含有
パケットが、それらが圧縮ピストン92により圧縮される場合に押しつけられる円状のディ
スク形状プレートである。図9−Bに示されるように、スクリーンプレート 110は、流体
側溝含有ラジアルスロット 111、及び同軸円形スロット 112を包含し、すべてのスロット
は約1/32インチの幅を有し、そしてそれらはスクリーンプレートの上部表面に切り込ま
れる。ラジアルスロット 111は、スクリーンプレート 110の中央に向かって傾斜する角度
で切り込まれ、ここでそれらはベースプレート 105を通して穴開けされる1/4インチの
排水管114(図8に見出される)を通して排出する、軸方向に位置するドレン又は溜め113
で終結する。
【0094】
図8に戻れば、シールが、シリンダー壁 107とスクリーンプレート 110との間に、その
ような目的のためにベースプレート 105中に切り込まれるシールレース 116に供給される
O−リング 115を嵌合し、そして圧縮することによって形成される。シールレース116は
、O−リング115がスクリーンプレート 110及びシリンダー壁 107の垂直交点下に存在す
るようベースプレートに位置する。
【0095】
ステップ 117はベースプレート105中に切り込まれ、そして嵌め合い溝 118はスクリー
ンプレート中に切り込まれ、その結果、正の戻り止めは、シリンダー壁 107がスクリーン
プレートと正しく嵌合し、そしてそれらの交点がO−リング 115と正しく嵌合するよう、
O−リングとの正しい配置のために、ベースプレート上にスクリーンプレートを正確に設
置することができる。
【0096】
図10を参照すれば、本発明の原理に従って供給される圧縮ピストン92の部分的に切断さ
れた断面図が示される。圧縮ピストン92は、ピストンヘッド 120から突出する、軸方向に
延長し、中心に位置するカップ 121を有する一般的に円柱状のピストンヘッド 120を含ん
で成り、前記カップ121は、一般的に円柱状の壁及び1つの開方端を有し、それにより、
一般的に円柱状の水圧シリンダー軸94を受けるためのソケット 123を定義する。
【0097】
環状フランジ122は、円柱状カップ 121の円周のまわりに供給され、そしてカップの開
放マウスを取り囲む。フランジ 122の外面は、面取りされており、その結果、その面取り
された表面は、ピストンヘッド 120の本体の方に直径が大きくなる。水圧軸94がソケット
123中に進行するにつれて、一対のバネ押しの止めクリップ124は、それらが環状フラン
ジの位置の戻りを止め、そしてその下面をグリップするまで、環状フランジの面取りされ
た表面上に進行する。
【0098】
ソケット 123との嵌合を適合するためには、個々の止めクリップ124は、ピストンヘッ
ドの環状止めリング122の面取りされた表面にそって進む面取りされた歯 125を包含し、
それにより、バネ押し止めクリップ 124のジョーを広げ開口する。水圧軸94が進行し続け
るにつれて、止めクリップ 124の面取りされた歯 125は最終的に、環状止めリング 122の
面取りされた表面を通過し進行する。止めクリップのバネ押しは、カップ側壁の外面と面
取りされた歯との接触を可能にする。従って、止めクリップ 124の歯は、環状止めカラー
122の下表面と嵌合され、それにより、圧縮ピストン92をグリップし、そしてピストンの
両方向への移動を引き起こすための手段を提供する。
【0099】
さらに、バネ押し止めクリップ 124が、面取りされた止め歯 125の反対側のクリップの
端を一緒に単純に絞ることによって、環状止めリング 122から容易に分離され得ることは
、当業者に明らかであろう。従って、ピストンヘッド 120、円柱状の中心方向に固定され
るカップ 121、環状止めリング122及び止めクリップ 124は組合して、圧縮ピストン92か
ら水圧軸94をすばやく且つ容易に分離するための手段を提供することが見出されるであろ
う。このすばやい分離特徴は、洗浄、殺菌、追加のサンプルパケットによる再充填及び同
様のもののために水圧 110のシリンダー受座93からのピストン92及びシリンダー91の組合
せの容易な移動を可能にする。
【0100】
図10に示されるように、圧縮ピストン92はさらに、ピストンヘッド120の周囲に提供さ
れるシールレース178に配置されるいくつかのO−リング 126を包含する。O−リングは
、ピストンヘッド120の円周方向外表面と圧縮シリンダー91のシリンダー壁 107の円周方
向内表面との間に密圧シールを形成するために供給される。複数のO−リングシールは、
シリンダー91の限界内への実質的に汚染されたサンプル流体の閉じ込めを確保するために
、一定基準の安全性及び保障を提供する。3本のO−リング 126が図10の例示態様に示さ
れているが、より多くの又はより少ない数のO−リングシールが、本発明に従って供給さ
れ得る。必要とされるすべては、シールが、シリンダー内への実質的に汚染された流体の
閉じ込めを確保するために、圧縮ピストン92と圧縮シリンダー91との間に形成されること
である。
【0101】
図8に戻ると、圧縮シリンダー側壁は、その側壁の内面中に規格化される 0.020インチ
の面取りされたステップを包含する。従って、シリンダー側壁 107の上部から約1インチ
の第1の側壁は、スクリーンプレート 110及びベース 105の方に下方に延長するシリンダ
ー側壁 107の残る部分の内径(ID) よりも約 0.040インチ大きなIDを有するよう規格化さ
れる。ステップと残る側壁部分との間の界面は、わずかに大きな上方IDからわずかに小さ
な下方IDまで比較的滑らかな、ある角度に方向転換された遷移を提供するために、面取り
されている。
【0102】
シリンダー側壁107上のステップは、圧縮ピストン92がO−リング(図10の126)とシリ
ンダーのID表面との間に作られる単にわずかな接触を伴って、圧縮シリンダー91の開放ス
ロート中に手動的に挿入され得る。手動的に集成されたピストン及びシリンダーの組合せ
がシリンダー受座(図7の93)上に配置されるとすぐに、水圧軸94がピストンのソケット
123と嵌合するよう進められ、そして止めクリップ124がピストンヘッドの環状止めカラ
ー 122の下面に対して戻り止めになるまで延長される。次に、水圧軸94がシリンダー中に
さらにピストンを押し込むために、さらに進められ、それにより、シリンダー壁のID上に
ステップ 130を越えてO−リングを押し進める。ステップを越えて押される場合、O−リ
ングはシリンダー側壁 107のIDとピストンシールレース 127との間で十分に圧縮し、それ
により密封を形成する。
【0103】
操作においては、圧縮ピストン92が、シリンダー内に含まれるサンプルパケットを圧縮
するのに十分な圧力である約 800〜900psi(4,000ポンドの力点が水圧軸で負荷される) の
圧力を発生する。血液又は血漿サンプル流体は、スクリーンプレートに供給される流体側
溝にそって流れ、そして中央の溜めに流れ、ここでそれが集められ、そして抽出口からの
流出、そしてプーリング容器中への流れを可能にされる。
【0104】
圧縮操作に続いて、水圧シリンダー95は、圧縮されたサンプルパケットの塊状物以上に
少しの距離(約1/2〜1インチ)、圧縮ピストン92を押し上げるよう操作され、それに
より、シリンダー内にチャンバーを創造する。圧縮されたガ、たとえば圧縮された空気が
、ピストン92におけるポプ−オフ弁102を通してチャンバー中に押込められる。そのチャ
ンバーの加圧は、いづれかの残存する血液又は血漿サンプル流体の出口 103を通してのシ
リンダーからのプーリング容器への押出しを引き起こす。
【0105】
圧縮及びプーリング操作が完結されるとすぐに、出口 103に連結される押出しラインが
クランプされ、いづれかの追加のサンプル流体のシリンダーからの排出を妨げる。この押
出しラインはブリーチ容器中に配置され、そして水圧シリンダー95がシリンダーにおける
ピストンのさらなる上昇を引き起こされ、それにより、容器からシリンダー中にブリーチ
を吸い上げる吸引力を創造する。好ましくは、圧縮及びブリーチ吸い上げ段階は、いづれ
かの血液又は血漿サンプルの“フラッシュバック”流体が圧縮シリンダー91から十分に押
出され、そしてブリーチが圧縮チャンバーの内部容積を満たすための十分な機会を有し、
それにより、その内部に見出され得るいづれかの著しいウィルス汚染を減じることを確保
するために、さらに2度、反復される。
【0106】
次に、すばやいクランプの開放が操作され、そしてピストン/シリンダーの組合せが水
圧プレス90から除かれ、そしてたとえばオートクレーブにおける殺菌工程にゆだねられる
。ピストン及びシリンダーは続いて、それらを10%のブリーチ溶液に15分間ソークし、次
に水、1% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)界面活性剤、及び再び水により、オートクレ
ーブの前、すすぐことによって、化学的に清浄され得る。オートクレーブ殺菌のための十
分な時間が存在しない場合、化学的な清浄は70%のETOH及び無菌水の溶液により行なわれ
得る。
【0107】
そのような追加の化学的清浄が所望される場合、それは、HEPAフィルターを通して消耗
するクラス・生物安全フードにおいて実施される。そのフード下で、圧縮シリンダーは圧
縮されるべき次のグループのサンプルパケットにより充填され、そして圧縮ピストン92が
圧縮シリンダー91の開放口中に手動的に挿入され、そしてピストンのO−リングがシリン
ダーの側壁に形成される面取りされたステップと接触するまで、押し下げられる。新しく
再負荷されたシリンダー/ピストンの組合せは現在、圧縮プレス90のシリンダー受座93上
に容易に配置される。水圧シリンダー95が、すばやい開放クランプがピストン上の環状止
めリングと嵌合するよう、水圧軸94のピストン92上への押し下げを引き起こすよう操作さ
れる。圧縮、押出し、及びブリーチ−清浄工程が反復される。
【0108】
前述から、電気的に作動される水圧プレス(クラッシャー)90は、最少の時間での多数
のサンプルパケットからの血液又は血漿サンプルの収穫を可能にする。そのような装置に
より圧縮され得るサンプルパケットの数は、装置の規模、及びシリンダーに含まれるサン
プルパケットの塊状物に対しての圧縮ピストンにより発生せしめられ得る圧力により主に
制限される。例示される態様の水圧プレスにより発生される 800〜900psiの圧力は、図2
−Aに関して記載されるタイプの64個までのサンプル含有パケットを完全に圧縮するのに
十分である。従って、 512個までのサンプルを含んで成る大規模プールは、本発明のクラ
ッシャーによる8回の操作サイクルにより形成され得る。これは、 512個のサンプルポケ
ットがそれからサンプルを収穫するためにカニューラにより個々に接近される方法よりも
プール形成時間において有意な減少を提供する。
【0109】
さらに、 512個までのサンプルを含んで成る単一の大規模プールは、シリンダーにおけ
る多数のサンプルポケットを収容するのに十分に大きくされたクラッシャー装置から形成
され得ることは、当業者に明らかであろう。水圧プレス部分はまた、高められた数のポケ
ットのより高い抵抗を克服するために高い圧縮力を提供するようサイズ的に大きくされ得
る。上記で言及されたように、プールサイズは単に、クラッシャーの所望する規模により
制限される。
【0110】
図11を参照すれば、最少数の個々の試験によりユニークPCR陽性供与物の同定を可能に
する、本発明のPCR試験方法のフローチャートが示される。
工程は、種々の因子、たとえば一般的なドナー集団における興味あるウィルスの発生の
頻度、プールへの希釈の後のウィルス DNA又は RNAのありそうな最終濃度、及び同様のも
のに依存する適切な初期プールサイズの定義を伴ってブロック 200で開始する。
【0111】
PCR試験はひじょうに敏感であり、そして汚染されたサンプルにおける単一のウィルス
を検出できるけれども、ウィルスは、 PCR試験が陽性結果を付与するサンプルに必然的に
存在すべきである。たとえば、比較的低いウィルス濃度を有する汚染された供与物からの
サンプルが汚染されていない多数のサンプルと一緒にプールされる場合、その得られるプ
ールにおけるウィルスの濃度は、ウィルスが PCR試験のためのプールから採取されるサン
プルに存在しない統計学的確立が存在するほど、ひじょうに低いかも知れない。実際、そ
のようなプールは、ウィルス汚染について陰性の誤った試験結果を付与する。
【0112】
たとえば、0.02mlのサンプルがサンプル1ml当たり500個のウィルスの濃度でウィルス
により汚染された血漿供与物から調製される場合、その0.02mlのサンプルは平均して、10
個のウィルスを含む。この0.02mlの汚染されたサンプルが汚染さていない供与物からの他
の0.02mlのサンプルと共にプールされる場合、その得られる10mlのプールは、1ml当たり
1個の濃度でウィルスを含んで成る。従って、1mlのサンプルが PCR試験のためにプール
から取られる場合、PCRサンプルがウィルスを含まない有意な統計学的確立が存在する。
【0113】
ウィルス汚染のそのような低濃度は、いくつかの方法がそのような低濃度供与物に存在
するウィルスを不活性化するために利用できるので、血漿から生成される生成物に対して
ほとんど脅威を与えない。そのようなウィルス不活性化方法は、溶媒/界面活性剤の使用
、60℃以上での適切な時間の加熱、又は同様の手段を包含する。それらの方法は一般的に
、多くの“対数単位”、ウィルスの濃度を低めることができるものとして記載される。た
とえば、溶媒/界面活性剤方法は、C型肝炎のウィルス汚染を、1ml当たり少なくとも 1
07個、又は“7対数単位”、減じることができる。従って、血漿生成物、たとえば第・因
子、第・因子又はプロトロンビン複合体は、たとえば陰性であることが PCR試験された後
、溶媒/界面活性剤方法により通常処理された血漿供与物から調製され得る。
受容体に直接的に通常輸血される血液生成物に関しては、そのような供与物が陰性であ
ると PCR試験された後、低濃度ウィルス汚染のいくらかの小さな危険性が残っている。
【0114】
図11に例示される態様においては、上記で論じられた因子、たとえばドナー集団におけ
る興味あるウィルスの発生の頻度、及び希釈の後、ウィルスの見込み濃度が評価される。
低濃度で存在するウィルスが検出されない統計学的確立を最少にする、適切に分類された
第1レベルの PCR試験プールが企画される。そのプールは、上記態様で、同定された管セ
グメントの最終パウチの含有物をプールすることによって、ブロック 201で調製される。
ブロック 202で、PCR試験が第1レベルの PCRプールに対して実施される。
【0115】
ブロック 203は、ブロック202において実施された PCR試験の結果に依存する本発明の
方法における決定点を表わす。試験に対して陰性の結果の場合、第1レベルの PCRプール
を製造するために使用されるサンプルに対応するすべての供与物は、ウィルス汚染がない
ものとして仮定され、そして医薬製品にさらに加工するために放される。前記方法は、負
の PCR試験結果を受け取り次第に出る。
【0116】
PCR試験が陽性表示を戻す場合、これは、ウィルス汚染が元の第1レベルのPCRプール
を製造した、1又は1よりも多くの供与物に存在することを示す。ブロック 204で、追加
のサンプルパウチ、すなわち1つの最初に除かれたパウチの次のパウチが、元の第1レベ
ルの PCRプールを含んで成る供与物に対応する管セグメントから取られる。それらの追加
のサンプルパウチは、明確には、本明細書においてA及びBと命名された2種のほぼ等し
いサブグループに分割される。
【0117】
それらのサブグループが、上記と同じ態様で、個々のサブグループプールを形成するた
めに、別々のきれいなカニューラを用いて、別々にプールされ、そしてブロック 205で示
されるように、サブグループプールの1つのみが PCR試験される。2種のサブグループの
1つが試験されることは、本発明のためには重要でない。ブロック 205においては、サブ
グループAが試験されるべきサブグループとして同定されるが、しかしサブグループBは
本発明の方法を妨害しないで、容易に表示され得た。
【0118】
ブロック 206では、サブグループプールAのPCR試験の結果に依存して、決定が行なわ
れる。 PCRウィルス表示に関して陰性のサブグループプールA試験においては、さらなる
試験が、サブグループAを含んで成る供与物からのサンプルに対して行なわれない。むし
ろ、ブロック207で示されるように、次々に、次のサンプルパウチが、次に2種のほぼ等
しいサブグループA′及びB′に分けられるサブグループBを含んで成る管セグメントか
ら取られる。この段階における個々のサブグループは、直前のサブグループを含んで成る
場合、約半分の数のサンプルを含んで成る。
【0119】
サブグループのサンプルパウチの内容物は再び、上記と同じ態様で別々にプールされる
。その成分供与物の少なくとも1つを示す、 PCR試験で陽性であるサブグループAがウィ
ルス汚染されている場合、他の試験されていないサブグループ(図11の例においてはサブ
グループB)が、それがまた、 PCR陽性でないことを確かめるために、ブロック 208で P
CR試験される。サブグループAは現在、ブロック209で示されるように、2種のほぼ等し
いサブグループ(A′及びB′)にさらに分割されるサブグループになる。
【0120】
ブロック 210では、PCR試験が、前段階 207又は 209において定義されたサブグループ
A′又はB′の1つのみに対して行なわれる。この方法が現在、反復し、そしてブロック
206に戻り、ここで決定段階がブロック210で実施された PCR試験の結果に適用される。
再び、 PCR試験結果が試験されたサブグループに関して陰性であることがわかる場合、試
験されていないサブグループは、前のサブグループの約半分のサンプルをそれぞれ含んで
成る、2種のほぼ等しいサブグループにさらに細分割される。試験されたサブグループが
PCR陽性結果に戻る場合、試験されたサブグループは、前のサブグループの半分のサンプ
ルをそれぞれ含んで成る、2種のほぼ等しいサブグループにさらに細分割される。この場
合、処理されていないサブグループが再び、それがまた、 PCR陽性でなかったことを確か
めるために、 PCR試験される。
【0121】
前記試験方法は、試験が完全であることが決定されるまで、ブロック 206〜ブロック 2
10を反復し続ける。試験の完結は、サブグループ分割が、単一の供与物に対応する1つの
サンプルパウチのみをそれぞれ含む2種のサブグループの創造をもたらす場合のように定
義される。サンプルの1つがブロック 210で PCR試験され、そしてその試験結果が陰性で
ある場合、他のサンプルはウィルス汚染された血漿供与物に属するものとして同定される
。試験されたサンプルが陽性である場合、次に、その残るサンプルはまた、それがまた P
CR陽性でないことを確かめるために、PCR試験される。
【0122】
すべての試験の完結に基づいて、本発明の方法は、ブロック 211で終了する。本発明の
試験方法は、初めに試験されたプールが陽性である場合、次のような2つの PCR試験が個
々の試験レベルで行なわれることを単に必要とすることは、図11のフローチャートから明
白であるにちがいない:2種のサブグループの1つについての1つの初期試験、及びその
対応する初期に試験されていないプールが実際、陰性であることを確かめるための1つの
続く試験。その試験方法は、初期に試験されたプールが陰性である場合、個々の試験レベ
ルで単一の PCR試験を単に必要とする。
【0123】
本発明のサンプル試験のためのシステム及び方法の適用が、図12に示されるように、特
定の PCR試験プールサイズに関して、現在記載されるであろう。図12においては、512個
の個々の供与体の最終パウチが、 212で初期 PCR試験プールに形成される。例示のために
は、 512個のサンプルのわずか1のサンプルが興味あるウィルスにより汚染された供与物
から採取された。10個の個々の及び連結されるパウチを含んで成る、図12に示される管セ
グメントは、汚染された血漿供与物容器に元来、連結され、そしてそれから取られる管セ
グメントを表わす。
【0124】
初期 512サンプルプールがPCR試験され、そして汚染されたサンプルの存在のために、
陽性ウィルス表示に戻る。段階 213で、2種の 256供与物プール(256A及び 256B)が、
前の陽性プールを製造したセグメントから取られた次の連続したパウチから調製される。
プール 256Bが現在、PCR試験され、そして図12に示されるように、陰性ウィルス表示に
戻り、従ってプール256Aが汚染された供与物からのサンプルを含むことを示す。
【0125】
段階 214では、2種の128供与物プールが、プール 256Aを製造した管セグメントの次
の連続的なパウチから調製される。従って、本発明によれば、プール 256Aは、 PCR試験
されずに、細分割されている。段階 203では、プール 128Aが PCR試験され、そしてそれ
が陰性ウィルス表示に戻るので、プール 128Bは汚染された供与物からのサンプルパウチ
を含むことが知られている。次に、プール 128Bは、前のパウチがプール 128Bを製造す
るそれらの管セグメントから次の連続的なパウチを除去することによって、2種の64供与
物プール(64A及び64B)に細分割される。
【0126】
次に、プール64BがPCR試験され、そして図12の例においては、陽性ウィルス表示に戻
る。この場合、PCR試験は、それが実際、陰性であり、そしてさらなる汚染されたサンプ
ルがプール64Bにおけるサンプル以上に存在しないことを確証するために、プール64Aに
対して実施される。段階 216では、プール64Bが、前のプール64Bを製造するために使用
される管セグメントから次の連続的パウチを除去することによって、2種の供与物プール
、すなわち32A及び32Bにさらに細分割される。プール32BがPCR試験され、陰性ウィル
ス表示に戻り、そして従って、プール32Aは2種の16供与物プール、16A及び16Bにさら
に細分割される。再び、16供与物プールは、前の陽性プール32Aを製造した管セグメント
から次の連続的なサンプルパウチを除去することによって調製される。
【0127】
段階 217では、プール16BがPCR試験され、そして陽性ウィルス表示に戻る。従って、
プール16Aが、それが陰性であり、そしてすべての汚染されたサンプルがプール16Bに存
在することを確かめるために PCR試験される。
【0128】
218では、プール16Bが、前の陽性プール16Bを製造した管セグメントから次の連続し
たサンプルパウチを除くことによって、2種の8供与物プール8A及び8Bに分割される
。次に、プール18BはPCR試験され、そして示されるように、陰性ウィルス表示に戻り、
これはプール8Aが汚染された供与物からのサンプルを含むことを示す。次に、プール8
Aはさらに、段階219で、2種の4供与物プール4A及び4Bに細分割される。 PCR試験
が、陰性表示に戻るプール4Bに対して実施され、従って、プール4Aが汚染された供与
物からのサンプルを含むことを示す。次に、プール4Aが、 220で、上記のように、同じ
態様でプール2A及び2Bに細分割される。 PCR試験に基づいて、プール2Aは陰性ウィ
ルス表示に戻り、これは、グループ2Bを含んで成る2種のサンプルの1つが対応する汚
染された供与物の管セグメントから取られることを示す。
【0129】
段階 221で、個々の供与物がグループ2Bを製造した管セグメントから最終パウチを除
くことによって試験される。個々の最終供与物が、次に貯蔵から除かれ、そして適切に処
置される、特定の陽性供与物を同定するために PCR試験される。残る 511ウィルスフリー
供与物は、医薬生成物へのさらなる加工のために保持される。
【0130】
上記例においては、単一の汚染された供与物が、元の 512供与物プールに対する一次 P
CR試験を包含するわずか13の別々のPCR試験を実施することによって、そのような 512供
与物のグループから独得に同定された。本発明の方法は、その対応する試験されたサブプ
ールが陰性ウィルス表示に戻る限り、特定のサブプールに対する PCR試験の省略を可能に
する。従って、一定の PCR試験を省略することによって、本発明の方法は、 PCR試験方法
の決定を犠牲にしないで、特定の陽性供与物を同定するために実施されるべき PCR試験の
回数を減じる。本発明の方法下で、すべての陽性供与物は同定されるであろうが、しかし
すべての供与物が試験される必要はない。
【0131】
図12の典型的な態様においては、連続的により小さなサブグループのいづれか1つがP
CR試験され得、そして陽性サンプルの任意の位置が変更され得ることは明白であろう。従
って、陽性供与物からのサンプルが個々の初期に試験されたサブグループに存在した場合
、18回の試験が陽性供与物を独得に同定するために必要とされる(陽性表示に戻る1つの
初期試験、及びその対応するサブグループが陰性であることを確かめるための1つの追加
の試験)。
【0132】
同じように、個々の初期に試験されたサブプールが陰性表示に戻る場合、10回の試験が
、陽性供与物を同定するために必要とされるであろう。実際、サブプールに対する陽性及
び陰性の試験結果は、平等に分布する傾向があり、従って、平均14回の試験が、 512単位
に関して、初期供与物プールから独得に陽性の供与物を同定するために必要とされるであ
ろう。
【0133】
従って、血漿供与物のサンプルをそれぞれ含む、個々の及び連結されたパウチを含んで
成る管セグメントの供給を包含する、本発明の方法は複数の PCR試験プールを提供するこ
とにおいて好都合であることが前述から明らかである。初期及び続く一連のプールが個々
の供与物の単一サンプルから同時に形成される、従来のプール調製とは異なって、本発明
は試験の直前、試験プールの形成を可能にする。“ちょうど良い時”のプール形成のこの
態様は、単に必要とされるような個々のパウチからの試験プールの構成を可能にする。
【0134】
汚染の可能性は、そのプールが密封されたサンプルパウチからそれぞれ、異なった時間
で構成されるので、排除される。さらに、サンプルパウチは、試験プールを生成するため
に必要とされるまで、凍結されたまま存続する。 DNA又は RNAの回収に悪影響を与えるか
も知れない複数回の凍結−融解サイクルが回避され、従って、 PCR試験の完全性を保証す
る。
【0135】
上記方法は最少回の比較的高価な PCR試験によりウィルス陽性供与物を同定するために
効果的であるが、個々の陽性供与物を同定するための他の方法もまた、本発明の実施に従
って提供される。特に、1つのそのような方法は、2〜3回の PCR試験サイクル内で個々
の陽性供与物を同定することができる性質を有し、従って、多数の供与物をスクリーンす
るために必要とされる時間及び管理経費の量を有意に減じる。
【0136】
たとえば、上記方法においては、特定のサブプールが陽性供与物を含むものとして同定
されるとすぐに、技術者は、その特定のサブプールの形成に寄与するそれらの供与物を同
定すべきである。次に、それらの供与物は再訪され、そして追加のサンプルパケットが個
々の対応する管セグメントから収穫されるべきである。次に、2種の次の発生サブグルー
プが形成されるべきであり、そして PCR試験が反復される。この収穫、サブグループプー
ル形成、及びPCR試験工程は、その方法がウィルス汚染された供与物を独得に同定するま
で、ますます小さな発生サブプールのために反復される。
【0137】
しかしながら、有意な長さの時間が、個々の PCR試験サイクル(収穫、サブグループプ
ール形成、及びPCR試験)において消費される。例として 512のサンプルの第1発生プー
ルを取る場合、少なくとも10回の PCR試験サイクルが独得なウィルス汚染された供与物を
同定するために必要とされるであろう。ひじょうに費用効果性であるが、上記方法は、時
間が本質的なものである場合、 PCR試験実験に対して難題を提供する。
【0138】
最少数の PCR試験サイクルでウィルス陽性血液又は血漿供与物を独得に同定するための
方法が、図13及び14に記載されるであろう。
図13を参照すれば、最少数のPCR分析サイクルでプール中の PCR陽性の個々の供与物を
効果的に検出するための本発明に従っての PCR試験方法のフローチャートが示される。前
記 PCR試験方法にあることだが、図13の方法は、PCR試験が適切なサイズのプールにおけ
る陽性サンプルの存在を検出するために十分な感度を有することを仮定する。単に例示目
的のために、初期グループは、 512の血液又は血漿供与物を表わすために選択されている
。初期グループサイズが、評価される特定のゲノムマーカー、使用される PCR試験方法の
感度、サンプルアリコート内のゲノムマーカー濃度の予測値、及びサンプルアリコートサ
イズに依存して、大きくも又は小さくもなり得ることは、当業者に理解されるであろう。
【0139】
前記方法は、N−次元のサンプルマトリックス又はグリッドを定義することによって、
ブロック 301で開始する。マトリックスは、いづれのサイズのものでもあり得、そして2
〜Nの数の次元のものであるが、しかし好ましくは、正方形として組織化される3−次元
マトリックスである。
【0140】
そのようなマトリックスの例が、図14に示されており、ここで次の3次元指数により特
徴づけられる正方形マトリックスのグラフが例示されている:横列、縦列、及びスライス
列(r,c,s)。図14の典型的なマトリックスにおいては、3×横列、3×縦列及び3
×スライス列が存在し、それにより33 、又は27の要素を定義する。典型的な態様におい
ては、横列は、正方形マトリックスを通して想像上の垂直な断面を取ることによって定義
されるすべての要素を含んで成るものとして見なされる。図14の態様においては、たとえ
ばマトリックスの横列3を含んで成る要素が、それらの横面上に文字r3 により同定され
る。
【0141】
同様に、縦列は、横列の方向に対して直交する方向に、マトリックスを通して第2の想
像上の垂直な断面を取ることによって定義されるすべてのマトリックス要素を含んで成る
。図14の典型的な態様においては、たとえば縦列1を含んで成る要素は、それらの縦面上
に文字c1 を有する。スライス列は、図14の典型的なマトリックスを通して取られる水平
断面を含んで成るすべての要素として定義される。横列及び縦列の定義に対して同様の態
様において、スライス1を含んで成る要素は、それらのスライス面上で文字S1 により同
定される。
【0142】
従って、図14のマトリックスにおける27の要素の個々は、3×横列の1つ、3×縦列の
1つ及び3×スライス列の1つに属する。数学的には、これはXrcs の関係により表わさ
れ得、ここでXは要素を表わし、そしてrcs は次元指数であり、ここで指数の個々は1〜
3の値を取ることができる。特定要素X113 は、横列1、縦列1及びスライス列3の交点
での要素として同定される。
【0143】
前述から、図14の典型的なマトリックスは3×3×3のマトリックスであるが、マトリ
ックス定義及び要素形成の原理は、より多くの数の横列、縦列及びスライス列を有するマ
トリックスを維持するであろうことは明らかであろう。特に、8×横列、8×縦列、8×
スライス列のマトリックスは数学的には、Xrcs として表わされ、ここでr,c及びsは
、1〜8の値を取ることができる。従って、3−次元8×8×8マトリックスは、 512の
要素のための同定物を提供することができる。
【0144】
図13の方法のフロー図に戻ると、N−次元サンプルマトリックスの定義に従って、特に
血液又は血漿供与物サンプルがマトリックスにより定義される要素の個々にマッピングさ
れる。典型的な3−次元8×8×8マトリックスにおいては、 512の個々の供与物からの
サンプルがマトリックス要素に関係し、そして対応するユニークXrcs インジケーターに
より同定される。
【0145】
次に、アリコートが個々のサンプルから取られ、そして複数のマイナーなサブグループ
のプールが形成される。個々のマイナーなプールは、サンプル(Xrcs ) のすべてのアリ
コートを含んで成り、ここで1の次元指数が定められている。換言すれば、上記典型的な
マトリックスに従って、縦列又はスライス列の値にかかわらず、r=1を有するサンプル
(Xrcs ) のすべてがマイナーなプールに形成され;同様に、r=2,r=3…r=N;
同様に、横列又はスライス列の値にかかわらず、c=1,c=2…c=N;横列又は縦列
の値にかかわらず、s=1,s=2,…s=Nにより同定されるすべてのサンプルからサ
ブプールが形成される。
【0146】
従って、個々のマイナーなプールは、個々の横列、縦列、スライス列、又は他の次元指
数を表わし、その結果、N−次元マトリックスが定義されたなら、N−次元X(サンプル
の合計数)1/n のマイナーなプールが存在するであろう。 512のサンプルを含む典型的な
3−次元8×8×8マトリックスに関しては、24のマイナーなサブグループプール(8の
横列プール、8の縦列プール、及び8のスライス列プール)が存在する。本発明に従って
のマイナーなプールの創造は、マイナーな方法により決定因子を減じる数学的方法に類似
するように見える。同様の態様において、個々のサンプルは、マトリックスの個々の1の
次元において、Nのマイナーなプールにおいて表わされることが理解されるであろう。
【0147】
マイナーなプールの形成の他に、個々のサンプルのアリコート、又は個々のマイナーな
プールのアリコートが、本発明の供与物空間を含んで成る 512の供与物のすべてからのサ
ンプルを含む単一のマスタープールを形成するために組合される。プールのすべてが形成
された後、いづれかの残存するサンプル及びマイナーなプール及びマスタープールは再凍
結され、そしてPCR試験のような時間が必要とされるまで、貯蔵され得る。
【0148】
PCR試験が所望される場合、PCR試験はまず、マトリックスを含んで成る個々のサンプ
ルのアリコートを表わすマスタープールに対して行なわれる。マスタープールに関する試
験結果が陰性である場合、 PCR試験の少なくとも感度レベルまで、マトリックスを形成す
るサンプルにより表わされるウィルス陽性供与物は存在しない。サンプルをマトリックス
に寄与して来た血液又は血漿供与物は、さらなる使用のために開放され得る。しかしなが
ら、マスタープールの PCR試験が特定のゲノムマーカーに関して陽性である場合、第2の
PCR試験サイクルが300で入り、ここで個々のマイナーなプールが試験される。
【0149】
上記態様に類似する態様において、主要プール(512のサンプル)において1よりも多く
の陽性サンプルであるそれらの統計学的確立が低く、好ましくは1〜2%以下であるよう
、主要プールサイズが選択される。これは、一般的なドナー集団における興味あるウィル
スの発生頻度を、98%〜99%の依頼レベルまで評価することによって行なわれ得る。たと
えば、 1,000の一般的ドナー集団からのわずか1つのドナーが98%の信頼レベルまで、興
味あるウィルスにより汚染されていることが決定される場合、評価される次の 1,000のド
ナーにおいて1つよりも多くの汚染されたドナーを発見する2%の確立が存在する。
【0150】
一般的に、これは、アルゴリズムが PCR試験サイクル内の適切なサイズのプールにおい
て単一の反応性単位を同定することができるであろうことを保証する。本発明に従って、
マトリックス内の単一の陽性サンプルが与えられる場合、マイナーなプールのうち3個の
プールは、1の個々の次元において、陽性供与体のアリコートを含むであろう。典型的な
態様(512のサンプルのマトリックス)においては、8のマイナーな横列プール、8のマイ
ナーな縦列プール及び8のマイナー層プールが存在する。マスタープール試験が陽性であ
る場合、1の横列、1の縦列及び1の層プールは、 307で示されるように、第2の PCR試
験サイクルの間、陽性であろう。横列、縦列及び層の要素指数の交点は、 309で示される
ように、明らかに反応性供与物を同定する。
【0151】
例として、反応性サンプルがマトリックス要素X113 にマッピングされる場合、縦列1
のマイナーなプールが陽性の PCR試験結果に戻り、そして横列2及び続く横列のマイナー
なプールが陰性を示すであろう。さらに、縦列1のマイナーなプールは陽性試験結果に戻
り、そして縦列2及び続く縦列のマイナーなプールが陰性を示すであろう。同様に、層1
及び2のマイナーなプールは陰性結果に戻り、層3のプールは陽性を示し、そして続く層
のマイナーなプールは陰性を示すであろう。3個の陽性のマイナーなプール(横列1、縦
列1及び層3)は、通常、単一の要素X113 のみを有する。従って、陽性供与物は、要素
113 にマッピングされるサンプルにより表わされるように、独得に同定される。
【0152】
マトリックスに1よりも多くの反応性供与物が存在する場合、その反応性供与物は、わ
ずか1回の追加のPCR試験サイクルにより、本発明の方法に従って明確に同定され得る。
単一の次元指数の1よりも多くのマイナーなプールが陽性の試験結果に戻り、そして残る
個々の次元指数を表わす単一のマイナーなプールのみが陽性の試験結果に戻ることが観察
される場合、1よりも多くの陽性供与物が、第3の PCR試験サイクルの必要性を伴わない
で、試験結果を数学的に評価することによって明確に同定され得る。
【0153】
たとえば、横列1のマイナーなプール(及び他は存在しない)が陽性を示し;縦列1の
マイナーなプール(及び他は存在しない)が陽性を示し;そして層1のマイナーなプール
及び層3のマイナーなプールの両者が陽性を示す場合、マトリックスを含んで成るわずか
2つの陽性供与物が存在し、そしてそれらはX111 及びX113 として明確に同定され得る
。この結果に達するためには、さらなる試験は必要とされない。
【0154】
他方では、複数のマイナーなプールの陽性試験及びそれらの独自性が 310で示されるよ
うに、2次元指数にそって変化を示すことが観察される場合、陽性供与物に対して潜在的
にマッピングされる場合に同定されるZ2 要素(ここで2はグリッドを含んで成る陽性供
与物の実際の数である)が存在することが明らかであろう。
【0155】
たとえば、横列1のマイナーなプール(及び他は存在しない)が陽性を示し;縦列1及
び3のマイナーなプールが陽性を示し;そして層1及び3マイナーなプールが陽性を示す
場合、これは、潜在的に陽性の候補体要素が、X111 ,X113 ,X131 及びX133である
ことを示唆する。候補体要素に関しては、わずか2種の次元指数(縦列及び層列)が存在
するので、マトリックスを含んで成る、わずか2種の実際的な陽性供与物が存在すること
が見出されるであろう。この情況下で、すべての4種の供与物が、陽性であるものとして
任意に同定され、そして処置され、又は他方では、アリコートが個々の候補体要素から取
られ、そして前記4種のうち2種が実際的な陽性の供与物を含んで成ることを独得に同定
するために、 311での第3のPCR試験サイクルの間、それぞれ PCR試験される。
【0156】
同様の態様において、マトリックスに2種以上の陽性供与物が存在し、そしてそれらの
同定物が2次元以上で変化する場合、多くても、Zn の潜在的に陽性の同定された候補体
要素が存在することが数学的に明らかであり、ここでZは陽性供与物の実際の数であり、
そしてnは変化する次元の数である。この状況下で、アリコートがマトリックスにおける
すべての疑わしい要素から取られ、そして直接的に試験される。
【0157】
従って、本発明の方法は、初期の陽性マスタープールについての一回の PCR試験サイク
ル内で、単一の反応性供与物、又は単一の次元指数にそってのみ変化する複数の反応性供
与体を含むすべてのマトリックスについての2回の PCR試験サイクル内で、及びいづれか
他の状況についての3回の PCR試験サイクル内で、特定のゲノムマーカーに対して反応性
である供与物の明確な同定を可能にすることが見出され得る。
【0158】
従って、本発明の実施は、ウィルス汚染ができる限り無いことにより実質的に安全な血
液供給物及びそれから調製された血液又は血漿生成物をもたらす。好都合には、費用有効
性で、高感度の試験が直接的にウィルスの存在について容易に実施される。従って、感染
性窓期間の間、抗体試験に通常関係するウィルス汚染の誤った表示が回避される。さらに
、本発明は、試験サンプルにおける単一のウィルスの存在を検出することができる高感度
試験の費用有効使用を可能にし、従って、初期のウィルス汚染が全たくないことの保証を
助ける。
【0159】
当業者は、本発明の種々の好ましい態様の前述の例及び記載は全体として、単なる本発
明の例示であり、そして本発明の種々の成分の形状、サイズ及び数、及び包含される試験
のタイプの変更が本発明の範囲内で行なわれ得ることを理解するであろう。たとえば、個
々の及び連結されるパウチの長さ、及び従って、それらの容積含有物が、管セグメントの
長さにそって段階的に高められ得ることは、当業者に明らかであろう。
【0160】
連続的な試験サブプールがより少ない数のサンプルから形成されるので、そのプールを
含んで成る血漿の体積は必然的に低下する。個々の連続的サブプールにおける血漿の十分
な体積を維持するためには、連続的なサンプルパウチは、所望する最終プール体積を収容
するためにより多くの体積を含むことができることは、明白であるべきである。約1ml〜
約10mlのサイズ範囲のプールを収容するために、連続的サンプルパウチの体積は、連続的
段階において、約0.02mlから約0.5mlに高まるであろうことは明らかであろう。
【0161】
本発明のシステムは典型的な血漿収集容器及び関連する管セグメントに限定されないこ
とはまた、当業者に明らかであろう。血液バッグ又は他の生物学的流体容器は容易に使用
され得、そして適切な管セグメントが、流体収集の前、及び流体収集が完結された後、そ
れらに結合され得る。サンプル量の生物学的流体が、本発明の実施に従ってパウチ中に形
成される管セグメントに移行されることが、必要とされるすべてである。
従って、本発明は、本明細書に記載される特定の態様に限定されず、むしろ請求の範囲
により定義される。
【0162】
(発明の要旨)
本発明は以下を提供する。
(1)1回のPCR試験サイクルで、陽性ウィルス表示を有する供与物を特異的に同定するために多数の血漿供与物を試験するための方法であって:
多くの血漿供与物を用意し、ここで個々の供与物の一部が互いに間隔を開けられたシールによりその長さにそって分離される管セグメントに含まれ、前記シール間の管セグメントが連続的容器を定義し、個々の容器は前記供与物の血漿サンプルを含み;
n次元のグリッドを定義し、ここでnは整数であり、前記グリーッドはさらに、多数の内部要素を含んで成り、個々の要素はn次元のグリッドの交点により定義され;
多くの血漿供与物の特定の1つからのサンプルを、前記グリッドの個々の要素の対応する1つに対してマッピングし、個々のサンプルはマトリックス表示Xrcsにより定義され、ここでマトリックス表示の下付き文字はグリッドの次元指数を定義し;
個々の多くの血漿供与物の個々のサンプルからアリコートを取り、ここで個々のサンプルから取られるアリコートの数はグリッドを含んで成る次元指数の数により定義され;
個々のサンプルのアリコートからサブプールを形成し、ここで個々のサブプールは1次元指数が定められるすべてのサンプルのアリコートを含んで成り;
1回のPCR試験サイクルで、ウィルス表示について前記サブプールのすべてを試験し;そして
マイナーな方法による縮小に従って、1回のPCR試験サイクルで陽性であると試験された個々のサブプールの次元指数を評価し、それにより、個々の陽性サブプールの次元指数により定義されるユニ一ク要素を明白に同定し、従って、特異的な陽性サンプルを明白に同定することを含んで成る方法。
(2)前記n次元グリッドが少なくとも3一次元グリッドである第1項記載の方法。
(3)前記グリッドが3次元グリッドであり、そして個々のサンプルがXrcsとして同定されるマトリックス要素表示により特徴づけられ、ここで前記次元指数r,c及びsは前記グリッドの横列、縦列、及びスライス列を同定する第2項記載の方法。
(4)3種のアリコートが供与物の個々の血漿サンプルから取られる第3項記載の方法。
(5)前記サブプール形成段階がさらに、
ユニーク整数により同定されるr指数を有する個々のサンプルのアリコートからサブプールを形成し;
ユニーク整数により同定されるc指数を有する個々のサンプルのアリコートからサブプールを形成し;
ユニーク整数により同定されるs指数を有する個々のサンプルのアリコートからサブプールを形成し;そして
ウィルス表示について個々のr,c及びsサブプールをPCR試験することを含んで成る第4項記載の方法。
(6)陽性のウィルス表示に戻された個々のrサブプールの整数指数を決定し;
陽性のウィルス表示に戻された個々のcサブプールの整数指数を決定し;そして
陽性のウィルス表示に戻された個々のsサブプールの整数指数を決定する段階をさらに含んで成る第5項記載の方法。
(7)陽性のウィルス表示に戻った、r、,c、及びsサブプールの整数指数が、その整数表示が次元指数r,c及びsの代わりに置換され、それにより前記マッピングXrcsからサンプルが同定される場合、陽性のサンプルを独得に同定する第6項記載の方法。
(8)すべての候補体サンプルが、1つよりも多くの指数が陽性の、ウィルス表示を有するものとして、1つよりも多くのサブプールを同定するかどうか、個々に試験される第7項記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】図1は、本発明の実施において有用な管セグメントにより結合される血漿供与物ボトル及びサンプル容器の1つの例の半−透視略図である。
【図2−A】図2-Aは、血漿供与物ボトルとサンプル容器との間で連結され、そして本発明に従ってパウチに分割される管セグメントの半−透視略図である。
【図2−B】図2-Bは、血漿供与物ボトルとサンプル容器との間で連結され、そして本発明に従って一連の一緒に連結されたY−部位を含む管セグメントの半−透視略図である。
【図3−A】図3-Aは、パウチを分離するシールの追加の詳細を示す、図2-Aに示される管セグメントの一部の拡大された上部平面図である。
【図3−B】図3-Bは、管セグメントシールの半−略図断面図である。
【図4−A】図4-Aは、個々のパウチ中に管を密封するために本発明の実施に従って供給される装置の半−透視略図である。
【図4−B】図4-Bは、市販のヒートシーラー上に固定するための本発明の実施に従って供給されるヒートシール装置の上部及び底部定盤の半−透視略図である。
【図5】図5は、本発明に従って供給されるサンプリングプレート及びカバーの半−透視略図である。
【図6】図6は、本発明に従って供給されるサンプリングプレートのサンプルウェルに含まれる血漿パウチの部分的半−略図断面図である。
【図7】図7は、サンプルパウチを圧縮し、そしてそこにおける流体サンプル容器をプール中に送るための本発明に従って供給される装置の半−透視略図である。
【図8】図8は、図7の装置の圧縮シリンダーの半−略図断面図である。
【図9−A】図9-Aは、サンプル含有パケットが圧縮されるスクリーンプレートの半−略図部分断面図である。
【図9−B】図9-Bは、圧縮されたサンプル容器からサンプル流体を収集するための放射状及び同心性流体側溝を示すスクリーンプレートの半−略図上部図である。
【図10】図10は、図7の装置の圧縮ピストンの半−略図部分断面図である。
【図11】図11は、供与物プールからPCR陽性ドナーを決定するための本発明の試験方法論を示すフローチャートである。
【図12】図12は、512供与物プールか単一の PCR陽性供与物を同定するための本発明の試験順序を示すフローチャートである。
【図13】図13は、供与物プールからPCR陽性ドナーを決定するための本発明の第2の試験方法論を示すフローチャートである。
【図14】図14は、r,c及びs指数の定義を示す本発明の3次元グリッドの表示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
image rotate

【図2−A】
image rotate

【図2−B】
image rotate

【図3−A】
image rotate

【図3−B】
image rotate

【図4−A】
image rotate

【図4−B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9−A】
image rotate

【図9−B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−149391(P2006−149391A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373217(P2005−373217)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【分割の表示】特願平10−531302の分割
【原出願日】平成10年1月6日(1998.1.6)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】