説明

ヘッダシート及びヘッダシート処理方法

【課題】 ヘッダシートの表裏を間違えて裏面を表側にして機械読取装置で読み取らせたとしても、前回の読み取り処理で読み取られた商品券のデータと合算されることを防止することができるヘッダシート及びヘッダシート処理方法を提供する。
【解決手段】 ヘッダシートの裏面に、ヘッダシートの裏面であることを示す識別コードが機械読み取り可能に表示され、前記読取装置で、前記ヘッダシートの券面に表示されている機械読取用表示を読み取るステップと、前記機械読取用表示が、ヘッダシートの裏面であることを示す識別コードであるか否かを判定するステップと、前記判定で、裏面であることを示す識別コードであると判定された場合に、データベースに、ヘッダシートの裏面が読み取られたことを示すデータを登録する処理を行うステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置を用いて、機械読取用表示が施された商品券の読み取り処理を行う際に、該商品券の機械読取用表示よりも先に、前記読取装置で読み取らせる必要を有する機械読取用表示が施されているヘッダシートと、ヘッダシートの表裏を入れ間違えた場合のヘッダシート処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用された商品券の回収業務を効率化するために、商品券に表示されたOCR等の機械読取用表示を読み取る機能を有するOCRリーダなどの読取装置が利用されている。
そして、レジ毎に回収された商品券の束を読取装置で順次に読み取らせる前に、店舗番号、レジ番号などを記したヘッダシートを商品券の束の上に用意して、先にヘッダシートに表示された情報の読み取りを行い、読み取り処理を行った商品券の束が当該レジで扱った商品券であることが確認できるようにしてある。(例えば、特許文献1、参照)
【0003】
【特許文献1】特開昭63−311474号公報
【0004】
通常、ヘッダシートと、回収された商品券の束とを順次に読取装置で読み取らせる処理を、時間間隔をあけて行なう場合に、前回に行われた処理で、読取装置で読み取った商品券データを直ぐにデータベースに登録させないで、今回の処理でヘッダシートに表示された情報の読み取りが行われた際に、前回に行われた処理による読取装置で読み取った商品券データをデータベースに登録させるようにしている。
つまり、読取装置で商品券の処理を行う際に、ヘッダシートの表裏を間違えて裏面側を表にして読み取らせた場合、白紙裏面によりヘッダシートがリジェクトされて、正確なデータの読み取りが行われないために、その後に読み取った商品券のデータが、前回に行われた処理で読み取ったデータの続きのデータとして合算された状態で処理されてしまい、正確なデータがデータベースに登録されないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、ヘッダシートと、回収された商品券の束とを順次に読取装置で読み取らせる処理を行う場合に、ヘッダシートの表裏を間違えて裏面を表側にして読取装置で読み取らせたとしても、ヘッダシートの裏面側を読み取ったことを確認することができるようにしてデータの修正を行えるようにすると共に、今回による読み取り処理を行う商品券のデータが、前回での読み取り処理で読み取られた商品券のデータと合算されることを防止することができるヘッダシート及びヘッダシート処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を達成するために、本発明のヘッダシートは、読取装置で商品券の機械読取用表示を読み取らせる際に、前記商品券に付して、該商品券よりも先に読取装置により読み取らせる必要がある情報が表面に表示されたヘッダシートであって、前記ヘッダシートの裏面に、ヘッダシートの裏面であることを示す識別コードが機械読み取り可能に表示されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のヘッダシート処理方法は、読取装置で商品券の機械読取用表示を読み取らせる際に、前記商品券に付して、該商品券よりも先に読取装置により読み取らせる必要がある情報が、表面に表示されたヘッダシートについて、前記読取装置で前記ヘッダシートを読み取らせる際に、ヘッダシートの表裏を入れ間違えて裏面側を読み取らせた場合のヘッダシート処理方法であって、前記読取装置で、前記ヘッダシートの券面に表示されている機械読取用表示を読み取るステップと、前記機械読取用表示が、ヘッダシートの裏面であることを示す識別コードであるか否かを判定するステップと、前記判定で、裏面であることを示す識別コードであると判定された場合に、データベースに、ヘッダシートの裏面が読み取られたことを示すデータを登録する処理を行うステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
更に、本発明のヘッダシート処理方法は、前記判定で、裏面であることを示す識別コードであると判定された場合に、裏面側を読み取ったことを知らせる警告処理が行われるステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のヘッダシートは、ヘッダシートの裏面に、裏面であることを示す識別コードが機械読み取り可能に表示されているので、ヘッダシートの表裏を間違えて裏面を表側にして読取装置で読み取らせた場合でも、データベースに、ヘッダシートの裏面が読み取られたことを示すデータが登録されるので、ヘッダシートの裏面側を間違えて読み取ったことを確認することで、事後にデータの修正を行えるという効果がある。
【0010】
また、本発明のヘッダシート処理方法は、ヘッダシートの表裏を間違えて裏面を表側にして読取装置で読み取らせた場合でも、データベースに、ヘッダシートの裏面が読み取られたことを示すデータが登録されるので、ヘッダシートの裏面側を間違えて読み取ったことを確認することで、データの修正を行えるという効果がある。
【0011】
更に、本発明のヘッダシート処理方法は、読取装置でヘッダシートの裏面に表示されている裏面であることを示す識別コードが読み取られた場合に、裏面側を読み取ったことを知らせる警報処理が行われるので、今回による読み取り処理を行う商品券のデータが、前回での読み取り処理で読み取られた商品券のデータと合算されることを防止することができ、さらに表裏を間違えて読み取らせたヘッダシートを特定することが容易となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るヘッダシート及びヘッダシート処理方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るヘッダシートの表面の平面図、図2は、本発明の実施形態に係るヘッダシートの裏面の平面図、図3は、本発明の実施形態に係るヘッダシート処理方法の作業の手順を示す図、図4は、本発明の実施形態に係るヘッダシート処理方法の処理手順を示すフローチャート図である。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るヘッダシート1の表面側には、読取装置で読み取り可能な所定位置に、機械読取用表示として、バーコード2と、OCR(Optical Character Recognition )文字3とが表示されている。
これらの機械読取用表示であるバーコード2とOCR文字3には、それぞれヘッダシート識別コードと、店舗番号と、レジ番号となどが順番に記されていて、読取装置によりそれらのデータを光学的に機械読み取りできるように表示されている。
更に、店舗番号4とレジ番号5とは、文字や数字としても表示されており、処理を行う者が目視により確認できるように表示されている。
機械読取用表示であるバーコード2とOCR文字3には、同一のデータが表示されているので、これらの両方を表示してもよいし、また、どちらかの一方を表示するようにしてもよい。
【0014】
また、図2に示すように、ヘッダシート1の裏面には、ヘッダシートの裏面であることを示す識別コードが、バーコード7とOCR文字8とにより機械読み取り可能に表示されている。
裏面であることを示す識別コードは、読取装置でヘッダシート1の読み取りを行わせる際に、間違えてヘッダシート1の裏面側を表側にして読み取りを行わせた際に、読取装置によりヘッダシート1の裏面側を表側にして読み取ったことを識別可能としたコードのことを言う。
【0015】
ヘッダシートを用いた処理を行う場合について説明すると、図3に示すように、店舗の出納には読取装置9が設置されており、また、読取装置9は、読取装置9で読み取られた商品券データをデータベースに登録したデータ管理を行うためのコンピュータ装置10と通信可能に接続されている。
この読取装置9で読み取り処理する際には、店舗内の販売で消費者から代金として入手した回収券である商品券10と、ヘッダシート1と、回収伝票11とが1回分の処理時に用意される。
そして、ヘッダシート1には、商品券を回収したレジが特定できるように、店舗番号とレジ番号とが目視可能に表示され、更に、ヘッダシート識別コードと、店舗番号と、レジ番号が、バーコード2とOCR文字3で表示されている。
【0016】
読取装置9で、回収券である商品券10のデータを読み取って処理する場合の処理手順は、図3に示すようになる。
まず、読取装置9にヘッダシートと回収券の束をセットして、データ読み取りを行う。
ヘッダシートおよび回収券である商品券10の束は、順次データ読み取り処理を行い、データ読み取り処理が無事に終了した場合には所定の位置に収納される。
【0017】
また、ヘッダシートあるいは回収券である商品券10のデータ読み取りが不能で出来なかった場合には、データ読み取りが不能なヘッダシートあるいは商品券がリジェクトされる。
このリジェクトされた商品券は、コンピュータ装置12により手でキーボードから入力する。
そして、読取装置9で1日分の処理が完了した場合に、キーボードから入力されたデータを合算し、レジ別に処理された結果のデータと、回収伝票11に記載されている回収券である商品券10のデータとを照合して確認する。
そして、間違いがなければデータベースに登録されているデータを、所定の操作により確定する。
上記のデータ処理は、回収券である商品券10に関する通常に行われている処理である。
【0018】
次に、本発明の実施形態に係るヘッダシート処理方法を、図4のフローチャート図に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係るヘッダシート処理方法は、上記した通常の読取装置9で、ヘッダシート1でその表面に表示されているバーコード2とOCR文字3とを読み取らせる際に、間違えてヘッダシート1の裏面を表にした状態で読み取らせた場合の処理方法に関するものである。
まず、読取装置9でヘッダシート1及び回収券の読み取り処理を行う。(ステップS1)
この読み取り処理で、ヘッダシート1あるいは回収券に表示されているバーコード2とOCR文字3の読み取りがうまく出来ない場合には、そのヘッダシート1あるいは回収券がリジェクト部に排出されてリジェクト処理が行われる。(ステップS2)
また、読取装置9でヘッダシート1あるいは回収券の読み取り処理ができた場合には、ヘッダシート1から読み取られたデータが正しいデータであるか否か判定処理がされる。(ステップS3)
【0019】
この判定処理で、ヘッダシート1のデータであると判定された場合には、前回処理分の読取データがあるか否か判定される。(ステップS4)
前回処理分の読取データがあると判定された場合には、それらの前回処理分の読取データをデータベースに登録する。(ステップS5)
次に、今回の処理で読み取られたヘッダシート1のデータを一時記憶する。(ステップS6)
そして、読み取り済みのヘッダシート1を収納する。(ステップS7)
また、上記のステップS4で、前回処理分の回収券である商品券10の読取データがないと判定された場合に、ステップS5をスキップしてステップS6に進む。
【0020】
また、ステップS3で、読取装置9で読み取られたデータがヘッダシート1のデータでないと判定された場合は、読み取られたデータが、ヘッダシートの裏面であることを示す識別コードであるか否か判定される。(ステップS8)
この判定で、ヘッダシート1から読み取られたデータが、裏面であることを示す識別コードであると判定された場合は、その裏面であることを示す識別コードを一時的に記憶させる。(ステップS10)
また、この判定で、ヘッダシート1から読み取られたデータが、裏面であることを示す識別コードであると判定された場合は、警告としてブザーが鳴ったり、警告表示がディスプレイに表示されるなどの警告処理が行われて知らせるように構成されている。
そして、ヘッダシート1が収納される。(ステップS7)
【0021】
また、ステップS8の判定で、読み取られたデータが、ヘッダシート1の裏面であることを示す識別コードでないと判定された場合は、読み取られたデータが、エンド識別コードであるか否かの判定が行なわれる。(ステップS9)
ここで、エンド識別コードでないと判定された場合には、回収券である商品券10のデータであるとして、読取データを一時記憶する。(ステップS10)
そして、読み取り済みの回収券である商品券10を収納する。(ステップS7)
【0022】
また、ステップS9の判定で、読み取られたデータが、エンド識別コードであると判定された場合には、前回の読み取り処理で読み取られた回収券である商品券10がデータベースに登録される。(ステップS11)
そして処理が終了される。
【0023】
尚、エンドシートとは、読取装置の読み取り処理を終了したい場合に、読取装置で読み取らせるシートであって、このエンドシートには、前回の読み取り処理で読み取られた商品券のデータをデータベースに登録させると共に読取装置を停止させることを指示するためのエンド識別コードが表示されている。
【0024】
処理終了後に、データベースに登録された裏面識別コードを検索して、当該レジの裏面識別コード以降に読み取られた回収券である商品券の読取データのレジ番号を、正しいレジ番号に修正する。
【0025】
以上の処理により、読取装置で、ヘッダシート1の裏面に表示されたバーコード7とOCR文字8とが機械読み取りされた場合に、裏面側を読み取ったことを知らせる警告処理が行われるので、表裏を間違えて読み取らせたヘッダシートを特定することが容易となり、また、ヘッダシートの裏面が読み取られたことを示すデータが登録されるので、事後にデータで修正を行える。
これにより、今回で読み取り処理を行う商品券のデータが、前回の読み取り処理で読み取られた商品券のデータと合算されることを防止することができるようにしてある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係るヘッダシートの表面の平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るヘッダシートの裏面の平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るヘッダシート処理方法の作業の手順を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るヘッダシート処理方法の処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ヘッダシート
2,7 バーコード
3,8 OCR文字
4 店舗番号
5 レジ番号
9 読取装置
10 回収券である商品券
11 回収伝票
12 コンピュータ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取装置で商品券の機械読取用表示を読み取らせる際に、前記商品券に付して、該商品券よりも先に読取装置により読み取らせる必要がある情報が表面に表示されたヘッダシートであって、
前記ヘッダシートの裏面に、ヘッダシートの裏面であることを示す識別コードが機械読み取り可能に表示されていることを特徴とするヘッダシート。
【請求項2】
読取装置で商品券の機械読取用表示を読み取らせる際に、前記商品券に付して、該商品券よりも先に読取装置により読み取らせる必要がある情報が、表面に表示されたヘッダシートについて、前記読取装置で前記ヘッダシートを読み取らせる際に、ヘッダシートの表裏を入れ間違えて裏面側を読み取らせた場合のヘッダシート処理方法であって、
前記読取装置で、前記ヘッダシートの券面に表示されている機械読取用表示を読み取るステップと、
前記機械読取用表示が、ヘッダシートの裏面であることを示す識別コードであるか否かを判定するステップと、
前記判定で、裏面であることを示す識別コードであると判定された場合に、データベースに、ヘッダシートの裏面が読み取られたことを示すデータを登録する処理を行うステップと、
を有することを特徴とするヘッダシート処理方法。
【請求項3】
前記判定で、裏面であることを示す識別コードであると判定された場合に、裏面側を読み取ったことを知らせる警告処理が行われるステップを有することを特徴とする請求項2記載のヘッダシート処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−90572(P2008−90572A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270290(P2006−270290)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】