説明

ヘッドレストの被覆構造

【課題】より簡単な構成によって、ヘッドレストを見栄え良く被覆することにある。
【解決手段】袋状の表皮材8Sの端部に、弾性的に伸縮可能な一対のカバー部材21,22を対向状に配設して、連結部材9を露出可能な閉じ状態の開口部Oを形成するとともに、一対のカバー部材21,22を互いに離れる方向に伸縮させることで、表皮材8Sの開口部Oを、パッド部材8Pが挿入可能な開き状態とするとともに、一対のカバー部材21,22の弾性力により表皮材8Sの開口部Oを閉じ状態とする構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに設けられたヘッドレストの被覆構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のヘッドレストの被覆構造として、例えば特許文献1に開示の技術が公知である。この被覆構造は、ヘッドレストの外形をなすパッド部材と、パッド部材を被覆可能な袋状の表皮材を有する。この表皮材下部(表皮材端部)は前後左右に分割されており、パッド部材を挿入可能な開口部が形成されている。
そして表皮材をパッド部材に被せたのち、表皮材の開口部を閉じ状態とするのであるが、このとき見栄え良く開口部を閉じ状態とすることが望ましい。
【0003】
そこで公知技術では、左右の表皮材端部に面ファスナを設けるとともに、前後の表皮材端部に平板状の樹脂板を設ける。そして左右の表皮材端部の面ファスナを、パッド部材の底部に係止する。さらに前後の表皮材端部の樹脂片を、パッド部材の溝部に嵌装することで、比較的見栄え良く開口部を閉じ状態とすることができる。
【特許文献1】特開2006−218115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の公知技術では、開口部を閉じ状態とするための部材が増加するとともに、面ファスナの配設箇所に段差(凹凸)が生じることから、ヘッドレストの外観が若干見劣りすることがあった。さらに公知技術では、表皮材端部の面ファスナが、被覆作業時に表皮材裏面に引掛かるなどして作業性が悪化したり(例えば表皮材端部の位置合わせに手間取ったり)、表皮材が破損したりすることがあった。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、より簡単な構成によって、ヘッドレストを見栄え良く被覆することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、第1発明のヘッドレストの被覆構造は、車両用シートのシートバックに、連結部材を介して連結するヘッドレストに適用される。
そしてヘッドレストの外形をなすパッド部材に袋状の表皮材を被せたのち、表皮材の開口部を閉じ状態とするのであるが、この種の被覆構造は極力シンプルであるとともに、ヘッドレストを見栄え良く被覆できることが望ましい。
【0006】
そこで本発明では、上述の表皮材の端部に、弾性的に伸縮可能な一対のカバー部材を対向状に配設して、(これら一対のカバー部材によって)連結部材を露出可能な閉じ状態の開口部を形成する構成とした。
そして一対のカバー部材を互いに離れる方向に伸縮させることで、表皮材の開口部を、パッド部材が挿入可能な開き状態とするとともに、一対のカバー部材の弾性力により表皮材の開口部を閉じ状態とする。このようにカバー部材の伸び(弾性力)を利用して開口部を開閉するシンプルな構成により、面ファスナを用いることなく(見栄え良く)、ヘッドレストを被覆することができる。
【0007】
第2発明のヘッドレストの被覆構造は、第1発明に記載の被覆構造であって、上述のカバー部材を、開口部に向かって段階的又は連続的に幅狭となるよう形成する。
そしてカバー部材の開口部側を伸張させた状態で表皮材の端部に配設することにより、カバー部材の反返りや位置ずれを防止又は低減する構成とした。
【0008】
第3発明のヘッドレストの被覆構造は、第1発明又は第2発明の被覆構造であって、上述のヘッドレストが、シートバック上に連結部材を介して掛置き可能な掛置き部と、掛置き部からシート前側に垂下するヘッドレスト部を有する。
そして本発明では、一対のカバー部材の一方を掛置き部に設けるとともに、一方とは異なる他方をヘッドレスト部に設けて、比較的広範囲に開口する開口部を形成する構成とした。
【0009】
第4発明のヘッドレストの被覆構造は、第1発明又は第2発明に記載の被覆構造であって、上述のヘッドレストが、シートバック上に連結部材を介して掛置き可能な掛置き部と、掛置き部からシート前側に垂下するヘッドレスト部を有する。
そして本発明では、一対のカバー部材の双方を掛置き部に設けて、比較的狭小で目立ちにくい開口部を形成する構成とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1発明によれば、より簡単な構成によって、ヘッドレストを見栄え良く被覆することができる。また第2発明によれば、ヘッドレストの見栄えをより向上させることができる。また第3発明によれば、作業性良くヘッドレストを被覆することができる。そして第4発明によれば、ヘッドレストの見栄えを更に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図10を参照して説明する。なお各図には、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを適宜付す。
各実施例に示すヘッドレスト8A〜8Eは、シートクッション4とシートバック6を備える車両用シート2の構成部材である(図1及び図4を参照)。
これらヘッドレスト8A〜8Eは、一対のステー部材9,9(連結部材の一例)を介してシートバック6上に連結される。そして一対のステー部材9,9(円柱状)は、所定間隔で離間してヘッドレスト8A〜8Eの下部に並列して配設される。
【0012】
[実施例1]
本実施例のヘッドレスト8A(略矩形状)は、図1及び図2を参照して、その外形をなすパッド部材8Pと、袋状の表皮材8S(詳細構成は後述)を有する。
そして後述するように、この表皮材8Sをパッド部材8Pに被せたのち、表皮材8Sの開口部Oを閉じ状態とするのであるが、そのための構造は極力シンプルであるとともに、ヘッドレスト8Aを見栄え良く被覆できることが望ましい。そこで本実施例では、後述する一対のカバー部材(21,22)を用いることにより、ヘッドレスト8Aを見栄え良く被覆することとした。
【0013】
(表皮材)
本実施例の表皮材8Sは、図1〜図3を参照して、袋状の表皮材本体10と、一対のカバー部材(第一カバー部材21,第二カバー部材22)と、後述の隠し布30を備える。以下、各構成について詳述する。
本実施例の表皮材本体10(典型的に皮革、布帛又は不織布製)は、複数の表皮ピース(前方ピース12、後方ピース16、一対の側方ピース14,14)を袋状に縫着して構成される。表皮材本体10の上方は、各ピースが互いに縫着されて閉鎖状である。一方、表皮材本体10の下方(各ピースの下端側)は開放状であり、後述の開口部Oが形成される。
そして本実施例では、各ピースの下端側(表皮材8Sの端部)に、後述の第一カバー部材21と第二カバー部材22を配設する構成である。
【0014】
(一対のカバー部材)
第一カバー部材21及び第二カバー部材22は、表皮材8Sの開口部Oを形成する部材である。そして両カバー部材21,22は、いずれもゴム弾性を有する部材であり、例えば天然ゴム、合成ゴム又はエラストマにて構成される。
そして第一カバー部材21は、図2(A)を参照して、前方ピース12の形状に対応した幅広の帯状部材である。また第二カバー部材22は、後方ピース16の形状に対応した幅広の帯状部材である。
【0015】
さらに本実施例の第一カバー部材21は、図2(B)を参照して、その一側から他側に向かって連続的に幅狭となるよう形成されている。
より詳しくは、第一カバー部材21の前側(前方ピース側)が、ヘッドレスト8Aの幅寸法(図中の仕切り線PL)と同一の幅寸法である。一方、第一カバー部材21の後側(開口部側)が、ヘッドレスト8Aの幅寸法よりも幅狭である。このため第一カバー部材21は、その後側で、仕切り線PLとの間に間隔寸法C1の隙間が生じる構成である。
そして第二カバー部材22も、その他側から一側に向かって連続的に幅狭となるよう形成されている。すなわち第二カバー部材22の後側(後方ピース側)が、ヘッドレスト8Aの幅寸法と同一の幅寸法である。一方、第二カバー部材22の前側(開口部側)が、ヘッドレスト8Aの幅寸法よりも幅狭である。このため第二カバー部材22は、その前側で、仕切り線PLとの間に間隔寸法C2の隙間が生じる構成である。
【0016】
(カバー部材の配設)
そして表皮材8Sの端部に、一対のカバー部材21,22を対向状に配設する。より詳しくは、第一カバー部材21の前側を、前方ピース12の下端部(折り返し状)に縫着するとともに、第二カバー部材22の後側を、後方ピース16の下端部(折り返し状)に縫着する(図2、図3(A)を参照)。
このとき両カバー部材21,22の縫着位置を適宜調節するなどして、両カバー部材21,22の間に、一対のステー部材9,9を露出可能なクリアランス(ステー部材9の径寸法以上の隙間)を設けておく。こうすることで第一カバー部材21と第二カバー部材22によって、一対のステー部材9,9を露出可能な閉じ状態の開口部Oを形成することができる。
【0017】
つぎに第一カバー部材21の両側を側方ピース14下端部に縫着する(図2(A)を参照)。このとき第一カバー部材21の後側(開口部側)は幅狭であるため、その後側を伸張させた状態で側方ピース14の下端部に縫着する。このため第一カバー部材21の開口部O側は、ヘッドレスト8A幅方向(図の矢線Tの方向)にテンションがかかった状態となる。
また同様に第二カバー部材22の両側を側方ピース14下端部に縫着する。このとき第二カバー部材22の前側(開口部側)は幅狭であるため、その前側を伸張させた状態で側方ピース14の下端部に縫着する。このため第一カバー部材21の開口部O側も、ヘッドレスト8A幅方向にテンションがかかった状態となる。
このように両カバー部材21,22の開口部側に、比較的強いテンションをかけることで、各カバー部材の反返りや位置ずれを防止又は低減することができる。
【0018】
(隠し布)
本実施例では、一対の隠し布30,30(略長方形状の布材)を各々側方ピース14の下端部に縫着する(図1、図3(B)(C)を参照)。この隠し布30は、側方ピース14からステー部材9までをカバーする幅寸法を有する。また隠し布30は、第一カバー部材21から第二カバー部材に達する長さ寸法を有する。
そしてこれら一対の隠し布30,30を、上述の第一カバー部材21(第二カバー部材22)とパッド部材8Pの間に配置することで、開口部Oが目立たなくなり、ヘッドレスト8Aの見栄えをより向上させることができる。
なおこの隠し布30は、表皮材8Sの開口部Oをスムーズに開き状態とするため、第一カバー部材21(第二カバー部材22)と非縫着である。
【0019】
(ヘッドレストの被覆作業)
そして第一カバー部材21と第二カバー部材22を互いに離れる方向に伸縮させて、開口部Oを開き状態とする。そして開き状態の開口部Oにパッド部材8Pを挿入して、パッド部材8Pに表皮材8Sを被せる。このとき第一カバー部材21(第二カバー部材22)は単なる布状部材であるため、面ファスナのように表皮材本体10に係止することはない。このため表皮材8Sを極力傷つけることなく、パッド部材8Pに表皮材8Sを被せることができる。
そしてパッド部材8Pに表皮材8Sを被せたのち、一対のカバー部材(21,22)が、その弾性力により開口部Oを閉じ状態とする。このため表皮材8S端部の位置合わせに手間取ることなく(作業性良く)開口部Oを閉じ状態とすることができる。
【0020】
このように本実施例では、一対のカバー部材(21,22)の伸び(弾性力)を利用して、表皮材8Sの開口部Oを開閉するシンプルな構成である。また第一カバー部材21と第二カバー部材22はいずれも平坦な帯状部材であることから、ヘッドレスト8Aにほとんど段差(凹凸)が生じない構成である。
このため本実施例によれば、より簡単な構成によって、ヘッドレスト8Aを見栄え良く且つ作業性良く被覆することができる。
【0021】
[実施例2]
実施例2の基本構造は、実施例1の基本構造とほぼ同一であるため、共通の構造等については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施例のヘッドレスト8B(略L字状)は、図4を参照して、シートバック6上に掛置き可能な掛置き部82と、掛置き部82からシート前側に垂下するヘッドレスト部84を有する。
そして掛置き部82は、一対のステー部材9,9を介してシートバック6に連結する。これら一対のステー部材9,9は、シート上下に伸長可能であり、シートバック6に対するヘッドレスト8Bの高さ位置を調節する部材である。
【0022】
そしてヘッドレスト8Bは、図5を参照して、パッド部材80P(略L字状)と、表皮材80S(表皮材本体10、一対のカバー部材21,22、隠し布30a)を有する。
本実施例の表皮材本体10は、複数の表皮ピース(前方ピース12、一対の側方ピース14,14)を袋状に縫着してなる。そして前方ピース12(ヘッドレスト8Bの前方を覆うピース)の後端上部は、掛置き部82後面に巻き回されており、前方ピース12の後端下部は、ヘッドレスト部84後面に巻き回されている。
そして表皮材本体10の前方は、各ピースが互いに縫着されて閉鎖状である。一方、表皮材本体10の後方は開放状であり、後述の開口部Oが形成される。そして本実施例では、各ピースの後端側(表皮材8Sの端部)に、後述の第一カバー部材21と第二カバー部材22を配設する構成である。
【0023】
(一対のカバー部材)
第一カバー部材21と第二カバー部材22は、図5を参照して、いずれも略長方形状の帯状部材である。本実施例の第二カバー部材22は、第一カバー部材21よりも若干長尺である。
そして第一カバー部材21(一対のカバー部材の一方)を、前方ピース12の後端上部と側方ピースの後端部に縫着して、掛置き部82の後面側に配設する。また第二カバー部材22(一方とは異なる他方)を、前方ピース12の後端下部と側方ピースの後端部に縫着して、ヘッドレスト部84の後面側に配設する。このようにヘッドレスト8Bに、比較的広範囲に開口する開口部O(掛置き部82とヘッドレスト部84にまたがって開口する開口部O)を形成することで、略L字状のパッド部材80Pの挿入作業が更に容易となる。
【0024】
そして本実施例の一対の隠し布30a,30aは、上述の開口部Oに対応する長さ寸法を有する長尺な帯状部材である(図5を参照)。
これら一対の隠し布30a,30aを、表皮材8Sの開口部O内に配置することで、開口部Oが目立たなくなり、ヘッドレスト8Bの見栄えの悪化を防止又は低減することができる。
【0025】
[変形例1]
そしてヘッドレスト8Cでは、図6及び図7を参照して、一対の樹脂板86,86を使用する構成(隠し布を省略する構成)を説明する。一対の樹脂板86,86は、いずれもヘッドレスト8C側方の外形に対応する略L字状(側面視)の平板部材である。
これら一対の樹脂板86,86を、各々、ヘッドレスト8Cの側部に配設したのち、側方ピース14の後端部を巻き回し状に縫着する(図7を参照)。このように側方ピース14を樹脂板86に固定することにより、開口部Oにおける側方ピース14の弛みを極力なくして、ヘッドレスト8Cの見栄えの悪化を防止又は低減することができる。
【0026】
[変形例2]
またヘッドレスト8Dでは、図8及び図9を参照して、開口部Oを覆うことが可能な一対の隠し布32,34(幅広な帯状部材)を有する。そして一対の隠し布32(34)は、第一カバー部材21からステー部材9まで達する長さ寸法を有する。
そして隠し布32の側端部と、隠し布34の側端部は、ファスナ部材Hによって開閉可能に連結可能とされしている。このファスナ部材Hとして、例えば図9(A)のスライドファスナH1や、図9(B)の面ファスナH2(雄型ファスナ42,雌型ファスナ44)を例示することができる。
【0027】
そして本変形例では、ファスナ部材Hを開き状態として、第一カバー部材21と第二カバー部材22を互いに離れる方向に伸縮させることにより開口部Oを開き状態とする。そしてパッド部材8Pに表皮材8Sを被せたのち、一対のカバー部材21,22が、その弾性力により開口部Oを閉じ状態とする。さらに本実施例では、一対の隠し布32,34を連結して開口部Oを覆うことにより、ヘッドレスト8Dの見栄えが更に良いものとなる。
【0028】
[実施例3]
実施例3の基本構造は、実施例1又は実施例2の基本構造とほぼ同一であるため、共通の構造等については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
そしてヘッドレスト8Eでは、図10を参照して、第二カバー部材22が、ヘッドレスト部84からステー部材9まで達する長さ寸法を有する。
そして第一カバー部材21を、前方ピース12の後端上部と側方ピースの後端部に縫着して、掛置き部82の後面に配設する。さらに第二カバー部材22を、前方ピース12の後端下部と側方ピースの後端部に縫着しつつ、掛置き部82の裏面まで延設する。
このように本実施例では、第一カバー部材21と第二カバー部材22の双方を掛置き部82に設けて、比較的狭小で目立ちにくい開口部Oを形成することで、ヘッドレスト8Eの見栄えを更に向上させることができる。なお本実施例の一対の隠し布30a,30aは、開口部Oに対応する短尺な帯状部材である。
【0029】
本実施形態に係るヘッドレストの被覆構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施例では、略矩形のヘッドレスト8Aと、略L字形(鞍型)のヘッドレスト8B〜8Eを例示した。本実施例のヘッドレストの被覆構造は、各種形状のヘッドレストに適用可能な技術である。また連結部材も、円筒状のステー部材に限定されず、各種の構成を取り得る。
(2)また本実施例では、隠し布30を用いる構成(見栄えの良い構成)を説明したが、ヘッドレストの見栄えが極端に悪化しないならば隠し布30を省略してもよい。なお隠し布の幅寸法は、開口部Oの構成により適宜変更可能であり、幅広な隠し布としてもよく、幅狭な隠し布としてもよい。まだ同様に隠し布の長さ寸法も、開口部Oの構成により適宜変更可能であり、長尺な隠し布としてもよく、短尺な隠し布としてもよい。
また実施例2では、隠し布の代わりとして樹脂板を設ける構成を説明した。この構成は、実施例1及び実施例2にも適用可能である。
また各実施例の隠し布は、典型的に表皮材本体と同じ材質で構成されるが、ゴム弾性を有する材質で構成してもよい。
【0030】
(3)また実施例1では、一対のカバー部材(21,22)を、開口部Oに向かって連続的に幅狭となるよう形成する例を説明した。これとは異なり、一対のカバー部材(21,22)を、開口部Oに向かって段階的(例えば階段状)に幅狭となるよう形成してもよい。なおヘッドレストの見栄えが極端に悪化しないならば、カバー部材全体を、ヘッドレストの幅寸法(図2中の仕切り線PL)と同一の幅寸法としてもよい。
【0031】
(4)また実施例2では、ファスナ部材H(スライドファスナや面ファスナ)を例示したが、このほかにも、隠し布同士を開閉可能に連結する部材(例えばボタン部材)を使用することができる。また実施例2では、パッド部材8Pに表皮材8Sを被せたのち隠し布30同士を縫合する構成(隠し布同士を開閉不能に連結する構成)としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ヘッドレストの下方斜視図である。
【図2】(A)は、ヘッドレストの下方正面図であり、(B)は、一対のカバー部材の正面図である。
【図3】(A)は、図1のA−A線断面図であり、(B)は、図1のB−B線断面図であり、(C)は、図1のC−C線断面図である。
【図4】車両用シートの側面図である。
【図5】実施例2のヘッドレストの下方斜視図である。
【図6】実施例2(変形例)のヘッドレストの下方斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】実施例2(別の変形例)のヘッドレストの下方斜視図である。
【図9】(A)は、ファスナ部材を示す図8のIX−IX線断面図であり、(B)は、別例のファスナ部材を示す図8のIX−IX線断面図である。
【図10】実施例3のヘッドレストの下方斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8A〜8E ヘッドレスト
8P,80P パッド部材
8S,80S 表皮材
9 ステー部材
10 表皮材本体
12 前方ピース
14 側方ピース
16 後方ピース
21 第一カバー部材
22 第二カバー部材
30 隠し布
32,34 別例の隠し布
42 雄型ファスナ
44 雌型ファスナ
82 掛置き部
84 ヘッドレスト部
86 樹脂板
H ファスナ部材
O 開口部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートのシートバックに、連結部材を介して連結するヘッドレストにおいて、前記ヘッドレストの外形をなすパッド部材に袋状の表皮材を被せたのち、前記表皮材の開口部を閉じ状態とするためのヘッドレストの被覆構造であって、
前記表皮材の端部に、弾性的に伸縮可能な一対のカバー部材を対向状に配設して、前記連結部材を露出可能な閉じ状態の前記開口部を形成するとともに、
前記一対のカバー部材を互いに離れる方向に伸縮させることで、前記表皮材の開口部を、前記パッド部材が挿入可能な開き状態とするとともに、前記一対のカバー部材の弾性力により前記表皮材の開口部を閉じ状態とする構成のヘッドレストの被覆構造。
【請求項2】
前記カバー部材を、前記開口部に向かって段階的又は連続的に幅狭となるよう形成して、前記カバー部材の開口部側を伸張させた状態で前記表皮材の端部に配設する構成とした請求項1に記載のヘッドレストの被覆構造。
【請求項3】
前記ヘッドレストが、前記シートバック上に前記連結部材を介して掛置き可能な掛置き部と、前記掛置き部からシート前側に垂下するヘッドレスト部を有し、
前記一対のカバー部材の一方を前記掛置き部に設けるとともに、前記一方とは異なる他方を前記ヘッドレスト部に設ける構成とした請求項1又は請求項2に記載のヘッドレストの被覆構造。
【請求項4】
前記ヘッドレストが、前記シートバック上に前記連結部材を介して掛置き可能な掛置き部と、前記掛置き部からシート前側に垂下するヘッドレスト部を有し、
前記一対のカバー部材の双方を前記掛置き部に設ける構成とした請求項1又は請求項2に記載のヘッドレストの被覆構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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