ヘッドジンバルアセンブリおよびディスクドライブならびにスライダロールトルクを減少させる方法
【課題】スライダのロール慣性モーメントを減少させる改良されたヘッドジンバルアセンブリを提供する。
【解決手段】シーキング性能を改良するために平衡とされたヘッドジンバルアセンブリにおいて、データ読出し用読出し素子群およびデータ書込み用書込み素子群を有する磁気ヘッド、空気支持面および非空気支持面を有するスライダがサスペンションに結合される。サスペンションは、負荷ビーム、フレクスチャおよび平衡ウエイトを含む。負荷ビームは、アクチュエータアームに結合される。フレクスチャは、負荷ビームに結合され、窓を有し、負荷ビームに結合されたディンプルが窓を介してディンプル接触点に接触する。平衡ウエイトはフレクスチャに結合され、ヘッドジンバルアセンブリの質量中心がディンプル接触点に整列するように構成される。
【解決手段】シーキング性能を改良するために平衡とされたヘッドジンバルアセンブリにおいて、データ読出し用読出し素子群およびデータ書込み用書込み素子群を有する磁気ヘッド、空気支持面および非空気支持面を有するスライダがサスペンションに結合される。サスペンションは、負荷ビーム、フレクスチャおよび平衡ウエイトを含む。負荷ビームは、アクチュエータアームに結合される。フレクスチャは、負荷ビームに結合され、窓を有し、負荷ビームに結合されたディンプルが窓を介してディンプル接触点に接触する。平衡ウエイトはフレクスチャに結合され、ヘッドジンバルアセンブリの質量中心がディンプル接触点に整列するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気情報記憶ディスクドライブに用いられるヘッドジンバルアセンブリ(HGA)に関する。特に、本発明は、トラックアクセス中に優れた性能を有するヘッドジンバルアセンブリ(HGA)設計に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は通常のハードディスクドライブ設計を示す。ハードディスクドライブはコンピュータにおける主要な記憶装置として用いられている。ハードディスクドライブは回転ディスクへディジタル情報を格納しおよび回転ディスクからディジタル情報を検索することにより動作する。ディスク上の読出しおよび書込みはサスペンションと呼ばれる1つの金属ばね上に装着されたセラミック“スライダ”に組込まれた磁気“ヘッド”によって実行される。サスペンションは多く部品たとえば負荷ビーム、ジンバル、トレース、ヒンジおよびベースプレートよりなる。サスペンションは2つ機能、つまり、“ヘッド”と“プリアンプ”との間の機械的支持および電気的接続を提供する。スライダは回転ディスク上をスライダとディスク間の浮上量として知られる約10nmギャップだけ浮上する。このようなギャップでスライダは安定的かつ信頼的に浮上させるために、サスペンション設計の種々の特性たとえばジンバルピッチ、ロールスティフネス(Kp,Kr)およびジンバル静的姿勢(ピッチ静的姿勢(PSA)およびロール静的姿勢(RSA))を慎重に設計しなければならない。
【0003】
また、ディスクドライブは、スライダもしくはヘッドをディスク面上のあるトラック上に移動させるサーボシステムを含む。この動作はシーキング動作と呼ばれる。ディスクドライブの性能つまりデータ転送速度は重要性能特性の1つである。より高い性能/データ転送速度を達成するために、シーキングはより積極的となり、また、ますます、高い速度、高い加速度および高い減速度によって特徴付けられる。シーク過程中にあっては、スライダの浮上高さは、(1)空気流量および方向の変化、および(2)加減速中のスライダに印加されるサスペンション負荷の変化により、変化する。加減速過程中のスライダに印加されるサスペンション負荷の変化は、主に(インラインアクチュエータに対する)ロール方向のトルクにより発生する。図2Aおよび図2Bは時間関数としてシーキング速度に対するシーキング加速度およびロールトルクの例を示す。これらの例において、加速過程において、負のロールトルクがほぼ時間0.5msにスライダに印加される。減速過程でのほぼ時間6msに正のロールトルク変化が発生する。これらのロールトルク変化は、スライダとディスクとの間の隙間を減少させ、また、スライダをディスクに接触させ、この結果、ドライブ故障となる可能性がある。従って、ロールトルク変化は改良させなければならない。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6125017号
【特許文献2】米国特許第6549376号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロールトルク変化は、加速度もしくは減速度にロール慣性モーメントを乗算させた値に等しい。通常、ロールトルクは加速もしくは減速を減少させることによって減少できるが、そうすると、ドライブ性能に負の効果が発生する。従って、その代りに、ロール慣性質量を減少させることが好ましい。また、あるシーク動作中に、サーボがアクチュエータの制御を喪失することがあり、この結果、スライダの加速もしくは減速の制御の喪失となる。このような状況にあっては、アクチュエータはディスクの内径もしくは外径において安全停止に入ることになるだろう。この過程において、スライダの加速もしくは減速は正常なシーク動作の加速もしくは減速の数10倍になるだろう。また、アクチュエータの制御の喪失の結果、ディスクおよびスライダの重大な損壊に到る。ディスクの損壊の防止策の1つは特許文献1において提案され、ここで安全停止が再設計されている。あるいは、ディスクの損壊のもう1つの防止策はブレーキ距離を増大させることである。この防止策はブレーキ距離の増大がデータ格納に用いられるディスク領域を直接減少させるので、好ましくない。このように、ロール慣性モーメントを減少させることがさらにより好ましい。
【0006】
スライダのロール慣性モーメントを減少させる改良されたヘッドジンバルアセンブリを提供するのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
シーキング性能を改良するために平衡とされたヘッドジンバルアセンブリを開示する。ヘッドジンバルアセンブリは、データ読出し用読出し素子群およびデータ書込み用書込み素子群を有する磁気ヘッドを備えることができる。スライダは、空気支持面および該空気支持面に対向する非空気支持面を有することができる。また、ヘッドジンバルアセンブリは、負荷ビームとフレクスチャと平衡ウエイトとを含むサスペンションを有することができる。負荷ビームは、アクチュエータアームに結合されることができる。フレクスチャは、負荷ビームおよびスライダに結合され、窓を有し、負荷ビームに結合されたディンプル(dimple)が窓を介してディンプル接触点に接触できる。平衡ウエイトはフレクスチャに結合され、ヘッドジンバルアセンブリの質量中心がディンプル接触点に整列するように構成されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図3は通常のヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)は、スライダ340およびスライダ340を支持するサスペンションを含むことができる。サスペンションはアクチュエータアーム(図示せず)に取り付けられた負荷ビーム305を含むことができる。アクチュエータアームは、HGAを磁気ディスクの種々の部分上に位置させかつ移動させてディスクからデータを読出しまたディスクへデータを書込む。フレクスチャタング315を含むフレクスチャは、負荷ビーム305に結合もしくは取り付けできる。スライダ340を負荷ビーム305に対して“ピッチ”および“ロール”させながら、フレクスチャは負荷ビーム305に相対的にインライン整列を維持することができる。負荷ビーム305の可撓性部分(図示せず)は、弾性的に曲げて小さな(gran)負荷つまり反撥力を発生させ、この反撥力はディンプル310を介してスライダに転送され、スライダをディスクの表面に向って下方へ押圧させる。スライダ340は共に公知であるエポキシ320および/またはポリマ325たとえばポリイミドを用いてフレクスチャタング315に取り付けられもしくは結合されることができる。また、スライダ340は、電気トレース330たとえば鋼トレースに導電性材料335たとえばソルダボールあるいは金ボールを用いて電気的に接続されることができる。
【0009】
図4はロールトルクを減少させるための薄いスライダの一実施例を示す図である。通常、スライダは180ミクロメータより大きい厚さを有する。スライダ440の厚さを170ミクロメータもしくは140ミクロメータに減少させることによって、薄いスライダ440はより小さな慣性力を有し、HGAの質量中心とディンプル接触点との間の距離(モーメントアーム)をより小さくし、これにより、シーク動作中のスライダ440にかかるロールトルクを減少させる。図8に示すように、スライダ440の厚さを小さくすると、スライダ440の厚さに応じた量だけシーキング中にスライダにかかるロールトルクを減少させることができる。また、図9はスライダの厚さの関数としてスライダにかかるスケールドロールトルクを示す。図が示すように、スライダ440の厚さを230ミクロメータ(従来の通常の見られる値)から170ミクロメータへ減少させると、ロールトルクはほぼ40%減少させることができる。
【0010】
図5はロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。この実施例において、シーキング中にスライダにかかるロールトルクは、フレクスチャタング515に“窓”つまりギャップを設けることによって減少でき、これにより、スライダ540の非空気支持面の部分を露出させる。フレクスチャタング515の窓は、ディンプル510をフレクスチャタング515およびポリマ層525の厚さをバイパスしてスライダ540の非空気支持面に直接接触させることができる。ディンプル510をスライダ540の非空気支持面に直接接触させると、従来のHGA設計に対してロールモーメントアームの長さをほぼ30ミクロメータに減少できる。ロールモーメントアームの長さの減少にかかわらず、スライダ540をフレクスチャ515に結合する前にディンプル510をフレクスチャタング515に収容することができないので、この実施例に記載のフレクスチャ窓を有するサスペンションの製造およびテストは複雑となる。この複雑さはジムバル静的姿勢およびディンプル接触力の制御および測定を防止できる。製造およびテストの複雑さにもかかわらず、図8および図9に示すように、フレクスチャ窓を有するHGAは、従来のHGAに比較してスライダにかかるロールトルクを大きく減少させることができる。
【0011】
図6はロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。この実施例において、シーキング中にスライダにかかるロールトルクは、ステンレス鋼シートとすることができるフレクスチャタング615に“窓”つまりギャップを設けることによって減少でき、これにより、ポリマ層625の部分を露出させる。ディンプル610は露出されたポリマ層625に接触できる。また、有利なこととして、図5の実施例におけるディンプル610をスライダ640の非空気支持面に接触させる代わりに、ディンプル610をポリマ層625に接触させると、従来のHGA設計に対してロールモーメントアームの長さをほぼ20ミクロメータに減少でき、また、図5の実施例の製造およびテストを複雑にすることなく、ロールトルクを減少できる。さらに、ディンプル610をポリマ層625に接触させると、ポリマ層625はスライダ基板より堅くないので、ディンプルヘルツ接触応力を減少できる。この結果、ディンプル磨耗を減少でき、また、ディンプル形状をディスクドライブの寿命においてよりよく維持できる。また、ディンプルがフレクスチャタングの表面に接触している場合よりもディンプル接触位置のドリフトは少なくできる。また、この実施例は特許文献2に記載のHGAおよび方法と異なり、ディンプルの高さが減少し、サスペンションに付加される材料がない点で有利である。
【0012】
図7はロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。この実施例では、フレクスチャ715は窓を有し、ディンプル710をスライダ740の空気支持面に対向する面に接触させている。さらに、剛性の平衡ウエイト745はフレクスチャ715の遠位端から延伸できる。平衡ウエイト745を実質的に剛性をもたせると、ディスクドライブの動作中に平衡ウエイト745の共振が防止でき、これにより、スライダ浮上量が動作中に影響されないことを保証する。平衡ウエイト745はフレクスチャ715の遠位端に結合し、垂直に延伸する第1の部品を有することができる。一実施例において、第1の部品はフレクスチャ715の遠位端から垂直に延伸できる。第1の部品の他端には水平方向の第2の部品が装着できる。一実施例において、第2の部品はフレクスチャ715に平行にできる。平衡ウエイト745の2つの部品は一緒になってスライダ740およびジンバル質量中心をディンプル710がスライダ740に接触する点に近づけ、これにより、シーキング中のスライダ740にかかるロールトルクを減少できる。この実施例のロールトルクの減少は図8および図9に例示されている。
【0013】
図8は時間の関数とする種々のスライダ例に印加されるロールトルクを示すグラフである。上述したように、従来のHGAの代わりに上述の実施例の1つを用いると、シーキング動作中のスライダにかかるロールトルクを減少できる。さらに、より薄いスライダを用いると、HGAにおけるフレクスチャの窓および平衡ウエイトはロールトルクをより大きく減少できる。
【0014】
図9はスライダ厚さの関数とする種々のスライダ実施例に印加されるロールトルクを示すグラフである。従来のHGAでは、スライダ厚さを減少させると、シーキング動作中のスライダにかかるロールトルクを大きく減少させることができる。HGA実施例においてフレクスチャに窓を導入すれば、ロールトルクを減少でき、また、より薄いスライダおよび/または平衡ウエイトを用いると、ロールトルクの減少を大きくできる。また、グラフは、厚さ140ミクロメータのスライダ、フレクスチャの窓および平衡ウエイトを内蔵したHGAがロールトルクの最大減少を招くということを示している。
【0015】
図10Aはランプリミッタを有する通常のヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。ランプリミッタ1005はロード/アンロードドライブに用いられ、ディスクがスピンしていないときにスライダ1010が損壊するのを防止できる。このような状況において、HGAはロード/アンロードランプに位置でき、スライダ1010がディスク表面に接触するのを防止できる。また、ランプリミッタ1005は、衝撃時にランプ支持体に接触させてスライダの動きを制限してスライダ1010を保護でき、これにより、スライダ1010の損壊を防止する。
【0016】
図10Bはランプリミッタなしの平衡ヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。この実施例においては、ランプリミッタを取除き、平衡ウエイト1020と代える。平衡ウエイト1020は、衝撃時に平衡ウエイトの上部を負荷ビームに接触させることにより衝撃時のスライダを保護できる。この結果、スライダの移動範囲は制限でき、また、スライダの損壊は防止できる。平衡ウエイト1020はロード/アンロードランプリミッタに似ることができるが、従来のロード/アンロードリミッタとは質量において大きく異なる。最小質量を達成するように設計される従来のリミッタと異なり、平衡ウエイト1020は平衡目的のために実質的な質量を有するように設計できる。平衡ウエイト1020の質量は、スライダの質量および平衡ウエイトからディンプルの先までの距離(図示せず)を含むいくつかの要因に依存してもよい。当業者であれば、より大きな質量のスライダであれば、より大きな質量を有する平衡ウエイト1020が要求されることを理解すべきである。平衡ウエイトとディンプル接触点との距離が長くなれば、平衡ウエイト1020はより小さい質量を有することができる。
【0017】
図11Aはヘッドジンバルアセンブリの平衡ウエイト構成の一実施例を示す。この実施例では、HGAはスライダ1120に結合されたフレクスチャ1115を有することができる。スライダ1120は、スライダ本体の後縁に位置する読出し/書込みヘッド1125を有することができる。また、ディンプル(図示せず)がフレクスチャ(図示せず)の窓を介してスライダの非空気支持面に接触する点にHGAの質量中心が一致するように、HGAは平衡ウエイトを有することができ、これにより、シーキング中にスライダにかかるロールトルクを減少できる。平衡ウエイトはフレクスチャ1115の遠位端に位置する第1の部品1105を有することができる。第1の部品1105は、フレクスチャ1115に関して垂直に延伸することができ、実質的に堅くかつ実質的に質量を有することができる。また、平衡ウエイトは、フレクスチャ1115の近位端に位置する第2の部品1110を有することができる。また、第2の部品1110は、フレクスチャ1115に関して垂直に延伸し、また、実質的に堅くかつ実質的に質量を有することができる。一実施例において、第1の部品1105および第2の部品1110の1つもしくは両方はフレクスチャ1115に関して垂直に延伸することができる。上述したように、平衡ウエイトの部品の質量はHGAの設計に依存することができ、種々のHGA部品の寸法および質量が平衡ウエイトの質量に影響する。
【0018】
図11Bはヘッドジンバルアセンブリの平衡ウエイト構成の一実施例を示す。この実施例では、HGAはスライダ1145に結合されたフレクスチャ1140を有することができる。スライダ1145はスライダ本体の後縁に位置する読出し/書込みヘッド1150を有する。また、HGAの質量中心が、ディンプルとスライダの面に接触する点に一致するように、移動し、平衡ウエイトを構成することができ、これにより、シーキング中にスライダにかかるロールトルクを減少できる。この構成において、平衡ウエイトは、フレクスチャ1115の近位端と遠位端との間の点に位置し結合された第1の部品1135を有することができる。第1の部品1135は、フレクスチャ1140に関して水平にでき、また、実質的に堅くかつ実質的に質量を有することができる。一実施例において、第1の部品1135は、フレクスチャ1140に関して垂直に延伸することができる。また、平衡ウエイトは、第1の部品1135に結合され水平に延伸した第2の部品1130を有することができる。一実施例において、第2の部品1130はフレクスチャ1140に関して水平にできる。また、第2の部品1130は実質的に堅くかつ実質的に質量を有することができる。
【0019】
図12Aおよび図12Bはヘッドジンバルアセンブリの平衡ウエイト構成の一実施例の側面図および上面図を示す。この実施例では、HGAは、スライダ1215に結合されたフレクスチャ1210を有することができ、スライダ1215は、スライダ1215の後縁に位置する読出し/書込みヘッド1220を有する。平衡ウエイトはフレクスチャ1210に取り付けられもしくは結合できる。平衡ウエイトはフレクスチャ1210の縦軸に沿って走る“レール”状をなすことができる。一実施例において、平衡ウエイトは、フレクスチャおよびサスペンションの縦軸に沿って走る2つ以上の“レール”1205の間に分散できる。これらのレール1205はサスペンションもしくはフレクスチャの対向端上に位置し、フレクスチャもしくはサスペンションの縦軸方向に整列することができ、この結果、横方向加速度によるディスク表面に垂直な方向のモーメントの発生を防止できる(つまり、シーキング中にスライダが揺動しない)。一実施例において、平衡ウエイト部品1205はサスペンションもしくはフレクスチャの対向側に位置し、少なくともスライダの縦軸に沿って走るフレクスチャもしくはサスペンションの縦軸の方向に向くことができ、この結果、HGAの剛性を大きく、平衡ウエイトの動的支持を最小にできる。平衡ウエイトの分散により、平衡ウエイトおよびスライダを含むHGAの実質的に剛性な部分の質量中心をディンプル接触点(図示せず)に整列できる。
【0020】
図13Aおよび図13Bはヘッドジンバルアセンブリの平衡ウエイト構成の一実施例の側面図および上面図を示す。この実施例では、HGAはスライダ1320に結合されたフレクスチャ1315を有することができる。スライダ1320はスライダ1320の後縁に位置する読出し/書込みヘッド1325を有する。フレクスチャ1315は窓もしくはギャップを有することができ、これを介して負荷ビーム(図示せず)に結合されたディンプル(図示せず)がスライダ裏面(つまり、スライダの非空気支持面)に接触できる。また、HGAはフレクスチャ1315に結合された平衡ウエイトを有することができる。この実施例において、平衡ウエイトは、フレクスチャ1315から上伸しフレクスチャ1315に関して水平に向いた第1の部品1305を含むように構成できる。一実施例において、第1の部品1305はフレクスチャ1315に平行にすることができる。第1の部品1305は、1つ以上の支持ウエイト部品1310を介してフレクスチャに結合もしくは合体でき、また、支持ウエイト部品1310はフレクスチャ1315および第1の部品1305との間に垂直に位置できる。支持部品1310間の孔もしくはギャップは、平衡ウエイトの質量中心を上昇させることによって平衡ウエイトをより効果的にできる。また、孔もしくはギャップはHGA上の空気流量効果を減少できる。
【0021】
図14はシーク動作中のスライダにかかるロールトルクを減少させる一実施例のフローチャートを示す。ブロック1410にて、ヘッドジンバルアセンブリのスライダのスライダ厚さを選択できる。通常、スライダはほぼ230ミクロメータの厚さを有するが、140ミクロメータとすることもできる。スライダの厚さはシーキング中のスライダにかかるロールトルクに影響し、スライダが厚くなると、薄いスライダに比較してロールトルクは増大する。ブロック1420にて、ロールトルクを単独もしくは選択されたスライダ厚さとの組合せで減少させるために、窓をヘッドジンバルアセンブリのフレクスチャに形成することができる。窓を形成すると、窓はフレクスチャ下方の表面の部分を露出できる。一実施例において、フレクスチャとスライダとの間に挟まれたポリマ層を、窓によって露出することができる。あるいは、窓をフレクスチャおよびその下層のポリマ層に形成し、これにより、スライダの非空気支持面を露出することができる。ブロック1430にて窓を形成すると、負荷ビームに結合されたディンプルは、ポリマ層の露出部分かあるいはスライダの非空気支持面かに接触することができる。
【0022】
決定ブロック1440にて、単独、もしくは選択されたスライダ厚さおよび/またはフレクスチャの窓の組合せで、平衡ウエイトは、平衡ウエイトがフレクスチャに結合されていれば、HGAの質量中心を移動させてディンプルがポリマ層もしくはスライダの非空気支持層に接触している点に整列される。平衡ウエイトは実質的に剛性を有し、実質的な質量を有する。平衡ウエイトは複数個の構成をとり、各構成はHGAの質量中心をディンプル接触点に整列できる。一実施例において、平衡ウエイトは、フレクスチャの遠位端に結合されその遠位端から垂直に延伸している第1の部品を有することができる。第2の部品は、第1の部品に結合されフレクスチャに平行もしくは実質的平行にできる。あるいは、平衡ウエイトは、フレクスチャの縦軸に平行でフレクスチャの対向端に位置する2つ以上の“レール”間に分散できる。一実施例において、レールは、フレクスチャへレールと一体にする複数の垂直支持体でフレクスチャから上伸することができる。複数の垂直支持体は互いに可変の距離だけ離し、“孔”を形成してHGAの質量中心を上側へ移動できる。また、“孔”はHGA上の空気流量効果を低減できる。他の実施例において、平衡ウエイトは、フレクスチャの遠位端に結合し、垂直に延伸する第1の部品を有することができる。第2の部品は、フレクスチャの近位端に結合され近位端に垂直とすることができる。他の実施例において、平衡ウエイトはフレクスチャの遠位端と近位端との間の点においてフレクスチャと結合し垂直な第1の部品を有することができる。第1の部品の他端には第2の部品が装着できる。第2の部品はフレクスチャに平行もしくは実質的平行にできる。平衡ウエイトを用いていれば、ブロック1450にて、平衡ウエイト構成はフレクスチャに結合させ、HGAの質量中心をディンプル接触点に整列させることができる。平衡ウエイトを用いていなければ、ブロック1490にて処理は終了する。
【0023】
フレクスチャの窓が形成されていなければ、ブロック1460にて、ディンプルはフレクスチャに接触できる。一実施例において、フレクスチャはステレンス鋼から作ることができる。決定ブロック1470にて、平衡ウエイトが使用するか使用しないかを決定する。平衡ウエイトを用いれば、ブロック1480にて、平衡ウエイトを作成してフレクスチャに結合することができる。平衡ウエイトは複数個の構成をとり、各構成をHGAの質量中心をディンプル接触点に整列させることができる。種々の平衡ウエイトの例については上述した。平衡ウエイトを使用せずにロールトルクを減少させるときには、ブロック1490にて処理は終了する。シーキング中のスライダにかかるロールトルクを減少させる上述の方法は、より薄いスライダ、フレクスチャの窓および平衡ウエイトを個別的にあるいは種々の組合せで使用してロールトルクを減少させることができる。
【0024】
上述した本発明の実施例によれば、HGAのシーキング性能を改善できる。ロールトルクは、薄いスライダ、フレクスチャの窓および平衡ウエイトを備える完全平衡HGAによって完全に取除くことができるが、当業者であれば、改善されたHGA性能は上述の特徴の2つのいかなる組合せでも用いれば達成できることを理解できる。さらに、当業者であれば、HGAの質量中心をディンプル接触点に整列させる複数の平衡ウエイト構成を付加して用いるとロールトルクを減少できることを理解できる。
【0025】
従って、本発明の原理のみを上述した。さらに、当業者であれば、種々の修正、変更が可能であり、上述の実施例の開示は本発明を図示の構成および動作に限定するものではなく、従って、すべての適当な修正および等価物は本発明の範囲に入ることを理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来のハードディスクドライブ設計を示す図である。
【図2A】時間の関数とするシーキング速度およびシーキング加速度のグラフ例を示す図である。
【図2B】時間の関数とするシーキング速度およびスライダにかかるロールトルクのグラフ例を示す図である。
【図3】通常のヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図4】ロールトルクを減少させるための薄いスライダの一実施例を示す図である。
【図5】ロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図6】ロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図7】ロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図8】時間の関数とする種々のスライダ実施例に印加されるロールトルクのグラフを示す図である。
【図9】スライダ厚さの関数とする種々のスライダ実施例に印加されるロールトルクのグラフを示す図である。
【図10A】ランプリミッタ付きのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図10B】ランプリミッタ付きのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図11A】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例を示す図である。
【図11B】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例を示す図である。
【図12A】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例の上面図である。
【図12B】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例の側面図である。
【図13A】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例の上面図である。
【図13B】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例の側面図である。
【図14】シーク動作中のスライダにかかるロールトルクを減少させるための一実施例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0027】
340,440,540,640,1010,1120,1145,1215,1320 スライダ
305 負荷ビーム
310,510,610,710 ディンプル
315,515 フレクスチャタング
320 エポキシ
325,625 ポリマ
330 電気トレース
335 導電性材料
715,1115,1140,1210,1315 フレクスチャ
745,1020 平衡ウエイト
1005 ランプリミッタ
1105,1135,1305 第1の部品
1110,1130 第2の部品
1115,1150 読出し/書込みヘッド
1205 レール
1310 支持ウエイト部品
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気情報記憶ディスクドライブに用いられるヘッドジンバルアセンブリ(HGA)に関する。特に、本発明は、トラックアクセス中に優れた性能を有するヘッドジンバルアセンブリ(HGA)設計に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は通常のハードディスクドライブ設計を示す。ハードディスクドライブはコンピュータにおける主要な記憶装置として用いられている。ハードディスクドライブは回転ディスクへディジタル情報を格納しおよび回転ディスクからディジタル情報を検索することにより動作する。ディスク上の読出しおよび書込みはサスペンションと呼ばれる1つの金属ばね上に装着されたセラミック“スライダ”に組込まれた磁気“ヘッド”によって実行される。サスペンションは多く部品たとえば負荷ビーム、ジンバル、トレース、ヒンジおよびベースプレートよりなる。サスペンションは2つ機能、つまり、“ヘッド”と“プリアンプ”との間の機械的支持および電気的接続を提供する。スライダは回転ディスク上をスライダとディスク間の浮上量として知られる約10nmギャップだけ浮上する。このようなギャップでスライダは安定的かつ信頼的に浮上させるために、サスペンション設計の種々の特性たとえばジンバルピッチ、ロールスティフネス(Kp,Kr)およびジンバル静的姿勢(ピッチ静的姿勢(PSA)およびロール静的姿勢(RSA))を慎重に設計しなければならない。
【0003】
また、ディスクドライブは、スライダもしくはヘッドをディスク面上のあるトラック上に移動させるサーボシステムを含む。この動作はシーキング動作と呼ばれる。ディスクドライブの性能つまりデータ転送速度は重要性能特性の1つである。より高い性能/データ転送速度を達成するために、シーキングはより積極的となり、また、ますます、高い速度、高い加速度および高い減速度によって特徴付けられる。シーク過程中にあっては、スライダの浮上高さは、(1)空気流量および方向の変化、および(2)加減速中のスライダに印加されるサスペンション負荷の変化により、変化する。加減速過程中のスライダに印加されるサスペンション負荷の変化は、主に(インラインアクチュエータに対する)ロール方向のトルクにより発生する。図2Aおよび図2Bは時間関数としてシーキング速度に対するシーキング加速度およびロールトルクの例を示す。これらの例において、加速過程において、負のロールトルクがほぼ時間0.5msにスライダに印加される。減速過程でのほぼ時間6msに正のロールトルク変化が発生する。これらのロールトルク変化は、スライダとディスクとの間の隙間を減少させ、また、スライダをディスクに接触させ、この結果、ドライブ故障となる可能性がある。従って、ロールトルク変化は改良させなければならない。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6125017号
【特許文献2】米国特許第6549376号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロールトルク変化は、加速度もしくは減速度にロール慣性モーメントを乗算させた値に等しい。通常、ロールトルクは加速もしくは減速を減少させることによって減少できるが、そうすると、ドライブ性能に負の効果が発生する。従って、その代りに、ロール慣性質量を減少させることが好ましい。また、あるシーク動作中に、サーボがアクチュエータの制御を喪失することがあり、この結果、スライダの加速もしくは減速の制御の喪失となる。このような状況にあっては、アクチュエータはディスクの内径もしくは外径において安全停止に入ることになるだろう。この過程において、スライダの加速もしくは減速は正常なシーク動作の加速もしくは減速の数10倍になるだろう。また、アクチュエータの制御の喪失の結果、ディスクおよびスライダの重大な損壊に到る。ディスクの損壊の防止策の1つは特許文献1において提案され、ここで安全停止が再設計されている。あるいは、ディスクの損壊のもう1つの防止策はブレーキ距離を増大させることである。この防止策はブレーキ距離の増大がデータ格納に用いられるディスク領域を直接減少させるので、好ましくない。このように、ロール慣性モーメントを減少させることがさらにより好ましい。
【0006】
スライダのロール慣性モーメントを減少させる改良されたヘッドジンバルアセンブリを提供するのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
シーキング性能を改良するために平衡とされたヘッドジンバルアセンブリを開示する。ヘッドジンバルアセンブリは、データ読出し用読出し素子群およびデータ書込み用書込み素子群を有する磁気ヘッドを備えることができる。スライダは、空気支持面および該空気支持面に対向する非空気支持面を有することができる。また、ヘッドジンバルアセンブリは、負荷ビームとフレクスチャと平衡ウエイトとを含むサスペンションを有することができる。負荷ビームは、アクチュエータアームに結合されることができる。フレクスチャは、負荷ビームおよびスライダに結合され、窓を有し、負荷ビームに結合されたディンプル(dimple)が窓を介してディンプル接触点に接触できる。平衡ウエイトはフレクスチャに結合され、ヘッドジンバルアセンブリの質量中心がディンプル接触点に整列するように構成されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図3は通常のヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)は、スライダ340およびスライダ340を支持するサスペンションを含むことができる。サスペンションはアクチュエータアーム(図示せず)に取り付けられた負荷ビーム305を含むことができる。アクチュエータアームは、HGAを磁気ディスクの種々の部分上に位置させかつ移動させてディスクからデータを読出しまたディスクへデータを書込む。フレクスチャタング315を含むフレクスチャは、負荷ビーム305に結合もしくは取り付けできる。スライダ340を負荷ビーム305に対して“ピッチ”および“ロール”させながら、フレクスチャは負荷ビーム305に相対的にインライン整列を維持することができる。負荷ビーム305の可撓性部分(図示せず)は、弾性的に曲げて小さな(gran)負荷つまり反撥力を発生させ、この反撥力はディンプル310を介してスライダに転送され、スライダをディスクの表面に向って下方へ押圧させる。スライダ340は共に公知であるエポキシ320および/またはポリマ325たとえばポリイミドを用いてフレクスチャタング315に取り付けられもしくは結合されることができる。また、スライダ340は、電気トレース330たとえば鋼トレースに導電性材料335たとえばソルダボールあるいは金ボールを用いて電気的に接続されることができる。
【0009】
図4はロールトルクを減少させるための薄いスライダの一実施例を示す図である。通常、スライダは180ミクロメータより大きい厚さを有する。スライダ440の厚さを170ミクロメータもしくは140ミクロメータに減少させることによって、薄いスライダ440はより小さな慣性力を有し、HGAの質量中心とディンプル接触点との間の距離(モーメントアーム)をより小さくし、これにより、シーク動作中のスライダ440にかかるロールトルクを減少させる。図8に示すように、スライダ440の厚さを小さくすると、スライダ440の厚さに応じた量だけシーキング中にスライダにかかるロールトルクを減少させることができる。また、図9はスライダの厚さの関数としてスライダにかかるスケールドロールトルクを示す。図が示すように、スライダ440の厚さを230ミクロメータ(従来の通常の見られる値)から170ミクロメータへ減少させると、ロールトルクはほぼ40%減少させることができる。
【0010】
図5はロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。この実施例において、シーキング中にスライダにかかるロールトルクは、フレクスチャタング515に“窓”つまりギャップを設けることによって減少でき、これにより、スライダ540の非空気支持面の部分を露出させる。フレクスチャタング515の窓は、ディンプル510をフレクスチャタング515およびポリマ層525の厚さをバイパスしてスライダ540の非空気支持面に直接接触させることができる。ディンプル510をスライダ540の非空気支持面に直接接触させると、従来のHGA設計に対してロールモーメントアームの長さをほぼ30ミクロメータに減少できる。ロールモーメントアームの長さの減少にかかわらず、スライダ540をフレクスチャ515に結合する前にディンプル510をフレクスチャタング515に収容することができないので、この実施例に記載のフレクスチャ窓を有するサスペンションの製造およびテストは複雑となる。この複雑さはジムバル静的姿勢およびディンプル接触力の制御および測定を防止できる。製造およびテストの複雑さにもかかわらず、図8および図9に示すように、フレクスチャ窓を有するHGAは、従来のHGAに比較してスライダにかかるロールトルクを大きく減少させることができる。
【0011】
図6はロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。この実施例において、シーキング中にスライダにかかるロールトルクは、ステンレス鋼シートとすることができるフレクスチャタング615に“窓”つまりギャップを設けることによって減少でき、これにより、ポリマ層625の部分を露出させる。ディンプル610は露出されたポリマ層625に接触できる。また、有利なこととして、図5の実施例におけるディンプル610をスライダ640の非空気支持面に接触させる代わりに、ディンプル610をポリマ層625に接触させると、従来のHGA設計に対してロールモーメントアームの長さをほぼ20ミクロメータに減少でき、また、図5の実施例の製造およびテストを複雑にすることなく、ロールトルクを減少できる。さらに、ディンプル610をポリマ層625に接触させると、ポリマ層625はスライダ基板より堅くないので、ディンプルヘルツ接触応力を減少できる。この結果、ディンプル磨耗を減少でき、また、ディンプル形状をディスクドライブの寿命においてよりよく維持できる。また、ディンプルがフレクスチャタングの表面に接触している場合よりもディンプル接触位置のドリフトは少なくできる。また、この実施例は特許文献2に記載のHGAおよび方法と異なり、ディンプルの高さが減少し、サスペンションに付加される材料がない点で有利である。
【0012】
図7はロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。この実施例では、フレクスチャ715は窓を有し、ディンプル710をスライダ740の空気支持面に対向する面に接触させている。さらに、剛性の平衡ウエイト745はフレクスチャ715の遠位端から延伸できる。平衡ウエイト745を実質的に剛性をもたせると、ディスクドライブの動作中に平衡ウエイト745の共振が防止でき、これにより、スライダ浮上量が動作中に影響されないことを保証する。平衡ウエイト745はフレクスチャ715の遠位端に結合し、垂直に延伸する第1の部品を有することができる。一実施例において、第1の部品はフレクスチャ715の遠位端から垂直に延伸できる。第1の部品の他端には水平方向の第2の部品が装着できる。一実施例において、第2の部品はフレクスチャ715に平行にできる。平衡ウエイト745の2つの部品は一緒になってスライダ740およびジンバル質量中心をディンプル710がスライダ740に接触する点に近づけ、これにより、シーキング中のスライダ740にかかるロールトルクを減少できる。この実施例のロールトルクの減少は図8および図9に例示されている。
【0013】
図8は時間の関数とする種々のスライダ例に印加されるロールトルクを示すグラフである。上述したように、従来のHGAの代わりに上述の実施例の1つを用いると、シーキング動作中のスライダにかかるロールトルクを減少できる。さらに、より薄いスライダを用いると、HGAにおけるフレクスチャの窓および平衡ウエイトはロールトルクをより大きく減少できる。
【0014】
図9はスライダ厚さの関数とする種々のスライダ実施例に印加されるロールトルクを示すグラフである。従来のHGAでは、スライダ厚さを減少させると、シーキング動作中のスライダにかかるロールトルクを大きく減少させることができる。HGA実施例においてフレクスチャに窓を導入すれば、ロールトルクを減少でき、また、より薄いスライダおよび/または平衡ウエイトを用いると、ロールトルクの減少を大きくできる。また、グラフは、厚さ140ミクロメータのスライダ、フレクスチャの窓および平衡ウエイトを内蔵したHGAがロールトルクの最大減少を招くということを示している。
【0015】
図10Aはランプリミッタを有する通常のヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。ランプリミッタ1005はロード/アンロードドライブに用いられ、ディスクがスピンしていないときにスライダ1010が損壊するのを防止できる。このような状況において、HGAはロード/アンロードランプに位置でき、スライダ1010がディスク表面に接触するのを防止できる。また、ランプリミッタ1005は、衝撃時にランプ支持体に接触させてスライダの動きを制限してスライダ1010を保護でき、これにより、スライダ1010の損壊を防止する。
【0016】
図10Bはランプリミッタなしの平衡ヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す。この実施例においては、ランプリミッタを取除き、平衡ウエイト1020と代える。平衡ウエイト1020は、衝撃時に平衡ウエイトの上部を負荷ビームに接触させることにより衝撃時のスライダを保護できる。この結果、スライダの移動範囲は制限でき、また、スライダの損壊は防止できる。平衡ウエイト1020はロード/アンロードランプリミッタに似ることができるが、従来のロード/アンロードリミッタとは質量において大きく異なる。最小質量を達成するように設計される従来のリミッタと異なり、平衡ウエイト1020は平衡目的のために実質的な質量を有するように設計できる。平衡ウエイト1020の質量は、スライダの質量および平衡ウエイトからディンプルの先までの距離(図示せず)を含むいくつかの要因に依存してもよい。当業者であれば、より大きな質量のスライダであれば、より大きな質量を有する平衡ウエイト1020が要求されることを理解すべきである。平衡ウエイトとディンプル接触点との距離が長くなれば、平衡ウエイト1020はより小さい質量を有することができる。
【0017】
図11Aはヘッドジンバルアセンブリの平衡ウエイト構成の一実施例を示す。この実施例では、HGAはスライダ1120に結合されたフレクスチャ1115を有することができる。スライダ1120は、スライダ本体の後縁に位置する読出し/書込みヘッド1125を有することができる。また、ディンプル(図示せず)がフレクスチャ(図示せず)の窓を介してスライダの非空気支持面に接触する点にHGAの質量中心が一致するように、HGAは平衡ウエイトを有することができ、これにより、シーキング中にスライダにかかるロールトルクを減少できる。平衡ウエイトはフレクスチャ1115の遠位端に位置する第1の部品1105を有することができる。第1の部品1105は、フレクスチャ1115に関して垂直に延伸することができ、実質的に堅くかつ実質的に質量を有することができる。また、平衡ウエイトは、フレクスチャ1115の近位端に位置する第2の部品1110を有することができる。また、第2の部品1110は、フレクスチャ1115に関して垂直に延伸し、また、実質的に堅くかつ実質的に質量を有することができる。一実施例において、第1の部品1105および第2の部品1110の1つもしくは両方はフレクスチャ1115に関して垂直に延伸することができる。上述したように、平衡ウエイトの部品の質量はHGAの設計に依存することができ、種々のHGA部品の寸法および質量が平衡ウエイトの質量に影響する。
【0018】
図11Bはヘッドジンバルアセンブリの平衡ウエイト構成の一実施例を示す。この実施例では、HGAはスライダ1145に結合されたフレクスチャ1140を有することができる。スライダ1145はスライダ本体の後縁に位置する読出し/書込みヘッド1150を有する。また、HGAの質量中心が、ディンプルとスライダの面に接触する点に一致するように、移動し、平衡ウエイトを構成することができ、これにより、シーキング中にスライダにかかるロールトルクを減少できる。この構成において、平衡ウエイトは、フレクスチャ1115の近位端と遠位端との間の点に位置し結合された第1の部品1135を有することができる。第1の部品1135は、フレクスチャ1140に関して水平にでき、また、実質的に堅くかつ実質的に質量を有することができる。一実施例において、第1の部品1135は、フレクスチャ1140に関して垂直に延伸することができる。また、平衡ウエイトは、第1の部品1135に結合され水平に延伸した第2の部品1130を有することができる。一実施例において、第2の部品1130はフレクスチャ1140に関して水平にできる。また、第2の部品1130は実質的に堅くかつ実質的に質量を有することができる。
【0019】
図12Aおよび図12Bはヘッドジンバルアセンブリの平衡ウエイト構成の一実施例の側面図および上面図を示す。この実施例では、HGAは、スライダ1215に結合されたフレクスチャ1210を有することができ、スライダ1215は、スライダ1215の後縁に位置する読出し/書込みヘッド1220を有する。平衡ウエイトはフレクスチャ1210に取り付けられもしくは結合できる。平衡ウエイトはフレクスチャ1210の縦軸に沿って走る“レール”状をなすことができる。一実施例において、平衡ウエイトは、フレクスチャおよびサスペンションの縦軸に沿って走る2つ以上の“レール”1205の間に分散できる。これらのレール1205はサスペンションもしくはフレクスチャの対向端上に位置し、フレクスチャもしくはサスペンションの縦軸方向に整列することができ、この結果、横方向加速度によるディスク表面に垂直な方向のモーメントの発生を防止できる(つまり、シーキング中にスライダが揺動しない)。一実施例において、平衡ウエイト部品1205はサスペンションもしくはフレクスチャの対向側に位置し、少なくともスライダの縦軸に沿って走るフレクスチャもしくはサスペンションの縦軸の方向に向くことができ、この結果、HGAの剛性を大きく、平衡ウエイトの動的支持を最小にできる。平衡ウエイトの分散により、平衡ウエイトおよびスライダを含むHGAの実質的に剛性な部分の質量中心をディンプル接触点(図示せず)に整列できる。
【0020】
図13Aおよび図13Bはヘッドジンバルアセンブリの平衡ウエイト構成の一実施例の側面図および上面図を示す。この実施例では、HGAはスライダ1320に結合されたフレクスチャ1315を有することができる。スライダ1320はスライダ1320の後縁に位置する読出し/書込みヘッド1325を有する。フレクスチャ1315は窓もしくはギャップを有することができ、これを介して負荷ビーム(図示せず)に結合されたディンプル(図示せず)がスライダ裏面(つまり、スライダの非空気支持面)に接触できる。また、HGAはフレクスチャ1315に結合された平衡ウエイトを有することができる。この実施例において、平衡ウエイトは、フレクスチャ1315から上伸しフレクスチャ1315に関して水平に向いた第1の部品1305を含むように構成できる。一実施例において、第1の部品1305はフレクスチャ1315に平行にすることができる。第1の部品1305は、1つ以上の支持ウエイト部品1310を介してフレクスチャに結合もしくは合体でき、また、支持ウエイト部品1310はフレクスチャ1315および第1の部品1305との間に垂直に位置できる。支持部品1310間の孔もしくはギャップは、平衡ウエイトの質量中心を上昇させることによって平衡ウエイトをより効果的にできる。また、孔もしくはギャップはHGA上の空気流量効果を減少できる。
【0021】
図14はシーク動作中のスライダにかかるロールトルクを減少させる一実施例のフローチャートを示す。ブロック1410にて、ヘッドジンバルアセンブリのスライダのスライダ厚さを選択できる。通常、スライダはほぼ230ミクロメータの厚さを有するが、140ミクロメータとすることもできる。スライダの厚さはシーキング中のスライダにかかるロールトルクに影響し、スライダが厚くなると、薄いスライダに比較してロールトルクは増大する。ブロック1420にて、ロールトルクを単独もしくは選択されたスライダ厚さとの組合せで減少させるために、窓をヘッドジンバルアセンブリのフレクスチャに形成することができる。窓を形成すると、窓はフレクスチャ下方の表面の部分を露出できる。一実施例において、フレクスチャとスライダとの間に挟まれたポリマ層を、窓によって露出することができる。あるいは、窓をフレクスチャおよびその下層のポリマ層に形成し、これにより、スライダの非空気支持面を露出することができる。ブロック1430にて窓を形成すると、負荷ビームに結合されたディンプルは、ポリマ層の露出部分かあるいはスライダの非空気支持面かに接触することができる。
【0022】
決定ブロック1440にて、単独、もしくは選択されたスライダ厚さおよび/またはフレクスチャの窓の組合せで、平衡ウエイトは、平衡ウエイトがフレクスチャに結合されていれば、HGAの質量中心を移動させてディンプルがポリマ層もしくはスライダの非空気支持層に接触している点に整列される。平衡ウエイトは実質的に剛性を有し、実質的な質量を有する。平衡ウエイトは複数個の構成をとり、各構成はHGAの質量中心をディンプル接触点に整列できる。一実施例において、平衡ウエイトは、フレクスチャの遠位端に結合されその遠位端から垂直に延伸している第1の部品を有することができる。第2の部品は、第1の部品に結合されフレクスチャに平行もしくは実質的平行にできる。あるいは、平衡ウエイトは、フレクスチャの縦軸に平行でフレクスチャの対向端に位置する2つ以上の“レール”間に分散できる。一実施例において、レールは、フレクスチャへレールと一体にする複数の垂直支持体でフレクスチャから上伸することができる。複数の垂直支持体は互いに可変の距離だけ離し、“孔”を形成してHGAの質量中心を上側へ移動できる。また、“孔”はHGA上の空気流量効果を低減できる。他の実施例において、平衡ウエイトは、フレクスチャの遠位端に結合し、垂直に延伸する第1の部品を有することができる。第2の部品は、フレクスチャの近位端に結合され近位端に垂直とすることができる。他の実施例において、平衡ウエイトはフレクスチャの遠位端と近位端との間の点においてフレクスチャと結合し垂直な第1の部品を有することができる。第1の部品の他端には第2の部品が装着できる。第2の部品はフレクスチャに平行もしくは実質的平行にできる。平衡ウエイトを用いていれば、ブロック1450にて、平衡ウエイト構成はフレクスチャに結合させ、HGAの質量中心をディンプル接触点に整列させることができる。平衡ウエイトを用いていなければ、ブロック1490にて処理は終了する。
【0023】
フレクスチャの窓が形成されていなければ、ブロック1460にて、ディンプルはフレクスチャに接触できる。一実施例において、フレクスチャはステレンス鋼から作ることができる。決定ブロック1470にて、平衡ウエイトが使用するか使用しないかを決定する。平衡ウエイトを用いれば、ブロック1480にて、平衡ウエイトを作成してフレクスチャに結合することができる。平衡ウエイトは複数個の構成をとり、各構成をHGAの質量中心をディンプル接触点に整列させることができる。種々の平衡ウエイトの例については上述した。平衡ウエイトを使用せずにロールトルクを減少させるときには、ブロック1490にて処理は終了する。シーキング中のスライダにかかるロールトルクを減少させる上述の方法は、より薄いスライダ、フレクスチャの窓および平衡ウエイトを個別的にあるいは種々の組合せで使用してロールトルクを減少させることができる。
【0024】
上述した本発明の実施例によれば、HGAのシーキング性能を改善できる。ロールトルクは、薄いスライダ、フレクスチャの窓および平衡ウエイトを備える完全平衡HGAによって完全に取除くことができるが、当業者であれば、改善されたHGA性能は上述の特徴の2つのいかなる組合せでも用いれば達成できることを理解できる。さらに、当業者であれば、HGAの質量中心をディンプル接触点に整列させる複数の平衡ウエイト構成を付加して用いるとロールトルクを減少できることを理解できる。
【0025】
従って、本発明の原理のみを上述した。さらに、当業者であれば、種々の修正、変更が可能であり、上述の実施例の開示は本発明を図示の構成および動作に限定するものではなく、従って、すべての適当な修正および等価物は本発明の範囲に入ることを理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来のハードディスクドライブ設計を示す図である。
【図2A】時間の関数とするシーキング速度およびシーキング加速度のグラフ例を示す図である。
【図2B】時間の関数とするシーキング速度およびスライダにかかるロールトルクのグラフ例を示す図である。
【図3】通常のヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図4】ロールトルクを減少させるための薄いスライダの一実施例を示す図である。
【図5】ロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図6】ロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図7】ロールトルクを減少させるためのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図8】時間の関数とする種々のスライダ実施例に印加されるロールトルクのグラフを示す図である。
【図9】スライダ厚さの関数とする種々のスライダ実施例に印加されるロールトルクのグラフを示す図である。
【図10A】ランプリミッタ付きのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図10B】ランプリミッタ付きのヘッドジンバルアセンブリの一実施例を示す図である。
【図11A】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例を示す図である。
【図11B】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例を示す図である。
【図12A】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例の上面図である。
【図12B】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例の側面図である。
【図13A】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例の上面図である。
【図13B】ヘッドジンバルアセンブリ用の平衡ウエイト構成の一実施例の側面図である。
【図14】シーク動作中のスライダにかかるロールトルクを減少させるための一実施例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0027】
340,440,540,640,1010,1120,1145,1215,1320 スライダ
305 負荷ビーム
310,510,610,710 ディンプル
315,515 フレクスチャタング
320 エポキシ
325,625 ポリマ
330 電気トレース
335 導電性材料
715,1115,1140,1210,1315 フレクスチャ
745,1020 平衡ウエイト
1005 ランプリミッタ
1105,1135,1305 第1の部品
1110,1130 第2の部品
1115,1150 読出し/書込みヘッド
1205 レール
1310 支持ウエイト部品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ読出し用読出し素子群およびデータ書込み用書込み素子群を有する磁気ヘッドを備え、空気支持面および前記空気支持面に対向する非空気支持面を有するスライダと、
前記スライダを支持し、前記スライダと磁気データ記憶媒体との間のスペーシングを保持するためのサスペンションであって、
アクチュエータアームに結合された負荷ビームと、
前記負荷ビームおよび前記スライダに結合され、露出部分を有し、前記負荷ビームに結合されたディンプルが前記露出部分を介してディンプル接触点に接触するフレクスチャと、
前記フレクスチャに結合され、前記ヘッドジンバルアセンブリの質量中心が前記ディンプル接触点に整列するように構成された平衡ウエイトと、を備えるサスペンションと、
を備えるヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項2】
前記サスペンションは、前記フレクスチャと前記スライダとの間に位置する複数のポリイミドスタンドオフであって、前記ディンプル接触点が前記複数のポリイミドスタンドオフの表面に位置するポリイミドスタンドオフをさらに備える請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項3】
前記ディンプル接触点は前記スライダの前記非空気支持面に位置する請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項4】
前記スライダは180ミクロメータより小さい厚さを有する請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項5】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され前記フレクスチャの遠位端から延伸し、前記平衡ウエイトは、前記遠位端に結合され前記遠位端に垂直な第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有し、前記第2の部品は、衝撃時に前記負荷ビームに接触できる請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項6】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの縦軸に平行なかつ前記フレクスチャの縦方向に対向して位置する2つの部品の間に分散している請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項7】
前記2つの部品のそれぞれは、前記フレクスチャの縦方向端が平行に上伸した部分と、前記部分および前記フレクスチャ間に結合され垂直な複数の垂直支持部(supports)とを有し、前記複数の垂直支持部は互いに可変の距離だけ離れている請求項6に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項8】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され垂直な第1の部品と、前記フレクスチャの近位端に結合され垂直な第2の部品とを有する請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項9】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャに垂直で前記フレクスチャの遠位端および近位端の間の点に結合された第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有する請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項10】
データ読出し用読出し素子群およびデータ書込み用書込み素子群を有する読出し/書込みヘッドを備え、空気支持面および前記空気支持面に対向する非空気支持面を有するスライダと、
データを格納する磁気データ記憶媒体と、
前記スライダを支持し、前記スライダと磁気データ記憶媒体との間のスペーシングを保持するためのサスペンションであって、
アクチュエータアームに結合された負荷ビームと、
前記負荷ビームおよび前記スライダに結合され、露出部分を有し、前記負荷ビームに結合されたディンプルが前記露出部分を介してディンプル接触点に接触するフレクスチャと、
前記フレクスチャに結合され、前記ヘッドジンバルアセンブリの質量中心が前記ディンプル接触点に整列するように構成された平衡ウエイトと、を備えるサスペンションと、
を備えるディスクドライブ。
【請求項11】
前記サスペンションは、前記フレクスチャと前記スライダとの間に位置する複数のポリイミドスタンドオフであって、前記ディンプル接触点が前記複数のポリイミドスタンドオフの表面に位置するポリイミドスタンドオフをさらに備える請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項12】
前記ディンプル接触点は前記スライダの前記非空気支持面に位置する請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項13】
前記スライダは180ミクロメータより小さい厚さを有する請求項1に記載のディスクドライブ。
【請求項14】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され前記フレクスチャの遠位端から延伸し、前記平衡ウエイトは、前記遠位端に結合され前記遠位端に垂直な第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有し、前記第2の部品は、衝撃時に前記負荷ビームに接触できる請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項15】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの縦軸に平行なかつ前記フレクスチャの縦方向に対向して位置する2つの部品の間に分散している請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項16】
前記2つの部品のそれぞれは、前記フレクスチャの縦方向端が平行に上伸した部分と、前記部分および前記フレクスチャ間に結合され垂直な複数の垂直支持部とを有し、前記複数の垂直支持部は互いに可変の距離だけ離れている請求項15に記載のディスクドライブ。
【請求項17】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され垂直な第1の部品と、前記フレクスチャの近位端に結合され垂直な第2の部品とを有する請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項18】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャに垂直で前記フレクスチャの遠位端および近位端の間の点に結合された第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有する請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項19】
スライダの厚さを選択すること、
フレクスチャにディンプル接触点を露出する窓を形成すること、
負荷ビームに結合されディンプルを前記ディンプル接触点に接触させること、
前記ディンプル接触点により平衡ウエイトをヘッドジンバルアセンブリの質量中心に整列させること、
前記平衡ウエイト構成を前記フレクスチャに結合させること
を備えるスライダロールトルクを減少させる方法。
【請求項20】
前記ディンプル接触点はポリイミド層の表面に位置する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ディンプル接触点は前記スライダの前記非空気支持面に位置する請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され前記フレクスチャの遠位端から延伸し、前記平衡ウエイトは、前記遠位端に結合され前記遠位端に垂直な第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有し、前記第2の部品は、衝撃時に前記負荷ビームに接触できる請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの縦軸に平行なかつ前記フレクスチャの縦方向に対向して位置する2つの部品の間に分散している請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記2つの部品のそれぞれは、前記フレクスチャの縦方向端が平行に上伸した部分と、前記部分および前記フレクスチャ間に結合され垂直な複数の垂直支持部とを有し、前記複数の垂直支持部は互いに可変の距離だけ離れている請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され垂直な第1の部品と、前記フレクスチャの近位端に結合され垂直な第2の部品とを有する請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャに垂直で前記フレクスチャの遠位端および近位端の間の点に結合された第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有する請求項19に記載の方法。
【請求項1】
データ読出し用読出し素子群およびデータ書込み用書込み素子群を有する磁気ヘッドを備え、空気支持面および前記空気支持面に対向する非空気支持面を有するスライダと、
前記スライダを支持し、前記スライダと磁気データ記憶媒体との間のスペーシングを保持するためのサスペンションであって、
アクチュエータアームに結合された負荷ビームと、
前記負荷ビームおよび前記スライダに結合され、露出部分を有し、前記負荷ビームに結合されたディンプルが前記露出部分を介してディンプル接触点に接触するフレクスチャと、
前記フレクスチャに結合され、前記ヘッドジンバルアセンブリの質量中心が前記ディンプル接触点に整列するように構成された平衡ウエイトと、を備えるサスペンションと、
を備えるヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項2】
前記サスペンションは、前記フレクスチャと前記スライダとの間に位置する複数のポリイミドスタンドオフであって、前記ディンプル接触点が前記複数のポリイミドスタンドオフの表面に位置するポリイミドスタンドオフをさらに備える請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項3】
前記ディンプル接触点は前記スライダの前記非空気支持面に位置する請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項4】
前記スライダは180ミクロメータより小さい厚さを有する請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項5】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され前記フレクスチャの遠位端から延伸し、前記平衡ウエイトは、前記遠位端に結合され前記遠位端に垂直な第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有し、前記第2の部品は、衝撃時に前記負荷ビームに接触できる請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項6】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの縦軸に平行なかつ前記フレクスチャの縦方向に対向して位置する2つの部品の間に分散している請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項7】
前記2つの部品のそれぞれは、前記フレクスチャの縦方向端が平行に上伸した部分と、前記部分および前記フレクスチャ間に結合され垂直な複数の垂直支持部(supports)とを有し、前記複数の垂直支持部は互いに可変の距離だけ離れている請求項6に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項8】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され垂直な第1の部品と、前記フレクスチャの近位端に結合され垂直な第2の部品とを有する請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項9】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャに垂直で前記フレクスチャの遠位端および近位端の間の点に結合された第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有する請求項1に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項10】
データ読出し用読出し素子群およびデータ書込み用書込み素子群を有する読出し/書込みヘッドを備え、空気支持面および前記空気支持面に対向する非空気支持面を有するスライダと、
データを格納する磁気データ記憶媒体と、
前記スライダを支持し、前記スライダと磁気データ記憶媒体との間のスペーシングを保持するためのサスペンションであって、
アクチュエータアームに結合された負荷ビームと、
前記負荷ビームおよび前記スライダに結合され、露出部分を有し、前記負荷ビームに結合されたディンプルが前記露出部分を介してディンプル接触点に接触するフレクスチャと、
前記フレクスチャに結合され、前記ヘッドジンバルアセンブリの質量中心が前記ディンプル接触点に整列するように構成された平衡ウエイトと、を備えるサスペンションと、
を備えるディスクドライブ。
【請求項11】
前記サスペンションは、前記フレクスチャと前記スライダとの間に位置する複数のポリイミドスタンドオフであって、前記ディンプル接触点が前記複数のポリイミドスタンドオフの表面に位置するポリイミドスタンドオフをさらに備える請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項12】
前記ディンプル接触点は前記スライダの前記非空気支持面に位置する請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項13】
前記スライダは180ミクロメータより小さい厚さを有する請求項1に記載のディスクドライブ。
【請求項14】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され前記フレクスチャの遠位端から延伸し、前記平衡ウエイトは、前記遠位端に結合され前記遠位端に垂直な第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有し、前記第2の部品は、衝撃時に前記負荷ビームに接触できる請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項15】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの縦軸に平行なかつ前記フレクスチャの縦方向に対向して位置する2つの部品の間に分散している請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項16】
前記2つの部品のそれぞれは、前記フレクスチャの縦方向端が平行に上伸した部分と、前記部分および前記フレクスチャ間に結合され垂直な複数の垂直支持部とを有し、前記複数の垂直支持部は互いに可変の距離だけ離れている請求項15に記載のディスクドライブ。
【請求項17】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され垂直な第1の部品と、前記フレクスチャの近位端に結合され垂直な第2の部品とを有する請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項18】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャに垂直で前記フレクスチャの遠位端および近位端の間の点に結合された第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有する請求項10に記載のディスクドライブ。
【請求項19】
スライダの厚さを選択すること、
フレクスチャにディンプル接触点を露出する窓を形成すること、
負荷ビームに結合されディンプルを前記ディンプル接触点に接触させること、
前記ディンプル接触点により平衡ウエイトをヘッドジンバルアセンブリの質量中心に整列させること、
前記平衡ウエイト構成を前記フレクスチャに結合させること
を備えるスライダロールトルクを減少させる方法。
【請求項20】
前記ディンプル接触点はポリイミド層の表面に位置する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ディンプル接触点は前記スライダの前記非空気支持面に位置する請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され前記フレクスチャの遠位端から延伸し、前記平衡ウエイトは、前記遠位端に結合され前記遠位端に垂直な第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有し、前記第2の部品は、衝撃時に前記負荷ビームに接触できる請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの縦軸に平行なかつ前記フレクスチャの縦方向に対向して位置する2つの部品の間に分散している請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記2つの部品のそれぞれは、前記フレクスチャの縦方向端が平行に上伸した部分と、前記部分および前記フレクスチャ間に結合され垂直な複数の垂直支持部とを有し、前記複数の垂直支持部は互いに可変の距離だけ離れている請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャの遠位端に結合され垂直な第1の部品と、前記フレクスチャの近位端に結合され垂直な第2の部品とを有する請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記平衡ウエイトは、前記フレクスチャに垂直で前記フレクスチャの遠位端および近位端の間の点に結合された第1の部品と、前記第1の部品に結合され前記フレクスチャに平行な第2の部品とを有する請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図10A】
【図10B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2008−243360(P2008−243360A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80532(P2008−80532)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(500393893)新科實業有限公司 (361)
【氏名又は名称原語表記】SAE Magnetics(H.K.)Ltd.
【住所又は居所原語表記】SAE Technology Centre, 6 Science Park East Avenue, Hong Kong Science Park, Shatin, N.T., Hong Kong
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(500393893)新科實業有限公司 (361)
【氏名又は名称原語表記】SAE Magnetics(H.K.)Ltd.
【住所又は居所原語表記】SAE Technology Centre, 6 Science Park East Avenue, Hong Kong Science Park, Shatin, N.T., Hong Kong
【Fターム(参考)】
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